JPH10297509A - 油圧パワーステアリング装置の流量制御弁 - Google Patents

油圧パワーステアリング装置の流量制御弁

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JPH10297509A
JPH10297509A JP9120206A JP12020697A JPH10297509A JP H10297509 A JPH10297509 A JP H10297509A JP 9120206 A JP9120206 A JP 9120206A JP 12020697 A JP12020697 A JP 12020697A JP H10297509 A JPH10297509 A JP H10297509A
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flow control
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Katsukuni Kata
克邦 加太
Masumi Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵時においてはエンジン回転数が低い領域
でもパワーステアリング回路PS側に十分な流量を供給
する一方、PS側の圧力が変動しても、予め設定された
エンジン回転数に対するPS側への供給流量特性が変動
しないようにすること。 【解決手段】 パワーステアリング用流量制御弁FCV
が、セット荷重の大きい大径スプリング119によって
ポンプポート4側に付勢されバルブボディ122に摺動
自在に組み込まれたプランジャ115と、同様にセット
荷重の小さい小径スプリング118によってポンプポー
ト側に付勢され、サポート112に摺動自在に組み込ま
れたロッド116とからなり、エンジン回転数が低い領
域においてはまずロッドが作動する一方、エンジン回転
数が高い領域においては更にプランジャが作動して、プ
ランジャの内径と異径の段差を有するロッドとの係合に
よって形成される環状通路Wの開口面積を制御するこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流量制御弁を備えた
油圧パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流量制御弁を備えた油圧
パワーステアリング装置として、本出願人は特願平7−
115052号を出願している。
【0003】図6(A)は、当該出願に係るポンプ用流
量制御弁FVが1体に組付けられたポンプを示す。ここ
ではポンプとしてベーンポンプVPを用いている。ベー
ンポンプVPは、ポンプボディ10及びカバー11から
なるハウジングHに、軸穴12を形成するとともに、軸
穴12内に設けた軸受13によってシャフト14を回転
自在に支持している。シャフト14は、ポンプボディ1
0内に設けたロータ15の駆動軸となる一方、このロー
タ15には複数のベーン16を放射状に組み込んでい
る。
【0004】さらに、上記ロータ15の周囲には、図6
(A)のX−X矢視図である図6(B)に示すように楕
円形の内壁を有するカムリング17を設けている。そし
て、シャフト14が駆動されると、ロータ15も回転す
るが、このときベーン16がカムリング17の内壁に沿
って出たり入ったりする。つまり、各ベーン16の先端
がカムリング17に密接したまま回転するとともに、こ
れら各ベーン16間のそれぞれが、独立した室を構成す
る。
【0005】そして、各室が収縮行程に入ったときに吐
出口から作動油を吐出する一方、各室が拡大行程に入っ
たとき、作動油を吸入する。なお、ロータ15及びカム
リング17の側面にはサイドプレート18を設けてい
る。このサイドプレート18の背面側には高圧室19を
形成するとともに、この高圧室19にはポンプ吐出圧が
導かれる。そして、この高圧室19内の作動油の圧力に
より、サイドプレート18をロータ15側に押しつけ、
ローディングバランスを保つ。更にポンプボディ10に
は、ポンプ用流量制御弁FVを一体に設けている。つま
り、ポンプ用流量制御弁FVのポンプボディを、ベーン
ポンプVPのポンプボディ10と共用している。
【0006】次に、このパワーステアリング装置の作用
を説明する。ベーンポンプVPのシャフト14は図示し
ていないエンジンに連結されており、エンジンを始動す
るとシャフト14に連結するロータ15が回転する。し
たがって、エンジン回転数が上昇すればするほどベーン
ポンプVPの吐出量が多くなる。そしてこの吐出作動油
は、図4(A)に示す流量制御弁FVの圧力室8aに導
かれるとともに、アクチュエータポート20aからパワ
ーステアリング回路PSに供給される。
【0007】このとき、吐出された作動油の流れに伴い
図4(A)に示す可変絞り3前後には圧力差が発生す
る。そして、その上流側の圧力が圧力室8a側のスプー
ル7の左端面に作用する一方、下流側の圧力がパイロッ
ト通路29を介して、パイロット室8b側のスプール7
の右端面に作用する。
【0008】しかし、可変絞り3前後の差圧にスプール
7の受圧面積を乗じた推力がスプリング9のイニシャル
荷重を越えるまで、つまり一定のポンプ吐出量に達する
までは、スプール7は右方に移動することができず、ポ
ンプポート4とドレンポート5を遮断した状態を保つ。
したがって、ポンプ吐出量のすべてがパワーステアリン
グ回路PSに供給される(図3(C)の特性線Kの区間
a)。
【0009】エンジン回転数が高くなり、ポンプ吐出量
が多くなって、可変絞り3前後の差圧がある大きさ以上
になると、スプール7はスプリング9に抗して右方に移
動する。そして、スプール7に作用する前記推力とスプ
リング9のバネ力とがつりあう位置でスプール7は止ま
るとともに、この位置に応じた開度でポンプポート4と
ドレンポート5を連通する。
【0010】上記ポンプ用流量制御弁FVによれば、エ
ンジン回転数が高くなればなるほど、パワーステアリン
グ回路PSへの供給量Qは少なくなる特性を有するが、
それは次の理由からである。すなわち、ポンプ吐出量が
多くなると、可変絞り3前後の差圧が大きくなるので、
スプール7は更に右方に移動する。スプール7がこのよ
うに移動すれば、絞り部材23の大径部23aが絞り孔
22bに突入するので、その可変絞り3の開度が一層小
さくなる。しかも、大径部23aの一部が絞り孔22b
内に入ったときと、その全部が絞り孔22b内に入った
ときとでは、その絞り効果が異なるため、大径部23a
が絞り孔22b内に入れば入るほど、その前後の差圧が
大きくなる。
【0011】このようにして図3(C)の特性線Kの区
間bで示すように、エンジン回転数Nが所定の値よりも
高くなると、パワーステアリング回路PSに供給される
流量が減少し、そのパワーアシスト力を小さくする。し
かも、エンジン回転数Nは、車速に比例するので、結
局、車速に応じたパワーアシスト力を付与することがで
きる。なお、最大供給量Qmは、必要とされる最大のパ
ワーアシスト力を基準に設定しておけばよい。
【0012】また、パワーステアリング回路PSへ供給
される最高圧は、リリーフバルブによって決められてい
る。つまり、パワーステアリング回路PSの負荷圧が異
常に上昇すると、第1パイロット室8bの圧力も大きく
なるとともに、この圧力がボールポペット33に作用す
る。そして、この圧力がスプリング32によって決めら
れているリリーフ設定圧より大きくなると、ボールポペ
ット33を押し開いて第1パイロット室8bとドレンポ
ート5を連通する。
【0013】上記のようにパイロット室8bとドレンポ
ート5が連通すると、圧力感知孔24に流れが生じ、そ
こに圧力損失が発生する。そのためにパイロット室8b
内の圧力が急激に低下するとともに、スプール7は図5
に示すように右方に移動してポンプポート4とドレンポ
ート5の開度を大きくし、ポンプ供給圧を低くする。そ
して、パワーステアリング回路PSの回路圧がリリーフ
設定圧より小さくなると、再びボールポペット33がシ
ート面34に着座するので、パワーステアリング回路P
Sの最高圧を規制することができる。
【0014】図4及び図5に示す従来例は、スプール7
と対向してピストン35を設けるとともに、このピスト
ン35内に切換スプール36を設けた点に特徴がある。
また図3(B)は回路図であり、図4(A)及びその部
分拡大図である図4(B)は、ベーンポンプVPが停止
している状態を示し、図5(A)及びその部分拡大図で
ある図5(B)はベーンポンプVPが駆動されている操
舵状態を示すものである。この従来例におけるポンプ用
流量流量制御弁FVは、通路29を介して可変絞り3の
下流側に接続した第1パイロット室8b内において、ス
プール7とピストン35とを対向させ、両者の間にスプ
リング9を介在させている。
【0015】上記ピストン35には、その中央部分に鍔
部37を形成し、この鍔部37で、第2パイロット室3
8とドレン室39とを区画している。そしてドレン室3
9には停止段部39aを形成し、鍔部37がこの停止段
部39aに接した状態でそれ以上移動できないようにし
ている。第2パイロット室38は、ピストン35を挟ん
で第1パイロット室8bと反対側に設けている。また、
ドレン室39は、図示を省略したタンク通路に連通させ
るとともに、第1パイロット室8bとの連通は遮断され
ている。そして、第1パイロット室8b側に面したピス
トンの一方の受圧面35aに対して、第2パイロット室
に面した他方の受圧面35b(鍔部37の受圧面も含
む)の受圧面積を大きくしている。
【0016】上記ピストン35には、その軸線上にスプ
ール孔40を形成しているが、第1パイロット室8b側
にはスプール孔40の左端が開放され、右端は塞がれて
いる。このようにしたスプール孔40に切換スプール3
6を摺動自在に組み込んでいる。したがって、この切換
スプール36の左端面には、第1パイロット室8bの圧
力が作用する。
【0017】さらに、このピストン35には、環状溝4
1を形成し、この環状溝41と第2パイロット室38と
を、通孔42を介して連通させている。上記切換スプー
ル36には、図4(B)に示すような2つのランド部4
3,44を形成するとともに、これらランド部43,4
4間を環状凹部45としている。そしてこの切換スプー
ル36の右方のランド部44側には、スプリング46の
バネ力を作用させている。
【0018】なお、上記環状凹部45は、その移動位置
に関係なく、通路47を介して常にドレン室39に連通
する。また、切換スプール36には連通孔48を形成
し、スプリング46を収容した室を環状凹部45を介し
てドレン室39に連通させている。上記のようにした切
換スプール36は、図4(A)に示すノーマル位置にお
いて、そのランド部43で、第1パイロット室8bと環
状溝41との連通を遮断する一方、第2パイロット室3
8を、環状凹部45及び通路47を介してドレン室39
に連通させる。
【0019】ベーンポンプVPを駆動すると、その圧力
油がポンプポート4を介して圧力室8aに導かれるとと
もに、可変絞り3を介してパワーステアリング回路PS
にも導かれる。そして、非操舵時であればパワーステア
リング回路PSが中立状態となり、圧力油はタンクに還
流されるため、パワーステアリング回路PSの負荷圧、
言い換えれば可変絞り3の下流側の圧力は低く、スプリ
ング46で定めた設定圧力を越えることはない。そのた
めに、ピストン35が図4(A)のノーマル位置を保
ち、第1パイロット室8b内のスプリング9の荷重を小
さく維持する。
【0020】この結果、圧力室8aと第1パイロット室
8bの差圧にスプール7の受圧面積を乗じた推力が、第
1パイロット室8b内のスプリング9のバネ力に打ち勝
ち、スプール7がスプリング9の荷重とバランスするま
で右方に移動する。スプール7が移動すれば、ポンプポ
ート4がドレンポート5に連通するので、その分パワー
ステアリング回路PSへの供給流量も少なくなる。非操
舵時の供給流量を操舵時と比較して示したのが図3
(C)で、非操舵時の供給流量Qnが操舵時の最大供給
流量Qmよりも少なくなることを示している。
【0021】操舵状態において、第1パイロット室8b
の圧力が、スプリング46で定めた設定圧力を越える
と、切換スプール36がスプリング46に抗して右方に
移動し、第1パイロット室8bと環状溝41とを連通さ
せる。この環状溝41は通孔42を介して第2パイロッ
ト室38にも連通しているので、結局、第1パイロット
室8bと第2パイロット室38とが連通することにな
る。したがって、第1パイロット室8b及び第2パイロ
ット室38のそれぞれに可変絞り3の下流側の圧力が導
かれ、ピストン35の左側受圧面35aと右側受圧面3
5bとの面積差により、ピストン35がスプリング9に
抗して左方に移動する。このときのピストン35の最大
移動量は、それが停止段部39aに当接する迄である。
【0022】このようにピストン35が移動すれば、ス
プリング9の荷重が大きくなる。荷重が大きくなれば、
圧力室8aと第1パイロット室8bの圧力差に基ずく推
力が、スプリング9の荷重とバランスするまでのスプー
ル7の移動量も相対的に小さくなり、圧力室8aからド
レンポート5への流出量が少なくなる。この結果パワー
ステアリング回路PSへの供給流量が増え、操舵時には
図3(C)に示す特性線Kの流量特性となる。
【0023】上記のことから明らかなように、この実施
形態によれば、操舵時には最大供給流量Qmを確保し
て、パワーステアリング回路PS側がパワー不足になら
ないようにする一方、非操舵時にはベーンポンプVPの
供給流量Qnを操舵時の最大供給流量Qmよりも少なく
しているので、非操舵時のエネルギー損失を少なくする
ことができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の場合、
可変絞り3の開口面積は、コネクター20を介してポン
プボディ10に固定された絞り孔22bとスプール7の
左端部に1体的に固定された絞り部材23の嵌合位置即
ち大径部23aか小径部23bかによって定まる面積で
あり、スプール7のバランス位置により一義的に定まる
面積である。
【0025】この状態でパワーステアリング回路PS側
の圧力がパワーアシスト力に対応して変化する場合を考
える。パワーステアリング回路PS側の圧力が平均的な
負荷圧力Pmの場合に図3(C)のKの特性が選られる
とすると、PS側の圧力がPmより高いPuになると、
第1パイロット室8bの圧力が上がるので、スプール7
は図5(A)に示す状態より左側に移動する。この結
果、ドレンポート5の開口面積が減少してポンプポート
4の圧力Ppが上昇するとともに、スプール7の左端部
に1体的に固定された絞り部材23の大径部23aと絞
り孔22bとの嵌合長さが短くなるので、可変絞り3の
通路抵抗は減少し、図3(C)のKuで示すようにPS
側への供給流量が増大する。
【0026】逆にパワーステアリング回路PS側の圧力
が平均的な負荷圧力Pmより低いPdになると、第1パ
イロット室8bの圧力が下がるので、スプール7は図5
(A)に示す状態より右側に移動する。この結果、ドレ
ンポート5の開口面積が増加してポンプポート4の圧力
Ppが低下するとともに、スプール7の左端部に1体的
に固定された絞り部材23の大径部23aと絞り孔22
bとの嵌合長さが長くなるので、可変絞り3の通路抵抗
は増加し、図3(C)のKdで示すようにPS側への供
給流量が減少する。この現象はパワーステアリング装置
の操舵フィーリングに影響するので、パワーステアリン
グ回路PS側の圧力が変動しても、予め設定されたエン
ジン回転数に対するパワーステアリング回路PS側への
供給流量特性が変動しないようにしたいという根強い要
求がある。
【0027】本発明は以上の様な実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、操舵時において
はエンジン回転数が低い領域でもパワーステアリング回
路PS側に十分な流量を供給する一方、パワーステアリ
ング回路PS側の圧力が変動しても、予め設定されたエ
ンジン回転数に対するパワーステアリング回路PS側へ
の供給流量特性が変動しないようにすることである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明のとった手段は、「パワーステアリング用流
量制御弁が、パワーステアリング回路側に収容されたセ
ット荷重の大きい大径スプリングによってポンプポート
側に付勢され、バルブボディに摺動自在に組み込まれた
プランジャと、同様にパワーステアリング回路側の大径
スプリングの内側に収容されたセット荷重の小さい小径
スプリングによってポンプポート側に付勢され、上記ポ
ンプボディに螺合するコネクターに繋止されたサポート
に摺動自在に組み込まれたロッドとからなり、エンジン
回転数が低い領域においてはまずロッドが作動する一
方、エンジン回転数が高い領域においては更にプランジ
ャが作動して、前記プランジャの内径と異径の段差を有
するロッドとの係合によって形成される環状通路の開口
面積を制御すること」である。
【0029】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態につい
て、従来例と異なる部分について説明する。図1は、エ
ンジン回転数が低くベーンポンプVPの吐出量が少ない
場合で、かつ非操舵状態を表している。図示の切換スプ
ール106には絞り106A,106Bを設けている。
絞り106Aは、非操舵状態から操舵状態に切換わる際
にパワーステアリング回路の負荷圧の上昇に伴い第1パ
イロット室101Aの圧力が高くなって、切換スプール
106がスプリング105のバネ力に抗して上方に移動
し、第1パイロット室101Aと第2パイロット室10
1Bが環状溝102B,通孔102Cを介して連通する
場合の通路面積を制限する。この結果ピストン102は
緩やかに下方に移動するので、パワーステアリング回路
PSへの供給圧の変化、言い換えればパワーアシスト力
の変化も緩やかになり、運転者に対する違和感の発生を
防止することができる。
【0030】同様に絞り106Bは、操舵状態から非操
舵状態に切換わる際に、第1パイロット室101Aの圧
力が低くなって、切換スプール106がスプリング10
5のバネ力によって下方に移動し、図1に示す様に第2
パイロット室101Bをドレン室101Cに連通する場
合の通路面積を制限することにより、パワーアシスト力
の急激な変化を防止する。絞り106A,106Bは、
切換スプール106の軸心に直角にドリル等により穿孔
することで形成することが容易であり、低い加工コスト
で上記の効果を得ることができる。
【0031】ポンプボディ100に螺合されたピストン
ケース101には、その中央部分にピストン102を摺
動自在に案内するとともに、このピストン102で、第
2パイロット室101Bとドレン室101Cとを区画し
ている。そして、ドレン室101Cには停止段部101
Dを形成し、ピストン102がこの停止段部101Dに
当接した後は、それ以上下方に移動できないようにして
いる。
【0032】第2パイロット室101Bは、ピストンケ
ース101の上端部にシールを装着したストッパ103
を挿入し、Cピン104で抜け止めすることにより、ピ
ストン102を挟んで第1パイロット室101Aと反対
側に設けられている。またドレン室101Cは、連通路
101F及び容室100Gを介して図示を省略したタン
ク通路に連通させるとともに、第1パイロット室101
Aとの連通はシール109により遮断されている。そし
て、第1パイロット室101A側に面したピストン10
2の下方の受圧面102Dに対して、第2パイロット室
101Bに面しピストン上端の受圧面積102Fを含む
上方の受圧面102Eの受圧面積を大きくしている。
【0033】ベーンポンプVPを駆動すると、その圧力
油がポンプポート4を介して圧力室100Aに導かれる
とともに、パワーステアリング用流量制御弁FCVを介
してパワーステアリング回路PS側にも導かれる。そし
て、図1に示す非操舵状態であれば、パワーステアリン
グ装置は中立状態になっているので、パワーステアリン
グ回路PS側の負荷圧、言い換えればパワーステアリン
グ用流量制御弁FCVの下流側の圧力は、パイロット通
路100Cを介して第1パイロット室101A側に導か
れる。この圧力は低いのでスプリング105で定めた設
定圧力を越えることはない。そのために、ピストン10
2が図1に示すノーマル位置を保ち、第1パイロット室
101A内のスプリング108のセット荷重を小さくす
る。
【0034】この状態においては、圧力室100Aと第
1パイロット室101Aの差圧に、ポンプボディ100
に摺動自在に組み込まれたスプール107の受圧面積を
乗じた上方への推力が、スプリング108のバネ力に打
ち勝ち、スプール107がスプリング108の荷重にバ
ランスするまで上方に移動する。このようにスプール1
07が上方に移動すれば、ポンプポート4がドレンポー
ト5に連通するので、その分、ポンプの負担も小さくな
る。
【0035】上述した非操舵状態においては、パワース
テアリング回路PS側の圧力が低いこともあってピスト
ン102が図1に示すノーマル位置を保ち、第1パイロ
ット室101A内のスプリング108のセット荷重が小
さいため、バルブボディ122に摺動自在に組み込まれ
たプランジャ115の内径側小径部とロッド116の大
径部116Bの係合隙間からなる環状隙間W前後の差圧
は操舵時に比べて小さい。この結果、プランジャ115
は大径スプリング119に押し上げられた図1の状態を
保つ。
【0036】同様に非操舵状態においては、コネクター
121に繋止されたサポート112に摺動自在に組み込
まれたロッド116は、ロッドに嵌着されたEリング1
17を介し小径スプリング118によって上方に押し上
げられ、鍔部116Cがサポート112に当接した図1
の状態に保たれている。従って環状隙間Wは小さな面積
となる。ここで座金120は小径スプリング118の荷
重をEリング117に均等に伝えるために介在させたも
のである。非操舵状態においては、パワーステアリング
回路PS側の圧力が低いこともあって、パワーステアリ
ング用流量制御弁FCVの環状隙間W前後の差圧はほぼ
一定に保たれるので、供給流量Qoは図3(A)の破線
で示すように、ポンプ回転数に依存しないほぼ一定の低
い流量に維持されるため、エネルギー損失を少なくする
ことができる。
【0037】また、図2に示す操舵状態においては、パ
ワーステアリング回路PSの負荷圧が上昇するが、その
上昇した圧力Puがパイロット通路100B,100
C,100Dを介して、ポンプ用流量制御弁FVの第1
パイロット室101Aにも導かれる。このため第1パイ
ロット室101Aの圧力に切換スプール106の受圧面
積を乗じた推力がセットスプリング105の荷重に打ち
勝って、切換スプール106は上方に移動し、絞り10
6Aが環状溝102Bに開口して、第1パイロット室1
01Aと第2パイロット室101Bとが絞り106Aを
介して連通する。
【0038】この結果ピストン102は、その受圧面1
02Dと102Eとの受圧面積差によって、スプリング
108を縮める方向に移動するのであるが、移動速度は
絞り106Aにより抑制された緩やかなものとなる。ま
た第1パイロット室101Aの圧力が脈動したとして
も、第2パイロット室101Bの圧力は絞り106Aに
より緩衝され、脈動がそのまま伝わらないために、ピス
トン102が軸方向に振動するのを防止することができ
る。このときの最大移動量は、ピストン102が停止段
部101Dに当接するまでである。
【0039】ピストン102が移動すれば、スプリング
108の荷重が大きくなる。荷重が大きくなれば、その
分スプール107が圧力室101A内の圧力作用で上方
に移動するストロークも相対的に小さくなり、ポンプポ
ート4からドレンポート5に流出する流量が少なくなる
とともにポンプポート4の圧力Ppも上昇する。
【0040】操舵時においては、PS側の圧力が高いこ
ともあって、ピストン102が図2に示すように押し下
げられ、第1パイロット室101A内のスプリング10
8のセット荷重が大きくなるため、プランジャの内径側
オリフィス115Aとロッドの116の係合隙間からな
る環状隙間W前後の差圧は非操舵時に比べて増大する。
この結果、ロッド116は、ロッド自身に嵌着されたE
リング117を介して及びセット荷重の小さい小径スプ
リング118を押し縮め下方に移動する。鍔部116C
がサポート112から離れるに従いプランジャ内径側の
小径部とロッドの小径部116Aが係合することになる
ので、それらの係合隙間からなる環状隙間Wは大きな面
積となる。
【0041】従ってプランジャ115の受圧面積Apに
ポンプポートの圧力Ppとパワーステアリング回路PS
側の圧力Puの差圧(Pp−Pu)を乗じた推力Ap
(Pp−Pu)が、大径スプリング119のセット荷重
より小さいポンプ回転数の小さい領域ではプランジャ1
15は作動しないので、PS側への供給流量は図3
(A)の実線で示すように最大供給流量Qsまで増加
し、パワーステアリング回路PS側がパワー不足になら
ないようにする。
【0042】エンジン回転数が上がって図3(A)のb
の領域にはいると、環状隙間Wの前後差圧が大きくなる
ので、ロッド116は小径スプリング118が最圧縮状
態になる迄に下方に移動する。環状隙間Wの前後差圧が
更に大きくなると、ロッド116に比べ受圧面積の大き
いプランジャ115が大径スプリング119のセット荷
重に打ち勝って下方に移動し、最圧縮状態になっている
ロッド116の大径部116Bと徐々に係合する。この
結果、環状隙間Wの開口面積は徐々に小さくなるので、
パワーステアリング回路PS側への供給流量も、図3
(A)の実線で示す供給流量特性Jのように徐々に減少
する。
【0043】上記のことから明らかなように、この実施
形態によれば、操舵時のエンジン回転数の低い領域で
は、まずロッド116が小径スプリング118を押し縮
めて下方に移動し、環状隙間Wの開口面積を大きくする
ことによって、最大供給流量Qsを確保して、パワース
テアリング回路PS側がパワー不足にならないようにす
る。エンジン回転数が高まり、環状隙間Wの前後差圧が
大きくなると、プランジャ115が大径スプリング11
9のセット荷重に打ち勝って下方に移動し、環状隙間W
の開口面積は徐々に小さくなるので、パワーステアリン
グ回路PS側への供給流量が減少し、エネルギー損失を
少なくすることができる。
【0044】一方、非操舵時には、ポンプの供給流量Q
oをエンジン回転数に関わりなく操舵時の最大供給流量
Qsよりも少なくしているので、エネルギー損失を少な
くすることができる。しかも、パワーステアリング用流
量制御弁FCVはポンプ用流量制御弁FVとは分離され
ており、かつ圧力補償型であるので、パワーステアリン
グ回路PS側の圧力が変動しても、予め設定されたエン
ジン回転数に対するパワーステアリング回路PS側への
供給流量特性Jが変動しないため、良好な操舵フィーリ
ングを維持することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、操舵時のエンジン回転
数の低い領域では、まずパワーステアリング用流量制御
弁FCVのロッド116が小径スプリング118を押し
縮めて下方に移動し、環状隙間Wの開口面積を大きくす
ることにより、最大供給流量Qsを確保してパワーステ
アリング回路PS側がパワー不足にならないようにす
る。エンジン回転数が高まり、環状隙間Wの前後差圧が
大きくなると、プランジャ115が大径スプリング11
9のセット荷重に打ち勝って下方に移動し、環状隙間W
の開口面積は徐々に小さくなるので、パワーステアリン
グ回路PS側への供給流量が減少し、エネルギー損失を
少なくすることができる。一方、非操舵時には、供給流
量Qoをエンジン回転数に関わりなく操舵時の最大供給
流量Qsよりも少なくしているので、エネルギー損失を
少なくすることができる。しかも、パワーステアリング
用流量制御弁FCVは、ポンプ用流量制御弁FVとは分
離されており、かつ圧力補償型であるので、パワーステ
アリング回路PS側の圧力が変動しても、予め設定され
たエンジン回転数に対するパワーステアリング回路PS
側への供給流量特性Jが変動しないため、良好な操舵フ
ィーリングを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパワーステアリング装置の流量制御
弁の非操舵状態を示す断面図である。
【図2】 本発明のパワーステアリング装置の流量制御
弁の操舵状態を示す断面図である。
【図3】(A)本発明に係るパワーステアリング装置の
供給流量特性を示すグラフである。 (B)従来技術に係るパワーステアリング装置の回路図
である。 (C)従来技術に係るパワーステアリング装置の供給流
量特性を示すグラフである。
【図4】(A)従来技術に係る流量制御弁の停止時の断
面図である。 (B)上記流量制御弁のピストン部の拡大断面図であ
る。
【図5】(A)従来技術に係る流量制御弁の操舵時の断
面図である。 (B)上記流量制御弁のピストン部の拡大断面図であ
る。
【図6】(A)ベーンポンプの断面図である。 (B)上記ベーンポンプのX−X線端面図である。
【符号の説明】
FV ポンプ用流量制御弁 PS パワーステアリング回路 PV ベーンポンプ FCV パワーステアリング用流量制御弁 1 ポンプ 2 流路 4 ポンプポート 5 ドレンポート 100 ポンプボディ 100A 圧力室 101A 第1パイロット室 101B 第2パイロット室 107 スプール 108 スプリング 112 サポート 115 プランジャ 116 ロッド 118 小径スプリング 119 大径スプリング 121 コネクター 122 バルブボディ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転数に応じて吐出量が変化
    するポンプと、このポンプをパワーステアリング回路に
    接続する流路と、この流路途中に設けたパワーステアリ
    ング用流量制御弁と、ポンプからタンクへの還流流量を
    制御するポンプ用流量制御弁とを備え、このポンプ用流
    量制御弁は、ポンプボディと、上記パワーステアリング
    用流量制御弁の上流側に接続した圧力室と、タンクに連
    通するドレンポートと、上記ポンプボディに摺動自在に
    組み込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の
    反対側に設けた第1パイロット室と、この第1パイロッ
    ト室に設けてスプールにバネ力を作用させたスプリング
    とからなり、上記ポンプ用流量制御弁の上流側の圧力を
    スプール左端の圧力室に、また下流側の圧力をパイロッ
    ト通路を介して第1パイロット室に導き、絞り前後の差
    圧が所定圧力以上になったとき、圧力室の圧力がスプリ
    ングのバネ力及び第1パイロット室の圧力作用に打ち勝
    ってスプールを移動させるとともに、そのスプールの位
    置に応じた開度で圧力室をドレンポートに開口させる構
    成にしたパワーステアリング装置において、 上記パワーステアリング用流量制御弁は、パワーステア
    リング回路側に収容されたセット荷重の大きい大径スプ
    リングによってポンプポート側に付勢され、バルブボデ
    ィに摺動自在に組み込まれたプランジャと、同様にパワ
    ーステアリング回路側の大径スプリングの内側に収容さ
    れたセット荷重の小さい小径スプリングによってポンプ
    ポート側に付勢され、上記ポンプボディに螺合するコネ
    クターに繋止されたサポートに摺動自在に組み込まれた
    ロッドとからなり、エンジン回転数が低い領域において
    はまずロッドが作動する一方、エンジン回転数が高い領
    域においては更にプランジャが作動して、前記プランジ
    ャの内径と異径の段差を有するロッドとの係合によって
    形成される環状通路の開口面積を制御することを特徴と
    する油圧パワーステアリング装置の流量制御弁。
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