JP2017020562A - リリーフバルブ - Google Patents
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Abstract
【目的】低油温,中油温及び高油温のそれぞれの状態でリリーフを行うもので、特に低回転数域且つ低油温にて最適なリリーフ流量に制御することができるリリーフバルブとすること。
【構成】弁体3と、該弁体3が往復自在とし且つ軸方向に沿って油温検知リリーフ排出口22,第2油圧リリーフ排出口24及び第1油圧リリーフ排出口23を有する前記弁通路21が形成された弁ハウジング2と、弁通路21にオイルを送るリリーフ流入部25とを備えること。前記油温検知リリーフ排出口22は前記第1油圧リリーフ排出口23及び前記第2油圧リリーフ排出口24よりも先にリリーフが行われる位置とし、前記油温検知リリーフ排出口22の下流側にはサーモバルブ6が設けられ、該サーモバルブ6は低油温時では全開してなること。
【選択図】 図1
【構成】弁体3と、該弁体3が往復自在とし且つ軸方向に沿って油温検知リリーフ排出口22,第2油圧リリーフ排出口24及び第1油圧リリーフ排出口23を有する前記弁通路21が形成された弁ハウジング2と、弁通路21にオイルを送るリリーフ流入部25とを備えること。前記油温検知リリーフ排出口22は前記第1油圧リリーフ排出口23及び前記第2油圧リリーフ排出口24よりも先にリリーフが行われる位置とし、前記油温検知リリーフ排出口22の下流側にはサーモバルブ6が設けられ、該サーモバルブ6は低油温時では全開してなること。
【選択図】 図1
Description
本発明は、低油温,中油温及び高油温のそれぞれの状態でリリーフを行うもので、特に低回転数域且つ低油温にて最適なリリーフ流量に制御することができるリリーフバルブに関する。
従来のリリーフバルブ装置において、油圧とスプリング荷重のバランスでバルブが移動し、異なる箇所に設けられた複数のリリーフ口が開口することで、エンジンの回転数に応じて油圧を複数段階に制御することができるリリーフバルブが存在する。具体的には、2段リリーフの1段目のリリーフ孔の開ロ面積を油温によって可変させるサーモワックスによるバルブであって、低油温時に1段目のリリーフ孔の開ロ面積を大とすることで、1段目のオイルのリリーフ(排出)量を大とし、低油温時の油圧上昇を抑制することで燃費向上を図る技術となっている。
しかし、特許文献1では、1段目のリリーフ孔の開ロ面積をサーモワックスにより増減させるため、1段目のリリーフ孔が開口するより低いエンジン回転数であるエンジンの低回転数域の油圧は従来技術と比較して低くなっていない。本発明の目的(解決しようとする課題)は、特に、低回転数域及び低油温時においてオイルポンプの無駄仕事を削減し、もって燃費を向上させることにある。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、弁体と、該弁体が往復自在とし且つ軸方向に沿って油温検知リリーフ排出口,第2油圧リリーフ排出口及び第1油圧リリーフ排出口を有する前記弁通路が形成された弁ハウジングと、弁通路にオイルを送るリリーフ流入部とを備え、前記油温検知リリーフ排出口は前記第1油圧リリーフ排出口及び前記第2油圧リリーフ排出口よりも先にリリーフが行われる位置とし、前記油温検知リリーフ排出口の下流側にはサーモバルブが設けられ、該サーモバルブは低油温時では全開してなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1に記載のリリーフバルブにおいて、前記サーモバルブは油温上昇と共にリリーフ開口の面積が次第に減少される構成としてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2に記載のリリーフバルブにおいて、前記サーモバルブは高油温で遮断してなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項1,2又は3の何れか1項に記載のリリーフバルブにおいて、前記油温検知リリーフ排出口は他のリリーフ排出孔の位置よりも軸方向後方側で且つ前記リリーフ流入部近傍に設けられる構成としてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項5の発明を、請求項1,2又は3の何れか1項に記載のリリーフバルブにおいて、前記油温検知リリーフ排出口は、前記弁通路において前記第1油圧リリーフ排出口又は前記第2油圧リリーフ排出口の少なくとも一方よりは前方側に位置し、前記弁体は、軸方向先端側の先端部に流入開口部が設けられ、該流入開口部からオイルが流入する弁内流路が形成され、且つ該弁内流路の軸方向中間位置から前記弁体の外部にオイルが流出するリリーフ孔が形成され、該リリーフ孔は、前記第1油圧リリーフ排出口及び前記第2油圧リリーフ排出口よりも先に前記油温検知リリーフ排出口の位置に到達して該油温検知リリーフ排出口を開く構成としてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載のリリーフバルブにおいて、前記油温検知リリーフ排出口の開口面積はその他のリリーフバルブ排出孔よりも小さく形成されてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、エンジンの始動直後に油温が上昇せず、低油温であっても、油温検知リリーフ排出口を設け且つ該油温検知リリーフ排出口の下流側にサーモバルブを備えたので、エンジンの低回転数域におけるオイルポンプの吐出圧力の上昇を防止することができる。これによって、低油温時且つエンジンの低回転数域の油圧をより一層低くでき、低油温時且つ低回転数域の燃費向上に寄与することができる。
請求項2の発明では、前記サーモバルブは油温上昇と共にリリーフ開口の面積が次第に減少される構成としたことにより、高油温ほど油圧は低くなるため、リリーフ量を減らすことで適切な油圧にできる。請求項3の発明では、サーモバルブは高油温で遮断する構成としたことにより、高油温時の必要油圧を確保することができる。
請求項4の発明では、弁通路において、リリーフ流入部近傍が位置する後方側から前方側に向かって油温検知リリーフ排出口を最もリリーフ流入部側に位置させることになり、低い油圧からでも、油温制御が行える。請求項5は、弁通路において、油温検知リリーフ排出口,第1油圧リリーフ排出口及び第2油圧リリーフ排出口の配置を比較的自由に設定することができ、製造の自由度を増加させることができる。
請求項6の発明では、油温検知リリーフ排出口の開口面積はその他のリリーフバルブ排出孔よりも小さく形成されたことにより、たとえサーモバルブに不具合が生じても通常の一般的なリリーフバルブの制御に近い制御を継続することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明のリリーフバルブは、自動車のエンジンに潤滑オイルを送るポンプ又はオイル回路Lに組み込まれることが一般的である。オイルポンプ1のハウジング10には、ロータ室11が形成され、内接歯車式のロータ14,15が組み込まれている(図1参照)。そして、ロータ室11には吸入ポート12及び吐出ポート13が設けられ、吐出ポート13側の下流にはリリーフバルブが備わっている(図1参照)。該リリーフバルブは、前記ロータと共にオイルポンプ1のハウジング10に配置されている。
本願発明のリリーフバルブは、複数の実施形態が存在し、まず第1実施形態から説明する。リリーフバルブは、主に弁ハウジング2,弁体3,スプリング5,サーモバルブ6等から構成される(図1,図2,図3等参照)。弁ハウジング2には、弁通路21が形成されている。該弁通路21は、略トンネル状の中空通路として形成され、前記弁体3が軸方向に移動自在に配置される部位であり、オイルポンプ1のハウジング10等のボディ等と一体形成されている。弁通路21において、該弁通路21内の弁体3の位置を基準として該弁体3がオイルの圧力を受けて移動する側を前方側とし、その反対側を後方側とする。
そして、弁通路21の後方側端部には、オイルポンプ1の吐出ポート13と連通するリリーフ流入部25が設けられている(図2,図3参照)。オイルポンプ1の稼動による吐出ポート13から吐出するオイルの一部がリリーフ流入部25に分岐流路251等の流路を介して流れ込み、弁体3にオイルの圧力をかける構成となっている。前記弁ハウジング2には、弁体3が弁ハウジング2の軸方向に移動自在に装着されている。ここで、軸方向とは、弁体3が移動する方向であり、また弁ハウジング2においては、弁体3の移動方向に沿う方向である。その他の構成部材についても、それぞれの軸方向は全て同一方向となる。前記分岐流路251は、例えばオイル回路Lから分岐した流路(図1参照)、或いはオイルポンプ1の吐出側に設けられた流路である。
弁通路21は、油温検知リリーフ排出口22,第1油圧リリーフ排出口23,第2油圧リリーフ排出口24を有している。そして、油温検知リリーフ排出口22の弁通路21における形成位置は、前記弁体3が僅かに前方側に移動することによって前記第1油圧リリーフ排出口23及び第2油圧リリーフ排出口24よりも先に開口し、前記油温検知リリーフ排出口22を介してリリーフ流入部25とサーモバルブ6とを連通させることができる位置である。
そして、弁体3が僅かに前方側に移動すれば、油温検知リリーフ排出口22は開口するものであるが、該油温検知リリーフ排出口22の下流側に設置されているサーモバルブ6の判断によって、オイルのリリーフが行われるか否かが決定される。したがって、最初のオイルのリリーフは、油圧支配によるものではなく、ほぼ油温によって開閉するサーモバルブ6により開閉される。
前記弁通路21における油温検知リリーフ排出口22,第1油圧リリーフ排出口23及び第2油圧リリーフ排出口24の位置の実施形態について説明する。その第1実施形態としては、弁通路21の軸方向後方側より前方側に向かって、油温検知リリーフ排出口22,第2油圧リリーフ排出口24、第1油圧リリーフ排出口23の順番でそれぞれのリリーフ排出口が形成されている。つまり、第2油圧リリーフ排出口24は、油温検知リリーフ排出口22と第1油圧リリーフ排出口23との間に存在することになる(図1乃至図3等参照)。
そして、前記油温検知リリーフ排出口22は、弁通路21において、前記第1油圧リリーフ排出口23及び第2油圧リリーフ排出口24の位置よりも、最もリリーフ流入部25側に近い位置に設けられている(図1乃至図3等参照)。具体的には、リリーフ流入部25の近傍の位置に形成されており、弁体3の初期停止状態から弁通路21の後端部から前方側に僅かに離れた位置に形成されている。
つまり、弁体3がリリーフ流入部25から流入するオイルの圧力で前方側に僅かに移動して、油温検知リリーフ排出口22を開き始める構成となっている。また、油温検知リリーフ排出口22はリリーフ流入部25の直近に設けてもよく、弁体3がオイルの圧力によって移動を開始すると同時に油温検知リリーフ排出口22を開く構成としても構わない。
油温検知リリーフ排出口22は、エンジン7が低回転数域で、且つ潤滑オイルが低油温のときに対応するリリーフが行われる部位である。油温検知リリーフ排出口22には、オイルポンプ1の吸入ポート12に連通する初期リリーフ流路221が設けられている。該初期リリーフ流路221には、サーモバルブ6が設けられている。サーモバルブ6は、サーモハウジング部61と、油温を検知するセンサを備えて油温の変化に応じて伸縮するピストン部62と、制御流路部63aを有するサーモ弁部63とからなる(図1乃至図3参照)。
前記サーモハウジング部61には、流入口61a,流出口61bが形成されている(図1乃至図3参照)。流入口61a,流出口61bは、前記初期リリーフ流路221と接続されている。前記サーモ弁部63は、初期状態で、制御流路部63aと流入口61a,流出口61bとの位置が一致し、初期リリーフ流路221は、リリーフされるオイルが流れる。
そして、油温の上昇によって、ピストン部62がサーモ弁部63を、図1乃至図6にて記載された上下方向における上方に移動させる。これによって、サーモ弁部63の制御流路部63aと流入口61a,流出口61bとの位置がずれることによって、初期リリーフ流路221を流れるオイルは遮断され、リリーフが停止する。前記ピストン部62は、オイルの油温が上昇するに従って、次第に伸び、前記流入口61a,流出口61bの開口面積を次第に狭めるように絞り動作を行う。
或いは、オイルの油温の高低によって、流入口61a,流出口61bを開閉の何れかの状態とすることもある。サーモ弁部63には、スプリング64が具備され、ピストン部62が縮んで、サーモ弁部63が初期位置に戻るときには前記スプリング64がその動作を補助する構成としてもよい。
弁通路21内において、前記弁体3は、スプリング5を介して弁通路21の後方側つまり、リリーフ流入部25側に常時、押圧されている。スプリング5は、具体的には圧縮コイルスプリングが使用され、弁体3の先端部32側寄りの段部32aがスプリング5に挿入されるように装着されている。
第2油圧リリーフ排出口24は、弁体3の初期状態の位置から該弁体3が弁通路21の前方側に移動して、第2油圧リリーフ排出口24の位置に到達するまでは、リリーフ流入部25と第2油圧リリーフ排出口24とは連通することがなく、該第2油圧リリーフ排出口24からのリリーフは行われない。
そして、第1油圧リリーフ排出口23は、弁体3が第2油圧リリーフ排出口24に到達する前に、第1油圧リリーフ排出口23と、後述する弁体3のリリーフ孔35とが一致する期間が存在し、第1油圧リリーフ排出口23からのリリーフが行われる。このように、弁体3が弁通路21の後端側から前方側に向かって移動する行程で、油温検知リリーフ排出口22,第1油圧リリーフ排出口23,第2油圧リリーフ排出口24の順番でリリーフが行われてゆく。
第1油圧リリーフ排出口23には、オイルポンプ1の吸入ポート12に連通する中期リリーフ流路231が設けられている。油温検知リリーフ排出口22の開口面積は、その他のリリーフバルブ排出孔(第1油圧リリーフ排出口23,第2油圧リリーフ排出口24)よりも小さく形成されることが好ましい。
このような構成によって、油温検知リリーフ排出口22からのリリーフの流量は、他の第1油圧リリーフ排出口23又は第2油圧リリーフ排出口24からのリリーフの流量よりも小さくなるように制限され、たとえ、サーモバルブ6が故障しても、吐出ポート13からの吐出圧が極端に低下又は上昇することを防止できる。
また、第2油圧リリーフ排出口24には、オイルポンプ1の吸入ポート12に連通する後期リリーフ流路241が設けられている。前記初期リリーフ流路221,中期リリーフ流路231及び後期リリーフ流路241は、それぞれ独立した流路としたり、或いはそれぞれの下流側で合流する構成としてもよい。
弁体3の弁筐体部31は、円筒形状とした外周側面31aの軸方向先端側を先端部32と称し、軸方向後端側を後端部33と称する。弁筐体部31の内部には、弁内流路34が形成されている(図1乃至図3等参照)。該弁内流路34には、リリーフされるオイルが流れ込む部分であり、略中空円筒形状の空隙として形成されている。弁内流路34は、弁筐体部31の後端部33側のみが開放されており、この開放箇所を流入開口部34aと称する。該流入開口部34aは、弁内流路34にリリーフされるオイルが流入する部位である。
前記弁内流路34の内周側面34bから弁筐体部31の外周側面31aとを直径方向(略直径方向も含む)に沿って貫通するリリーフ孔35が形成されている(図1乃至図3等参照)。該リリーフ孔35は、弁筐体部31の軸方向同一位置の周方向に沿って複数形成される。本発明の実施形態では、リリーフ孔35は、外周側面31aの直径方向の両端となるように、直径方向に対向して形成される。
また、外周側面31aには、複数のリリーフ孔35,35,…を包含するように周方向に沿ってリリーフ孔35の直径以上の溝幅を有するリリーフ溝31bが形成される(図2,図3参照)。該リリーフ溝31bには、各リリーフ孔35,35,…からリリーフされるオイルが流れ込む。そして、リリーフ溝31bと後述する第1油圧リリーフ排出口23とが連通することで、該第1油圧リリーフ排出口23にオイルを送り込み、第1油圧リリーフ排出口23からのリリーフが行われる(図5参照)。
次に、本発明におけるリリーフバルブの動作を説明する。リリーフバルブは、エンジン7の低回転数域,中回転数域及び高回転数域のそれぞれの領域及びオイルの油温に応じて、適正なリリーフを行う。図1は、エンジン7のオイル回路Lにオイルポンプ1及びリリーフバルブが組み込まれた図である。まず、エンジン回転数Nが低回転数域で且つ低油温の場合について説明する。この場合は、一般的にエンジン7の始動直後であり、オイルの油温は低油温である。低回転数域は、具体的には約1000rpm未満である。また、オイルは、低油温であるため粘度が高い状態である。
エンジン7の始動直後では、リリーフ流入部25から流入するオイルの圧力が低く、リリーフバルブの弁体3を弁通路21の前方側に移動させる圧力による力には、至らず停止状態で、弁通路21内を前方側に移動しない。この状態を初期状態とする(図2参照)。そして、低回転数域内で、徐々に回転数が上昇すると、リリーフ流入部25の圧力も増加し、弁体3は弁通路21を前方側に移動を開始する(図3参照)。
しかし、オイルは、低油温のままであり、粘度は高く維持されているので、弁通路21内のオイルの圧力は上昇する。このような状態で、弁体3は、弁通路21を前方側に移動することで、油温検知リリーフ排出口22が開き始め、該油温検知リリーフ排出口22からオイルがリリーフされる。
初期リリーフ流路221にはサーモバルブ6が備わっており、低油温では全開であるため、油温検知リリーフ排出口22から吸入ポート12へオイルがリリーフされることになる(図3参照)。このように、エンジン7の始動直後から、低回転数域で且つ低油温の状態が続く期間は、オイルのリリーフが行われ、低回転数域での吐出圧の過度の上昇を抑え、適正な圧力のオイルをエンジン7に送り込むことができる。このエンジン7の低回転数域における油温検知リリーフ排出口22からのリリーフ動作は、図7(B)のグラフによって、低回転数域においてエンジン回転数に比較する圧力上昇ではなく、緩やかな上昇であることが示されている。
そして、低回転数域が維持されつつも、油温が上昇するに従い、粘度も次第に低くなり、オイルは高粘度から低粘度となる。このときサーモバルブ6は、初期リリーフ流路221を次第に遮断し、低回転数域におけるリリーフを次第に停止する。また、サーモバルブ6が、オイルの油温の上昇に連動して徐々に流路面積を絞るタイプとすることで、油温の上昇と共に、オイルのリリーフ量を次第に減少させることができる(図4参照)。これによって、エンジン7の低回転数域におけるリリーフ動作において、油温上昇による油圧低下を抑制できる。
次に、エンジン回転数Nが中回転数の領域(約1000rpm乃至約3500rpm)では、弁体3が弁通路21を前方側に移動し、リリーフ孔35と、第1油圧リリーフ排出口23とが交わると、弁体3の弁内流路34に流入したオイルがリリーフ孔35から第1油圧リリーフ排出口23へオイルを送り、第1油圧リリーフ排出口23によるリリーフが行われる(図5参照)。
このとき、中回転数域では、オイルの油温は、高油温であれば、前述したように、サーモバルブ6によって、初期リリーフ流路221は遮断されている。したがって、第1油圧リリーフ排出口23のみからのリリーフとなる。また、オイルの油温が低油温の場合は、第1油圧リリーフ排出口23と油温検知リリーフ排出口22との両方でリリーフが行われることになる。
次に、エンジンの高回転数域(約3500rpm以上)では、リリーフ流入部25からの
オイルの圧力がさらに上昇し、弁体3の後端部33が第2油圧リリーフ排出口24を越えるまで押圧し、該第2油圧リリーフ排出口24から直接リリーフ動作を行う(図6参照)。エンジンの高回転数域では、オイルの油温は、高いことが多く、油温検知リリーフ排出口22のサーモバルブ6は初期リリーフ流路221を遮断しているので、第2油圧リリーフ排出口24のみからのリリーフとなることが多い。
オイルの圧力がさらに上昇し、弁体3の後端部33が第2油圧リリーフ排出口24を越えるまで押圧し、該第2油圧リリーフ排出口24から直接リリーフ動作を行う(図6参照)。エンジンの高回転数域では、オイルの油温は、高いことが多く、油温検知リリーフ排出口22のサーモバルブ6は初期リリーフ流路221を遮断しているので、第2油圧リリーフ排出口24のみからのリリーフとなることが多い。
次に、本発明のリリーフバルブの第2実施形態について図8(A),(B)に基づいて説明する説明する。この第2実施形態では、前記第1油圧リリーフ排出口23は、第1油圧リリーフ排出口23は、小排出孔23aと大排出孔23bとから構成される〔図8(B)参照〕。そして、小排出孔23aに対して大排出孔23bは、開口面積の大きさが大きく、且つ小排出孔23aと大排出孔23bとが弁通路21の周方向に近接配置された構成である。このような構成にすることにより。中回転数域以降のリリーフ圧力の調整も詳細に行うことができる。
また、前記弁体3には、前記弁内流路34及び前記リリーフ孔35が設けられず、弁体3の内部を単に中実としたものが存在する〔図8(A)参照〕。この中実タイプの弁体3は、リリーフ排出口が後方側から前方側に向かって油温検知リリーフ排出口22,第1油圧リリーフ排出口23,第2油圧リリーフ排出口24の順番に形成された弁ハウジング2に対応するものである〔図8(A)参照〕。
次に、本発明の第3実施形態について、図9に基づいて説明する。まず、弁通路21の前後方向において、前記油温検知リリーフ排出口22は、前記第1油圧リリーフ排出口23又は前記第2油圧リリーフ排出口24の少なくとも一方よりは前方側に位置する構成としたものである。
さらに、具体的に示すと、油温検知リリーフ排出口22の位置は、第1油圧リリーフ排出口23と第2油圧リリーフ排出口24との間に存在する。また、図示しないが、油温検知リリーフ排出口22は、第1油圧リリーフ排出口23及び第2油圧リリーフ排出口24の両方のリリーフ排出口よりも前方側に位置するように構成されることもある。
この第3実施形態では、弁体3の構成は、前記弁内流路34と前記リリーフ孔35とを有するものが使用される。そして、弁体3がオイルの圧力によって、弁通路21を前方側に移動をすると、まず最初に弁体3のリリーフ孔35の位置が、油温検知リリーフ排出口22の位置に到達し、他の第1油圧リリーフ排出口23又は第2油圧リリーフ排出口24よりも早くリリーフを開始する。これ以降の動作は第1油圧リリーフ排出口23,第2油圧リリーフ排出口24の順番で開閉が行われ、それぞれのオイルのリリーフが行われる。
2…弁ハウジング、21…弁通路、22…油温検知リリーフ排出口、
23…第1油圧リリーフ排出口、24…第2油圧リリーフ排出口、
25…リリーフ流入部、3…弁体、34…弁内流路、34a…流入開口部、
35…リリーフ孔、6…サーモバルブ。
23…第1油圧リリーフ排出口、24…第2油圧リリーフ排出口、
25…リリーフ流入部、3…弁体、34…弁内流路、34a…流入開口部、
35…リリーフ孔、6…サーモバルブ。
Claims (6)
- 弁体と、該弁体が往復自在とし且つ軸方向に沿って油温検知リリーフ排出口,第2油圧リリーフ排出口及び第1油圧リリーフ排出口を有する前記弁通路が形成された弁ハウジングと、弁通路にオイルを送るリリーフ流入部とを備え、前記油温検知リリーフ排出口は前記第1油圧リリーフ排出口及び前記第2油圧リリーフ排出口よりも先にリリーフが行われる位置とし、前記油温検知リリーフ排出口の下流側にはサーモバルブが設けられ、該サーモバルブは低油温時では全開してなることを特徴とするリリーフバルブ。
- 請求項1に記載のリリーフバルブにおいて、前記サーモバルブは油温上昇と共にリリーフ開口の面積が次第に減少される構成としてなることを特徴とするリリーフバルブ。
- 請求項1又は2に記載のリリーフバルブにおいて、前記サーモバルブは高油温で遮断してなることを特徴とするリリーフバルブ。
- 請求項1,2又は3の何れか1項に記載のリリーフバルブにおいて、前記油温検知リリーフ排出口は他のリリーフ排出孔の位置よりも軸方向後方側で且つ前記リリーフ流入部近傍に設けられる構成としてなることを特徴とするリリーフバルブ。
- 請求項1,2又は3の何れか1項に記載のリリーフバルブにおいて、前記油温検知リリーフ排出口は、前記弁通路において前記第1油圧リリーフ排出口又は前記第2油圧リリーフ排出口の少なくとも一方よりは前方側に位置し、前記弁体は、軸方向先端側の先端部に流入開口部が設けられ、該流入開口部からオイルが流入する弁内流路が形成され、且つ該弁内流路の軸方向中間位置から前記弁体の外部にオイルが流出するリリーフ孔が形成され、該リリーフ孔は、前記第1油圧リリーフ排出口及び前記第2油圧リリーフ排出口よりも先に前記油温検知リリーフ排出口の位置に到達して該油温検知リリーフ排出口を開く構成としてなることを特徴とするリリーフバルブ。
- 請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載のリリーフバルブにおいて、前記油温検知リリーフ排出口の開口面積はその他のリリーフバルブ排出孔よりも小さく形成されてなることを特徴とするリリーフバルブ。
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CN112282889A (zh) * | 2020-09-27 | 2021-01-29 | 潍柴动力股份有限公司 | 减少冷起动阻力的控制系统及控制方法 |
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2015
- 2015-07-09 JP JP2015138010A patent/JP2017020562A/ja active Pending
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