JPH0614114Y2 - 車両用油圧伝動装置の油圧制御装置 - Google Patents

車両用油圧伝動装置の油圧制御装置

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JPH0614114Y2
JPH0614114Y2 JP6707790U JP6707790U JPH0614114Y2 JP H0614114 Y2 JPH0614114 Y2 JP H0614114Y2 JP 6707790 U JP6707790 U JP 6707790U JP 6707790 U JP6707790 U JP 6707790U JP H0614114 Y2 JPH0614114 Y2 JP H0614114Y2
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薫徳 咲川
良太 大橋
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は車速を無段に変更制御する油圧伝動装置を備
えるトラクタ等の車両において、油圧伝動装置の閉回路
の油圧を制御するための油圧制御装置に関する。
〔従来の技術〕
可変容積形の油圧ポンプと定容積形の油圧モータとを、
これらのポンプ及びモータと共に閉回路を構成する1対
の油給排回路により接続してなる油圧伝動装置を備える
車両において、ポンプ斜板を中立位置から傾動させて車
両を発進させる発進時に油圧モータの回転が開始する迄
の間、油圧ポンプの吐出側となる油給排回路(高圧側回
路)に油圧が閉込められて異常高圧が発生するのを避け
るため、及び車両の急激な発進を避けるために、1対の
モジユレートリリーフ弁を用いることが、米国特許NO.
3,253,411及び実公昭49-12541号公報に開示されている
ように公知である。
かかるモジユレートリリーフ弁は周知のように、リリー
フ弁体を附勢して油圧を設定する弁ばねの荷重を変更制
御するためのパイロツトピストンを有するものとされ、
リリーフ弁体一次側の油圧をパイロツトピストンに対し
絞り部を備える油通路を介し作用させることによつてパ
イロツトピストンの徐々の摺動変位を得、弁ばね荷重を
漸増させることによりリリーフ弁体一次側の油圧を漸増
させるものに構成される。このようなモジユレートリリ
ーフ弁を各油給排回路に接続して設けるときは、ポンプ
斜板を中立位置から傾動させた車両発進時において、油
圧モータが回転を開始する迄の間に油給排回路に発生し
ようとする異常高圧はリリーフ弁の低油圧でのリリーフ
動作によつて排除されて発生せず、油圧モータの回転開
始後には高圧側の油給排回路の油圧がリリーフ弁により
漸増されて行くことで車両のスムーズな発進が得られ
る。
上記した2刊行物のうち、米国特許NO.3,253,411のもの
はパイロツトピストンに対する油圧作用通路を油給排回
路に直接に接続して設けており、また実公昭49-12541号
公報のものは高圧側となる油給排回路の油圧に応動して
同回路の油圧をパイロツトピストンに対し作用させるこ
ととする油圧応動形切換弁をモジユレートリリーフ弁と
は別に設け、この切換弁の中立位置では該切換弁により
パイロツトピストンに対する油圧作用油路から油がドレ
ンされることとしている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
油圧伝動装置のポンプ斜板の中立位置は同斜板の操作機
構に存在する部材接続点でのクリアランス、製作誤差等
に基いて精密に設定することが難かしく、ポンプ斜板は
中立位置に操作された状態でも実際には若干傾いている
のが普通である。このため米国特許NO.3,253,411のもの
のようにモジユレートリリーフ弁のパイロツトピストン
に油給排回路の油圧を直接に作用させる構造とすると、
ポンプ斜板の若干の傾きにより油圧ポンプが若干吐出す
る油によりパイロツトピストンが移動していて、斜板操
作により車両を発進させるときリリーフ弁が所期の低油
圧でリリーフ動作せず高圧側回路にサージ圧が発生する
可能性が残される。また上記のように油圧ポンプが若干
吐出する油によつて油圧モータが回転して、停止中の車
両が不測に発進するおそれもある この点、1対のモジユレートリリーフ弁の他に油圧応動
形の切換弁を設け、この切換弁にその中立位置でパイロ
ツトピストンに対する油圧作用通路の油をドレンさせる
こととしている実公昭49-12541号公報のものによると、
ポンプ斜板を中立位置に操作した状態でモジユレートリ
リーフ弁が所期の低油圧でリリーフ動作しうる状態が保
持されるから、上述の不具合が解消される。
しかし反面において、油圧伝動装置の1対の油給排回路
から油圧を導かれ同油圧に応動して回路切換えを行なう
切換弁を別設する本公報のものによると、油圧制御機構
のバルブ構造と油路構造が複雑となり、その製作コスト
が高められる。またポンプ斜板を中立位置から傾動させ
て車両の発進を得ようとするとき、油圧応動形切換弁が
油圧作用で変位せしめられるまでの間だけモジユレート
リリーフ弁のパイロツトピストンに対する油圧の作用が
遅らされるから、斜板操作時点と車両発進時点とにどう
してもかなりのタイムラグが生じ、車両操縦者のフイー
リング上で好ましくない。
そこでこの考案はモジユレートリリーフ弁のパイロツト
ピストンに対し油給排回路の油圧を直接に作用させる構
造としつつ、ポンプ斜板がその中立位置で若干傾いてい
てもリリーフ弁一次側に低油圧が保持されることとし
て、上述の2刊行物のものがそれぞれ有する不具合を一
挙に解消することとしてある、新規な油圧制御装置を提
供することを主たる目的とする。
またこの考案は上述の目的を達成するための構造を利用
して、パイロツトピストンに対する油圧作用通路をモジ
ユレートリリーフ弁の内部に設け、もつて外部の油通路
の省略により大きくコスト低減に寄与する油圧制御装置
を、併せ提供しようとするものである。
さらにこの考案は上述の主目的を達成するための構造に
対し、油圧伝動装置の稼働中に低圧側となる油給排回路
に対しチヤージポンプにより油を補給する上で必須のも
のである逆止弁を組込む構造を有機的に組合せて、油圧
伝動装置の制御機構のコスト低減に更に寄与しようとす
るものである。
〔考案の要約〕
前述の主目的を達成するため、この考案は添付図に例示
するように、油圧伝動装置10の油圧ポンプ11と油圧
モータ12間の1対の油給排回路13にそれぞれ接続し
て該油給排回路13の油圧を漸増させるための1対のモ
ジユレートリリーフ弁20を設ける油圧制御装置におい
て、次のような手段を講じた。
すなわち第1−6図、第8図、第9図及び第10図にそ
れぞれ例示するように、各モジユレートリリーフ弁20
において同心配置されたリリーフ弁体21とパイロツト
ピストン22とをその端部同士で相対摺動可能に嵌め合
せて、リリーフ弁体21とパイロツトピストン22との
重合部23を形成すると共に、この重合部23外周側の
空間内から油をドレンする油ドレンポート24を設け
る。そして、リリーフ弁体21内の軸線方向油通路25
を含みリリーフ弁体21の一次側と上記空間とに開口す
る油ドレン通路を、リリーフ弁体21とパイロツトピス
トン22とが最大限に離間した状態から若干量だけ相対
的に近接すると上記空間への開口端が上記重合部23に
よりブロツクされるように設け、該油ドレン通路中に油
流れを制限する絞り部27を設けるのである。
以上の構成において油圧ポンプ11のポンプ斜板11a
(第1,2図、第8図)が中立位置に操作されている状
態の作用を説明すると、ポンプ斜板11aは前述のよう
に中立位置に操作されても若干傾いているのが普通であ
るのに対し、それによる油圧ポンプ11の稼働によつて
何れか一方の油給排回路13にもたらされる若干量の油
は、第1図に右側のモジユレートリリーフ弁20につい
て矢印で示したように、リリーフ弁体21の一次側から
リリーフ弁体21内の軸線方向油通路25を含む油ドレ
ン通路を経て、リリーフ弁体21とパイロツトピストン
22との重合部23の外周側空間へ流出し油ドレンポー
ト24から常時ドレンされる。したがつて油圧モータ1
2が回転するような事態は起きず、また上記油給排回路
13の油圧が上昇することがないから、同油圧を作用さ
せるパイロツトピストン22は油圧設定用の弁ばね(符
号26で示す。)によつてリリーフ弁体21から最大限
に離間した位置に保持される。
次にポンプ斜板11aを傾動操作して車両を発進させる
ときの作用について説明すると、油圧ポンプ11が一方
の油給排回路13に吐出する油が油圧モータ12の回転
開始前は該油給排回路13に閉込められ同回路13の油
圧が急上昇する。そしてこの油圧は第7図に例示する斜
板傾動操作時点t1からほぼ瞬時に、同図に鎖線図示の立
上り径路に沿い異常高圧Psまで高まろうとするが、中立
状態でパイロツトピストン22がリリーフ弁体21から
最大限に離間し弁ばね荷重最小の状態にあつたモジユレ
ートリリーフ弁20が、第3図に例示するようにリリー
フ弁体21の変位によつてリリーフ動作し、油圧の上昇
を第7図に例示するような低油圧P1までに留め異常高圧
を発生させない。このリリーフ動作は、油ドレン通路中
に絞り部27が設けられており急上昇する油圧が同絞り
部27に制限されリリーフ弁体21の二次側には実質的
に作用しないことからして、パイロツトピストン22が
リリーフ弁体21から最大限に離間している状態での弁
ばね26の荷重にほぼ対応する低油圧で得られる。
リリーフ弁体21がパイロツトピストン22向きに移動
する上記リリーフ動作が行なわれると、第3図に例示す
るように油ドレン通路端が前記重合部23によつてブロ
ツクされる。このためパイロツトピストン22に対して
リリーフ弁体21一次側の油圧が絞り部を含む油圧作用
通路を介し徐々に作用せしめられることになり、従来設
けられていたモジユレートリリーフ弁におけるのと全く
同様に、第4図に例示するようにパイロツトピストン2
2がリリーフ弁体21向きに徐々に移動し、それによる
弁ばね26荷重の漸増により、リリーフ弁体21がほぼ
閉じた状態を保ちつつ同弁体21の一次側の油圧が漸増
せしめられて行く。最終的には第5図に例示するように
リリーフ弁体21が閉じ該弁体21に対しパイロツトピ
ストン22が最近接した状態が得られるが、第7図に例
示するように漸増せしめられ時点t2で最高となるときの
定常稼働圧Paは、油圧モータ12の負荷によつて決定さ
れる。モジユレートリリーフ弁は第5図に例示する状態
をとりつつ、高圧側油給排回路13からの油圧漏れを防
止する。
なおポンプ斜板11aを中立位置へ戻し車両を停止させ
るとき、慣性で回転を続ける油圧モータ12がポンプ作
用をして、それまで低圧側であつた油給排回路13に油
が閉込められて異常高圧が発生することも、同回路13
に接続されたモジユレートリリーフ弁20が第3図に例
示したのと同様にリリーフ動作することによつて、阻止
される。
以上のようにこの考案によると、パイロツトピストン2
2に対しリリーフ弁体21一次側の油圧、つまり油給排
回路13の油圧を直接に作用させるようにしても、中立
位置に操作されているポンプ斜板11aの若干の傾きに
より起きうるような不具合が起きず、また第7図に例示
したような初期油圧P1でほぼ油圧モータ12の回転開始
が得られるように弁ばね26の初期荷重を設定しておく
ことにより、ポンプ斜板の傾動操作時点から車両発進ま
でのタイムラグを実質的に無くして操縦者のフイーリン
グを最大限に良くできる。
そしてこの考案は前述のような油圧応動形切換弁を設け
ることなく、またモジユレートリリーフ弁のリリーフ弁
体21とパイロツトピストン22とを利用した単純な構
造によつて、上述の作用効果を奏せしめているから、油
圧制御装置のコスト低減に大きく寄与する。
パイロツトピストンに対し油圧を作用させるための油圧
作用通路は第9図及び第10図にそれぞれ例示するよう
にモジユレートリリーフ弁外に設けることもできるが、
この考案に従つて次のようにリリーフ弁内に設けること
ができる。
すなわち第1−6図及び第8図にそれぞれ例示するよう
に、前記軸線方向油通路25をリリーフ弁体21に、該
リリーフ弁体21を貫通させて形成すると共に、この軸
線方向通路25をパイロツトピストン22の油圧作用室
28に対し連通させる他の軸線方向油通路29をパイロ
ツトピストン22に形成し、これらの両軸線方向油通路
25,29の何れか一方の油通路中に、上記油圧作用室
28へ流れる油流れを制限するための絞り部27(第1
−6図)或は27A(第8図)を設けるのである(請求
項2)。
本構造によると上記の両軸線方向油通路25,29によ
り、リリーフ弁体21一次側の油圧をパイロツトピスト
ン22に対し所要のように作用させる油圧作用通路が提
供されるが、リリーフ弁体21内の油ドレン用の軸線方
向油通路25を利用して外部の油通路を無くす本構造
は、油圧制御装置のコスト低減効果が大きく高める。
そしてこの効果は第1−6図の図例のように前記した油
ドレン通路内の絞り部27をリリーフ弁体21内の前記
軸線方向油通路25中に設けて、前記油圧作用室28へ
流れる油流れを制限するための前記絞り部に兼用させる
構造(請求項3)によつて、一層高めることができる。
この考案はまた前述の主目的達成のための構造に加え
て、第1−6図及び第9図にそれぞれ例示するようにリ
リーフ弁体21に、該リリーフ弁体21の一次側と二次
側とを連通させる油路穴30とこの油路穴30に面しリ
リーフ弁体21と同心配置の弁座31とを形成し、弁座
31に着座する逆止弁32であつてリリーフ弁体21の
二次側から一次側への油流れのみを許容する逆止弁32
を、リリーフ弁体21に支承させて設けて、リリーフ弁
体21の二次側をチヤージポンプ15による油補給通路
19に接続するように構成する一方、リリーフ弁体21
内の前記軸線方向油通路25の少なくとも一部分を上記
逆止弁32内に設けることも、提案するものである(請
求項4)。
上記した逆止弁32は油圧伝動装置の稼働中に、低圧側
の油給排回路13に接続されたモジユレートリリーフ弁
20内の逆止弁32が第1図の左側のものについて鎖線
図示のように開放して同回路13にチヤージポンプ15
による補給油を流入させ、また高圧側の油給排回路13
に接続されたリリーフ弁20内の逆止弁32が同回路1
3からの油圧もれを防止するように、機能する。
このような機能の1対の逆止弁を設けることは油圧伝動
装置が必須とするが、この考案はリリーフ弁体21内に
軸線方向油通路25を設けるものであるから、リリーフ
弁体21中に油路となる穴を形成するものである。そこ
でリリーフ弁体21中に逆止弁用の油路穴30を形成
し、その油路穴30を用いてリリーフ弁体21を附設す
る逆止弁32の内部に軸線方向油通路25の少なくとも
一部分を設ける上述構造によると、元々から油路となる
穴を形成することを予定したリリーフ弁体21を巧みに
利用して必要な逆止弁32を設けたことになる。そして
本構造によると1対の逆止弁を別設する場合の弁座を有
するケーシング及び油通路が省略されるから、油圧伝動
装置の制御機構のコストがそれだけ低減される。
第1−6図及び第9図の図例では、さらにこの考案に従
い前記逆止弁32に、リリーフ弁体21からパイロツト
ピストン22向きに突出する杆部32aを設けて、この
杆部32aの一端部をパイロツトピストン22に相対摺
動可能に嵌め合せて前記重合部23を形成し、リリーフ
弁体21内の前記軸線方向油通路25の全体を上記逆止
弁32内に設けている(請求項5)。
この構造によれば逆止弁32が杆部32aにおいてパイ
ロツトピストン22にも支承され安定に支持されると共
に、軸線方向油通路25が単一部材(逆止弁32)に設
けられていることでその形成が容易となる。
第1−6図及び第9図の図例ではさらに、前記逆止弁3
2を外部操作により開放させるための開放作動杆33
を、パイロツトピストン22内に臨ませ前記杆部32a
に対面位置させて設けている(請求項6)。
油圧伝動装置を備えた車両を他の車両により牽引させて
移動させようとする場合、油圧モータ12の従動側にク
ラツチを設けそれを切つておかないとすると、油給排回
路13中の油に対し油圧モータ12がポンプ作用をし油
圧ポンプ11を逆駆動しようとすることから、牽引に対
し大きな抵抗が加わると共に部材破損のおそれがある。
しかし上記の本案構造によるとクラツチを設けずとも、
第6図に例示するように開放作動杆33を操作し杆部3
2aを押させて逆止弁32を開放することにより、油給
排回路13から油が自由に排出される状態を得ることが
できるから、問題を生じない。本構造は、逆止弁32が
パイロツトピストン22と一部で重なり合う杆部32a
を有する点を利用して、簡単に附加できるものとなつて
いる。
〔実施例〕
第1−6図が第1の実施例を示し、第7図がその作用を
模式的に示している。
第2図には油圧伝動装置10の全体も回路図で示されて
おり、油圧伝動装置10は前記油圧ポンプ11及び油圧
モータ12の1対宛の吸吐出口間を前記した1対の油給
排回路13によつて接続してなる。図外のエンジンによ
り油圧ポンプ11と同行駆動され油タンク14から油給
排回路13へと油を補給する前記チヤージポンプ15が
設けられ、その吐出回路の油圧は低油圧でリリーフ動作
するリリーフ弁16によつて設定させることとしてあ
る。
第1図に示すように上端側から互に平行する1対のバル
ブ設置穴を形成してあるハウジング17が設けられ、1
対のモジユレートリリーフ弁20のケーシング18はそ
の上端近くでハウジング17に螺着して、上記バルブ設
置穴内に挿入されている。各モジユレートリリーフ弁2
0は、油給排回路13に接続される一次側ポート35、
リリーフ弁体21の二次側に位置し第1の実施例では前
述のようにチヤージポンプ15による油補給通路19に
接続するものとされているリリーフポート36、そして
前記した油ドレンポート24を有する。第1の実施例で
は図示のように、油ドレンポート24も低油圧の油補給
回路19に接続することとしている。
同様に第1図に示すようにリリーフ弁体21とパイロツ
トピストン22とは、その間に前記弁ばね26を介装し
てケーシング18内にリリーフ弁体21を下方側におい
て挿入設置されている。ケーシング18にはリリーフ弁
体21が着座する弁座37が形成されており、またケー
シング18の上端にはパイロツトピストン22のストツ
パとなる螺栓18aが装着されている。パイロツトピス
トン22のリリーフ弁体21方向への最大限の変位は、
第5図に示すように弁座37に着座するリリーフ弁体2
1に対しパイロツトピストン22が接当することによ
り、規制されることとしてある。
第1図に示すようにリリーフ弁体21には前記油路穴3
0を、一次側ポート35とリリーフポート36とを向く
ように下方向き及び横向きに開口させて形成してある。
逆止弁用の前記弁座31は油路穴30の下方向き開口端
においてリリーフ弁体21に形成され、逆止弁32は該
弁座31に対し下方側から着座するものに構成されてい
る。そしてこの逆止弁32に上方向きに大きく突出する
前記杆部32aを設けて、油路穴30の上方側でリリー
フ弁体21を貫通させ該弁体21に支承させている。パ
イロツトピストン22は前記油圧作用室28を形成する
凹溝を上面に備え、やや外径を縮小した懸垂状部分でリ
リーフ弁体21向きに延出するものに形成されている。
第1の実施例ではリリーフ弁体21内の軸線方向油通路
25が逆止弁32内に、該逆止弁32を貫通させ上端で
杆部32aの上面に開口するように形成されており、前
記絞り部27は同通路25中で逆止弁32に一体形成さ
れている。杆部32aを摺動可能に嵌合する穴がパイロ
ツトピストン22の下端部に形成されており、これなよ
つて前記重合部23が提供されている。軸線方向油通路
25は杆部32aに穿けた横向きの穴38によつて重合
部23の外周空間へと開口させてあり、穴38はパイロ
ツトピストン22がリリーフ弁体21から最大限に離間
した第1図に図示の状態で、パイロツトピストン22の
下面にほぼ接する配置で設けられている。パイロツトピ
ストン22には、杆部32aの外径よりも内径を大とす
る前記他の軸線方向油通路29を形成してある。
逆止弁32を弁座31に対し着座する向きに移動附勢す
る弁ばね39は、ケーシング18の下端部に止め輪で保
持させたばね受座金40に下端を受けさせて設けられて
いる。第1の実施例で設けられている前記開放作動杆3
3は、上端の操作部33aを上方向きに突出させて螺栓
18aにOリング41を介し保持させてあり、軸線方向
油通路33内で逆止弁杆部32aに対面位置させてあ
る。
第1−6図に図示の第1の実施例の作用は、これらの図
と第7図を参照して前述した通りである。横軸に時間t
を、縦軸に油圧Pをそれぞれとつて図示した第7図にお
いて、P0は第1,2図に図示のリリーフ弁16によつて
油補給回路19に成立せしめられる油圧である。先に触
れた異常高圧Psをピークとする鎖線図示のカーブは、モ
ジユレートリリーフ弁を用いない場合においてポンプ斜
板11aの傾動操作時点t1からの高圧側油給排回路13
の油圧変動を示しており、異常高圧PSは油圧モータの回
転開始により或る時間かかつて定常稼働圧Paまで低下す
ることになる。時点t3での定常稼働圧Paから低油圧P0
での急速低下は、油圧伝動装置の稼働中に逆止弁32が
第6図に図示のように開放操作された場合に対応する。
リリーフ弁体21とパイロツトピストン22との重合部
23による油ドレン通路の開閉制御機構、つまり具体的
には逆止弁杆部32aの穴38の開閉制御機構は第2図
において、均等機能の開閉弁43として示してある。図
示のように開閉弁43は、リリーフ弁体21の一次側に
第7図に図示の低油圧P0或はそれより若干高い油圧が成
立しているような状態では油ドレン通路を開放し、それ
より若干高い油圧が成立すると油ドレン通路をブロツク
するものとして表せる。
第8図は第2の実施例を示している。
この第2の実施例ではモジユレートリリーフ弁20に前
述機能の逆止弁を組込んでおらず、同機能の1対の逆止
弁132を、チヤージポンプ15の吐出回路を1対の油
給排回路13へと接続する1対の油補給回路中に挿入設
置している。また両モジユレートリリーフ弁20のリリ
ーフポート36及び油ドレンポート24を、油タンク1
4に接続している。なお勿論、各油給排回路13に接続
した各リリーフ弁20のリリーフポート36及び油ドレ
ンポート24を相手側の油給排回路13に対し、同回路
13方向への油流れのみを許容する逆止弁を介して接続
するようにしてもよい。
本実施例でもリリーフ弁体21内の軸線方向油通路25
とパイロツトピストン22内の他の軸線方向油通路29
とを互に連通させて、これらの油通路25,29を介し
リリーフ弁体21一次側の油圧をパイロツトピストン2
2の油圧作用室28へと作用させることとしている。リ
リーフ弁体21内の軸線方向油通路25は、下端に前記
絞り部27を有し中途の周壁面にパイロツトピストン2
2の最近接位置を規制する環状段部50を有していて、
比較的大きな開口面積でもつて上方向きに開口したもの
に形成されている。前記重合部23は、パイロツトピス
トン22の筒状懸垂部をその下端部でリリーフ弁体21
の軸線方向油通路25に嵌合することによつて設けられ
ている。
同様に第8図に示すように、第1図に図示の前記穴38
に対応する横向きの穴138がパイロツトピストン22
の下端近くに形成されている。したがつて本実施例では
パイロツトピストン22内の軸線方向油通路29の下端
部分と上記穴138も油ドレン通路の一部分となつてお
り、この油ドレン通路は重合部23においてリリーフ弁
体21側でブロツクされることになる。またこの第2の
実施例では油圧作用室28への油流れを制限する絞り部
27Aを、油ドレン通路中の絞り部27よりも絞り度大
とし高圧側油給排回路13の油圧の立上りを比較的なだ
らかとするように、パイロツトピストン22の上端部に
螺着した絞り形成金物51に設けている。
第8図に図示の第2の実施例の作用は、これ迄の説明か
ら理解される通りである。
第9図は第1の実施例に類似しているが、パイロツトピ
ストン22の油圧作用室28に対しリリーフ弁体21一
次側の油圧を作用させるための油圧作用通路60を、モ
ジユレートリリーフ弁20の外部でハウジング17内に
形成している第3の実施例を示している。同通路60は
パイロツトピストン22に設けた絞り部61を介して、
油圧作用室28と連通させてある。
前記のもの同様の逆止弁32を設けているが、軸線方向
油通路25の上端は逆止弁杆部32aに螺着した螺栓6
2によつて閉塞されている。油ドレン通路中の絞り部2
7は、第1図に図示の前記穴38対応の穴を小径のもの
とすることによつて提供されている。他の部分は第1の
実施例におけるのとほぼ同様である。
第10図は第2の実施例に類似しているが、第3の実施
例同様に油圧作用通路60をモジユレートリリーフ弁2
0の外部に設けてある第4の実施例を示している。同通
路60はケーシング18に設けた絞り71を介して、油
圧作用室28と連通させてある。
第10図に示すように重合部23は第2の実施例同様と
されているが、パイロツトピストン22は下端部に、下
向きに開口しリリーフ弁体21内の軸線方向油通路25
と連通する軸穴72を有するものとされている。第8図
に図示の前記穴138と同様の穴138を、軸穴72を
外部に連通させるようにパイロツトピストン22に形成
している。したがつて本実施例では軸穴72と穴138
が、リリーフ弁体21内の軸線方向油通路25と共に油
ドレン通路を形成している。絞り部27は、第2の実施
例におけるのと同様に設けられている。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の実施例を油圧回路の一部と共に示す縦断
面図、第2図は同実施例を含む油圧回路の回路図、第3
図,第4図,第5図及び第6図はそれぞれ、第1図の右
側に図示のモジユレートリリーフ弁を異なつた状態で図
示した縦断面図、第7図は第1の実施例の作用を説明す
るための模式的なグラフ、第8図は第2の実施例を油圧
回路の一部と共に示す縦断面図、第9図及び第10図は
それぞれ、第3及び第4の実施例の要部を示す縦断面図
である。 10…油圧伝動装置、11…油圧ポンプ、12…油圧モ
ータ、13…油給排回路、15…チヤージポンプ、18
…ケーシング、19…油補給通路、20…モジユレート
リリーフ弁、21…リリーフ弁体、22…パイロツトピ
ストン、23…重合部、24…油ドレンポート、25…
軸線方向油通路、26…弁ばね、27…絞り部、27A
…絞り部、28…油圧作用室、29…他の軸線方向油通
路、30…油路穴、31…弁座、32…逆止弁、32a
…杆部、33…開放作動杆、35…一次側ポート、36
…リリーフポート、37…弁座、38…穴、72…軸
穴、138…穴。

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧伝動装置の油圧ポンプと油圧モータ間
    の1対の油給排回路にそれぞれ接続して該油給排回路の
    油圧を漸増させるための1対のモジユレートリリーフ弁
    を設ける油圧制御装置において、 各モジユレートリリーフ弁20において同心配置された
    リリーフ弁体21とパイロツトピストン22とをその端
    部同士で相対摺動可能に嵌め合せて、リリーフ弁体21
    とパイロツトピストン22との重合部23を形成すると
    共に、この重合部23外周側の空間内から油をドレンす
    る油ドレンポート24を設け、リリーフ弁体21内の軸
    線方向油通路25を含みリリーフ弁体21の一次側と上
    記空間とに開口する油ドレン通路を、リリーフ弁体21
    とパイロツトピストン22とが最大限に離間した状態か
    ら若干量だけ相対的に近接すると上記空間への開口端が
    上記重合部23によりブロツクされるように設け、該油
    ドレン通路中に油流れを制限する絞り部27を設けたこ
    とを特徴とする油圧制御装置。
  2. 【請求項2】前記軸線方向油通路25をリリーフ弁体2
    1に、該リリーフ弁体21を貫通させて形成すると共
    に、この軸線方向通路25をパイロツトピストン22の
    油圧作用室28に対し連通させる他の軸線方向油通路2
    9をパイロツトピストン22に形成し、これらの両軸線
    方向油通路25,29の何れか一方の油通路中に、上記
    油圧作用室28へ流れる油流れを制限するための絞り部
    27,27Aを設けたことを特徴とする請求項1の油圧
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記した油ドレン通路内の絞り部27をリ
    リーフ弁体21内の前記軸線方向油通路25中に設け
    て、前記油圧作用室28へ流れる油流れを制限するため
    の前記絞り部に兼用させたことを特徴とする請求項2の
    油圧制御装置。
  4. 【請求項4】リリーフ弁体21に、該リリーフ弁体21
    の一次側と二次側とを連通させる油路穴30とこの油路
    穴30に面しリリーフ弁体21と同心配置の弁座31と
    を形成し、弁座31に着座する逆止弁32であつてリリ
    ーフ弁体21の二次側から一次側への油流れのみを許容
    する逆止弁32を、リリーフ弁体21に支承させて設け
    て、リリーフ弁体21の二次側をチヤージポンプによる
    油補給通路に接続するように構成する一方、リリーフ弁
    体21内の前記軸線方向油通路25の少なくとも一部分
    を上記逆止弁32内に設けたことを特徴とする請求項1
    の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】前記逆止弁32に、リリーフ弁体21から
    パイロツトピストン22向きに突出する杆部32aを設
    けて、この杆部32aの一端部をパイロツトピストン2
    2に相対摺動可能に嵌め合せて前記重合部23を形成
    し、リリーフ弁体21内の前記軸線方向油通路25の全
    体を上記逆止弁32内に設けたことを特徴とする請求項
    4の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】前記逆止弁32を外部操作により開放させ
    るための開放作動杆33を、パイロツトピストン22内
    に臨ませ前記杆部32aに対面位置させて設けたことを
    特徴とする請求項5の油圧制御装置。
JP6707790U 1990-06-25 1990-06-25 車両用油圧伝動装置の油圧制御装置 Expired - Lifetime JPH0614114Y2 (ja)

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