JPH11152051A - 油圧パワーステアリング装置の流量制御弁 - Google Patents

油圧パワーステアリング装置の流量制御弁

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JPH11152051A
JPH11152051A JP9369866A JP36986697A JPH11152051A JP H11152051 A JPH11152051 A JP H11152051A JP 9369866 A JP9369866 A JP 9369866A JP 36986697 A JP36986697 A JP 36986697A JP H11152051 A JPH11152051 A JP H11152051A
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JP
Japan
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spring
pressure
power steering
chamber
spool
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Application number
JP9369866A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Hayashi
哲司 林
Ryoichi Nagasaka
良一 長坂
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵時においてはエンジン回転数が低い領域
でもPS側に十分な流量を供給する一方、非操舵状態に
おいては、どの領域でも操舵時よりもPS側への供給流
量を少なくする。 【解決手段】 可変絞り機構は、ポンプボディ100に
繋止されポンプポートPとスプール107の左端の圧力
室100A間の開口面積を制限して固定絞りUを形成す
るスリーブ120と、このスリーブのパワーステアリン
グ回路側に結合され軸芯部に可変オリフィス122A及
び外周側に固定オリフィス122Bが設けられたプラグ
122と、スリーブに摺動自在に組み込まれプラグ側が
ニードル状に形成されたプランジャ121と、このプラ
グとプランジャとの間に配設されプランジャをポンプポ
ート側に付勢するバルブスプリング123とから構成さ
れ、固定絞りの前後の差圧によってパワーステアリング
回路側に駆動されるプランジャの推力と、バルブスプリ
ングのバネ力とのバランス位置で可変オリフィスの開口
面積を調整し、この開口面積と固定オリフィスとで通路
面積を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流量制御弁を備
えた油圧パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流量制御弁を備えた油圧
パワーステアリング装置としては、流量制御弁FVがポ
ンプVPに1体に組付けられた図6(A)に示すような
構造が知られている。このポンプVPは、ポンプボディ
10及びカバー11からなるハウジングHに、軸穴12
を形成するとともに、軸穴12内に設けた軸受13によ
ってシャフト14を回転自在に支持している。シャフト
14は、ポンプボディ10内に設けたロータ15の駆動
軸となり、このロータ15には複数のベーン16を放射
状に組み込んでいる。
【0003】更に、上記ロータ15の周囲には、図6(A)
のX−X矢視図である図6(B)に示すように楕円形の
内壁を有するカムリング17を設けている。そして、シ
ャフト14が駆動されると、ロータ15も回転するが、
このときベーン16がカムリング17の内壁に沿って出
たり入ったりする。つまり、各ベーン16の先端がカム
リング17に密接したまま回転するとともに、これら各
ベーン16間のそれぞれが、独立した室を構成する。
【0004】そして、各室が収縮行程に入ったときに吐出口
から作動油を吐出する一方、各室が拡大行程に入ったと
き、作動油を吸入する。なお、ロータ15及びカムリン
グ17の側面にはサイドプレート18を設けている。こ
のサイドプレート18の背面側には高圧室19を形成す
るとともに、この高圧室19にはポンプ吐出圧が導かれ
る。そして、この高圧室19内の作動油の圧力により、
サイドプレート18をロータ15側に押しつけ、ローデ
ィングバランスを保つ。ポンプVPのシャフト14は図
示していないエンジンに連結されており、エンジンを始
動するとシャフト14に連結するロータ15が回転す
る。従って、エンジン回転数が上昇すればするほどポン
プVPの吐出量が多くなる。
【0005】次に、このパワーステアリング装置について説
明する。ポンプVPのポンプボディ10には、流量制御
弁FVを一体に設けている。この種の流量制御弁を備え
た油圧パワーステアリング装置として、本出願人は図5
(A)にその一部を示す特開平6−321122号を出
願している。
【0006】上記制御弁FVは、ハウジング10にポンプポ
ートPとタンクポートTを形成するとともに、ハウジン
グ10に嵌挿されコネクター30に保持されたスリーブ
26にプランジャ27を摺動自在に嵌合し、このプラン
ジャ27内に通路27aを形成している。また、ハウジ
ング10に螺着されたコネクター30側に、大径部28
bと小径部28aを備えたロッド28を固定し、このロ
ッド28の小径部先端を、上記通路27a内に挿入する
ことで、その挿入部分に可変オリフィスVを形成してい
る。従って、プランジャ27がスリーブ26内を移動す
ると、その移動量に応じて可変オリフィスVの開口面積
が変化する。
【0007】ハウジング10内には、スプール21が摺動自
在に嵌合され、このスプール21の右側にはスプリング
室10bが形成されている。このスプリング室10b内
には、スプリング25が収容されスプール21を左方に
付勢するとともに、可変オリフィスVの下流側の圧力が
連通孔26b及び通路10cを介して導かれている。ま
た、スプール21の内部には、ボール23およびスプリ
ング22からなるリリーフバルブを備えている。
【0008】ポンプVPより供給される圧油は、ポンプポー
トPを介してプランジャ27内の通路27aに流入する
とともに、可変オリフィスVを介してコネクター30の
連結ポート30a内に流入し、そこからパワーステアリ
ング装置側に供給される。その際、可変オリフィスVの
前後に差圧が発生し、この差圧にプランジャ27の大径
部の受圧面積を乗じた推力がバルブスプリング29のバ
ネ力に抗してプランジャ27を左方に駆動する。なお、
プランジャ27を同方向に駆動する推力としては、ダン
ピングオリフィス27aを介して圧力室27b内に導か
れる圧油による推力も含まれる。
【0009】ここで、可変オリフィスVの前後の差圧は、ス
プール21の右方への移動によって開口するタンクポー
トTの開口面積によって決定される。可変オリフィスV
の下流側の圧力、つまりパワーステアリング装置への供
給圧力は、通路10cを通ってスプリング室10bに導
かれるので、スプール21の両端の差圧は、可変オリフ
ィスVの前後の差圧に等しくなる。そして差圧が大きく
なると、この差圧にスプール21の断面積を乗じた推力
が、スプリング25のバネ力にうち勝って、この推力が
スプリング25のバネ力にバランスする位置までスプー
ル21が右方に移動する。そして、スプール21が設定
したストロークを越えて移動すると、ポンプポートPは
タンクポートTと連通し作動油はタンクに還流される。
【0010】上記のように、スプール21の移動量に応じ
て、可変オリフィスV前後の差圧が変化する。この差圧
が増大してプランジャ27がロッド28の大径部28b
に係合するまで左方に移動すると、可変オリフィスVの
開口面積が縮小されて、パワーステアリング装置側に供
給される圧油の流量が減少する。また、パワーステアリ
ング装置への供給圧力と等しいスプリング室10b内の
圧力が、フィルター24を通ってボール23に付加され
る。そしてこの圧力がスプリング22によって設定され
ている圧力を越えると、ボール23を押し開き、作動油
がタンクポートTへ還流する。このように、スプール2
1内のリリーフバルブにより、供給油の圧力が制御され
る。
【0011】図5(A)に示す従来例は、スプリング室10
bの底部が、スプリング25の右端面が着座する側壁と
なっているが、図4(A)に示すように、この側壁を取
り払ってスプール21と対向させたピストン35を配設
するとともに、このピストン35内に切換スプール36
を付設して、スプリング25のセット荷重を調整するセ
ット荷重調整部とすることにより、非操舵時のエネルギ
ー損失を少なくする所謂省エネルギー構造とすることが
できる。
【0012】図4(A)はポンプVPが停止あるいは非操舵
状態を示し、図4(B)はポンプVPが駆動されている
操舵状態を示すものである。この省エネルギー構造の流
量制御弁FVは、通路10cを介して可変絞り機構Vの
下流側に連通させたスプリング室10b内において、ス
プール21とピストン35とを対向させ、両者の間にス
プリング25を介在させる。スプリング25のセット荷
重は、図5(A)に示す従来例の場合と図4(B)に示
す操舵状態をほぼ同一にする。この構成を油圧回路で簡
明に表示したのが図5(B)である。
【0013】上記ピストン35には、その中央部分に鍔部3
7を形成し、この鍔部37で、パイロット室38とドレ
ン室39とを区画している。そしてドレン室39には停
止段部39aを形成し、鍔部37がこの停止段部39a
に接した状態でそれ以上移動できないようにしている。
パイロット室38は、ピストン35を挟んでスプリング
室10bと反対側に設けられている。また、ドレン室3
9はタンクポートTに連通させる一方、スプリング室1
0bとの連通は遮断されている。そして、スプリング室
10b側に面したピストンの一方の受圧面35aに対し
て、パイロット室38に面した他方の受圧面35b(鍔
部37の受圧面も含む)の受圧面積を大きくしている。
【0014】上記ピストン35には、その軸線上にスプール
孔40を形成しているが、スプリング室10b側にはス
プール孔40の左端が開放され、右端は塞がれている。
このように形成されたスプール孔40に切換スプール3
6が摺動自在に組み込まれ、その左端面には、スプリン
グ室10bの圧力が作用する。
【0015】更に、このピストン35には、環状溝41を形
成し、この環状溝41とパイロット室38とを、通孔4
2を介して連通させている。上記切換スプール36に
は、図4(B)に示すような2つのランド部43,44
を形成するとともに、これらランド部43,44間を環
状凹部45としている。そしてこの切換スプール36の
右方のランド部44側には、スプリング46のバネ力を
作用させている。
【0016】なお、上記環状凹部45は、その移動位置に関
係なく、通路47を介して常にドレン室39に連通す
る。また、切換スプール36には連通孔48を形成し、
スプリング46を収容した室を環状凹部45を介してド
レン室39に連通させている。上記のようにした切換ス
プール36は、図4(A)に示す非操舵状態において、
そのランド部43でスプリング室10bと環状溝41と
の連通を遮断する一方、パイロット室38を環状凹部4
5及び通路47を介してドレン室39に連通させ、ピス
トン35を後退させてスプリング25のセット荷重を小
さくする。
【0017】ポンプVPを駆動すると、その圧力油がポンプ
ポートPを介して圧力室10aに導かれるとともに、可
変絞り機構Vを介して操舵機構を構成するパワーステア
リング回路(以下PSと略称する)にも導かれる。そし
て、非操舵時であればPSが中立状態となり、圧力油は
タンクに還流されるため、PSの負荷圧、言い換えれば
可変絞り機構Vの下流側の圧力は低く、スプリング46
で定めた設定圧力を越えることはない。そのために、ピ
ストン35が図4(A)のように後退した位置を保ち、
スプリング室10b内のスプリング25のセット荷重を
小さく設定する。
【0018】この結果、圧力室10aとスプリング室10b
の差圧にスプール21の受圧面積を乗じた推力が、スプ
リング室10b内のスプリング25のバネ力に打ち勝
ち、スプール21がスプリング25の荷重とバランスす
るまで右方に移動する。スプール21が移動すれば、ポ
ンプポートPがタンクポートTに連通するので、その分
PSへの供給流量が少なくなる。非操舵時の供給流量を
操舵時と比較して示したのが図3(B)で、非操舵時の
供給流量Qnが操舵時の最大供給流量Qmよりも少なく
なることを示している。
【0019】操舵状態においては、PS側の圧力が高くなる
ので、これに連通するスプリング室10bの圧力が、ス
プリング46で定めた設定圧力を越えると、切換スプー
ル36がスプリング46に抗して右方に移動し、スプリ
ング室10bと環状溝41とを連通させる。この環状溝
41は通孔42を介してパイロット室38にも連通して
いるので、結局、スプリング室10bとパイロット室3
8とが連通することになる。従って、スプリング室10
b及びパイロット室38のそれぞれに可変絞り機構Vの
下流側の圧力が導かれ、ピストン35の左側受圧面35
aと右側受圧面35bとの面積差により、ピストン35
がスプリング25に抗して左方に前進する。このときの
ピストン35の最大移動量は、ピストン35の鍔部37
が停止段部39aに当接する迄である。
【0020】このようにピストン35が移動すれば、スプリ
ング25のセット荷重が大きくなる。セット荷重が大き
くなれば、圧力室10aとスプリング室10bの圧力差
に基ずく推力が、スプリング25のセット荷重とバラン
スするまでのスプール21の移動量も相対的に小さくな
り、圧力室10aからタンクポートTへの流出量が少な
くなる。この結果PSへの供給流量が増え、操舵時には
図3(B)に示す特性線Kの流量特性となる。
【0021】上記のことから明らかなように、操舵時には最
大供給流量Qmを確保して、PS側がパワー不足になら
ないようにする一方、非操舵時にはポンプVPのPS側
への供給流量Qnを、一部の区間を除いて操舵時の最大
供給流量Qmよりも少なくし、非操舵時のエネルギー損
失の減少を図っている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の非操舵
状態においては、スプール21を左方に付勢するスプリ
ング25のセット荷重は低く設定されているため、可変
絞り機構Vの前後の差圧は低い。一方、可変絞り機構V
側のバルブスプリング29のセット荷重は操舵状態に合
わせて設定してあるために、非操舵状態においては可変
絞り機構Vの前後の差圧が小さいこともあって、プラン
ジャ27を左方に駆動する推力が小さい。この結果、可
変絞り機構Vの開口面積は大きいままに維持されるた
め、図3(B)の破線で示すように操舵時Kよりも非操
舵時Mの方がPS側への供給流量が多い領域、すなわち
エネルギー損失の増加する領域ができてしまうという問
題があった。
【0023】本発明は以上の様な実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、操舵時においてはエ
ンジン回転数が低い領域でもPS側に十分な流量を供給
する一方、非操舵状態においては、どの領域でも操舵時
よりもPS側への供給流量を少なくすることである。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明は、「エンジン
の回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポン
プをパワーステアリング回路に接続する流路と、この流
路途中に設けた可変絞り機構と、ポンプからタンクへの
還流流量を制御する流量制御弁とを備え、この流量制御
弁は、ポンプボディと、前記可変絞り機構の上流側に接
続した圧力室と、タンクに連通するタンクポートと、前
記ポンプボディに摺動自在に組み込んだスプールと、こ
のスプールを挟んで圧力室の反対側に設けたスプリング
室と、このスプリング室に設けてスプールにバネ力を作
用させたスプリングと、このスプリングの基端部に当接
し前記スプリング室の圧力に応動して作動するピストン
が、操舵時には前進し前記スプリングのセット荷重を増
して前記パワーステアリング回路への供給流量を増加さ
せる一方、非操舵時には後退し前記スプリングのセット
荷重を減らして前記パワーステアリング回路への供給流
量を減少させるセット荷重調整部とから構成され、上記
流量制御弁の上流側の圧力を前記スプール左端の圧力室
に、また下流側の圧力をパイロット通路を介してスプリ
ング室に導き、絞り前後の差圧が所定圧力以上になった
とき、圧力室の圧力が前記スプリングのバネ力及び前記
スプリング室の圧力作用に打ち勝って前記スプールを移
動させるとともに、そのスプールの位置に応じた開度で
圧力室を前記タンクポートに開口させる構成にした油圧
パワーステアリング装置」を前提とするものである。
【0025】上記の課題を解決するために本発明のとった手
段は、「上記可変絞り機構は、前記ポンプボディに繋止
され前記ポンプポートとスプール左端の圧力室間の開口
面積を制限して固定絞りを形成するスリーブと、このス
リーブの前記パワーステアリング回路側に結合され、軸
芯部に可変オリフィス及び外周側に固定オリフィスが設
けられたプラグと、前記スリーブに摺動自在に組み込ま
れプラグ側がニードル状に形成されたプランジャと、こ
のプラグと前記プランジャとの間に配設されプランジャ
をポンプポート側に付勢するバルブスプリングとから構
成され、前記固定絞りの前後の差圧によってパワーステ
アリング回路側に駆動される前記プランジャの推力と、
前記バルブスプリングのバネ力とのバランス位置で前記
可変オリフィスの開口面積を調整し、この開口面積と前
記固定オリフィスとで通路面積を制御すること」であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の流量制御弁FCを車両に
搭載する際には、図2の各動作状態図に示す如くほぼ水
平にして使用される場合が多い。図2(A)はエンジン
が停止した状態,図2(B)は高速走行時の非操舵状
態,図2(C)は低速走行時の操舵状態を示している。
つぎに、表示の都合上、図2(B)を縦に配置した図1
に示す本発明の第1実施形態について、従来例と異なる
部分を重点的に説明する。
【0027】ポンプボディ100に螺着されたピストンケー
ス101には、外面にシール112が装着されCピン1
04で抜け止めされたストッパ103が装着されるとと
もに、シール111が装着された大径部106A及びシ
ール110が装着された小径部106Bを有するピスト
ン106が移動自在に嵌合している。前記ストッパ10
3に圧入等により結合されたボス102の鍔部とピスト
ン106の底部との間には、スプリング105が装着さ
れ、ピストン106を常時ストッパ103側に付勢して
いいる。
【0028】ポンプボディ100に螺合されたピストンケー
ス101の中央部分に移動自在に収容され、スプリング
108のセット荷重を切り替える所謂セット荷重調整部
のピストン106は、スプリング室101A及びこれに
環状隙間106Fを介して連通するパイロット室101
BとタンクポートTに連通するドレン室101Cとを区
画している。そして、ピストンケース101の底部には
停止段部101Eを形成し、ピストン106がこの停止
段部101Eに当接した後は、それ以上移動できないよ
うにしている。
【0029】パイロット室101Bは、ピストンケース10
1にシール112を装着したストッパ103を挿入し、
Cピン104で抜け止めすることによりストッパ103
に形成される空間に、ピストン106を挟んでスプリン
グ室101Aの反対側に設けられている。またドレン室
101Cは、連通路101D及び容室100Gを介し図
示を省略した通路を経てタンクポートTに連通させると
ともに、容室100Gとスプリング室101A及びパイ
ロット室101Bとの連通はシール109及び110に
より遮断されている。そして、スプリング室101A側
に面したピストン106の受圧面106Dに対して、パ
イロット室101Bに面した受圧面106Eの受圧面積
を大きくしている。
【0030】ポンプVPを駆動すると、その圧油がポンプポ
ートPとその下流側にある圧力室100A間の開口面積
からなる上流側の固定絞りUを介して圧力室100Aに
導かれるとともに、固定オリフィス122B及び可変オ
リフィス122Aからなる可変絞り機構Wを介してPS
側にも供給される。図2(C)に示す操舵状態において
は、PSの負荷圧が上昇するが、その上昇した圧力がパ
イロット通路100B,100C,100Dを介して、
スプリング室101Aにも導かれる。このためパイロッ
ト室101Bの圧力にピストン106の大径側の受圧面
積106Eを乗じた推力が、スプリング室101Aの圧
力にピストン106の小径側の受圧面積106Dを乗じ
た推力とセットスプリング105及びスプリング108
の荷重に打ち勝って、ピストン106はスプール107
側に前進する。
【0031】この結果ピストン106は、スプリング108
を縮める方向に移動するのであるが、移動速度は環状通
路106Fにより抑制された緩やかなものとなる。また
スプリング室101Aの圧力が脈動したとしても、パイ
ロット室101Bの圧力は環状通路106Fにより緩衝
され、脈動がそのまま伝わらないのと、ピストン106
外面にはシール110及び111が装着されていること
もあって、ピストン106が軸方向に振動する所謂ハン
チングを防止することができる。PSの負荷圧が更に上
昇したときの最大移動量は、ピストン106が停止段部
101Eに当接する迄である。
【0032】ピストン106が移動すれば、スプリング10
8の荷重が大きくなる。荷重が大きくなれば、スプール
107がポンプポートP側に押し戻され、タンクポート
Tの開口面積も小さくなるので、ポンプポートPからタ
ンクポートTに還流する流量が少なくなるとともにポン
プポートPの圧力も上昇する。
【0033】図2(C)に示す操舵時において、ポンプボデ
ィ100に圧入等により繋止されたスリーブ120に移
動自在に収容され、バルブスプリング123によりポン
プポートP側に付勢されたプランジャ121の受圧面積
Apに、ポンプポートの圧力Ppと圧力室121Cの圧
力Pcの差圧(Pp−Pc)を乗じた推力Ap(Pp−
Pc)が、バルブスプリング123のセット荷重より小
さいポンプ回転数の小さい領域では、プランジャ121
はバルブスプリング123に押し戻されたまま移動しな
いので、PS側への供給流量は図3(A)の実線で示す
ように最大供給流量Qsまで増加し、PS側がパワー不
足にならないようにする。
【0034】エンジン回転数が上がって図3(A)のbの領
域に入ると、操舵時においてはPS側の圧力が増大する
ので、セット荷重切り替え用のピストン106が、図2
(C)に示すようにスプール108側に移動してスプリ
ング108のセット荷重を増加させる一方、ポンプの吐
出量が増加することもあって、ポンプポートPとその下
流側にある圧力室100A間の開口面積からなる上流側
の固定絞りU前後の差圧は増大する。この結果パイロッ
ト孔120Bを介してポンプポートPに連通する圧力室
121Dと、前記上流側の固定絞りUの下流側にある圧
力室100Aに中空孔121B及び連通孔121Aを介
して連通する圧力室121C間の差圧が増大するので、
プランジャ121はバルブスプリング123を押し縮め
PS側に移動する。
【0035】この結果、プラグ122に設けられた可変オリ
フィス122Aは、プランジャ121に繋止されたボス
125によって徐々に絞られ、当該可変オリフィス12
2A及び固定オリフィス122Bからなる下流側の可変
絞り機構Wの開口面積は徐々に小さくなるので、PS側
への供給流量が図3(A)の実線で示す供給流量特性J
のように徐々に減少する。
【0036】エンジン回転数が更に上がってプランジャ12
1の左端部に圧入等により結合されたボス125の頭部
がプラグ122に当接すると、可変オリフィス122A
は閉塞され、PS側への通路は、固定オリフィス122
Bだけとなるので、図3(A)の実線で示す供給流量特
性Jのようにほぼ一定の低い供給流量となる。
【0037】図1(A)においてパイロット孔120Bは、
スリーブの外面を旋削して形成した溝120Dの底部か
ら圧力室121Dに穿孔されているが、これはポンプポ
ートPとパイロット孔120Bがずれても機能するよう
にするためで、ポンプポートPとパイロット孔120B
を図1(B)の様に位置決めして組み付けることができ
れば、溝120Dはなくてもよい。
【0038】次に、図2(B)に示す高速走行時における非
操舵状態について説明する。この場合パワーステアリン
グ装置は中立状態になっているので、PS側の負荷圧、
言い換えれば可変絞り機構Wの下流側の圧力は、パイロ
ット通路100B,100C,100Dを介してスプリ
ング室101A側に導かれる。この圧力は低いのでスプ
リング105のセット荷重で付勢されたピストン106
が図2(B)に示す後退位置を保ち、スプリング108
のセット荷重を小さくする。
【0039】上述した非操舵状態においては、PS側の圧力
が低いこともあってピストン106が図2(B)に示す
後退位置を保ち、スプリング室101A内のスプリング
108のセット荷重が低いため、圧力室100Aとスプ
リング室101Aの差圧に、ポンプボディ100に摺動
自在に組み込まれたスプール107の受圧面積を乗じた
推力が、スプリング108のバネ力に打ち勝ち、スプー
ル107がスプリング108の低い荷重にバランスする
までスプリング室101A側に移動する。
【0040】このスプール107の移動量は操舵時よりも大
きいので、ポンプポートPがタンクポートTに連通する
開口面積が増え、その分ポンプの負担も小さくなるとと
もに、PS側への供給流量も図3(A)の破線で示す供
給流量特性Lのように操舵時よりも低い供給流量とな
り、エネルギー損失を少なくすることができる。
【0041】また、高速走行時にはポンプの吐出量が増加す
ることもあって、ポンプポートPとその下流側にある圧
力室100A間の開口面積からなる上流側の固定絞りU
前後の差圧は増大する。この結果パイロット孔120B
を介してポンプポートPに連通する圧力室121Dと、
前記上流側の固定絞りUの下流側にある圧力室100A
に中空孔121B及び連通孔121Aを介して連通する
圧力室121C間の差圧が増大するので、プランジャ1
21はバルブスプリング123を押し縮めPS側に移動
する。
【0042】この結果、プラグ122に設けられた可変オリ
フィス122Aは、プランジャ121に繋止されたボス
125によって徐々に絞られ、当該可変オリフィス12
2A及び固定オリフィス122Bからなる下流側の可変
絞り機構Wの開口面積は徐々に小さくなり、最終的には
固定オリフィス122Bの開口面積となるので、PS側
への供給流量は図3(A)の破線Lで示すように操舵時
よりも低い供給流量特性となる。非操舵状態においては
スプリング108のセット荷重が低くなることもあっ
て、ポンプの余剰吐出流量はスプール107を介してタ
ンクポートTに低い圧力で開放されるので、エネルギー
損失を一層少なくすることができるのである。
【0043】上述したように非操舵時には、PS側への供給
流量Lは操舵時の供給流量Jよりも少なくなるので、エ
ネルギー損失を少なくすることができる。しかも、可変
絞り機構Wはスプール107とは分離されており、かつ
圧力補償型であるので、PS側の圧力が変動しても、予
め設定されたエンジン回転数に対するPS側への供給流
量特性Jが変動しにくいため、良好な操舵フィーリング
を維持することができる。
【0044】本発明の上流側の固定絞りUは、その開口面積
をポンプボディ100へのスリーブ120の圧入位置を
変えることにより、容易に調整することができるため、
用途による固定絞り面積の変更要求に対しては、組立時
のスリーブ120の圧入ストロークの調整で対応するこ
とができる。また、ポンプポートPからの噴流は、スリ
ーブの切欠き通路120AからタンクポートTよりも短
い距離でプランジャの中空孔121Bに導かれるため、
ポンプ回転数の低い領域の操舵状態においても、PS側
への供給流量が確保しやすい。この効果は、エンジン回
転数が上がっても継続するので、PS側への供給流量を
安定させることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、操舵時のエンジン回転
数の低い領域では、まず可変絞り機構Wのプランジャが
バルブスプリングのセット荷重によって押し戻され、下
流側の可変絞り機構W面積を大きくすることにより、最
大供給流量Qsを確保してPS側がパワー不足にならな
いようにする。エンジン回転数が高まり、可変絞り機構
Wの上流側の固定絞りUの差圧が大きくなると、プラン
ジャがバルブスプリングのセット荷重に打ち勝ってPS
側に移動し、下流側の可変絞り機構Wの面積は徐々に小
さくなるので、PS側への供給流量が減少する。一方、
非操舵時には、スプールをポンプポートP側に付勢する
スプリングのセット荷重が低くなることもあって、タン
クポートTの開口面積が大きくなるため、ポンプの吐出
流量は操舵時よりも低い圧力でタンクポートTに還流
し、また、PS側への供給流量Lも操舵時の供給流量J
より少なくなるので、エネルギー損失が少なくなる。更
に、可変絞り機構Wはスプールとは分離されており、か
つ圧力補償型であるので、PS側の圧力が変動しても、
予め設定されたエンジン回転数に対するPS側への供給
流量特性Jが変動しにくいため、良好な操舵フィーリン
グを維持することができる。しかも、本発明の上流側の
固定絞りUは、その開口面積をポンプボディへのスリー
ブの圧入位置を変えることにより、容易に調整すること
ができるため、用途による固定絞り面積の変更要求に対
しては、組立時のスリーブの圧入ストロークの調整で対
応することができる。また、ポンプポートPからの噴流
は、スリーブの切欠き通路からタンクポートTよりも短
い距離でプランジャの中空孔に導かれるため、ポンプ回
転数の低い領域の操舵状態においても、PS側への供給
流量が確保しやすい。この効果は、エンジン回転数が上
がっても継続するので、PS側への供給流量を安定させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) 本発明の第1実施形態に係わるパワー
ステアリング装置の流量制御弁の断面図である。 (B) ポンプポートPの開口面積からなる固定絞りU
の説明図である。
【図2】(A) 本発明の第1実施形態に係わるパワー
ステアリング装置の流量制御弁のエンジン停止時の断面
図である。 (B) パワーステアリング装置の流量制御弁の非操舵
時の断面図である。 (C) パワーステアリング装置の流量制御弁の操舵時
の断面図である。
【図3】(A) 本発明に係るパワーステアリング装置
の供給流量特性を示すグラフである。 (B) 従来技術に係るパワーステアリング装置の供給
流量特性を示すグラフである。
【図4】(A) 従来技術に係る省エネルギー構造を備
えた流量制御弁の非操舵時のセット荷重切り替え部の断
面図である。 (B) 上記流量制御弁の操舵時のセット荷重切り替え
部の断面図である。
【図5】(A) 従来技術に係る流量制御弁の操舵時の
断面図である。 (B) 従来技術に係るパワーステアリング装置の回路
図である。
【図6】(A) ポンプの断面図である。 (B) 上記ポンプのX−X線端面図である。
【符号の説明】
FV 流量制御弁 PS パワーステアリング回路 PV (ベーン)ポンプ U 固定絞り W 可変絞り機構 2 流路 P ポンプポート T タンクポート 100 ポンプボディ 100A 圧力室 101A スプリング室 101B パイロット室 107 スプール 108 スプリング 120 スリーブ 121 プランジャ 122 プラグ 123 バルブスプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの回転数に応じて吐出量が変化す
    るポンプと、このポンプをパワーステアリング回路に接
    続する流路と、この流路途中に設けた可変絞り機構と、
    ポンプからタンクへの還流流量を制御する流量制御弁と
    を備え、この流量制御弁は、ポンプボディと、前記可変
    絞り機構の上流側に接続した圧力室と、タンクに連通す
    るタンクポートと、前記ポンプボディに摺動自在に組み
    込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の反対
    側に設けたスプリング室と、このスプリング室に設けて
    スプールにバネ力を作用させたスプリングと、このスプ
    リングの基端部に当接し前記スプリング室の圧力に応動
    して作動するピストンが、操舵時には前進し前記スプリ
    ングのセット荷重を増して前記パワーステアリング回路
    への供給流量を増加させる一方、非操舵時には後退し前
    記スプリングのセット荷重を減らして前記パワーステア
    リング回路への供給流量を減少させるセット荷重調整部
    とから構成され、上記流量制御弁の上流側の圧力を前記
    スプール左端の圧力室に、また下流側の圧力をパイロッ
    ト通路を介してスプリング室に導き、絞り前後の差圧が
    所定圧力以上になったとき、圧力室の圧力が前記スプリ
    ングのバネ力及び前記スプリング室の圧力作用に打ち勝
    って前記スプールを移動させるとともに、そのスプール
    の位置に応じた開度で圧力室を前記タンクポートに開口
    させる構成にした油圧パワーステアリング装置におい
    て、 上記可変絞り機構は、前記ポンプボディに繋止され前記
    ポンプポートとスプール左端の圧力室間の開口面積を制
    限して固定絞りを形成するスリーブと、このスリーブの
    前記パワーステアリング回路側に結合され軸芯部に可変
    オリフィス及び外周側に固定オリフィスが設けられたプ
    ラグと、前記スリーブに摺動自在に組み込まれプラグ側
    がニードル状に形成されたプランジャと、このプラグと
    前記プランジャとの間に配設されプランジャをポンプポ
    ート側に付勢するバルブスプリングとから構成され、前
    記固定絞りの前後の差圧によってパワーステアリング回
    路側に駆動される前記プランジャの推力と、前記バルブ
    スプリングのバネ力とのバランス位置で前記可変オリフ
    ィスの開口面積を調整し、この開口面積と前記固定オリ
    フィスとで通路面積を制御することを特徴とする油圧パ
    ワーステアリング装置の流量制御弁。
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