JPH1067332A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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Publication number
JPH1067332A
JPH1067332A JP8228547A JP22854796A JPH1067332A JP H1067332 A JPH1067332 A JP H1067332A JP 8228547 A JP8228547 A JP 8228547A JP 22854796 A JP22854796 A JP 22854796A JP H1067332 A JPH1067332 A JP H1067332A
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JP
Japan
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pressure
piston
chamber
spring
steering
Prior art date
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Application number
JP8228547A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Hayashi
哲司 林
Ryoichi Nagasaka
良一 長坂
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非操舵時におけるポンプ駆動トルクを低減で
き、燃費を向上させることができるパワーステアリング
装置を提供する。 【解決手段】 ベーンポンプ1からステアリングギヤボ
ックス側への作動油供給を絞り込む可変絞り14の前後
の差圧を決定するフローコントロールバルブのスプリン
グ30の初期荷重を弱めに設定し、非操舵時にはステア
リングギヤボックス側への作動油の供給量を小さくする
とともに、操舵時には、上昇する可変絞り14の後圧を
ピストン室26に導くことにより、スプリング30を圧
縮するようにピストンロッド21を伸長させて、スプリ
ング30の初期荷重を相対的に大きくして、ステアリン
グギヤボックス側へと十分な作動油を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーステアリン
グ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング装置において、油圧
ポンプ(ベーンポンプ)からステアリングギヤボックス
内のパワーシリンダへと供給される作動油の流量は、フ
ローコントロールバルブにより略一定量となるように調
整される。さらに、このパワーシリンダへの供給流量
は、高速走行時には少なく調整され、操舵力が軽くなり
すぎることが防止される一方で、操舵に大きな仕事量が
必要な据え切り時等には、この供給量が増やされて、十
分なパワーアシストにより操舵力を小さくし、運転者の
負担を軽減するようになっている。
【0003】このようなフローコントロールバルブとし
ては、具体的には、例えば図9、図10に示すようなも
のがある。
【0004】図示されるように、フローコントロールバ
ルブ本体101内には、スプール102が摺動自在に設
けられ、このスプール102のシート103後方には、
圧力室104が画成されている。この圧力室104に
は、後述のポート110側から油圧が導かれるととも
に、スプール102のシート103は、スプリング10
6により圧力室104を拡大する方向に付勢されてい
る。
【0005】一方、スプール102の先端側は、コネク
ター107との間に圧力室108を画成しており、この
圧力室108はオリフィス109を介して、図示されな
いステアリングギヤボックスに連通するポート110に
連通するようになっている。さらに、オリフィス109
には、スプール102先端に設けられたロッド111が
嵌合することにより絞り112が形成されており、スプ
ール102の摺動にしたがってロッド111の頭部11
1aがオリフィス109に対して移動して、絞り112
の開度が変更されるようになっている。
【0006】また、圧力室108は、スプール102が
圧力室104側に後退したときには、バイパスポート1
13に連通するようになっており、作動油はこのバイパ
スポート113を通ってベーンポンプの吸込側に戻され
るようになっている。
【0007】このような構成により、図に示すように、
ベーンポンプの吐出ポート120からの油圧PP(絞り
112の前圧)は、フローコントロールバルブの絞り1
12を介して油圧P1(絞り112の後圧)となって、
ステアリングギヤボックス側に供給され、この供給作動
油量にしたがって、操舵力にはパワーステアリング装置
によるパワーアシストが与えられる。また、この油圧P
1は絞り121を介して圧力室104に導かれる。
【0008】ここで、ベーンポンプの回転数が上昇し、
吐出ポート120からの供給作動油量が増えると、圧力
室108の油圧PPが圧力室104に対して相対的に上
昇し、絞り112の前後の差圧(PP−P1)が増大し、
この差圧(PP−P1)がスプリング106のバネ力と釣
り合うまで、スプール102がスプリング106を圧縮
しながら、圧力室104側に押し戻される。これによ
り、圧力室108に連通するバイパスポート113の開
度が大きくなり、圧力室108を経由して作動油をベー
ンポンプの吸込側に逃がすようになっている。
【0009】このように、パワーステアリング装置は、
ポンプの回転数が変動しても、原則的には絞り112を
通過する流量を一定に保つようになっている。
【0010】なお、絞り112の前後差圧は、供給側
(ステアリングギヤボックス側)の負荷変動によっても
変化し、例えば、ステアリングギヤボックス側の圧力が
上昇すると、圧力室104の圧力も上昇するため、スプ
ール102が圧力室108側へと押され、バイパスポー
ト113の開度を減じる。これにより、絞り112の上
流の圧力も上昇し、結局、絞り112の前後差圧を一定
にし、絞り112を通過する流量を一定に保つ。
【0011】また、エンジン回転数が所定値以上に高く
なり、スプール102の圧力室104側への後退量が大
きくなると、オリフィス109内にロッド111の頭部
111aが侵入して行き、絞り112の開度は絞られ
る。したがって、この状態では、絞り112の通過流量
は相対的に減少する。これにより、ベーンポンプの回転
数が大きくなる車両の高速走行時等には、ステアリング
ギヤボックス側に供給される作動油量を少なくすること
ができ、パワーステアリング装置によるパワーアシスト
は小さくなって、操舵力が軽くなり過ぎることが防止さ
れる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のフローコントロールバルブにおいては、パワース
テアリング装置が使用されていない非操舵時でも、絞り
112の開度および前圧PP、後圧P1から決まってくる
ポンプ吐出流量が、ステアリングギヤボックス側に供給
される構成となっていたため、このような不必要なポン
プ吐出流量の流通のために余分なポンプ駆動トルクが必
要となり、この流通における圧力損失により余分なエネ
ルギーが消費され、車両の燃費を悪化させる原因となっ
ていた。
【0013】また、このような不必要なポンプ吐出流量
の流通は、パワーステアリング装置内の作動油の油温上
昇の原因となっていた。
【0014】本発明は、このような問題点に着目して、
非操舵時におけるポンプ駆動トルクを低減でき、燃費を
向上させることができるパワーステアリング装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、フローコ
ントロールバルブ本体内を摺動自在なスプールと、この
スプールの一端側に画成されポンプの吐出側と連通する
第1の圧力室と、前記第1の圧力室から油圧動力部側に
供給される作動油を絞り込む絞りと、前記スプールの第
1の圧力室と反対端側に画成されて前記絞りの後圧が導
かれる第2の圧力室と、この第2の圧力室側から前記ス
プールを付勢する付勢手段と、前記スプールの前記付勢
手段に抗しての後退に応じて開閉するバイパスポートと
を備えたフローコントロールバルブを備えたパワーステ
アリング装置において、前記絞りの後圧に応じて変位し
て前記付勢手段の初期荷重を変化させる圧力応動部材を
備え、非操舵時には前記付勢手段の付勢力を相対的に弱
める。
【0016】第2の発明は、前記圧力応動部材は、シリ
ンダに摺動自由なピストンと、このピストンにより画成
され絞りの後圧が導かれる第1のピストン室と、同じく
ドレーン側に連通する第2のピストン室と、前記ピスト
ンを前記第1ピストン室に向けて付勢するピストンスプ
リングとを含み、前記ピストンの摺動により前記付勢手
段としてのスプリングを圧縮する。
【0017】第3の発明は、前記第1のピストン室には
前記第2の圧力室の圧力を導き、前記第2のピストン室
にはピストンスプリングを介装するとともにポンプの吸
込側の圧力またはドレン側の圧力を導くようにした。
【0018】第4の発明は、前記ピストンにピストンロ
ッドを連結し、これらピストンおよびピストンロッドを
貫通するピストン内通路を形成し、このピストン内通路
をオリフィスを介して前記第2の圧力室と連通すること
により、前記第2の圧力室の圧力を前記第1のピストン
室へと導く。
【0019】
【作用】第1の発明では、絞りの前圧である第1の圧力
室の圧力と、絞りの後圧である絞りの下流の圧力が導か
れる第2の圧力室の圧力との差圧に基づいて、絞りを通
過してパワーステアリング装置の油圧動力部側に供給さ
れる作動油量が決定されるが、スプールは、この第1と
第2の圧力室の差圧と付勢手段の付勢力とが等しくなる
ようにバランスしているので、この付勢手段の付勢力が
相対的に大きく採られている操舵時には、油圧動力部側
には十分な作動油量が供給され、パワーステアリング装
置は操舵力に適切なパワーアシストを与えることができ
るとともに、パワーステアリング装置を働かせる必要が
ない非操舵時には、付勢手段の付勢力が相対的に弱めら
れ、油圧動力部側に供給される作動油量は相対的に小さ
くなり、この作動油供給量にしたがって決まるパワース
テアリング装置の配管や油圧動力部等で生じる圧力損失
が低減される結果、ベーンポンプの駆動トルクが低減さ
れることにより、無駄なエネルギー消費を抑えることが
できる。
【0020】第2の発明では、絞りの後圧に応じて第1
のピストン室の圧力が高まり、この第1のピストン室が
ピストンを押す力がピストンスプリングに打ち勝つとピ
ストンが摺動し、スプールのスプリングを圧縮して、ス
プリングの初期荷重が相対的に増大するので、操舵時に
おいてはスプリングの初期荷重に対応して相対的に大き
くなる供給流量を用いて、操舵力に十分なパワーアシス
トが与えられる一方、絞りの後圧が低下する非操舵時に
おいては、スプリングの初期荷重が相対的に弱まり、油
圧動力部側への供給流量を相対的に小さくすることがで
きる。
【0021】第3の発明では、第1のピストン室には第
2の圧力室の圧力が導かれ、第2のピストン室にはポン
プの吸込側の圧力またはドレン側の圧力が導かれるの
で、操舵時においては、油圧動力部側の圧力が導かれる
第2の圧力室の圧力が増大するのにしたがって第1のピ
ストン室の圧力が増大し、スプリングの初期荷重を相対
的に大きくする一方、非操舵時においては、油圧動力部
側の負荷は小さいので、第2の圧力室すなわち第1のピ
ストン室の圧力も小さくなり、ピストンロッドは伸張せ
ず、スプリングの初期荷重は相対的に弱められるが、第
1のピストン室への操舵時または非操舵時に対応した油
圧の導入は、第2圧力室から直接になされるので、容易
かつ確実に行われ、また、フローコントロールバルブの
小型化が図れる。
【0022】第4の発明では、第2の圧力室の圧力は、
ピストン内通路のオリフィスを介して第1のピストン室
へと導かれるので、第2の圧力室の急激な圧力変動に対
し、ピストンの振動を抑制し、安定した流量制御を行い
得る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0024】図1、図2には、本発明のパワーステアリ
ング装置のベーンポンプ1およびこのベーンポンプ1に
一体に設けられたフローコントロールバルブ2を示す。
このベーンポンプ1の作動により、フローコントロール
バルブ2のポート3から吐出される作動油が、油圧動力
部である図示されないステアリングギヤボックス内のパ
ワーシリンダに供給されることにより、パワーステアリ
ング装置が働き、操舵力にパワーアシストがなされるよ
うになっている。
【0025】図3には、フローコントロールバルブ2を
詳細に示す。
【0026】図示されるように、フローコントロールバ
ルブ2の筒状のコントロールバルブ本体5には、スプー
ル6が摺動自在に挿入され、このスプール6は、その先
端部6aと隔壁15との間に圧力室8を、その基端部6
bとスプリングシート10との間に圧力室11を、それ
ぞれ画成している。
【0027】この圧力室8には、ベーンポンプ1の吐出
側から高圧の作動油が供給されるようになっているが、
圧力室8の側面には、スプール6が後退したときに圧力
室8と連通するバイパスポート9が開口しており、ベー
ンポンプ1から供給された作動油が余剰のときには、そ
の余剰の作動油がバイパスポート9からベーンポンプの
吸込側に戻されるようになっている。
【0028】また、圧力室11には、後述の可変絞り1
4の後圧が導入されている。
【0029】コントロールバルブ本体5の先端側には、
コネクター7が嵌合している。このコネクター7のスプ
ール6側の底部に隔壁15が設けられており、この隔壁
15には、スプール先端側から延びるロッド12が嵌合
するオリフィス13が形成されている。
【0030】このオリフィス13とロッド12とで可変
絞り14が形成されるが、圧力室8内の作動油は、この
可変絞り14から、コネクター7を経てステアリングギ
ヤボックス側に供給されるようになっている。
【0031】この場合、ロッド12の頭部12aは、ス
プール6が所定値以上後退したときに、可変絞り14の
開口面積を絞り込むように形成されている。これによ
り、ベーンポンプ1から圧力室8への供給流量が増えス
プール6が後退する高速運転時には、可変絞り14が絞
り込まれて、ステアリングギヤボックス側への供給流量
を制限することにより、操舵力が軽くなり過ぎることが
防止されるようになっている。
【0032】一方、コントロールバルブ本体5の基端側
は、プラグ17が嵌合することにより閉鎖されている。
このプラグ17には筒状のシリンダ18が形成されてお
り、このシリンダ18にはピストン20が摺動自在に挿
入されている。
【0033】このピストン20からコントロールバルブ
本体5側へと延びるピストンロッド21は、シリンダ1
8の開口側の端部に固設されたブッシュ22を貫通して
圧力室11内に達している。
【0034】このピストンロッド21とシリンダ18の
内周面との隙間にスプリング室23(ピストンロッド側
のピストン室)を形成する。このスプリング室23内に
は、ピストン20をブッシュ22から離間する方向に付
勢するスプリング24が収容され、ピストン20は、通
常はその基端部をシリンダ18の底面に接触させるとこ
ろまで付勢されている。なお、スプリング室23は、通
路27、28を介してベーンポンプ1の吸込側またはド
レーン側に連通している。
【0035】ピストン20およびピストンロッド21に
は、ピストンロッド21先端からピストン20の基端へ
と貫通するように、ピストン内通路25が形成されてお
り、圧力室11内の作動油がこのピストン内通路25を
通って、ピストン20基端とシリンダ18の底面との間
に画成されるピストン室26(図4参照)へと導かれる
ようになっている。
【0036】また、ピストンロッド21の先端にはスプ
リングシート10が固設されており、このスプリングシ
ート10とスプール6の間には、スプール6を圧力室8
に向けて付勢するスプリング30が介装されている。
【0037】なお、ピストン内通路25への作動油の流
通は、スプリングシート10に設けたオリフィス31を
介してなされ、このオリフィス31はピストン20の移
動に対してダンパ作用を付与するようになっている。
【0038】このような構成により、スプール6は、圧
力室8と圧力室11の間の差圧と、このスプリング30
の付勢力が釣り合う位置で、安定するが、圧力室8の圧
力は可変絞り14の前圧である一方、圧力室11には可
変絞り14の後圧が導入されているから、結局、スプリ
ング30の付勢力は、可変絞り14の前圧と後圧の差圧
とバランスすることになる。
【0039】この場合、圧力室11を介してピストン室
26に導入される圧力が低い非操舵時には、ピストン2
0がシリンダ18底面と接する最深部まで後退してお
り、スプリング30の初期荷重(スプール6の摺動位置
が所定の初期位置にあるときのスプリング30による付
勢力)は最小となっている。
【0040】一方、操舵時に圧力室11の圧力が上昇
し、これと連通するピストン室26の圧力も上昇して、
図4に示すように、ピストン20およびピストンロッド
21がコントロールバルブ本体5の方向(図の左方向)
に移動したときには、ピストンロッド21先端に固設さ
れたスプリングシート10とスプール6の間に介装され
たスプリング30は圧縮され、スプリング30の初期荷
重が増大していく。
【0041】さらに、ピストンロッド21の伸長が所定
量に達し(すなわち、ピストン20のコントロールバル
ブ本体5方向への移動が所定量に達し)、スプリング2
4が最圧縮状態となると、ピストン20はそれ以上コン
トロールバルブ本体5側に移動することはできないの
で、スプリング30の初期荷重は、その増大が頭打ちと
なり、その圧縮状態により決定される所定の最大値とな
る。
【0042】つぎに作用を説明する。
【0043】図5に示すように、ベーンポンプ1の吸込
側から供給される作動油は、フローコントロールバルブ
2の可変絞り14を経由して、ステアリングギヤボック
ス側に、操舵時、非操舵時にかかわらず常時供給されて
いる。
【0044】可変絞り14の後圧(下流圧力)が低い非
操舵時においては、フローコントロールバルブ2のピス
トン20は最深部まで後退しているので、圧力室11内
のスプリング30の初期荷重は最小の状態にある。
【0045】このため、可変絞り14の前圧(上流圧
力)と後圧の差圧は、このスプリング30の初期荷重に
対応して相対的に小さなものとなり、スプール6は相対
的に後退方向に変位し、バイパスポート9の開度を大き
くする。
【0046】この可変絞り14を通過する作動油の流量
は、可変絞り14の前圧と後圧の差圧の平方根に比例す
るので、結局、非操舵時においては、ステアリングギヤ
ボックス側への作動油の供給流量は小さくなる。
【0047】図6には、この場合のベーンポンプ1の回
転数Nとステアリングギヤボックス側への供給流量Qの
関係を示す。これに示されるように、本発明において
は、非操舵時におけるスプリング30の初期荷重が弱め
られている分、供給流量Qは従来例に比較して相対的に
小さくなる。なお、図示されるように、流量が略一定に
制御されるのは、ポンプ吐出量そのものが一定値以上と
なるポンプ回転数領域においてである。
【0048】一方、操舵時においては、ステアリングギ
ヤボックス側の負荷の増大に伴って可変絞り14の後圧
が増大し、この可変絞り14の後圧側に連通する圧力室
11の圧力が増大する。このため、圧力室11から圧力
が導かれるピストン室26がピストン20を押す力は、
タンク39の圧力(またはベーンポンプ1の吸込側の圧
力)が導かれているスプリング室23とスプリング24
の付勢力を合わせた力よりも大きくなり、ピストン20
はピストン室26側から押される。
【0049】これにより、スプリング30はピストンロ
ッド21を介して圧縮されて、その初期荷重が高められ
ることとなる。また、これに伴い、スプール6が相対的
にバイパスポート9の開度を減じる方向に変位する。
【0050】このように操舵時においては、可変絞り1
4の前圧と後圧との差圧は、初期荷重が増大したスプリ
ング30の付勢力に相当する相対的に大きな値に制御さ
れるので、可変絞り14を通過してステアリングギヤボ
ックス側に供給される作動油量は、非操舵時よりも相対
的に増大し、この供給流量に相当する十分な大きさのパ
ワーアシストが与えられることになる。なお、この場
合、初期荷重が最大となったときのスプリング30の付
勢力は、操舵時における可変絞り14の前圧と後圧の差
圧として適切なもの(例えば、図の従来例におけるスプ
リング106の初期荷重と同等のもの)となるように調
整しておく。
【0051】図7には、操舵時に、可変絞り14の後圧
(ステアリングギヤボックス側の圧力)の上昇にしたが
って、可変絞り14を通過する流量(ステアリングギヤ
ボックス側への供給流量)が変化する様子を示す。な
お、ここではベーンポンプ1の回転数が同一の場合を示
してある。
【0052】図示されるように、ステアリングギヤボッ
クス側の圧力が低くピストン20が最深部にある非操舵
時には、小さな値で一定であった供給流量は、操舵によ
りステアリングギヤボックス側の圧力が高まり、ピスト
ン20が移動してスプリング30の初期荷重が増大した
場合には、この初期荷重の増大に伴って可変絞り14の
前圧と後圧の差圧が増大するのにしたがって、増大して
行く。その後、さらにステアリングギヤボックス側の圧
力が高まり、ピストン20がコントロールバルブ本体5
側に最大に移動しきって、スプリング30の初期荷重が
一定の最大値となると、供給流量も通常の操舵に対して
適切な所定値に安定する。
【0053】このように、本発明によれば、非操舵時に
おけるステアリングギヤボックス側への作動油の供給流
量を、操舵時における供給流量に比べて著しく少なくす
ることができるので、非操舵時におけるベーンポンプ1
の駆動トルクを減らして、消費エネルギーを減らすこと
ができる。
【0054】すなわち、図8にも示すように、ベーンポ
ンプ1から吐出された作動油は、パワーステアリング装
置内の配管41およびステアリングギヤボックス42を
経て、オイルタンク43へと戻される。
【0055】この場合、ベーンポンプ1の内部圧力P0
は、ベーンポンプ1内の絞り44で発生する差圧P1
配管での圧力損失P2、ステアリングギヤボックスでの
圧力損失P3により、 P0=P1+P2+P3 と表すことができる。ベーンポンプ1を駆動するのに必
要なトルクは、この内部圧力P0に相当するものが要求
される。
【0056】ところで、本発明のように、非操舵時にお
ける供給流量が減らされたならば、この供給流量の二乗
に比例して発生するベーンポンプ1内の絞り44前後の
差圧P1、配管での圧力損失P2、ステアリングギヤボッ
クスでの圧力損失P3は、それぞれ少なくなり、ベーン
ポンプ1の内部圧力P0すなわちベーンポンプ1の駆動
トルクが減少するので、結局、非操舵時における消費エ
ネルギーを減らすことができ、無駄なエネルギー消費を
抑えることができる。
【0057】
【発明の効果】第1の発明によれば、絞りの前圧である
第1の圧力室の圧力と、絞りの後圧である絞りの下流の
圧力が導かれる第2の圧力室の圧力との差圧に基づい
て、絞りを通過してパワーステアリング装置の油圧動力
部側に供給される作動油量が決定されるが、スプール
は、この第1と第2の圧力室の差圧と付勢手段の付勢力
とが等しくなるようにバランスしているので、この付勢
手段の付勢力が相対的に大きく採られている操舵時に
は、油圧動力部側には十分な作動油量が供給され、パワ
ーステアリング装置は操舵力に適切なパワーアシストを
与えることができるとともに、パワーステアリング装置
を働かせる必要がない非操舵時には、付勢手段の付勢力
が相対的に弱められ、油圧動力部側に供給される作動油
量は相対的に小さくなり、この作動油供給量にしたがっ
て決まるパワーステアリング装置の配管や油圧動力部等
で生じる圧力損失が低減される結果、ベーンポンプの駆
動トルクが低減されることにより、無駄なエネルギー消
費を抑えることができる。
【0058】第2の発明によれば、絞りの後圧に応じて
第1のピストン室の圧力が高まり、この第1のピストン
室がピストンを押す力がピストンスプリングに打ち勝つ
とピストンが摺動し、スプールのスプリングを圧縮し
て、スプリングの初期荷重が相対的に増大するので、操
舵時においてはスプリングの初期荷重に対応して相対的
に大きくなる供給流量を用いて、操舵力に十分なパワー
アシストが与えられる一方、絞りの後圧が低下する非操
舵時においては、スプリングの初期荷重が相対的に弱ま
り、油圧動力部側への供給流量を相対的に小さくするこ
とができる。
【0059】第3の発明によれば、第1のピストン室に
は第2の圧力室の圧力が導かれ、第2のピストン室には
ポンプの吸込側の圧力またはドレン側の圧力が導かれる
ので、操舵時においては、油圧動力部側の圧力が導かれ
る第2の圧力室の圧力が増大するのにしたがって第1の
ピストン室の圧力が増大し、スプリングの初期荷重を相
対的に大きくする一方、非操舵時においては、油圧動力
部側の負荷は小さいので、第2の圧力室すなわち第1の
ピストン室の圧力も小さくなり、ピストンロッドは伸張
せず、スプリングの初期荷重は相対的に弱められるが、
第1のピストン室への操舵時または非操舵時に対応した
油圧の導入は、第2圧力室から直接になされるので、容
易かつ確実に行われ、また、フローコントロールバルブ
の小型化が図れる。
【0060】第4の発明によれば、第2の圧力室の圧力
は、ピストン内通路のオリフィスを介して第1のピスト
ン室へと導かれるので、第2の圧力室の急激な圧力変動
に対し、ピストンの振動を抑制し、安定した流量制御を
行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同じく断面図である。
【図3】同じくフローコントロールバルブを示す断面図
である。
【図4】同じく断面図である。
【図5】同じく油圧制御部を示す構成図である。
【図6】同じくポンプ回転数とステアリングギヤボック
ス側への供給流量との関係を示す特性図である。
【図7】同じく可変絞りのステアリングギヤボックス側
の圧力と供給流量との関係を示す特性図である。
【図8】同じくパワーステアリング装置全体を示す構成
図である。
【図9】従来のフローコントロールバルブを示す断面図
である。
【図10】従来の油圧制御部を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ベーンポンプ 2 フローコントロールバルブ 5 コントロールバルブ本体 6 スプール 8 圧力室 11 圧力室 14 可変絞り 20 ピストン 21 ピストンロッド 23 スプリング室 24 スプリング 25 ピストン内通路 26 ピストン室 30 スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フローコントロールバルブ本体内を摺動自
    在なスプールと、このスプールの一端側に画成されポン
    プの吐出側と連通する第1の圧力室と、前記第1の圧力
    室から油圧動力部側に供給される作動油を絞り込む絞り
    と、前記スプールの第1の圧力室と反対端側に画成され
    て前記絞りの後圧が導かれる第2の圧力室と、この第2
    の圧力室側から前記スプールを付勢する付勢手段と、前
    記スプールの前記付勢手段に抗しての後退に応じて開閉
    するバイパスポートとを備えたフローコントロールバル
    ブを備えたパワーステアリング装置において、 前記絞りの後圧に応じて変位して前記付勢手段の初期荷
    重を変化させる圧力応動部材を備え、非操舵時には前記
    付勢手段の付勢力を相対的に弱めることを特徴とするパ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】前記圧力応動部材は、シリンダに摺動自由
    なピストンと、このピストンにより画成され絞りの後圧
    が導かれる第1のピストン室と、同じくドレーン側に連
    通する第2のピストン室と、前記ピストンを前記第1ピ
    ストン室に向けて付勢するピストンスプリングとを含
    み、前記ピストンの摺動により前記付勢手段としてのス
    プリングを圧縮することを特徴とする請求項1に記載の
    パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】前記第1のピストン室には前記第2の圧力
    室の圧力を導き、前記第2のピストン室にはピストンス
    プリングを介装するとともにポンプの吸込側の圧力また
    はドレン側の圧力を導くようにしたことを特徴とする請
    求項2に記載のパワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】前記ピストンにピストンロッドを連結し、
    これらピストンおよびピストンロッドを貫通するピスト
    ン内通路を形成し、このピストン内通路をオリフィスを
    介して前記第2の圧力室と連通することにより、前記第
    2の圧力室の圧力を前記第1のピストン室へと導くこと
    を特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装
    置。
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