JPH10296990A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH10296990A
JPH10296990A JP11054797A JP11054797A JPH10296990A JP H10296990 A JPH10296990 A JP H10296990A JP 11054797 A JP11054797 A JP 11054797A JP 11054797 A JP11054797 A JP 11054797A JP H10296990 A JPH10296990 A JP H10296990A
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JP
Japan
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filter
ink
effective area
print head
ink liquid
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Application number
JP11054797A
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English (en)
Inventor
Masayuki Takada
雅之 高田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジと印字ヘッドとを接続す
る接続管路内において発生した気泡により、インク液の
流路が閉塞されることなく、良好な流路を確保して、イ
ンク液の不噴出を起こさないインクジェット記録装置を
提供すること。 【解決手段】 印字ヘッド23側の接続管路55内に設
けられる第1フィルタ49の有効面積を約3mm2 以上
とし、第1フィルタ49と第2フィルタ53との間の接
続管路55内の距離を約2mm以上とし、第1フィルタ
49とインクカートリッジ25側の接続管路55内に設
けられる第2フィルタ53との間の接続管路55内の容
積を約8mm3 以上とし、さらに、第2フィルタ53の
有効面積を、第1フィルタ49の有効面積よりも大きく
形成した。この構成によると、接続管路55内において
発生した気泡によりインク液の流路が閉塞されることが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク液をノズル
から噴射して記録用紙などに所要の記録を行うインクジ
ェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、比較的構成が簡単で、高速印
字、高品質印字が容易な記録装置として、インクジェッ
ト方式の記録装置がよく知られている。この種のインク
ジェット記録装置のヘッドユニットの従来例を図4に示
す。図4において、印字ヘッド8は、インク液を噴射す
る複数のノズルが形成されるノズルプレート1と、圧電
セラミック材料などから形成され、各ノズルに連通され
る複数の噴射チャンネル(図示せず。)をもつアクチュ
エータ2と、該アクチュエータ2に接合され、インクカ
ートリッジ3からのインク液を導入して各噴射チャンネ
ルに供給するマニホールド4とを備えている。そして、
この印字ヘッド8は、ノズルプレート1を下、マニホー
ルド4を上にして、約45度傾斜させて配置し、アクチ
ュエータの変形により噴射チャンネルの容積を変化さ
せ、その容積減少時に、各噴射チャンネル内のインク液
をノズルプレート1に形成されたノズルから斜め下向き
に噴射して、印刷用紙などに印字し、一方、容積増大時
には、インクカートリッジ3からマニホールド4を介し
てアクチュエータ2の各噴射チャンネル内にインク液を
導入するようにしている。
【0003】そして、マニホールド4のインク流入口6
には、シール部材9が取付けられており、インク流入口
6とシール部材9との間には、第1フィルタ7が介装さ
れている。この第1フィルタ7は、インクカートリッジ
3をシール部材9に接続する際に、ごみや気泡などが印
字ヘッド8内に入り込むのを防止するものである。一
方、インクカートリッジ3のインク供給口10には、シ
ール部材9と接続するためのアダプタ11が取付けられ
ており、インク供給口10とアダプタ11との間には、
第2フィルタ12が介装されている。この第2フィルタ
12は、インクカートリッジ3を印字ヘッド8に接続す
る際に、インク供給口10からインク液がこぼれ落ちる
のを、この第2フィルタ12でのインク液の表面張力に
より防止するものである。そして、インクカートリッジ
3と印字ヘッド8とを、アダプタ11とシール部材9と
を嵌め合うことにより、脱着自在に連通して、インクカ
ートリッジ3内のインク液を、インク供給口10から、
アダプタ11とシール部材9とで構成される接続管路1
3を介して印字ヘッド8のマニホールド4内に供給して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、インクジェ
ット記録装置の小型化を図るためには、インクカートリ
ッジ3と印字ヘッド8との接続部分を小さくする必要が
ある。そのため、インク液が供給されるインク供給口1
0に取付けられる第2フィルタ12は、比較的大きな有
効面積を確保して、印字ヘッド8に良好にインク液を供
給できるようにする一方で、インク液が印字ヘッド8に
導入されるインク流入口6に取付けられる第1フィルタ
7の有効面積は、第2フィルタ12の有効面積よりもで
きるだけ小さくして、かかる接続部分での小型化を図る
必要がある。
【0005】一方、接続管路13内においては、シール
部材9とアダプタ11との嵌合部分などの微小な凹部
で、気泡が発生し成長する。そして成長した気泡は、よ
り有効面積小さい第1フィルタ7側に移動して、第1フ
ィルタ7に接触するとともに、第1フィルタ7に連続す
る接続管路13の壁面に付着する。そのため、第1フィ
ルタ7に集まった気泡は第1フィルタ7の近傍で移動せ
ずに滞留して、インク液の流路を閉塞し、インク液の不
噴出を招く。
【0006】本発明の目的は、上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、インクカートリッジと印
字ヘッドとを接続する接続管路内において発生した気泡
によりインク液の流路が閉塞されることなく、良好な流
路を確保して、インク液の不噴出を起こさないインクジ
ェット記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、インク液を噴射して印字
を行う印字ヘッドと、該印字ヘッドと接続管路を介して
脱着自在に連通するインクカートリッジと、前記印字ヘ
ッド側の接続管路内に設けられる第1フィルタと、前記
インクカートリッジ側の接続管路内に設けられる第2フ
ィルタとを備えるインクジェット記録装置において、前
記第1フィルタの有効面積が約3mm2以上であり、前
記第1フィルタと前記第2フィルタとの間の接続管路内
の距離が、約2mm以上であり、前記第1フィルタと前
記第2フィルタとの間の接続管路内の容積が約8mm3
以上であり、さらに、前記第2フィルタの有効面積は、
前記第1フィルタの有効面積よりも大きいことを特徴と
している。
【0008】この構成によれば、接続管路内で発生し成
長した気泡が第1フィルタ側に移動し、第1フィルタに
接触しても、第1フィルタの有効面積を約3mm2 以上
に大きくすることで、気泡が第1フィルタに連続する接
続管路の壁面と接触したときの付着力を小さくして、気
泡が第1フィルタに連続する接続管路の壁面に付着する
ことを少なくできる。よって、気泡が第1フィルタの近
傍で移動せずに滞留することを少なくできる。また、仮
に、第1フィルタの有効面積を約3mm2 以上に大きく
して、気泡を第1フィルタの近傍で滞留させないように
しても、第1フィルタと第2フィルタとの間の接続管路
内の距離が短い場合や、あるいは、接続管路内の容積が
小さい場合には、やはり気泡は成長すると、第1フィル
タと第2フィルタとの間に挟まれた状態になり、第1フ
ィルタを塞いだまま滞留することとなる。そのため、第
1フィルタと第2フィルタとの間の接続管路内の距離を
約2mm以上とし、かつ第1フィルタと第2フィルタと
の間の接続管路内の容積を約8mm3 以上とすることに
より、接続管路内において、気泡を第1フィルタと第2
フィルタとの間に挟まれた状態で滞留させないようにし
ている。
【0009】このように、第1フィルタの有効面積を約
3mm2 以上とし、第1フィルタと第2フィルタとの間
の接続管路内の距離を約2mm以上とし、第1フィルタ
と第2フィルタとの間の接続管路内の容積を約8mm3
とし、しかも、第2フィルタの有効面積を、第1フィル
タの有効面積よりも大きく形成することにより、インク
供給源からのインク液を第2フィルタ側から良好に取り
入れることができるとともに、接続管路内において発生
した気泡によりインク液の流路が閉塞されることなく、
第1フィルタ側に良好に供給できる接続管路を形成する
ことができる。よって、装置の小型化を図れながら、か
つインク液の不噴射を起こすことがない、噴射性能に優
れるインクジェット記録装置を得ることができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記第1フィルタと前記第2フ
ィルタとの間の接続管路内において、前記第2フィルタ
に連続する管路内の断面積は、前記第1フィルタに連続
する管路内の断面積より大きいことを特徴としている。
このように、第2フィルタに連続する管路内の断面積
を、第1フィルタに連続する管路内の断面積よりも大き
くすることにより、第2フィルタ側の接続管路を広くし
て、第1フィルタの近傍で滞留せずに第2フィルタ側に
移動する気泡により、第2フィルタの近傍において、イ
ンク液の流路が閉塞されないようにして、第2フィルタ
の近傍でのインク液の流路の閉塞を回避して、インク供
給源からのインク液を第2フィルタ側から一層良好に取
り入れることができるようにしている。よって、第1フ
ィルタおよびその近傍の管路をあまり大きくすることな
く、つまり、装置の小型化を図りながら、第1フィルタ
付近で発生、成長する気泡をよりスペースの確保が可能
な第2フィルタ側に逃がし、不噴射を起こすまでの期間
を延長することができる。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において、前記第2フィルタの有効面積
が、前記第1フィルタの有効面積の約2倍以上であるこ
とを特徴としている。第2フィルタの有効面積を第1フ
ィルタの有効面積の約2倍以上とすることにより、接続
管路内において、長期にわたり気泡によるインク液の流
路の閉塞が回避され、インク液の良好な噴射を確保する
ことができるとともに、不噴出に起因するパージ操作の
頻度を減少させることができるインクジェット記録装置
を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
記録装置を具体化した一実施形態を示す斜視図である。
カラーインクジェットプリンタ21は、シアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクを被印刷
体としての印刷用紙22上に印刷して印字を行うインク
ジェット式の印字ヘッド23を備え、この印字ヘッド2
3は、ヘッドユニット24として一体に設けられてお
り、このヘッドユニット24は印字ヘッド23が、印刷
用紙22に対して斜め下向きにインク液を噴射するよう
にキャリッジ26に支持されており、このヘッドユニッ
ト24とともに、印字ヘッド23に4色のインク液を供
給するインク供給源としてのインクカートリッジ25
が、キャリッジ26に脱着自在に搭載されている。
【0013】そして、印字ヘッド23の前面に対向し
て、その往復移動方向に平行にプラテンローラ27が回
転自在に設けられており、印字ヘッド23とプラテンロ
ーラ27とで印字部を構成している。キャリッジ26
は、該キャリッジ26の下部に設けられたキャリッジ軸
支持部28を介して、印字ヘッド23の往復移動方向に
延びるキャリッジ軸29およびガイド板54に支持さ
れ、印字時に直線的に往復運動可能となし、かつ、プー
リ30および31間に架けられたベルト32に連結さ
れ、プーリ30が図示しないモータにより回転駆動され
ることにより、直線往復移動されるようになっている。
【0014】印刷用紙22は、インクジェットプリンタ
21の後部上方に設けられた図示しない給紙カセットか
ら給紙され、印字ヘッド23と、矢印33方向に回転駆
動されるプラテンローラ27との間に導入され、印字後
の印刷用紙22は、矢印34方向に排出される。なお、
図1においては、これらの印刷用紙の給紙機構の図示を
省略している。
【0015】また、プラテンローラ27の側方で、印字
ヘッド23のリセット状態位置の前方に対向させてパー
ジ装置35が設けられている。インクジェット式の印字
ヘッド23は、印字ヘッド23内に気泡が発生および成
長したり、噴射面上にインクの液滴が付着することによ
り、噴射不良を起こすことがあるので、これを解消し良
好な噴射状態に回復させるために定期的にパージ操作を
行う必要があり、このためにパージ装置35がある。パ
ージ装置35は、印字ヘッド23のリセット状態位置に
おける前方対向位置に設けられたキャップ36で印字ヘ
ッド23を覆うことができるようになっており、キャッ
プ36で印字ヘッド23が覆われている時に、印字ヘッ
ド23の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクをカ
ム37により駆動されるポンプ38によって吸引し、印
字ヘッド23を回復させる。吸引された不良インクは貯
留部39に送られる。
【0016】図2はヘッドユニット24の要部断面図で
ある。図2において、印字ヘッド23は、複数のノズル
孔(図示せず。)が形成されるノズルプレート41と、
該ノズルプレート41の各ノズル孔に連通し、圧電セラ
ミック素子を備え、インク液を噴射するための複数の噴
射チャンネル42が形成されたアクチュエータ43と、
インクカートリッジ25からのインク液を各噴射チャン
ネル42に供給する供給路44をもつマニホールド45
とを備えており、供給路44が開口するマニホールド4
5におけるアクチュエータ側端面と、各噴射チャンネル
42が開口するアクチュエータ43におけるマニホール
ド側端面とが接合されて、印字ヘッド23が構成されて
いる。
【0017】そして、この印字ヘッド23は、ノズルプ
レート41を下、マニホールド45を上にして、約45
度傾斜させて配置されており、インクカートリッジ25
からのインク液は、供給路44を介して各噴射チャンネ
ル42に入り、アクチュエータ43の変形により各噴射
チャンネル42の容積を変化させ、その容積減少時に、
各噴射チャンネル42のインク液をノズルプレート41
に形成されたノズルから斜め下向きに噴射して、印刷用
紙22に印字し、一方、容積増大時には、インクカート
リッジ25から供給路44を介してアクチュエータ43
の噴射チャンネル42内に、インク液を導入するように
している。なお、印字ヘッド23は、アクチュエータ4
3を、圧電セラミック素子に代えて発熱素子を用いたサ
ーマルヘッドタイプまたはその他公知のタイプにしても
よい。
【0018】そして、ヘッドユニット24の縦壁46に
貫通孔47を形成して、マニホールド45のインク流入
口48側をこの貫通孔47に挿通するとともに、マニホ
ールド45とヘッドユニット24の縦壁46とを接着し
て、印字ヘッド23をヘッドユニット24に取り付けて
いる。また、インク流入口48の開口部には、円板状の
第1フィルタ49が設けられている。この第1フィルタ
49は、インクカートリッジ25をシール部材50に接
続する際に、ごみなどが印字ヘッド23の供給路44内
に入り込むのを防止するものである。この第1フィルタ
49の取り付けは、該第1フィルタ49の一側面を、イ
ンク流入口48の開口部の端面に溶着するとともに、該
第1フィルタ49の他側面から、後述するアダプタ52
と接続するための嵌合凸部60と円筒孔57とをもつシ
ール部材50を、該円筒孔57内に第1フィルタ49が
露出するようにして被せた上で、このシール部材50を
マニホールド45と貫通孔47との間の隙間に嵌め込む
ことにより、行われる。
【0019】また、ヘッドユニット24に内装されたイ
ンクカートリッジ25のインク供給口51には、シール
部材50と接続するための嵌合凹部59と、シール部材
50と同径の円筒孔58をもつアダプタ52が嵌め込ま
れている。インク供給口51とアダプタ52との間に
は、第1フィルタ49より有効面積が大きな円板状の第
2フィルタ53が、円筒孔58内に露出するように介装
されている。この第2フィルタ53は、インクカートリ
ッジ25を印字ヘッド23に接続する際に、インク供給
口51からインク液がこぼれ落ちるのを、この第2フィ
ルタ51でのインク液の表面張力により防止するもので
ある。
【0020】そして、インクカートリッジ25のインク
供給口51とマニホールド45のインク流入口48と
を、アダプタ52の嵌合凹部59とシール部材50の嵌
合凸部60とを嵌め合うことにより、脱着自在に接続し
ている。そして、インクカートリッジ25内のインク液
は、インク供給口48からインクカートリッジ25側に
設けられる第2フィルタ53を通り、アダプタ52およ
びシール部材50の円筒孔57および58の内壁面で構
成される接続管路55を介して、印字ヘッド23側に設
けられる第1フィルタ49を通り、この第1フィルタ4
9でインク液中のごみなどが除去された後、インク流入
口48から供給路44内に供給される。なお、56は、
印字ヘッド23を覆うヘッドカバーである。
【0021】このように構成されたインクジェット記録
装置において、本実施形態では、第1フィルタ49の有
効面積を約3mm2 以上、好ましくは、フィルタの有効
部分を直径2mm以上の円形としている。なお、ここで
フィルタの有効面積とは、フィルタを取付けるための周
縁部を除いたフィルタとして機能し得る部分の面積を言
う。
【0022】接続管路55内においては、シール部材5
0とアダプタ52との嵌合部分などに微小な凹部が形成
されるため、そこで、気泡が発生し成長する。そして成
長した気泡の外周は、より有効面積の小さい第1フィル
タ49に達するが、第1フィルタ49の有効面積を約3
mm2 以上に大きくしたので、第1フィルタ49に連続
する接続管路55の壁面、すなわち、シール部材50の
円筒孔57の内壁面に接触したときの付着力を小さくし
て、気泡が第1フィルタ49に連続する接続管路55の
壁面に付着することを少なくしている。
【0023】この状態を図3を用いて模式的に説明す
る。図3は接続管路55の流路断面方向の模式図であ
る。気泡66は、接続管路55の内壁面に接触している
が、気泡66が第1フィルタ49近傍で、移動せずに成
長し続けるかかどうかは、気泡66の付着力と浮力との
大小関係によって、決定される。気泡66の付着力は、
気泡66と接している壁面の稜線の長さ61に比例す
る。気泡66が成長して仮想線で示す気泡67になる
と、稜線の長さ61も増加して長さ62になり、付着力
が増加するが、一方浮力も増加する。この場合に、内壁
面の曲率が小さいと、気泡の成長が進んだ場合には、内
壁面における稜線の増加率が大きく、このため付着力が
浮力に勝るようになり、気泡67は、壁面に付着しやす
くなる。一方、壁面の曲率が緩やかな場合には、気泡の
成長が同様に進んでも、内壁面における稜線の増加率
は、内壁面の曲率の小さい場合に比べて小さく、むしろ
浮力の増加の効果の方が大きくなり、よって、浮力によ
り第2フィルタ53側に移動しやすくなる。しかるに、
第1フィルタ49の有効面積を約3mm2 以上としたの
は、第1フィルタ49に連続する接続管路55の壁面に
おいて、かかる稜線の増加率を抑制して、気泡66の付
着力よりも浮力が勝り、可及的に気泡66が所定の大き
さになった場合には、第2フィルタ53の方向に移動さ
せるようにするためである。したがって、このように構
成すると、第1フィルタ49の近傍における気泡による
インク液の流路の閉塞を防止できて、インク液の良好な
噴射を確保することができる。
【0024】このことは、参考として示す表1の噴射試
験の結果にも示される。
【0025】
【表1】
【0026】表1の噴射試験は、第1フィルタ49の有
効面積がそれぞれ異なるインクジェット記録装置を、各
8台ずつ用意して、各装置で1日1回の「べた印字」を
行い、不噴出となる日数を調べたものである。「×」
は、第1フィルタ49が閉塞されることに基づいて、多
数(10個以上)のノズルがほぼ同時に不噴出となる状
態を示すものである。この表1においては、第1フィル
タ49の有効面積が3mm2 以上のものでは、良好な噴
射性能が得られていることがわかる。
【0027】また、本実施形態では、第1フィルタ49
と第2フィルタ53との間の接続管路55の長さを2m
mとしており、また、第1フィルタ49と第2フィルタ
53との間の接続管路55内の容積を約8mm3 として
いる。第1フィルタ49の有効面積を約3mm2 以上に
大きくして、第1フィルタ49の近傍で気泡を滞留させ
ないようにしても、第1フィルタ49と第2フィルタ5
3との間の接続管路55内の距離が短い場合や、あるい
は、接続管路55内の容積が小さい場合には、やはり気
泡は成長すると、第1フィルタ49と第2フィルタ53
との間に挟まれた状態になり、第1フィルタ49を塞い
だまま滞留することとなる。そのため、第1フィルタ4
9と第2フィルタ53との間の接続管路55内の距離を
約2mm以上、すなわち、第1フィルタ49の直径また
は幅と同等以上とし、かつ第1フィルタ49と第2フィ
ルタ53との間の接続管路55内の容積を約8mm3
上とすることにより、接続管路55内において、気泡を
第1フィルタ49と第2フィルタ53との間に挟まれた
状態で滞留させないようにしている。
【0028】このように、第1フィルタ49の有効面積
を約3mm2 以上とし、第1フィルタ49と第2フィル
タ53との間の接続管路55内の距離を約2mm以上と
し、第1フィルタ49と第2フィルタ53との間の接続
管路55内の容積を約8mm 3 とし、しかも、第2フィ
ルタ53の有効面積を、第1フィルタ49の有効面積よ
りも大きく形成することにより、インクカートリッジ2
5からのインク液を第2フィルタ53側から接続管路5
5内に良好に取り入れることができるとともに、接続管
路55内において発生した気泡によりインク液の流路が
閉塞されることなく、良好に第1フィルタ49側に供給
できる接続管路55が形成される。よって、装置の小型
化を図れながら、かつ長期にわたってインク液の不噴射
を起こすことがない、噴射性能に優れるインクジェット
記録装置を提供している。
【0029】そして、この種のインクジェット式の記録
装置においては、前述したように、前回のパージ後から
一定期間を経過した場合、印字操作の前に、パージ装置
35を用いてパージ操作を行い成長した気泡を除去する
必要があるが、本実施形態のインクジェット記録装置で
は、接続管路55内において、長期にわたり気泡による
インク液の流路の閉塞が回避できるので、かかる流路の
閉塞による不噴出に起因するパージ操作の頻度を減少さ
せることができ、よって、パージ操作によるインク液の
浪費を少なくでき、また、装置の操作性を向上させるこ
とができる。
【0030】また、本実施形態においては、第1フィル
タ49と第2フィルタ53との間の接続管路55内にお
いて、第2フィルタ53に連続する管路内の断面積を、
第1フィルタ49に連続する管路内の断面積より大きく
している。具体的には、図2および図3で示すように、
アダプタ52の円筒孔58において、第2フィルタ53
と接する側に、シール部材50に接する側よりも大きい
断面積をもつ大径部69を形成し、かかる大径部69が
開口する端面を第2フィルタ53に接合させている。
【0031】このように、第2フィルタ53に連続する
管路内の断面積を、第1フィルタ49に連続する管路内
の断面積よりも大きくすることにより、第2フィルタ5
3側の接続管路55を広くして、第1フィルタ49の近
傍で滞留せずに第2フィルタ53側に浮上する気泡によ
り、第2フィルタ53の近傍において、インク液の流路
が閉塞されないようにして、第2フィルタ53の近傍で
のインク液の流路の閉塞を回避して、インクカートリッ
ジ25からのインク液を第2フィルタ53側から一層良
好に取り入れることができるようにしている。よって、
第1フィルタ49および円筒孔58をあまり大きくする
ことなく、つまり装置の小型化を図りながら、第1フィ
ルタ49付近で発生、成長する気泡を、よりスペースの
確保が可能なインクカートリッジ25側に逃がし、不噴
出を起こすまでの期間を延長することができる。
【0032】そして、本実施形態では、第2フィルタ5
3の有効面積を、第1フィルタ49の有効面積の約2倍
以上、たとえば、7mm2 としている。第2フィルタ5
3の有効面積が第1フィルタ49の有効面積の約2倍以
上であると、前述した印字操作前のパージ操作におい
て、接続管路55から気泡を除去するためにパージが必
要になる間隔と、ノズルでのインクの乾燥を防止するた
めにパージが必要となる間隔とが、ほぼ同様のパージ間
隔となるため、一度のパージ操作により両者のパージを
行うことができ、よって、パージ操作の頻度を一層減少
させることができ、そして、パージ操作によるインク液
の浪費を一層少なくでき、また、装置の操作性を一層向
上させることができる。
【0033】なお、本実施形態においては、第1フィル
タ49の有効面積は3mm2 、第2フィルタ53の有効
面積は7mm2 、第1フィルタ49と第2フィルタ53
との間の接続管路55の長さは2mmとしており、ま
た、第1フィルタ49と第2フィルタ53との間の接続
管路55の容積は、8mm3 としているが、上記したよ
うに第1フィルタ49の有効面積が約3mm2 以上であ
り、第1フィルタ49と第2フィルタ53との間の接続
管路55の長さが約2mm以上であり、第1フィルタ4
9と第2フィルタ53との間の接続管路55の容積が約
8mm3 以上であれば、特に制限されない。また、フィ
ルタおよび接続管路は、円形以外の形であってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、接続管路内で発生し成長した気泡が第1フィルタ
側に移動し、第1フィルタに接触しても、第1フィルタ
の有効面積を約3mm2 以上に大きくすることで、気泡
が第1フィルタに連続する接続管路の壁面と接触したと
きの付着力を小さくして、気泡が第1フィルタに連続す
る接続管路の壁面に付着することを少なくできる。よっ
て、気泡が第1フィルタの近傍で移動せずに滞留するこ
とを少なくできる。また、第1フィルタと第2フィルタ
との間の接続管路内の距離を約2mm以上とし、かつ第
1フィルタと第2フィルタとの間の接続管路内の容積を
約8mm3 以上とすることにより、接続管路内におい
て、気泡の第1フィルタに近い位置での滞留を回避でき
る。
【0035】よって、第1フィルタの有効面積を約3m
2 以上とし、第1フィルタと第2フィルタとの間の接
続管路内の距離を約2mm以上とし、第1フィルタと第
2フィルタとの間の接続管路内の容積を約8mm3 以上
とし、しかも、第2フィルタの有効面積を、第1フィル
タの有効面積よりも大きく形成することにより、インク
供給源からのインク液を第2フィルタ側から良好に取り
入れることができるとともに、接続管路内において発生
した気泡によりインク液の流路が閉塞されることなく、
第1フィルタ側に良好に供給できる接続管路を形成する
ことができる。よって、装置の小型化を図れながら、か
つ長期にわたってインク液の不噴射を起こすことがな
い、噴射性能に優れるインクジェット記録装置を得るこ
とができる。
【0036】また、請求項2に記載の発明によれば、第
2フィルタに連続する管路内の断面積を、第1フィルタ
に連続する管路内の断面積よりも大きくすることによ
り、第2フィルタ側の接続管路を広くして、第1フィル
タの近傍で滞留せずに第2フィルタ側に移動する気泡に
より、第2フィルタの近傍において、インク液の流路が
閉塞されないようにすることにより、第2フィルタの近
傍でのインク液の流路の閉塞を回避して、インク供給源
からのインク液を第2フィルタ側から一層良好に取り入
れることができる。よって、第1フィルタおよびその近
傍の管路をあまり大きくすることなく、つまり、装置の
小型化を図りながら、第1フィルタ付近で発生、成長す
る気泡をよりスペースの確保が可能な第2フィルタ側に
逃がし、不噴射を起こすまでの期間を延長することがで
きる。
【0037】また、請求項3に記載の発明によれば、第
2フィルタの有効面積を第1フィルタの有効面積の約2
倍以上とすることにより、接続管路内において、長期に
わたり気泡によるインク液の流路の閉塞が回避できるの
で、かかる流路の閉塞による不噴出に起因するパージ操
作の頻度を減少させることができ、よって、パージ操作
によるインク液の浪費を少なくでき、また、装置の操作
性を向上させることができる。
【0038】さらに、本発明は、インクジェット記録装
置におけるインクカートリッジと印字ヘッドとの接続管
路の設計に関して、気泡によるインク液の流路の閉塞を
防止することによって、良好な流路を確保するととも
に、インク液の不噴出を起こさないようにするための寸
法的な指針を与え、それによって、当該設計を容易にす
る点においても、注目すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置のヘッドユニッ
トの要部断面図である。
【図3】図2の接続管路内の気泡の状態を示す説明図で
ある。
【図4】図2に対応する従来例を示す図である。
【符号の説明】
23 印字ヘッド 25 インクカートリッジ 49 第1フィルタ 53 第2フィルタ 55 接続管路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液を噴射して印字を行う印字ヘッ
    ドと、該印字ヘッドと接続管路を介して脱着自在に連通
    するインクカートリッジと、前記印字ヘッド側の接続管
    路内に設けられる第1フィルタと、前記インクカートリ
    ッジ側の接続管路内に設けられる第2フィルタとを備え
    るインクジェット記録装置において、 前記第1フィルタの有効面積が約3mm2 以上であり、 前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間の接続管路
    内の距離が、約2mm以上であり、 前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間の接続管路
    内の容積が約8mm3以上であり、 さらに、前記第2フィルタの有効面積は、前記第1フィ
    ルタの有効面積よりも大きいことを特徴とする、インク
    ジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第1フィルタと前記第2フィルタと
    の間の接続管路内において、前記第2フィルタに連続す
    る管路内の断面積は、前記第1フィルタに連続する管路
    内の断面積より大きい、請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第2フィルタの有効面積が、前記第
    1フィルタの有効面積の約2倍以上である、請求項2に
    記載のインクジェット記録装置。
JP11054797A 1997-04-28 1997-04-28 インクジェット記録装置 Pending JPH10296990A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1080915A3 (en) * 1999-09-03 2001-04-25 Canon Kabushiki Kaisha Liquid ejecting head unit and manufacturing method therefor
US7040737B2 (en) 1997-03-28 2006-05-09 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink jet recording device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7040737B2 (en) 1997-03-28 2006-05-09 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink jet recording device
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