JPH10296914A - 樹脂被覆鋼管 - Google Patents

樹脂被覆鋼管

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JPH10296914A
JPH10296914A JP10908397A JP10908397A JPH10296914A JP H10296914 A JPH10296914 A JP H10296914A JP 10908397 A JP10908397 A JP 10908397A JP 10908397 A JP10908397 A JP 10908397A JP H10296914 A JPH10296914 A JP H10296914A
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JP
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steel pipe
resin
polyethylene
adhesive
coated steel
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Application number
JP10908397A
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English (en)
Inventor
Yoshiyo Hasegawa
佳代 長谷川
Keiji Sugawara
啓司 菅原
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン被覆樹脂層と、鋼管また
はエポキシプライマー処理などを施した鋼管とが、鋼管
の防食性能を発揮し、またねじ切り加工の際の衝撃に対
しても剥がれることない十分な接着力を持ち、さらに溶
接接合等の二次加工時に人手によって被覆樹脂層の剥離
が容易であり、しかも接着層形成の確認が十分なされ、
その結果、樹脂被覆鋼管の防食性能が確実に発揮される
樹脂被覆鋼管を提供する。 【解決手段】 上記課題は、ポリオレフィン樹脂層と、
鋼管又はクロメート処理、プライマー処理等の表面処理
が施された鋼管とを接着する接着層が、エチレン−無水
マレイン酸−アクリル酸エステル三元共重合体とポリエ
チレンからなり、上記接着層が着色剤を含有しているこ
とを特徴とする樹脂被覆鋼管によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管等に使用され
るポリオレフィン樹脂被覆鋼管に関し、特に、ポリオレ
フィン樹脂層が適度な接着力で接着しているポリオレフ
ィン樹脂被覆鋼管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、配管等の目的で使用される鋼管に
は、耐食性等の改善のために、ポリエチレン等のポリオ
レフィン樹脂を、鋼管又はクロメート処理、プライマー
処理等の表面処理が施された鋼管に被覆したり、張り付
けたりした樹脂被覆鋼管が使用されていることはよく知
られている。このような樹脂被覆鋼管においては、鋼管
の防食性能を発揮するため、また、ねじ切り加工の際の
衝撃に対しても周辺の樹脂被覆層が剥がれないようにす
るため、鋼管と樹脂被覆層とが十分な接着力で接着して
いることが必要である。
【0003】しかし、ポリエチレンや、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂を被覆した場合には、接着力が
乏しいため、通常は、これらポリオレフィン樹脂と、下
地となる鋼管またはエポキシプライマー層等の表面処理
層との接着力向上のため、不飽和カルボン酸または無水
マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物によって変性さ
れたポリエチレンやポリプロピレン等の変性ポリオレフ
ィンが接着剤として用いられている。
【0004】このような接着剤として用いられる変性ポ
リオレフィンとしては、例えば、特公昭51−4819
5号公報には、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸また
はその無水物と酸化マグネシウムとを添加、反応させて
得られる組成物が、特開平4−318045号公報に
は、不飽和カルボン酸をグラフト化させたポリオレフィ
ンと熱可塑性ゴムからなる組成物にさらに金属不活性剤
を添加した組成物が、それぞれ開示されている。また、
特開平5−51496号公報には、カルボン酸またはそ
の誘導体をグラフト化させたポリエチレンに、さらに他
のポリオレフィンを配合した組成物が、特公平4−13
392号公報には、不飽和カルボン酸をグラフト化させ
たポリオレフィンをエポキシ系プライマーと組み合わせ
て金属と樹脂とを接着する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような樹脂被覆鋼
管を配管施工する場合には、溶接接合等の二次加工を施
すために、管端の被覆樹脂層を剥がすことが必要とな
る。
【0006】しかしながら、上述した公報に開示されて
いる樹脂組成物を接着剤として使用した樹脂被覆鋼管で
は、接着剤としての被覆樹脂と、鋼管またはエポキシプ
ライマー層等を鋼管上に施した表面処理層とが強固に接
着しすぎるため、溶接接合等の際に人手による被覆樹脂
層の剥離が困難になるという問題があった。
【0007】このような問題点を解決する方法として、
特開平6−184378号公報には、線状低密度ポリエ
チレンに不飽和カルボン酸またはその無水物を反応させ
た変性ポリエチレンと、エチレン−酢酸ビニル共重合体
を配合して得られた組成物を接着剤として用いる方法が
開示されている。しかし、特開平6−184378号公
報に開示された組成物は、確かに従来の接着剤に比べて
接着強度が低下しているものの、人手によって容易に剥
離できる接着力にはいたっていない。
【0008】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたものであって、その目的は、ポリオレフィン被
覆樹脂層と、鋼管またはエポキシプライマー処理などを
施した鋼管とが、鋼管の防食性能を発揮し、またねじ切
り加工の際の衝撃に対しても剥がれることない十分な接
着力を持ち、さらに溶接接合等の二次加工時に人手によ
って被覆樹脂層の剥離が容易であるような樹脂被覆鋼管
を提供することである。
【0009】また、接着層の接着強度を低下させること
で樹脂被覆鋼管製造の際、十分に接着層が形成されてい
るか確認することが困難となる。本発明の別の目的は、
接着層形成の確認が十分なされ、その結果、樹脂被覆鋼
管の防食性能が確実に発揮される樹脂被覆鋼管を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するべく鋭意検討した結果、人力によって被覆樹
脂層の剥離が容易であるためには、後述する剥離強度が
3.0kgf/cm程度以下であればよいことを見出
し、そのような性能を発現するための方法についてさら
に検討を行った。その結果、ポリオレフィン樹脂層と、
鋼管又はクロメート処理、プライマー処理等の表面処理
が施された鋼管とを接着する接着層として、エチレン−
無水マレイン酸−アクリル酸エステルの三元共重合体
(以下、三元共重合体と略すことがある。)とポリエチ
レンからなる樹脂を用いることにより、ポリオレフィン
樹脂層が防食性能等を発揮するのに十分な接着力を持
ち、更に溶接接合等の二次加工時に人力によって被覆樹
脂層の剥離が容易であるような適度な接着力を有する樹
脂被覆鋼管が得られることを見出した。
【0011】この様な効果の得られる理由については、
必ずしも明らかではないが、無水カルボン酸が主鎖にグ
ラフトされた従来のポリオレフィン樹脂層の場合、カル
ボン酸と、鋼管表面または、エポキシプライマーの水酸
基とが化学反応を起こして共有結合を形成するため強い
接着力が発現すると考えられる。
【0012】これに対して、本発明に係る三元共重合体
組成物を接着剤とする場合、通常の成形条件下では、主
鎖中の無水マレイン酸は三元共重合体内に組み込まれて
いるため、前述のような化学反応性は低く共有結合を形
成せず、無水マレイン酸基およびアクリル酸エステルの
エステル基と、鋼管表面の水酸基等の間に水素結合(共
有結合に比べて弱い)が生成するため接着力が強すぎる
ことなく、かつ適度なものになると考えられる。
【0013】しかし、上記接着剤を接着層として用いた
樹脂被覆鋼管は、その接着力が十分にコントロールされ
適度な低さに抑えられた結果、樹脂被覆鋼管製造時の検
査の際に、接着層が確実に形成されていることを確認す
ることが困難となる。つまり、従来の強接着タイプの樹
脂被覆鋼管の場合、樹脂被覆鋼管製造時、樹脂被覆層を
一部剥離し、鋼管表面に樹脂被覆層が残ることを確認す
ることで接着層の形成を検査している。しかし、本発明
の接着剤による樹脂被覆層は人力で簡単に剥離可能なた
め従来の方法での検査ができない。本発明の接着層を用
いると、鋼管被覆後断面を観察することで接着層の形成
が確認できる。
【0014】その解決策として、本発明者らは、接着層
を着色することに想い到り、それによって接着層が適正
に形成されているか否かを被覆鋼管を観察することによ
って確認できるようにしたものである。
【0015】すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂
層と、鋼管又はクロメート処理、プライマー処理等の表
面処理が施された鋼管とを接着する接着層が、エチレン
−無水マレイン酸−アクリル酸エステル三元共重合体と
ポリエチレンからなり、上記接着層が着色剤を含有して
いることを特徴とする樹脂被覆鋼管に関するものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】エチレン−無水マレイン酸−アク
リル酸エステル三元共重合体は、エチレン、無水マレイ
ン酸、アクリル酸エステルの3種類の化合物を主原料と
し、これら3種類の化合物を主鎖骨格に含む重合体であ
る。
【0017】三元共重合体を構成するアクリル酸エステ
ルは、不飽和カルボン酸のアルキルエステルであり、例
えば、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸イソブチル等である。
【0018】三元共重合体を構成する無水マレイン酸含
有量は、0.02〜20重量%(以下、%と略す。)、
好ましくは0.05〜10%、特に好ましくは0.1〜
5%である。無水マレイン酸含有量がこの範囲より低い
場合は十分な接着力を得ることができず、多い場合は接
着力が大きく人力による剥離が困難となる。
【0019】三元共重合体を構成するアクリル酸エステ
ル含有量は3〜40%、好ましくは5〜20%である。
【0020】また、三元共重合体を構成するエチレン含
有量は40〜96%、好ましくは50〜95%、特に好
ましくは70〜95%である。
【0021】三元共重合体のメルトインデックス(19
0℃、荷重2.16kg)は、0.5〜250g/10
分、好ましくは1.0〜50g/10分、より好ましく
は3.0〜20g/10分である。この範囲より多くて
も少なくても成形性が悪くなる。
【0022】三元共重合体及びポリエチレンにはいずれ
も各種のメルトインデックスのものが市販されているの
で上記メルトインデックスは各樹脂のメルトインデック
スを選択することによって調節できる。
【0023】三元共重合体と溶融混練して使用するポリ
エチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等の
いずれを用いてもよく、メルトインデックスが、0.1
〜50g/10分(190℃、荷重2.16kg)、好
ましくは0.2〜20g/10分、より好ましくは0.
5〜15g/10分の範囲のものを用いるのが望まし
い。メルトインデックスがこの範囲より低い場合は、三
元共重合体との相溶性が悪く、また、高い場合は、得ら
れる組成物の強度が不十分となる。
【0024】三元共重合体とポリエチレンとの配合割合
は、三元共重合体が5〜80%で、好ましくは10〜5
0%である。5%未満では接着力が低く、80%を超え
ると、接着力が大きすぎるため、人力による樹脂被覆の
剥離が困難となる。
【0025】この三元共重合体とポリエチレンからなる
組成物のメルトインデックスは20g/10分以下、好
ましくは0.01〜15g/10分、特に好ましくは、
0.1〜10g/10分が適当である。これより大きい
と鋼管に樹脂被覆を施す際に、接着層が鋼管表面に均一
に成形されないため、上記した接着力のばらつき等の種
々の問題を惹起し、一方、これより小さいと成形性が悪
くなり、生産性低下、成形不良の原因となる。
【0026】また、三元共重合体組成物の配合割合を変
化させることにより、剥離強度を自在に制御することが
可能である。特に、配合割合を5〜80%の範囲に制御
すれば、前述した理由から、剥離強度を0.5〜2.0
kg/cmの範囲に制御できる。ただし、剥離強度は後
述する方法により測定される。
【0027】本発明はかかる接着層に着色剤を含有せし
めたことを特徴とするものである。
【0028】着色剤は無機着色剤、有機着色剤のいずれ
でもよく、また、染料、顔料のいずれでもよい。染料で
は、アゾ系、アントラキノン系、チオインジゴ系、キノ
リン系、インダンスレン系、有機顔料では、フタロシア
ニン系、キナクリドン系、ベンジジン系、無機顔料で
は、各種金属の酸化物、硫化物、硫酸塩が用いられる。
具体例としては、カドミウムレッド、ボンレッド2B、
カーミン6B、トルイジンレッド、ファナールレーキ、
ピラゾロンレッド、レーキレッドC、ナフトールレッ
ド、ベンガラ、チオインジゴ、ミネラルバイオレット、
キナクリドンレッド、カドミウムイエロー、黄鉛、モリ
ブデンオレンジ、ベンジジンイエロー、ハンザイエロ
ー、ジンクイエロー、エローオーカー、ニッケルアゾコ
ンプレックス、フタロシアニングリーン、酸化クロム、
ギネーグリーン、クロムグリーン、フタロシアニンブル
ー、紺青、群青、インダンスレンブルー、コバルトブル
ー、ジオキサジンバイオレット、チタン白、亜鉛華、ア
ンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、アゾ系染料、ア
ントラキノン系染料等がある。
【0029】着色剤の添加量としては、0.01〜20
重量%程度、好ましくは0.05〜10重量%程度、さ
らに好ましくは0.1〜5重量%程度が適当である。
【0030】この組成物には、無機充填剤、熱安定化
剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、核剤、帯
電防止剤などの添加剤を添加することができる。
【0031】接着層の厚さは0.1〜1mm程度、好ま
しくは0.2〜0.5mm程度が適当である。これより
薄いとねじ切り加工性が低下する。
【0032】ポリオレフィンは、例えば、高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなど
のポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン
−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、その他、これ
らと酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどの共重合体等
であり、これらのブレンド樹脂であってもよい。このポ
リオレフィン樹脂は要求される性能を損なわない範囲で
他の樹脂をさらにブレンドすることができ、また、各種
の添加剤、例えば無機充填剤、熱安定化剤、酸化防止
剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、核剤、帯電防止剤を添
加することができる。
【0033】ポリオレフィン樹脂層の厚さは特に制限さ
れないが、通常0.3〜5mm程度、好ましくは0.5
〜3mm程度である。これより薄いと防食性能が不充分
になる。
【0034】この鋼管は、常法に従って油分除去、酸洗
浄、ショットブラスト、等が必要により予め施される。
【0035】本発明でいう表面処理は、鋼管表面に被膜
が形成されるものであり、クロメート処理、リン酸亜鉛
処理などの前処理のほか、エポキシ樹脂系のプライマー
等を使用したプライマー処理が含まれる。
【0036】本発明の鋼管の被覆方法としては、まず、
必要により鋼管に前処理とさらには表面処理を施す。次
いで、高周波加熱等により100℃〜200℃に加熱
し、接着層樹脂組成物を融点以上、好ましくは120℃
〜280℃の温度でチューブ状あるいはシート状に押出
して鋼管に巻き付け被覆する。接着層被覆後、ポリオレ
フィン樹脂を融点以上、好ましくは120℃〜280℃
でチューブ状あるいはシート状に押出して鋼管に巻き付
け被覆する。また、別の被覆方法として、接着層とポリ
オレフィン層とを同時にチューブ状、あるいはシート状
に共押出して鋼管に被覆することも可能である。
【0037】本発明の樹脂被覆鋼管は、被覆樹脂層が適
度な接着力を有し、ネジ切り加工、鋼管の防食性能保持
が可能であり、さらに溶接接合等の二次加工の際に人力
による被覆樹脂層の剥離が可能となる。
【0038】
【実施例】
実施例1 2重量%の無水マレイン酸、8重量%のアクリル酸エチ
ルを含む市販のエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸
エステル共重合体(メルトインデックス8.0g/10
分)と、低密度ポリエチレン(密度0.918、メルトイ
ンデックス12g/10分)を重量比3:7になるよう
に配合し、黒色顔料(カーボンブラック)2重量%を加え
た。これを二軸押出し機で溶融混練し、エチレン−無水
マレイン酸−アクリル酸エチル共重合体とポリエチレン
からなる無色接着剤組成物(メルトインデックス10.
5g/10分)を得た。
【0039】このようにして得られた接着剤組成物を用
いて以下のように樹脂被覆鋼管を製造した。
【0040】鋼管(外径34mmφ)をブラスト処理
後、エポキシ樹脂系プライマーを鋼管表面に塗布し、高
周波誘導加熱で鋼管熱温度190℃に加熱した。この鋼
管表面に、前述の接着剤組成物と高密度ポリエチレン
(密度0.947、メルトインデックス0.20g/1
0分)とをダイス温度200〜300℃で、接着層の厚
さ0.5mm、ポリエチレン層の厚さ1.5mmとなる
ようにチューブ状に共押し出しして被覆した。樹脂被覆
後水冷し、樹脂被覆鋼管を得た。
【0041】上記樹脂被覆鋼管を、連続して100本製
造し、管端を剥離接着層の状態を観察し検査を行った。
【0042】実施例2〜4 エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エチル共重合体
組成物と、ポリエチレンの重量比が、実施例2では1:
9(メルトインデックス12g/10分)、実施例3で
は、4:6(メルトインデックス10.5g/10
分)、実施例4では7:3(メルトインデックス8.5
g/10分)とした。これ以外の条件を実施例1と同様
にして樹脂被覆鋼管を得た。また、実施例1と同様に検
査を行った。
【0043】実施例5 接着剤として、1%の無水マレイン酸、5%のアクリル
酸エチルを含むエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸
エチル共重合体組成物(メルトインデックス8g/10
分)と中密度ポリエチレン(密度0.925、メルトイ
ンデックス0.8g/10分)を重量比4:6になるよ
うに配合し、さらに着色剤を加え、二軸押し出し機でダ
イス温度200℃で溶融混練したものを接着剤とした。
これ以外の条件を実施例1と同様にして樹脂被覆鋼管を
製造し、検査を行った。
【0044】従来例1 接着剤として無水マレイン酸変性ポリエチレン(メルト
インデックス0.9g/10分)を用い、鋼管余熱温度
190℃として、これ以外の条件を実施例1と同様にし
て樹脂被覆鋼管を製造し、また、管端を剥離し接着を確
認した。
【0045】比較例1 実施例1の接着剤を用い、顔料を含まない以外は実施例
1と同様の条件で樹脂被覆鋼管を製造した。また、実施
例1と同様に検査を行ったが接着層が観察されないため
接着層の状態を検査できなかった。
【0046】このようにして製造した樹脂被覆鋼管の剥
離強度を測定し、接着力の評価を行った。この結果を表
1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】ここで、剥離強度の測定方法は、前述の条
件で製造した樹脂被覆鋼管を20cmに切断し、幅1c
mの切り込みを管長方向に入れて剥がし、この先端部を
掴み代とし、引っ張り速度を50mm/min、剥離角
度を90°の条件で引っ張り試験機を用いて引っ張り剥
離させ、この時の引っ張り力を剥離強度とし接着力と見
なした。剥離強度の単位は、kgf/cmである。ま
た、測定試験中の温度は一律23℃とした。
【0049】表1より明らかなように、実施例1〜5、
比較例1の三元共重合体組成物とポリオレフィンの混合
物を接着層に使用した場合における剥離強度は、最小
0.5kgf/cmから最大1.9kgf/cmの範囲
にあり、安定した接着力が得られた。また、剥離強度は
3.0kgf/cm以下であり、人力による樹脂皮膜の
剥離が容易な接着力である。
【0050】一方、従来例1では5.0kgf/cmを
超え、人力によって樹脂被膜を剥離することはできなか
った。
【0051】また、表2に樹脂被覆鋼管のねじ切り加工
性、および耐水道水性の試験結果を、表3に耐熱衝撃性
の試験結果を示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】さらに、各実施例ごとにランダムに20本
とりねじ切り試験、耐水道水性試験を行った。結果を表
3に示す。
【0055】ねじ切り加工性の試験方法は、23℃雰囲
気中で、ねじ切り試験機を用い、ねじ切り加工を行い、
被覆樹脂層のずれを目視観察して評価した。ここで、○
印は被覆層のずれがなくねじ切り加工ができた場合で、
×印は被覆層のずれが生じた場合である。
【0056】耐水道水性の試験方法は、水道水(23℃)
に樹脂被覆鋼管を30日間浸漬させた後の被覆樹脂層の
剥離状態を目視観察して評価した。ここで、○印は剥離
が認められなかった場合、△印は長さ1mm以下の剥離
が認められた場合、×印は、1mm以上の剥離が認めら
れた場合である。
【0057】また、20本の抜き取り試験で合格数を表
3に示した。
【0058】耐熱衝撃性の試験方法は、樹脂被覆鋼管を
雰囲気温度−45℃(2時間)←→80℃(2時間)内
で交互に暴露する。これを1サイクルとし、10サイク
ル繰り返した後、剥離強度を測定した。測定試験中の温
度は一律23℃とした。
【0059】なお、剥離強度は、樹脂組成のほか、鋼管
表面の前処理条件等により微妙に変化する。このため、
複数回測定を行い、その平均値を剥離強度とした。
【0060】表2より、実施例1〜5は、ねじ切り加工
性試験では被覆層のずれが無くねじ切り加工でき、耐水
道水試験でも被膜の剥離は認められなかった。また、抜
き取り試験においても良好な結果であった。
【0061】一方、比較例1では、NG品が生じた。
【0062】
【発明の効果】本発明の樹脂被覆鋼管は、ポリオレフィ
ン樹脂層と鋼管とを接着する接着層が上述のような組成
物から構成されるため接着力を自在に制御でき、十分な
防食性能を有し、また、ねじ切り加工、耐熱衝撃性に優
れた樹脂被覆鋼管が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂層と、鋼管又はクロ
    メート処理、プライマー処理等の表面処理が施された鋼
    管とを接着する接着層が、エチレン−無水マレイン酸−
    アクリル酸エステル三元共重合体とポリエチレンからな
    り、上記接着層が着色剤を含有していることを特徴とす
    る樹脂被覆鋼管
JP10908397A 1997-04-25 1997-04-25 樹脂被覆鋼管 Pending JPH10296914A (ja)

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