JPH10295352A - 食品成形機の材料供給機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品材料を程良いソフトな触感を有する硬さ
に成形すると共に、材料供給ベルトの耐久性の向上と消
費電力量の節約並びに騒音の発生を防止しえるようにす
る。 【解決手段】 食品材料を投入するホッパー２の下方に
位置して、対向面が上部から下部へ徐々に対向間隔が狭
くなるように上下方向２列に対向配設された、上下部の
ローラーに張設されて反対方向に移送される一対の食品
材料の供給ベルト１１、１１を備えた食品成形機におい
て、各食品材料の供給ベルト１１、１１の対向部内側へ
一対のベルトガイド８、８を配設すると共に、該各ベル
トガイド８、８の対向面に供給ベルト１１、１１の緊張
用突部１４、１４と弛緩用凹部１５、１５とを交互に形
成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば握り寿司や
おにぎり、または幕の内、ハンバーグ、コロッケ等の食
品材料を、所定の大きさ、形状に成形（握り固める）し
て成形機構に供給されるための自動化された食品成形機
の材料供給機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種食品成形機の材料供給機構
としては、例えば特開昭５７−１９４７５６号公報に開
示されているものが知られている。

【０００３】上記特開昭５７−１９４７５６号公報に開
示されているものは図６に示したように、食品材料を投
入するホッパーａの下方位置に、複数個のローラーｂ、
ｃ、ｄ、ｅに張持されて柔軟性を有する一対の環状の材
料供給ベルトｆ、ｆが、上部から下部へ徐々に対向間隔
が狭くなるように上下方向へ長く対向配設されて構成さ
れている。上記ローラーのうち、ローラーｅは、中央の
支持ピンｇに回動自在に軸支されたレバーｈの先端に保
持されている。このレバーｈの基端はバネｉにて牽引さ
れており、これによって材料供給ベルトｆはローラーｅ
によって内側から常時一定のテンションが掛けられてい
る。図中ｊは一対の材料切断用のシャッターを示してい
る。

【０００４】上記した構成によれば、ホッパーａから一
対の材料供給ベルトｆ、ｆ間の上部に落下してきた御飯
等の食品材料を、材料供給ベルトｆ、ｆの回転移動によ
って下方へ押し下げ、適当に圧縮するもので、この適当
に圧縮された食品材料は、シャッターｊを開くことで開
口部から下方の図示しない材料搬送用コンベアベルト上
に適当量押し出し供給される。適当量の食品材料が押し
出されるとシャッターｊが閉じ、定量の食品材料が搬送
用コンベアベルト上に落下すると同時に、それ以上の食
品材料の落下を阻止する。以下、既述動作を繰返し行な
うことになる。

【０００５】ところで、上記した機構においては、柔軟
な材料供給ベルトｆ、ｆが食品材料の移動中に当該食品
材料によって大小の圧力を受けるため、材料供給ベルト
ｆ、ｆの対向面側が種々な位置において不定形に撓んで
しまい、これが食品材料を搬送用コンベアベルト上へ定
量供給することを難しくしている。

【０００６】そこで、本出願人は先に食品材料の供給ベ
ルトの各内側にベルトガイドを接するようにして配設
し、食品材料の移送中、当該食品材料から押圧力を受け
ても材料供給ベルトが内側へ不定形に撓むことがないよ
うに構成した食品材料の供給機構を提案している（特願
平９−６１８２６号）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成においては、材料供給ベルトが撓むことがないこ
とにより、食品材料が全体的に硬めに成形されてしま
い、人手による時のようなソフトに成形することが困難
であった。

【０００８】また、ベルトガイドに対する材料供給ベル
トの接触面積が大きいため、材料供給ベルトが摩耗し易
く、電力消費量が多い上に、騒音も大きいという問題も
あった。

【０００９】本発明は、上記従来の技術の有するこのよ
うな問題点に鑑みなされたもので、特定の形状に成形す
る食品材料を所定量ごとに、かつ常時一定のソフトな触
感を有する硬さ（圧縮密度）に処理してスムーズに供給
でき、しかも材料（ベルト）や運転コストの節減及び騒
音の発生防止などにも貢献できるようにした食品成形機
の材料供給機構を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る食品成形機の材料供給機構は、食品材
料を投入するホッパーの下方に位置して、対向面が上部
から下方へ徐々に対向間隔が狭くなるように上下方向２
列に対向配設された、上下部のローラーに張設されて反
対方向に移送される一対の食品材料の供給ベルトを備え
た食品成形機において、各食品材料の供給ベルトの対向
部内側へ一対のベルトガイドを配設すると共に、該各ベ
ルトガイドの対向面に供給ベルトの緊張用突部と弛緩用
凹部とを交互に形成してなることを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は食品成形機における材料供
給機構の一例を示す一部を切欠いた正面図であり、図２
は同上の作用を説明する正面図であり、図３は同上のテ
ンション調整脱着機構において供給ベルトに張力を与え
た状態を示す側面図であり、図４は同上における供給ベ
ルトの張力解除状態を示す側面図であり、図５は他の実
施形態を示す一部を切欠いた正面図である。

【００１２】食品成形機の材料供給機構は、本体１の上
部にホッパー２が設置され、下方に食品材料搬送用のコ
ンベア３が配設されている。

【００１３】そして、上記本体１の正面には裏面パネル
４が固定され、該裏面パネル４に所定の間隔を置いて正
面パネル５がスタッドボルト６にて脱着自在に固定され
ている。尚、上記裏面パネル４及び正面パネル５は、共
に下辺が細い逆台形状に形成されている。

【００１４】上記裏面、正面パネル４、５間には、上部
から順に一対の駆動プーリー７、７と、ベルトガイド
８、８と、テンションローラー９、９と、従動プーリー
１０、１０とが各配設され、これら駆動プーリー７、
７、ベルトガイド８、８、テンションローラー９、９及
び従動プーリー１０、１０には、各々環状のゴム製の材
料供給ベルト１１、１１が対向して巻回されており、且
つ前記材料供給ベルト１１、１１の下端には一対のガイ
ドローラー１２、１２が、更にその下側に一対のシャッ
ター１３、１３が各々配設されている。

【００１５】一対の駆動プーリー７、７は大径にして、
且つ同一径に形成してあり、裏面、正面両パネル４、５
の上部で左右に大きな間隔をおいて回転自在に軸支して
あり、一対のベルトガイド８、８は駆動プーリー７、７
の少し下方に位置して前記したスタッドボルト６、６に
より固定してあり、一対の従動プーリー１０、１０は、
上記した駆動プーリー７、７よりも小径にして、かつ同
一径に形成させてあり、上記一対のベルトガイド８、８
の下方に位置して、裏面、正面両パネル４、５の下端近
くで左右方向に小さい間隔をおいて回転自在に軸支して
ある。そして、一対のガイドローラー１２、１２は小径
にして、かつ同一径に形成してあり、裏面、正面両パネ
ル４、５の下端で左右方向には上記した一対の従動プー
リー１０、１０の間隔とほぼ同等の小さい間隔をおい
て、当該従動ローリー１０、１０の下方位置に回転自在
にして、且つ大小径の異なるものと交換自在に軸支され
ている。

【００１６】上記したベルトガイド８、８は、硬質プラ
スチック材にて縦長の略四角柱形状に形成されており、
各対向面が上方から下方へ漸時幅狭となるように略逆ハ
の字状に配設されている。

【００１７】そして、各ベルトガイド８、８の対向面に
は図１に示したように、材料供給ベルト１１、１１の緊
張用突部１４と弛緩用凹部１５とが交互に形成してあ
る。

【００１８】上記緊張用突部１４は、ベルトガイド８、
８の上下両端と中央部に合計３個設けられると共に、外
形を各々円弧状に形成することで材料供給ベルト１１、
１１との接触抵抗を小さくしてある。

【００１９】図５中の緊張用突部１４は、この部分の他
の実施形態を示すもので、ベルトガイド８、８の対向面
の上下両端と中央部に合計３個の円弧状凹溝１６、１６
を設け、該各凹溝１６、１６に円柱状のフリー回転ロー
ル１７、１７を回転可能に嵌合して形成することで、更
に材料供給ベルト１１、１１との接触抵抗を小さくして
ある。

【００２０】上記した緊張用突部１４と弛緩用凹部１５
の数は図示例に制限されるものではない。例えば、図示
していないが、緊張用突部１４をベルトガイド８、８の
上下両端に合計２個、その間に弛緩用凹部１５を１個設
けたものでもよい。また、緊張用突部１４を合計４個、
その間に弛緩用凹部１５を３個以上設けたものでもよ
い。尚、両ベルトガイド８、８は、相互に間隔調整がで
きるように、左右方向へ各々移動可能に構成することも
できる。

【００２１】以上の構成により、ホッパー２内へ投入さ
れた食品材料、例えば米飯イ（図２）は裏面パネル４と
正面パネル５間に落下し、一対の材料供給ベルト１１、
１１間の上部に積み上げられる。

【００２２】この米飯イは材料供給ベルト１１、１１が
各下向きに移動されているのに伴って、駆動プーリー
７、７に巻回されている部分の材料供給ベルト１１、１
１の幅広上方部にて一次圧縮された後、その下方のベル
トガイド８、８上端の緊張用突部１４に接している部分
から従動プーリー１０、１０に巻回している部分にかけ
ての材料供給ベルト１１、１１の幅狭部で二次圧縮がな
され、次いで材料供給ベルト１１、１１の下方へ押し出
され、ベルト下方に位置する一対のガイドローラー１
２、１２により三次圧縮される。

【００２３】このように米飯イは一次から三次まで段階
的に圧縮されるが、この中でも特に二次圧縮が圧縮時
間、移動距離ともに長く、良好な品質の製品を得るうえ
で最も重要な工程となっている。そして、ここにおいて
米飯イはベルトガイド８、８の緊張用突部１４、１４と
弛緩用凹部１５、１５の部分を交互に通過する工程にお
いて徐々に圧縮されるため、圧縮不足及び圧縮過多のい
ずれにもならず、程良いソフトな触感を有する硬さに調
整されるものである。

【００２４】そして、三次圧縮後、更にシャッター１
３、１３の開動で下方へ押し出され、最後に当該シャッ
ター１３、１３の閉動により圧縮された米飯イは一定量
（長さ）に切断される。そして、この定量米飯ロは下方
のコンベア３上に落下し、次工程たる成形工程（図示し
ない）に搬送される。図１では搬送装置としてコンベア
３を使用しているが、ターンテーブルを使用することも
可能である。

【００２５】次に、材料供給ベルト１１、１１のテンシ
ョン調整と脱着機構について説明する。上記したテンシ
ョンローラー９、９は、ベルトガイド８、８の後部下方
に設けられた溝部８ａ、８ａに軸支された揺動アーム１
８、１８先端の円形の切欠き１８ａ、１８ａ内へ回動自
在に嵌合されている。

【００２６】上記揺動アーム１８、１８は図３及び図４
に示した如く、その先端側上面に、開口縁がやゝ拡開し
た丸状穴１９、１９が設けられている。そして、この丸
状穴１９、１９には、材料供給ベルト１１、１１のテン
ション調整用の螺子軸２０、２０の基端に設けられた球
体２０ａ、２０ａが回動自在に嵌合され、これによって
揺動アーム１８、１８と螺子軸２０、２０とが回動自在
に連結されている。

【００２７】上記丸状穴１９、１９の開口部近傍には押
え杆２１、２１が横向きに固定され、上記螺子軸２０、
２０の球体２０ａ、２０ａが回動はしても丸状穴１９、
１９から離脱するのを阻止している。

【００２８】而して、上記したベルトガイド８、８の後
部上方には、操作レバー２２、２２の上端がビス２３、
２３によって前後方向へ回動自在に各枢着されている。
そして、この操作レバー２２、２２の上方に前記螺子軸
２０、２０の上端が前後方向へ回動自在にして、且つ上
下方向へ移動自在に連結されている。

【００２９】この螺子軸２０、２０と操作レバー２２、
２２との連結構造を更に説明すると、以下のとおりであ
る。即ち、図３及び図４に示した如く、上記操作レバー
２２、２２で、そのビス２３、２３による枢着支点Ｏか
ら所定寸法Ｉだけ先端部側には、直径方向へネジ孔２４
ａ、２４ａを各貫通形成した回転ブロック２４、２４が
軸支されており、該回転ブロック２４、２４のネジ孔２
４ａ、２４ａには上記した螺子軸２０、２０先端に刻設
されたネジ部２０ｂ、２０ｂが各螺合貫通されている。
図面において、２０ｃ、２０ｃは螺子軸２０、２０の中
央部よりやゝ下方に設けたフランジ部、２５、２５は回
転ブロック２４、２４とフランジ部２０ｃ、２０ｃ間に
介装されたコイルスプリングを各々示す。

【００３０】以上の構成により、上記揺動アーム１８、
１８と螺子軸２０、２０と操作レバー２２、２２とは各
連結されるが、それらの操作は以下のようにして行なわ
れる。先ず、螺子軸２０、２０をその頭部等を指先で摘
んで正転、逆転させることで揺動アーム１８、１８は下
方へ、または上方へ回動され、これに伴ってテンション
ローラー９、９が上下方向へ変位し、材料供給ベルト１
１、１１の張力を任意に調整することができる。

【００３１】また、操作レバー２２、２２を図３に示し
たように、下向きに略垂直となるように回転させると、
螺子軸２０、２０を介して揺動アーム１８、１８がテン
ションローラー９、９を伴って下方へ押し下げ回動され
ることで材料供給ベルト１１、１１に張力が与えられ
る。

【００３２】一方、図４に示したように、上記操作レバ
ー２２、２２を前記とは逆に前方へ回転させると、螺子
軸２０、２０を介して揺動アーム１８、１８がテンショ
ンローラー９、９を伴って上方へ引き上げ回動されるこ
とで材料供給ベルト１１、１１に対する張力が解除され
る。従って、操作レバー２２、２２を図４に示したよう
に操作することで摩耗、損傷等による材料供給ベルト１
１、１１の脱着、交換をワンタッチで容易に行なうこと
ができる。

【００３３】ところで、操作レバー２２、２２に対する
回転ブロック２４、２４の軸支による支点Ｐは、ベルト
ガイド８、８に対する操作レバー２２、２２の回転支点
Ｏと、揺動アーム１８、１８、螺子軸２０、２０の回転
中心Ｑを結ぶ直線Ｋ上よりも所定寸法Ｊだけ後方（図３
において右側）に位置設定してあり、これによって操作
レバー２２、２２は材料供給ベルト１１、１１の緊張時
に、当該材料供給ベルト１１、１１による押圧がテンシ
ョンローラー９、９を介して揺動アーム１８、１８へ加
わり、該各揺動アーム１８、１８に上方への回動力が働
いても、図３に示した位置に確実に固定保持され、図４
に示すように前方へは回動しないようにしてある。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、以上のとおり構成されている
ので、食品材料の硬さが変わっても常に定密度の一定量
づゝを成形機構へ供給することができる。即ち、材料供
給ベルトの内側に配設されたベルトガイドの各対向面に
供給ベルトの緊張用突部と弛緩用凹部とが交互に形成さ
れ、供給ベルトの回動による米飯の下方移行中、当該米
飯は前記緊張用突部と弛緩用凹部の部分を交互に通過す
ることになるため、圧縮不足による柔らか過ぎとなるこ
とがない一方、圧縮過多による硬過ぎともなることがな
いものである。従って、人手による握りと同じような程
良いソフトな感触を有する硬さの成形品が容易に得られ
るものである。さらに、ベルトガイドと材料供給ベルト
とは一部が接触しているだけであるため、材料供給ベル
トの耐久性に優れると共に、消費電力量が少なく、騒音
も少ない等の利点を有するものである。尚、このような
利点は材料供給ベルトの緊張用突部を円弧状に形成する
ことによって一層顕著となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る材料供給機構の一例を示す一部を
切り欠いた正面図である。

【図２】同上の作用を説明する一部を切り欠いた正面図
である。

【図３】同上のテンション調整脱着機構において供給ベ
ルトに張力を与えた状態を示す側面図である。

【図４】同上のテンション調整脱着機構において供給ベ
ルトの張力解除状態を示す側面図である。

【図５】本発明に係る材料供給機構の他の実施形態を示
す一部を切り欠いた正面図である。

【図６】従来の食品成形機の材料供給機構の正面図であ
る。

【符号の説明】

２ ホッパー ８ ベルトガイド １１ 材料供給ベルト １４ 緊張用突部 １５ 弛緩用凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｂ６５Ｇ 23/44 Ｂ６５Ｇ 23/44 65/42 65/42 Ｂ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食品材料を投入するホッパーの下方に位
   置して、対向面が上部から下部へ徐々に対向間隔が狭く
   なるように上下方向２列に対向配設された、上下部のロ
   ーラーに張設されて反対方向に移送される一対の食品材
   料の供給ベルトを備えた食品成形機において、 各食品材料の供給ベルトの対向部内側へ一対のベルトガ
   イドを配設すると共に、該各ベルトガイドの対向面に供
   給ベルトの緊張用突部と弛緩用凹部とを交互に形成して
   なることを特徴とする食品成形機の材料供給機構。