JPH10294504A - 磁気抵抗センサ - Google Patents

磁気抵抗センサ

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JPH10294504A
JPH10294504A JP9104221A JP10422197A JPH10294504A JP H10294504 A JPH10294504 A JP H10294504A JP 9104221 A JP9104221 A JP 9104221A JP 10422197 A JP10422197 A JP 10422197A JP H10294504 A JPH10294504 A JP H10294504A
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JP
Japan
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thin film
ferromagnetic thin
alloy
film layer
magnetoresistance effect
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Application number
JP9104221A
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English (en)
Inventor
Katsuro Watanabe
克朗 渡辺
Kenichi Meguro
賢一 目黒
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】出力波形の線形性,対称性が良く,高感度の磁
気抵抗センサを提供する。 【解決手段】非磁性導電膜13を介して積層された強磁
性薄膜14と強磁性薄膜12が積層されており、強磁性
薄膜14の磁化の方向は固定されており、強磁性薄膜1
2の磁化は外部磁界により回転する。強磁性薄膜12
を、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層12
1と負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層122
で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気的に記録された
情報を再生する磁気トランスデューサに係り、特に線形
性に優れ、感度が高い磁気抵抗センサに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置のダウンサイジング化
に伴い、面記録密度が急速に向上し、高密度に記録され
た情報をも読出すことができる磁気抵抗センサ、つまり
磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)が実用化されてい
る。現在使われているMRヘッドは、1975年出版の
アイイーイーイー トランザクション オン マグネテ
ィクス MAG−11巻の1039ページに詳細に説明
されている異方性磁気抵抗効果に基づき作動するもので
あり、その電気抵抗は、磁気抵抗センサ膜内の磁化の方
向と信号検出電流の方向のなす角度θの余弦の2乗,co
s2θで変化することが知られている。
【0003】数Gb/in2 以上の面記録密度になると、
異方性磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗センサでは感度不
足が予想されるため、1989年出版のフィジカル レ
ビュー ビー 39巻の4828ページに紹介されてい
るような、非磁性導電膜を介して積層された2層の強磁
性薄膜の互いの磁化の方向のなす角度によって電気抵抗
が変化する巨大磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗センサの
研究開発が盛んに行われている。
【0004】巨大磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗センサ
の一つとして、特開平4−358310 号公報には、スピンバ
ルブ構造と呼ばれる構造が開示されている。これは、反
強磁性薄膜によって磁化が特定の方向に固定された第一
の強磁性薄膜と、非磁性導電膜を介して第一の強磁性薄
膜と積層された第二の強磁性薄膜で構成されており、第
一の強磁性薄膜の磁化と第二の強磁性薄膜の磁化の相対
的に角度によって電気抵抗が変化する。
【0005】また、特開平5−266436 号公報には、スピ
ンバルブ構造の磁気抵抗センサにおいて、非磁性導電膜
と直接接する強磁性薄膜としてCo薄膜またはCo合金
薄膜を用いることにより、出力向上を図った磁気抵抗セ
ンサが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、異
方性磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗センサに比べ、出
力の大きな磁気抵抗センサを得ることができる。しか
し、磁気抵抗センサの感度を向上させるためには、出力
だけではなく、出力波形の線形性,対称性が良いことも
必要であり、上記従来技術では、外部磁界によって回転
する強磁性薄膜の異方性磁気抵抗効果が巨大磁気抵抗効
果に重畳するため、線形性や対称性は損なわれる。ここ
で、対称性の良い再生波形とは、符号の異なる情報を読
出したときに、正負の波形のピーク値が等しい波形のこ
とを言う。
【0007】これを改善するため、第19回 日本応用
磁気学会学術講演概要集の148ページには、外部磁界
によって磁化が回転する強磁性薄膜であるNiFeにT
aを添加することにより、異方性磁気抵抗効果の影響を
低減する試みが行われているが、異方性磁気抵抗効果の
影響をなくすることは困難である。
【0008】そこで、本発明の目的は、異方性磁気抵抗
効果の影響をなくし、もしくは、極力小さくして、出力
波形の線形性,対称性を改善し、高い感度を有する磁気
抵抗センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、非磁性
導電膜を介して第一の強磁性薄膜と第二の強磁性薄膜が
積層されており、第一の強磁性薄膜の磁化の方向は固定
されており、第二の強磁性薄膜の磁化は外部磁界により
回転し、第一の強磁性薄膜の磁化の方向と第二の強磁性
薄膜の磁化の方向の相対的な角度が変わることによって
電気抵抗が変化する磁気抵抗センサ膜と、磁気抵抗セン
サ膜に信号検出電流を流すための電極と、磁気抵抗セン
サ膜の電気抵抗変化を検知する手段を有する磁気抵抗セ
ンサにおいて、第二の強磁性薄膜を、正の異方性磁気抵
抗効果を有する強磁性薄膜層と、負の異方性磁気抵抗効
果を有する強磁性薄膜層とで構成することによって、達
成される。
【0010】また、第一の非磁性導電膜を介して第一の
強磁性薄膜と第二の強磁性薄膜を、さらに第二の非磁性
導電膜を介して第二の強磁性薄膜と第三の強磁性薄膜を
積層し、このとき、第一の強磁性薄膜の磁化の方向及び
第三の強磁性薄膜の磁化の方向を固定して、第二の強磁
性薄膜の磁化は外部磁界により回転できるようにして高
い抵抗変化率を得る、いわゆるデュアルスピンバルブ構
造の磁気抵抗センサでも、第二の強磁性薄膜を、正の異
方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層と、負の異方性
磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層とで構成することに
より、より高感度の磁気抵抗センサを得ることができ
る。
【0011】スピンバルブ構造でもデュアルスピンバル
ブ構造でも、前記第二の強磁性薄膜を構成する強磁性薄
膜層のうち、前記非磁性導電膜と直接接する強磁性薄膜
層をCo、または、正あるいは負の異方性磁気抵抗効果
を有するCoを含む合金で構成することにより、出力を
増大させることができる。
【0012】正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜層としては、例えば、Co,Co−Fe合金,Co−
Ni合金,NiーFe合金,Ni−Fe−Co合金、ま
たは、これらにB,C,Si,Ti,Zr,Nb,H
f,Taを少なくとも一つ添加した合金を用いることが
できる。
【0013】また、負の異方性磁気抵抗効果を有する強
磁性薄膜層としては、例えば、特開昭60−11182 号に記
載されているFe,Co,Niまたはこれらのうち一つ
以上の元素を含む磁性金属材料に、Irを添加した合金
を用いることができる。
【0014】スピンバルブ構造の磁気抵抗センサで、大
きな出力と高い感度が得られる基本的な構成は、第二の
強磁性薄膜を、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性
薄膜層と負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層
の2層構造とするものであり、さらに、非磁性導電膜と
接する側の強磁性薄膜層としてCoを含む合金を用いる
ことが好ましい。具体的には、非磁性導電膜と接する強
磁性薄膜層として、Co,Co−Fe合金,Co−Ni
合金またはこれらにB,C,Si,Ti,Zr,Nb,
Hf,Taを少なくとも一つ添加した合金を用い、もう
一方の強磁性薄膜層として、Ni−Fe合金またはNi
−Fe−Co合金に、Irを添加した合金を用いる。ま
た、非磁性導電膜と接する強磁性薄膜層として、Co,
Co−Fe合金またはCo−Ni合金に、Irを添加し
た合金を用い、もう一方の強磁性薄膜層として、Ni−
Fe合金,Ni−Fe−Co合金、またはこれらにB,
C,Si,Ti,Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも
一つ添加した合金を用いてもよい。
【0015】デュアルスピンバルブ構造における基本と
なる構成は、第二の強磁性薄膜を3層構造、あるいは2
層構造とする。
【0016】3層構造の構成は、正の異方性磁気抵抗効
果を示す強磁性薄膜層と負の異方性磁気抵抗効果を示す
強磁性薄膜層をそれぞれ少なくとも1層有するものであ
り、さらに、非磁性導電膜と接する少なくとも一方の強
磁性薄膜層にCo、あるいはCoを含む合金を用いる構
成とすることが好ましい。より好ましい構成としては、
例えば、非磁性導電膜と接する2層の強磁性薄膜層をC
o、または、Coを含む合金とし、このうち少なくとも
一方を負の異方性磁気抵抗効果を有する材料を用い、こ
れら2層に挟まれる強磁性薄膜層として、Ni−Fe合
金,Ni−Fe−Co合金、またはこれらにB,C,S
i,Ti,Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ添
加した合金を用いる。また、非磁性導電膜と接する2層
の強磁性薄膜層としてCo、または、正または負の異方
性磁気抵抗効果を有するCoを含む合金を用い、これら
2層に挟まれる強磁性薄膜層として、Ni−Fe合金,
Ni−Fe−Co合金に、Irを添加した合金を用いて
もよい。
【0017】2層構造では、正の異方性磁気抵抗効果を
示す強磁性薄膜層と負の異方性磁気抵抗効果を示す強磁
性薄膜層とで構成する。少なくとも一方の強磁性薄膜層
にCo、あるいはCoを含む合金を用いる構成とするこ
とが好ましく、さらに、一方をCo、または正の異方性
磁気抵抗効果を有するCoを含む合金とし、もう一方を
負の異方性磁気抵抗効果を有するCoを含む合金とする
構成がより好ましい。正の異方性磁気抵抗効果を有する
Coを含む合金としては、Co−Fe合金,Co−Ni
合金、またはこれらにB,C,Si,Ti,Zr,N
b,Hf,Taを少なくとも一つ添加した合金を、負の
異方性磁気抵抗効果を有するCoを含む合金としては、
Co,Co−Fe合金またはCo−Ni合金に、Irを
添加した合金を用いることができる。
【0018】上述の構成を採用することにより、以下の
作用を生じることができる。
【0019】一般に、磁気抵抗センサに用いられている
強磁性薄膜は、室温で正の異方性磁気抵抗効果を示す。
ここで、異方性磁気抵抗効果は、磁化の方向と電流の方
向のなす角度に依存して電気抵抗が変化する現象であ
り、正の異方性磁気抵抗効果とは、磁化の方向と信号検
出電流の方向が平行であるときの電気抵抗が、これらが
垂直であるときの電気抵抗よりも大きくなる場合をい
う。スピンバルブ構造あるいはデュアルスピンバルブ構
造のような磁気抵抗センサでは、非磁性導電膜を介して
積層された2層の強磁性薄膜の磁化の相対的な角度によ
って電気抵抗が変化する巨大磁気抵抗効果を用いてい
る。このような磁気抵抗センサを構成する強磁性薄膜の
うち、前記の第一の強磁性薄膜および第三の強磁性薄膜
は磁化が固定されているので、異方性磁気抵抗効果によ
る抵抗変化を生じないが、第二の強磁性薄膜は外部磁界
によって磁化が回転するため、異方性磁気抵抗効果によ
る抵抗変化が発生する。これにより、巨大磁気抵抗効果
に異方性磁気抵抗効果が重畳して、出力波形の線形性,
対称性が損なわれるので、高出力,高感度を実現するた
めには、異方性磁気抵抗効果の影響を極力小さくするこ
とが必要となる。
【0020】本発明は、第二の強磁性薄膜を、正の異方
性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層と負の異方性磁気
抵抗効果を有する強磁性薄膜層とで構成することによ
り、第二の強磁性薄膜全体として異方性磁気抵抗効果を
相殺または極力小さくする。
【0021】負の異方性磁気抵抗効果は、磁化の方向と
電流の方向が平行であるときの電気抵抗が、これらが垂
直であるときの電気抵抗よりも小さくなるものであり、
正の異方性磁気抵抗効果と電気抵抗の変化が逆になるた
め、両者を組み合わせて用いることにより、異方性磁気
抵抗効果の影響を従来に比べ著しく小さくすることがで
きる。特に、両者の抵抗変化量の絶対値が等しい場合に
は、異方性磁気抵抗効果の影響を相殺することができ
る。これにより、出力波形の線形性,対称性は著しく改
善される。
【0022】正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜層と負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層と
で構成された第二の強磁性薄膜で、非磁性導電膜と直接
接する強磁性薄膜層に、スピン依存散乱の大きな材料で
あるCo、またはCoを含む合金を用いることにより、
巨大磁気抵抗効果による抵抗変化が大きくなり、より大
きな出力を得ることができる。
【0023】第二の強磁性薄膜を構成する強磁性薄膜層
に用いる材料は、単層あるいは積層した状態で、良好な
軟磁気特性を示すことが必要である。具体的には、例え
ば、Ni−Fe合金,Ni−Fe−Co合金,Co,C
o−Fe合金,Co−Ni合金などがあり、Co,Co
−Fe合金,Co−Ni合金は、単層で用いるよりは、
面心立方構造を有する下地の上、例えばNi−Fe合
金,Ni−Fe−Co合金の上に作製することにより、
軟磁気特性が向上する。なお、これらの合金は正の異方
性磁気抵抗効果を示す。正の異方性磁気抵抗効果の抵抗
変化量を低減するために、これらにB,C,Si,T
i,Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ添加した
合金を用いてもよい。負の異方性磁気抵抗効果を示す材
料としては、例えば、Ni−Fe合金,Ni−Fe−C
o合金,Co,Co−Fe合金,Co−Ni合金など
に、Irを添加した合金がある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施例につい
て、図面を参照し説明する。
【0025】(実施例1)図1は、本発明のスピンバル
ブ構造の磁気抵抗センサの一実施例の断面図である。ガ
ラス,セラミクスからなる非磁性基板10の上に、例え
ばTa,Hf,Zrなどからなる厚さ5nmの下地層1
1を形成し、強磁性薄膜12として、正の異方性磁気抵
抗効果を有する強磁性薄膜層121であるNi−Fe合
金5nmと、負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜層122であるNi−Fe−Ir合金5nmを積層す
る。ここで、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜の抵抗変化量と、負の異方性磁気抵抗効果を有する強
磁性薄膜の抵抗変化量の絶対値が等しくなるようにIr
添加量を調節する。その上に、例えばCu3nmからな
る非磁性導電膜13を介して、強磁性薄膜14として、
例えばCo3nmを積層し、さらに強磁性薄膜14の磁
化を固定するための反強磁性薄膜15として、例えばF
e−Mn合金15nmを、保護膜16として、例えばT
a5nmを成膜する。リソグラフィー技術を用いて所定
の形状のMR素子膜にパターニングした後、MR素子膜
の両側に、バルクハウゼンノイズを抑制するために強磁
性薄膜12に縦バイアス磁界を印加する縦バイアス印加
層17と、MR素子膜に信号検出電流を流すための電極
18を形成する。縦バイアス印加層17としては、例え
ばCo−Pt合金,Co−Pt−Cr合金などの永久磁
石膜や、例えばNi−Fe合金とNi−Mn合金の積層
膜のような強磁性/反強磁性積層膜を用い、電極18
は、例えばTa,Auなどを用いる。素子作製後、素子
高さ方向40に磁界を印加しながら熱処理を行い、反強
磁性薄膜15と強磁性薄膜14との間に作用する交換結
合により、強磁性薄膜14の磁化の方向を固定する。そ
の後、縦バイアス印加層の着磁を行うが、縦バイアス印
加層が永久磁石膜である場合には、室温でトラック幅方
向50に磁界を印加することにより着磁が完了するが、
強磁性/反強磁性積層膜の場合には、トラック幅方向5
0に磁界を印加しながら熱処理を施す。
【0026】正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜層121として用いたNi−Fe合金、及び負の異方
性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層122として用い
たNi−Fe−Ir合金は、本発明の特定の例であり、
これらに限定されるものでない。正の異方性磁気抵抗効
果を有する強磁性薄膜層121は、Ni−Fe合金の
他、Ni−Fe−Co合金、または、これらにB,C,
Si,Ti,Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ
添加した合金を用いることができ、負の異方性磁気抵抗
効果を有する強磁性薄膜層122は、Ni−Fe−Ir
合金の他、Ni−Fe−Co−Ir合金を用いることが
できる。また、強磁性薄膜12として、正の異方性磁気
抵抗効果を有する強磁性薄膜層121の上に、負の異方
性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層122を積層して
いるが、負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層
122を先に成膜し、その上に、正の異方性磁気抵抗効
果を有する強磁性薄膜層121を成膜してもよい。
【0027】また、非磁性導電膜13の材料は、Cuの
他にはCu−Ag合金,Cu−Ni合金が挙げられ、反
強磁性薄膜15の材料は、Fe−Mn合金の他に、Ni
−Mn合金,Mn−Ir合金,Pt−Mn系合金,Cr
−Mn系合金が挙げられる。
【0028】本実施例では、強磁性薄膜,非磁性導電
膜,強磁性薄膜,電極の順に作製しているが、非磁性導
電膜を介して二つの強磁性薄膜が積層されていれば、必
ずしもこの順に作製する必要はない。
【0029】比較のため、図2のように、強磁性薄膜1
2をNi−Fe合金10nm単層にしたものも作製し、
異方性磁気抵抗効果の影響を調べた。まず、巨大磁気抵
抗効果に異方性磁気抵抗効果が重畳することを考慮し
て、ランダウ−リフシッツ−ギルバート方程式を用い
て、磁気抵抗効果曲線のシミュレーションを行った。シ
ミュレーションを行う前に、本実施例及び比較例の膜構
成における、巨大磁気抵抗効果に対する異方性磁気抵抗
効果の割合を測定し、その値を基に、素子高さが1.2
μm,トラック幅が1.4μmの素子について、電流密
度10MA/cm2 の条件で計算を行い、巨大磁気抵抗効
果の出力,異方性磁気抵抗効果の出力、及び両者を足し
合わせた素子全体の出力を求めた。
【0030】本実施例の磁気抵抗効果曲線を図3に、比
較例の磁気抵抗効果曲線を図4に示す。なお、図の縦軸
は、強磁性薄膜14の磁化が完全に固定されているとき
の巨大磁気抵抗効果による出力を1.0 として規格化し
てある。図3で、巨大磁気抵抗効果による出力はSVで
あり、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層1
21、及び負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜
層122の異方性磁気抵抗効果による出力は、それぞれ
AMR1及びAMR2である。AMR1とAMR2は、絶対
値が等しく、符号が異なるため、両者の和は0となり、
巨大磁気抵抗効果の出力と異方性磁気抵抗効果の出力を
合わせた素子全体の出力SV+AMR1+AMR2に
は、異方性磁気抵抗効果の影響が現われず、巨大磁気抵
抗効果による出力SVと等しくなる。一方、図4の比較
例の場合には、強磁性薄膜12が正の異方性磁気抵抗効
果を有するNi−Fe合金であり、しかも膜厚が本実施
例における正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜
層121の2倍の10nmであるため、異方性磁気抵抗
効果による出力が大きくなっている。そのため、素子全
体の出力SV+AMRを見ると、巨大磁気抵抗効果によ
る出力SVとは異なり、外部磁界0付近で凸になり、線
形性が悪くなっている。図5は、本実施例と比較例の素
子全体の出力を、外部磁界0における出力を0に合わせ
て比較した。外部磁界0近傍で、本実施例では、正負の
出力の対称性も線形性も良好であるが、比較例では、線
形性が悪く、磁気抵抗センサとして動作させた場合に
は、負の出力の方が大きい非対称な出力波形になるもの
と考えられる。
【0031】図6及び図7は、それぞれ本実施例及び比
較例の素子の磁気抵抗効果曲線の実測例である。素子高
さは1.2μm、トラック幅は1.4μmであり、電流密
度は10MA/cm2 である。これらと、図3のSV+A
MR1+AMR2及び図4のSV+AMRと比較する
と、磁気抵抗効果曲線の形状がよく一致している。な
お、抵抗変化率の実測値は、それぞれ4.7%と5.0%
と比較例の方がやや大きくなっているが、これは比較例
の方に異方性磁気抵抗効果の抵抗変化分が加わっている
ことにより、巨大磁気抵抗効果による抵抗変化率はほぼ
同じ大きさを示している。従って、本発明の構成にする
ことにより、巨大磁気抵抗効果による抵抗変化率を低下
させることなく、異方性磁気抵抗効果の影響を相殺、も
しくは、著しく小さくできることが確認できた。
【0032】(実施例2)図1と同様の構造で、正の異
方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層121としてN
i−Fe合金を用い、負の異方性磁気抵抗効果を有する
強磁性薄膜層122としてCo−Fe−Ir合金を用い
る。非磁性導電膜と直接接する強磁性薄膜層にスピン依
存散乱が大きいCoを含む合金を用いることにより、抵
抗変化率が6.2%まで向上した。
【0033】ここで、正の異方性磁気抵抗効果を有する
強磁性薄膜層121は、面心立方構造を有する軟磁性材
料を用いることが好ましく、Ni−Fe合金の他には、
Ni−Fe−Co合金、またはこれらにB,C,Si,
Ti,Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ添加し
た合金が挙げられる。負の異方性磁気抵抗効果を有する
強磁性薄膜層122は、Co−Fe−Ir合金の他、C
o−Ir合金,Co−Ni−Ir合金を用いることがで
きる。
【0034】(実施例3)図8に、本発明のスピンバル
ブ構造の磁気抵抗センサの他の実施例の断面図を示す。
図1と類似の構造であり、下地層11の上に負の異方性
磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層122を成膜し、そ
の上に正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層1
21を成膜した。負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁
性薄膜層122として、厚さ5nmのNi−Fe−Ir
合金を用い、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜層121として、厚さ5nmのCo−Fe合金を用い
たときの抵抗変化率は、6.7%であった。
【0035】負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄
膜層122としてNi−Fe−Ir合金を用いている
が、Ni−Fe−Co−Ir合金も用いることができ
る。また、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜
層121としてCo−Fe合金を用いているが、Co,
Co−Ni合金、またはこれらにB,C,Si,Ti,
Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ添加した合金
も用いることができる。 (実施例4)図9は、本発明のデュアルスピンバルブ構
造の磁気抵抗センサの一実施例の断面図である。ガラ
ス,セラミクスからなる非磁性基板10の上に、例えば
Pt−Mn合金,Pd−Pt−Mn合金などからなる反
強磁性薄膜25を形成し、例えばCo3nmからなる強
磁性薄膜24を、さらに、例えばCu3nmからなる非
磁性導電膜23を積層する。次に、Co−Fe合金3n
mからなる正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜
層221と、Ni−Fe−Ir合金4nmからなる負の
異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層222と、C
o−Fe合金3nmからなる正の異方性磁気抵抗効果を
有する強磁性薄膜層223とで構成される強磁性薄膜2
2を形成する。出力波形で良好な線形性及び良好な対称
性を得るために、これら3層で構成される強磁性薄膜2
2全体として、異方性磁気抵抗効果による抵抗変化が小
さくなるように、各層の異方性磁気抵抗効果による抵抗
変化の符号と大きさを、組成及び膜厚を変えることによ
り調節する。上記の構成での抵抗変化率は10.1% で
あり、スピンバルブ構造の磁気抵抗センサに比べ、大き
くなっている。強磁性薄膜22の上に、例えばCu3n
mからなる非磁性導電膜33、例えばCo3nmからな
る強磁性薄膜34,強磁性薄膜34の磁化を固定するた
めの反強磁性薄膜35を積層した後、保護膜36を成膜
する。リソグラフィー技術を用いて所定の形状のMR素
子膜にパターニングした後、MR素子膜の両側に、バル
クハウゼンノイズを抑制するために強磁性薄膜層22に
縦バイアス磁界を印加する縦バイアス印加層17と、M
R素子膜に信号検出電流を流すための電極18を形成す
る。縦バイアス印加層17は、例えばCo−Pt合金,
Co−Pt−Cr合金などの永久磁石膜や、例えばNi
−Fe合金とNi−Mn合金の積層膜のような強磁性/
反強磁性積層膜を用い、電極18は、例えばTa,Au
などを用いる。素子作製後、素子高さ方向40に磁界を
印加しながら熱処理を行い、反強磁性薄膜25と強磁性
薄膜24との間、及び反強磁性薄膜35と強磁性薄膜3
4との間に作用する交換結合により、強磁性薄膜24及
び強磁性薄膜34の磁化の方向を固定する。その後、縦
バイアス印加層の着磁を行うが、縦バイアス印加層が永
久磁石膜である場合には、室温でトラック幅方向50に
磁界を印加することにより着磁が完了するが、強磁性/
反強磁性積層膜である場合には、トラック幅方向50に
磁界を印加しながら熱処理を施す。
【0036】本実施例では、強磁性薄膜22を構成する
3層の強磁性薄膜層として、正の異方性磁気抵抗効果を
有する強磁性薄膜層と、負の異方性磁気抵抗効果を有す
る強磁性薄膜層と、正の異方性磁気抵抗効果を有する強
磁性薄膜層を用いているが、強磁性薄膜22全体として
異方性磁気抵抗効果の影響が生じない、または著しく小
さければ、必ずしもこの積層順、さらには、異方性磁気
抵抗効果の符号(正・負)がこの組み合わせである必要
はない。但し、大きな抵抗変化率を得るためには、非磁
性導電膜と直接接する2層の強磁性薄膜層にはCo、ま
たはCoを含む合金をベースとする材料を用いることが
好ましく、また、より高い感度を得るためには、非磁性
導電膜と接していない中間の強磁性薄膜層には、軟磁気
特性に優れたNi−Fe合金、またはNi−Fe−Co
合金をベースとする材料を用いることが好ましい。
【0037】(実施例5)図10は、本発明のデュアル
スピンバルブ構造の磁気抵抗センサの他の実施例の断面
図である。図9と類似の構造であり、強磁性薄膜22
が、正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層22
1と負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜222
の2層から構成されているものであり、強磁性薄膜22
全体として異方性磁気抵抗効果の影響が生じない、また
は著しく小さくなるように、それぞれの層の組成,膜厚
を調節する。大きな抵抗変化率を得るためには、2層と
もCo、またはCoを含む合金をベースとする材料を用
いることが好ましい。
【0038】以上の実施例では、非磁性基板10上に直
接磁気抵抗センサを形成した場合について説明したが、
磁気抵抗センサの分解能を向上させるために、例えばア
ルミナ等からなる絶縁膜を介して素子の上下にシールド
層を設けたり、また、記録媒体に情報を記録するため
に、素子の上側又は下側のどちらかに誘導型ヘッドを設
けたりすることも、もちろん可能である。このようにし
ても、本発明の磁気抵抗センサの基本的な特性は変わる
ものではない。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、スピンバルブ構造及び
デュアルスピンバルブ構造の磁気抵抗センサで、異方性
磁気抵抗効果の影響を相殺、もしくは著しく小さくする
ことができるため、出力波形の線形性,対称性が良く,
高感度の磁気抵抗センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの
一実施例を示すための断面図。
【図2】従来のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの断
面図。
【図3】本発明のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの
磁気抵抗効果曲線をシミュレーションにより計算した結
果を示す特性図。
【図4】従来のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの磁
気抵抗効果曲線をシミュレーションにより計算した結果
を示す特性図。
【図5】本発明のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサと
従来のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの磁気抵抗効
果曲線を比較した特性図。
【図6】本発明のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの
磁気抵抗効果曲線の測定結果を示す特性図。
【図7】従来のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの磁
気抵抗効果曲線の測定結果を示す特性図。
【図8】本発明のスピンバルブ構造の磁気抵抗センサの
他の実施例を示すための断面図。
【図9】本発明のデュアルスピンバルブ構造の磁気抵抗
センサの一実施例を示すための断面図。
【図10】本発明のデュアルスピンバルブ構造の磁気抵
抗センサの他の実施例を示すための断面図。
【符号の説明】
10…基板、11…下地層、12,22…非磁性導電
膜、13…非磁性導電膜、14,24,34…強磁性薄
膜、15,25,35…反強磁性薄膜、16,36…保
護膜、17…縦バイアス印加層、18…電極、23,3
3…非磁性導電膜、40…素子高さ方向、50…トラッ
ク幅方向、121,221,223…正の異方性磁気抵
抗効果を有する強磁性薄膜層、122,222…負の異
方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性導電膜を介して第一の強磁性薄膜と
    第二の強磁性薄膜が積層されており、前記第一の強磁性
    薄膜の磁化の方向は固定されており、前記第二の強磁性
    薄膜の磁化は外部磁界により回転し、前記第一の強磁性
    薄膜の磁化の方向と前記第二の強磁性薄膜の磁化の方向
    の相対的な角度が変わることによって電気抵抗が変化す
    る磁気抵抗センサ膜と、前記磁気抵抗センサ膜に信号検
    出電流を流すための電極と、前記磁気抵抗センサ膜の電
    気抵抗変化を検知する手段を有する磁気抵抗センサにお
    いて、 前記第二の強磁性薄膜が、正の異方性磁気抵抗効果を有
    する強磁性薄膜層と、負の異方性磁気抵抗効果を有する
    強磁性薄膜層から構成されていることを特徴とする磁気
    抵抗センサ。
  2. 【請求項2】前記第二の強磁性薄膜が、正の異方性磁気
    抵抗効果を有する強磁性薄膜層と負の異方性磁気抵抗効
    果を有する強磁性薄膜層の多層構造である請求項1に記
    載の磁気抵抗センサ。
  3. 【請求項3】前記第二の強磁性薄膜が、正の異方性磁気
    抵抗効果を有する強磁性薄膜層と負の異方性磁気抵抗効
    果を有する強磁性薄膜層の2層の積層構造である請求項
    1に記載の磁気抵抗センサ。
  4. 【請求項4】前記第二の強磁性薄膜を構成する強磁性薄
    膜層のうち、前記非磁性導電膜と直接接する強磁性薄膜
    層がCo、または、正あるいは負の異方性磁気抵抗効果
    を有するCoを含む合金からなる請求項1,2または3
    に記載の磁気抵抗センサ。
  5. 【請求項5】前記負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁
    性薄膜層が、Fe,Co,Niまたはこれらのうち一つ
    以上の元素を含む磁性金属材料に、Irを添加した合金
    からなる請求項1,2,3または4に記載の磁気抵抗セ
    ンサ。
  6. 【請求項6】前記正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁
    性薄膜層がCo,Co−Fe合金,Co−Ni合金また
    はこれらにB,C,Si,Ti,Zr,Nb,Hf,T
    aを少なくとも一つ添加した合金からなり、前記負の異
    方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層が、Ni−Fe
    合金またはNi−Fe−Co合金に、Irを添加した合
    金からなる請求項3,4または5に記載の磁気抵抗セン
    サ。
  7. 【請求項7】前記正の異方性磁気抵抗効果を有する強磁
    性薄膜層がNi−Fe合金,Ni−Fe−Co合金、ま
    たはこれらにB,C,Si,Ti,Zr,Nb,Hf,
    Taを少なくとも一つ添加した合金からなり、前記負の
    異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層がCo,Co
    −Fe合金またはCo−Ni合金に、Irを添加した合
    金からなる請求項3,4または5に記載の磁気抵抗セン
    サ。
  8. 【請求項8】第一の非磁性導電膜を介して第一の強磁性
    薄膜と第二の強磁性薄膜が積層され、第二の非磁性導電
    膜を介して第二の強磁性薄膜と第三の強磁性薄膜が積層
    されており、前記第一の強磁性薄膜の磁化の方向及び前
    記第三の強磁性薄膜の磁化の方向は固定されており、前
    記第二の強磁性薄膜の磁化は外部磁界により回転し、前
    記第一の強磁性薄膜の磁化の方向と前記第二の強磁性薄
    膜の磁化の方向の相対的な角度、及び前記第二の強磁性
    薄膜の磁化の方向と前記第三の強磁性薄膜の磁化の方向
    の相対的な角度が変わることによって電気抵抗が変化す
    る磁気抵抗センサ膜と、前記磁気抵抗センサ膜に信号検
    出電流を流すための電極と、前記磁気抵抗センサ膜の電
    気抵抗変化を検知する手段を有する磁気抵抗センサにお
    いて、 前記第二の強磁性薄膜が、正の異方性磁気抵抗効果を有
    する強磁性薄膜層と、負の異方性磁気抵抗効果を有する
    強磁性薄膜層から構成されていることを特徴とする磁気
    抵抗センサ。
  9. 【請求項9】前記第二の強磁性薄膜が、正の異方性磁気
    抵抗効果を有する強磁性薄膜層と負の異方性磁気抵抗効
    果を有する強磁性薄膜層の多層構造である請求項8に記
    載の磁気抵抗センサ。
  10. 【請求項10】前記第二の強磁性薄膜が、3層の積層構
    造からなり、そのうち少なくとも1層が正の異方性磁気
    抵抗効果を有する強磁性薄膜層であり、少なくとも1層
    が負の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層である
    請求項8あるいは9に記載の磁気抵抗センサ。
  11. 【請求項11】前記第二の強磁性薄膜を構成する強磁性
    薄膜層のうち、前記非磁性導電膜と直接接する少なくと
    も一方の強磁性薄膜層がCo、または、正あるいは負の
    異方性磁気抵抗効果を有するCoを含む合金からなる請
    求項8,9または10に記載の磁気抵抗センサ。
  12. 【請求項12】前記負の異方性磁気抵抗効果を有する強
    磁性薄膜層が、Fe,Co,Niまたはこれらのうち一
    つ以上の元素を含む磁性金属材料に、Irを添加した合
    金からなる請求項8,9,10または11に記載の磁気
    抵抗センサ。
  13. 【請求項13】前記第二の強磁性薄膜が、3層の積層構
    造からなり、非磁性導電膜と直接接する2層の強磁性薄
    膜層がCo、または、正または負の異方性磁気抵抗効果
    を有するCoを含む合金からなり、少なくとも一方が負
    の異方性磁気抵抗効果を有する強磁性薄膜層であり、こ
    れら2層に挟まれる強磁性薄膜層がNi−Fe合金,N
    i−Fe−Co合金、これらにB,C,Si,Ti,Z
    r,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ添加した合金か
    らなる請求項10,11または12に記載の磁気抵抗セ
    ンサ。
  14. 【請求項14】前記第二の強磁性薄膜が、3層の積層構
    造からなり、非磁性導電膜と直接接する2層の強磁性薄
    膜層がCo、または、正または負の異方性磁気抵抗効果
    を有するCoを含む合金からなり、これら2層に挟まれ
    る強磁性薄膜層がNi−Fe合金,Ni−Fe−Co合
    金に、Irを添加した合金からなる請求項10,11ま
    たは12に記載の磁気抵抗センサ。
  15. 【請求項15】前記第二の強磁性薄膜が、正の異方性磁
    気抵抗効果を有する強磁性薄膜層と負の異方性磁気抵抗
    効果を有する強磁性薄膜層の2層構造からなる請求項8
    または9に記載の磁気抵抗センサ。
  16. 【請求項16】前記第二の強磁性薄膜がCo、または、
    正の異方性磁気抵抗効果を有するCoを含む合金からな
    る強磁性薄膜層と、負の異方性磁気抵抗効果を有するC
    oを含む合金からなる強磁性薄膜層の2層構造からなる
    請求項15に記載の磁気抵抗センサ。
  17. 【請求項17】前記負の異方性磁気抵抗効果を有するC
    oを含む合金からなる強磁性薄膜層が、Co,Co−F
    e合金またはCo−Ni合金に、Irを添加した合金か
    らなる請求項15または16に記載の磁気抵抗センサ。
  18. 【請求項18】前記正の異方性磁気抵抗効果を有するC
    oを含む合金からなる強磁性薄膜層が、Co,Co−F
    e合金,Co−Ni合金、またはこれらにB,C,S
    i,Ti,Zr,Nb,Hf,Taを少なくとも一つ添
    加した合金からなる請求項15あるいは16に記載の磁
    気抵抗センサ。
JP9104221A 1997-04-22 1997-04-22 磁気抵抗センサ Pending JPH10294504A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011164098A (ja) * 2010-01-15 2011-08-25 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 磁気センサ
US8279548B2 (en) 2010-04-20 2012-10-02 Tdk Corporation Microwave oscillating element and thin film magnetic head therewith

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