JPH10293019A - 光ヘテロダイン干渉を用いた高さ形状測定方法及び測定装置 - Google Patents

光ヘテロダイン干渉を用いた高さ形状測定方法及び測定装置

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JPH10293019A
JPH10293019A JP10154597A JP10154597A JPH10293019A JP H10293019 A JPH10293019 A JP H10293019A JP 10154597 A JP10154597 A JP 10154597A JP 10154597 A JP10154597 A JP 10154597A JP H10293019 A JPH10293019 A JP H10293019A
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Hiroo Fujita
宏夫 藤田
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも位相の検出範囲を拡大し、|λ/
4|以上の寸法までも測定できる光ヘテロダイン干渉を
用いた測定方法及び測定装置を実現することを目的とす
る。 【解決手段】 2ビーム光走査の差動型光ヘテロダイン
干渉計で、位相を検出する光路の他に、反射光強度も併
せて検出する光路を新たに設け、位相と共に反射光強度
を検出する。直流成分をもつ反射光強度は走査の定点位
置で2分割受光器により共焦点型の検出を行う。2分割
検出した出力信号から物体面に照射した2ビーム光の間
の相互の照射位置関係を判定し、位相が|π|を超えた
回数を検出することで位相の検出範囲を|π|以上まで
拡大し、|λ/4|以上の高さ寸法まで測定可能にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ヘテロダイン干渉
計を用いた高さ形状測定において、従来よりも高さ寸法
の測定範囲を広げることが可能な光ヘテロダイン干渉計
を用いた高さ形状測定方法と測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】精密部材の表面粗さ、平坦度などの高さ
形状測定には光干渉計が多く用いられている。フィゾー
干渉計、トワイマン−グリーン干渉計などでは、同一周
波数の二光波を干渉させ、表面の凹凸形状に応じた干渉
縞分布を検出する構成である。このとき、光の波長λの
半分(λ/2)が干渉縞計測の基準目盛りになるため、
〜0.3μm程度の分解能での測定ができる。これより
も更に高分解能(例えば0.01μm)の測定が必要な
場合は光ヘテロダイン干渉計が用いられる。これは周波
数の異なる二光波を干渉させ、差の周波数で光強度が振
動するビートを電気信号として検出する方法である。光
ヘテロダイン干渉では、光の周波数領域での位相変化
が、はるかに低周波数(数100kHz〜数MHz程
度)のビート信号の位相変化としてそのまま現れる。ビ
ート信号の位相の1度の変化は、光波長の1/720に
相当するため、ナノメートル領域の分解能が得られる。
【0003】光ヘテロダイン干渉計は周波数の異なる2
つのレーザ光の作成方法に関して各種の構成がある。ゼ
ーマンレーザ、半導体レーザの駆動電流変調、2つの音
響光学素子(以下AODと記載)を用いる方法などが知
られている。ここでは、一つのAODを2周波数成分の
電気信号で駆動し、周波数の異なる2ビーム光を発生さ
せる差動型の方法について説明する。AODにはレーザ
光の走査機能もあるため、上記の差動型システムは、微
小スポットに集光した2ビーム光を被測定物の面上で走
査させるビーム走査型である。なお、本方法については
本願発明者により、特許公報平3−44243号公報の
“光ヘテロダイン干渉法による表面形状測定装置”に詳
細に述べられている。
【0004】図2は一つのAODを用いた従来の光ヘテ
ロダイン干渉計の構成例である。ここではレーザ光は1
次元走査を行うものとする。レーザ光源21から発せら
れたレーザ光210はAOD22に入射する。AOD2
2の動作を制御するAODドライバー23は、周波数f
aを発する信号源232と周波数fmを発する信号源2
34を入力とし、2周波数成分fa±fmの信号を作成
してAOD22に印加する。周波数fmは2ビーム光へ
の分離を行い、周波数faは2ビーム光の走査を行わせ
る。このとき発生する2ビーム光212と213は互い
に周波数が異なる(差周波数が2fm)ため、光ヘテロ
ダイン干渉が可能である。
【0005】AOD22から発せられた2ビーム光の一
部をビームスプリッター(以下BSと記載)215で反
射し、集光レンズ217を介して受光器24で検出して
参照光ビート信号242を作成する。BS215を透過
した2ビーム光は対物レンズ220で微小スポットに集
光され、被測定物25に照射されて面上を走査する。被
測定物25から反射された2ビーム光は元の光路を逆進
し、BS215で反射されて集光レンズ219で集光さ
れ、受光器26で検出されて反射光ビート信号262を
作成する。参照光ビート信号242の位相は一定である
が、反射光ビート信号262の位相は被測定物25の表
面形状に応じて変化する。
【0006】位相比較器27は、一定位相の参照光ビー
ト信号242を基準として反射光ビート信号262との
間の位相差を検出し、反射光ビート信号262の位相変
化から高さ形状を測定する。以上の位相検出は2ビーム
光走査の各位置で行い、走査全体にわたって検出された
位相データを演算処理して、被測定物25の表面形状を
測定する。ビート信号は、交流成分(AC)に直流成分
(DC)がバイアスされたもので、位相検出を行うとき
は、通常はDC成分はカットし、AC成分のみを検出す
る。このAC成分がビート信号で、その周波数は2ビー
ム光の周波数差となる2fmである。
【0007】以上に示した従来の光ヘテロダイン干渉計
は、2ビーム光が照射された2点間の光路長差(段差)
を電気信号の位相差から測定する差動型検出である。図
3に表面形状と位相の関係を示す。(a)は位相角度の
検出例、(b)と(c)は表面形状と2ビーム光の関係
である。従来の位相検出は、表面の凹凸までも含めて検
出する場合、位相角度が−πとπradの間で検出す
る。図3(a)の場合、点31の位相はφ1 で正、点3
2の位相はφ2 で負である。共に位相の絶対値はπ以下
である。位相が正の場合は図3(b)のように、2ビー
ム光を構成するビーム34がビーム33より高い位置に
ある凸表面である。位相が負の場合は図3(c)のよう
に、ビーム33がビーム34よりも高い位置にある凹表
面である。このようにして、位相の正負の符号から表面
の凹凸を判定し、位相の大きさから2ビーム光の間の凹
凸寸法hを測定する。
【0008】次に、位相と表面高さの関係式を示す。検
出した位相φと2ビーム光の間の光路差hの関係は数式
h=λφ/4πで表される。ここで、−π≦φ≦πであ
る。したがって、位相の1度は波長の1/720に相当
することになり、ビート信号の位相と表面高さhは比例
関係にある。検出する位相が±πrad以内の場合、測
定される凹凸の高さ範囲(2ビーム光の間の光路長差)
は±λ/4(+は表面が凸、−は表面が凹)以内であ
り、波長が0.633μmのHe−Neレーザ光を用い
たときは±0.15μmが測定限界である。なお、検出
される位相は表面の微分形状(一種の表面粗さ)を表す
ため、走査の一周期にわたって検出された全体の位相デ
ータを積分(接続)することにより表面形状が測定され
る。
【0009】以上は凹凸の形状までも含めて測定する例
であったが、表面が凸であるか、凹であるか、あらかじ
め分かっている場合は、同じく位相を0〜±π、あるい
は0〜2πradの範囲で検出することにより、λ/2
の絶対値|λ/2|(以下、|λ/2|と記載)の寸法
まで測定範囲を拡大できる。位相を±πの範囲で検出す
る場合、例えば表面が凸形状の場合、λ/4までの段差
では位相が0〜πまでの正の値で検出できる。段差がλ
/4を超えてλ/2までの場合は、位相が0〜−πまで
の負の値で検出される。例えば負の位相で−150度が
得られた場合、実際の位相は正の値で180+30=2
10度であると変換してから段差を測定する。表面が凹
形状の場合は上記と逆である。したがって、上記の場合
は位相の正負の符号から段差がλ/4以上か以下である
かを判定し、位相の補正を行って|λ/2|までの寸法
を測定する。また、位相を0〜2πの範囲で検出する場
合も、表面の凹凸形状に応じた位相の回転方向から検出
した位相値を補正することで|λ/2|までの寸法が測
定できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】被測定物の凹凸判定ま
でも含め、位相を±πradで検出する場合、2ビーム
光の間の光路長差がλ/4の絶対値|λ/4|(以下、
|λ/4|と記載)を超えれば位相は、πの絶対値|π
|(以下、|π|と記載)radを超えてしまう。図4
に位相が|π|を超える場合の位相検出例を示す。点4
1は位相がπを超えて、例えば本来は230度の場合
で、図3(b)の表面が凸の状態とする。位相検出範囲
が±πの場合、実際に検出される位相は−(180−5
0)=−130度となってしまい、位相が負であるため
図3(c)のように表面が凹であると判定されてしま
う。これは、位相角度がπを超えたことが判定できない
ために生じる。すなわち、従来型の位相検出では、nπ
+φ(n≧1)のnが不定となり、|π|以下の位相し
か検出されない。そのため、従来の光ヘテロダイン干渉
計で凹凸までも含めた測定では、測定可能な凹凸寸法は
±λ/4以内であった。
【0011】被測定物の凹凸があらかじめ分かってい
て、位相を0〜±πrad、あるいは0〜2πradの
範囲で検出する場合、上記と同様に、2ビーム光の間の
光路差が|λ/2|を超えれば位相は2πの絶対値|2
π|(以下、|2π|と記載)を超えてしまう。この場
合も、|2π|以上の位相は区別できないため、測定可
能な凹凸の寸法は±λ/2以内で、それ以上の寸法は測
定できないという問題がある。以上の課題は、従来の光
ヘテロダイン干渉計がビート信号の位相だけを検出対象
としていたことによる。本発明は位相検出範囲を|π
|、あるいは|2π|以上まで拡大することで、|λ/
4|あるいは|λ/2|以上の段差までも正確に測定で
きる光ヘテロダイン干渉を用いた測定方法及び測定装置
を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明における光ヘテロダイン干渉を用いた高さ形状測
定方法は、レーザ光源から放射されたレーザ光を第一の
ビームスプリッターを透過させて音響光学素子に入射
し、該音響光学素子を二周波数成分の信号を発する音響
光学素子ドライバーで駆動して周波数が異なる2ビーム
光を発生させ、該2ビーム光を第二のビームスプリッタ
ーと対物レンズを透過させ、微小なスポットに集光した
2ビーム光を高さ形状が測定される被測定物面上に照射
して走査し、該被測定物からの反射光の一部を前記第二
のビームスプリッターで反射させ、該反射光を第一の受
光器で受光して交流の反射光ビート信号を検出し、該反
射光ビート信号と同じ周波数で一定位相の参照信号を基
準として前記反射光ビート信号の位相変化を位相比較器
で検出し、第一の位相データとして位相記憶部に記憶す
ると共に、前記第二のビームスプリッターを透過した反
射光を前記第一のビームスプリッターで反射させ、該反
射光を第二の受光器で受光して直流の反射光強度信号を
検出し、差動強度検出部で前記第二の受光器からの反射
光強度信号を演算し、該演算された反射光強度信号の強
度変化から前記被測定物面上での2ビーム光の焦点方向
への照射位置の光路差に対応した第二の位相データを位
相判定部で検出し、位相補正部により前記第一の位相デ
ータと第二の位相データを比較し、前記第二の位相デー
タに応じて前記第一の位相データを補正して前記被測定
物の高さ形状を測定することを特徴とする。
【0013】さらには、前記第二の受光器は2分割型の
受光器とし、該2分割受光器の前にピンホール、あるい
はスリットを設置し、反射光を対称な二つの領域に分割
し、各領域での強度分布の中央部付近の一部の範囲の強
度を個別に検出して反射光強度信号を作成する。また、
前記差動強度検出部は前記2分割型受光器の各々の受光
部から出力される二つの強度信号の間の差動強度から前
記被測定物の凹凸形状を測定すると共に、前記二つの強
度信号の間の強度比から前記被測定物面上での2ビーム
光の焦点方向への照射位置の光路差に対応した第二の位
相データを検出することを特徴とする。
【0014】また、本発明における光ヘテロダイン干渉
を用いた高さ形状測定装置は、レーザー光を放射するレ
ーザ光源と、該レーザー光から二周波数成分の信号を発
生させ周波数が異なる2ビーム光を発生し被測定物面上
を照射しかつ走査する音響光学素子と、該音響光学素子
を制御する音響光学素子ドライバーと、該2ビーム光を
高さ形状が測定される被測定物面上に微小なスポットに
集光する対物レンズと、該被測定物からの反射光の一部
を反射する第二のビームスプリッターと、該反射光を受
光して交流の反射光ビート信号を検出する第一の受光器
と、該反射光ビート信号と該反射光ビート信号と同じ周
波数で一定位相の参照信号との位相変化を検出する位相
比較器と、該位相変化を第一の位相データとして記憶す
る位相記憶部と、前記第二のビームスプリッターを透過
する前記被測定物からの反射光の一部を反射するように
構成され前記レーザ光源と前記音響光学素子との間に設
ける第一のビームスプリッターと、該第一のビームスプ
リッターからの反射光を受光して直流の反射光強度信号
を検出する第二の受光器と、該第二の受光器からの該反
射光強度信号の強度変化を演算する差動強度検出部と、
該演算された反射光強度信号の強度変化から前記被測定
物面上での2ビーム光の焦点方向への照射位置の光路差
に対応した第二の位相データを検出する位相判定部と、
前記第一の位相データと前記第二の位相データとを比較
する位相補正部とを備え、前記位相補正部において前記
第一の位相データと前記第二の位相データを比較し、前
記第二の位相データに応じて前記第一の位相データを補
正することによって前記被測定物の高さ形状を測定する
ように構成されていることを特徴とする。
【0015】さらに、第二の受光器は、2分割型の受光
器と、該2分割受光器の前に設けるピンホール、あるい
はスリットとを備え、入射する反射光を対称な二つの領
域に分割し、各領域の強度分布の中央部付近の一部の強
度を個別に検出して反射光強度信号を作成するように構
成されている。また、前記差動強度検出部は前記2分割
型受光器の各々の受光部から出力される二つの強度信号
の間の差動強度から前記被測定物の凹凸形状を測定する
と共に、前記二つの強度信号の間の強度比から前記被測
定物面上での2ビーム光の焦点方向への照射位置の光路
差に対応した第二の位相データを検出するように構成さ
れていることを特徴とする。
【0016】(作用)AODにより発生させられた2ビ
ーム光を試料表面に照射し、試料からの反射光を検出す
るとき、AC成分の反射光ビート信号による位相検出の
ほかに、DC成分の反射光強度信号を検出する光路を新
たに設け、位相と反射光強度を異なる位置で個別に検出
する。表面の凹凸までも含めて形状を測定する場合、位
相を±πの範囲で検出する。反射光ビート信号の位相検
出は従来型と同様に行い、位相比較により検出した位相
を第一の位相データφ1 として位相記憶部に記憶する。
|φ1 |≦|π|であれば、検出した位相は形状に対応
する。|φ1 |>|π|であれば、位相と形状は対応し
なくなる。しかし、位相データだけからは位相が|π|
を超えたか否かは不明である。そこで、位相φ1 が|π
|より大きいか小さいかの判定、及び|π|を超えてい
る場合は|π|を何回超えたかの判定を行うのに直流の
反射光強度信号を用いる。
【0017】反射光強度は照射レーザ光の焦点方向への
照射位置に応じて変化し、被測定物がレーザ光の焦点位
置に置かれた場合に最も反射光強度が高く、焦点位置か
ら離れるにしたがって強度が減少する。そのため、反射
光強度を検出することで、被測定物の位置、すなわち、
照射レーザ光の焦点方向への照射位置がわかる。反射光
強度を検出する場合、ピンホール、あるいはスリットを
受光器の前に設置し、それを通して反射光強度分布の中
央部付近の一部の範囲の強度だけを検出する。この検出
はレーザ走査顕微鏡の分野でよく知られた共焦点型の検
出である。共焦点検出は、被測定物面上に照射されるレ
ーザ光の照射位置が焦点位置から離れると、反射光強度
が急激に減少するという特性がある。すなわち、共焦点
検出は焦点位置近傍の照射位置を高感度で検出できる。
この共焦点検出効果を利用することで、被測定物面上に
照射された2ビーム光の焦点方向への照射位置の差(光
路長差)を|λ/4|程度の分解能で検出し、強度変化
から位相が|π|を超えた回数nを測定する。
【0018】共焦点位置での反射光強度の検出には2分
割型受光素子を用い、反射光を対称な二つの領域に分割
し、各々の領域の反射光強度を個別にスリットを通して
検出する。なお、反射光強度の検出はAODを再度通過
させた位置で行うため、走査の定点位置である。そのた
め、2ビーム光の走査位置に関わらず、反射光は常に受
光器の一定位置に入射する。2分割受光器の各々の出力
信号をIa、Ibとしたとき、差動強度Ia−Ibと強
度比Ia/Ibを検出する。IaとIbがほぼ等しい場
合は、2ビーム光がほぼ同じ高さ位置に照射されている
状態である。そのとき検出された位相φ1 は|π|を超
えないと判断し、位相φ1 を正しい位相と判定する。I
a>Ib、あるいはIa<Ibで、差が一定値以上の場
合は、2ビーム光の焦点方向への照射位置が離れている
場合である。このとき、一度、被測定物を焦点方向の予
め設定された方向に微小距離だけ移動させて反射光強度
を再度検出すると、移動前後の反射光強度変化とIa−
Ibの符号により試料表面の凹凸形状が判定できる。
【0019】反射光強度Ia、Ib間の強度比、例え
ば、Ia/Ib=kから2ビーム光の焦点方向への照射
位置の差を判定する。Ia>Ibのとき、照射位置の差
が大きくなる(段差が大)にしたがって強度比kが大き
くなり、位相が|π|を超えるようになる。そこで、強
度比kから2ビーム光の間の段差が|λ/4|を超える
回数、すなわち、位相角度が|π|を超える回数nを第
二の位相データとして位相判定部で検出する。このと
き、差動強度Ia−Ibの符号により位相角度が変化す
る回転方向がわかる。そこで、位相比較器で得られた第
一の位相データφ1とIa−Ibから得られた表面凹凸
形状、及び強度比Ia/Ibから得られた位相が|π|
を超えた回数nの3種類の情報から、位相φ1 の値を位
相補正部で補正し、正しい位相を算出して正確な高さ形
状、寸法を測定する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図面により本発明の実施の形
態について詳述する。図1は本発明の構成と動作を説明
するブロック図である。レーザ光源10は、例えばHe
−Neレーザ、半導体レーザなどから成り、レーザ光1
00を放射する。第一のビームスプリッター(以下第一
のBSと記載)11を透過したレーザ光100はAOD
12に入射する。AOD12は、周波数faを発する第
一の信号源112と周波数fmを発する第二の信号源1
14からの二つの信号を入力とする音響光学素子ドライ
バー(以下にAODドライバーと記載)110で駆動さ
れる。ここで、周波数faは2ビーム光の走査を制御す
る。周波数fmは2ビーム光への分離を制御し、周波数
が高くなるほど分離が大きくなる。ここで作成された2
ビーム光116と118は互いに周波数が異なり、差の
周波数は2fmである。
【0021】2ビーム光116と118は第二のビーム
スプリッター(以下には第二のBSと記載)13を透過
し、対物レンズ122で微小なスポット径に集光され、
高さ形状が測定される被測定物124に照射される。そ
のとき、2ビーム光は被測定物124の面上を走査す
る。被測定物124で反射した2ビーム光はもとの光路
を逆進し、第二のBS13でその一部の強度が反射さ
れ、第一の受光器14で受光される。このとき受光され
る2ビーム光をE1 、E2 としたとき、E1 とE2を下
記の式で表す。 E1 =A1 exp{i(φ1 −ω1 t)} E2 =A2 exp{i(φ2 −ω2 t)} 上式において、A1、 A2 は振幅、φ1 、φ2 は位相、
ω1 、ω2 は角周波数を表す。2ビーム光E1 、E2
第一の受光器14の受光面で干渉したときの干渉光強度
Iは下記の式で表される。 I=A1 2+A2 2+2A12cos(Δφ+Δωt) ここで、Δφ=φ1 −φ2 、Δω=ω1 −ω2 =4πf
mである。この干渉光を光電変換して強度に比例した干
渉信号を得る。
【0022】上式で表される反射光強度は交流成分2A
1 2 cos(Δφ+Δωt)に直流成分A1 2+A2 2
重畳されたものである。第一の受光器14では直流成分
はカットして交流成分のみを検出し、反射光ビート信号
142を発する。位相Δφは被測定物124の面上での
2ビーム光の間の光路長差に応じて変化する。位相検出
には比較する相手の信号が必要で、反射光ビート信号1
42と同一周波数をもち、一定位相の参照信号144を
比較の基準として用いる。参照信号144は第二の信号
源114から発せられる周波数fm(一般には、数10
0kHz〜数MHzである)を2倍にする周波数てい倍
回路により2fmの周波数に変換したものを用いればよ
い。また、図2の従来技術で示したように、第二のBS
13で2ビーム光の一部を反射させ、その反射光を干渉
させて作成してもよい。
【0023】位相比較器15は参照信号144と反射光
ビート信号142を入力とし、両者の位相差を検出す
る。被測定物124の凹凸までも区別して段差を測定す
るときは、位相は±πradで検出する。参照信号14
4の位相は一定、反射光ビート信号142の位相は被測
定物124の表面形状に応じて変化するから、位相比較
器15で検出された位相差は被測定物124の表面形状
に対応する。なお、位相は被測定物124の面上の各走
査位置毎に検出する。こうして検出した位相差を第一の
位相データとして位相記憶部155に記憶する。第一の
位相データがφ1のとき、φ1 からは位相が|π|を超
えたか否かの判定ができない。そのため、位相以外の情
報も検出することにより、φ1 が正しいか否かを判定す
る。
【0024】第二のBS13を透過した反射光は、AO
D12を逆進して第一のBS11で反射され、第二の受
光器16で受光される。この反射光は2ビームである
が、図では一本のビームで記載する。反射光はAOD1
2を再透過した後で検出するため、走査の定点位置での
受光である。したがって、2ビーム光が被測定物124
の面上のどの位置を走査していても、反射光は第二の受
光器16の一定位置に入射する。第二の受光器16は2
分割受光素子の構成で、反射光を対称な二つの領域に分
割し、各々の領域の強度を個別に検出する。このとき、
反射光強度の交流成分信号はカットし、直流成分の反射
光強度信号のみを検出する。直流の反射光強度はA1 2
2 2に比例し、2ビーム光が照射された位置での反射率
や焦点位置からの距離の変動によって強度が変化する。
本発明は2分割受光器の二つの受光部でA1 2とA2 2に比
例する強度を個別に検出し、二つの反射光強度の違いか
ら、焦点方向への2ビーム光の照射位置の差が|λ/4
|を何回超えているかを検出する。
【0025】第二の受光器16の2分割受光素子の各面
にはスリットを張り付け、スリットの隙間を通して、反
射光の強度分布の中央部付近の一部の範囲の反射光強度
を検出する。この検出法は共焦点型検出といわれ、被測
定物124に対して照射レーザ光がその焦点位置に照射
されているときは反射光強度は高く、焦点位置から離れ
るにしたがって反射光強度が急激に低下する特性を持っ
ている。これは、焦点から離れた位置からの反射光は、
第二の受光器16がある位置でスポット径が大きく広が
るため、スリットを通して受光面に達する反射光量が大
きく減少するためである。被測定物の位置が2ビーム光
の焦点位置から大きく離れていない場合は、共焦点検出
により、照射位置が焦点からどれだけ離れているかを高
感度で検出できる。この共焦点効果を用いると、被測定
物124の面上に照射される2ビーム光の焦点方向への
位置の差を|λ/4|程度の感度で検出することがで
き、位相が|π|を超えたか否かが感度よく判定でき
る。
【0026】差動強度検出部17は、第二の受光器16
からの二つの反射光強度信号162(出力電圧IaでA
1 2に比例)と164(出力電圧IbでA2 2に比例)か
ら、差動強度Ia−Ib、及び強度比Ia/Ibを検出
する。この検出はIC回路などで行ってもよく、また、
A/D変換された強度データを数値処理で行ってもよ
い。位相判定部18は、差動強度検出部17で検出され
たIa−Ibの符号及びIa/Ibの値から、被測定物
124の面上に照射された2ビーム光の高さの関係を判
定し、2ビーム光の間の位相差が|π|を何回超えてい
るかという第二の位相データを検出する。反射光強度I
aとIbがほぼ等しい場合は、2ビーム光が被測定物1
24に対してほぼ同じ高さ位置に照射されていると判断
し、反射光ビート信号142から検出した第一の位相デ
ータφ1 は|π|を超えないと判定する。
【0027】2ビーム光の照射位置の差が大きくなれば
Ia−Ibが大きくなる。それは2ビーム光の一方の光
束の照射位置が焦点からはずれるためである。IaとI
bの差が一定以上のとき、Ia−Ibの符号の正負から
表面の凹凸を判定する。例えば、Ia>Ibの場合は表
面が凸、Ia<Ibの場合は表面が凹であると判定で
き、表面凹凸情報から位相角度の回転方向が決定でき
る。強度比Ia/Ibは2ビーム光の間の照射位置の差
を判定する。例えばIa>Ibの場合、強度比が大きく
なるほど2ビーム光の間の高さの差は大きくなる。この
場合は第一の位相データφ1 が|π|を超えていると判
断でき、|π|を超えた回数nをIa/Ibから判断す
る。以上の表面凹凸と位相が|π|を超えた回数nの判
定が可能になるのは、反射光を2分割受光器で検出する
ことによる。
【0028】n=0の場合は位相が|π|を超えず、位
相比較器15で検出した第一の位相データφ1 が正しい
位相になる。n≧1の場合は位相が|π|を超えてお
り、位相データφ1 は正しくなくて補正する必要があ
る。位相補正部19はn≧1の場合、第二の位相データ
である表面凹凸情報と位相が|π|を超えた回数nか
ら、第一の位相データφ1 を補正して正しい位相を検出
する。例えば、表面が凸で、n=1の場合、位相−φが
検出されたときの正しい位相の値は2π−φである。こ
のようにして、位相が|π|を超える場合でも、|λ/
4|以上の寸法を正確に測定することができる。なお、
本発明において反射光ビート信号142を第二の受光器
16で検出しないのは、反射光がAOD12を再透過す
れば4fmなる周波数成分が発生して正確な位相変化が
測定できないためである。ところが、直流の反射光強度
の検出はその影響を受けない。
【0029】図5、及び図6に被測定物124の面上で
の2ビーム光を示して、本発明による反射光の位相、強
度と表面形状の関係について説明する。図5(a)で2
ビーム光51、52をビームBa、ビームBbとし、段
差hを測定する。hは2ビーム光の間の位相差に比例す
る。第一の受光器14で検出した反射光ビート信号14
2の位相検出は従来技術と同様であるから本明細書では
省略するが、位相比較器15でhに対応した位相φ1
検出される。h≦|λ/4|ならばφ1 は正しいが、位
相データだけからは判定できず、被測定物124の面上
での2ビーム光の相互の照射位置関係を以下に述べる反
射光強度情報から検出する。
【0030】次に、反射光強度信号と2ビーム光の照射
位置の関係について説明する。図5(b)の曲線53
は、2ビーム光のうちのビームBaを第二の受光器16
で共焦点検出したときの照射位置と反射光強度(相対
値)の関係を表す。点531の焦点が合った位置では反
射光強度が最大となり、焦点位置から離れるにしたがっ
て反射光強度が減少し、遠ざかる方向と近づく方向に対
してほぼ対称に変化する。この変化の度合いは光学系の
構成、特に対物レンズのNA(開口数)によって変わっ
てくる。なお、点線で示した曲線533は第二の受光器
16にスリットなどを用いない通常の(非共焦点型)検
出を行った場合の強度変化で、共焦点検出に比べて強度
変化がブロードである。このことから、被測定物面上に
照射されるビームの焦点位置ズレが余り大きくない範囲
では、共焦点検出により焦点位置からのはずれの距離を
感度よく検出できる。
【0031】2分割受光したビームBaによる強度をI
a、ビームBbによる強度をIbとする。図5(c)の
曲線54はビームBa、Bbの差動強度(Ia−Ib)
である。2ビーム光が共に焦点に近い位置に照射されて
いるときは、|Ia−Ib|は0にちかい値である。一
方のビームが焦点近くで、他方のビームが焦点から離れ
ると、|Ia−Ib|は大きくなる。差動強度の符号が
正の場合は強度Iaが大きく、ビームBaのほうがビー
ムBbよりも焦点に近い位置にあることになる。差動強
度の符号が負の場合は強度Ibが大きく、ビームBbの
ほうがビームBaよりも焦点に近い位置にあることにな
る。しかし、一つの差動強度データだけからは表面の凹
凸状態が決定できないという問題点がある。例えば、ビ
ームBaが焦点位置にあるとき、ビームBbが焦点に近
い位置であっても遠い位置であっても、Ia−Ibは正
の値になり、凹凸の区別がつかない。そこで、被測定物
124をパルスステージなどで一度移動させ、移動前後
の反射光強度の変化から表面凹凸を判定する。
【0032】例えば差動強度が正の場合、被測定物12
4を設定された方向(例えば焦点から遠ざかる方向)に
一定距離だけ移動させ、ビームBa、Bbによる反射光
強度を再度検出する。ここで強度Ibが減少すればBb
は焦点よりも遠い位置にあることになり、このときの表
面を凹形状と判定する。強度Ibが増加すればBbは焦
点よりも近い位置にあることになり、表面を凸形状と判
定する。こうして、差動強度の符号、及び試料移動後の
反射光強度変化から2ビーム光の相互の位置関係が分か
り、表面の凹凸形状が決定できる。この表面凹凸の判定
は、位相検出において位相角度が正の方向に回転するの
か、負の方向に回転するのかを決定するときに重要であ
る。
【0033】図5(d)の曲線55は反射光強度比Ia
/Ib=Kで、Ia>Ibで表面が凸形状の場合であ
る。K=1はビームBa、Bbが同じ焦点位置に照射さ
れている場合である。ビームBaに対してビームBbが
焦点から離れるにしたがってKの値が大きくなり、両者
が余り離れていない場合はKはほぼ直線的に変化する。
この直線近似できる領域でビームBaとビームBbの焦
点方向への位置の差を評価する。領域551はビームB
aとビームBbの位置の差が小さく、h<λ/4であ
る。このときは位相がπを超えず、πを超えた回数をn
としたとき、n=0である。領域552はビームBaと
ビームBbの位置の差が少し大きく、λ/4を超えてλ
/2以下の場合である。このときはn=1となり、位相
はπと2πの間である。以下同じようにして、Ia/I
bの値から位相がπを超えた回数nを求めることができ
る。
【0034】次に、位相補正部19による位相補正の例
を示す。図6(a)は表面が凸形状でn=1の場合の位
相補正例である。位相は±πの範囲で検出する。この場
合の位相は反時計回りに回転する。点56は位相比較器
15で検出された位相で、例えば−130度である。前
述の方法で位相判定部18によりn=1が検出されたと
き、位相は正の値でπと2πの間であるから、180+
50=230度であると補正する。図6(b)は表面が
凸形状でn=2の場合の位相補正例である。点57は位
相比較器15で検出された位相で、例えば120度であ
る。n=2が検出されたとき、位相は正で2πと3πの
間にあり、360+120=480度であると補正す
る。以上の方法により、nが余り大きくないときは、n
の値から位相の補正が可能である。
【0035】図7に以上説明した本発明の動作のフロー
チャート図を示す。ステップ600は2ビーム光の走査
で、2ビーム光を被測定物124の面上に照射し、一定
範囲を走査する。ステップ602は第一の受光器14で
の反射光検出による第一の位相検出で、位相比較器15
で検出した位相φ1 を位相記憶部155に記憶する。ス
テップ604は第二の受光器16による反射光強度の検
出で、2分割受光器で2分割検出されたIa、Ibなる
二つの直流成分の強度データを検出する。ステップ60
6は差動強度検出で、Ia−Ib及び強度比Ia/Ib
を検出して記憶する。
【0036】ステップ608は被測定物124の焦点方
向への移動と反射光強度検出で、予め定められた方向へ
微小距離だけ移動させ、ステップ604と同様に直流の
反射光強度を検出する。ステップ610は被測定物12
4の表面凹凸判定で、移動の前後の反射光強度の変化と
差動強度から表面凹凸を判定する。ステップ612は第
二の位相検出で、ステップ606で得られた差動強度と
強度比、及びステップ610で得られた表面凹凸データ
から位相が|π|を何回超えたかの回転数nを判定す
る。ステップ614は位相補正で、ステップ602で検
出した位相φ1 とステップ612で検出した|π|の回
転数nから、φ1 を補正して正しい位相を検出する。ス
テップ616は形状検出で、位相データを高さに変換
し、被測定物124の形状、寸法などを算出する。
【0037】図8に本発明の光ヘテロダイン干渉装置を
実現する光学装置の具体的な構成例を示す。レーザ光源
10から放射された直線偏光を有するレーザ光100は
第一のBS11を透過する。第一のBS11は偏光方向
に依存して透過、反射の大きさが変わる偏光ビームスプ
リッター(以下PBSと記載)の構成で、入射光のほぼ
全体を透過させる。第一のBS11を透過したレーザ光
は、シリンドリカルレンズ70と凸レンズ71の組合せ
で、紙面に平行な面内に広がり、紙面に垂直な面内に集
光されるシートビームに変換してAOD12に照射す
る。AOD12からは前述のごとく周波数fmに応じて
分離された2ビーム光が発生する(図8には図示せ
ず)。AOD12を出射した2ビーム光は、凸レンズ7
2とシリンドリカルレンズ73により、シートビームの
形状が変換され、位置730以降の光路は再び円形ビー
ムとして進行する。
【0038】円形発散光として進行する2ビーム光は第
二のBS13(同じくPBSの構成である)を透過して
凸レンズ74でコリメートされ、対物レンズ75で集光
されて被測定物124に照射されると共に面上を走査す
る。被測定物124からの反射光は第二のBS13で一
部の強度が反射され、集光レンズ76を介して第一の受
光器14で検出される。ここでは交流の反射光ビート信
号を作成して位相変化を検出する。第二のBS13を透
過した2ビーム光はAOD12を再透過して、第一のB
S11で反射され、集光レンズ77を介してスリットが
取り付けられた第二の受光器16で検出される。ここで
は反射光を2分割して検出し、直流の反射光強度から第
二の位相データを検出する。
【0039】図9に第二の受光器16による2分割共焦
点検出例を示す。受光器中央部81は分離帯で、左右の
二つの受光面82と83に分割する。各受光面82と8
3にはスリットを張り付け、斜線で示した領域では反射
光をカットし、各受光面の中央825と835を通して
反射光を検出する。このとき、図8に示した集光レンズ
77の焦点距離を調整することで、中央の受光面に入射
する反射光のスポット径を変えることができ、反射光の
強度分布の中央部付近の強度だけを検出することで共焦
点検出が実現できる。
【0040】
【発明の効果】上記のごとく本発明による光ヘテロダイ
ン干渉測定方法及びその装置は、位相の他に反射光強度
も検出する構成である。従来の位相検出は|π|rad
の範囲しか測定できなかったため、|λ/4|が高さ寸
法測定の限界であった。本発明は共焦点効果を用いた反
射光強度検出により、位相の検出範囲を|π|rad以
上まで拡大することで|λ/4|以上までの高さ測定が
可能となり、光ヘテロダイン干渉装置の適用範囲を拡大
することができる。反射光強度の検出では2分割型受光
器を用いることで、表面の凹凸形状の容易に測定でき、
位相検出の信頼性が高まる。その結果、nm〜μmの広
い範囲にわたって、nmオーダの分解能で高さ形状測定
が可能である。さらには、物体面に照射する2ビーム光
は互いにほぼ同一の光路をたどるため、外乱の影響を受
けにくく安定した測定が可能で、生産ラインでのインラ
イン計測に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成と動作を説明するブロック図であ
る。
【図2】従来の光ヘテロダイン干渉装置の構成と動作を
説明する図である。
【図3】従来の位相検出法と表面形状の関係を説明する
図である。
【図4】従来の位相検出法における誤測定の例を説明す
る図である。
【図5】本発明による反射光強度と位相の関係を説明す
る図である。
【図6】本発明による反射光強度と位相の関係を説明す
る図である。
【図7】本発明の測定動作を説明するフローチャート図
である。
【図8】本発明による光学系の構成の一実施例を示す図
である。
【図9】本発明による反射光の2分割検出の実施例を示
す図である。
【符号の説明】
10 レーザ光源 11 第一のビームスプリッター 12 音響光学素子 13 第二のビームスプリッター 14 第一の受光器 15 位相比較器 16 第二の受光器 17 差動強度検出部 18 位相判定部 19 位相補正部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から放射されたレーザ光を第
    一のビームスプリッターを透過させて音響光学素子に入
    射し、該音響光学素子を二周波数成分の信号を発する音
    響光学素子ドライバーで駆動して周波数が異なる2ビー
    ム光を発生させ、該2ビーム光を第二のビームスプリッ
    ターと対物レンズを透過させ、微小なスポットに集光し
    た2ビーム光を高さ形状が測定される被測定物面上に照
    射して走査し、該被測定物からの反射光の一部を前記第
    二のビームスプリッターで反射させ、該反射光を第一の
    受光器で受光して交流の反射光ビート信号を検出し、該
    反射光ビート信号と同じ周波数で一定位相の参照信号を
    基準として前記反射光ビート信号の位相変化を位相比較
    器で検出し、第一の位相データとして位相記憶部に記憶
    すると共に、前記第二のビームスプリッターを透過した
    反射光を前記第一のビームスプリッターで反射させ、該
    反射光を第二の受光器で受光して直流の反射光強度信号
    を検出し、差動強度検出部で前記第二の受光器からの反
    射光強度信号を演算し、該演算された反射光強度信号の
    強度変化から前記被測定物面上での2ビーム光の焦点方
    向への照射位置の光路差に対応した第二の位相データを
    位相判定部で検出し、位相補正部により前記第一の位相
    データと第二の位相データを比較し、前記第二の位相デ
    ータに応じて前記第一の位相データを補正して前記被測
    定物の高さ形状を測定することを特徴とする光ヘテロダ
    イン干渉を用いた高さ形状測定方法。
  2. 【請求項2】 前記第二の受光器は、2分割型の受光器
    とし、該2分割受光器の前にピンホール、あるいはスリ
    ットを設置し、反射光を対称な二つの領域に分割し、各
    領域の強度分布の中央部付近の一部の強度を個別に検出
    して反射光強度信号を作成することを特徴とする請求項
    1に記載の光ヘテロダイン干渉を用いた高さ形状測定方
    法。
  3. 【請求項3】 差動強度検出部は、前記2分割型受光器
    の各々の受光部から出力される二つの強度信号の間の差
    動強度から前記被測定物の凹凸形状を測定すると共に、
    前記二つの強度信号の間の強度比から前記被測定物面上
    での2ビーム光の焦点方向への照射位置の光路差に対応
    した第二の位相データを検出することを特徴とする請求
    項2に記載の光ヘテロダイン干渉を用いた高さ形状測定
    方法。
  4. 【請求項4】 レーザー光を放射するレーザ光源と、該
    レーザー光から二周波数成分の信号を発生させ周波数が
    異なる2ビーム光を発生し被測定物面上を照射しかつ走
    査する音響光学素子と、該音響光学素子を制御する音響
    光学素子ドライバーと、該2ビーム光を高さ形状が測定
    される被測定物面上に微小なスポットに集光する対物レ
    ンズと、該被測定物からの反射光の一部を反射する第二
    のビームスプリッターと、該反射光を受光して交流の反
    射光ビート信号を検出する第一の受光器と、該反射光ビ
    ート信号と該反射光ビート信号と同じ周波数で一定位相
    の参照信号との位相変化を検出する位相比較器と、該位
    相変化を第一の位相データとして記憶する位相記憶部
    と、 前記第二のビームスプリッターを透過する前記被測定物
    からの反射光の一部を反射するように構成され前記レー
    ザ光源と前記音響光学素子との間に設ける第一のビーム
    スプリッターと、該第一のビームスプリッターからの反
    射光を受光して直流の反射光強度信号を検出する第二の
    受光器と、該第二の受光器からの該反射光強度信号の強
    度変化を演算する差動強度検出部と、該演算された反射
    光強度信号の強度変化から前記被測定物面上での2ビー
    ム光の焦点方向への照射位置の光路差に対応した第二の
    位相データを検出する位相判定部と、前記第一の位相デ
    ータと前記第二の位相データとを比較する位相補正部と
    を備え、 前記、前記位相補正部において前記第一の位相データと
    前記第二の位相データを比較し、前記第二の位相データ
    に応じて前記第一の位相データを補正することによって
    前記被測定物の高さ形状を測定するように構成されてい
    ることを特徴とする光ヘテロダイン干渉を用いた高さ形
    状測定装置。
  5. 【請求項5】 第二の受光器は、2分割型の受光器と、
    該2分割受光器の前に設けるピンホール、あるいはスリ
    ットとを備え、入射する反射光を対称な二つの領域に分
    割し、各領域の強度分布の中央部付近の一部の強度を個
    別に検出して反射光強度信号を作成するように構成され
    ていることを特徴とする請求項4に記載の光ヘテロダイ
    ン干渉を用いた高さ形状測定装置。
  6. 【請求項6】 差動強度検出部は、前記2分割型受光器
    の各々の受光部から出力される二つの強度信号の間の差
    動強度から前記被測定物の凹凸形状を測定すると共に、
    前記二つの強度信号の間の強度比から前記被測定物面上
    での2ビーム光の焦点方向への照射位置の光路差に対応
    した第二の位相データを検出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ヘテロダイン干渉
    を用いた高さ形状測定装置。
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