JPH0914929A - 段差測定装置 - Google Patents

段差測定装置

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JPH0914929A
JPH0914929A JP7188511A JP18851195A JPH0914929A JP H0914929 A JPH0914929 A JP H0914929A JP 7188511 A JP7188511 A JP 7188511A JP 18851195 A JP18851195 A JP 18851195A JP H0914929 A JPH0914929 A JP H0914929A
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light
analyzer
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photodetector
measuring device
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JP7188511A
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Yasushi Oki
裕史 大木
Yutaka Iwasaki
豊 岩崎
Jun Iwasaki
純 岩崎
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 段差の両側で光反射率が変化していても任意
の段差を高精度に測定することのできる段差測定装置を
提供すること。 【構成】 被検物体が鏡面であるときに検光子に達する
反射光が円偏光になるように構成され、検光子は、アナ
ライザ角が可変の偏光ビームスプリッターを有し、光検
出手段は、偏光ビームスプリッターを透過した光を検出
するための第1光検出器と、偏光ビームスプリッターで
反射された光を検出するための第2光検出器とを有し、
測定手段は、段差に対する第1光検出器の出力と第2光
検出器の出力との差が最大または最小になるときの偏光
ビームスプリッターの第1アナライザ角に基づいて段差
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は段差測定装置に関し、特
にICパターンや金属表面などに存在する微小段差の定
量測定に適した微小段差測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の段差測定装置として、O plus E
誌の1992年10月号において 70 〜72ページに開示されて
いるように、レーザー走査型段差測定装置を応用した非
接触表面粗さ計が知られている。この非接触表面粗さ計
では、従来の検光子に代えて偏光ビームスプリッターを
用い、この偏光ビームスプリッターの透過光と反射光と
を同時に検出している。そして、透過光の検出信号と反
射光の検出信号とに関する差信号と和信号との比に基づ
いて段差を測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の非接触表
面粗さ計では、検出された透過光と反射光とに関する差
信号と和信号との比に基づいて段差を測定している。し
かしながら、差信号と和信号との比に基づく測定では、
段差の両側で光反射率が変化するような場合に対応する
ことができないという不都合があった。
【0004】さらに、上述の文献には、和信号が段差の
影響を受けない旨の記載がある。しかしながら、和信号
が段差の影響をあまり受けないのは、段差によって発生
する光の位相差がきわめて小さい場合のみである。すな
わち、上述の従来の非接触表面粗さ計では、段差が大き
くなるにつれて回折により和信号も変調され、その結果
測定精度が損なわれるという不都合があった。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、段差の両側で光反射率が変化していても任意
の段差を高精度に測定することのできる段差測定装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、空間的にコヒーレントな光を供
給するための光源と、該光源からの光を被検物体上に集
光するための対物レンズと、該対物レンズを介して前記
被検物体上の異なる位置に2つの光スポットを形成する
ために前記光源からの入射光をその偏光成分によって2
つの光に分割するための複屈折プリズムと、前記2つの
光スポットを前記被検物体上で走査するための走査手段
と、前記2つの光スポットに対する前記被検物体からの
反射光のうち特定の偏光成分を選択するための検光子
と、該検光子を介して選択された光を検出するための光
検出手段と、該光検出手段の出力に基づいて前記被検物
体の段差を定量的に測定するための測定手段とを備えた
段差測定装置において、前記段差測定装置は、前記被検
物体が鏡面であるときに前記検光子に達する反射光が円
偏光になるように構成され、前記検光子は、アナライザ
角が可変の偏光ビームスプリッターを有し、前記光検出
手段は、前記偏光ビームスプリッターを透過した光を検
出するための第1光検出器と、前記偏光ビームスプリッ
ターで反射された光を検出するための第2光検出器とを
有し、前記測定手段は、前記段差に対する前記第1光検
出器の出力と前記第2光検出器の出力との差が最大また
は最小になるときの前記偏光ビームスプリッターの第1
アナライザ角に基づいて前記段差を測定することを特徴
とする段差測定装置を提供する。
【0007】本発明の好ましい態様によれば、前記測定
手段は、前記被検物体の段差の一方の領域に対する前記
第1光検出器の出力と前記第2光検出器の出力との和に
基づいて、前記一方の領域における前記被検物体の第1
振幅反射率を求め、前記被検物体の段差の他方の領域に
対する前記第1光検出器の出力と前記第2光検出器の出
力との和に基づいて、前記他方の領域における前記被検
物体の第2振幅反射率を求め、前記第1アナライザ角と
前記第1振幅反射率と前記第2振幅反射率とに基づいて
前記段差が前記2つの光スポットに付与する位相差を算
出し、算出した前記段差による位相差に基づいて前記段
差を測定する。
【0008】
【作用】上述のように、本発明の段差測定装置は、微分
干渉顕微鏡を応用した構成を有する。一般に、微分干渉
顕微鏡では、被検物体上に存在する幾何学的な段差に対
して、ほぼ微分像に等しいコントラストを与えることが
できる。しかしながら、被検物体上に存在する一般的な
段差は、単に表面の凹凸(幾何学的な段差)だけからな
るわけではない。たとえば、ガラス基板上に蒸着された
クロームのパターンを考えると、蒸着面の境界において
クローム膜厚に相当する幾何学的段差が存在するだけで
はなく、光の反射率も段差の両側において大きく変化し
ている。
【0009】このように、一般の段差は、入射する光の
位相および振幅をともに変調するという性質を有する。
したがって、互いに異なる段差に対しては、位相および
振幅の変調される度合も当然に異なってくる。しかしな
がら、本発明の発明者らは、従来のレーザー走査型微分
干渉顕微鏡の構成を用いて微分干渉像のコントラストを
変化させることができることに着目し、これを利用して
いかなる段差に対しても高精度な測定が可能な本発明の
段差測定装置に想到した。
【0010】以下、本発明の段差測定装置の作用を理論
的に説明する。なお、段差は基本的に1次元特性を有す
るため、以下の解析では光学系を含めすべてを1次元的
に取り扱う。実際の光学系は2次元特性を有するが、後
述の各式に対して直交する座標系を導入するだけで2次
元化を容易に行うことができることはいうまでもない。
また、以下の作用および実施例の説明において、空間的
にコヒーレントな光としてレーザー光を用いるものとす
る。
【0011】被検物体上に一次元座標xを設定し、原点
x=0に段差が存在するものとする。物体はx=0を除
いて平坦であり、物体の複素振幅分布O(x)が次の式
(1)で与えられるものとする。
【数1】
【0012】式(1)において、aおよびbは、それぞ
れx≦0の領域およびx>0の領域における物体の反射
率の平方根(すなわち振幅反射率)である。また、Ψは
段差によって生じる入射光の位相変化量である。次い
で、この段差位置における微分干渉像の強度Iを求め
る。段差位置すなわちx=0において、段差測定装置に
よって被検物体上に形成された2つのレーザースポット
は、段差を挟んでその両側の対称な位置にある。すなわ
ち、2つのレーザースポット間の距離を2δとすれば、
第1のスポット中心はx=δにあり、第2のスポット中
心はx=−δにある。
【0013】まず、第1スポットについて考える。物体
上でのレーザースポットの振幅分布をu(x)とすれ
ば、第1スポットの回折により方向余弦α方向に回折さ
れる光の複素振幅P1 は、次の式(2)で与えられる。
【数2】
【0014】同様に、第2スポットについて、その回折
により方向余弦α方向に回折される光の複素振幅P
2 は、次の式(3)で与えられる。
【数3】
【0015】レーザー光射出点(光源)から検光子の直
前までの間の光学系が第1スポットに対応する光と第2
スポットに対応する光とに与える位相差(すなわち被検
物体として鏡面を用いたときに検光子直前における両ス
ポットに対応する光の位相差)をθとし、検光子(偏光
ビームスプリッター)の方位角(アナライザ角)をφと
すると、検光子(偏光ビームスプリッター)の透過光強
度iT および反射光強度iR は、次の式(4)および
(5)でそれぞれ与えられる。
【0016】
【数4】
【数5】
【0017】実際には、レンズの開口数NAよりも小さ
い方向余弦の回折光はすべて受光される。したがって、
透過光全強度IT および反射光全強度IR は、次の式
(6)および(7)でそれぞれ与えられる。
【0018】
【数6】
【数7】
【0019】したがって、透過光全強度IT と反射光全
強度IR との差信号Sは、次の式(8)で与えられる。
【数8】
【0020】式(8)に式(1)〜(7)を代入する
と、次の式(9)に示す関係が得られる。
【数9】
【0021】本発明では、式(9)において位相差θ=
π/2と設定することにより、次の式(10)で示す関係
が成立する。
【数10】
【0022】なお、式(9)および式(10)において、
Cは物体に依存しない装置定数であり、次の式(11)で
与えられる。
【数11】
【0023】式(10)の右辺は、次の式(12)に示すよ
うに、ベクトルの内積の形で表される。
【数12】
【0024】したがって、段差位置における差信号S
は、アナライザ角φが次の式(13)を満たすときに最大
となる。
【数13】 また、式(12)を参照すれば、式(13)を満たすφに±π/
4を加えたアナライザ角において、段差位置における差
信号Sが最小(ゼロ)になることがわかる。
【0025】以下、本発明において位相差θ=π/2と
設定する理由について説明する。まず、式(9)の右辺
において位相差θを含む部分 cos(θ+Ψ)は、θ=π
/2と設定することにより、式(10)に示すように sin
Ψとして差信号Sに含まれるようになる。こうして、微
小段差に応じた微小な位相差Ψに対する差信号Sの感度
は、位相差θ=π/2と設定することにより最も良好に
なる。換言すれば、位相差θ=π/2と設定することに
より、微小段差に対する差信号Sを大きくすることがで
きる。
【0026】次いで、位相差θ=π/2と設定すること
により、段差の両側のエッジに対する差信号Sを同時に
最大(または最小)にすることができる。段差部分の振
幅反射率をbとし、その両側の平坦部の振幅反射率をa
とすると、一方のエッジでは振幅反射率がaからbへ変
化するとともに段差による位相差が0からΨに変化す
る。また、他方のエッジでは振幅反射率がbからaへ変
化するとともに段差による位相差がΨから0に変化す
る。
【0027】すなわち、式(13)の右辺において、一方の
エッジと他方のエッジとでは、aとbとが入れ代わると
ともに位相差Ψの符号が逆になる。ところで、aとbと
を入れ代えるとともに位相差Ψの符号を逆にしても、式
(13)の右辺の値は変化しない。これは、一方のエッジに
対する差信号Sを最大(または最小)にするアナライザ
角と他方のエッジに対する差信号Sを最大(または最
小)にするアナライザ角とが等しいことを意味してい
る。換言すれば、位相差θ=π/2と設定することによ
り、同一のアナライザ角で段差の両側のエッジに対する
差信号Sを同時に最大(または最小)にすることができ
る。
【0028】仮に、位相差θ=π/2ではなくθ=0と
設定すると、段差位置における差信号Sは、アナライザ
角φが次の式(14)を満たすときに最大となる。
【数14】
【0029】上述の式(14)において、aとbとを入れ
代えるとともに位相差Ψの符号を逆にすると、右辺の値
は変化してしまう。すなわち、本発明のように位相差θ
=π/2と設定しなければ、一方のエッジに対する差信
号Sを最大(または最小)にしても、その時のアナライ
ザ角に対して他方のエッジに対する差信号Sは最大(ま
たは最小)にならなくなってしまう。
【0030】このように、本発明では、検光子の直前ま
でに光学系が2つのスポットに対応する光に加える位相
差をπ/2に、すなわち検光子に達する光が円偏光にな
るようにするとともに、偏光ビームスプリッターのアナ
ライザ角φを可変にする。こうして、段差位置における
差信号Sが最大となるときのアナライザ角から式(13)の
右辺の値を求めることができる。また、段差位置におけ
る差信号Sが最小となるときのアナライザ角から式(13)
の右辺の値の逆数を求めることができる。
【0031】すなわち、差信号Sが定性的に最大または
最小となるときのアナライザ角を測定することにより、
すなわち差信号Sの値を定量的に測定する(光量を直接
測定する)ことなく、段差による位相差Ψを含む量を高
精度に求めることができる。なお、式(13)の右辺には、
位相差Ψ以外に振幅反射率aおよびbが含まれている。
振幅反射率aおよびbを求めるには、以下のように、段
差から十分離れた位置における和信号W=IT +IR
求めればよい。
【0032】たとえば、段差位置x=0から十分離れた
x<0の位置では、以下の式(15)に示す関係がよい近
似で成り立つ。
【数15】
【0033】式(15)を式(4)〜(7)式に代入した上
でθ=π/2とすれば、段差位置x=0から十分離れた
x<0の位置に対する和信号Wa は、次の式(16)で与
えられる。
【数16】
【0034】こうして、式(16)で与えられる和信号Wa
の平方根を計算することによって振幅反射率aを求める
ことができる。ここで、式(16)には振幅反射率aの他に
装置に依存する装置定数が含まれているが、この装置定
数は計算可能な量である。ただし、実用上は、段差およ
び反射率が既知の試料を用いてキャリブレーションを行
うことにより、装置定数を求めることができる。また、
段差位置x=0から十分離れたx>0の位置に対する和
信号Wb の平方根を計算することによって、もう一方の
振幅反射率bも同様に求めることができる。
【0035】こうして、差信号Sが最大または最小とな
るときのアナライザ角から求めた式(13)の右辺の値と
和信号Wa およびWb からそれぞれ求めた2つの振幅反
射率aおよびbとに基づいて、位相差Ψを算出すること
ができる。そして、算出した位相差Ψに基づいて、段差
Δhを次の式(17)により求めることができる。
【数17】 ここで、 λ:光の波長 n:媒質の屈折率(空気ならば1)
【0036】なお、段差の両側において複素屈折率が異
なる場合は、2つのレーザースポットに対する反射にお
いて光の位相飛び量の差が発生する。そこで、光の位相
飛び量の差をあらかじめ測定し、式(13)にしたがって
求めた位相差Ψの値をあらかじめ測定した位相飛び量の
差で補正する必要がある。ただし、光の位相飛び量の差
が誤差範囲に収まる程度であれば補正の必要はない。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を、添付図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の実施例にかかる段差測定
装置の構成を概略的に示す図である。図1の段差測定装
置は、空間的にコヒーレントな光として、たとえば図1
の紙面に平行な偏光方向を有する直線偏光レーザービー
ムを供給するレーザー光源1を備えている。レーザー光
源1からのレーザービームは、コリメートレンズ2を介
して平行光となり、ハーフミラー3に入射する。
【0038】ハーフミラー3で図中下方に反射されたレ
ーザービームは、2次元走査装置4で空間的に偏向され
た後、ノマルスキープリズム5に入射する。ノマルスキ
ープリズム5は、入射レーザービームの偏光方向に対し
て45°で交差する光学軸を有し、入射レーザービーム
を偏光成分によって2つの光に分割するための複屈折プ
リズムである。ノマルスキープリズム5を介して2つに
分割された光は、対物レンズ6を介して集光され、ステ
ージ7上に載置された基板のような被検物体8上に2つ
のレーザースポットを形成する。
【0039】このように、ノマルスキープリズム5の作
用によって、被検物体8上には僅かに間隔を隔てた2つ
のレーザースポットが形成される。そして、これら2つ
のレーザースポットは、2次元走査装置4の2次元偏向
作用により、物体8を2次元的に走査する。2つのレー
ザースポットに対する物体8からの2つの反射レーザー
ビームは、再び対物レンズ6を通過した後、ノマルスキ
ープリズム5を介して合成される。
【0040】ここで、ノマルスキープリズム5は、2つ
のレーザースポットに対応する光に対して往復でπの整
数倍の位相差を加えるように、光軸に対する挿入位置が
規定されている。したがって、物体8が平坦で段差のな
い表面、すなわち鏡面である場合、ノマルスキープリズ
ム5を介した2つの反射レーザービームの位相差はπの
整数倍になる。換言すれば、2つのレーザースポットに
対する物体8からの2つの反射レーザービームは、ノマ
ルスキープリズム5を介して図1の紙面に平行な偏光方
向を有する直線偏光レーザービームに合成される。
【0041】ノマルスキープリズム5を介した合成レー
ザービームは、再び2次元走査装置4を介して平行光束
となり、ハーフミラー3に入射する。なお、2次元走査
装置4を介した平行光束は、2次元走査装置4の偏光作
用を2度受けることによって、空間中に静止した状態と
なる。
【0042】ハーフミラー3を透過した合成レーザービ
ームは、ミラー9を介して1/4波長板10に入射す
る。1/4波長板10は、物体8が鏡面である場合に1
/4波長板10に入射する合成直線偏光レーザービーム
の直線偏光方向に対して方位角π/4で位置決めされて
いる。したがって、物体8が鏡面である場合、1/4波
長板10を介したレーザービームは、円偏光となって、
光軸を中心として回転可能な1/2波長板11に入射す
る。なお、1/2波長板11は駆動部21によって回転
駆動され、1/2波長板11の回転角はセンサー22に
よって検出されるようになっている。
【0043】1/2波長板11を介したレーザービーム
は、偏光ビームスプリッター12で透過光と反射光とに
分離される。このように、1/2波長板11は偏光回転
角が可変の旋光子であり、回転可能な1/2波長板11
と固定された偏光ビームスプリッター12とにより、ア
ナライザ角が可変の偏光ビームスプリッターが構成され
ている。偏光ビームスプリッター12を透過した光は、
光検出器13で検出され、光電変換される。一方、偏光
ビームスプリッター12で反射された光は、光検出器1
4で検出され、光電変換される。
【0044】光検出器13および光検出器14で光電変
換された電気信号は、差動アンプ15および加算アンプ
16に供給される。差動アンプ15では光検出器13か
らの信号と光検出器14からの信号とに基づいて差信号
Sを求め、加算アンプ16では光検出器13からの信号
と光検出器14からの信号とに基づいて和信号Wを求め
る。差動アンプ15で求められた差信号Sおよび加算ア
ンプ16で求められた和信号Wは、選択装置17に供給
される。選択装置17は、差信号Sと和信号Wとのうち
いずれか一方の信号を選択して、同期装置18に供給す
る。
【0045】同期装置18は、2次元走査装置4の作動
に応じたレーザースポットの走査位置情報と選択装置1
7からの信号SまたはWと同期させて制御装置19に供
給する。制御装置19は、選択装置17からの差信号S
が最大(または最小)になるように、駆動部21を介し
て1/2波長板11を光軸回りに回転させる。選択装置
17からの差信号Sが最大(または最小)になったとき
の1/2波長板11の所定位置からの回転角度(アナラ
イザ角の半分の値に対応)はセンサー22によって検出
され、制御装置19に供給される。
【0046】制御装置19では、すでに本発明の作用で
説明したように、差信号Sが最大(または最小)になっ
たときの1/2波長板11の回転角度(すなわちアナラ
イザ角)に基づいて、段差を算出する。算出された段差
データは表示装置20に供給される。また、制御装置1
9では、レーザースポットの走査位置情報と信号Sまた
はWとに基づいて像データを形成する。すなわち、制御
装置19は、選択装置17が差信号Sを選択した場合に
は微分干渉像データを形成し、選択装置17が和信号W
を選択した場合には明視野像データを形成する。形成さ
れた微分干渉像データまたは明視野像データは、表示装
置20に供給される。
【0047】こうして、表示装置20には、段差の測定
値とともに、選択装置17の切り換えに応じて微分干渉
像または明視野像が表示される。この場合、微分干渉像
または明視野像には、差信号Sまたは和信号Wのプロフ
ァイルが重ねて表示される。図2(a)および(b)
は、差信号Sおよび和信号Wの典型的なプロファイルを
示す図である。図2において、横軸は物体8上における
2つのレーザースポットの位置ずれの方向に沿った位置
(原点は段差位置)を示し、縦軸は各位置での信号強度
を示している。
【0048】段差の具体的な算出手順では、図2(a)
の差信号Sが最大(または最小)になったときのアナラ
イザ角に基づいて、式(13)の右辺の値(またはその逆
数)を求める。一方、図2(b)の和信号Wa の値に基
づいて式(16)から振幅反射率aを求める。また、図2
(b)の和信号Wb の値に基づいて式(16)に対応する
式から振幅反射率bを求める。振幅反射率aおよびbを
求めるのに際して、反射率が既知の物体を用いてキャリ
ブレーションを行い、式(16)の装置定数を求めること
はすでに本発明の作用で説明した通りである。
【0049】こうして、式(13)の右辺の値(またはそ
の逆数)と振幅反射率aおよびbとに基づいて位相差Ψ
を求め、求めた位相差Ψを式(17)に代入して段差Δh
を算出することができる。このように、本実施例では、
差信号Sが定性的に最大または最小となるときのアナラ
イザ角を測定することにより、すなわち差信号Sの値を
定量的に測定することなく、位相差Ψを含む量を求め
る。次いで、段差の両側の振幅反射率aおよびbと位相
差Ψを含む量とに基づいて位相差Ψを算出する。そし
て、算出した位相差Ψに基づいて、段差Δhを算出する
ことができる。したがって、本実施例では、段差の両側
で光反射率が変化していても、任意の段差を高精度に測
定することができる。
【0050】なお、上述の実施例における2次元走査装
置4として、振動ミラーや回転多面鏡や音響光学素子な
どが公知である。しかしながら、2次元走査装置4はこ
れらの公知手段に限定されるものではなく、他の適当な
偏向部材を用いることができることはいうまでもない。
また、上述の実施例では、2次元走査装置4としてレー
ザービームを空間的に偏向させる方式を用いているが、
ステージ7を2次元的に走査する方式を用いることもで
きる。
【0051】また、上述の実施例では、物体8からの反
射光が2次元走査装置4を再び通過し、レーザービーム
が空気中で静止状態になってハーフミラー3に入射する
ように構成されている。しかしながら、このような構成
は本発明において不可欠な要件ではない。反射光が2次
元走査装置4を往復しない場合、ノマルスキープリズム
5、1/4波長板10、1/2波長板11、偏光ビーム
スプリッター12および光検出器13,14が十分な開
口を有し、物体8からの反射光を通過または受光するこ
とができるように構成すればよい。
【0052】さらに、上述の実施例では、鏡面を観察し
たときに直線偏光レーザービームが1/4波長板10に
入射するように構成している。しかしながら、1/4波
長板10の直前においてレーザービームがすでに円偏光
となるように、ノマルスキープリズム5の光軸に対する
挿入位置などを規定して光学系を調整すれば、1/4波
長板10を省略することができる。
【0053】また、上述の実施例では、光軸を中心とし
て回転可能な1/2波長板12の作用によって、固定さ
れた偏光ビームスプリッターのアナライザ角を変化させ
ている。しかしながら、1/2波長板12に限定される
ことなく、偏光回転作用のある旋光子として、たとえば
磁気光学効果を用いたファラデーローテータや電気光学
効果を応用した旋光子を用いることもできる。なお、電
気光学効果を応用した旋光子では、印加電圧に応じて偏
光回転角を検知することもできる。さらに、偏光ビーム
スプリッター12と光検出器13および14とが一体的
に光軸回りに回転可能であれば、1/2波長板11のよ
うな偏光回転が可変の旋光子を省略することができるこ
とはいうまでもない。
【0054】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、差信号
Sが最大または最小となるときのアナライザ角と段差の
両側の振幅反射率とに基づいて段差による位相差を算出
し、算出した段差による位相差に基づいて段差を求め
る。したがって、本発明によれば、段差の両側で光反射
率が変化していても、任意の段差を高精度に測定するこ
とのできる段差測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる段差測定装置の構成を
概略的に示す図である。
【図2】差信号Sおよび和信号Wの典型的なプロファイ
ルを示す図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 2 コリメートレンズ 3 ハーフミラー 4 2次元走査装置 5 ノマルスキープリズム 6 対物レンズ 7 ステージ 8 被検物体 9 ミラー 10 1/4波長板 11 1/2波長板 12 偏光ビームスプリッター 13,14 光検出器 15 差動アンプ 16 加算アンプ 17 選択装置 18 同期装置 19 制御装置 20 表示装置 21 駆動部 22 センサー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間的にコヒーレントな光を供給するた
    めの光源と、該光源からの光を被検物体上に集光するた
    めの対物レンズと、該対物レンズを介して前記被検物体
    上の異なる位置に2つの光スポットを形成するために前
    記光源からの入射光をその偏光成分によって2つの光に
    分割するための複屈折プリズムと、前記2つの光スポッ
    トを前記被検物体上で走査するための走査手段と、前記
    2つの光スポットに対する前記被検物体からの反射光の
    うち特定の偏光成分を選択するための検光子と、該検光
    子を介して選択された光を検出するための光検出手段
    と、該光検出手段の出力に基づいて前記被検物体の段差
    を定量的に測定するための測定手段とを備えた段差測定
    装置において、 前記段差測定装置は、前記被検物体が鏡面であるときに
    前記検光子に達する反射光が円偏光になるように構成さ
    れ、 前記検光子は、アナライザ角が可変の偏光ビームスプリ
    ッターを有し、 前記光検出手段は、前記偏光ビームスプリッターを透過
    した光を検出するための第1光検出器と、前記偏光ビー
    ムスプリッターで反射された光を検出するための第2光
    検出器とを有し、 前記測定手段は、前記段差に対する前記第1光検出器の
    出力と前記第2光検出器の出力との差が最大または最小
    になるときの前記偏光ビームスプリッターの第1アナラ
    イザ角に基づいて前記段差を測定することを特徴とする
    段差測定装置。
  2. 【請求項2】 前記測定手段は、 前記被検物体の段差の一方の領域に対する前記第1光検
    出器の出力と前記第2光検出器の出力との和に基づい
    て、前記一方の領域における前記被検物体の第1振幅反
    射率を求め、 前記被検物体の段差の他方の領域に対する前記第1光検
    出器の出力と前記第2光検出器の出力との和に基づい
    て、前記他方の領域における前記被検物体の第2振幅反
    射率を求め、 前記第1アナライザ角と前記第1振幅反射率と前記第2
    振幅反射率とに基づいて前記段差が前記2つの光スポッ
    トに付与する位相差を算出し、算出した前記段差による
    位相差に基づいて前記段差を測定することを特徴とする
    請求項1に記載の段差測定装置。
  3. 【請求項3】 前記検光子は、光軸に対して固定された
    偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッター
    の入射側に配置され且つ偏光回転角が可変の旋光子とを
    有することを特徴とする請求項1または2に記載の段差
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記偏光回転角が可変の旋光子は、光軸
    に対して回転可能な1/2波長板であることを特徴とす
    る請求項3に記載の段差測定装置。
  5. 【請求項5】 前記検光子は、光軸を中心として回転可
    能な偏光ビームスプリッターを有し、 前記第1光検出器および前記第2光検出器は、前記偏光
    ビームスプリッターと一体的に回転するように構成され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の段差
    測定装置。
  6. 【請求項6】 前記光源は、所定の偏光方向を有する直
    線偏光を前記複屈折プリズムに供給し、 前記複屈折プリズムは、分割した2つの光に対して往復
    でπの整数倍の位相差を付与するように位置決めされ、
    前記被検物体が鏡面であるときに前記2つの光スポット
    に対する前記被検物体からの反射光を合成して直線偏光
    を生成し、 前記検光子の入射側には、前記複屈折プリズムを介して
    合成された直線偏光を円偏光に変換するための1/4波
    長板が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれか1項に記載の段差測定装置。
  7. 【請求項7】 前記被検物体が鏡面であるときに前記検
    光子に達する反射光が円偏光になるように、前記複屈折
    プリズムの光軸に対する挿入位置が規定されていること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の段
    差測定装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100611078B1 (ko) * 2000-12-16 2006-08-09 삼성전자주식회사 반도체 장치에서 단차 측정 방법 및 이를 수행하기 위한장치
JP2007178309A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Mitsutoyo Corp 非接触変位計測装置、並びにそのエッジ検出方法及びエッジ検出プログラム
JP2007534974A (ja) * 2003-07-17 2007-11-29 トッパン、フォウタマスクス、インク 計測学ツール較正方法および装置
WO2023135681A1 (ja) * 2022-01-12 2023-07-20 株式会社日立ハイテク 表面検査装置

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