JPH1029259A - 積層シートおよびその製造方法 - Google Patents
積層シートおよびその製造方法Info
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- JPH1029259A JPH1029259A JP8187663A JP18766396A JPH1029259A JP H1029259 A JPH1029259 A JP H1029259A JP 8187663 A JP8187663 A JP 8187663A JP 18766396 A JP18766396 A JP 18766396A JP H1029259 A JPH1029259 A JP H1029259A
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Abstract
は、ブロッキングを起こすことがない、積層シート及び
該積層シートの製造方法を提供すること。 【解決手段】 不織布2a/エラストマーフィルム3/不
織布2bの3層構造からなり、不織布2a,2b は少なくとも
横方向に伸長可能であり、不織布2a,2b の横方向が同一
の方向となるように積層されており、各層は多数の不連
続な接合点4により表面及び裏面の不織布2a,2b がエラ
ストマーフィルム3を介して互いに同じ接合点4で接合
されるように接合固定されてなり、接合点4の面積の合
計は積層シート全体の面積に対して30%以下であり、
100%伸長時における伸縮特性が100g/25mm
以上であり、100%伸長させて戻した際の永久歪みが
30%以下であり、不織布2a,2b の目付は一層あたり1
5g/m2 〜50g/m2 であり、エラストマーフィル
ム3の目付は10〜100g/m2 である積層シート
1。
Description
どの吸収性物品のバックシートなどとして有用な、伸縮
性に優れた積層シート、及び該積層シートの製造方法に
関する。
り、熱可塑性エラストマーからなる伸縮性シートは、使
い捨ておむつなどの吸収性物品などの種々の分野におい
て用いられているが、このような伸縮性シートは、柔軟
性に劣り、また触感が悪いなどの問題があった。
ミネートしてなる、柔軟性等に優れた伸縮性の積層シー
トが提案されている。しかし、従来提案されていた積層
シートは、溶融された熱可塑性樹脂を不織布に積層する
際に、ロールにより圧着していたため、不織布の繊維を
該熱可塑性樹脂が全体的に固めてしまい、得られる積層
シートの伸縮物性が低下するという問題があった。
て、得られたエラストマーフィルムと不織布とをポイン
トボンドさせてなる伸縮性の積層シートも提案されてい
る(例えば、特開平7−70936号公報、特開平6−
134000号公報、特表昭61−502196号公報
等)。このような積層シートは、伸縮特性は良好なもの
の、一般的にエラストマーフィルムのブロッキングが高
いため、ロールに巻き取ったエラストマーフィルムを再
び巻きだすのが困難であるという問題がある。また、こ
のブロッキングを防止するために種々のアンチブロッキ
ング剤などを添加する方法も提案されているが、このよ
うな方法を採ると、エラストマーフィルムの物性が低下
したり、コストが高くなるという問題があり、更に、使
い捨ておむつ等の吸収性物品に応用した場合には、該ア
ンチブロッキング剤が皮膚を刺激するという問題もあ
る。
れ、皮膚刺激性が少なく、更には、ブロッキングを起こ
すことがない、積層シート及び該積層シートの製造方法
を提供することにある。
を解消すべく鋭意検討した結果、伸長可能な特定の目付
の不織布と特定の厚みのエラストマーフィルムとを、特
定の合計面積を有する多数の接合点を介して一体に接合
した、特定の伸縮特性を有する積層シートが上記目的を
達成しうることを知見した。本発明は、上記知見に基づ
きなされたもので、不織布/エラストマーフィルム/不
織布の3層構造からなり、該不織布は少なくとも横方向
に伸長可能な不織布であり、表面及び裏面の不織布は、
それぞれの横方向が同一の方向となるように積層されて
おり、各層は、多数の不連続な接合点により、表面及び
裏面の不織布がエラストマーフィルムを介して互いに同
じ接合点で接合されるように接合固定されてなる積層シ
ートであって、上記接合点の面積の合計は、積層シート
全体の面積に対して30%以下であり、100%伸長時
における伸縮特性が、100g/25mm以上であり、
100%伸長させて戻した際の永久歪みが、30%以下
であり、上記不織布の目付は、一層あたり15g/m2
〜50g/m2 であり、上記エラストマーフィルムの目
付は、10〜100g/m2 であることを特徴とする積
層シートを提供するものである。
フィン系繊維を含有してなり、上記エラストマーフィル
ムは、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン
共重合体又はスチレン系エラストマーにより形成されて
いる上記積層シートを提供するものである。また、本発
明は、上記不織布は、ポリエステル系繊維又はナイロン
系繊維を含有してなり、上記エラストマーフィルムは、
ウレタン系エラストマー又はエステル系エラストマーに
より形成されている上記積層シートを提供するものであ
る。また、本発明は、多数の上記接合点は、それぞれ1
mm以上の間隔をあけて形成されている上記積層シート
を提供するものである。
い製造方法として、熱可塑性エラストマーを溶融状態で
フィルム状に成形し、得られたフィルム状物を溶融状態
のまま横方向に伸長可能な2枚の不織布間に挟み込んで
積層体とし、該積層体を横方向に不連続なパターンで多
数の凸状部が配されてなるエンボスロールによりエンボ
ス処理して、各層を接合して一体化させる積層工程を具
備する上記積層シートの製造方法(以下、「第1の方
法」という場合にはこの方法を指す)を提供するもので
ある。また、本発明は、上記積層シートの好ましい製造
方法として、熱可塑性エラストマーを溶融状態でフィル
ム状に成形し、得られたフィルム状物を冷却した後、横
方向に伸長可能な2枚の不織布間に挟み込んで積層体と
し、該積層体を横方向に不連続なパターンで多数の凸状
部が配されてなる加熱エンボスロールにより熱エンボス
処理して、各層を接合して一体化させる積層工程を具備
する上記積層シートの製造方法(以下、「第2の方法」
という場合にはこの方法を指す)を提供するものであ
る。
て更に詳細に説明する。本発明の積層シートは、特定の
目付を有する不織布と、特定の目付を有するエラストマ
ーフィルムとを、特定の面積を有する接合点を介して一
体に接合してなり、更に特定の伸縮特性及び永久歪みを
有することを特徴とする。
する上記の特定の目付は、一層あたり15g/m2 〜5
0g/m2 であり、好ましくは、20〜30g/m2 で
ある。上記目付が15g/m2 未満であると、不織布の
風合いが悪くなり、また積層シートの伸び止まり感が低
下する。また、50g/m2 を超えると、横方向への伸
長力が高くなり過ぎる他、コストも高くなる。尚、上記
「伸び止まり感」とは、積層シートを伸長させた際に不
織布が伸長しきった状態で伸張応力が高くなり手ごたえ
が変化する長さを有することをいう。
0%以上の破断伸長を有し、且つ50%伸長時の応力が
150g/25mm以下であることをいう。尚、該応力
は、後述する伸縮特性と同様の条件で、50%伸長させ
た時の応力である。このような特性は、上記不織布とし
てスパンレース不織布、スパンボンド不織布又はヒート
ロール不織布を用いることによって実現される。また、
本発明においては、100%伸長回復率が40%以上で
あること、即ち永久歪みが60%以下であるのがより好
ましい。このような特性は、上記不織布としてスパンボ
ンド不織布又はヒートロール不織布を用いることによっ
て実現される。
つ少なくとも横方向に伸長可能な不織布であれば特に制
限されないが、下記するものなどが好ましく用いられ
る。尚、ここで「横方向」とは、製造過程における積層
シート(不織布及びエラストマーフィルム)の流れ方向
に対する垂直方向を意味する。本発明において用いられ
る不織布としては、接合点あるいは融着点を有さない不
織布であるために伸長性を発現できるスパンレース不織
布、融着点は有するが各融着点間を捲縮させる等して伸
長あるいは構造変形が可能になされたスパンボンド不織
布やヒートロール不織布等が挙げられる。
繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィンからなるポリオレフィン系繊維;ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステルからなるポリエステル系繊維;6ナイロン、
6,6ナイロン、12ナイロン等のナイロン系樹脂から
なるナイロン系繊維;レーヨン、コットン、絹等の繊維
等が用いられ、これらは単独で若しくは2種以上併用し
て用いることができる。また、これらの繊維の繊度は、
1.0〜10デニール(d)とするのが好ましい。ま
た、上記スパンボンド不織布を構成する繊維としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンから
なるポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルから
なるポリエステル系繊維;6ナイロン、6,6ナイロ
ン、12ナイロン等のナイロン系樹脂からなるナイロン
系繊維、あるいは上記樹脂から成る芯鞘構造の繊維、サ
イドバイサイド構造の繊維等の複合繊維等が用いられ、
これらは単独で若しくは2種以上併用して用いることが
できる。また、これらの繊維の繊度は、1.0〜10d
とするのが好ましい。また、上記ヒートロール不織布を
構成する繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィンからなるポリオレフィン系繊維;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステルからなるポリエステル系繊維;6ナ
イロン、6,6ナイロン、12ナイロン等のナイロン系
樹脂からなるナイロン系繊維、あるいは上記樹脂から成
る芯鞘、サイドバイサイドの繊維等が用いられ、これら
は単独で若しくは2種以上併用して用いることができ
る。また、これらの繊維の繊度は、1.0〜10dとす
るのが好ましい。また、併用する場合の各繊維の配合割
合は任意である。
記不織布としては、上記ポリオレフィン系繊維を含む不
織布、上記ポリエステル系繊維を含む不織布、上記ナイ
ロン系繊維を含む不織布、及びレーヨン、コットン、絹
の繊維等からなる不織布等が挙げられる。
ーフィルムが有する上記の特定の目付は、10〜100
g/m2 であり、好ましくは、15〜60g/m2 であ
る。上記目付が10g/m2 未満であると、発現する伸
縮物性が低くなり、100g/m2 を超えると、伸長さ
せるために要する力が高くなりすぎる他、コスト高とな
る。
の目付を有するエラストマーフィルムであり、弾性伸縮
性を有するものであれば特に制限されないが、下記する
熱可塑性エラストマーにより形成されてなるフィルムな
どが好ましく用いられる。公知のメタロセン触媒を用い
て、公知の重合方法に準じて重合されたポリエチレン
(該ポリエチレンは、密度0.90以下であるのが好ま
しく、コモノマーがブテン、ヘキセン、オクテン等の炭
素数3以上のα−オレフィンでその含有率が10mol
%以上、更には、20〜60mol%以上であるのが好
ましい);スチレンーイソプレンースチレン(SI
S)、スチレンーブタジエンースチレン(SBS)、ス
チレンーエチレンーブタジエンースチレン(SEB
S)、スチレンーエチレンープロピレンースチレン(S
EPS)等のスチレン系エラストマー;ハードセグメン
トにウレタン結合を有し、ソフトセグメントにポリエー
テル、ポリエステル、カプロラクトン、ポリカーボネー
ト等を有するウレタン系エラストマー;ハードセグメン
トにエステル結合を有し、ソフトセグメントにポリエス
テル、ポリエーテル等を有するエステル系エラストマ
ー。上記エラストマーフィルムの永久歪み(該エラスト
マーフィルムを100%伸長させて戻した際の永久歪
み)は、30%以下であるのが好ましい。
フィルムに滑剤やアンチプロッキング剤を添加する必要
はないが、エラストマーの成形加工性を向上させるため
に滑剤を添加してもよい。この際の添加量は、従来の積
層シートにおいて用いられていた添加量よりも少なくて
よい。具体的には、エラストマーフィルム全体に対して
750ppm以下とするのが好ましい。上記滑剤として
は、「プラスチックの滑性と滑剤」(日刊工業新聞社、
昭和52年6月30日発行)に記載の滑剤等が挙げら
る。
ストマーフィルムとの組合せとして、下記の組合せ又
はが好ましい。 上記不織布として、ポリオレフィン系繊維を含有する
不織布を用い、上記エラストマーフィルムとして、上記
のメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン又は
上記スチレン系エラストマーを用いる組合せ。 上記不織布として、ポリエステル系繊維又はナイロン
系繊維を含有する不織布を用い、上記エラストマーフィ
ルムとして、上記スチレン系エラストマー、上記ウレタ
ン系エラストマー又は上記エステル系エラストマーを用
いる組合せ。
述のようにポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊
維、ナイロン系繊維等を含有するものであれば良いが、
特に積層シートにおける復元特性(引っ張った後に外力
を開放した際に初期の状態に戻る戻り方の特性)を良く
するためには、不織布自体が戻りの応力を発現できるタ
イプのもの(即ち、伸縮力を有する不織布)が好ましく
用いられる。このため、一部のスパンボンド不織布やヒ
ートロール不織布にみられるように、捲縮あるいは構造
変形可能な加工を施した不織布は、伸長された後ももと
の形になる力を発現できるため、本発明において好まし
く用いることができる。尚、上記不織布(の構成繊維)
と上記エラストマーフィルムとの組み合わせのうち好ま
しいものを明記するのは、上記の組合せが該エラストマ
ーフィルムを該不織布に熱接着させるために特に好まし
いからである。
エラストマーフィルム/不織布の3層構造からなり、該
不織布は少なくとも横方向に伸長可能な上記不織布であ
り、表面及び裏面の不織布は、それぞれの横方向が同一
の方向となるように積層されており、各層は、多数の不
連続な接合点により、表面及び裏面の不織布がエラスト
マーフィルムを介して互いに同じ接合点で接合されるよ
うに接合固定されてなる。
トの構造について説明する。ここで、図1は本発明の積
層シートの1形態を拡大して示す拡大斜視図である。図
1に示す形態の本発明の積層シート1は、表面の不織布
層2a及び裏面の不織布2b、並びに両不織布の間に介
在するエラストマーフィルム3が、多数の不連続な点状
の接合点4で、一体に接合されてなる、不織布2a/エ
ラストマーフィルム3/不織布2bの3層構造からな
る。また、各層2a,3,2bは、それぞれ、各上記接
合点4により、表面及び裏面の不織布2a,2bがエラ
ストマーフィルム3を介して同じ接合点で接合されてい
る。即ち、各接合点4において、各層2a,3,2bは
一体になされている。そして、表面及び裏面の上記不織
布層2a,2bは、それぞれの横方向(図1に示す矢印
方向D1,D2)が同一方向(矢印方向D3)となるよ
うに積層されている。即ち、各不織布の伸長可能な方向
が同一方向であり積層シート1が少なくと横方向(矢印
方向D3)には伸縮可能となるようになされている。
面積)は、積層シート1全体の面積に対して30%以下
であり、好ましくは1〜20%である。上記接合点4の
面積の合計が30%を超えると、接合面積が大きくなり
すぎるため積層シートが固定化されて、伸縮物性が低下
する。
それぞれ1mm以上、更に好ましくは1〜10mmの間
隔をあけて配されているのが望ましい。上記接合点4の
間隔が、1mm未満であると、接合面積が大きくなりす
ぎて、伸縮物性が低下するので好ましくない。ここで、
上記「間隔」とは、図1のdに示されるように、各接合
点4間の最も距離の短い位置における間隔である。
すような点状(ドット状)である場合には、0.1〜
2.0mm2 であるのが好ましい。上記接合点4の大き
さが、0.1mm2 未満であると、接合力が低く、伸縮
によって積層シートの各層の剥離を生じやすく、2.0
mm2 を超えると、不織布の伸長可能な領域を固定化さ
せることになるので、積層シートの伸縮性を防げるた
め、好ましくない。
形態には制限されず、例えば、図2に示す積層シート1
Aのように、長方形状の接合点4Aが、積層シート1A
の縦方向(製造時におけるシートの流れ方向)に沿って
配されてなる形状とすることができる。また、図3に示
す積層シート1Bのように、長方形状の接合点4Bが、
積層シート1Bの縦方向(製造時におけるシートの流れ
方向)に対して斜めの方向に向けて(左下方に傾けて)
配してなる列B1 と右下方に傾けて配してなる列B2 と
を交互に配してなる形状とすることもできる。また、こ
のように接合点の形状が長方形状である場合には、該接
合点の大きさは、1.0〜3.0mm2 であるのが好ま
しい。
には伸縮可能なシートである。即ち、少なくとも上記不
織布の伸長可能な方向には伸縮可能となされたシートで
ある。そして、本発明の積層シートにおける上記の特定
の伸縮特性は、積層シートの横方向に100%伸長時に
おける伸縮特性が、100g/25mm以上であり、好
ましくは300〜1500g/25mmである。上記伸
縮特性が100g/25mm未満であると、おむつの伸
縮基材として用いるためには、フィット性を得られにく
い。ここで、上記伸縮特性は、下記の如くして測定でき
るものである。 伸縮特性の測定法;上記積層シートにより幅25mmの
試料を作成し、該試料を積算装置付伸長試験機にチャッ
ク間距離が100mmとなるように固定する。次いで、
固定された試料を300mm/minの速度で100%
延伸し、この際の応力を測定し、これを伸縮特性値とし
た。
永久歪みは、積層シートの横方向に100%伸長させて
戻した際の永久歪みが、30%以下であり、好ましくは
20〜0%である。上記永久歪みが30%を超えると、
おむつの伸縮基材として用いるためには、フィット性を
得られにくい。ここで、上記永久歪みは、下記の如くし
て測定できるものである。 永久歪みの測定法;上記積層シートにより幅25mmの
試料を作成し、該試料を積算装置付伸長試験機にチャッ
ク間距離が100mmとなるように無張力で固定し、次
いで、各試料を300mm/minの速度で100%延
伸する。次いで、300mm/minの速度で初期のチ
ャック間距離まで戻した際(即ち、無張力状態とした
際)の試料の長さを測定し、このときの初期長さよりも
伸びて長くなった部分の長さの初期長さの初期のチャッ
ク間距離に対に対する割合(%)を求め、これを永久歪
みとした。
〜120μmとするのが好ましく、50〜90μmとす
るのが更に好ましい。また、上記積層シートの目付は、
60〜120g/m2 とするのが好ましい。
れているので、伸縮特性に優れ、しかも、ブロッキング
を起こさないものである。従って、本発明の積層シート
は、トップシートとバックシートと両シート間に介在さ
れた吸収体とを具備する使い捨ておむつ等の吸収性物品
のバックシート、ファスニング基材、サイドパネル、ウ
エストベルト等として、また、ナプキンのサイドギャザ
ーやウィング材、及び包帯等として有用である。
造方法としての上記の第1の方法について説明する。本
発明の積層シートは、熱可塑性エラストマーを溶融状態
でフィルム状に成形し、得られたフィルム状物を溶融状
態のまま横方向に伸長可能な2枚の不織布間に挟み込ん
で積層体とし、該積層体を横方向に不連続なパターンで
多数の凸状部が配されてなるエンボスロールによりエン
ボス処理して、各層を接合して一体化させる積層工程を
行うこと(第1の方法)により製造することができる。
ム状物、上記不織布、上記積層体及び得られる積層シー
トの流れ方向に対して垂直の方向である。上記熱可塑性
エラストマーとしては、上記のエラストマーフィルムの
形成材料として具体的に例示した熱可塑性エラストマー
が用いられる。尚、上記熱可塑性エラストマーは、上記
ブロッキング防止剤又は上記滑剤を実質的に含有しない
のが好ましい。換言すると、本発明においては、このよ
うなブロッキング防止剤及び滑剤を用いなくてもエラス
トマーフィルムがブロッキングすることがない。ここ
で、上記エラストマーフィルムをフィルム単体として取
り扱うためには、かなり多量の滑剤やブロッキング防止
剤としてのフィラーを添加しなければならないが、該フ
ィラーを多量に添加することはエラストマーフィルム自
体の伸縮物性を阻害することになるし、また、滑剤の添
加はホットメルトの接着性を低下させたりする。さら
に、おむつ、ナプキン等の肌に近いところで使用するも
のの部材として用いるには、皮膚刺激性の問題が生じ
る。従って、本発明において、上記「実質的に含有しな
い」とは、エラストマーフィルムの生産性を向上させる
ために、ブロッキングを防止する目的で用いる時の使用
量とは比べものにならないほどの少量のブロッキング防
止剤又は滑剤を用いることは許容する趣旨、換言する
と、ブロッキング防止効果は発現し得ない程度の少量で
用いることは許容する意味である。尚、後述の図5に示
す製造方法(第2の方法)においても、エラストマーフ
ィルムをロール状に巻とらなくてすむため、チルロール
あるいはバックアップロールに巻きとられないレベルの
量で滑剤を用いれば良い。また、チルロール及びバック
アップロールに剥離処理を施せば滑剤の量をさらに低減
できる。上記不織布は、具体的に例示した上記目付を有
する上記不織布である。
状態でフィルム状に成形する」とは、該熱可塑性エラス
トマーをその融点以上の温度でフィルム状に成形するこ
とを意味する。また、上記「フィルム状物を溶融状態の
まま」とは、該フィルム状物を構成する該熱可塑性エラ
ストマーをその凝固点以上の温度を維持したまま後の工
程に供することを意味する。即ち、溶融状態の熱可塑性
エラストマーは、熱源(Tダイ)からはなれて押し出さ
れた後、自然(環境温度に対して)的に冷却されていく
ので、この冷却過程の熱可塑性エラストマーを不織布に
挟み込む工程を有することを意味する。
のパターンで上記凸状部が配されてなるロールであれ
ば、その形成材料などは特に制限されないが、金属(例
えば、スチール)ロール面に種々のパターンを彫刻等に
より凹凸をつけたロールを用いることができる。また、
上記凸状部の形状は特に制限されず、所望の上記接合部
の形状に即した形状、即ち、点状(ドット状)、長方形
状等とすることができる。また、多数の上記凸状部は、
それぞれ1mm以上の間隔をあけて配されているのが好
ましく、1〜10mmの間隔をあけて配されているのが
更に好ましい。また、該凸状部の高さは、0.2mm以
上であるのが好ましく、0.3〜1.5mmであるのが
更に好ましい。
チルロールに該当するロールにエンボス処理を処してあ
れば(即ち、該チルロールをエンボスロールとして用い
れば)その条件は特に制限されず、溶融したエラストマ
ーを冷却できれば良い。従って、エンボス処理は、その
温度を0〜50℃とし、圧力を0.1〜20kg/cm
2 とするのが好ましい。また、この際のバックアップロ
ール(押し付けロール)は、チルロールに形成されたパ
ターンにめり込むほど柔らかいものは避けるべきであ
る。該バックアップロールの材質は、金属、樹脂、及び
シリコーンの何れでも用いられるが、チルロールに形成
されたパターンにめり込むほど柔かくない範囲で硬度を
選定する必要がある。
らかい材料を用いた場合、例えばショアーD硬度で20
くらいのラバーロールを用いた場合、チルロールに押し
つける際の圧力を低くすべきであろうし、逆にショアー
D硬度で80くらいのエポキシ樹脂ロールを用いた場
合、ある程度押しつけ圧を上げることが可能である。加
えて、この押しつけ圧とバックアップロールへのパター
ンのめり込みとは、製造される積層シートの伸縮性に大
きな影響を与えるものである。即ち、柔軟なバックアッ
プロールを用いることにより、めり込みが少ないように
すると押しつけ圧を低くする必要があるため、積層シー
トの接合力が低下する。逆に接合力を上げるために押し
つけ圧を上げると、不織布への熱可塑性エラストマー樹
脂のしみ込みが多くなり良好な伸縮物性が得られにく
い。このため、積層シートの接合力と伸縮物性とを同時
に向上させるには、ある程度の硬度を有したバックアッ
プロールを用いる方が製造が容易になり、ショアーD硬
度で40以上のバックアップロールを用いると、比較的
安定した製造が可能である。また、本発明の積層シート
はエンボスの面積率が比較的低いため、特にバックアッ
プロールとエンボスの面積率及び深さとを適宜選定する
必要がある。また、エンボスロールは金属で作られてい
るためバックアップロールは摩耗しないような材料を用
いることが良い。
(第1の方法)の1形態について詳述する。ここで、図
4は本発明の製造方法の要部を示す概略図である。図4
に示すように、本発明の積層シートの製造方法は、Tダ
イ11から熱可塑性エラストマーを溶融状態(該熱可塑
性エラストマーの軟化点以上の温度)でフィルム状に押
出成形して連続したフィルム状物3’を得る。得られた
フィルム状物3’を、溶融状態のまま連続した不織布
2,2間に挟み込んで積層体1’を製造する。この際、
各不織布2,2間に挟み込むと同時にエンボスロール1
2によりエンボス処理を行う。該エンボスロール12に
は、その表面に、多数のドット状の凸状部12aが形成
されている。また、エンボス処理は、上記積層体1’を
該エンボスロールとバックアップロール13,14とで
加圧・狭持することにより行う。該バックアップロール
13,14としては、金属、樹脂、シリコーン等からな
るロールを用いることができる。そして、エンボス処理
されて、各層が接合されて一体化されてなる積層シート
1は、引き取りロール15により引き取られ、巻き取り
ロール16に巻き取られる。
以外の工程は、通常の積層シートの製造方法と同様に行
うことができる。
造方法としての上記の第2の方法について説明する。
尚、用語の説明等、特に詳述しない点については、上記
の第1の方法でした説明が適宜適用される。
マーを溶融状態でフィルム状に成形し、得られたフィル
ム状物を冷却した後、横方向に伸長可能な2枚の不織布
間に挟み込んで積層体とし、該積層体を横方向に不連続
なパターンで多数の凸状部が配されてなる加熱エンボス
ロールにより熱エンボス処理して、各層を接合して一体
化させる積層工程を行うこと(第2の方法)により製造
することができる。
ムの成形法と同様に、チルロールを用いて行う。この際
のチルロールの温度は、0〜50℃とするのが好まし
い。また、上記熱エンボス処理の条件は、加熱エンボス
ロールの温度を好ましくは50〜200℃、更に好まし
くは50〜150℃とし、加圧圧力を1〜20kg/c
m2 とするのが望ましい。
(第2の方法)の1形態について詳述する。ここで、図
5は本発明の製造方法の要部を示す概略図である。
製造方法は、Tダイ11から熱可塑性エラストマーを溶
融状態(該熱可塑性エラストマーの軟化点以上の温度)
でフィルム状に押出成形して連続したフィルム状物3’
を得る。得られたフィルム状物3’を、チルロール2
0、押さえロール13’,14’間に通して冷却する。
冷却されたフィルム状物3”を連続した不織布2,2間
に挟み込んで積層体1’を製造する。
ール12’にかけて熱エンボス処理を行う。該加熱エン
ボスロール12’には、その表面に、多数のドット状の
凸状部12aが形成されている。また、熱エンボス処理
は、上記積層体1’を該加熱エンボスロール12’とバ
ックアップロール13とで加圧・狭持することにより行
う。該バックアップロール13としては、金属、樹脂、
シリコーン等からなるロールを用いることができる。そ
して、熱エンボス処理されて、各層が接合されて一体化
されてなる積層シート1は、引き取りロール15により
引き取られ、巻き取りロール16に巻き取られる。
に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。
マーフィルムと不織布とを用い、図4に示す製造装置に
より、本発明の積層シートを作製した。尚、この際のエ
ンボス処理条件及びTダイ押出し温度も〔表1〕に示
す。得られた積層シートは、〔表1〕に示すエンボスロ
ールのパターンと同じ大きさ及び配置で接合点が形成さ
れてなるものであった。得られた積層シートの目付、接
合点の面積、伸縮特性、永久歪みを〔表2〕に示す。各
実施例で得られた積層シートは、それぞれ、伸縮物性に
優れ、ブロッキングを起こさない生産性に優れたもので
あった。また、得られた積層シートを用いて皮膚刺激性
のモニター試験を行ったところ、著しく皮膚刺激性の低
いものであった。
れ、皮膚刺激性が少なく、更には、ブロッキングを起こ
すことがないものである。また、本発明の積層シートの
製造方法によれば、該積層シートを容易に且つアンチブ
ロッキング剤等を用いずに製造できる。
て示す拡大斜視図である。
して示す拡大斜視図である。
して示す拡大斜視図である。
である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 不織布/エラストマーフィルム/不織布
の3層構造からなり、該不織布は少なくとも横方向に伸
長可能な不織布であり、表面及び裏面の不織布は、それ
ぞれの横方向が同一の方向となるように積層されてお
り、各層は、多数の不連続な接合点により、表面及び裏
面の不織布がエラストマーフィルムを介して互いに同じ
接合点で接合されるように接合固定されてなる積層シー
トであって、 上記接合点の面積の合計は、積層シート全体の面積に対
して30%以下であり、 100%伸長時における伸縮特性が、100g/25m
m以上であり、 100%伸長させて戻した際の永久歪みが、30%以下
であり、 上記不織布の目付は、一層あたり15g/m2 〜50g
/m2 であり、 上記エラストマーフィルムの目付は、10〜100g/
m2 であることを特徴とする積層シート。 - 【請求項2】 上記不織布は、ポリオレフィン系繊維を
含有してなり、上記エラストマーフィルムは、メタロセ
ン触媒を用いて重合されたポリエチレン共重合体又はス
チレン系エラストマーにより形成されていることを特徴
とする請求項1記載の積層シート。 - 【請求項3】 上記不織布は、ポリエステル系繊維又は
ナイロン系繊維を含有してなり、上記エラストマーフィ
ルムは、ウレタン系エラストマー又はエステル系エラス
トマーにより形成されていることを特徴とする請求項1
記載の積層シート。 - 【請求項4】 多数の上記接合点は、それぞれ1mm以
上の間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求
項1〜3記載の積層シート。 - 【請求項5】 請求項1記載の積層シートの製造方法で
あって、熱可塑性エラストマーを溶融状態でフィルム状
に成形し、得られたフィルム状物を溶融状態のまま横方
向に伸長可能な2枚の不織布間に挟み込んで積層体と
し、該積層体を横方向に不連続なパターンで多数の凸状
部が配されてなるエンボスロールによりエンボス処理し
て、各層を接合して一体化させる積層工程を具備するこ
とを特徴とする積層シートの製造方法。 - 【請求項6】 多数の上記凸状部は、それぞれ1mm以
上の間隔をあけて配されており、該凸状部の高さは、
0.2mm以上であることを特徴とする請求項5記載の
積層シートの製造方法。 - 【請求項7】 上記熱可塑性エラストマーは、ブロッキ
ング防止剤又は滑剤を実質的に含有しないことを特徴と
する請求項5又は6記載の積層シートの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1記載の積層シートの製造方法で
あって、熱可塑性エラストマーを溶融状態でフィルム状
に成形し、得られたフィルム状物を冷却した後、横方向
に伸長可能な2枚の不織布間に挟み込んで積層体とし、
該積層体を横方向に不連続なパターンで多数の凸状部が
配されてなる加熱エンボスロールにより熱エンボス処理
して、各層を接合して一体化させる積層工程を具備する
ことを特徴とする積層シートの製造方法。
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