JPH10291960A - 不飽和グリコールジエステルの製造方法及び不飽和グリコールジエステル製造用触媒の製造方法 - Google Patents

不飽和グリコールジエステルの製造方法及び不飽和グリコールジエステル製造用触媒の製造方法

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JPH10291960A
JPH10291960A JP9103340A JP10334097A JPH10291960A JP H10291960 A JPH10291960 A JP H10291960A JP 9103340 A JP9103340 A JP 9103340A JP 10334097 A JP10334097 A JP 10334097A JP H10291960 A JPH10291960 A JP H10291960A
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catalyst
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rhodium
compound
tellurium
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JP9103340A
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Yoshinori Hara
善則 原
Haruhiko Kusaka
晴彦 日下
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共役ジエンをカルボン酸及び分子状酸素と反
応させて不飽和グリコールジエステルを製造するに当た
り、高活性かつ高選択率でしかも安定した触媒により不
飽和グリコールジエステルを工業的に有利に製造する。 【解決手段】 固体触媒としてロジウム化合物及びテル
ル化合物を無機多孔質担体に担持した後、還元処理して
得られる触媒を用いる。この還元処理に当り、不活性ガ
スの存在下70℃以上に加熱した状態で還元性ガスを導
入する。 【効果】 触媒の調製に当り、予め、不活性ガス中で加
熱し、加熱した状態で還元性ガスを導入して還元処理を
行うことにより、高活性で安定性に優れた触媒を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和グリコール
ジエステルの製造方法及び不飽和グリコールジエステル
製造用触媒の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、
特定の方法で調製されたロジウム−テルル系触媒を用い
て不飽和グリコールジエステルを製造する方法及び該ロ
ジウム−テルル系触媒を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和グリコールジエステル、例えばブ
テンジオールジエステルはエンジニアリングプラスチッ
クス、エラストマー、弾性繊維、合成皮革等の原料であ
る1,4−ブタンジオールを製造するための重要な中間
化合物である。また、ブテンジオールジエステルは、高
性能溶剤や弾性繊維の原料であると共に、沸点が低く優
れた溶解性を有する溶媒としても有用なテトラヒドロフ
ランを製造するための重要な中間体でもある。
【0003】従来、このブテンジオールジエステルを製
造する方法としては数多くの提案がなされており、中で
も、パラジウムにテルル、セレン、硫黄等から選ばれる
第二成分を共存させた固体触媒を使用し、ブタジエンを
酢酸及び分子状酸素と反応させてブテンジオールジアセ
テートを製造する方法が良く知られている。
【0004】一方、ロジウムを主活性成分とする触媒系
も提案されており、例えば、特開昭52−139004
号公報には、活性成分としてロジウムとテルル及び/又
はセレンを用いることが、特開昭53−37609号公
報には、活性成分としてロジウム又はロジウムとテルル
及び/又はセレンを用いることが、また、特開昭53−
44502号公報には、これに更にモリブデンを添加し
た触媒を用いることがそれぞれ開示されている。また、
特開昭53−2414号公報には、ロジウム、パラジウ
ム、白金のうちの少なくとも一種の金属と硫黄を組合せ
て用いることが、特開昭51−108010号公報に
は、パラジウム、ロジウム、白金のうちの少なくとも一
種とテルル及び/又は硫黄を組合せて用いることが、更
に特開昭52−91817号公報には、特定割合のロジ
ウム、白金、パラジウム、テルルを活性成分として用い
ることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の方
法には、パラジウムを活性成分とする触媒を用いる方
法、或いは、ロジウムを活性成分とする触媒を用いる方
法とがあるが、パラジウムを活性成分とする触媒では、
活性、並びに1,4−ジアセトキシ−2−ブテンへの選
択性が低く、目的物の製造効率の面で問題があった。
【0006】一方、ロジウムを活性成分として含む触媒
では、反応活性が高い反面、特開昭53−44502号
公報でも指摘されているように、その安定性が問題とな
っていた。特に、ロジウムを活性成分とする触媒を用い
る場合には、ロジウムがとりわけ高価な金属であること
から、より一層良好な反応成績、及び安定性が要求され
るが、従来法では満足できる結果が得られなかった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、共役
ジエンをカルボン酸及び分子状酸素と反応させて対応す
る不飽和グリコールジエステルを高い選択率で製造する
ことができる高活性でしかも安定した触媒を提供し、こ
の触媒の使用により不飽和グリコールジエステルを工業
的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の不飽和グリコー
ルジエステルの製造方法は、ロジウム及びテルルを活性
成分として含む固体触媒の存在下に、共役ジエンをカル
ボン酸及び分子状酸素と反応させて対応する不飽和グリ
コールのカルボン酸ジエステルを製造する方法におい
て、該固体触媒としてロジウム化合物及びテルル化合物
を無機多孔質担体に担持した後、還元性ガス雰囲気中で
還元処理して得られる触媒を用いる方法であって、該還
元処理に当り、不活性ガスの存在下70℃以上に加熱
し、この加熱状態で還元性ガスを導入することを特徴と
する。
【0009】本発明の不飽和グリコールジエステル製造
用触媒の製造方法は、共役ジエンをカルボン酸及び分子
状酸素と反応させて対応する不飽和グリコールのカルボ
ン酸ジエステルを製造する際に使用される、ロジウム及
びテルルを活性成分として含む固体触媒を製造する方法
において、ロジウム化合物及びテルル化合物を無機多孔
質担体に担持した後、還元性ガス雰囲気中で還元処理す
る不飽和グリコールジエステル製造用触媒の製造方法で
あって、該還元処理に当り、不活性ガスの存在下70℃
以上に加熱し、この加熱状態で還元性ガスを導入するこ
とを特徴とする。
【0010】本発明者等は、上記従来技術の問題点を解
決し、工業的に使用可能なより安定性の高い触媒を開発
し、この触媒を用いて不飽和グリコールジエステルを製
造する方法を確立すべく鋭意検討を重ねた結果、固体触
媒としてロジウム化合物及びテルル化合物を無機多孔質
担体に担持した後、乾燥し、必要に応じて焼成後、還元
処理する際に、不活性ガスの存在下に少なくとも70℃
に加熱した状態で還元性ガスを導入して還元して得られ
る触媒は、高活性で、その安定性は従来のものに比べて
大幅に向上することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】このような還元手法を採用すると、触媒の
安定性が向上する理由の詳細は明らかにはなっていない
が、例えば、ロジウムとテルルの合金化がより促進され
ることなどにより、触媒の理想的な形態が実現されるた
めではないかと推定される。
【0012】本発明において、還元性ガスを導入すると
きの温度は100〜600℃であることが好ましい。ま
た、還元性ガスは水素であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0014】まず、本発明のロジウム−テルル系触媒の
調製方法について説明する。
【0015】本発明に用いられる触媒はロジウム化合物
及びテルル化合物を無機多孔質担体に担持した後、乾燥
し、必要に応じて焼成し、次いで還元性ガスにより還元
することにより調製される。
【0016】活性成分の担持方法については特に限定は
されず、ロジウム化合物及びテルル化合物を溶解可能な
溶媒を用いて溶液化した後に無機多孔質担体に担持する
方法、又は、これらの化合物を気化させて直接蒸着させ
る方法など、任意の方法を採用することができる。ロジ
ウム化合物及びテルル化合物を溶液として担持する場
合、具体的な担持方法としては、含浸法、浸漬法、沈殿
法、ポアフィリング法等が用いられる。なお、以下にお
いては、浸漬法により担持する方法を例示して説明する
が、本発明は何らこの方法に限定されるものではない。
【0017】ロジウム化合物及びテルル化合物を担持さ
せる無機多孔質担体としては、本質的に本反応条件下に
おいて変化することのない無機多孔体、例えば、活性
炭、グラファイト等の炭素担体、シリカ、アルミナ、チ
タニア、ジルコニア等の酸化物担体、及びそれらの混合
酸化物等が使用される。無機多孔質担体としては、特に
活性、選択性を高め、強度的にも優れ、工業触媒とした
ときに有利であることから、シリカが好適に用いられ
る。
【0018】このような無機多孔質担体に担持されるロ
ジウム化合物及びテルル化合物としては、当該金属の硝
酸、硫酸、塩酸等の無機酸塩、酢酸等の有機酸塩、水酸
化物、酸化物、又は、錯塩、更には、カルボニル錯体
や、アセチルアセトナート塩に代表されるような有機金
属化合物が挙げられる。具体的には、ロジウム化合物と
しては、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、
酢酸ロジウム、水酸化ロジウム、酸化ロジウム、ヘキサ
クロロロジウムナトリウム、ヘキサクロロロジウムアン
モニウム、クロロペンタアンミンロジウム、クロロヘキ
サアンミンロジウム、ヘキサシアノロジウムカリウム、
トリクロロトリピリジンロジウム、クロロシクロオクタ
ジエニルロジウム、テトラロジウムドデカカルボニル、
ジカルボニルアセチルアセトナートロジウム等が用いら
れる。また、テルル化合物としては、塩化テルル(I
I),(IV)、酸化テルル(IV),(VI)、テルル酸
(H6 TeO6 )、ソジウムハイドロジエンテルライド
(NaHTe)、ジフェニルジテルライド(PhTe)
2 等が用いられる。また、金属テルルを酸に溶解したも
のを用いることもできる。
【0019】これらのロジウム化合物及びテルル化合物
を溶解する際に使用される溶媒には制限はなく、基本的
にこれらの金属化合物が溶解する溶媒であればよい。金
属化合物が有機金属化合物の場合、溶解できる溶媒は、
有機溶媒であることが多いが、水系溶媒に溶解可能な化
合物を使用する場合には、安全上、経済上の観点から有
機系溶媒より水系溶媒(酸や、アルカリを含有していて
も差支えない)を用いるのが好ましい。
【0020】ロジウム化合物及びテルル化合物を浸漬法
により無機多孔質担体に担持する方法は、ロジウム化合
物及びテルル化合物の両者を溶解した溶液に無機多孔質
担体を浸漬した後乾燥する共担持法でもよく、また、無
機多孔質担体をロジウム化合物(又はテルル化合物)の
溶液に浸漬した後、一旦乾燥し、次いでテルル化合物
(又はロジウム化合物)の溶液に浸漬して乾燥する方法
でもよい。
【0021】また、ロジウム化合物及びテルル化合物は
必要な担持量を一度に担持してもよく、数回に分けて担
持してもよい。但し、複数回に分けて担持する場合に
は、その都度乾燥を行い、必要に応じて焼成、還元を行
う。
【0022】ロジウム化合物及び/又はテルル化合物を
溶解した溶液に無機多孔質担体を浸漬した後は、これを
引き上げて乾燥することにより溶媒を触媒系から除去す
る。この乾燥方法としては、乾燥ガスを用いて固定床流
通下に加熱して行う方法、又は、減圧下に行う方法、或
は、100℃以上に加熱した水蒸気の気流下に行う方法
などが採用される。このうち、乾燥ガスを用いて、固定
床流通下に加熱して乾燥を行う場合に使用される乾燥ガ
スとしては、窒素、酸素、アルゴン、水素、又はこれら
のガスの混合ガスなどが挙げられる。混合ガスを用いる
場合、工業的に安全な範囲であればその組成比は任意で
ある。ガス流量は、通常、触媒に対する空間速度(S
V)で20hr-1以上、特に1000〜8000hr-1
の範囲とするのが好ましい。このSV値が低すぎると乾
燥時間が長くなり、また、高すぎるとガス使用量が多く
なるので不経済である。乾燥温度は、通常、40〜15
0℃の範囲で選択されるが、より好ましくは60〜12
0℃の範囲で選択される。この乾燥時間は通常1〜50
時間程度である。
【0023】上記乾燥後、得られた触媒は必要に応じて
焼成する。焼成は、乾燥ガスを用いて固定床流通下に加
熱する方法、又は、ガスを流通させずに加熱する方法の
いずれも採用することができる。ガスを流通させる場合
に使用されるガスの種類は、窒素、酸素、アルゴン、又
は、これらガスの混合ガスが使用される。混合ガスを用
いる場合、工業的に安全な範囲であればその組成比は任
意である。ガス流量は、通常、触媒に対する空間速度
(SV)で20hr-1以上、特に25〜100hr-1
するのが好ましい。また、加熱温度は通常の場合200
〜800℃で焼成時間は1〜20時間程度とするのが好
ましい。
【0024】このようにして乾燥或いは更に焼成して得
られた触媒は、還元処理して活性化する。
【0025】本発明においては、この触媒の還元処理に
当り、まず触媒を不活性ガスの存在下に70℃以上に加
熱し、その後、還元性ガスを導入し、所定の温度にて触
媒の気相還元を行う。ここで、不活性ガスとしては、ア
ルゴン、窒素、ヘリウム、又はこれらの混合ガス等が使
用され、そのガス流量は触媒に対する空間速度(SV)
で5〜100hr-1とするのが好ましい。また、不活性
ガス中での加熱温度は、還元性ガスを導入する際の温度
が70℃以上、特に100℃以上となるようにするのが
好ましい。なお、この温度が過度に高いと活性成分の金
属が焼結してしまうので600℃以下、特に500℃以
下とするのが好ましい。
【0026】還元性ガスとしては、メタノール、一酸化
炭素、一酸化窒素、又は、これらの還元性ガスを上述の
ような不活性ガスで希釈した混合ガスが使用されるが、
特に、毒性が少ないことから水素を用いるのが好まし
い。還元性ガスのガス流量は触媒に対する空間速度(S
V)で5〜100hr-1とするのが好ましい。
【0027】また、還元性ガス導入後の最終的な還元処
理温度は100〜600℃、特に150〜500℃の範
囲とするのが好ましい。この還元処理は0.5〜50時
間程度行うのが好ましい。より好ましくは1〜20時間
の範囲から選ばれる。
【0028】なお、本発明において、無機多孔質担体に
担持するロジウムの量は、多いほど単位触媒重量当りの
反応活性は高くなるが、経済的な観点から多すぎるのも
工業的に好ましくない。これらの点から、ロジウムの担
持量は触媒の総量に対し、0.01〜20重量%、特に
0.1〜10重量%の範囲とするのが好ましい。
【0029】また、無機多孔質担体に担持するテルルの
量は、多すぎると反応を阻害する上、選択性も低下する
ので好ましくはないが、少なすぎると、やはり反応活性
が低くなる上にロジウムが触媒系外に溶出するので好ま
しくはない。実用的な反応成績が得られる範囲として、
テルルの担持量は、触媒中のロジウムに対する原子比
で、Te/Rh=0.01〜2.0、特にTe/Rh=
0.05〜1.0の範囲となるようにするのが好まし
い。
【0030】本発明にかかる触媒は、ロジウム及びテル
ルを活性成分として含むものであるが、更にPt,P
d,Au,Sb,Sn等の元素を含むものであっても良
い。
【0031】次に、上記のようにして調製されたロジウ
ム−テルル系触媒を用いて、不飽和グリコールジエステ
ルを製造する方法について説明する。
【0032】本発明の不飽和グリコールジエステルの製
造方法において、反応原料の共役ジエンとしては、代表
的にはブタジエンが挙げられるが、ブタジエンの他、イ
ソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、ピペリレン等
のアルキル置換ブタジエン、更に、シクロペンタジエン
のような環状ジエンを使用することができる。これらの
原料共役ジエンは、必ずしも純粋なものである必要はな
く、例えば、ブタジエンの場合、窒素ガスのような不活
性ガスや、メタン、エタン、ブタン等の飽和炭化水素、
又は、ブテン等のような不飽和炭化水素を含むものであ
ってもよい。
【0033】もう一つの反応原料であるカルボン酸とし
ては、低級脂肪族モノカルボン酸、例えば、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられ、これらのうち、
特に反応性、価格の点から酢酸が好ましく使用される。
【0034】カルボン酸の使用量は共役ジエン1モルに
対して1〜60モルの範囲が好ましい。
【0035】なお、上記カルボン酸は、反応試剤である
が、溶媒を兼ねて使用してもよい。また、別途反応に不
活性な有機溶媒を使用してもよい。その際、使用される
溶媒としては、飽和炭化水素、エステル類等がある。但
し、反応媒体の50重量%以上は原料のカルボン酸であ
ることが好ましい。
【0036】分子状酸素としては、純粋な酸素は安全上
の理由から好ましくないことから、通常、窒素等の不活
性ガスで希釈されたもの、例えば空気が用いられる。酸
素の使用量は、反応等量以上であればよく、特に制限は
されない。
【0037】本発明による共役ジエンをカルボン酸及び
分子状酸素と反応させて対応する不飽和グリコールのカ
ルボン酸ジエステルを製造する反応は、回分式、連続式
のいずれの方法でも行うことができる。また、触媒の使
用形態としては、固定床式、流動床式、懸濁槽式等、任
意の方法を採用することができる。
【0038】反応温度は、通常、20℃以上の温度で行
われるが、反応速度及び副生物の生成等を考慮すると、
好適な反応温度の範囲は50〜120℃である。
【0039】反応圧力は、常圧、加圧のいずれでもよい
が、反応速度を高めるには加圧の方が好ましい。好適な
反応圧力は1〜100気圧の範囲から選択される。
【0040】反応終了後は、反応混合物から蒸留等の通
常の手段により目的生成物である不飽和グリコールジエ
ステルを分離し、回収した未反応の共役ジエン、カルボ
ン酸は再び反応系に循環、再使用される。
【0041】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0042】なお、以下において「%」は、「重量%」
を示す。
【0043】実施例1 〈触媒の調製〉100mLメスフラスコに金属テルル
1.236gを入れ、35%硝酸水溶液32gを加えて
溶解した。これに10.00%塩化ロジウム水溶液(N
Eケムキャット社製塩化ロジウムを脱塩水に溶解して調
製したもの)33.25gを加え、更に水を加えること
により100mLにメスアップした。この時の溶液の重
量は112.25gであった。この溶液にシリカ(富士
シリシア化学社製「Q−15」6〜10メッシュ、平均
細孔直径14.0nm、細孔容積0.99mL/g)6
4.41gを加え約1時間浸漬した。完全にシリカ内部
にまで溶液が浸透したことを確認した後、遠心脱液を行
った。この時、シリカの細孔内に残留した溶液の重量は
70.96gであった。これより計算される、Rhの担
持量は3.1重量%、Te/Rh原子比は0.3であっ
た。この後、この触媒を、空気気流下(SV;2000
hr-1)、150℃で3時間乾燥した後、500℃で2
時間焼成した。その後、一旦20℃まで降温し、アルゴ
ン気流下(SV;500hr-1)にて45minかけて
300℃まで昇温し、300℃に達した事を確認後、供
給ガスを水素に変え、水素気流下(SV;500h
-1)、更に15minかけて400℃まで昇温し、こ
の温度で2時間還元処理してロジウム−テルル触媒を得
た。
【0044】〈ブタジエンのジアセトキシ化反応〉上記
で得られたロジウム−テルル触媒6.38gを内径12
mmのガラス管に充填し、酢酸12mL/hr、ブタジ
エン6.4g/hr、9%O2 /N2 30mL/min
を流通し、反応温度80℃で8時間反応させた。途中、
5〜6時間後と6〜7時間後の2回サンプリングし、ガ
スクロマトグラフィーにより生成物を定量し、活性及び
選択率を調べ、この平均の結果を表1に記した。また、
反応時間0〜5時間の流出液中に含まれるRhの濃度を
ICP(誘導結合プラズマ発光分析法)にて測定し、R
h溶出量を表1に示した。
【0045】なお、触媒活性の評価は、反応生成物のう
ち、下記中沸点生成物と高沸点生成物との合計の生成量
が、1molのRhに対して1時間当り何mmolであ
ったかで表記した(mmol生成物/(mol/Rh・
hr))。
【0046】中沸点生成物 3,4−ジアセトキシブテン 3−ヒドロキシ−4−アセトキシブテン 1−アセトキシクロトンアルデヒド 1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(1,4−DAB
E) 1−ヒドロキシ−4−アセトキシブテン高沸点生成物 1,4−ジヒドロキシブテン−2 ジアセトキシオクタトリエン 1,1,4−トリアセトキシブテン−2 また、選択率は、上記高、中沸点生成物の生成量の合計
に以下の低沸点生成物の生成量を加えた全生成物の生成
量のうち、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(1,4
−DABE)の占める割合をmol%で求めた1,4−
DABE選択率で示した。
【0047】低沸点生成物 フラン アクロレイン モノアセトキシブテン ブタノール モノアセトキシ−1,3−ブタジエン 実施例2 実施例1において、触媒の調製に当り、水素を導入する
ときの温度を400℃としたこと以外は実施例1と同様
にして触媒を調製し、同様にブタジエンのジアセトキシ
化反応を行い、結果を表1に示した。
【0048】比較例1 実施例1において、触媒の調製に当り、還元前に、アル
ゴン気流下での昇温を行わず、水素を導入するときの温
度を室温(約20℃)としたこと以外は実施例1と同様
にして触媒を調製し、同様にブタジエンのジアセトキシ
化反応を行い、結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】表1より、本発明に係る触媒は安定性に優
れ、高活性かつ高選択率で1,4−DABEを効率的に
製造可能であることがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の不飽和グリ
コールジエステルの製造方法及び不飽和グリコールジエ
ステル製造用触媒の製造方法によれば、固体触媒の存在
下、共役ジエンをカルボン酸及び分子状酸素と反応させ
て対応する不飽和グリコールのカルボン酸ジエステルを
製造する方法において、触媒成分の安定性が著しく高
く、かつ高活性な触媒を用いて、目的とする不飽和グリ
コールジエステルを高い選択率にて効率的に製造するこ
とができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジウム及びテルルを活性成分として含
    む固体触媒の存在下に、共役ジエンをカルボン酸及び分
    子状酸素と反応させて対応する不飽和グリコールのカル
    ボン酸ジエステルを製造する方法において、 該固体触媒としてロジウム化合物及びテルル化合物を無
    機多孔質担体に担持した後、還元性ガス雰囲気中で還元
    処理して得られる触媒を用いる方法であって、 該還元処理に当り、不活性ガスの存在下70℃以上に加
    熱し、この加熱状態で還元性ガスを導入することを特徴
    とする不飽和グリコールジエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 還元性ガス導入時の温度が100〜60
    0℃であることを特徴とする請求項1に記載の不飽和グ
    リコールジエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 還元性ガスが水素であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の不飽和グリコールジエステル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 共役ジエンをカルボン酸及び分子状酸素
    と反応させて対応する不飽和グリコールのカルボン酸ジ
    エステルを製造する際に使用される、ロジウム及びテル
    ルを活性成分として含む固体触媒を製造する方法におい
    て、 ロジウム化合物及びテルル化合物を無機多孔質担体に担
    持した後、還元性ガス雰囲気中で還元処理する不飽和グ
    リコールジエステル製造用触媒の製造方法であって、 該還元処理に当り、不活性ガスの存在下70℃以上に加
    熱し、この加熱状態で還元性ガスを導入することを特徴
    とする不飽和グリコールジエステル製造用触媒の製造方
    法。
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