JPH10291919A - 染毛用前処理剤 - Google Patents

染毛用前処理剤

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JPH10291919A
JPH10291919A JP34434197A JP34434197A JPH10291919A JP H10291919 A JPH10291919 A JP H10291919A JP 34434197 A JP34434197 A JP 34434197A JP 34434197 A JP34434197 A JP 34434197A JP H10291919 A JPH10291919 A JP H10291919A
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JP
Japan
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hair
dyeing
dye
keratin
comparative example
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JP34434197A
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English (en)
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Masato Yoshioka
正人 吉岡
Koji Nosaka
浩司 野坂
Katsumi Kanayama
勝美 金山
Kazuki Fujii
一樹 藤井
Satoshi Ogawa
聡 小川
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MIRUBON KK
Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
MIRUBON KK
Seiwa Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化型染毛剤に対しては、染色の立ち上がり
を速くし、かつ均一に染色させ、染色毛髪の耐シャンプ
ー性を向上させ、さらに、染毛時の毛髪の損傷を少なく
し、かつ染毛後の毛髪に艶や潤いを付与できるようにさ
せ、また、酸性染毛料に対しては、少量の染料でも均一
に染色させ、染毛時の毛髪の損傷を少なくし、かつ染毛
後の毛髪に艶や潤いを付与できるようにさせる染毛用前
処理剤を提供する。 【解決手段】 ケラチン加水分解物またはその誘導体の
1種以上を1〜40重量%含有させて染毛用前処理剤を
構成する。上記ケラチン加水分解物の誘導体としては、
ケラチン加水分解物の第4級アンモニウム誘導体が好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染毛用前処理剤に
関し、さらに詳しくは、酸化型染毛剤に対しては、染色
の立ち上がりを速くし、かつ均一に染色させ、染色毛髪
の耐シャンプー性を向上させ、さらに、染毛時の毛髪の
損傷を少なくし、かつ染毛後の毛髪に艶や潤いを付与で
きるようにさせる染毛用前処理剤に関し、また、酸性染
毛料に対しては、少量の染料でも均一に染色させ、染毛
時の毛髪の損傷を少なくし、かつ染毛後の毛髪に艶や潤
いを付与できるようにさせる染毛用前処理剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】染毛剤には、一時染毛剤、永久染毛剤な
どがあり、いずれも美容の目的で広く使用されている。
【0003】永久染毛剤では、酸化染料(染料中間体)
を含む第1剤と過酸化水素などの酸化剤を含む第2剤と
からなる酸化型染毛剤が、種々の色調が得られる上に、
染毛力が優れていることから、広く使用されている。
【0004】一方、酸性染料が主として用いられている
一時染毛剤は、1回のシャンプーで洗い落とすことがで
きるので、いわゆる「おしゃれ染め」として広く使用さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での酸化型染毛剤では、染毛に時間がかかり、毛髪によ
っては均一に染色できず色むらが生じるという問題があ
り、また、染毛時に毛髪の損傷が激しく、染毛後の毛髪
がパサついたり、櫛通り性が悪くなるという問題があっ
た。
【0006】例えば、酸化型染毛剤では、一般に酸化染
料の均一な浸透を助長するためにアルカリ剤を含有させ
ているので、pHが10以上と高く、そのため、刺激性
があり、毛髪が損傷しやすく、毛髪中のタンパク(蛋
白)成分が流出しやすいという問題があった。
【0007】そのため、アルカリ剤を含まない酸性染毛
料を使用することも行われているが、この酸性染毛料
も、染毛時に毛髪中のメラニンを破壊してブリーチ(漂
白)するための酸化を行うと、上記酸化型染毛剤ほどで
はないにしても、毛髪が損傷しやすく、毛髪の光沢が失
われ、櫛通り性が悪くなるという問題があり、また、一
時染毛剤の多くは、染料を毛小皮に吸着させて染色する
ので、染色効果を上げる必要から、染料濃度を高くした
り、展着剤や高分子樹脂などを多量に添加しているた
め、染毛後の毛髪が硬くなり、櫛通り性が悪くなって、
毛髪が損傷を受けやすいという問題があった。
【0008】そこで、これらの問題を解決し、かつ染毛
剤の均染効果を高める目的で、タンパク加水分解物(ペ
プチド)やその誘導体、シリコーンなどを染毛剤に含有
させることが提案されている(例えば、特開昭61−5
5887号公報、特公平3−63528号公報、特公平
4−4289号公報、特開平5−271040号公報な
ど)。
【0009】しかしながら、上記のタンパク加水分解物
やその誘導体は、損傷した毛髪に収着して毛髪に潤いや
艶を付与することができるものの、染毛時の均染性や染
毛毛髪の耐シャンプー性に関しては充分に満足できるも
のとはいえなかった。
【0010】従って、本発明は、酸化型染毛剤に対して
は、染色の立ち上がりを速くし、かつ均一に染色させ、
染色毛髪の耐シャンプー性を向上させ、さらに、染毛時
の毛髪の損傷を少なくし、かつ染毛後の毛髪に艶や潤い
を付与できるようにさせる染毛用前処理剤を提供するこ
とを目的とし、また、酸性染毛料に対しては、少量の染
料でも均一に染色させ、過剰の染料の毛髪への浸透によ
る毛髪のゴワツキを防止し、染毛時の毛髪の損傷を少な
くし、かつ染毛後の毛髪に艶や潤いを付与できるように
させる染毛用前処理剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ケラチン加水分
解物またはその誘導体の1種以上を1〜40重量%含有
する染毛用前処理剤で毛髪を前処理した後、染毛処理を
行うと、酸化型染毛剤においては、染色の立ち上がりが
速く、かつ均一に染色でき、染色毛髪の耐シャンプー性
が向上し、さらに、染毛時の毛髪の損傷が少なくなり、
染毛後の毛髪に艶や潤いを付与することができ、また、
酸性染毛料においては、少量の染料でも均一に染色で
き、染毛時の毛髪の損傷が少なく、染毛後の毛髪にゴワ
ツキ感がなく、染毛後の毛髪に艶や潤いを付与すること
ができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0012】すなわち、毛髪には傷んだ部分と健常な部
分とが存在し、これが染毛時の色むらの原因の一つにな
ると言われているが、染料が毛髪に接触する前にケラチ
ン加水分解物またはその誘導体で毛髪の損傷部位を保護
し、毛髪全体の表面にケラチン加水分解物またはその誘
導体の被膜を形成することによって、色むらがなく、酸
化型染毛剤においては、染色の立ち上がりが速くなり、
また、酸性染毛料においては、少量の染料でも均一に染
色でき、両者とも毛髪の損傷が少なくなり、染毛後の毛
髪に艶や潤いを付与することができるようになるのであ
る。
【0013】上記のように、酸化型染毛剤に対して、染
色の立ち上がりを速くさせ、また、酸性染毛料に対し
て、少量の染料でも均一に染色させることができるよう
になるのは、染毛用前処理剤による前処理によってケラ
チン加水分解物またはその誘導体が毛髪の表面に均一に
収着するので、染毛剤中の染料が速くかつ均一に浸透し
やすくなるためであると推測される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、ケラチン加水分
解物としては、ケラチンを酸、アルカリまたは酵素で部
分的に加水分解して得られるケラチンの加水分解物が用
いられる。
【0015】このケラチン加水分解物は、毛髪への収着
性および毛髪上での造膜性を考慮して、その数平均分子
量が150〜5000であることが好ましく、より好ま
しくは200〜3000である。すなわち、ケラチン加
水分解物の数平均分子量が150より小さくなると、毛
髪への浸透作用は優れているものの、毛髪上での造膜作
用が低下し、また、ケラチン加水分解物の数平均分子量
が5000より大きくなると、造膜作用は強くなるもの
の、浸透性が弱く、損傷部分への補充作用が充分に発揮
されなくなるおそれがある。
【0016】また、ケラチン加水分解物の誘導体として
は、上記のケラチン加水分解物のエステル、ケラチン加
水分解物の第4級アンモニウム誘導体などが挙げられ
る。
【0017】上記ケラチン加水分解物のエステルとして
は、上記ケラチン加水分解物のカルボキシル基における
炭素数1〜20の炭化水素アルコールとのエステル、例
えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、イソプロピルエステル、ラウリルエステル、セチ
ルエステル、2−エチルヘキシルエステル、2−ヘキシ
ルデシルエステル、ステアリルエステルなどが挙げられ
る。
【0018】上記ケラチン加水分解物の第4級アンモニ
ウム塩としては、例えば、上記ケラチン加水分解物のア
ミノ基に下記一般式(I)
【0019】
【化1】
【0020】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、またはR
1 〜R2 のうち1個もしくは2個が炭素数8〜20のア
ルキル基もしくはアルケニル基で、残りは炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基も
しくはベンジル基であり、XはCl、Br、F、I、N
3 、1/2SO4 、R4 OSO3 またはR4 SO
3 (R4 は低級アルキル基を示す)を示す〕で表される
グリシジルアンモニウム塩、または下記一般式(II)
【0021】
【化2】
【0022】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、またはR
1 〜R2 のうち1個もしくは2個が炭素数8〜20のア
ルキル基もしくはアルケニル基で、残りは炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基も
しくはベンジル基であり、XはCl、Br、F、I、N
3 、1/2SO4 、R4 OSO3 またはR4 SO
3 (R4 は低級アルキル基を示す)を示し、YはCl、
Br、F、Iなどのハロゲン原子を示す〕で表される3
−ハロゲン−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、
または一般式(III)
【0023】
【化3】
【0024】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、またはR
1 〜R2 のうち1個もしくは2個が炭素数8〜20のア
ルキル基もしくはアルケニル基で、残りは炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基も
しくはベンジル基であり、XはCl、Br、F、I、N
3 、1/2SO4 、R4 OSO3 またはR4 SO
3 (R4 は低級アルキル基を示す)を示し、YはCl、
Br、F、Iなどのハロゲン原子を示す〕で表される3
−ハロゲンプロピルアンモニウム塩のいずれかを反応さ
せることによって得られるものが挙げられる。
【0025】上記ケラチン加水分解物またはその誘導体
は、いずれも染毛用前処理剤に含有させると、酸化型染
毛剤に対しては、染色の立ち上がりを速くし、かつ均一
に染色させ、染色毛髪の耐シャンプー性を向上させ、さ
らに、染毛時の毛髪の損傷を少なくし、かつ染毛後の毛
髪に艶や潤いを付与できるようにさせ、また、酸性染毛
料に対しては、少量の染料でも均一に染色させ、染毛時
の毛髪の損傷を少なくし、染毛後の毛髪のゴワツキ感を
なくさせ、かつ染毛後の毛髪に艶や潤いを付与できるよ
うにさせるが、特にケラチン加水分解物の第4級アンモ
ニウム誘導体はその効果が優れている。
【0026】上記ケラチン加水分解物またはその誘導体
は、それぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上を併
用してもよい。そして、ケラチン加水分解物またはその
誘導体の染毛用前処理剤中の含有量(染毛用前処理剤へ
の配合量)としては、1〜40重量%、特に5〜20重
量%が好ましい。すなわち、ケラチン加水分解物または
その誘導体の染毛用前処理剤中での含有量が上記範囲よ
り少ない場合は、毛髪の損傷部位を保護して毛髪上で造
膜する作用が低下し、従って、染毛時の染料の均一な浸
透や付着が少なくなって、均染効果を充分に発現するこ
とができなくなり、また、ケラチン加水分解物またはそ
の誘導体の染毛用前処理剤中での含有量が上記範囲より
多くなっても、含有量の増加に見合う効果の増加がほと
んど認められない。
【0027】本発明の染毛用前処理剤は、その効果を損
なわない範囲において、例えば、非イオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤などの界面活性剤、グリセリン、プロピレ
ングリコールなどの溶解剤、保湿剤、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの粘度調
整剤、その他、pH調整剤、香料などの物質を適宜含有
させることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の染毛用前処理剤は、酸化型染毛
剤の使用前に使用すると、酸化型染毛剤に対して、染色
の立ち上がりを速くし、かつ均一に染色させ、染色毛髪
の耐シャンプー性を向上させ、さらに、染毛時の毛髪の
損傷を少なくし、かつ染毛後の毛髪に艶や潤いを付与で
きるようにさせる。また、酸性染毛料の使用前に使用す
ると、酸性染毛料に対して、少量の染料でも均一に染色
させ、染毛時の毛髪の損傷を少なくし、染毛後の毛髪の
ゴワツキ感を防止し、かつ染毛後の毛髪に艶や潤いを付
与できるようにさせる。
【0029】また、本発明の染毛用前処理剤で毛髪を前
処理した後に染毛処理すると、染毛剤中に蛋白質加水分
解物やその誘導体を配合した染毛剤のような染毛剤中で
の染料と蛋白質加水分解物やその誘導体との会合が生じ
ることがないので、酸化型染毛剤や酸性染毛料などの有
する染毛作用をほぼそのまま発揮させることができ、所
望どおりの染毛が行えるようになる。
【0030】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0031】実施例1〜3および比較例1 表1に示す組成の染毛用前処理剤を調製した。なお、表
中の各成分の配合量は重量部であり、配合量が固形分量
でないものについては、成分名の後に括弧書きで固形分
濃度を示している。また、濃度を示す%は重量%であ
り、ケラチン加水分解物は誘導体化した場合に加水分解
ケラチンと表現するので、それにあわせて誘導体化して
いないケラチン加水分解物も加水分解ケラチンと表現す
る。これらは、以後の実施例、比較例でも同様である。
【0032】
【表1】
【0033】使用した加水分解ケラチンの数平均分子量
は1000であり、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−
(トリメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解ケラチン
における加水分解ケラチンの数平均分子量は1000
で、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ステアリルジメ
チルアンモニオ)プロピル〕加水分解ケラチンにおける
加水分解ケラチンの数平均分子量も1000であった。
【0034】上記実施例1〜3および比較例1の染毛用
前処理剤を用いて、それぞれ重さ1gで長さ10cmの
毛束を前処理したが、染毛用前処理剤での前処理に先立
ち、各毛束は2%ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル水溶液で洗浄した後、水洗し、脱色および毛髪の
損傷度合いを均一にするために、5%の過酸化水素水を
含む5%アンモニア水に5分間浸漬してブリーチ処理を
行い、水洗後、乾燥して試験に供した。
【0035】染毛用前処理剤での前処理は、それぞれの
毛束を実施例1〜3および比較例1の染毛用前処理剤1
0gに5分間浸漬した後ドライヤーで毛束を乾燥するこ
とによって行った。その後、各毛束は下記組成の酸化型
染毛剤で染毛処理した。
【0036】染毛剤は、実施例1〜3および比較例1と
も共通で、下記の組成によるものである。ただし、各成
分の配合量は重量部である。
【0037】第1剤 p−フェニレンジアミン 0.8 p−アミノフェノール 0.2 o−アミノフェノール 1.0 レゾルシン 1.6 イソプロパノール 9.0 プロピレングリコール 5.5 オレイン酸 15.0 アンモニア水(28%) 10.0 亜硫酸ナトリウム 0.1 オレイルアルコール 10.0 エデト酸二ナトリウム 0.4 ビス−2−ヒドロキシエチルソルビタンアミン 9.4 ヒドロキシエチルステアリルアミド 6.0 精製水 計100とする
【0038】第2剤 ステアリン酸 1.0 モノステアリン酸グリセリン 1.5 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1.0 過酸化水素水(35%) 15.0 精製水 計100とする
【0039】染毛処理は、上記酸化型染毛剤の第1剤と
第2剤とを同量ずつ混合し、その混合物2gずつをそれ
ぞれの毛束に塗布した後、20分間放置し、お湯ですす
ぎ、ついで2%ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル水溶液で洗浄し、ドライヤーで毛束を乾燥すること
によって行った。
【0040】染毛処理後、実施例1〜3および比較例1
の染毛用前処理剤で前処理した各毛束について、5人の
パネラーに、最も濃く染まっているものを1位とし、最
も染まりの悪いものを4位として順位をつけさせた。
【0041】また、実施例1〜3に関して、染毛後の毛
髪の均染性、潤い、艶および櫛通り性について下記の評
価基準で比較例1と比較評価させた。
【0042】評価基準 +3:比較例1に比べて非常に良い +2:比較例1に比べて良い +1:比較例1に比べてやや良い 0:比較例1とほぼ同じ −1:比較例1に比べてやや悪い −2:比較例1に比べて悪い −3:比較例1に比べて非常に悪い
【0043】さらに、上記実施例1〜3および比較例1
の染毛用前処理剤で前処理後に染毛した毛髪を2%ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液で洗浄、
水洗、ドライヤー乾燥を5回繰り返し、洗浄後の毛髪の
色の濃さ、潤い、艶および櫛通り性について、前記染毛
後の均染性などと同様の評価基準で比較例1と比較評価
することによって、耐シャンプー性を評価した。それら
の結果を表2に示すが、評価値は5人のパネラーの平均
値で示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2に示す結果から明らかなように、染毛
による色の濃さに関しては、実施例1〜3はいずれも比
較例1より、順位が高く(つまり、順位を示す数値が小
さく)、実施例1〜3の染毛用前処理剤が毛髪を濃く染
めるのに寄与することが明らかにされていた。また、実
施例の中では、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリ
メチルアンモニオ)プロピル〕加水分解ケラチンを含有
させた実施例2が最も良く、次いで塩化N−〔2−ヒド
ロキシ−3−(ステアリルジメチルアンモニオ)プロピ
ル〕加水分解ケラチンを含有させた実施例3で、次に加
水分解ケラチンを含有させた実施例1の順であった。
【0046】比較例1のようにケラチン加水分解物やそ
の誘導体をまったく含有させていない染毛用前処理剤で
前処理した場合(つまり、実質的な前処理をしていない
場合)には、一般に染毛剤を毛髪に塗布した後30分間
放置して発色を完結させるため、上記の試験のように染
毛剤塗布後20分の放置では染料が充分に発色していな
いと考えられるが、実施例1〜3の染毛用前処理剤で前
処理した毛髪は、いずれも染毛後20分間の放置で比較
例1の染毛用前処理剤で前処理した毛髪より濃く染まっ
ていて、ケラチン加水分解物やその第4級アンモニウム
誘導体を含有する染毛用前処理剤で染毛前に前処理する
と、染毛剤の染色時間を短縮できることが明らかにされ
ていた。
【0047】また、染毛後の毛髪の均染性、潤い、艶、
櫛通り性については、ケラチン加水分解物やその誘導体
で前処理して染毛した実施例1〜3はいずれも比較例1
に比べてプラス(+)の評価値であって、染毛前にケラ
チン加水分解物やその誘導体で毛髪を前処理しておく
と、その後の染毛処理において、毛髪を均一に染毛し、
染毛時の毛髪を保護して染毛による毛髪の損傷を防止す
る効果を有する(これは櫛通り性が良好なことから判断
できる)ことが明らかにされていた。
【0048】さらに、シャンプーで5回洗浄後も、実施
例1〜3の染毛用前処理剤で前処理後に染毛した毛髪
は、いずれも比較例1の染毛用前処理剤で前処理後に染
毛した毛髪に比べて色が濃く、また、毛髪の潤い、艶、
櫛通り性のいずれの項目においても実施例1〜3は比較
例1より優れていて、ケラチン加水分解物やその誘導体
を含有する染毛用前処理剤で染毛前に前処理しておく
と、染毛後の毛髪の耐シャンプー性が向上することが明
らかにされていた。
【0049】実施例4〜6および比較例2 表3に示す組成の染毛用前処理剤を調製し、この染毛用
前処理剤で前処理した毛髪を後記の酸化型染毛剤で染毛
し、染毛処理時間による染色度の違いを評価した。
【0050】
【表3】
【0051】上記染毛用前処理剤の調製にあたって使用
した加水分解ケラチンの数平均分子量は400で、塩化
N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)
プロピル〕加水分解ケラチンにおける加水分解ケラチン
の数平均分子量は400で、塩化N−〔2−ヒドロキシ
−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピ
ル〕加水分解ケラチンにおける加水分解ケラチンの数平
均分子量は1000であった。
【0052】この試験においては、前記実施例1などと
同様に事前にブリーチ処理して各毛束の脱色および毛髪
の損傷度合いを均一にした毛束を、実施例4〜6用に各
5束と比較例2用に1束用意し、それぞれの毛束を実施
例4〜6および比較例2の染毛用前処理剤10gに5分
間浸漬した後ドライヤーで毛束を乾燥した。そして、そ
の後、各毛束は下記組成の酸化型染毛剤で染毛処理し
た。上記のように、実施例4〜6用に用意する毛束数と
比較例2用に用意する毛束数とが異なっているのは、実
施例4〜6では後記のように染毛剤の塗布後の放置時間
を10分、15分、20分、25分、30分と5段階に
するのに対し、比較例2では染毛剤の塗布後の放置時間
を30分間のみにしているからである。
【0053】染毛剤は、実施例4〜6および比較例2と
も共通で、下記の組成によるものである。ただし、各成
分の配合量は重量部である。
【0054】第1剤 p−フェニレンジアミン 1.0 プロピレングリコール 10.0 亜硫酸ナトリウム 0.2 ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル 1.0 エデト酸二ナトリウム 0.3 アンモニア水(28%) pH10にする 精製水 計100とする
【0055】第2剤 過酸化水素水(35%) 6.0 精製水 94.0
【0056】染毛処理は、上記酸化型染毛剤の第1剤と
第2剤とを同量ずつ混合し、その混合物2gずつをそれ
ぞれ実施例4〜6の染毛用前処理剤で前処理した毛束に
塗布し、塗布後の放置時間を10分、15分、20分、
25分および30分とし、各放置時間の終了後直ちに毛
束をぬるま湯ですすぎ、2%ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル水溶液で洗浄し、ぬるま湯ですすいだ
後、ヘアードライヤーで乾燥した。そして、比較例2の
場合は、前処理後の毛束に染毛剤を塗布後30分間放置
し、上記実施例4などと同様に毛束をぬるま湯ですす
ぎ、2%ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル水
溶液で洗浄し、ぬるま湯ですすいだ後、ヘアードライヤ
ーで乾燥した。
【0057】乾燥後、実施例4〜6の染毛用前処理剤で
前処理後に染毛した毛束の色の濃さと比較例2の染毛用
前処理剤で前処理後に染毛した毛束の色の濃さとを、1
0人のパネラーに比較評価させた。実施例4の評価結果
を表4に示し、実施例5の評価結果を表5に示し、実施
例6の評価結果を表6に示すが、それらの評価結果は、
比較例2より色が濃いと答えた人数、比較例2より色が
薄いと答えた人数、色の濃さはほぼ同じと答えた人数で
示す。なお、表4〜表6中の処理時間とは、染毛剤塗布
後の放置時間である。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】表4〜表6に示す結果から明らかなよう
に、ケラチン加水分解物やその第4級アンモニウム誘導
体を含有する染毛用前処理剤で前処理した後に染毛した
実施例4〜6は、比較例2に比べて、処理時間が2/3
の20分でパネラーの多くが色の濃さがほぼ同じか比較
例2より濃いと答えていて、ケラチン加水分解物やその
第4級アンモニウム誘導体を含有する染毛用前処理剤で
毛髪を前処理しておくと染毛処理時間を短縮できること
が明らかにされていた。なお、処理時間が10分の段階
で比較例2の方が色が濃いと答えた人数が多い(すなわ
ち、表4〜表6中の「比較例2より色が薄いと答えた人
数」が多い)のは、比較例2では染毛剤の塗布後30分
間放置していて、染毛剤の塗布後の放置時間が長いこと
によるものである。
【0062】実施例7〜9および比較例3 表7に示す組成の染毛用前処理剤および酸性染毛料を調
製し、得られた実施例7〜9および比較例3の染毛用前
処理剤のそれぞれで重さ1gで長さ10cmの毛束を前
処理し、その後それぞれの酸性染毛料で染毛した。
【0063】
【表7】
【0064】使用した加水分解ケラチンの数平均分子量
は400であり、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ト
リメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解ケラチンにお
ける加水分解ケラチンの数平均分子量は400で、塩化
N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチル
アンモニオ)プロピル〕加水分解ケラチンにおける加水
分解ケラチンの数平均分子量は1000であった。
【0065】この試験においても、実施例1と同様に事
前にブリーチ処理して各毛束の脱色および毛髪の損傷度
合いを均一にした毛束を試験に供し、実施例7〜9およ
び比較例3の染毛用前処理液10gに5分間浸漬し、ド
ライヤーで乾燥した。
【0066】染毛処理は、それぞれの毛束に実施例7〜
9用および比較例3用の酸性染毛料2gずつを塗布し、
15分放置後、市販のシャンプーで洗浄し、さらに温水
ですすいだ後、ヘアドライヤーで乾燥することによって
行った。
【0067】実施例7〜9用の酸性染毛料で染毛した毛
束の色の濃さ(染色度)、均染性、毛髪の耐かさつき
感、艶および潤いについて5人のパネラーに実施例1と
同様の評価基準で比較例3の毛束と比較評価させた。評
価結果を表8に示すが、その評価値は5人の平均値であ
る。
【0068】
【表8】
【0069】表8に示す結果から明らかなように、実施
例7〜9の染毛用前処理剤で前処理後に酸性染毛料で染
毛した毛束は、いずれの項目においても+(プラス)値
であって、比較例3の毛束に比べて、染毛時の酸性染料
(黒色401号)の含有量が30%少ないにもかかわら
ず(表7参照)、染毛後の毛髪の色が濃く、均一に染色
でき、毛髪のかさつき感が少なく、また毛髪の艶、潤い
においても評価値が高く、ケラチン加水分解物やその第
4級アンモニウム誘導体を含有させた効果が明らかであ
った。
【0070】染毛後の毛髪の色の濃さと均染性に関して
は、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアン
モニオ)プロピル〕加水分解ケラチンを含有させた実施
例8が最も良く、次いで塩化N−〔2−ヒドロキシ−3
−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕加
水分解ケラチンを含有させた実施例9で、次に加水分解
ケラチンを含有させた実施例7の順になった。また、染
毛後の毛髪の耐かさつき感や艶に関しても、塩化N−
〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロ
ピル〕加水分解ケラチンを含有させた実施例8が最も良
く、毛髪の潤いに関しては塩化N−〔2−ヒドロキシ−
3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕
加水分解ケラチンを含有させた実施例9が最も良く、第
4級アンモニウム誘導体の方が加水分解ペプチドより酸
性染毛料による染毛の前処理剤として有効であることが
明らかにされていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 勝美 大阪市旭区赤川2丁目17番2号 株式会社 ミルボン内 (72)発明者 藤井 一樹 大阪市旭区赤川2丁目17番2号 株式会社 ミルボン内 (72)発明者 小川 聡 大阪市旭区赤川2丁目17番2号 株式会社 ミルボン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケラチン加水分解物またはその誘導体の
    1種以上を1〜40重量%含有してなることを特徴とす
    る染毛用前処理剤。
  2. 【請求項2】 ケラチン加水分解物の誘導体が、ケラチ
    ン加水分解物の第4級アンモニウム誘導体である請求項
    1記載の染毛用前処理剤。
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