JPH10291208A - 目地用シールド部材 - Google Patents

目地用シールド部材

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JPH10291208A
JPH10291208A JP11875497A JP11875497A JPH10291208A JP H10291208 A JPH10291208 A JP H10291208A JP 11875497 A JP11875497 A JP 11875497A JP 11875497 A JP11875497 A JP 11875497A JP H10291208 A JPH10291208 A JP H10291208A
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swelling
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tile
coating layer
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型枠内に並べたタイルの目地部分を塞いでセ
メントペーストの漏出を防止するようにした目地用シー
ルド部材がある。該シールド部材は、主体部材の両側面
に水溶紙製の膨潤部材を粘着剤で貼着してなるが、既存
のシールド部材を使用した場合、出来上がったコンクリ
ートパネルのタイル表面や目地部に膨潤部材の屑が強力
に貼り付いて残るため、それを除去する水洗工程に時間
が掛かり、また、コンクリートの目地部が粗面になる、
などの不具合があった。 【解決手段】 前記目地用シールド部材Sの膨潤部材9
を、コンクリートをスチーム養生させるときの加熱条件
で溶融しない性質を備えた熱硬化型粘着剤10によって
主体部材8の側面に貼着するようにした。このシールド
部材Sは、コンクリートをスチーム養生させるときの熱
で熱硬化型粘着剤10が硬化するから溶融して流出する
ようなおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイルを並べた型
枠内にコンクリートを打ち込んでコンクリートパネルに
タイルを先付けする、いわゆるPC工法に使用する目地
用シールド部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に行われているPC工法を
図4(a)〜(c)、図5及び図6(a),(b)によ
り説明する。先ず、図4(a)及び図5に示した箱状の
治具1を使ってタイルユニットを作る。前記治具1は、
タイルTの厚みとほぼ同じ深さにした浅箱であって、複
数(図示したものは6枚)のタイルTが目地相当の間隔
を置いて整列するように底板2に仕切枠3,3…が突設
してある。この仕切枠3の高さはタイルTの厚みより小
さくなっていて、タイルTとタイルTの間に隙間が出来
るように設定してある。また、図5に示したように治具
1の一つのコーナーを挟んで隣り合う二辺には、前記仕
切枠3に相当する段枠4が設けてある。
【0003】次ぎに、前記治具1に図4(b)に示した
ように表を上にした状態でタイルTを並べ、仕切枠3と
段枠4の部分に図4(c)に示したように膨潤構造の目
地用シールド部材Sを嵌め込む。なお、目地用シールド
部材Sの詳細については後述する。そして、図4(c)
及び図5に二点鎖線で示したように、タイルTと目地用
シールド部材Sの全てをポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ール、ポリエステル又は紙製の粘着シート5で覆って一
体に接着する。
【0004】以上の要領で複数のタイルユニットを作
り、図6(a)のように、タイルユニットの粘着シート
5を下にして型枠6の底に並べる。なお、図6(a)に
は二つのタイルユニットのそれぞれ一部分が示されてい
るのであって、両タイルユニットの区別を容易にする目
的で一方のタイルユニットにのみ墨網を施し、他方のタ
イルユニットを白色で表した。したがって、墨網のタイ
ルTと白色のタイルTの境界部がタイルユニット同士の
継ぎ目に相当する。次ぎに型枠6内に水を散布して目地
用シールド部材Sに吸水させると、目地用シールド部材
Sの厚みが増してタイルTの側面に密着する。この状態
で図6(b)のように型枠6にコンクリートCを流し込
む。このときタイルT同士の隙間が目地用シールド部材
Sで完全に塞がれているからセメントペースなどがタイ
ルTの表面に漏出しない。そして、コンクリートCを型
枠6に入れたまま5〜10時間スチームで加熱養生させ
た後、固化して出来上がったコンクリートパネルを型枠
6から抜き取る。コンクリートパネルには全てのタイル
ユニットが一体に貼り付いているから、先ず表面の粘着
シート5を剥がし、次ぎに目地用シールド部材Sを全部
取り除き、最後にタイルTと目地部7を綺麗に水洗す
る。
【0005】なお、治具1の仕切を変更すればタイルユ
ニットのタイルTの配置は自由に設定できる。また、上
記のようなタイルユニットを作らないで、型枠6内に直
接タイルTと目地用シールド部材Sを配置する方法もあ
る。もちろんそうした場合には粘着シート5が不要にな
る。
【0006】しかして、従来の目地用シールド部材Sと
して実公昭61−53495号のものがある。この目地
用シールド部材Sは、図7,図8に示したように、主体
部材8の両側面に膨潤部材9を粘着剤100で貼着した
構造である。前記膨潤部材9は、水溶紙であって、水を
吸収して15〜20数倍に体積(厚さ)を増す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記実公昭61−53
495号の目地用シールド部材Sは、現在PC工法に使
われている。しかし、この従来の目地用シールド部材S
を使用した場合、出来上がったコンクリートパネルのタ
イルT表面やコンクリートCの目地部7に膨潤部材9の
屑が強力に貼り付いているため、それを除去する水洗工
程に時間が掛かり、また、コンクリートCの目地部7が
粗面になる、などの不具合があった。
【0008】その原因の一つとして、膨潤部材9が水溶
紙で出来ているため、水を吸収するとパルプがばらばら
になってタイルTの表側やコンクリートC側にパルプ屑
が流出する、ということが従来から知られている(実開
平5−834号段落番号0005参照。)。これに加え
て本発明者がさらに原因を探求した結果、膨潤部材9の
粘着剤100がコンクリートCを加熱養生させるときの
加熱条件(100℃〜120℃で5〜10時間)で溶融
し、それがタイルTの表側とコンクリートC側に流出す
る、という事実が判明した。そして、ばらばらになって
流れ出たパルプ屑と、溶融して流出した粘着剤100と
が混ざり合い、それが固まって前記タイルT表面や目地
部7の取れ難い汚れとなり、また、コンクリートC側に
流出した粘着剤100が目地部7を荒らしていたのであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】型枠内に並べたタイルの
目地部分を塞いでセメントペーストなどの漏出を防止す
るものであって、液体を吸収して厚みを増す構造の膨潤
部材を主体部材の側面に貼着してなる目地用シールド部
材において、前記膨潤部材を、コンクリートを加熱養生
させるときの加熱条件で溶融しない性質を備えた熱硬化
型粘着剤によって主体部材の側面に貼着してなる目地用
シールド部材を提供する。
【0010】膨潤部材を主体部材に貼り付けている熱硬
化型粘着剤は、コンクリートを加熱養生させるときの加
熱条件で硬化するため、従来のように溶けて流出するよ
うなことがない。したがって、コンクリートの目地部を
荒らさない。また、仮に膨潤部材に従来型の水溶紙を選
択したとしても、パルプ屑と粘着剤が混ざり合う現象が
起こらないから、例えパルプ屑がタイル表面や目地部に
流れ出たとしても水洗による除去が極めて容易である。
【0011】また、好ましくは、請求項2のように、前
記膨潤部材を膨潤性を有する不溶性の合成樹脂で形成す
るのがよい。そうすることにより、液体を吸収して膨脹
したとしても流動する状態にならないから、水溶紙のよ
うにタイル表面や目地部をパルプ屑で汚す、というよう
なことがない。
【0012】また、請求項3のように、前記膨潤部材の
タイルに接する側の表面に、潤滑性に優れた合成樹脂に
よって潤滑コーティング層を形成するとよい。そうする
ことにより、第一に目地用シールド部材がタイル側面に
引っ掛かり難くなるから目地用シールド部材をタイル間
に装填する作業の能率が向上し且つタイルとの擦れ合い
で膨潤部材を傷めるおそれがなく、第二に膨潤部材とタ
イルの間に潤滑コーティング層が介在するから膨潤部材
がタイル側面に残り難く、第三にコンクリートパネルか
ら目地用シールド部材を外す作業も簡単且つスムーズに
なる。
【0013】また、請求項4のように、主体部材のコン
クリートと接する側の面に、剥離性に優れた合成樹脂で
剥離コーティング層を形成するとよい。主体部材の材質
によってはコンクリートを加熱養生させるときの加熱条
件で溶融する場合があるが、主体部材のコンクリートと
接する側の面に剥離コーティング層を形成しておけば、
仮に主体部材が加熱養生時に溶融してもコンクリートに
付着することがないか或いは付着してもごく一部になっ
て剥がれやすい。
【0014】さらにまた、請求項5のように、前記膨潤
部材をコンクリートと同色か又はそれに近似した色にす
るとよい。そうすることにより、もし万一膨潤部材の屑
がコンクリートに付着したまま目地部に残ったとして
も、膨潤部材がコンクリートと同色か又はそれに近似し
た色であれば保護色になって殆ど目立たない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。なお、図1は一部を断面にして
示す目地用シールド部材の斜視図、図2は目地用シール
ド部材の拡大断面図である。
【0016】本発明の目地用シールド部材Sは、全体の
大部分を占める四角柱形状の主体部材8があり、その主
体部材8の両側面に膨潤部材9を熱硬化型粘着剤10で
貼着し、さらに膨潤部材9の表面に潤滑コーティング層
11を形成してなる。なお、言うまでもなく図1,図2
は模式図であって、実際の膨潤部材9、熱硬化型粘着剤
10、潤滑コーティング層11は主体部材8に較べて非
常に薄い。
【0017】前記主体部材8は、例えばポリエチレン、
ウレタン、スチレンなどの発泡体であり、適度な弾性を
備えている。なお、主体部材8が弾性を備えていること
は、タイルT同士の隙間に嵌め込むときに適度に変形す
るため、作業上有利に作用する。主体部材8の色は例え
ばグレーであり、コンクリートCと同色か又はそれに近
似した色にしてある。
【0018】前記膨潤部材9は、液体(水やアルカリ水
溶液など)を吸収して厚みを増す構造であれば何でもよ
いが、好ましくは、膨潤性を有する不溶性の合成樹脂が
よい。例えば、水を吸収して膨潤するようにした不溶性
のアクリル系樹脂を使用する。そして、このようなアク
リル系樹脂を芯となる水溶性シートの表裏両面に塗布し
て乾燥させれば、シート状の膨潤部材9ができる。既存
の合成樹脂製の膨潤部材9には水を含んで厚みが100
倍〜300倍に膨張するものがある。膨潤部材9は、膨
脹率が高いほど高いシールド効果が得られる。膨潤部材
9の色は、前記主体部材8と同じくグレーであり、コン
クリートCと同色か又はそれに近似した色にしてある。
【0019】また、膨潤部材9は、前記実公昭61−5
3495号に記載されているような水溶紙であってもよ
い。もちろん膨潤部材9に水溶紙を選択した場合は、パ
ルプ屑がタイルTや目地部7に流出する不都合があるも
のの、粘着剤として次ぎに詳述するような熱硬化型粘着
剤10を使用すれば、パルプ屑がタイルTや目地部7に
こびり付いて取れ難くなる、という最悪の事態は回避で
きる。
【0020】熱硬化型粘着剤10は、コンクリートを加
熱養生させるときの加熱条件で溶融しない性質を備えて
いればどのようなものでもよい。例えば、天然ゴムまた
は合成ゴム75〜80重量%、耐熱樹脂としてフッ素樹
脂を10〜20重量%、フィラー(充填材)として亜鉛
化又は酸化チタンを5〜15重量%、架橋剤としてイソ
シアネートを数重量%の割合にして合成すれば、100
℃以下の温度で硬化し且つ130℃以上の耐熱性を発揮
する熱硬化型粘着剤10ができる。現在、コンクリート
の加熱養生は、スチームを使って100℃〜120℃の
温度で5〜10時間連続加熱するのが一般的なのであっ
て、前記のようにして合成した熱硬化型粘着剤10は、
そのような加熱条件に対して硬化し、加熱養生中全く溶
融することがない。
【0021】また、潤滑コーティング層11は、潤滑性
に優れた合成樹脂によって膨潤部材9の表面に形成され
る。潤滑性に優れた合成樹脂として、シリコン系樹脂で
高分子のものや、フッ素樹脂で高分子のものなどが知ら
れている。この潤滑コーティング層11を構成する合成
樹脂は、通常撥水性を伴うため、膨潤部材9の吸水性能
を阻害しない程度に極薄くしておくのがよい。潤滑コー
ティング層11は、タイルT側面との潤滑性を高めると
ともに膨潤部材9とタイルTの間に介在して膨潤部材9
を直接タイルT側面に触れさせない(潤滑コーティング
層11を薄くして細かい点の集合であるいわゆる網掛け
状態にすると膨潤部材9とタイルTが部分的に接触する
おそれがあるが、その面積が小さければ構わない。)よ
うに機能する。
【0022】本発明の目地用シールド部材Sは以上のよ
うに構成されており、その使用方法は、一般的なPC工
法として図4(a)〜(c)、図5及び図6(a),
(b)で説明した従来型の目地用シールド部材Sと同じ
である。したがって、タイルユニットを作り、それを図
6(a)のようにして型枠6の底に並べて散水するまで
の説明を省略する。但し、本発明の目地用シールド部材
Sは、図4(b)の状態にあるタイルT同士の隙間に嵌
め込むとき、表面に潤滑コーティング層11があるか
ら、極めてスムーズに作業が行え、また、膨潤部材9の
損傷も防ぐことができる。通常目地用シールド部材Sの
幅は、タイルT同士の隙間と同程度か或いはそれより若
干大きく設定されており、そのため潤滑コーティング層
11のない従来品は、タイルT側面に膨潤部材9が引っ
掛かって作業性が悪く、また、膨潤部材9がタイルT側
面に擦れて破れてしまうこともあった。
【0023】しかして、本発明の目地用シールド部材S
は、図6(b)の状態で加熱養生するとき、その熱で熱
硬化型粘着剤10が硬化する。したがって、従来品のよ
うに粘着剤100自体が溶融・流出してタイルTを汚し
たり目地部7を荒らしたりするおそれがない。また、本
実施形態において主体部材8を構成するポリエチレンな
どの合成樹脂は80℃程度の熱で溶融する性質があっ
て、図6(b)の状態で加熱養生するとき主体部材8が
溶融するおそれがあるが、熱硬化型粘着剤10が加熱養
生時に硬化するため、そのような溶融による主体部材8
の形態の崩れを最小限に抑制することができる。
【0024】そして、コンクリートパネルから目地用シ
ールド部材Sを取り除くときには、潤滑コーティング層
11が滑るため、簡単にしかも汚れを残すことなく綺麗
に除去することができる。ちなみに従来品の場合には、
膨潤部材9がタイルTの側面にべったりと接しているた
め、コンクリートパネルから取り除くときに膨潤部材9
の屑が残る確率が高い。
【0025】ところで、実施形態のように主体部材8の
材質としてポリエチレンなどの合成樹脂を採用した場合
には、図6(b)の状態で加熱養生するとき主体部材8
自体が溶融するおそれがあることを先に説明したが、そ
の結果として、主体部材8がコンクリートCに付着する
現象が起こり得る。そうすると、目地用シールド部材S
をコンクリートパネルから外したときに主体部材8の屑
が目地部7に残るおそれがある。しかし、本発明では主
体部材8の色をコンクリートCと同色か又はそれに近似
した色であるグレーに設定したため、仮に主体部材8の
屑が目地部7に残ったとしても保護色になって殆ど目立
たない。そしてさらに、本発明の目地用シールド部材S
は、膨潤部材9の色もコンクリートCと同色か又はそれ
に近似した色であるグレーに設定したため、もし万一膨
潤部材9の屑が目地部の隅などに残ったとしても保護色
になって殆ど目立たない。
【0026】図3は目地用シールド部材Sの他の実施形
態を示すもので型枠に入れた使用状態を示す拡大断面図
である。この目地用シールド部材Sは、前記主体部材8
のコンクリートCと接する側の面に、剥離性に優れた合
成樹脂で剥離コーティング層12を形成したものであ
る。剥離性に優れた合成樹脂は、シリコン系樹脂で高分
子のものや、フッ素樹脂で高分子のものなどがあり、前
記潤滑コーティング層11と同じ合成樹脂がそのまま使
える。このような剥離性に優れた合成樹脂は通常撥水性
を伴うため膨潤部材9の端面を覆うと膨潤部材9の吸水
性を妨げることになる。そのため、剥離コーティング層
12は膨潤部材9の端面に掛からないようにして形成す
るのが理想的である。ただ現実には、剥離コーティング
層12を細かい点の集合である網掛け状にしておけば膨
潤部材9の端面の一部に剥離コーティング層12が掛か
ったとしても吸水可能であり、しかも、膨潤部材9が多
少なりとも吸水して膨潤すれば吸水面積が広がるため殆
ど問題はない。
【0027】また、主体部材8に剥離コーティング層1
2を設けた目地用シールド部材Sでは、上下を識別する
手段を講ずるのがよい。何故なら、もし、剥離コーティ
ング層12を設けた目地用シールド部材Sを逆さにして
使用した場合は、剥離コーティング層12が粘着シート
5に貼り付かないため目地用シールド部材Sがタイルユ
ニットから脱落するおそれがあり、また、主体部材8が
溶融してコンクリートCに付着するおそれがある、など
の不都合があるからである。目地用シールド部材Sの上
下を識別する手段としては、例えば、剥離コーティン
グ層12を白にして主体部材8をグレーにするというよ
うに、剥離コーティング層12と主体部材8を色違いに
する、主体部材8の剥離コーティング層12と反対側
の面、又は剥離コーティング層12側の面にマーカーな
どでマーキングを施す、などがある。このような上下識
別手段を講ずれば、目地用シールド部材Sの向きを違え
て使用するおそれがなく、また、仮に目地用シールド部
材Sが逆さになっていても一目瞭然である。
【0028】しかして、上記剥離コーティング層12
は、主体部材8の材質としてポリエチレンなどのよう
な、コンクリートCの加熱養生の加熱条件で溶融する性
質の合成樹脂を採用した場合に有用性を発揮する。すな
わち、前記のようにポリエチレンなどの合成樹脂は80
℃程度の熱で溶融する性質があるから、図6(b)の状
態で加熱養生するとき主体部材8が溶融し、コンクリー
トCに付着するおそれがある。このとき、図3のように
コンクリートCと主体部材8の間に剥離コーティング層
12が介在していれば、主体部材8が溶融してもコンク
リートCに付着せず、また、剥離コーティング層12自
体もコンクリートCに付着しないから、主体部材8の屑
を残すことなくコンクリートパネルから目地用シールド
部材Sを取り除くことができる。
【0029】なお、剥離コーティング層12は、主体部
材8を隙間無く完全に被覆する必要はなく、前記のよう
に細かい点の集合であるいわゆる網掛け状であってもよ
い。そのような網掛け状態の剥離コーティング層12の
隙間を通ってもし主体部材8が部分的にコンクリートC
に付着したとしても、その結合力は極端に弱いため、主
体部材8が綺麗に剥がれる。また、仮に主体部材8が残
ったとしても非常に細かい屑しかなく、しかも、主体部
材8がコンクリートCと同色又はそれと近似した色にな
っていれば保護色になって殆ど目立たない。
【0030】以上本発明を二つの実施形態について説明
したが、上記において、目地用シールド部材Sに潤滑コ
ーティング層11や剥離コーティング層12を設ける技
術的思想及び膨潤部材9をコンクリートと同色か又はそ
れに近似した色にする技術的思想は、膨潤部材9を熱硬
化型粘着剤10で貼り付ける技術的思想や膨潤部材9と
して不溶性の合成樹脂を使用する技術的思想と抱き合わ
せでなくとも独立使用可能である。
【0031】すなわち、膨潤部材9のタイルTに接する
側の表面に設けた潤滑コーティング層11は、タイルT
と膨潤部材9の擦れ合いに起因する着脱時の困難性と装
着時に膨潤部材9が破れ易いことを解決課題とし、主体
部材8や膨潤部材9の材質・構造に拘わらず前記解決課
題が解消できる効果を発揮する。
【0032】また、主体部材8のコンクリートCと接す
る側の面に設けた剥離コーティング層12は、主体部材
8の材質がコンクリートCを加熱養生するときの加熱条
件で溶融する合成樹脂である場合に、主体部材8が溶融
してコンクリートCに付着する可能性があることを解決
課題とし、膨潤部材9の材質・構造や潤滑コーティング
層11の有無に拘わらず前記解決課題が解消できる効果
を発揮する。
【0033】また、膨潤部材9をコンクリートCと同色
か又はそれに近似した色にする技術的思想は、膨潤部材
9がコンクリートCに付着する可能性があることを解決
課題とし、膨潤部材9の材質・構造や潤滑コーティング
層11の有無に拘わらず、膨潤部材9の屑が目地部の隅
などに付着して残っても保護色になって目立たない、と
いう効果を発揮する。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の目地用シールド部
材は、コンクリートを加熱養生させるときの加熱条件で
溶融しない性質を備えた熱硬化型粘着剤で主体部材の側
面に膨潤部材を貼着するようにしたため、コンクリート
を加熱養生させるときの加熱条件で熱硬化型粘着剤が硬
化し、従来のように溶けて流出するようなことがない。
したがって、第一にコンクリートの目地部を荒らさない
から仕上がりが綺麗であり、第二に仮に膨潤部材に従来
型の水溶紙を選択したとしても、パルプ屑と粘着剤が混
ざり合う現象が起こらないから、例えパルプ屑がタイル
表面や目地部に流れ出たとしても水洗による除去が極め
て容易である、などの優れた効果を発揮する。
【0035】また、請求項2のように膨潤部材を膨潤性
を有する不溶性の合成樹脂で形成するようにすれば、膨
潤部材が液体を吸収して膨脹したとしても流動する状態
にならないから、水溶紙のようにタイル表面や目地部を
パルプ屑で汚す、というようなことがない。したがっ
て、前記熱硬化型粘着剤との相乗効果により、さらに目
地部の仕上がりが綺麗で、しかも脱型後の作業性が大幅
に向上する。
【0036】また、請求項3のように、膨潤部材のタイ
ルに接する側の表面に、潤滑性に優れた合成樹脂によっ
て潤滑コーティング層を形成すれば、第一に目地用シー
ルド部材がタイル側面に引っ掛かり難くなるから目地用
シールド部材をタイル間に装填する作業の能率が向上し
且つタイルとの擦れ合いで膨潤部材を傷めるおそれがな
く、第二に膨潤部材とタイルの間に潤滑コーティング層
が介在するから膨潤部材の屑がタイル側面に残るような
ことがなく、第三にコンクリートパネルから目地用シー
ルド部材を外す作業も簡単且つスムーズになる、などの
優れた効果を発揮する。
【0037】また、請求項4のように、主体部材のコン
クリートと接する側の面に、剥離性に優れた合成樹脂で
剥離コーティング層を形成すれば、主体部材の材質によ
りコンクリートを加熱養生させるときの加熱条件で主体
部材自身が溶融したとしてもコンクリートに付着するお
それがなく、目地用シールド部材が簡単且つ綺麗に取り
外せる。
【0038】さらにまた、請求項5のように、前記膨潤
部材をコンクリートと同色か又はそれに近似した色にし
た場合は、もし万一膨潤部材の屑がコンクリートに付着
したまま目地部に残ることがあったとしても、保護色に
なって殆ど目立たない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部を断面にして示す目地用シールド部材の
斜視図である。
【図2】 目地用シールド部材の拡大断面図である。
【図3】 他の実施形態を示すもので型枠に入れた使用
状態を示す目地用シールド部材の拡大断面図である。
【図4】 (a)〜(c)は、タイルユニットの製作工
程を示す断面図である。
【図5】 タイルと目地用シールド部材を嵌めた状態を
示す治具の平面図である。
【図6】 (a)は型枠にタイルユニットをセットした
状態を示す要部断面図、(b)は型枠にコンクリートを
流し込んだ状態を示す要部断面図である。
【図7】 従来の目地用シールド部材を並べて示す斜視
図である。
【図8】 従来の使用状態を示すものであって、拡大図
Zを含む型枠要部の断面図である。
【符号の説明】
C …コンクリート S …目地用シールド部材 T …タイル 6 …型枠 8 …主体部材 9 …膨潤部材 10…熱硬化型粘着剤 11…潤滑コーティング層 12…剥離コーティング層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠内に並べたタイルの目地部分を塞い
    でセメントペーストなどの漏出を防止するものであっ
    て、液体を吸収して厚みを増す構造の膨潤部材を主体部
    材の側面に貼着してなる目地用シールド部材において、 前記膨潤部材を、コンクリートを加熱養生させるときの
    加熱条件で溶融しない性質を備えた熱硬化型粘着剤によ
    って主体部材の側面に貼着してなることを特徴とする目
    地用シールド部材。
  2. 【請求項2】 前記膨潤部材は膨潤性を有する不溶性の
    合成樹脂であることを特徴とする請求項1記載の目地用
    シールド部材。
  3. 【請求項3】 前記膨潤部材のタイルに接する側の表面
    に、潤滑性に優れた合成樹脂で潤滑コーティング層を形
    成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の目地
    用シールド部材。
  4. 【請求項4】 前記主体部材のコンクリートと接する側
    の面に、剥離性に優れた合成樹脂で剥離コーティング層
    を形成してなることを特徴とする請求項1,2又は3記
    載の目地用シールド部材。
  5. 【請求項5】 前記膨潤部材をコンクリートと同色か又
    はそれに近似した色にしてなることを特徴とする請求項
    1,2,3又は4記載の目地用シールド部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110171943A (zh) * 2019-06-12 2019-08-27 重庆炎达环保科技有限公司 一种海绵城市人行道透水砖及其制备方法

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