JPH10289671A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JPH10289671A
JPH10289671A JP9580397A JP9580397A JPH10289671A JP H10289671 A JPH10289671 A JP H10289671A JP 9580397 A JP9580397 A JP 9580397A JP 9580397 A JP9580397 A JP 9580397A JP H10289671 A JPH10289671 A JP H10289671A
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electron beam
horizontal
vertical
horizontal direction
electron
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JP9580397A
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Kazunori Sato
和則 佐藤
Osamu Ono
修 小野
Koji Awano
孝司 粟野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一列配置の3電子ビームが偏向磁界から受け
る偏向歪を小さくして、解像度のすぐれたカラー受像管
を構成することを目的とする。 【解決手段】 同一平面上を通る複数ビームを形成する
電子ビーム形成部と、その複数ビームを最終的に蛍光体
スクリーン上に集束する主レンズとを有する電子銃26を
備えるカラー受像管において、電子ビーム形成部の水平
方向の仮想物点を垂直方向のそれよりも蛍光体スクリー
ンに近く、水平方向の仮想物点径を垂直方向のそれより
も大きく、かつクロスオーバー後の水平方向の発散角を
垂直方向のそれよりも大きく、かつ蛍光体スクリーンの
中央部上で水平方向のフォーカス電位が相対的に垂直方
向のそれよりも高くなるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画面全域にわた
りすぐれた解像度が得られるカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、パネルおよびフ
ァンネルからなる外囲器を有し、そのファンネルのネッ
ク内に配設された電子銃から放出される3電子ビームを
ファンネルの外側に装着された偏向ヨークにより偏向
し、シャドウマスクを介してパネルの内面に形成された
蛍光体スクリーンを水平、垂直走査することにより、カ
ラー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管において、特に電
子銃を同一水平面上を通るセンタービームおよび一対の
サイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出す
るインライン型電子銃とし、この電子銃を、図8(a)
に示すピンクッション型水平偏向磁界1H および同
(b)に示すバレル型垂直偏向磁界1V からなる非斉一
磁界を発生する偏向ヨークと組合わせて、同一水平面上
を通る一列配置の3電子ビームを自己集中するセルフコ
ンバーゼンス方式インライン型カラー受像管が、現在、
カラー受像管の主流となっている。
【0004】このセルフコンバーゼンス方式インライン
型カラー受像管の電子銃としては、各種形態のものがあ
るが、いずれも水平方向に一列配置された3個のカソー
ドおよびこれらカソードからの電子放出を制御しかつ放
出された電子を集束して電子ビームを形成する第1、第
2グリッドからなる電子ビーム形成部、およびこの電子
ビーム形成部からの電子ビームを最終的に蛍光体スクリ
ーン上に集束する少なくとも2個のグリッドからなる主
レンズを有する。
【0005】このセルフコンバーゼンス方式インライン
型カラー受像管によれば、ダイナミック・コンバーゼン
ス装置などの集中装置を用いることなく、一列配置の3
電子ビームを画面全面にわたり集中することができる。
しかしこのセルフコンバーゼンス方式インライン型カラ
ー受像管は、上記水平、垂直偏向磁界の非斉一性のため
に、画面周辺部における解像度が劣化する。しかもその
傾向は、偏向角が90°から110°と大きくなるにし
たがって顕著になるという問題がある。
【0006】この画面周辺部における解像度の劣化は、
図8(a)および(b)に一列配置の3電子ビーム2B
,2G ,2R のうち、一方のサイドビーム2R につい
て示したように、ピンクッション型水平偏向磁界1H お
よびバレル型垂直偏向磁界1Vにより、水平方向の集束
が弱められ、垂直方向の集束が強められることが原因で
あり、そのために、画面上のビームスポットは、図9に
示すように、画面中央のビームスポット3a を真円とし
ても、周辺部のビームスポット3b は、水平方向に長い
楕円状の高輝度コア部4の垂直方向に長いハロー5が生
ずる形状となる。
【0007】この画面周辺部のビームスポット3b の歪
(偏向歪)を改善する手段として、電子ビーム形成部か
らの電子ビームを予備集束するプリフォーカスレンズで
電子ビームを強く絞り、主レンスや偏向磁界を通過する
ときのビーム径を小さくすることにより、偏向歪を軽減
する方法がある。しかしこの方法では、クロスオーバー
径が大きくなり、画面中央部の解像度が劣化する。
【0008】上記画面周辺部のビームスポット3b の歪
を改善する他の手段として、特開平1−236554号
公報には、図10に示すように、主レンズを形成する低
電位側の第3グリッドG3 近傍に水平方向よりも垂直方
向に相対的に強い集束作用をもたせるとともに、主レン
ズを形成する第3、第4グリッドG3 ,G4 の対向部内
側に電界補正部材7a ,7b を配置して、主レンズの高
電位側に水平方向よりも垂直方向に相対的に強い発散作
用をもたせた電子銃が示されている。
【0009】この電子銃では、図11にモデル的に示す
ように、電子ビーム2(2B ,2G,2R )は、第3グ
リッド側の集束電界領域8では、水平方向には線fgで
示したように相対的に弱い集束作用を受け、垂直方向に
は線FGで示したように相対的に強い集束作用を受け
る。また第4グリッド側の発散領域9では、水平方向に
は線giで示したように相対的に弱い発散作用を受け、
垂直方向には線GIで示したように相対的に強い発散作
用を受ける。その結果、この電子銃では、電子ビーム2
は、その垂直方向と水平方向とで異なる作用により、こ
の主レンズを通って放出される電子ビーム2の垂直方向
の集束角βV 、水平方向の集束角βH は、 βV <βH となり、偏向領域10における電子ビーム2の断面形状
は、垂直方向を短径、水平方向を長径とする楕円状とな
る。ただしこの場合、蛍光体スクリーン11中央上での
ビームスポット3は、水平、垂直方向ともに、同径とな
るように設定される。
【0010】それにより、図12(a)に示すように、
電子ビーム2が偏向ヨークの水平偏向磁界1H から受け
る力Fの水平方向成分FH および垂直方向成分FV は、
それぞれ小さいため、偏向後の歪は小さく、かつ上記の
ように水平方向集束角βH にくらべて垂直方向の集束角
βV が小さいため、同(b)に示すように、画面周辺部
に向かう電子ビーム2の断面形状は、水平方向を長径と
して、短径、長径が若干強調された楕円状となる。
【0011】その結果、蛍光体スクリーン上のビームス
ポットは、図13に示すように、画面中央部のビームス
ポット3a を真円として、周辺部のビームスポット3b
のハロー5を抑制または発生しない楕円状とすることが
でき、画面中央部の解像度を劣化させることなく、周辺
部の解像度を向上させることができる。
【0012】しかしこのような電子銃では、偏向角が1
10°程度に広偏向角化されると、図12に示した偏向
ヨークの水平偏向磁界1H から受ける力Fが大きくなる
ため、偏向収差を受けにくするためには、電子ビーム2
の断面形状をより水平方向に長い楕円状にする必要があ
り、主レンズの水平方向と垂直方向の非対称性をより強
くしなければならない。しかし主レンズの水平方向と垂
直方向の非対称性を強くすると、主レンズの垂直方向の
倍率が水平方向の倍率に対してより大きくなり、図14
に示すように、画面中央部のビームスポット3a が縦長
の楕円状となり、画面中央部の解像度が劣化するように
なる。
【0013】一方、電子ビーム形成部で画面周辺部のビ
ームスポットの歪を改善する方法として、特公平3−6
4979号公報には、第1グリッド(制御電極)の電子
ビーム通過孔を水平方向を長径とする横長形状として、
水平方向のクロスオーバー径φH を垂直方向のクロスオ
ーバー径φV よりも大きくし、かつプリフォーカスレン
ズを非対称にして、プリフォーカスレンズの水平方向の
倍率MH を垂直方向の倍率MV よりも小さくし、主レン
ズの水平、垂直方向の倍率MM を同じにした電子銃が示
されている。
【0014】このように構成することにより、画面中央
部でのビームスポットの水平方向径SH 、垂直方向径S
V は、 SH =φH ×MH ×MM SV =φV ×MV ×MM で表されるので、φH ,φV ,MH ,MM を適切に選ぶ
ことにより、画面中央部のビームスポットをほぼ円形と
し、かつ偏向磁界を通過するときの電子ビームの断面形
状を垂直方向を短径とする楕円状とすることにより、垂
直方向に強く受けやすい偏向歪を軽減して、画面周辺部
の解像度の劣化を低減することができると述べている。
【0015】しかしこのような構成では、第1グリッド
の電子ビーム通過孔を横長形状としたことにより、クロ
スオーバー後の水平方向の発散角が大きくなり、これに
加えて、非対称のプリフォーカスレンズで、さらに水平
方向の発散角を垂直方向の発散角よりも大きくするた
め、主レンズに入射するとき電子ビームは、水平方向径
が垂直方向径よりもかなり大きくなり、電子ビームは、
水平方向に主レンズの球面収差を強く受ける。
【0016】この主レンズの水平方向の球面収差を受け
にくくするためには、プリフォーカスレンズを強くする
しかなく、その結果、水平方向の物点がさらに大きくな
り、画面中央部の解像度が劣化するようになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、同一水
平面上を通る一列配置の3電子ビームを放出する電子銃
を備えるセルフコンバーゼンス方式インライン型カラー
受像管の画面周辺部の解像度の劣化を防止するため、電
子ビーム形成部や主レンズで電子ビームを整形し、偏向
磁界を通過するときの電子ビームの断面形状を水平方向
に長い横長の楕円状として、偏向磁界の影響を小さくし
たカラー受像管がある。しかしこれら従来のカラー受像
管の電子銃は、画面中央部の解像度が劣化したり、また
偏向角が大きくなった場合に画面中央部の解像度が劣化
し、画面全域の解像度を良好にすることが困難である。
【0018】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、同一平面上を通る一列配置の3電
子ビームが偏向磁界から受ける偏向歪を小さくして、画
面全域にわたりすぐれた解像度が得られるカラー受像管
を構成することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】同一平面上を通る複数ビ
ームを形成するカソードおよび第1、第2グリッドから
なる電子ビーム形成部と、この電子ビーム形成部からの
複数ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する複
数個のグリッドからなる主レンズとを有する電子銃を備
えるカラー受像管において、電子銃を、電子ビーム形成
部の水平方向の仮想物点が垂直方向の仮想物点よりも蛍
光体スクリーンに近く、水平方向の仮想物点径が垂直方
向の仮想物点径よりも大きく、かつクロスオーバー後の
水平方向の発散角が垂直方向の発散角よりも大きく、主
レンズの水平方向の集束、発散作用が垂直方向の集束、
発散作用よりも弱く、かつ蛍光体スクリーンの中央部上
で水平方向のフォーカス電位が相対的に垂直方向のフォ
ーカス電位よりも高くなるように構成した。
【0020】また、その電子ビーム形成部の第1グリッ
ドの電子ビーム通過孔を水平方向を長径とする横長形状
に形成し、第2グリッドの電子ビーム通過孔を円形状に
形成した。
【0021】また、主レンズを、蛍光体スクリーンの中
央部上で水平方向のフォーカス電位が垂直方向のフォー
カス電位よりも300V高くなるように構成した。
【0022】また、主レンズの水平方向を大口径レンズ
に構成した。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0024】図3にその一形態であるカラー受像管の構
成を示す。このカラー受像管は、パネル20およびファ
ンネル21からなる外囲器を有し、そのパネル20の内
面に、青、緑、赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍光
体スクリーン22が設けられ、この蛍光体スクリーン2
2に対向して、その内側にシャドウマスク23が配置さ
れている。一方、ファンネル21のネック24内に、同
一水平面上を通るセンタービーム25G および一対のサ
イドビーム25B ,25R からなる一列配置の3電子ビ
ーム25B ,25G ,25R を放出する電子銃26が配
設されている。またファンネル21の径大部27に陽極
端子28が設けられ、さらにその径大部27内面からネ
ック24の隣接部内面にかけて、内面導電膜29が設け
られている。そして、上記電子銃26から放出される一
列配置の3電子ビーム25B ,25G ,25R を、ファ
ンネル21のネック24と径大部27との境界部付近の
外側に装着された偏向ヨーク30の発生する磁界により
偏向し、シャドウマスク23を介して蛍光体スクリーン
22を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表
示する構造に形成されている。
【0025】上記電子銃26は、図1に示すように、水
平方向(H軸方向)に一列配置された3個のカソードK
B ,KG ,KR 、これらカソードKB ,KG ,KR を各
別に加熱する3個のヒーター(図示せず)、上記カソー
ドKB ,KG ,KR から蛍光体スクリーン方向に順次所
定間隔離れて配置された第1乃至第4グリッドG1 〜G
4 およびその第4グリッドG4 の蛍光体スクリーン側端
部に取付けられたコンバーゼンス・カップCを有し、そ
のヒーター、カソードKB ,KG ,KR および第1乃至
第4グリッドG1 〜G4 が、一対の絶縁支持体(図示せ
ず)により一体に固定されている。
【0026】その第1グリッドG1 は、板厚の薄い板状
電極からなり、その板面には、3個のカソードKB ,K
G ,KR に対応して、図2(a)に示すように、水平方
向を長径とする比較的小さな3個の長方形状電子ビーム
通過孔32B ,32G ,32R が水平方向に一列配置に
形成されている。
【0027】第2グリッドG2 も、板厚の薄い板状電極
からなり、その板面には、3個のカソードKB ,KG ,
KR に対応して、比較的小さな3個の円形状電子ビーム
通過孔が水平方向に一列配置に形成されている。
【0028】第3グリッドG3 は、2個のカップ状電極
の開放端間に板状の電界補正電極33が配置され、この
電界補正電極33を介して上記2個のカップ状電極の開
放端を突合わせた筒状電極からなる。その第2グリッド
G2 側の端面には、3個のカソードKB ,KG ,KR に
対応して、第2グリッドG2 の電子ビーム通過孔よりも
やや大きな3個の円形状電子ビーム通過孔が水平方向に
一列配置に形成されている。また第4グリッドG4 側の
端面には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応し
て、上記第2グリッドG2 側の端面の電子ビーム通過孔
よりも大きな3個のバーリングのない円形状電子ビーム
通過孔が水平方向に一列配置に形成されている。また電
界補正電極33の板面にも、3個のカソードKB ,KG
,KR に対応して、上記第4グリッドG4 側の端面の
電子ビーム通過孔とほぼ同じ大きさの3個の円形状電子
ビーム通過孔が水平方向に一列配置に形成されている。
【0029】第4グリッドG4 は、2個のカップ状電極
の開放端を突合わせた筒状電極からなる。その第3グリ
ッドG3 側の端面には、3個のカソードKB ,KG ,K
R に対応して、図2(b)に示すように、水平方向を長
径とする3個のバーリングのないトラックフィールド状
電子ビーム通過孔34B ,34G ,34R が水平方向に
一列配置に形成されている。またコンバーゼンス・カッ
プC側の端面にも、3個のカソードKB ,KG ,KR に
対応して、第3グリッドG3 の第4グリッドG4 側の端
面の電子ビーム通過孔とほぼ同じ大きさの3個の円形状
電子ビーム通過孔が水平方向に一列配置に形成されてい
る。
【0030】コンバーゼンス・カップCは、第4グリッ
ドG4 側を底部として取付けられ、その底部には、3個
のカソードKB ,KG ,KR に対応して、上記第4グリ
ッドG4 のコンバーゼンス・カップC側の端面の電子ビ
ーム通過孔とほぼ同じ大きさの3個の円形状電子ビーム
通過孔が水平方向に一列配置に形成されている。
【0031】この電子銃26では、各カソードKB ,K
G ,KR に200V程度の直流電圧に映像信号を重畳し
た電圧が印加され、第1グリッドG1 は、接地される。
第2グリッドG2 には約800V、第3グリッドG3 に
は約8〜10 kVの中電圧が印加され、第4グリッドG
4 には約30 kVの高電圧が印加される。この第4グリ
ッドG4 の電圧は、ファンネル21の径大部27に設け
られた陽極端子28、ファンネル21の内面に設けられ
た内面導電膜29、コンバーゼンス・カップCに取付け
られてその内面導電膜29に圧接するバルブスペーサー
およびコンバーゼンス・カップCを介して供給される
が、ヒーター、カソードKB ,KG ,KRおよびその他
のグリッドG1 〜G3 には、ネック端部のステム36に
設けられた複数本のステムピン37を介して供給される
(図3参照)。
【0032】このような電圧の印加により、カソードK
B ,KG ,KR および第1、第2グリッドG1 ,G2 に
より、各カソードKB ,KG ,KR からの電子放出を制
御し、放出された電子を加速、集束する電子ビーム形成
部が形成され、第2、第3グリッドG2 ,G3 により、
この電子ビーム形成部からの電子ビームを予備集束する
プリフォーカスレンズが形成され、第3、第4グリッド
G3 ,G4 により、このプリフォーカスレンズで予備集
束された電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に加
速、集束する主レンズが形成される。
【0033】特にこの電子銃26では、電子ビーム形成
部の第1グリッドG1 の電子ビーム通過孔が水平方向を
長径とする長方形状、第2グリッドG2 の電子ビーム通
過孔が円形状であるため、電子ビームの軌道は、図4に
水平方向の軌道を39H 、垂直方向(V軸方向)の軌道
を39V で示したようになる(Kはカソード)。それに
より、 (イ) 水平方向の仮想クロスオーバー点40H は、垂
直方向の仮想クロスオーバー点40V よりも蛍光体スク
リーン側 (ロ) 水平方向の仮想クロスオーバー径は、垂直方向
の仮想クロスオーバー径よりも大 (ハ) 水平方向の仮想クロスオーバー後の発散角αH
は、垂直方向の仮想クロスオーバー後の発散角αV より
も大 となる。
【0034】一方、主レンズでは、相対的に低い電圧
(中電圧)が印加される第3グリッドG3 側に集束電
界、相対的に高い電圧(高電圧)が印加される第4グリ
ッドG4側に発散電界が形成されるが、これら第3、第
4グリッドG3 ,G4 の対向面の電子ビーム通過孔は、
それぞれバーリングがないため、図5(a)に示すよう
に、この主レンズの水平方向の電位分布41H は、3個
の電子ビーム通過孔共通の等電位線となり、水平方向に
は口径の大きいレンズが形成される。これに対して、垂
直方向の電位分布41V は、図5(b)に示すように、
水平方向の電位分布にくらべて曲率の大きい分布とな
り、垂直方向には水平方向よりも口径の小さいレンズが
形成される。その結果、この主レンズでは、垂直方向に
は相対的に強い集束電界と強い発散電界が形成され、水
平方向には相対的に弱い集束電界と弱い発散電界が形成
される。
【0035】したがつて上記電子ビーム形成部と主レン
ズの作用をモデル的に示すと、図6に示すようになる。
すなわち、蛍光体スクリーン22の中央上の点Pから水
平方向の仮想クロスオーバー点Qおよび垂直方向の仮想
クロスオーバー点Rまでの距離PQ、PRは、 PQ<PR となる。また水平方向の発散角αH 、垂直方向の発散角
αV が、 αH >αV となる。
【0036】一方、主レンズは、水平方向には、大口径
レンズの形成により、集束電界領域42ではfgで示し
たように相対的に弱い集束作用、発散電界領域43では
giで示したように相対的に弱い集束作用をもち、垂直
方向には、レンズ口径が水平方向のレンズ口径よりも小
さいため、集束電界領域42ではFGで示したように相
対的に強い集束作用、発散電界領域43ではGIで示し
たように相対的に強い集束作用をもつ。それにより、こ
の主レンズを通って放出される電子ビーム25(25B
,25G ,25R )の水平方向の集束角βH 、垂直方
向の集束角βV は、 βH >βV となり、この主レンズを通って放出される電子ビーム2
5の断面形状は、横長の楕円状となる。
【0037】したがって偏向領域44では、電子ビーム
25の断面形状が横長の楕円状であるため、偏向収差を
受けにくく、しかも垂直方向の集束角βV が水平方向の
集束角βH よりも小さいことと、画面中央上の点Pで垂
直方向がアンダーフォーカスになるように、主レンズの
水平方向のフォーカス電位を垂直方向のフォーカス電位
よりも高く設定、たとえば300V程度高く設定するこ
とにより、図7に示すように、画面周辺部のビームスポ
ット45b を垂直方向のハローの少ない形状にすること
ができる。
【0038】この場合、画面中央部のビームスポット4
5a は、上記のように垂直方向がアンダーフォーカスに
なっていることと、主レンズの垂直方向のレンズ口径が
水平方向のレンズ口径よりも小さいことから、垂直方向
のレンズ倍率および球面収差が水平方向よりも大きくな
り、通常では垂直方向に長い縦長のビームスポットとな
るが、この実施の形態の電子銃では、上述した(イ)、
(ロ)、(ハ)の作用により、水平方向径と垂直方向径
を同径とすることができる。
【0039】その結果、画面全域の解像度を良好にする
ことができる。
【0040】なお、上記実施の形態では、バイポテンシ
ャル型電子銃について説明したが、この発明は、バイポ
テンシャル型電子銃以外の電子銃にも適用可能である。
【0041】
【発明の効果】同一平面上を通る複数ビームを形成する
カソードおよび第1、第2グリッドからなる電子ビーム
形成部と、この電子ビーム形成部からの複数ビームを最
終的に蛍光体スクリーン上に集束する複数個のグリッド
からなる主レンズとを有する電子銃を備えるカラー受像
管において、電子銃を、電子ビーム形成部の水平方向の
仮想物点が垂直方向の仮想物点よりも蛍光体スクリーン
に近く、水平方向の仮想物点径が垂直方向の仮想物点径
よりも大きく、かつクロスオーバー後の水平方向の発散
角が垂直方向の発散角よりも大きく、主レンズの水平方
向の集束、発散作用が垂直方向の集束、発散作用よりも
弱く、かつ蛍光体スクリーンの中央部上で水平方向のフ
ォーカス電位が相対的に垂直方向のフォーカス電位より
も高くなるように構成し、また、その電子ビーム形成部
の第1グリッドの電子ビーム通過孔を水平方向を長径と
する横長形状に形成し、第2グリッドの電子ビーム通過
孔を円形状に構成し、また、主レンズを蛍光体スクリー
ンの中央部上で水平方向のフォーカス電位が垂直方向の
フォーカス電位よりも300V高くなるように構成し、
また、主レンズの水平方向を大口径レンズに構成する
と、偏向収差を低減するために、偏向磁界を通過すると
きの電子ビームの断面形状を水平方向に長い楕円状とし
た場合、従来の電子銃では、画面中央部の解像度が劣化
したが、この発明では、主レンズの水平方向の口径を垂
直方向の口径よりも大きくなるように形成し、電子ビー
ム形成部でそれに適応した電子ビームを形成することに
より、画面全域にわたりビームスポットの形状を良好に
し、解像度のすぐれたカラー受像管を構成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の実施の一形態のカラー
受像管の電子銃の構成を示す正面図、図1(b)はその
側面図である。
【図2】図2(a)は上記電子銃の第1グリッドの電子
ビーム通過孔の形状を示す平面図、図2(b)は第4グ
リッドの第3グリッド側端面の電子ビーム通過孔の形状
を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の一形態のカラー受像管の構成
を示す図である。
【図4】上記電子銃の電子ビーム形成部で形成される電
子ビームの軌道を説明するための図である。
【図5】図5(a)は上記電子銃の主レンズの水平方向
の電界を説明するための図、図5(b)は垂直方向の電
界を説明するための図である。
【図6】上記電子銃に形成される電子レンズの作用を説
明するための図である。
【図7】この発明の実施の一形態のカラー受像管の画面
上のビームスポットの形状を説明するための図である。
【図8】図8(a)はセルフコンバーゼンス方式インラ
イン型カラー受像管に装着される偏向ヨークの水平偏向
磁界の図、図8(b)は垂直偏向磁界の図である。
【図9】上記セルフコンバーゼンス方式インライン型カ
ラー受像管の画面上のビームスポットの形状を説明する
ための図である。
【図10】従来のインライン型カラー受像管の画面上の
ビームスポットの形状を改善する電子銃の構成を示す図
である。
【図11】図10に示した電子銃の電子レンズの作用を
説明するための図である。
【図12】偏向ヨークの水平偏向磁界が電子ビームに及
ぼす作用を説明するための図である。
【図13】図10に示した電子銃を用いたインライン型
カラー受像管の画面上のビームスポットの形状を説明す
るための図である。
【図14】図10に示した電子銃の主レンズの水平方向
と垂直方向との非対称性を強くした場合の画面上のビー
ムスポットの形状を説明するための図である。
【符号の説明】
22…蛍光体スクリーン 25B ,25G ,25R …一列配置の3電子ビーム 26…電子銃 32B ,32G ,32R …第1グリッドの電子ビーム通
過孔 33…電界補正電極 34B ,34G ,34R …第4グリッドの第3グリッド
側端面の電子ビーム通過孔 40H …水平方向の仮想クロスオーバー点 40V …垂直方向の仮想クロスオーバー点 G1 …第1グリッド G2 …第2グリッド G3 …第3グリッド G4 …第4グリッド KB ,KG ,KR …カソード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一平面上を通る複数ビームを形成する
    カソードおよび第1、第2グリッドからなる電子ビーム
    形成部と、この電子ビーム形成部からの複数ビームを最
    終的に蛍光体スクリーン上に集束する複数個のグリッド
    からなる主レンズとを有する電子銃を備えるカラー受像
    管において、 上記電子銃は上記電子ビーム形成部の水平方向の仮想物
    点が垂直方向の仮想物点よりも上記蛍光体スクリーンに
    近く、水平方向の仮想物点径が垂直方向の仮想物点径よ
    りも大きく、かつクロスオーバー後の水平方向の発散角
    が垂直方向の発散角よりも大きく、上記主レンズの水平
    方向の集束、発散作用が垂直方向の集束、発散作用より
    も弱く、かつ上記蛍光体スクリーンの中央部上で水平方
    向のフォーカス電位が相対的に垂直方向のフォーカス電
    位よりも高くなるように構成されていることを特徴とす
    るカラー受像管。
  2. 【請求項2】 電子ビーム形成部は第1グリッドの電子
    ビーム通過孔が水平方向を長径とする横長形状に形成さ
    れ、第2グリッドの電子ビーム通過孔が円形状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のカラー受像
    管。
  3. 【請求項3】 主レンズは蛍光体スクリーンの中央部上
    で水平方向のフォーカス電位が垂直方向のフォーカス電
    位よりも300V高くなるように構成されていることを
    特徴とする請求項1記載のカラー受像管。
  4. 【請求項4】 主レンズは水平方向が大口径レンズに構
    成されているいることを特徴とする請求項1記載のカラ
    ー受像管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002084694A1 (fr) * 2001-04-06 2002-10-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Tube image couleur
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