JPH102882A - 連続磁気探傷方法及び装置 - Google Patents

連続磁気探傷方法及び装置

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JPH102882A
JPH102882A JP15664596A JP15664596A JPH102882A JP H102882 A JPH102882 A JP H102882A JP 15664596 A JP15664596 A JP 15664596A JP 15664596 A JP15664596 A JP 15664596A JP H102882 A JPH102882 A JP H102882A
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rotating magnetic
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rotating
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JP15664596A
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Yoshiyuki Nagakura
義之 永倉
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被探傷検査面の局部的な残留磁気の有無や変
動の影響を効果的に抑えて探傷精度を向上させながら、
同時に探傷作業能率向上についても配慮する。 【解決手段】 矢印A1の方向に移動させるとすれば、
位相差のある交流電圧が印加される複数の磁気コイルを
用いて被探傷検査面に回転磁場のRE2を与える探傷検
出用の回転磁場ユニットを用いる。又RE1を与える残
留磁気脱磁用の回転磁場ユニットを備える。探傷検出用
の前方で残留磁気脱磁用を行うことで、残留磁気による
探傷精度のばらつきを抑えることができる。又同時に残
留磁気脱磁がなされるため、作業能率が向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】位相差のある交流電圧が印加
される複数の磁気コイルを用いて被探傷検査面に回転磁
場を与える回転磁場ユニットを、該被探傷検査面に対し
て相対的に移動させることで連続的に探傷する連続磁気
探傷方法及び装置に係り、特に、被探傷検査面の局部的
な残留磁気の有無や変動の影響を効果的に抑えて探傷精
度を向上させながら、同時に探傷作業能率についても配
慮するようにした連続磁気探傷方法及び装置に関する。
【0002】又、本発明については、磁性材の板面表面
や突き合わせ溶接部、スミ肉溶接部の表面や表面直下の
傷を検査することができる連続磁気探傷方法及び装置に
関するものであり、例えば磁粉探傷法では磁粉を介して
可視化可能ならしめることができる連続磁気探傷方法及
び装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】厚鋼板等の磁性鋼材の板面からの表面及
び表面直下からの欠陥検査には、渦流探傷法や磁粉探傷
法を含む磁気探傷法が多用されている。ここで磁粉探傷
法を含む磁気探傷法では、固定のライン設備とされた磁
気探傷装置と、可搬式の磁気探傷装置とがある。しかし
ながら、可搬式磁気探傷装置においては、探傷のみを目
的とする装置であった。ところが、鋼板等の磁粉を主と
する磁気探傷法においては、板面及び板内残留磁気が局
部的に異なるため探傷時の磁化の程度が不均一になり、
探傷結果が安定せず、探傷精度がばらつくという問題が
あった。
【0004】一般に板面又は溶接部の全方向の傷を検出
対象とした交番磁粉探傷装置では、主に2極磁極(磁気
コイル)を直交させた4極間に磁化電流の位相差を与
え、発生する磁界(磁場)を回転させて被探傷検査面上
に回転磁場を与えるようにする。なおここで、このよう
に被探傷検査面に対して回転磁場を与えるものを回転磁
場ユニットと称する。又、このような回転磁場ユニット
を用いる交番磁粉探傷装置では、回転磁場ユニットを中
心とした探傷ユニットを、回転磁場に対して相対的に移
動させることで連続的に探傷するのが一般的である。
又、4極の代わりに3相交流の位相差を利用した回転磁
場ユニットを用いる連続磁気探傷装置もある。
【0005】なお上述のような回転磁場ユニットに関す
る基本的な技術は、特開昭54−94393(特公昭5
7−45337)、特公昭59−22179(特開昭5
2−88392)、特開昭49−79584、特開昭4
9−95684及び実開昭59−187748等に開示
されている。又このような回転磁場ユニットを千鳥状に
連設したものに関しての技術が、特公平3−44668
(特開昭61−25056)、特開昭62−16295
6、特開昭58−153158、特開昭58−1531
59、及び特開昭61−116655等で開示されてい
る。
【0006】ここで回転磁場ユニットを千鳥状に連設す
るというこれらの技術について順に説明すると、まず特
公平3−44668では、回転磁場ユニットを3極式の
ものとしており、又千鳥状に連設される隣接する3つの
回転磁場ユニット間で取り囲まれる範囲内にも回転磁場
が得られるように、隣接する3つの回転磁場ユニットの
磁気コイル間に対して、回転磁場が得られるような順次
位相差のある交流電流を流すようにしている。このよう
にすることで千鳥状に連設された回転磁場ユニット間に
も回転磁場が存在するようになり、回転磁場ユニット間
においても、あらゆる方向の傷等の欠陥を検出すること
を可能としている。
【0007】又前述の特開昭62−162956では、
厚鋼板等の広幅材の上面部の全幅を一度に探傷できるよ
うにするだけでなく、側面までをも同時に探傷するとい
う技術が開示されている。この特開昭62−16295
6では、千鳥状に配列される回転磁場ユニットの一端側
の磁極の少なくとも一部が、被検材のコーナ部から外側
に突出するように配置するようにしている。このように
突出することで側面まで磁界を及ぼし、上面と同時に探
傷できるようにしている。
【0008】前述の特開昭58−153158では、特
に棒鋼や鋼管に対して、前述のような回転磁場を与える
回転磁場ユニットを適用している。即ち位相差のある交
流電圧が印加される複数の磁気コイルを棒鋼や鋼管の円
周外側に円周に沿って配列することで回転磁場ユニット
を形成すると共に、円周方向の位置をずらしながら長手
方向にこのような回転磁場ユニットを配列して千鳥状に
すると共に、隣接する回転磁場ユニット間の磁気コイル
相互によっても回転磁場が得られるように配慮してい
る。従ってこの特開昭58−153158によれば、棒
材や鋼管等の長手方向及び円周方向の探傷をも可能とす
ることができる。
【0009】なお前述の特開昭58−153159で
は、上述の特開昭58−153158と関連した技術が
開示されている。該特開昭58−153159では、棒
鋼や鋼管、更には角ビレットや鋼板を対象としており、
特に回転磁場を与えるために用いる磁気コイルについて
工夫がなされ、該磁気コイルは絶縁性薄膜の面に導電性
金属層を付層し、この金属層に切り込み加工し、繊細な
線条が高密度に巻かれた渦巻状金属層を形成する。又こ
のように形成されるフィルム状の磁気コイルを、棒鋼や
鋼管の被探傷検査面の外周に沿うように、円弧状に湾曲
させて用いるようにしている。
【0010】なお、渦流探傷法や磁粉探傷法では、磁気
コイルによって被探傷検査面を磁化させながら探傷を行
うため、探傷検査後に被探傷検査面に対して残留磁気が
生じてしまう虞がある。すると例えば磁粉探傷法では、
検査用の強磁性体粉が残留してしまったり、あるいは後
工程の機械加工の切削粉が吸着してしまったりして、被
探傷検査面表面に対して擦り傷が付いたり、磨耗を起こ
す虞がある。このため特開昭61−116655では、
渦流探傷法や磁粉探傷法に用いる磁気コイルによって、
一旦探傷検査が終了した後に被探傷検査面表面の残留磁
気を消去するようにしている。
【0011】なお本願の発明者は連続磁気探傷方法及び
装置に関する技術を特開平6−294774で開示して
いる。この特開平6−294774では、磁粉探傷検査
の自動化や、探傷中の被探傷検査面の目視が容易にでき
るように配慮している。この特開平6−294774で
は、回転磁場ユニットによって回転磁場が与えられてい
る最中の被探傷検査面を、回転磁場ユニットの上方から
直視したり、CCD(charge coupled device )カメラ
にて撮影が容易な構造となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら渦流探傷
法や磁粉探傷法を含め、又回転磁場ユニットを用いた磁
気探傷法でも、鋼板等の磁気探傷法においては、被探傷
検査面及び被探傷検査面の内側の残留磁気の影響で、探
傷精度が低下してしまうという問題がある。被探傷検査
面や被探傷検査面の内側の局部的な残留磁気の有無や変
動があると、探傷結果が不安定になってしまうという問
題がある。
【0013】回転磁場ユニットを用いる場合、磁化その
ものには問題は生じない。しかしながら被探傷検査面及
び被探傷検査面の内側には局部的な残留磁気がある。特
に鋼材の運搬に用いるリフティングマグネットや、加工
等により、不均一な残留磁気が残留してしまう。例えば
磁粉探傷法に際して被探傷検査面を同一磁化としても残
留磁気の影響で、検出する磁粉指示模様にばらつきが生
じてしまう。従って磁粉探傷法を安定して行うことがで
きず、検査の信頼性が損なわれることもある。
【0014】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、被探傷検査面の局部的な残留磁気の
有無や変動の影響を効果的に抑えて探傷精度を向上させ
ながら、同時に探傷作業能率についても配慮するように
した連続磁気探傷方法及び装置を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】まず本願の第1発明の連
続磁気探傷方法は位相差のある交流電圧が印加される複
数の磁気コイルを用いて被探傷検査面に回転磁場を与え
る回転磁場ユニットを、該被探傷検査面に対して相対的
に移動させることで連続的に探傷する連続磁気探傷方法
において、前記回転磁場ユニットを複数用い、これらの
内で少なくとも1つの回転磁場ユニットを、被探傷検査
面にある傷を検出するための探傷検出用に用い、別の少
なくとも1つの回転磁場ユニットを、前記探傷検出用の
回転磁場ユニットよりも、相対移動に際した前方に配置
すると共に、残留磁気を消去するための交流電圧を加え
ることで、被探傷検査面の残留磁気脱磁用に用い、先行
する該残留磁気用の回転磁場ユニットで被探傷検査面の
局部的な残留磁気を消去しつつ、この後に後行の前記探
傷検出用の回転磁場ユニットで被探傷検査面にある傷を
検出するようにしたことにより、前記課題を解決するこ
とができる連続磁気探傷方法を提供したものである。
【0016】又前記第1発明において、前記残留磁気脱
磁用の回転磁場ユニットの励磁周波数を、前記探傷検出
用のものより低くするようにしたことにより、前記課題
を解決すると共に、前記残留磁気脱磁用の回転磁場ユニ
ットによる残留磁気の消去をより効果的に行えるように
したものである。励磁電流等の諸条件が同一でも、励磁
電流によって磁気コイルによる被探傷検査面の残留磁気
の消去能力に格差がある場合がある。励磁周波数につい
ても同様であり、残留磁気消去という観点でより適した
励磁周波数を用いればよい。
【0017】更に前記第1発明において、被探傷検査面
に対する相対的な移動の方向の転換に応じて、移動方向
の先行側の回転磁場ユニットを前記残留磁気脱磁用に、
後行側の回転磁場ユニットを前記前記探傷検出用に切り
替えて用い、移動方向を反転しつつ、これら回転磁場ユ
ニットを往復移動させながら探傷するようにしたことに
より、前記課題を解決すると共に、広幅の鋼板等で被探
傷検査面の面積が広い場合にも、連続的な探傷を能率良
く行えるようにしたものである。
【0018】次に本願の第2発明の連続磁気探傷装置
は、位相差のある交流電圧が印加される複数の磁気コイ
ルを用いて被探傷検査面に回転磁場を与える回転磁場ユ
ニットを、該被探傷検査面に対して相対的に移動させて
探傷する連続磁気探傷装置において、被探傷検査面にあ
る傷を検出するための、少なくとも1つの探傷検出用の
前記回転磁場ユニットと、前記探傷検出用の回転磁場ユ
ニットによる回転磁場の中心の、前記相対移動に際した
前方の延長線上に、回転磁場の中心がくるように配置す
ると共に、交流電圧を加えることで被探傷検査面の脱磁
を行う少なくとも1つの残留磁気脱磁用の前記回転磁場
ユニットと、先行する前記残留磁気用回転磁場ユニット
で被探傷検査面の局部的な残留磁気を消去しつつ、この
後に後行の前記探傷検出用回転磁場ユニットで被探傷検
査面にある傷を検出するようにしたことにより、前記課
題を解決することができる連続磁気探傷装置を提供した
ものである。
【0019】又上記の第2発明において、隣接する前記
回転磁場ユニット同士で、前記磁気コイルの磁極の少な
くとも一部を共有するようにしたことにより、前記課題
を解決すると共に、当該連続磁気探傷装置の小型化を図
ることができるようにするだけでなく、前記探傷検出用
の回転磁場ユニットによる回転磁場の中心の、前記相対
移動に際した前方の延長線上に、より精度良く前記残留
磁気脱磁用の回転磁場ユニットの回転磁場の中心が来る
ように配置することができるようにしたものである。
【0020】以下、前記第1発明及び前記第2発明の作
用について簡単に説明する。
【0021】前述のような本発明の課題を解決するため
には、回転磁場ユニットによって被探傷検査面の探傷を
行うに当たって、残留磁気を消去することが望ましい。
しかしながら、従来このように連続磁気探傷に当たって
残留磁気を消去することは、単に手間が増えるだけでな
く、安定した残留磁気の消去という点でも問題があっ
た。
【0022】本発明では被探傷検査面にある傷を検出す
るための探傷検出用の回転磁場ユニットの、連続磁気探
傷における被探傷検査面に対する相対的な移動に際した
前方へと、残留磁気脱磁用に用いる別の回転磁場ユニッ
トを配置するようにしている。
【0023】従って被探傷検査面の局部的な残留磁気を
消去しつつ、この後に残留磁気の悪影響を受けないよう
にして安定して被探傷検査面の連続磁気探傷を行うこと
ができる。このように本発明によれば、残留磁気脱磁用
及び探傷検出用の回転磁場ユニットを組み合わせて用い
るため、連続磁気探傷の動作を残留磁気の脱磁の動作と
共に1回の走査で行うことができ、作業能率が著しく向
上される。
【0024】更には、特にこのように残留磁気脱磁用の
回転磁場ユニットと探傷検出用の回転磁場ユニットとを
走行方向に対して直線状に配置して用いるため、これら
の回転磁場ユニットの配置位置関係は一定に保つことが
でき、探傷検査にあたった残留磁気の消去状態が安定
し、連続磁気探傷の探傷精度を向上することができる。
【0025】図1は本発明の要旨を示す線図である。
【0026】この図1において、RE1は残留磁気脱磁
用の回転磁場ユニットによる残留磁気の消去が可能な範
囲である。又RE2は、探傷検出用の回転磁場ユニット
によって探傷が可能な範囲である。又このような残留磁
気消去が可能な範囲や探傷可能な範囲は、回転磁場の範
囲とも考えることができる。又このようなRE1やRE
2の範囲は、この図1では幅がLRとして示されてい
る。又この図1では残留磁気脱磁用や探傷検出用の回転
磁場ユニットは、矢印A1の方向に移動するものとされ
る。
【0027】なお回転磁場ユニットにおいて探傷検出用
に適した励磁周波数と、残留磁気脱磁用に適した励磁周
波数とが異なる場合も考えられる。例えば一般には、探
傷検出用に適した励磁周波数に比べて、残留磁気脱磁用
に適した励磁周波数の方が高いものである。このような
場合には残留磁気脱磁用の回転磁場ユニットの励磁周波
数を、探傷検出用のものとは異ならせて用いることも可
能であり、探傷検出用のものより低くすることも可能で
ある。
【0028】一般に励磁周波数を低くすると、被探傷検
査面からより深くまで磁場が及ぶものである。従って探
傷検出用の回転磁場ユニットに比べて残留磁気脱磁用の
回転磁場ユニットの励磁周波数を低くすれば、探傷範囲
よりもより深くまで残留磁気の消去を行うことができ、
例えばリフティングマグネットや加工等による残留磁気
を効果的に除去することができる。
【0029】ここで隣接する回転磁場ユニット間にも回
転磁場が得られるように、異なる回転磁場ユニットの磁
気コイル間の位相差をも考慮することも考えられる。あ
るいは後述する第4実施形態〜第6実施形態のように隣
接する回転磁場ユニット同士で磁気コイルの磁極の少な
くとも一部を共有し、装置全体の小型化等を図ることも
考えられる。これらの如く隣接する回転磁場ユニット相
互について配慮する場合には、回転磁場ユニットの交流
電圧の位相によって、励磁周波数に制約が生じる。この
ような場合で残留磁気脱磁用の回転磁場ユニットの励磁
周波数を、探傷検出用の回転磁場ユニットの励磁周波数
と異ならせる場合、一方が他方の周波数のN倍、あるい
は(1/N)倍となるようにすればよい。ここでNは整
数である。例えば残留磁気脱磁用の励磁周波数を探傷検
出用より低くする場合、残留磁気脱磁用の励磁周波数を
探傷検出用に比べて(1/N)とすればよい。このよう
にすれば励磁の制御は簡単にできる。例えば後述する第
2実施形態については、探傷検出用の回転磁場ユニット
に対して、残留磁気脱磁用の回転磁場ユニットの励磁周
波数をより容易に設定することができる。
【0030】ここで本発明によれば図2に示す如く、広
幅の被探傷検査板材2についての連続磁気探傷を左右に
往復させて行うことができる。即ち探傷検出用に用いる
回転磁場ユニットの前方に残留磁気脱磁用に用いる回転
磁場ユニットを配置しながら板幅方向に走査し、板幅の
左右端では所定送りピッチで長手方向へと走査すること
ができ、順次幅方向に走査しながら広い面積の被探傷検
査面の連続磁気探傷を能率良く行うことができる。ここ
で図2の送りピッチは図1の回転磁場範囲LR以下であ
る必要がある。
【0031】ここで図2において板幅の左右端では残留
磁気脱磁用及び探傷検出用のこれらの回転磁場ユニット
の進行方向が変えられ、移動方向が反転される。
【0032】このような移動方向の反転の際には、探傷
検出用の回転磁場ユニットに対して残留磁気脱磁用のも
のが前方に来るよう、機械的にこれら探傷検出用と残留
磁気脱磁用の回転磁場ユニットの配置位置を転換するよ
うにしてもよい。
【0033】あるいは、このような移動方向の転換に応
じて、残留磁気脱磁用にあるいは探傷検出用に回転磁場
ユニットを電気的に切換えて用いるようにしてもよい。
即ち同じ回転磁場ユニットを探傷検出用にも残留磁気脱
磁用にも用いられる場合、移動方向の転換に応じて、移
動方向の先行側の回転磁場ユニットを残留磁気脱磁用と
し、後行側の回転磁場ユニットを探傷検出用に切換えて
用い、移動方向を反転しつつ、これら回転磁場ユニット
を往復移動させながら、広範囲の被探傷検査面の連続磁
気探傷をより能率よく行うようにしてもよい。
【0034】又この図2に示す如く左右への往復移動を
させる際、図3のごとく、このような左右移動の移動範
囲を被探傷検査板材2の板材幅より外側にまで及ぶよう
にしてもよい。例えば被探傷検査板材2を跨ぐように設
けられる、回転磁場ユニットを移動させるための架台レ
ール上を左右に走行する場合等であり、該レールの左右
移動の移動範囲を被探傷検査板材2の板材幅より外側に
まで及ぶようにする。
【0035】このようにすれば、後行側の探傷検出用の
回転磁場ユニットが板幅端まで確実に到達することがで
きる。例えば図3のRE2の如く板幅方向端部まで確実
に探傷することができる。又RE1’の如く、板幅端か
ら確実に残留磁気の消去を開始することができる。更に
は、このように板幅の外側まで往復移動させれば、場合
によっては、前述の特開昭62−162956と同様
に、被探傷検査板材2の側面の探傷をも可能とすること
ができる。
【0036】なお前述のように本発明によれば前方にあ
る残留磁気脱磁用の回転磁場ユニットと、後行する探傷
検出用の回転磁場ユニットとの相互位置関係をより精度
良く保ちながら、連続磁気探傷に際した被探傷検査面に
対する相対的な移動を行うことができる。この際に、探
傷検出用の回転磁場ユニットによる回転磁場の中心(図
1ではRE2の中心)の、相対移動に際した前方の延長
線上に、残留磁気脱磁用の回転磁場ユニットの回転磁場
の中心(図1ではRE1の中心)が来るように配置する
ことが好ましい。このように回転磁場の中心の相互位置
関係を保つことは、例えば後述する第4実施形態や第5
実施形態ではより効果的になされている。又このような
構造は極めて大きな進歩性があると言える。このような
回転磁場の中心の相互位置関係によれば、探傷検出用の
回転磁場ユニットによる探傷に当たって、残留磁気脱磁
用の回転磁場ユニットによって残留磁気をより効果的に
消去することが可能である。
【0037】なお本発明において、隣接する回転磁場ユ
ニット同士で、磁気コイルの磁極の少なくとも一部を共
有するようにしてもよい。この場合一方が残留磁気脱磁
用の回転磁場ユニットで他方が探傷検出用の回転磁場ユ
ニットであってもよい。このように共有すれば、まず第
1には装置全体の小型化を図ることができる。更には上
述したような残留磁気脱磁用と探傷検出用の回転磁場の
中心の相互位置関係を保つことを、より容易に行うこと
が可能である。従って効果的な残留磁気の消去を行うこ
とができる。又前述したように残留磁気脱磁用の回転磁
場ユニットの励磁周波数と探傷検出用の回転磁場ユニッ
トの励磁周波数とが異なる場合にも、一方の周波数が他
方のNあるいは(1/N)となるようにすれば、このよ
うな磁気コイルの磁極の少なくとも一部の共有は可能で
ある。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
【0039】図4は、前記第1発明及び前記第2発明が
部分的に適用された第1実施形態の上面図である。
【0040】前記第1発明及び前記第2発明は、基本的
には回転磁場ユニットを用いるものである。しかしなが
ら、残留磁気脱磁用の回転磁場ユニット及び探傷検出用
の回転磁場ユニットを用いることや、これらの配置位置
関係等については、回転磁場ユニットではなく単一の磁
気コイルを用いるもの、即ち直線磁場ユニットでも適用
することができる。
【0041】この図4では、残留磁気脱磁用の直線磁場
ユニットUA1が用いられ、進行方向A1に直交する磁
気コイルによって磁極PA1及びPA2が形成されてい
る。又探傷検出用の直線磁場ユニットUB1が用いら
れ、同じく進行方向A1に直交する磁気コイルによっ
て、磁極PB1及びPB2が形成されている。即ち、磁
極PA1及びPA2の磁束及び磁極PB1及びPB2の
磁束は、いずれも進行方向A1に直交する方向となる。
【0042】なお、直線磁場ユニットUA1の励磁周波
数は、直線磁場ユニットUB1の励磁周波数と同じか、
低く設定されている。なお直線磁場ユニットUA1と直
線磁場ユニットUB1とは、非磁性体のガイドB1で連
結されている。又本実施形態は直線磁場ユニットUA1
及び直線磁場ユニットUB1がいずれも1つであるが、
複数であってもよい。又、直線磁場ユニットUA1と直
線磁場ユニットUB1との間隔は広いことが望ましい
が、それぞれの磁気コイルの長さ、即ち磁極PA1とP
A2との間隔、あるいは磁極PB1とPB2との間隔以
上であればよい。
【0043】図5は、本実施形態の進行方向に対して直
交する方向から見た側面図である。又図6は進行方向の
上方斜めから斜視図である。これら図5及び図6から明
らかな通り、磁極PA1、PA2、PB1及びPB2の
それぞれの部分には、脚部が設けられ、該脚部の下端に
はそれぞれ走行用車輪5が取り付けられている。この走
行用車輪5は本実施形態が被探傷検査板材2上を自走す
るためのものである。
【0044】ここで直線磁場ユニットUA1の磁気コイ
ルは、磁極PA1とPA2とを連結する胴部に設けられ
てもよく、磁極PA1やPA2の脚部に設けられてもよ
い。又直線磁場ユニットUB1についても、磁気コイル
は、磁極PB1とPB2とを連結する胴部に設けられて
もよく、磁極PB1やPB2の脚部に設けられてもよ
い。本実施形態、又後述する実施形態の磁気コイルは、
いずれも珪素鋼板等を積層し、電流を流すコイルを巻い
て作られたものである。又その他の磁束が通る部分は、
継鉄材を用いている。又11は電装品を入れたボックス
であり、外部の制御装置に接続されている。
【0045】このような本実施形態によれば、まず直線
磁場ユニットUA1によって被探傷検査板材2の被探傷
検査面の残留磁気の消去、あるいは磁場の均一化を図る
ことができる。この後に、直線磁場ユニットUB1によ
って渦流探傷法や磁粉探傷法を行う。ここで磁粉探傷法
の場合、直線磁場ユニットUB1の磁極PB1とPB2
との間に磁粉や磁粉流を導入することで検出された磁粉
指示模様を形成し、このような模様を目視やITV(in
dustrial television )又はCCDカメラ等で観察す
る。
【0046】なお本実施形態では基本的に直線磁場ユニ
ットUA1と直線磁場ユニットUB1とは、磁気コイル
等の構造が同一である。従って、例えば進行方向が図4
〜図6のA2の方向であれば、UB1を残留磁気脱磁用
として用い、UA1を探傷検出用として用いてもよい。
【0047】なお本第1実施形態については、進行方向
に直交する傷を検出することを目的として実際に実施し
ている。この結果、従来検出することができなかった被
探傷検査板材2より、新たな傷が検出されている。
【0048】このように本実施形態によれば、回転磁場
ユニットではなく単一の磁気コイルを用いた直線磁場ユ
ニットを用いるものの、被探傷検査面の局部的な残留磁
気の有無や変動の影響を効果的に抑えて探傷精度を向上
させながら、同時に探傷作業能率についても配慮するこ
とができるという優れた効果を得ることができる。
【0049】図7は、前記第1発明及び前記第2発明が
適用された第2実施形態の上面図である。
【0050】まず回転磁場ユニットUA2は、1つの磁
気コイルによって得られる磁極PA1とPA2を有し、
別の磁気コイルによって得られるPA3とPA4を有す
る。又回転磁場ユニットUB2については1つの磁気コ
イルによって得られる磁極PB1及びPB2と、別の磁
気コイルによって得られる磁極PB3及びPB4とを有
する。これら回転磁場ユニットUA2及びUB2は、い
ずれも4極の回転磁場ユニットとなっている。磁極PA
1及びPA2の磁気コイルと磁極PA3及びPA4の磁
気コイルとの間には、90度又は120度の電流位相差
が与えられ、回転磁場が得られている。又同様に、磁極
PB1及びPB2の磁気コイルと、磁極PB3及びPB
4の磁気コイルとの間にも、90度又は120度の電流
位相差が与えられることで、回転磁場が形成されてい
る。
【0051】ここで本実施形態の進行方向が矢印A1の
方向であれば、回転磁場ユニットUA2を残留磁気脱磁
用として用い、回転磁場ユニットUB2を探傷検出用と
して用いる。又進行方向が矢印A2の方向であれば、U
B2を残留磁気脱磁用として用い、回転磁場ユニットU
A2を探傷検出用として用いる。ここで本実施形態で
は、残留磁気脱磁用として用いるものの励磁周波数は、
探傷検出用として用いるものの励磁周波数と同じか、あ
るいは低く設定する。
【0052】図8は本実施形態の進行方向に直交する方
向から見た側面図である。この図8に示される如く本実
施形態についても、前述の第1実施形態と同様磁極PA
1〜PA4、PB1〜PB4には脚部が設けられると共
に、該脚部の下端には走行用車輪5が設けられている。
又本第2実施形態についても前述の第1実施形態と同
様、胴部あるいは脚部に磁気コイルが設けられている。
又回転磁場ユニットUA2とUB2とは非磁性体による
非磁性体連結ガイドB1及びB2で連結されている。
【0053】このような本実施形態についても、回転磁
場ユニットUA2又はUB2のうち探傷検出用として用
いられるもので被探傷検査面の探傷を行うことができ
る。この際に残留磁気脱磁用として用いられるもので残
留磁気が脱磁ないしは均一化されるため、被探傷検査面
の局部的な残留磁気の有無や変動の影響を効果的に抑え
て探傷精度を向上させることができる。又このように連
続磁気探傷の前方に配置した残留磁気脱磁用の回転磁場
ユニットUA2又はUB2によって同時に脱磁もなされ
るため、脱磁を別に行う必要がなく、探傷作業能率を向
上することができる。
【0054】図9は、前記第1発明及び前記第2発明が
適用された第3実施形態の上面図である。ここで回転磁
場ユニットUA3は、磁極PA1〜PA4を有する4極
の交番磁化器であり、回転磁場ユニットとなっており、
矢印Rで示されるような回転磁場を形成する。同様に回
転磁場ユニットUB3についても、磁極PB1〜PB4
を有する4極交番磁化器となっており、回転磁場ユニッ
トとなっており、矢印Rで示されるような回転磁場を形
成している。ここでこれら回転磁場ユニットUA3及び
UB3は、非磁性体のガイドB3及びB4、又図示され
ない同様のガイドB5及びB6によって連結されてい
る。
【0055】図10は、本実施形態の進行方向から斜め
上方から見た斜視図である。この図10に示す通り本実
施形態についても、前述の第1実施形態及び第2実施形
態と同様に、磁極PA1〜PA4及びPB1〜PB4そ
れぞれには脚部が設けられ、又該脚部には走行用車輪5
が取り付けられている。
【0056】ここで回転磁場ユニットを用いる本実施形
態及び前述の第2実施形態における残留磁気の脱磁及び
探傷の際の磁化は、磁気コイルを1つのみ用いる直線磁
場ユニットの前述の第1実施形態とほぼ同様であるが、
回転磁場ユニットを用いる場合には、残留磁気脱磁用の
ものと探傷検出用のものとでは回転磁場の磁場の回転方
向が同一とされている。このように回転磁場の方向を揃
えることによって、被探傷検査板材2に形成される磁束
の方向を揃えることができ、被探傷検査板材2の局部的
な残留磁気の有無や変動の影響をより効果的に抑えて探
傷精度を向上させることができる。
【0057】なお本実施形態についても、回転磁場ユニ
ットUA3及びUB3はいずれも残留磁気脱磁用にも探
傷検出用にも用いることができる。従って、これら回転
磁場ユニットUA3及びUB3は、矢印A1又はA2の
進行方向にあるものを残留磁気脱磁用として用い、後方
にあるものを探傷検出用として用いればよい。
【0058】なお本第3実施形態及び前述の第2実施形
態については、全方向傷を対象として磁粉探傷法を実際
に行っている。この結果、従来検出されなかった被探傷
検査板材2の傷も、本実施形態によれば検出できたもの
が見出されている。
【0059】図11は、前記第1発明及び前記第2発明
が適用された第4実施形態の上面図である。
【0060】まず回転磁場ユニットUA4は磁極PA及
び磁極PC1、PC2を有する3極の回転磁場ユニット
である。又回転磁場ユニットUB4は、磁極PB及び磁
極PC1、PC2を有する3極の回転磁場ユニットであ
る。ここで回転磁場ユニットUA4とUB4とは、2つ
の磁極PC1及びPC2が共用され、小型化が図られて
いる。又このように2つの磁極PC1及びPC2の共用
が回転磁場ユニットUA4とUB4とで図られているた
め、これら回転磁場ユニットUA4及びUB4の回転磁
場の磁場の方向は矢印Rで示される如く反対となる。こ
こで回転磁場ユニットUA4において磁極PA、磁極P
C2、磁極PC1の順となるように、又回転磁場ユニッ
トUB4においては磁極PB、磁極PC2、磁極PC1
の順となるように、120度の位相差のある交流電圧が
印加されることで、それぞれの矢印Rのような回転磁場
が形成されている。
【0061】本実施形態においては磁気コイルは図11
の磁極PA、PC1、PC2、PBから被探傷検査面へ
垂直に下ろされる脚部に磁気コイルが形成されている。
又これら磁極PA、PC1、PC2、PBは、継鉄棒で
連結されている。
【0062】ここで本実施形態の進行方向が矢印A1で
あれば回転磁場ユニットUA4が残留磁気脱磁用とな
り、回転磁場ユニットUB4が探傷検出用となる。一方
進行方向が矢印A2であれば回転磁場ユニットUB4が
残留磁気脱磁用となり、回転磁場ユニットUA4が探傷
検出用となる。又本実施形態によれば、残留磁気脱磁用
となる回転磁場ユニットUA4又はUB4によって残留
磁気を消去した後に、探傷検出用の回転磁場ユニットU
B4又はUA4によって被探傷検査面の探傷を行うこと
ができる。回転磁場ユニットUA4及びUB4のうち特
に残留磁気脱磁用のもので形成される磁界により、被探
傷検査面や該被探傷検査面の内側の磁場は均一にされ、
位相差のある交流電圧によって磁束の向きが反転しつつ
又本実施形態の移動に伴って印加される磁束が減衰さ
れ、脱磁がなされる。このように本実施形態においても
前記第1発明及び前記第2発明を適用して、被探傷検査
面の局部的な残留磁気の有無や変動の影響を効果的に抑
えて探傷精度を向上させながら、同時に探傷作業能率に
ついても配慮することができるという優れた効果を得る
ことができる。
【0063】図12は、前記第1発明及び前記第2発明
が適用された第5実施形態の上面図である。前述の第4
実施形態に対して本実施形態については、3極の回転磁
場ユニットを用いて連続磁気探傷を行う際に、特に磁化
観測部分を広く取りたい場合に有効である。
【0064】本第5実施形態において、回転磁場ユニッ
トUA5は、磁極PA1、磁極PA2、磁極PCの順に
位相が120度ずつ循環し、図示される矢印Rのような
回転磁場が得られる。又回転磁場ユニットUB5につい
ては、磁極PB1、磁極PB2、磁極PCの順に位相が
120度ずつ循環し、図示される矢印Rのような回転磁
場が得られる。本実施形態では回転磁場ユニットUA5
とUB5とで、磁極PCが共有されている。なお本実施
形態では回転磁場ユニットUA5と回転磁場ユニットU
B5とで回転磁場の回転方向が同一となっている。
【0065】又この図12に示される如く、磁極PA1
とPC、磁極PA2とPC、磁極PB1とPC、及び磁
極PB2とPCとは、継鉄棒13で連結されている。
【0066】図13は本実施形態の斜視図である。この
図13に示される如く本第5実施形態についても前述の
第1実施形態と同様、磁極PA1、PA2、PC、PB
1及びPB2の下方には脚部が設けられ、走行用車輪5
が取り付けられている。
【0067】本実施形態では回転磁場ユニットUA5及
びUB5に供給する3相交流の周波数を同一とし、励磁
周波数を同一として、回転磁場ユニットUA5を残留磁
気脱磁用とし、回転磁場ユニットUB5を探傷検出用と
すれば、矢印A1の方向に移動しながら連続磁気探傷す
ることができる。又、回転磁場ユニットUB5を残留磁
気脱磁用とし、回転磁場ユニットUA5を探傷検出用と
すれば、矢印A2の方向に移動しながら連続磁気探傷が
できるようにすることができる。このように前後方向
(この図13では左右方向)いずれでも脱磁磁化及び探
傷が可能としている。ここで進行方向が矢印A1又はA
2のいずれか一方の場合、残留磁気脱磁用とされる回転
磁場ユニットUA5又はUB5の周波数(励磁周波数)
を探傷検出用とされるものに比べ下げた方が脱磁効果が
大きくなる。
【0068】図14は、前記第1発明及び前記第2発明
が適用された第6実施形態の上面図である。
【0069】本実施形態については、回転磁場ユニット
UA6及びUB6がいずれも、4極の回転磁場ユニット
となっている。まず回転磁場ユニットUA6について
は、磁極PC1及びPA1と磁極PC2及びPA2と
は、互いに交流電流の90度又は120度の位相差が与
えられた磁化電流が流され、これによって回転磁場が図
示される矢印Rの如く形成される。又回転磁場ユニット
UB6についても、磁極PC1及びPB2と磁極PC2
及びPB1とは、互いに交流電流の90度又は120度
の位相差を与えた励磁電流が流され、これによって図示
される矢印Rのような回転磁場が得られる。ここで磁極
PA1とPB2との交流電流の位相、磁極PA2と磁極
PB1との交流電流の位相は、いずれも相互に同位相と
なっている。
【0070】回転磁場ユニットUA6とUB6とは、い
ずれも、印加する交流電流の位相の与え方で時計回りに
も反時計回りにもすることができる。又回転磁場ユニッ
トUA6とUB6とは、回転磁場の回転方向を相互に逆
方向とすることも可能である。しかしながら本実施形態
では回転磁場の回転方向は同一となるように配線されて
いる。
【0071】なお、まず回転磁場ユニットUA6におい
て、磁極PA1とPC2、磁極PA1とPA2、及び磁
極PA2とPC1とは、いずれも継鉄棒で連結されてい
る。又回転磁場ユニットUB6においては、磁極PB1
とPC1、磁極PB1とPB2、及び、磁極PB2と磁
極PC2とは、いずれも、継鉄棒で連結されている。
【0072】図15は、本実施形態の斜視図である。本
実施形態についても前述の第5実施形態等と同様、磁極
PA1、PA2、PC1、PC2、PB1及びPB2の
いずれについても、脚部が設けられ、該脚部の下端には
走行用車輪5が取り付けられている。この走行用車輪5
は連続磁気探傷を連続的に行う際に図示される矢印A1
又はA2の方向に自走するためのものである。ここで本
実施形態では回転磁場ユニットUA6とUB6とが同一
周波数により励磁されている場合、図示される矢印A1
の方向にも矢印A2の方向にも走行させて連続磁気探傷
を行うことができる。ここで矢印A1の方向に走行する
場合、回転磁場ユニットUA6が残留磁気脱磁用とさ
れ、回転磁場ユニットUB6が探傷検出用とされる。一
方矢印A2の方向に走行する場合には、回転磁場ユニッ
トUB6が残留磁気脱磁用とされ回転磁場ユニットUA
6が探傷検出用とされる。
【0073】このような本実施形態についても、回転磁
場ユニットUA6及びUB6のうち、残留磁気脱磁用と
して用いられるもので探傷に当たって残留磁気の脱磁す
ることができる。又磁粉探傷法を用いる場合には探傷検
出用とされる回転磁場ユニットUB6又はUA6の部分
で検出された磁粉指示模様を目視で観察したり、センサ
で自動的に認識することができる。このように本実施形
態についても、被探傷検査面の局部的な残留磁気の有無
や変動の影響を効果的に抑えて探傷精度を向上させなが
ら、同時に探傷作業能率についても配慮することができ
るという優れた効果を得ることができる。
【0074】以下、前述の第1実施形態〜第6実施形態
に共通の事項について説明する。
【0075】いずれの実施形態にも取り付けられている
走行用車輪5については、図中にある矢印A1あるいは
矢印A2の方向に走行するためのものであり、車輪はモ
ータで駆動してもよい。又矢印A1あるいは矢印A2の
いずれにも走行できるとされる場合、回転磁場ユニット
を残留磁気脱磁用あるいは探傷検出用とするか設定する
必要がある。この設定は、移動方向の転換に応じて電気
的に切換えるようにして行ってもよい。このようにすれ
ば移動方向を反転しつつ、往復移動させながらより広い
範囲の被探傷検査面について効果的に連続磁気探傷を行
うことが可能である。
【0076】なお前述したもの等いずれの従来技術でも
大寸法の厚鋼板の全面探傷を100%漏れなく且つ能率
的に処理することは未だ不十分であった。しかしながら
前述の第1実施形態〜第6実施形態によれば、このよう
な探傷漏れをかなり改善することが可能となっている。
【0077】なお前述の特開平3−44668では千鳥
状に配置した複数の回転磁場ユニットについて、隣接す
る3つに供給する交流電圧の位相差を調整することで、
回転磁場ユニット間の部分にも回転磁場を与えるように
している。これによって回転磁場ユニット間でもいずれ
の方向の傷をも検出することができるようにしている。
これに対して前述の第1実施形態〜第6実施形態で図2
に示されるように被探傷検査板材2を順次走査するよう
にすれば、いずれの被探傷検査板材2の部分にあるいず
れの方向の傷をも検出対象とすることができる。又前述
の特開昭58−153158や特開昭58−15315
9では探傷対象を棒鋼や鋼管とし、このようなものの周
方向に磁気コイルを配置している。ここで前記第1実施
形態〜第6実施形態をこのような棒鋼や鋼管の周方向に
走行させ、例えば螺旋状に順次走査することも可能であ
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明した通り、前述の第1発明及び
第2発明によれば、被探傷検査面の局部的な残留磁気の
有無や変動の影響を効果的に抑えて探傷精度を向上させ
ながら、同時に探傷作業能率についても配慮することが
できるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1発明及び第2発明の要旨を示す線図
【図2】前記第1発明あるいは前記第2発明において広
い被探傷検査面を検査するときの連続走査による連続磁
気探傷を説明するための平面図
【図3】上記連続走査で被探傷検査板材の端部における
方向転換を示す線図
【図4】前記第1発明及び前記第2発明が適用された第
1実施形態の連続磁気探傷装置の上面図
【図5】上記第1実施形態の側面図
【図6】上記第1実施形態の斜視図
【図7】前記第1発明及び前記第2発明が適用された連
続磁気探傷装置の第2実施形態の上面図
【図8】上記第2実施形態の側面図
【図9】前記第1発明及び前記第2発明が適用された連
続磁気探傷装置の第3実施形態の上面図
【図10】上記第3実施形態の斜視図
【図11】前記第1発明及び前記第2発明が適用された
連続磁気探傷装置の第4実施形態の上面図
【図12】前記第1発明及び前記第2発明が適用された
連続磁気探傷装置の第5実施形態の上面図
【図13】上記第5実施形態の斜視図
【図14】前記第1発明及び前記第2発明が適用された
連続磁気探傷装置の第6実施形態の上面図
【図15】上記第6実施形態の斜視図
【符号の説明】
RE1、RE2、RE1’、RE2’…回転磁場範囲 A1、A2…移動方向 UA1、UB1…直線磁場ユニット UA2〜UA6、UB2〜UB6…回転磁場ユニット PA1〜PA4、PB1〜PB4、PC、PC1、PC
2…磁極 B1〜B6…非磁性体連結ガイド 2…被探傷検査板材 5…走行用車輪 13…継鉄棒 11…制御ユニットボックス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位相差のある交流電圧が印加される複数の
    磁気コイルを用いて被探傷検査面に回転磁場を与える回
    転磁場ユニットを、該被探傷検査面に対して相対的に移
    動させることで連続的に探傷する連続磁気探傷方法にお
    いて、 前記回転磁場ユニットを複数用い、 これらの内で少なくとも1つの回転磁場ユニットを、被
    探傷検査面にある傷を検出するための探傷検出用に用
    い、 別の少なくとも1つの回転磁場ユニットを、前記探傷検
    出用の回転磁場ユニットよりも、相対移動に際して前方
    に配置すると共に、残留磁気を消去するための回転磁場
    を与えることで、被探傷検査面の残留磁気脱磁用に用
    い、 先行する該残留磁気用の回転磁場ユニットで被探傷検査
    面の局部的な残留磁気を消去しつつ、この後に後行の前
    記探傷検出用の回転磁場ユニットで被探傷検査面にある
    傷を検出するようにしたことを特徴とする連続磁気探傷
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記残留磁気脱磁用の
    回転磁場ユニットの励磁周波数を、前記探傷検出用のも
    のより低くして脱磁効果を大きくするようにしたことを
    特徴とする連続磁気探傷方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、被探傷検査面に対する
    相対的な移動の方向の転換に応じて、移動方向の先行側
    の回転磁場ユニットを前記残留磁気脱磁用に、後行側の
    回転磁場ユニットを前記探傷検出用に切り替えて用い、
    移動方向を反転しつつ、これら回転磁場ユニットを往復
    移動させながら探傷するようにしたことを特徴とする連
    続磁気探傷方法。
  4. 【請求項4】位相差のある交流電圧が印加される複数の
    磁気コイルを用いて被探傷検査面に回転磁場を与える回
    転磁場ユニットを、該被探傷検査面に対して相対的に移
    動させて探傷する連続磁気探傷装置において、 被探傷検査面にある傷を検出するための、少なくとも1
    つの探傷検出用の前記回転磁場ユニットと、 前記探傷検出用の回転磁場ユニットによる回転磁場の中
    心の、前記相対移動に際した前方の延長線上に、回転磁
    場の中心がくるように配置すると共に、交流電圧を加え
    ることで被探傷検査面の脱磁を行う少なくとも1つの残
    留磁気脱磁用の前記回転磁場ユニットと、 先行する前記残留磁気用回転磁場ユニットで被探傷検査
    面の局部的な残留磁気を消去しつつ、この後に後行の前
    記探傷検出用回転磁場ユニットで被探傷検査面にある傷
    を検出するようにしたことを特徴とする連続磁気探傷装
    置。
  5. 【請求項5】請求項4において、隣接する前記回転磁場
    ユニット同士で、前記磁気コイルの磁極の少なくとも一
    部を共有するようにしたことを特徴とする連続磁気探傷
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003071256A1 (fr) * 2002-02-19 2003-08-28 Nippon Steel Corporation Detecteur de defauts magnetique fluorescent et procede associe de detection de defauts
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