JP2004177177A - 磁粉探傷用磁界発生装置 - Google Patents

磁粉探傷用磁界発生装置 Download PDF

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忠幸 曽木
Keiji Kawaguchi
圭史 川口
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Abstract

【課題】あらゆる方向の表面を容易に磁化させることができるようにする。
【解決手段】磁界発生手段11の磁心12を、第1の脚部12a、第2の脚部12bおよび連結部12cで一体化して、取扱いやすくし、あらゆる方向の表面に接触可能にする。第1の脚部12aは、先端側の第1の頂点14aと第2の頂点14bとで、試験体表面に接触する。第2の脚部12bは、先端側の第3の頂点14cと第4の頂点14dとで、試験体表面に接触する。対角位置の第1の巻線13aと第3の巻線13cとの直列接続と、第2の巻線13bと第4の巻線13dとの直列接続とに、交互に通電したり、π/2位相が異なる交流電流を通電したりして、試験体の磁化を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼などの強磁性材料を用いる構造物の溶接部などの検査で磁粉探傷試験を行う際に用いる磁粉探傷用磁界発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、都市ガスの供給設備、たとえば球形ガスホルダなどの鋼板の溶接部の検査方法の一つとして、磁粉探傷法が用いられている。磁粉探傷法は、
Magnetic Particle Testing から「MT法」とも呼ばれ、強磁性体材料の試験品に磁場を作用させると、試験体は磁化されて磁束が発生し、試験品の表面や表面直下に磁束の通過を妨げるような欠陥があると、その部分で磁束が漏洩し、磁粉を吸着する現象を利用する。溶媒に磁粉を分散させた検査液を磁化されている部分に塗布すると、欠陥部に磁粉が吸着されて磁粉模様が形成される。磁粉模様は、欠陥の幅を拡大し、さらに磁粉に蛍光体を混ぜておけば、紫外線を照射して欠陥を検出しやすくすることができる。検査部の磁化は、ハンドマグナーと呼ばれる手持の磁界発生装置によって行われる。
【0003】
図8は、ハンドマグナー1の基本的な構成を示す。ハンドマグナー1は、鉄心2と、鉄心2に巻回されるコイル3と、コイル3に交流電流を供給する交流電源4とを含む。鉄心2は、コイル3が巻回されている部分の両側が磁極2a,2bとなり、試験品の検査部の表面に接触可能である。ハンドマグナー1としては、鉄心2およびコイル3を電気的に絶縁した状態で手持し、あるいは取手などを取付け、検査部の表面に磁極2a,2bを押し当てながらコイル3に通電して検査部を磁化する。交流電源4はコイル3に正負の電流を交互に供給し、磁極2a,2b間に発生する磁界も方向が交互に変る交流磁界となるけれども、たとえば通電を停止すれば、そのタイミングに応じていずれかの方向に残留磁化が残り、欠陥があれば磁粉を吸着する漏れ磁束を発生させることができる。
【0004】
たとえば、非特許文献1には、次のように記載されている。
「磁粉探傷では、欠陥の方向になるべく直交するような磁場方向をもった磁化方法を適用しなければならない。これは試験品に与えた磁場方向と欠陥方向とが直角のとき、最も欠陥の検出感度が高く、平行なときは欠陥が検出されないからである。したがって、あらゆる方向の欠陥を検出するためには、互いに直交するX,Y,Z方向にそれぞれ磁場方向を変えて3回探傷を行う必要がある。一般的には、X方向とY方向との2回の探傷が行われ、Z方向の探傷を省略する場合が多い。いずれにしても試験品の磁化、磁粉の適用、磁粉模様の観察という探傷操作を何回か繰返すのは手間がかかる。
そこで、予め試験品にそれぞれ直交する方向の磁場が作用するような磁化方法を磁化装置に設定しておき、磁粉適用中に磁化電流の通電時間を微小時間に時分割して、これを各方向の磁場を作る磁化電流に交互に配分すれば、1回の探傷操作であらゆる方向の欠陥を検出できる。このような方式の磁粉探傷装置は、作業能率がよいために量産品の専用探傷機として用いられる。」
【0005】
図9および図10は、非特許文献1に、図2.13および図2.14として記載されている特殊磁化装置例をそれぞれ示す。これらの図の説明は、次のように記載されている。
「図2.13は、3相交流を用いて2π/3の位相差をもつ2つの交流を作り、これを互いに直交する2つのコイルに磁化電流としてそれぞれ供給し、合成磁場の方向が時間とともに変化する回転磁場を作っている。一般に、この回転磁場は各方向が同一強さにならず、回転磁場のベクトルはだ円形となり、磁場の強さに方向性を持つ。図2.14は単相交流とコンデンサを用い、直交する2つの電磁石の一方の励磁コイルには直接交流を、もう一方の励磁コイルにはコンデンサでπ/2だけ位相を進ませた交流を流して、極間中心O点に円形回転磁場を与えている。O点から隔たるほど磁場の強さに方向性をもっただ円回転磁場となる。」
【0006】
【非特許文献1】
日本非破壊検査協会編,「非破壊検査便覧[新版]」,初版,日刊工業新聞社,昭和53年4月28日,p.601−608,図2.13,図2.14
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の磁粉探傷法で用いられているハンドマグナー1は、1方向の磁界しか検査部に与えることができない。球形ガスホルダーなどでは、鋼板の溶接を線状に行い、溶接時には溶接線に垂直な方向に熱勾配が形成され、この熱勾配に沿って割れが発生する可能性がある。このような割れは、欠陥と平行な方向の磁界では欠陥から漏洩する磁束が少ないので、十分に磁粉が集合せず、欠陥を見落す可能性がある。これを防止するために、ハンドマグナー1の方向を90度回転させ、磁界と欠陥とが垂直になるように再度磁界を試験品に加える必要がある。この方法では、1検査箇所につきハンドマグナー1を2回方向を変えて磁場を印加させる必要があり、効率の良い検査方法とはいえない。
【0008】
図9および図10に示す非特許文献1に記載されているような特殊磁化装置例では、十字状に交差させる鉄心を組合わせるので、交差部分で安定に保持することが困難である。球形ガスホルダーの磁粉探傷試験を行うときには、球面の外周と内周とで、あらゆる方向の表面を磁化させる必要がある。
【0009】
本発明の目的は、あらゆる方向の表面を容易に磁化させることができる磁粉探傷用磁界発生装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であって、
磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、
磁界発生手段の巻線に磁界発生用の電流を供給する電源とを含み、
磁心は、
欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触し、
第1の頂点と第1の頂点に隣接する第2の頂点とをそれぞれ先端側として基端側が接続される第1の脚部と、
第1の頂点に対して対角位置にある第3の頂点と第2の頂点に対して対角位置にある第4の頂点とをそれぞれ先端側として基端側が接続される第2の脚部と、
第1の脚部の基端側と第2の脚部の基端側とを連結する連結部とを有し、
巻線は、
磁心の第1の脚部の第1の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第1の巻線と、
磁心の第1の脚部の第2の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第2の巻線と、
磁心の第2の脚部の第3の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第3の巻線と、
磁心の第2の脚部の第4の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第4の巻線とを有し、
第1の巻線と第3の巻線、および第2の巻線と第4の巻線とは、磁心に対してそれぞれ直列に接続されていることを特徴とする磁粉探傷用磁界発生装置である。
【0011】
本発明に従えば、磁粉探傷用磁界発生装置は、漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加し、磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、磁界発生手段の巻線に磁界発生用の電流を供給する電源とを含む。磁心は、欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触する。4つの頂点は、第1の脚部および第2の脚部の先端側に設けられる。第1の脚部および第2の脚部の基端側はそれぞれ連結部で連結される。第1と第2の頂点とは第1の脚部の先端側に位置し、第3の頂点と第4の頂点とは、第2の脚部の先端側に位置する。第1の頂点と第3の頂点、および第2の頂点と第4の頂点は、それぞれ対角位置にある。第1の磁心で第1の頂点および第2の頂点と基端側との間には、第1および第2の巻線がそれぞれ巻回されている。第2の磁心で第3の頂点および第4の頂点と基端側との間には、第3および第4の巻線がそれぞれ巻回されている。第1の巻線と第3の巻線とが直列に接続され、第2の巻線と第4の巻線とが直列に接続されているので、いずれか一方の直列巻線に電源から電流を供給すると、第1の頂点と第3の頂点とを結ぶ方向とのいずれか一方の矩形の対角線方向に磁界を発生させることができる。両方に電流を供給すると、対角線の方向とは異なる方向に、合成した磁界を発生させることができる。磁心は、第1および第2の脚部の基端側を連結部で接続しているので一体化され、十字状に鉄心を組合わせる交差部分はなく、磁心を安定に保持して、あらゆる方向の表面を容易に磁化させることができる。
【0012】
また本発明で、前記電源は、前記第1の巻線と第3の巻線、および前記第2の巻線と第4の巻線にそれぞれ交流電流を、相互間で位相がπ/2異なるように供給することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、第1の巻線と第3の巻線、および第2の巻線と第4の巻線にそれぞれ電源から交流電流を、相互間で位相がπ/2異なるように供給するので、4つの頂点で回転磁界を発生させることができる。位相差はπ/2なので、コンデンサを使用して容易に異ならせることができる。
【0014】
さらに本発明は、漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であって、
磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、
磁界発生手段を搭載し、強磁性材料の表面を走行可能な走行体と、
磁界発生手段の磁心の各頂点に設けられ、強磁性体材料によって形成される車輪とを含み、
磁界発生手段の磁心は、
欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触し、
各頂点を先端とする4つの脚部が中央で連結して一体化されており、
磁界発生手段の巻線は、
対角位置にある頂点が磁極となるように、磁心の各脚部に巻回されることを特徴とする磁粉探傷用磁界発生装置である。
【0015】
本発明に従えば、強磁性材料の表面を走行可能な走行体に磁界発生手段を搭載し、走行体で磁界発生手段を移動させながら、強磁性材料の表面を広範囲に磁化させることができる。磁心の各頂点には強磁性材料によって形成される車輪が設けられるので、走行体を走行させながら強磁性材料の表面を連続的に磁化させることができる。
【0016】
さらに本発明は、漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であって、
磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、
磁界発生手段を搭載し、強磁性材料の表面を走行可能な走行体と、
磁界発生手段の磁心を、走行体内で、頂点が強磁性材料の表面に接触する位置と該表面から離反する位置との間で変位させる変位手段とを含み、
磁界発生手段の磁心は、
欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触し、
各頂点を先端とする4つの脚部が中央で連結して一体化されており、
磁界発生手段の巻線は、
対角位置にある頂点が磁極となるように、磁心の各脚部に巻回されることを特徴とする磁粉探傷用磁界発生装置である。
【0017】
本発明に従えば、強磁性材料の表面を走行可能な走行体に磁界発生手段を搭載し、走行体で磁界発生手段を移動させながら、強磁性材料の表面を広範囲に磁化させることができる。磁界発生手段の磁心を、頂点が強磁性材料の表面に接触する位置と表面から離反する位置との間で、変位手段によって変位させることができるので、頂点を接触させて磁化し、離反させて移動することを繰り返して、磁化を進めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である磁界発生装置の磁界発生手段11の概略的な構成を示す。図1(a)は磁界発生手段11の電気的構成を示し、図1(b)は磁心12の形状を示す。磁界発生手段11は、漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であり、1度で全ての方向の割れ欠陥を検出することができるように、互いに垂直な方向に磁界を印加することができる。磁界発生手段11は、磁心12に巻線13が巻回されて、電源から巻線13に磁界発生用の電流が供給される。
【0019】
磁心12は、欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、正方形の4頂点14a,14b,14c,14dの位置でそれぞれ接触し、第1の脚部12a、第2の脚部12bおよび連結部12cを有する。第1の脚部12aでは、第1の頂点14aと第1の頂点14aに隣接する第2の頂点14bとをそれぞれ先端側として基端側が接続される。第2の脚部12bでは、第1の頂点14aに対して対角位置にある第3の頂点14cと第2の頂点14bに対して対角位置にある第4の頂点14dとをそれぞれ先端側として基端側が接続される。連結部12cは、第1の脚部12aの基端側と第2の脚部12bの基端側とを連結する。
【0020】
第1の脚部12a、第2の脚部12bおよび連結部12cは一体化され、たとえば磁性鋼のコア板を重ねて形成される。4つの頂点14a,14b,14c,14dは、必ずしも正方形の4頂点の位置になくてもよく、矩形や菱形、平行四辺形、台形などの頂点の位置でもよい。第1の脚部12aと第2の脚部12bとは平行であることが好ましいので、少なくとも一組の対向する辺が平行である四角形の頂点位置であることが好ましい。
【0021】
巻線13は、第1の巻線13a、第2の巻線13b、第3の巻線13cおよび第4の巻線13dに分けて、磁心12の第1の脚部12aおよび第2の脚部12bに巻回される。第1の巻線13aは、磁心12の第1の脚部12aの第1の頂点14aの先端側と基端側との間に巻回される。第2の巻線13bは、磁心12の第1の脚部12aの第2の頂点14bの先端側と基端側との間に巻回される。第3の巻線13cは、磁心12の第2の脚部12bの第3の頂点14cの先端側と基端側との間に巻回される。第4の巻線13dは、磁心12の第2の脚部12bの第4の頂点14dの先端側と基端側との間に巻回される。第1の巻線13aと第3の巻線13c、および第2の巻線13bと第4の巻線13dとは、磁心12に対してそれぞれ直列に接続されている。第1の巻線13aと第3の巻線13cとに電流を流せば、第1の頂点14aと第3の頂点14cとを結ぶ対角線方向に磁界が発生される。第2の巻線13bと第4の巻線13dとに電流を流せば、第2の頂点14bと第4の頂点14dとを結ぶ対角線方向に磁界が発生される。
【0022】
図2は、磁界発生手段11に電流を供給する電源の構成を示す。図2(a)は回転磁界発生用電源15a、図2(b)は交互磁界発生用電源15bの電気的構成をそれぞれ示す。回転磁界発生用電源15aは、商用交流電源16を直接▲1▼で示す図1(a)の第1および第3の巻線13a,13cに供給する。▲2▼で示す図1(a)の第2および第4の巻線13b,13dには、商用交流電源16を、コンデンサ17と抵抗18とで位相をπ/2だけ進ませて供給する。交互磁界発生用電源15bでは、トランス19の二次側に2つの巻線19a,19bを設け、それぞれダイオード20a,20bで整流した半周期分を供給する。トランス19の一次側の巻線19cは、商用交流電源16に接続される。これらの電源の構成は一例を示すだけのものであり、種々の構成が可能である。
【0023】
図3は、図2の回転磁界発生用電源15aおよび交互磁界発生用電源15bを図1のコイル13に供給して流れる電流波形を示す。図3(a)に示すように、回転磁界発生用電源15aからは、▲1▼に対して▲2▼の方が位相角で90°、すなわちπ/2だけ位相が進んでいる電流波形で電流が供給される。図3(b)に示すように、交互磁界発生用電源15bからは、▲1▼と▲2▼とに、交流波形の半周期ずつ、交互に電流が供給される。
【0024】
本実施形態の磁界発生手段11は、従来のハンドマグナー1と同様に、手持の磁界発生装置として、手動で押し付けて磁粉探傷試験用の検査箇所を磁化することができる。磁界発生手段11の2つの対角線方向の磁界は、同時に発生させるのではなく、たとえば図2(a)に示す回転磁界発生用電源15aを用い、2つの対角線方向で同時に発生させても合成磁場が回転するようにして、検査部の磁場方向を時間ごとに変化させればよい。また、図2(b)に示す交互磁界発生用電源15bを用いて、2つの対角線方向の磁界を交互に発生させることもできる。磁心12は、第1および第2の脚部12a、12bの基端側を連結部で接続しているので一体化され、十字状に鉄心を組合わせる交差部分はなく、磁心を安定に保持して、あらゆる方向の表面を容易に磁化させることができる。
【0025】
図4は、本発明の実施の他の形態である磁界発生装置に用いる磁界発生手段11の構成を示す。磁界発生手段11の構成は、基本的に図1の実施形態と同一である。ただし、本実施形態では、磁心12の頂点14a,14bに強磁性体車輪21a,21bをそれぞれ設ける。他の頂点14c、14dでも同様とする。
【0026】
図5は、本実施形態の磁界発生装置30の外観構成を示す。図5(a)は正面視、図5(b)は右側面視した構成をそれぞれ示す。磁界発生手段11は、走行体31に搭載される。走行体31は、前部に制御部32を備え、永久磁石車輪33,34によって吸着され、強磁性材料の表面を走行可能である。強磁性材料の表面を走行可能な走行体31に磁界発生手段11を搭載し、走行体31で磁界発生手段11を移動させながら、強磁性材料の表面を広範囲に磁化させることができる。磁心12の各頂点14a、14bには強磁性材料によって形成される強磁性体車輪21a,21bが設けられるので、走行体15を走行させながら強磁性材料の表面を連続的に磁化させることができる。すなわち、本実施形態の磁界発生装置30は、磁界発生手段11の磁極となる頂点14a,14bに強磁性体車輪21a,21bを用いて、常に被試験体に接触し、簡易に移動することができる構造を有している。
【0027】
図6は、本実施形態による欠陥探傷実施例についての(a)と、従来法による欠陥探傷実施例についての(b)とを比較して示す。被試験体としては、高張力鋼板の溶接部分の同一箇所を使用し、塗装を部分的に除去して磁化させ、磁粉を付着させたものを観察している。溶接線の方向は、図の横方向であり、従来法では、溶接線の方向に垂直に磁界を印加している。従来法では、磁界の印加方向と平行な割れを検出することはできないのに対し、本発明によれば、楕円で囲んで示すように、溶接線に垂直な方向の微小な割れを検出することができる。
【0028】
磁粉探傷法で微小な割れが発見されれば、表面の研磨によって平滑化される。割れを残しておくと、その割れが起点となって割れがさらに進行するからである。本実施形態によれば、走行体31を走行させながら、連続的に磁化させることができる。これによって、球形ガスホルダーばかりではなく、橋梁や鉄塔などの溶接構造物などを磁粉探傷試験する際に効率的に磁化することができる。
【0029】
図7は、本発明の実施のさらに他の形態である磁界発生装置40の外観構成を示す。図7(a)は正面視、図7(b)は右側面視した構成をそれぞれ示す。磁界発生手段11は、走行体41に搭載される。走行体41は、前部に制御部42を備え、永久磁石車輪43,44によって吸着され、強磁性材料の表面を走行可能である。強磁性材料の表面を走行可能な走行体41に磁界発生手段11を搭載し、走行体41で磁界発生手段11を移動させながら、強磁性材料の表面を広範囲に磁化させることができる。走行体41には、変位手段としての昇降機構45が設けられ、磁心12を、走行体41内で、4つの頂点が強磁性材料の表面に接触する位置と表面から離反する位置との間で変位させることができる。磁界発生装置40の構造上、磁場印加時には、走行体41を短時間停止させる必要がある。
【0030】
磁界発生装置40を使用すると、磁心12の頂点を接触させて磁化し、離反させて移動することを繰り返して、磁化を進めることができる。走行体41の速度が上がると磁界発生手段11の変位の周波数も高くなる。このため、移動速度は、磁界の印加範囲を考慮し、被試験体の検査データに取りこぼしがないように決定される。
【0031】
なお、磁化発生装置30,40は、ロボットとしてプログラムされた範囲を自動的に走行して磁化するようにしたり、遠隔操作で制御したりすることができる。また、検査液の塗布と紫外線の照射との機能を備えさせ、磁粉模様観察用カメラなどを搭載させて、磁粉探傷検査全体を自動的に行うようにすることもできる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、磁界発生手段の磁心は、4つの頂点で磁化する強磁性材料の表面に接触し、第1および第2の脚部の基端側を連結部で接続しているので一体化され、十字状に鉄心を組合わせる交差部分はなく、磁心を安定に保持して、あらゆる方向の表面を容易に磁化させることができる。
【0033】
また本発明によれば、磁界発生手段の磁心の4つの頂点から、回転磁界を発生させることができる。
【0034】
さらに本発明によれば、強磁性材料の表面を走行可能な走行体に搭載する磁心の各頂点には強磁性材料によって形成される車輪が設けられるので、走行体を走行させながら強磁性材料の表面を連続的に磁化させることができる。
【0035】
さらに本発明によれば、強磁性材料の表面を走行可能な走行体に搭載する磁心を、頂点が強磁性材料の表面に接触する位置と表面から離反する位置との間で変位させることができるので、頂点を接触させて磁化し、離反させて移動することを繰り返して、磁化を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である磁界発生手段11の概略的な電気回路図および磁心12の斜視図である。
【図2】図1の磁界発生手段11に電流を供給する電源の回路図である。
【図3】図2の電源から供給される電流の波形図である。
【図4】本発明の実施の他の形態に用いる磁界発生手段11の電気回路図および磁心12の正面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態である磁界発生装置30の正面図および右側面図である。
【図6】図5の磁界発生装置30を用いて磁化した磁粉探傷例と、従来のハンドマグナーを用いて磁化した磁粉探傷例とを比較して示す図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態である磁界発生装置40の正面図および右側面図である。
【図8】従来からのハンドマグナー1の基本的構成を示す図である。
【図9】文献記載の磁化装置の例を示す図である。
【図10】文献記載の磁化装置の例を示す図である。
【符号の説明】
11 磁界発生手段
12 磁心
12a 第1の脚部
12b 第2の脚部
12c 連結部
13 巻線
13a 第1の巻線
13b 第2の巻線
13c 第3の巻線
13d 第4の巻線
14a 第1の頂点
14b 第2の頂点
14c 第3の頂点
14d 第4の頂点
15a 回転磁界発生用電源
15b 交互磁界発生用電源
21a,21b 強磁性体車輪
30,40 磁界発生装置
31,41 走行体
33,34,43,44 永久磁石車輪
45 昇降機構

Claims (4)

  1. 漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であって、
    磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、
    磁界発生手段の巻線に磁界発生用の電流を供給する電源とを含み、
    磁心は、
    欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触し、
    第1の頂点と第1の頂点に隣接する第2の頂点とをそれぞれ先端側として基端側が接続される第1の脚部と、
    第1の頂点に対して対角位置にある第3の頂点と第2の頂点に対して対角位置にある第4の頂点とをそれぞれ先端側として基端側が接続される第2の脚部と、
    第1の脚部の基端側と第2の脚部の基端側とを連結する連結部とを有し、
    巻線は、
    磁心の第1の脚部の第1の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第1の巻線と、
    磁心の第1の脚部の第2の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第2の巻線と、
    磁心の第2の脚部の第3の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第3の巻線と、
    磁心の第2の脚部の第4の頂点の先端側と基端側との間に巻回される第4の巻線とを有し、
    第1の巻線と第3の巻線、および第2の巻線と第4の巻線とは、磁心に対してそれぞれ直列に接続されていることを特徴とする磁粉探傷用磁界発生装置。
  2. 前記電源は、前記第1の巻線と第3の巻線、および前記第2の巻線と第4の巻線にそれぞれ交流電流を、相互間で位相がπ/2異なるように供給することを特徴とする請求項1記載の磁粉探傷用磁界発生装置。
  3. 漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であって、
    磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、
    磁界発生手段を搭載し、強磁性材料の表面を走行可能な走行体と、
    磁界発生手段の磁心の各頂点に設けられ、強磁性体材料によって形成される車輪とを含み、
    磁界発生手段の磁心は、
    欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触し、
    各頂点を先端とする4つの脚部が中央で連結して一体化されており、
    磁界発生手段の巻線は、
    対角位置にある頂点が磁極となるように、磁心の各脚部に巻回されることを特徴とする磁粉探傷用磁界発生装置。
  4. 漏れ磁束の存在位置に強磁性体粉末が吸着する現象を利用して欠陥を検出する磁粉探傷法のために、強磁性材料に磁界を印加する磁粉探傷用磁界発生装置であって、
    磁心に巻線が巻回されて磁界を発生させる磁界発生手段と、
    磁界発生手段を搭載し、強磁性材料の表面を走行可能な走行体と、
    磁界発生手段の磁心を、走行体内で、頂点が強磁性材料の表面に接触する位置と該表面から離反する位置との間で変位させる変位手段とを含み、
    磁界発生手段の磁心は、
    欠陥検出の対象となる強磁性材料の表面に対し、矩形の4頂点でそれぞれ接触し、
    各頂点を先端とする4つの脚部が中央で連結して一体化されており、
    磁界発生手段の巻線は、
    対角位置にある頂点が磁極となるように、磁心の各脚部に巻回されることを特徴とする磁粉探傷用磁界発生装置。
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