JP2011038796A - 磁粉探傷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転磁界印加中に被検査物の検査を行い浅いきずの検出能力の高い磁粉探傷装置を提供する。
【解決手段】走行中の被検査物の表層部を磁化して磁粉を散布し、きず部に磁粉指示模様を形成した前記被検査物の表面をカメラで撮影し、撮影画像を画像処理することにより前記きず部の検出を行う磁粉探傷装置であって、前記被検査物の前記表層部付近に回転磁界を発生する磁化部と、前記回転磁界の発生中に前記カメラで撮影した画像をシェーディング補正をし、かつ全方向のきずを検出するきず検出部とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁粉探傷装置、特に回転磁界内でのきず検出を行う磁粉探傷装置に関する。
磁粉探傷法は、鋼材等の強磁性体を被検査物として、その表面に存在する亀裂等のきずを検出する方法として最も有力な方法の一つである。例えば、被検査物である鋼材に磁場を印加して鋼材を磁化すると、鋼材のきず部に起因する磁束が空中に漏れ(漏洩磁束という)、一様な磁界が乱れる。このとき鋼材の表面に磁粉又は磁粉液が存在すると、この漏洩磁束に磁粉が引き寄せられて磁粉の指示模様が形成される。磁粉の表面に蛍光体がコーティングされていれば、紫外線を照射することにより磁粉の指示模様が発光し、被検査物である鋼材の表面の汚れやスケール等の影響を受け難く、精度よくきずを検出することができる。この磁粉探傷した指示模様をカメラで取り込み画像処理をすることによって、きずのみを検出する磁粉探傷装置の試みが、特許文献1をはじめ、数多くなされている。
従来は、上記のように形成された磁粉の指示模様は、印加磁界の外、すなわち、印加磁界の領域外で又は印加磁界の消滅後に観察していた。そのため、きず部に起因する漏洩磁束は印加磁界が存在する場合に比べて小さく、一度形成された磁粉の指示模様を磁粉液の流れで消してしまわないように、磁粉液の流れの速度を一定以下に抑制する必要があった。特に深さの浅いきずにおいては漏洩磁束が小さくなるため、磁粉液の流れの速度を小さくするか止める必要があり、安定した磁粉の指示模様を形成することが困難であった。このために、磁粉液の適用領域は制限を受けていた。
一方、印加回転磁界内で磁粉の指示模様を観察する方法は、きずの方向によらない検出が可能である。さらに印加磁界の外で観察する方法に比較して漏洩磁束が大きいので安定した磁粉の指示模様が得やすく、特に浅いきずの検知性能が向上するという優位性が期待できる。
特公昭57−35793号公報
しかしながら、回転磁界を印加したままで、きずを検出する方法には、以下のような技術的困難性がある。(1)被検査物の周囲空間にも強い磁界が発生しているため、放電管を使用している紫外線灯やTVカメラが安定に動作しない。さらに、(2)磁粉液が流れている最中のために、磁粉液膜が厚く磁粉液のムラが多く発生し、磁粉の指示模様が磁粉液のムラにマスクされてしまい検出しにくいという問題点を有している。
本発明は、上記問題点を克服し、回転磁界印加中に被検査物の検査を行い浅いきずの検出能力の高い磁粉探傷装置を提供することをその目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、走行中の被検査物の表層部を磁化して磁粉を散布し、きず部に磁粉指示模様を形成し、前記被検査物の表面をカメラで撮影し、撮影画像を画像処理することにより前記きず部の検出を行う磁粉探傷装置であって、前記被検査物の前記表層部付近に回転磁界を発生する磁化部と、前記回転磁界の発生中に前記カメラで撮影した画像をシェーディング補正し、かつ全方向のきず部を検出するきず検出部とを具備する。
本発明に係る磁粉探傷装置により、回転磁界内での磁粉指示模様の観察が可能になり、従来見落としていた深さの浅いきずも安定して検出できるので、きず部の検出精度が向上し、被検査物の生産性が改善される。
磁粉探傷装置の構成図である。 回転磁界を発生する磁化部の斜視図である。 商用3相交流電力の位相遅れを90度にするための回路図である。 回転磁界を発生する他の構成の磁化部の斜視図である。 磁場内外の指示模様のムラの発生を示す写真である。 粒子径対模様形成時の粒子速度との関係を示す図である。 2台のカメラによるきずの深浅の識別方法を示す図である。
図1は、本発明の実施態様に係る磁粉探傷装置の構成図である。磁粉探傷装置は、被検査物(1)である例えば長尺の鋼材の表面上の亀裂等のきずを検知するために、磁粉液散布部(2)、磁化部(3)、エアーブロー部(5)、紫外線探傷灯(6)、カメラ(7)、きず検出部(8)及びマーキング部(9)を備える。先ず各部を概説する。
磁粉液散布部(2)は、磁粉液を被検査物(1)の表面に散布する。本実施態様では、磁粉液散布部(2)は、走行する被検査物(1)が磁化部(3)に入る直前に配置される。磁粉液は、磁粉の表面を蛍光体で被った蛍光磁粉液を使用している。被検査物である鋼材の表面の汚れやスケール等の影響を受け難く、精度よくきずを検出できるからである。
磁化部(3)は、2つの対向して配置された貫通コイル(3A)及びその貫通コイル(3A)の間に2つの極間コイル(3B)を備える。貫通コイル(3A)は円形状コイルを有し、その中心部を被検査物である鋼材が貫通して走行する。一方、極間コイル(3B)はU字形状で、その空隙を鋼材が走行する。2つの極間コイル(3B)を備えているのは、2つの貫通コイル(3A)間で一様な回転磁界を発生させるためである。これらのコイルに電流が流れると、貫通コイル(3A)では、その鋼材の走行方向(x軸とする)に磁場が作られ、一方、極間コイル(3B)では、コイルの空隙方向、すなわち鋼材の走行方向と直交する管径方向、例えばy軸方向に磁場が生成される。これら両コイルに位相が90度ずれた正弦波電流が印加されると、xy平面内で一定の磁界強度で回転する回転磁界が生成される。この回転磁界によって、きずの方向に関わらずに漏洩磁束が生成され、磁粉による指示模様が形成される。
エアーブロー部(5)は、被検査物の鋼材に向けて重力に逆らう方向に空気を吹き出すことにより、鋼材の表面上に散布された磁粉液の流速を制御する。磁粉液の流速を制御することによって、明瞭な磁粉指示模様を形成を助ける。本実施態様では、2つの貫通コイル(3A)の間に3つのエアーブロー部(5)が配置される例が示される。
紫外線探傷灯(6)は、蛍光磁粉を使用する場合に、2つの貫通コイル(3A)間の被検査物上の磁粉液を照射するのに用いる。強い回転磁界内では放電管を使った紫外線探傷灯は正常な動作をしなくなるので、被検査物から一定距離(例えば、600〜2000mm)だけ離して設置する。画像処理を不安定にしないため、カメラの視野範囲は均一な紫外線強度の照射になるようにする。このため本実施態様では、紫外線探傷灯の反射板はパラボラ形状としている。
カメラ(7)は、シャッターカメラであり、撮像画像はきず検出部(8)へ送出される。カメラは、強い回転磁界の影響を避けるため被検査物から一定距離(例えば、600〜2000mm)だけ離して設置すると共に、磁気シールドを施している。本実施態様では、深いきずと浅いきずを判別するため、カメラを鋼材の走行方向に100〜1000mmの間隔を空けて2台設置している。
きず検出部(8)は、CPU及びメモリを含むハードウェアから成り、カメラからの画像信号を取込んで信号処理を行い、きずを検出する。そのため、画像信号のバックグランドを均一にする自己シェーディング補正を行う信号処理機能を有する。磁粉液のムラが発生し不均一になっているバックグランドを、均一にして磁粉指示模様を検出しやすくするためである。また、あらゆる方向に走査を行って方向性のある磁粉指示模様を検出するアルゴリズムを備えることが好ましい。回転磁界により生成される全方向の磁粉指示模様を見落とすこと無く処理するためである。
マーキング部(9)は、きず検出部(8)で検出されたきずの位置を特定し、次の工程で除去するために目視できるマーキングを行う。そのためきず検出部(8)と連動したマーキングガンを配列している。
以下、磁粉探傷装置の動作及び詳細な構成について述べる。
x軸方向に走行中の被検査物は、磁粉液散布部(2)によって散布された磁粉液をその表面に付けた状態で、磁化部(3)によって形成された回転磁界領域に入る。このとき被検査物にきずが存在すると、そのきずに起因する漏洩磁界が生じて磁粉液中の磁粉がその漏洩磁束に引き寄せられる。散布直後で磁粉液の流れの速度が速い場合は、磁粉は漏洩磁束に捕捉されずに磁粉指示模様形成には至らない。やがて磁粉液の速度が漏洩磁束に捕捉されるまでに低下すると磁粉は漏洩磁束に捕捉されて集まり磁粉指示模様を形成する。磁粉液の流速、特に重力の影響を受ける垂直方向の流速のコントロールはエアーブロー部(5)によって行われる。この間、磁界は回転しているので、きずの方向に関わらずに漏洩磁束が発生し磁粉を引きつける。回転磁界領域から出て行く頃には、磁粉液の速度も十分遅くなり浅い傷に起因する磁粉指示模様も形成される。
形成された磁粉指示模様は、紫外線探傷灯(6)による紫外線を照射され蛍光を発し、カメラ(7)によってその蛍光の磁粉指示模様が撮像される。撮像された画像情報はきず検出部(8)へ送られ、きず検出部(8)では、きずに起因する磁粉指示模様以外の磁粉ムラによる背景雑音を低減するシェーディング補正などの信号処理を受け、最終的にきず検出される。検出されたきずの位置情報はマーキング部(9)へ送られ、目視できるようにマークが付けられる。
回転磁界の生成について更に詳細に説明する。
図2は、貫通コイル(3A)及び極間コイル(3B)の配置を示した斜視図である。貫通コイル(3A)では、その鋼材の走行方向(x軸とする)に磁場が作られ、一方、極間コイル(3B)では、コイルの空隙方向、すなわち鋼材の走行方向と直交する管径方向(例えばy軸方向とする)に磁場が生成される。これら両コイルに位相がずれた正弦波電流が印加されると、xy平面内で回転する回転磁界が生成される。きず部の方向に依存しない検査のためには、回転磁界は方向に依存しないで一定の強度で回転する円形磁場が望ましい。そのためには、極間コイル(3B)と貫通コイル(3A)による磁場は同じ強度で90度ずれていなければならない。両コイルの磁界の強さが異なるとき、又は位相が90度からずれたときは方向によって磁界の強さが異なる楕円形となる。
例えば、商用3相交流電源を使用する場合、位相差は120度であるため、このまま上記貫通コイル(3A)と極間コイル(3B)に印加すると、楕円形の回転磁界が形成される。これは、きずの検出力が全方向均一ではなく、方向に依存する不均一性がもつことを意味する。
図3は、商用3相交流電源の位相差120度を90度にするための進相(又は遅相)回路の一例を示す。本例では極間コイル(3B)側にコンデンサと抵抗が接続され進相回路を形成している。貫通コイル(3A)には端子R、Sを介して3相交流の1つが印加され、他方のコイル(3B)には端子S、Tを介して、位相差120度の3相交流の1つが印加される。端子S、Tに印加された交流は、コンデンサと抵抗による進相回路によって位相を30度進める方向に回転され位相差が90度となる。これにより、方向によらず一定の強さの磁界をもった回転磁界が得られる。なお、商用の3相交流の使用ではなく、インバータで任意の周波数を有する90度ずれたコイル駆動用の交流を作ってもよい。
また、鋼材の走行速度を上げて検査効率を上げるためには、磁粉指示模様の形成に一定の時間がかかるので、回転磁界が存在する領域を鋼材の走行速度に合わせて一定程度確保する必要がある。回転磁界が不均一であると、すなわち回転磁界の強さの方向依存性及び磁界の強さの場所的依存性が大きいと、磁粉指示模様の検出に方向及び場所に依存するばらつきがでるので不都合である。そこで、磁粉指示模様の検出上、比較的誤差が少ない許容範囲として、最小及び最大磁場の比が、例えば1:2以下の領域を有効回転磁界領域と称する。貫通コイルは大きな径にすれば比較的容易に均一磁界を作れる。また、極間コイル(3B)についても、極間コイルは磁極の幅の約2倍のピッチで配置することでほぼ均一な磁化を作ることが出来る。具体的には、磁極の幅の1.5〜3倍のピッチであれば比較的均一な磁場を得ることが出来る。なお、鋼材の走行速度(「搬送速度」ともいう)が速いと、有効回転磁界領域も広く確保する必要がある。走行速度を10〜60m/min程度とした場合、有効回転磁界領域を200〜2000mm程度にすることが好ましい。
なお、本実施態様では、極間コイル(3B)を2台設置しているが、更に設置台数を増やすことにより、有効回転磁界領域を走行方向に更に広げることができる。また、磁化部(3)は、図4に示すように、1つの貫通コイル(3A)及び1以上の極間コイル(3B)を配置してもよい。スペースの問題で多くのコイルを配置できない場合は、磁界強度を上げることで磁粉指示模様を形成する時間を短くすることは出来るが、鋼材が磁気飽和してしまうと磁界強度を上げても効果が無くなるので限界がある。
上述したように、印加回転磁界の中で磁粉指示模様を観察することは、印加磁界外の観察に比べると、数十倍から数百倍の強い漏洩磁束が発生している最中なので磁粉指示模様が流れることなく、安定した指示模様を得ることができるという特徴を有する。
ただし、回転磁界を発生中であるため、被検査物の周囲空間にも強い磁界が発生しており、放電管を使用した紫外線灯の放電電流が不安定にならないように、紫外線灯を鋼材から充分な距離(600〜2000mm)遠ざけることが好ましい。このため、照射距離が遠くても高強度の紫外線を均一に照射できる灯具が望ましい。また、鋼材は曲がりがあるため、照射距離が近づいたり遠ざかったりする。この場合でも鋼材表面の紫外線強度が変化しないように並行光線になった紫外線とする必要がある。このため紫外線探傷灯の反射板はパラボラ形状が望ましい。
また、カメラも磁界の影響を受けて得られる映像が不安定になるため鋼材より600〜2000mm遠ざけることが好ましい。カメラを遠ざける理由は、上記の他に鋼材の曲がりにより被写界距離が変化しても解像度が変化しにくいようにするためである。解像度が高くなった場合は、視野の中に入りきらなくなり未検査となってしまう。逆に解像度が低くなった場合は、きず深さが浅い磁粉指示模様を検出できなくなる。また、カメラを遠ざけるだけでは磁界の影響を完全に遮断できない場合は、透磁率の高い材料でカメラを囲むのが好ましい。ただし、レンズ側は囲むことができないので、直径の3倍以上の長さの円筒形の筒を取付けるのがよい。
図5は、印加磁場中及び印加磁場外で撮影した磁粉指示模様の画像の一例である。図5Aは印加磁場中で撮影した磁粉指示模様であり、図5Bは印加磁場外で撮影した指示模様の画像である。印加磁場外で撮影した指示模様(図5B)に比較すると、磁場中で撮影したきず部による磁粉指示模様(図5A)は、バックグラウンドが明るくしかもムラが多く、本来は明るく鮮明であるきず部による磁粉指示模様をマスクしてしまっている。これは磁粉液の膜厚が厚く流れている最中のため、磁粉液のムラが多く発生し画像のバックグランドを不均一にしているためである。
そのため、カメラからの画像信号を信号処理するきず検出部は、自己シェーディング補正機能でバックグランドのムラを取り除き均一に補正する機能を備えている。具体的には、磁粉ムラに起因する信号周波数成分は、きず部に起因する磁粉指示模様の信号周波数成分よりも低い成分を有するので、低い信号周波数成分を取り除くことによっておこなう。
また、きず検出部は、回転磁界で出来た全方向の磁粉指示模様を見落とすことが無く処理するよう構成される。そのため、あらゆる方向に走査して磁粉指示模様を検出するアルゴリズムを使った画像処理を行っている。また、きず検出部は、探傷速度を上げるために各画像処理ユニットに順次画像を転送するパイプライン接続の構成をとってもよい。
図6は、磁粉の平均粒子径と指示模様形成時の磁粉液の流速との関係を示した一例である。本図は、比較的磁気の強い磁気テープ3番目(深いきずに相当)と比較的弱い磁気テープ10番目(浅いきずに相当)について磁粉の平均粒子径に対する指示模様形成時の磁粉液の流速を示している。磁粉の粒子径が小さくなると、体積に比べ表面積が大きくなる。そのため粒子径が小さい磁粉を使用することで磁粉が動きにくくなる。ただし、粒子径があまり小さくなると漏洩磁束で吸引する力が極端に弱くなる。本図に示されるように、被検査物のきず部で発生する漏洩磁束は、磁界外の観察に比べると強いとはいえ、遠くにある磁粉を引寄せる力は無く、真上を通過する磁粉を引き止める程度の吸引力しかない。このため、磁粉液の流速が速いと磁粉指示模様の形成が弱く不安定なものしか形成できない。したがって、きずの真上を流れる磁粉液の流速は最適値が有り、5〜100mm/sがよい。5mm/sより遅いと磁粉指示模様の形成に時間がかかりすぎるため探傷速度が遅くなってしまい、100mm/sより速いと指示模様の形成が弱く不安定になるからである。
深さが浅いきずを対象とする場合は流速を遅くし、比較的深いきずを対象とする場合は流速をやや速めとするエアーブローを行うとよい。通常の状態では、重力により磁粉液が落ちるので材料の傾きと、液膜の厚み、液の粘度(温度)で流速が決まる。
エアーブローが無いと、散布直後は、液膜が厚いため流速は速く傷の上を多くの磁粉が通過してもきずにほとんど吸着しない。液膜が薄くなってくると流速が遅くなり徐々に磁粉指示模様が形成されるが液膜が薄いため多くの磁粉は通過しない。更に液膜が薄くなると流速は遅いが磁粉がほとんど通過しないので磁粉指示模様の形成はストップする。この状態で磁界が無くなると遅い流速でも磁粉が堰となり、浅いきずの磁粉指示模様が消えやすくなる。
本装置は、重力に逆らう方向にエアーブローを行うことで散布直後の液膜が厚い時に流速を遅くすることで多くの磁粉が流速5〜100mm/sで傷の上を通過するため安定し、明瞭な磁粉指示模様を形成することが出来る。エアーブローの風速が速い場合は、形成された磁粉指示模様を消してしまうため、広い面積をゆっくりした風速(0.5〜10m/s)でブローするのが良い。
本装置では、回転磁界の中での磁粉指示模様が形成されている過程をみることができる。すなわち、被検査物が有効回転磁界領域へ入ってくる入側では、磁粉液の流れが速いので深さの深いきずの磁粉指示模様が形成される。一方、被検査物が有効回転磁界領域から出て行く出側に近づくにつれ、磁粉液の流れが遅くなるので浅いきずの指示模様も形成される。このことから、有効回転磁界領域の中に2台のカメラを設け、きずの深さを推定することが出来る。
図7は、2台のカメラを用いた深いきずと浅いきずの判別方法を示す。1台目のカメラは有効回転磁界領域への被検査物の入側付近を撮像するために設けて、比較的深いきずに起因する磁粉指示模様の検出を行う。2台目のカメラは有効回転磁界領域からの被検査物の出側付近を撮像するために設ける。この領域では、既に形成された深いきずに起因する磁粉指示模様と新たに形成される浅いきずに起因する磁粉指示模様の両方が現れている。したがって、2台目のカメラの画像から1台目のカメラの画像を減算した結果の画像は、浅いきずの磁粉指示模様となる。2台のカメラによる2つの画像の減算を行うためには、鋼材の位置をエンコーダ等で測定し全く同じ鋼材の位置をカメラで取り込むようにしている。なお、2台のカメラは、有効回転磁界領域の長さに対応して、鋼材の走行方向に対して100〜1000mmの間隔を空けて設置する。
検出したきずは、次の工程で除去され健全品となり更に下工程に送られる。本装置で検出したきずは目視ではまったく見えないため何らかの方法で次の工程に知らせる必要がある。本装置では、鋼材表面をカバーするようにマーキングガンを配列し、受け持ちの範囲にきずを検出すると速やかにマーキングを行うことにより、目視で、きずの位置が容易に判る。マーキング誤りが発生すると、きずが除去されず下工程に送られ、大きな問題となる。このため、マーキング装置は信頼性が高く実績が有る装置を使用するのがよい。また、始業時には動作確認を行うことでマーキング誤りをなくすことが出来る。
以上説明した構成及び動作により、本実施形態に係る磁粉探傷装置では、回転磁界内での磁粉指示模様の観察を可能にすることにより、一度で全方向のきずを検出でき、従来見落としていた浅いきずも安定して検出できるので、検出精度が向上し、被検査物の生産性が改善される。さらに、磁粉の指示模様形成を経時的に観察できるので、カメラを2台備えた態様では、深いきずと浅いきずを分離して識別することもできる。また、広い領域で観察・撮影できるよう磁化部を構成しているため、被検査物の走行速度を上げ検査時間を短縮できるという効果も生じる。
鋼材製造の中間段階で表面きずを検出することで、圧延で長く伸びたきずを除去する手間及び加工精度の確保ができる。
1 被検査物(鋼材)
2 磁粉液散布部
3 磁化部
3A 貫通コイル
3B 極間コイル
5 エアーブロー部
6 紫外線探傷灯
7 カメラ
8 きず検出部
9 マーキング部

Claims (10)

  1. 走行中の被検査物の表層部を磁化して磁粉を散布し、きず部に磁粉指示模様を形成し、前記被検査物の表面をカメラで撮影し、撮影画像を画像処理することにより前記きず部の検出を行う磁粉探傷装置であって、
    前記被検査物の前記表層部付近に回転磁界を発生する磁化部と、
    前記回転磁界の発生中に前記カメラで撮影した画像をシェーディング補正し、かつ全方向のきず部を検出するきず検出部と、
    を具備する、前記磁粉探傷装置。
  2. 前記磁化部は、極間コイルと貫通コイルを備え、前記被検査物の走行方向に一定の範囲で、前記走行方向(x軸)とそれに直交する方向(y軸)とで決まる面内で回転する回転磁界を発生する、請求項1に記載の磁粉探傷装置。
  3. 前記磁化部の前記極間コイルの配列ピッチを磁極幅の1.5〜3倍とし、その間に貫通コイルを配置することで被検査物の走行方向に200〜2000mmの範囲で均一な回転磁界を得る、請求項1又は2に記載の磁粉探傷装置。
  4. 前記磁化部の前記極間コイルと前記貫通コイルは、3相交流の位相が120度異なる結線を行い、コンデンサと抵抗とでコイルに流れる電流の位相差を90度とすることで全方向の検出力を一定にする、請求項2又は3に記載の磁粉探傷装置。
  5. 散布された前記磁粉液を重力とバランスさせて指示模様形成に最適な流速に保つように下から上にエアーブローを行うエアーブロー部を備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  6. 前記磁粉液の前記最適な流速は、5〜100mm/sである、請求項5に記載の磁粉探傷装置。
  7. 前記カメラは、磁気シールドを施したシャッターカメラである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  8. 前記カメラは、前記回転磁界の中で前記被検査物の走行方向に間隔を空けて2台設置した、請求項1に記載の磁粉探傷装置。
  9. 紫外線を一定の長距離から被検査物に均一照射する灯具を備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  10. 検出したきずの位置にマーキングを行うマーキング装置を備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
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