JPH10287572A - 肝機能障害予防改善剤 - Google Patents
肝機能障害予防改善剤Info
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- JPH10287572A JPH10287572A JP11334697A JP11334697A JPH10287572A JP H10287572 A JPH10287572 A JP H10287572A JP 11334697 A JP11334697 A JP 11334697A JP 11334697 A JP11334697 A JP 11334697A JP H10287572 A JPH10287572 A JP H10287572A
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Abstract
しかも充分な効果をもつ肝機能障害予防改善剤を提供す
る。 【解決手段】 キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖及び
その塩から選ばれた少なくとも1種を肝機能障害予防改
善剤として用いる。キチンオリゴ糖としては、重合度が
2〜7糖程度のものが好ましく、キトサンオリゴ糖とし
ては、重合度が2〜8糖程度のものが好ましく、これら
のオリゴ糖の混合物でもよい。この肝機能障害予防改善
剤は、食品、医薬品、飼料、餌料等に添加、配合して用
いることもできる。また、医薬品として用いる場合、そ
の投与方法は経口、静注、筋注等のいずれの方法でもよ
い。
Description
キトサンオリゴ糖及びその塩から選ばれた少なくとも一
種を有効成分とする肝機能障害予防改善剤に関する。
に伴い、各種の成人病の発生率が高くなってきている。
中でも肝機能障害は、定期検診の生化学的検査において
GOT 、GPT 等の指標によりその程度が把握できることか
ら、障害の発見が容易になされるようになってきてい
る。
脂質の代謝や貯蔵、ホルモン調節等の重要な役割を果た
しており、その機能障害は生体にとって致命的な結果を
招くことも少なくない。肝炎に代表される肝機能障害の
原因は、アルコール飲料の過剰摂取、暴飲、暴食や不規
則な生活、ストレス等の生活習慣に基づくものもある
が、肝炎ウイルスに因るものも多いことが判ってきた。
特にウイルス性肝炎は、慢性化すると肝硬変を経て肝癌
に移行することが多く、予防改善法の確立が切望されて
いる。
のものが提案されているが、一般に化学合成品は効果は
高いものの副作用もあり、長期の投薬には問題があり、
天然抽出物は逆に安全性が高いものの充分な効果を示さ
ないものが多かった。
の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は安全
性が高く、充分な効果をもつ肝機能障害予防改善剤を提
供することにある。
を達成するため鋭意研究した結果、キチンオリゴ糖、キ
トサンオリゴ糖及びその塩をマウスに投与すると、肝機
能障害を効果的に改善できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
は、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖及びその塩から
選ばれた少なくとも1種を有効成分として含むことを特
徴とする。
る試験例に示されるように、マウスに対して人為的に誘
発させた肝炎に対し、その症状を軽減させる顕著な予防
改善効果を発揮することが認められた。したがって、人
間を含めた動物に対して、肝炎等に伴う肝機能障害予防
改善効果をもたらすことが期待される。
天然に豊富に存在する多糖類を原料として得られるキチ
ンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖及びその塩を有効成分と
しているため、安全性が高く、しかも比較的簡単な工程
で製造できるので、コスト的にも有利である。
糖、キトサンオリゴ糖及びその塩は、カニ、エビ等の甲
殻類の殻等から常法によって調製されるキチンを、化学
的又は生化学的に処理することによって得られる。
又は酵素によって部分加水分解し、必要に応じてその分
解物からカラムクロマトグラフィーや溶剤分画等の方法
によって所望の重合度のものを分画、精製することによ
り得られる。酸分解による方法としては、例えば本出願
人による特公平5−86399号公報に示される方法が
好ましく採用できる。キチンオリゴ糖の重合度は、通常
2〜7糖程度のもの、すなわちN−アセチルキトビオー
ス、N−アセチルキトトリオース、N−アセチルキトテ
トラオース、N−アセチルキトペンタオース、N−アセ
チルキトヘキサオース、N−アセチルキトヘプタオース
が好ましく、この中の1種又は2種以上の混合物が好ま
しく用いられる。なお、キチンオリゴ糖又はその混合物
は、各社から市販されており、例えば「NA-COS-Y」(商
品名、焼津水産化学工業株式会社製)などを用いること
ができる。
リ処理して得られるキトサンを部分加水分解して得られ
る。キトサンの部分加水分解は、キトサンを塩酸、酢
酸、蟻酸等の酸とともに加熱した後、酸を除去するか、
又は中和脱塩し、結晶化等により粉末化するか、あるい
は、キトサンを希酸に溶解後、キトサナーゼ、D-グルコ
サミニダーゼ等のキトサン分解酵素を作用させる等の方
法によって行うことができる。これらの方法によって得
られるキトサンオリゴ糖の重合度は、通常2〜8糖程度
の混合物、すなわちキトビオース、キトトリオース、キ
トテトラオース、キトペンタオース、キトヘキサオー
ス、キトヘプタオース、キトオクタオース等の混合物で
ある。本発明においては、上記のようなキトサンオリゴ
糖の混合物の状態で使用することも可能であるが、カラ
ムクロマトグラフィーや溶剤分画等の方法によって所望
の重合度のものに分画、精製してもよい。なお、キトサ
ンオリゴ糖又はその混合物は、各社から市販されてお
り、例えば「COS-Y 」(商品名、焼津水産化学工業株式
会社製)などを用いることができる。
塩としては、例えば塩酸塩や硫酸塩等の無機塩や酢酸
塩、乳酸塩、蟻酸塩等の有機酸塩等が好ましく用いられ
る。
オリゴ糖、キトサンオリゴ糖及びその塩から選ばれた少
なくとも1種を有効成分として含んでいればよく、キチ
ンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖及びその塩として直接摂
取又は投与することもでき、また、食品、医薬品、飼
料、餌料等に添加、配合して用いることもできる。例え
ば医薬品として用いる場合、その投与方法も、経口、静
注、筋注等の各種の投与方法を採用することができる。
なお、キチンオリゴ糖もキトサンオリゴ糖及びその塩も
容易に水に溶解するので、添加、配合が容易である。
及びその塩の動物に対する投与量は動物の種類、投与期
間、配合する食品、医薬品、飼料、餌料等の種類により
異なるが、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖として、
各々体重1kg 当たり、経口の場合0.1 〜1,000mg 、静注
の場合0.01〜100mg 、筋注の場合0.01〜100mg が好まし
い。また、食品、飼料、餌料への配合量としては0.01〜
10重量%程度が好ましい。
の安全性については、既に確認されているところである
が、念のためラットにおける経口投与での急性毒性試験
結果を記載すると、両者ともLD50>5g/kg以上であっ
た。
加え、45℃湯浴中で3時間攪拌した後、水4000mlを加え
て反応を終了させた。25% 苛性ソーダでpH6.0に中和
後、活性炭脱色、濾過、電気透析により脱塩を行い、イ
オン交換樹脂処理による精製後、噴霧乾燥してキチンオ
リゴ糖混合物420gを得た。
アセチルグルコサミン35重量%、N−アセチルキトビオ
ース19重量%、N−アセチルキトトリオース15重量%、
N−アセチルキトテトラオース12重量%、N−アセチル
キトペンタオース 8重量%、N−アセチルキトヘキサオ
ース 6重量%、N−アセチルキトヘプタオース 5重量%
であった。
造) カニ殻を起源とするキトサン100gに、12N 塩酸400ml を
加え、70℃湯浴中で2時間攪拌した後、水400ml を加え
て反応を終了させ、フィルター濾過により不要物を除去
した。次に活性炭10g を添加して1 時間攪拌した後、フ
ィルター濾過して活性炭を除去し、分離脱色液700ml を
得た。この分離脱色液を塩酸を溜去させながら減圧濃縮
し、得られたシラップ状濃縮液にメタノール300ml を加
え、更にアセトン900 mlを添加して結晶状沈殿物を析出
させた。この沈殿物をフィルター濾過により回収し、真
空乾燥してキトサンオリゴ糖混合物120gを得た。
−グルコサミン32重量%、キトビオース20重量%、キト
トリオース14重量%、キトテトラオース14重量%、キト
ペンタオース10重量%、キトヘキサオース 4重量%、キ
トヘプタオース 4重量%、キトオクタオース 2重量%で
あった。
の製造) カニ殻を起源とするキトサン250gに水5Lと氷酢酸90g を
加え、一晩攪拌して粘調な溶液を得た。このキトサン溶
液にバチラス・パミラス(Bacillus pumilus)起源のキ
トサナーゼ(明治製菓株式会社製)50mgを添加し、40℃
湯浴中で18時間攪拌した。反応終了後、80℃で10分間加
熱して酵素を失活させて、キトサンオリゴ糖溶液を得
た。次いでキトサンオリゴ糖溶液を噴霧乾燥してキトサ
ンオリゴ糖酢酸塩混合物210gを得た。
は、キトビオース酢酸塩25重量%、キトトリオース酢酸
塩24重量%、キトテトラオース酢酸塩19重量%、キトペ
ンタオース酢酸塩16重量%、キトヘキサオース酢酸塩 8
重量%、キトヘプタオース酢酸塩 5重量%、キトオクタ
オース酢酸塩 3重量%であった。
実験) 8 週齢のマウス(BDF1)にコリネバクテリウム・パ
ルバム(Corynebacterium parvum)菌体を一匹当たり0.
5mg 静脈内に投与し、7日後に大腸菌より抽出されたリ
ポポリサッカライド(LPS)を0.1 mg、1 mg、10mgの
量で静注投与した後、それぞれの群について21日まで
観察して屠殺し、肝炎の程度を調べた。結果は表1の通
りであった。
し、1週間後にLPSを静注投与すると、肝細胞の壊死
が起こり、肝炎が誘発される。これは、マクロファージ
がコリネバクテリウムによりプライミングされた状態
(刺激に対して反応しやすい状態)になるためと考えら
れており、この方法は肝障害モデルとして古くから確立
されている。また、マウス(BDF1)は、C57BL
/マウスの雌と、DBA/2マウスの雄を掛け合せて生
じた交雑第1代のマウスである。
オリゴ糖、キトサンオリゴ糖投与の影響) 試験例1の結果から、LPS0.1mg をマウスに投与して
急性肝炎を誘発し、その後一週間目(実験開始の日から
14日目)より、実施例1で得られたキチンオリゴ糖混
合物及び実施例3で得られたキトサンオリゴ糖酢酸塩混
合物を、各0.5mg /mlの量で飲用水に混ぜてマウスに自
由摂取させた。28日目にマウスを屠殺処分して肝臓の
一部を取り出し、病理組織学的検査を行った。すなわ
ち、リンパ球の集簇を一つの病変部分(ユニット)と考
え、そのユニットが肝臓の一切片中に何個あるか、また
その1ユニット中のリンパ球の集簇数で病変の規模を評
価した。この実験結果を表2に示した。
れた病変の数と最大の病変の中に見出されるリンパ球の
数を示した。水のみを与えた対照群に比較してキチンオ
リゴ糖混合物投与群、キトサンオリゴ糖酢酸塩混合物投
与群とも病変の数は低下しており、肝炎の改善効果が認
められた。
鏡(商品名「Olympus Vanox 」、オリンパス光学工業
製)を用いて撮影した組織像例を示す顕微鏡写真を、図
1〜3に示した。
顕微鏡写真、(b)は400倍の顕微鏡写真、図2はキ
チンオリゴ糖混合物投与群(実施例1)を示し、(a)
は100倍の顕微鏡写真、(b)は400倍の顕微鏡写
真、図3はキトサンオリゴ糖酢酸塩投与群(実施例3)
を示し、(a)は100倍の顕微鏡写真、(b)は40
0倍の顕微鏡写真である。
群に比較してキチンオリゴ糖混合物投与群、キトサンオ
リゴ糖酢酸塩混合物投与群とも病変の数は低下してお
り、肝炎の改善効果が認められた。
害予防改善剤によれば、肝炎等に伴う肝機能障害を軽減
し、改善する効果が期待でき、天然の多糖類であるキチ
ンから調製されたものなので、人体に安全であり、飲食
品等に添加して日常生活の中で気軽に摂取することがで
きる。
マウスの肝臓組織を示す顕微鏡写真であり、(a)は1
00倍の顕微鏡写真、(b)は400倍の顕微鏡写真で
ある。
リゴ糖混合物投与群のマウスの肝臓組織を示す顕微鏡写
真であり、(a)は100倍の顕微鏡写真、(b)は4
00倍の顕微鏡写真である。
オリゴ糖酢酸塩混合物投与群のマウスの肝臓組織を示す
顕微鏡写真であり、(a)は100倍の顕微鏡写真、
(b)は400倍の顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【請求項1】 キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖及び
その塩から選ばれた少なくとも1種を有効成分として含
有することを特徴とする肝機能障害予防改善剤。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11334697A JP4105779B2 (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 肝機能障害予防改善剤 |
US09/060,381 US5981510A (en) | 1997-04-15 | 1998-04-15 | Method for treating and improving diabetes |
US09/353,050 US6242431B1 (en) | 1997-04-15 | 1999-07-13 | Method for treating liver dysfunction |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11334697A JP4105779B2 (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 肝機能障害予防改善剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10287572A true JPH10287572A (ja) | 1998-10-27 |
JP4105779B2 JP4105779B2 (ja) | 2008-06-25 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11334697A Expired - Fee Related JP4105779B2 (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 肝機能障害予防改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
CN111671719A (zh) * | 2020-06-18 | 2020-09-18 | 广东药科大学 | 一种壳寡糖组合物及其制备方法和应用 |
-
1997
- 1997-04-15 JP JP11334697A patent/JP4105779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP4105779B2 (ja) | 2008-06-25 |
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