JP2001181303A - フコイダン様多糖複合体及びその製造方法並びにそれを主成分とする免疫賦活剤 - Google Patents

フコイダン様多糖複合体及びその製造方法並びにそれを主成分とする免疫賦活剤

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JP2001181303A
JP2001181303A JP2000052396A JP2000052396A JP2001181303A JP 2001181303 A JP2001181303 A JP 2001181303A JP 2000052396 A JP2000052396 A JP 2000052396A JP 2000052396 A JP2000052396 A JP 2000052396A JP 2001181303 A JP2001181303 A JP 2001181303A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ウィルス感染や化学薬品等により
変異を生じた自己細胞を殺し、組織の癌化を早期に防
ぎ、病気の予防・健康維持に重要なナチュラルキラー細
胞(NK)活性を亢進させ、進入異物等を除去し免疫成
立の重要な一員であるマクロファージ(Mφ)貧食能を
亢進させることにより、生体防御能賦活活性を向上させ
るとともに、肝障害軽減作用を有するフコダイン様多糖
複合体の提供を目的とする。 【解決手段】 本発明のフコダイン様多糖複合体は、海
水や塩水で洗浄したワカメの芽株部を冷間乾燥後、低温
乾燥粉砕化されてなる芽株紛状物から抽出されたフコー
ス及び/又はガラクトースを含有する構成を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワカメのメカブから
得られたフコイダン様多糖複合体及びその製造方法並び
にそれを主成分とする生体防御能亢進剤及び腫瘍剤に関
し、更に詳しくは、変異細胞の除去により組織の癌化を
防ぐナチュラルキラー細胞(NK)活性の亢進と、進入
異物等を除去し免疫成立の重要な一員であるマクロファ
ージ(Mφ)貧食能の亢進活性により、生体防御能賦活
活性を向上させるフコイダン様多糖複合体を低原価で量
産できる製造方法、及びその方法により得られた生物活
性に優れたフコイダン様多糖複合体並びにそれを有効成
分とした生体防御能亢進剤及び免疫賦活剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、日本は世界でも有数の海藻生産国
でもあり、消費国でもある。海藻には栄養上有益である
だけでなく、特殊な生物活性が種々あることが明らかに
されている。従って、従来より海藻は食用、あるいは民
間薬として用いられており、特に、褐藻類に含まれる硫
酸化多糖であるフコイダンは、抗血液凝固作用、脂血清
澄作用、抗腫瘍作用、抗エイズウィルス感染作用等の様
々な生理活性が報告され、極めて有用な医薬品として注
目されている。
【0003】一方、海藻のうちワカメは、血液のコレス
テロールを正常に保ったり、免疫能を賦与して、ある種
の腫瘍に抵抗性を示すなど、多様な機能を備えているこ
とが明らかにされており、特に、ワカメの芽株には、ワ
カメの卵ともいえる遊走子が内在された胞子嚢が密生し
ており、また、その構成成分はカリウム・カルシウム・
リン・鉄等のミネラル類やビタミンA・B1・B2・ナ
イアシン・C等のビタミン類が豊富に含まれており、そ
の他微量ではあるが生命の維持及び栄養素として必要な
ミネラル、即ち、必須微量元素も含まれており、天然の
総合保健薬、あるいは各種食品用素材として注目され、
種々の研究開発が行われている。例えば、 a.特開平6−80583号公報(以下、a号公報とい
う)には、「抗ウィルス剤として用いるための繊維芽細
胞成長因子及び硫酸化多糖を含有する共働性組成物」が
開示されている。 b.特開昭58−174329号公報(以下、b号公報
という)には、海藻の水抽出物に第4級アンモニウム塩
を作用させて得られる沈殿物を無機塩水溶液に可溶化
し、後塩化カルシウム水溶液で分画する海藻由来抗腫瘍
性硫酸化多糖体の製造法が開示されている。 c.特開平5−271306号公報(以下、c号公報と
いう)には、ヒト及びネズミウイルス、特にヒト免疫不
全ウイルス(HIV)を含むDNA及びRNAウイルス
に対する広範囲の抗ウイルス活性を与える、紅藻植物網
種に属する海生藻類により産生される新規硫酸化多糖類
が開示されているされている。 d.特開平8−92303号公報(以下、d号公報とい
う)には、構成単糖がAとBであり、AはL−ガラクト
ース−6−硫酸もしくは3,6−アンヒドロ−L−ガラ
クトースでBはD−ガラクトースもしくは6−O−メチ
ル−D−ガラクトースであり、AとBが交互に配列して
おり、A→Bの結合様式がα1→3であり、B→Aの結
合様式がβ1→4であり、非還元末端を構成する単糖が
L−ガラクトース−6−硫酸であり、構成単糖としてL
−ガラクトース−6−硫酸を1分子中に2以上含有し、
構成単糖の数が4〜500の偶数である酸性糖、その製
造方法およびそれを有効成分とする免疫賦活剤が開示さ
れている。 e.特公昭59−19561号公報(以下、e号公報と
いう)には、海藻由来のポリウロン酸にアシル化剤を作
用させて得られるポリアシルウロン酸を還元剤を用いて
還元後アシル基をアルカリ加水分解する新規抗腫瘍性物
質の製造法が開示されているされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、以下の課題を有していた。 a.主としてアガロースを基本骨格に持つ高分子の酸性
多糖を主成分とするものであるので、これらの酸性多糖
は粘性が高く取扱い性が困難である。 b.時によっては強いゲルを形成するため、食品や飼料
に混合した際に、塊りが生じ分散性に欠け混合斑が生じ
易い。 c.粘度が高く粉末化が困難なため、これ自体を経口、
非経口投与に適するような剤形に製剤することは極めて
困難である。 d.粘稠なため製造工程での取扱いも難しく、操作が煩
雑となり生産性に欠ける。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決するものであって、ウィルス感染や化学薬品等
により変異を生じた自己細胞を殺し、組織の癌化を早期
に防ぎ、病気の予防・健康維持に重要なナチュラルキラ
ー細胞(NK)活性を亢進させ、進入異物等を除去し免
疫成立の重要な一員であるマクロファージ(Mφ)貧食
能を亢進させることにより、生体防御能賦活活性を向上
させるとともに、肝障害軽減作用を有するフコイダン様
多糖複合体の提供、生物活性に優れたフコイダン様多糖
複合体を高収率でかつ低原価で量産できるワカメのメカ
ブからのフコイダン様多糖複合体の製造方法の提供、並
びに消化器系での吸収性に優れ副作用のない免疫賦活剤
の提供を目的とする。
【0006】本発明の請求項1に記載のフコイダン様多
糖複合体は、海水や塩水で洗浄したワカメの芽株部を冷
間乾燥後、低温乾式粉砕化されてなる芽株紛状物から抽
出されたフコース及び/又はガラクトースを含有する構
成を有している。これにより、以下の作用が得られる。 a.ワカメの芽株を変質させることなくフコイダン様多
糖体を容易に抽出することができ、カリウム・カルシウ
ム・リン・鉄等のミネラル類やビタミンA・B1・B2
・ナイアシン・C等のビタミン類が豊富に含まれ、ま
た、その他微量ではあるが生命の維持及び栄養素として
必要なミネラル、即ち、必須微量元素が含まれるフコイ
ダン様多糖複合体を得ることができる。 b.鉄分やカルシウム、マグネシウム、カリウム等のミ
ネラルの含量が極めて多く、且つストレスの解消性を有
し興奮を抑え、抗病性・免疫性を向上させることができ
る。
【0007】c.フコイダン様多糖複合体中のフコース
類等がナチュラルキラー細胞活性を有するので、ウィル
ス感染、化学薬品等により変異を生じた自己細胞を殺
し、組織の癌化を早期に防ぐことができ、病気予防・健
康維持を可能にすることができる。
【0008】d.フコイダン様多糖複合体中のフコース
類等が、マクロファージ貧食能亢進活性を有するので、
非特異的に進入異物等を除去し、免疫成立、即ち、抗原
提示に重要な機能を果たすことができる。
【0009】e.フコイダン様多糖複合体中のフコース
類等が生体防御能亢進活性を有するので、変異細胞の除
去を通じて組織の癌化を防ぐナチュラルキラー細胞(N
K)活性の亢進と、進入異物等を除去し、免疫成立の重
要な一員であるマクロファージ(Mφ)貧食能の亢進活
性を有する生体防御能を亢進させることができる。
【0010】f.フコイダン様多糖複合体中のフコース
等が、肝障害軽減作用を有するので、多種多様な特異的
機能を有する代謝の中枢である肝臓における肝機能を亢
進させ、もって、生体の機能を亢進させ、健康を維持す
ることが可能となる作用を有する。
【0011】本発明の請求項2に記載のフコイダン様多
糖複合体の製造方法は、ワカメの芽株を海水または塩水
で洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄された芽株
を天日乾燥で乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程で乾
燥された芽株を低温下で粉砕する粉砕工程と、前記粉砕
工程で得られた芽株粉体の脱脂を行う脱脂工程と、次い
で乾燥する乾燥工程と、次いで、乾燥された芽株粉体に
水を加えて加熱攪拌し抽出する抽出工程と、前記抽出工
程で得られた抽出液を透析する透析工程と、前記透析工
程で得られた芽株抽出物を乾燥する抽出物乾燥工程と、
を有する構成をこれにより、以下の作用が得られる。 a.芽株を海水等塩水で洗浄しているので、芽株が溶け
るのを防止し、エキス分やミネラル分が溶出するのを防
ぎ、更にフコイダン様多糖複合体の収率の低下を防止で
きる。 b.脱脂を行うので、タンパク質の分解ができ、フコイ
ダン様多糖複合体をタンパク質から分離できるので、フ
コイダン様多糖複合体の収率を高めることができる。
【0012】本発明の請求項3に記載のフコイダン様多
糖複合体の製造方法は、請求項2において、前記天日乾
燥で乾燥させた芽株を水に戻す水戻し工程と、前記水戻
し工程で得られた芽株を凍結乾燥する凍結乾燥工程と、
前記凍結乾燥工程で乾燥した芽株を低温下で粉砕する粉
砕工程とを、備えている構成を有している。 これによ
り、請求項2で得られる作用に加えて、以下の作用が得
られる。一旦凍結した後に凍結乾燥すると、組織・細胞
内に生じた氷の結晶(氷晶)がそのまま乾燥し、無数の
極微小の穴があいた状態となり抽出効率・抽出効果が増
大するという作用を有する。
【0013】本発明の請求項4に記載のフコイダン様多
糖複合体の製造方法は、請求項2において、前記洗浄工
程で洗浄された芽株を凍結乾燥する凍結乾燥工程と、前
記凍結乾燥工程で乾燥した芽株を低温下で粉砕する粉砕
工程と、を備えている構成を有している。これにより、
請求項2で得られる作用に加えて、以下の作用が得られ
る。鉄分やカルシウム、マグネシウム、カリウム等のミ
ネラルの含量が極めて多く、餌喰いを良くし成長作用に
優れ、且つストレスの解消性を有し興奮を抑え、抗病性
・免疫性を向上させることが可能となるという作用を有
する。
【0014】本発明の請求項5に記載のフコイダン様多
糖複合体の製造方法は、請求項2において、前記抽出工
程で得られた抽出物にカルシウム塩を加えてアルギン酸
カルシウムを除去するアルギン酸除去工程と、次いで希
塩酸溶液でカルシウム塩を除去する除去工程と、を備え
ている構成を有している。これにより、請求項2で得ら
れる作用に加えて、以下の作用が得られる。アルギン酸
の含有量が極めて少ない、従って粘着力の弱いフコイダ
ン様多糖複合体を得ることが出来るいう作用を有する。
【0015】本発明の請求項6に記載のフコイダン様多
糖複合体の製造方法は、請求項2において、前記透析工
程が得られた抽出物を希塩酸溶液で透析する工程である
構成を有している。これにより、請求項2で得られる作
用に加えて、以下の作用が得られる。フコイダン様多糖
複合体の収率を高めることが出来るいう作用を有する。
【0016】本発明の請求項7に記載の免疫賦活剤は、
請求項1に記載のフコイダン様多糖複合体又は請求項2
乃至6の内いずれか1項に記載のフコイダン様多糖複合
体の製造方法で得られたフコイダン様多糖体を有効成分
とすることを特徴とするこれにより、変異細胞の除去を
通じて組織の癌化を防ぐナチュラルキラー細胞(NK)
活性の亢進と、進入異物等を除去し、免疫成立の重要な
一員であるマクロファージ(Mφ)貧食能の亢進活性を
有する生体防御能を亢進させることが可能な免疫賦活
剤、例えば医薬品、機能性食品及び健康食品等を得るこ
とができるという作用を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
ワカメの芽株の洗浄は、エタノール、メタノールの他、
n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコー
ル、アセトン等を使用しても構わない。フコイダン様多
糖複合体の精製法において、抽出時の塩酸の濃度は、
0.1〜0.2Nあるいは、更に高濃度であっても構わ
ない。フコイダン様多糖複合体の精製法において、緩衝
液中のNaCl濃度を1M,2Mと2段階に変化させて
吸着画分を溶出させる方法、あるいは連続的に変化させ
て溶出させる方法等を用いても構わない。
【0018】フコイダン様多糖複合体を低分子化するの
に、β−アガラーゼを用いる他、酸加水分解を行っても
構わない。陰イオン交換クロマトグラフィーにおいて、
使用するイオン交換樹脂は特に限定されるものではな
い。例えば、ダイヤイオンHPA−75(三菱化成
製)、Qセファロース、QAEセファデックス(ファル
アシア製)、TSKgel Super Q−トヨパー
ル、DEAE−トヨパール 650(東ソー製)、DE
AE−セルロファイン(生化学工業製)等を用いること
ができる。
【0019】緩衝液はリン酸塩系の他に、トリス系、ク
エン酸系、ホウ酸系等を使用することができる。限外濾
過膜は、市販のものを用いることができ、例えば、ウル
トラフィルターQ0100、P0200(東洋濾紙
製)、ダイアフローメンブレンYM5、YM10、PM
10、YM30、XM50(アミコン製)、タイプPL
GC、タイプPLCC、タイプPLTK(ミリポア製)
等を用いることができる。また、逆浸透膜、イオン交換
膜、透析膜等を、適宜使用することができる。尚、限外
濾過における他の条件は、特に限定されるものではな
い。
【0020】本発明で使用されるβ−アガラーゼとして
は、例えば、シュードモナス・アトランティカ、サイト
ファーガ・エスピー、ビブリオ・エスピーAP−2起源
のβ−アガラーゼを挙げることができる。フコイダン様
多糖複合体を調製後、低分子化すると、免疫賦活能等の
生体防御能亢進性が上昇するので好ましいが、特に限定
されるものではない。本発明に係るフコイダン様多糖複
合体性は免疫賦活活性を有し、また、免疫賦活活性とし
てナチュラルキラー細胞(NK)活性、マクロファージ
(Mφ)活性、抗腫瘍活性等が挙げられる。
【0021】本発明に係るフコイダン様多糖複合体を免
疫賦活剤として用いる場合、経口投与に適用される錠
剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等は、製剤上一般に使用
される結合剤、滑沢剤、賦形剤、崩壊剤、湿潤剤等の添
加物を組成物中に含有しても構わない。また、経口用液
体剤として用いる場合は、内用水剤、振盪合剤、懸濁液
剤、乳剤、シロップ剤の形態であっても良く、また使用
前に再溶解させる乾燥生成物の形態であっても構わな
い。更に、液体製剤は、添加剤、保存剤等のいずれを含
有していても構わない。注射用の場合には、その組成物
には安定剤、緩衝剤、保存剤、等張化剤等の添加物を含
有しても良く、通常、単位投与量アンプル、又は多投与
量容器の形態で提供される。尚、上記組成物は、水溶
液、懸濁液、溶液、油性又は水性ビヒクル中の乳液のよ
うな形態であってもよい。
【0022】本発明に係る免疫賦活剤は、人、例えば、
免疫力が低下している人、特に高齢や疾病等により免疫
機能が低下している人に経口又は非経口的に投与される
のが望ましい。また、動物にも使用される。尚、経口投
与には、舌下投与が含まれ、非経口投与には、注射、例
えば、皮下、筋肉、静脈注射、点滴等が含まれる。本発
明に係る免疫賦活剤中の有効成分固形物の量は種々変え
ることができるが、通常5〜100%(w/w)、特に
10〜60%(w/w)が適当である。本発明に係る免
疫賦活剤の投与量は、人や動物あるいは年齢、病状、個
人差等により異なる。一般に、人の経口投与量は、活性
成分固形物量として大人1日体重1kg当たり0.5〜
1000mg、好ましくは1〜300mgであり、1回又は
2回若しくは3回に分けて投与される。
【0023】また、本発明に係る免疫賦活剤の活性成分
は、多量に摂取しても生体に悪影響を与えることはない
ので、そのまま、あるいは種々の栄養分等を加えて食品
中に含有させ、免疫賦活活性の機能をもたせた機能性食
品、健康食品等として使用しても構わない。肝障害軽減
作用の測定において、血中過酸化物量も、CCl4 投与
により増加するので測定した。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) 〈芽株粉体の調整〉ワカメの芽株を採取後海水で洗浄
し、次いで、一昼夜天日乾燥し低温乾燥した。水分含量
は6.2±0.5wt%であった。次いで、乾燥された
芽株を石臼で低温粉砕を行った。粒径は35〜170メ
ッシュであった。これを試料として用いた。 〈フコイダン様多糖複合体aの調整〉芽株粉体試料10
Kgを80%エタノールで2回洗浄(各100lを用い
た)後、濾過した後、水を170l加えた後、85〜9
0°まで加熱し水抽出を行った。次いで40〜50℃に
冷却した後、プロテアーゼを少量加え4時間攪拌した。
次いで、80〜90℃に加熱し水抽出と同時にプロテア
ーゼを失活させた。次いで、フィルターで濾過した後、
噴露乾燥し、粗粉末フコイダン様多糖複合体を得た。収
率は45%であった。
【0025】〈フコイダン様多糖複合体bの調整〉芽株
粉体試料10Kgを80%エタノールで2回洗浄する代
わりに、水150lを加えて攪拌し、水抽出を行った他
は、フコイダン様多糖複合体aの調整と同様に行った。
収率は66%であった。
【0026】〈フコイダン様多糖複合体cの調整〉芽株
粉体試料を90%エタノール又はメタノールで洗浄して
脱色低分子を除去した後、風乾させた。次いで、これに
20倍量の0.1NHClを加え、攪拌しつつ室温で約
10時間抽出した。その後、遠心分離により残渣を集め
た。このようにして得られた残渣に10倍量の0.1N
HClを加え、一晩攪拌しつつ再抽出を行った。この塩
酸抽出液に酢酸カルシウムあるいは塩化カルシウム溶液
を加えてアルギン酸を沈殿させ、生じた沈殿を遠心分離
で除去し、次いでNaOHを用いて中和した。これを遠
心分離し、得られた上清を濃縮した後、0.01NHC
lに対して透析し、HCl抽出多糖類とした。このよう
にして得られたHCl抽出多糖類を凍結乾燥又は減圧濃
縮により濃縮した後、0.01NHClで透析し、0.
01NHClで平衡化したDEAEイオン交換セルロー
スカラムに供し、吸着画分を緩衝液中のNaCl濃度を
0.2Mとしてタンパク部を溶出し、2.0Mとして活
性画分を集めた。更に、0.5MNaClを流した後、
2MNaClを流してフコイダン様多糖複合体を回収し
た。その後、溶離画分のタンパク量、糖含量を定量し
た。ここで、タンパク量の定量はUV280吸収法によ
り、また、糖の定量はフェノール硫酸法により行った。
続いて、活性を有する画分(2MNaCl活性画分)を
集め、限外濾過膜により濃縮した。得られた画分のタン
パク量、糖含量、及び活性測定を行い、活性画分を回収
し、水透析を行った。上記の操作で、分子量的に略均一
な多糖画分が得られ、この画分を限外濾過膜により濃縮
した後、透析し、次いで凍結乾燥を行って精製粉末フコ
イダン様多糖複合体を得た。
【0027】〈フコイダン様多糖複合体dの調整〉フコ
イダン様多糖複合体cをβ−アガラーゼを作用させて低
分子化し、分子量が数100ダルトンのものをセファチ
ックスG−25(ファルマシア製)ゲル濾過により集
め、凍結乾燥して粉末状のフコイダン様多糖複合体dを
得た。
【0028】(実施例2) 〈フコイダン様多糖複合体eの調整〉実施例1と同様に
して、ワカメの芽株を乾燥させ、粉砕した後、脱色し、
90%エタノール又はメタノールで洗浄して低分子を除
去した後、風乾させ、更に、実施例1と同様にして抽出
を行った。これに、20倍量の0.2NHClを加えた
後、遠心分離により残渣を集めた。沈殿に再度0.2N
HClを加えて攪拌し、実施例1と同様にして抽出液を
集めた。得られた抽出液をNaOHで中和し、不溶物を
遠心分離で除去した。このようにして得られた多糖類溶
液に3%セチルピリジニウムクロライドを加え、多糖類
を不溶性沈殿とした。この沈殿に4M食塩水を加え、3
7℃で可溶化した。これにエタノールを75〜80%と
なるように加え、多糖を沈殿させ、遠心分離により沈殿
を集め、再び食塩水で可溶化した。上記の操作を繰り返
した後、透析、凍結乾燥した。
【0029】〈フコイダン様多糖複合体fの調整〉フコ
イダン様多糖複合体eをβ−アガラーゼを作用させて低
分子化し、分子量が数100ダルトンのものをセファチ
ックスG−25ゲル(ファルマシア製)濾過により集
め、凍結乾燥して粉末状のフコイダン様多糖複合体fを
得た。
【0030】(実施例3) 〈フコイダン様多糖複合体gの調整〉芽株粉体試料に水
を加えてもどした後に凍結し、凍結乾燥し、その後粉砕
を行った。続いて、酸抽出により、フコイダンを抽出し
た。多糖類は、アルギン酸が多く可溶化されるので、酢
酸カルシウム等のカルシウム塩を加えてアルギン酸をカ
ルシウム塩として除去した。この時、0.2〜0.5N
の塩酸で抽出を行うと、アルギン酸の抽出が低く抑えら
れ、好ましい。尚、かかる場合においても、カルシウム
塩の添加は行い、アルギン酸の除去を行った。その後、
0.01N塩酸で透析し、過剰のカルシウム塩及び高濃
度の塩酸を除去した後、0.01N塩酸で洗浄しておい
たDEAE−イオン交換カラムに流し、吸着画分を食塩
濃度を0.2Mで洗浄後、食塩濃度を2.0Mに上昇さ
せて溶出した。以下、実施例2と同様にして、フコイダ
ン様多糖複合体gの調製を行った。
【0031】(実施例4) 各種分析値及び構造の推定 実施例1、実施例2及び実施例3で得られたフコイダン
様多糖複合体は、水、水性緩衝液(pH1〜13)、及
び20%以下の濃度の水溶性アルコールを含有する水性
溶剤に可溶性であり、また、ベンゼン、クロロホルム、
エチルエーテル、8%以上の濃度のメチルアルコール、
エチルアルコールに不溶性であった。各種分析を行った
結果を表1に示す。分析項目中、フコースは、Nico
let&Shinnの方法((1941)J.Amer
i.Chem.Soc,63,1456(41))、ガ
ラクトースは、Dubaicらの方法((56)Ana
l.Chem.28,350−(1956))の方法で
測定し、全糖値に対する重量%として算出した。ここで
全糖値はフェノール硫酸法により、グルコースとして
算出した。硫酸基含量は、Dadgsen Price
の方法((1962)Bio.Chem.J.84,1
66)で測定し、硫酸エステルとして算出した。フコイ
ダン様多糖複合体については、糖と硫酸組成より、フコ
イダンとみなすことができる。
【0032】
【表1】 (実施例5) ナチュラルキラー細胞(NK)活性 生体防御に関わる細胞群中で、ウィルス感染、腫瘍細胞
の除去に重要なナチュラルキラー細胞(NK)活性につ
いて測定した。飼料は、市販標準飼料(日本農産工業、
MRストック)を使用し、これにワカメの芽株2%添加
時と成分が同量になるように繊維としてセルロース、タ
ンパク、食塩を添加した。コントロールには、理論値の
NaCl,セルロース,タンパク(ガゼイン)を加え
た。次いで、充分量の水を加えて練り、乾燥させた。B
ALB/cマウス(6週令、雄)を、3日間の予備飼育
後、実験試料を混入した飼料を10日間投与した。
【0033】ナチュラルキラー細胞(NK)の調製 BALB/cマウスの実験飼料投与期間終了の翌日に頸
椎脱臼し、脾臓を得た。ハンクス液を入れたデッシュ中
で周囲結合組織を除き、その後、はさみで細切し、RP
MI培地を加えながら、スチールメッシュを通し、細胞
の浮遊液を得た。更に、目の細かいメッシュを通し組織
片を除いた。細胞浮遊液を150xgにて5分間遠沈し
て細胞を集め、2mlの0.144MNH4 Cl−0.
017MTris−HCl(pH7.2)を加えてピペ
ッティングし、赤血球を溶血させた。その後、1500
rpmにて2分間遠心分離し、リンパ球を集めた。RP
MI1640培地を10ml加えて、洗浄した後遠心分
離してリンパ球を集めた。同培地を5ml加え細胞数を
測定した。このようにして得られた脾細胞をRPMI培
地で5×106 /mlとし、6cmデッシュに4mlず
つ分注し、37℃,5%炭酸ガスで3時間培養した。培
養後、細胞浮遊液を回収し、更に37℃のRPMI培地
で軽くピペッティングし、浮遊細胞を回収した。これを
150xgにて5分間遠沈し、得られた細胞を、ナチュ
ラルキラー細胞(NK)を含む非接着性脾リンパ球とし
た。
【0034】培地の調製 RPMI1640(RPMI:ニッスイ製薬製)を使用
した。作製した培地に、L−グルタミン0.3mg/m
l,ペニシリン100U/ml,ストマイ100ug/
mlを加え、10%NaHCO3 でpH7.4に調製し
た。
【0035】YAC−1細胞(リンパ腫細胞、ターゲッ
ト細胞)の調製 ナチュラルキラー細胞(NK)(エフェクター細胞)の
ターゲットとなるYAC−1細胞(ターゲット細胞)を
RPMI培地で培養し、細胞数を1×105 /mlに調
製した。尚、YAC−1細胞は対数増殖期にあるものを
使用した。凍結させたYAC−1細胞を融解し、6cm
デッシュに蒔き込み、3日後のYAC−1細胞を使用し
た。
【0036】ナチュラルキラー細胞(NK)活性の測定 ナチュラルキラー細胞(NK)活性は、障害を受けた細
胞の放出する乳酸脱水素酵素(LDH)を定量する細胞
障害性アッセイシステム(Cytotox96,Pro
mega)により、ナチュラルキラー細胞(NK)活性
はYAC−1細胞の障害率で表した。96穴プレート
(岩城硝子製)各穴にエフェクター細胞として、脾細胞
100μl分注し、これに、RPMIに浮遊させたター
ゲット細胞であるYAC−1細胞(リンパ腫細胞)1×
105 /mlを100μlずつ分注し、37℃,5%の
炭酸ガスインキュペーターで4時間培養した。この時の
エフェクター細胞と、ターゲット細胞の細胞数の比を1
00:1,50:1,30:1,20:1,10:1,
5:1,2:1,1:1に調製した。マイクロプレート
用の遠心機を用いて、250xgにて5分間遠沈し、細
胞を沈殿させ、各上清50μlを別のプレートに取り、
発色酵素であるSubstrate Mixを50μl
ずつ添加した後、遮光し、室温にて静置した。30分経
過後、反応停止剤を50μl加え、直ちに492nmで
ELISAリーダーでLDH放出量を測定した。結果を
表2に示す。
【0037】
【表2】 表2から明らかなように、芽株投与によりNK活性は増
加し、生体防御能の亢進が顕著にみられた。図1は、ナ
チュラルキラー細胞(NK)活性測定におけるET比の
効果を示し、図2は、ナチュラルキラー細胞(NK)活
性測定におけるストレスの影響を示す。図1より、フェ
クター細胞が多いほどNK活性が増加することが明らか
となった。また、図2より、ストレスの影響によりNK
活性が減少するが、芽株投与によりNK活性は増加し、
ストレスを解消し、生体防御能の低下を抑制する効果が
みられた。
【0038】(実施例6) マクロファージ(Mφ)貧食能亢進活性 非特異的に侵入異物の除去(貧食能、殺菌能)及び免疫
の成立(抗原提示)に重要な機能を果たすマクロファー
ジ(Mφ)貧食能について測定した。実験動物は、白色
レグホン雄若ヒナ(2週令)と、BALB/cマウス
(5週令、雄)を使用した。白色レグホン雄若ヒナ(2
週令)については、芽株0.5%、2%を含む実験飼料
を投与した。ここで、実験飼料は、精製飼料を使用し
た。飼育条件は、24C、12時間照明、自由摂取とし
た。2週間の飼育後、頸椎脱臼処分し、直ちに脾臓を取
り出した。BALB/cマウス(5週令、雄)について
は、芽株の水及び酸抽出物を芽株パウダーとして2%相
当になるように添加した実験飼料を20日間、自由摂取
させた。飼育条件は、23C、12時間照明とした。2
0日間の飼育後、頸椎脱臼処分し、直ちに脾臓を取り出
した。
【0039】マクロファージ(Mφ)の調製 取り出したヒナ及びマウスの脾臓をしごいて赤血球を含
む脾臓細胞を得た。含まれる赤血球を低張buffer
でバーストさせて除き、得られた脾細胞をカバーグラス
を敷いたデッシュ(6cm)に蒔き込み、炭酸ガスイン
キュベーターで4〜6時間培養し、マクロファージをカ
バーガラスに接着させた。
【0040】マクロファージ(Mφ)貧食能の測定 マクロファージが接着したカバーグラスを洗浄して、残
存赤血球及び浮遊リンパ球を除去し、10%牛胎児血清
を含むPRMI1640培地で一晩培養した。これに、
2×108 個/mlのルミスフェア(東レケクノリサー
チ)を加えた後、炭酸ガスインキュベーター中で2時間
培養し、マクロファージにスミスフェアを貧食させた。
反応終了後、各3枚のマクロファージ接着カバーグラス
をフクシン染色、乾燥、バルサム封入し、標本とした。
貧食率の計算は200個以上のマクロファージを観察
し、1個以上のルミスフェアを取り込んでいるマクロフ
ァージ数を%で表示した。結果を図3及び図4に示す。
図3は、ヒナによるマクロファージ(Mφ)貧食能に対
する効果を示し、図4は、マウスによるマクロファージ
(Mφ)貧食能に対する効果を示す。図3より、ルミス
フェアの貧食能は対照区が6%に対して、芽株0.5%
投与区では9%となり、更に、2%投与区では37%と
上昇した。また、図4より、ルミスフェアの貧食能は対
照区が13%であったのに対し、芽株水抽出物投与区で
は16.5%となり、芽株酸抽出物投与区では20.5
%と大幅に亢進した。よって、芽株中にマクロファージ
の貧食能の亢進、即ち機能亢進作用を示す機能性物質の
存在が明らかとなった。
【0041】(実施例7) 肝障害軽減作用 肝障害のモデルとして、四塩化炭素(CCl4 )投与時
に生じる肝障害程度の軽減作用を調べた。実験動物は、
ラット(ウィスター系、7週令、雄)を、市販標準飼料
(日本農産工業、MRストック)で2日間予備飼育した
後、各群の体重が揃うように群分け(n=5の3群)を
行った。第1群(Contorol群)には、乾燥芽株
2%含有飼料に相当するNaCl、α−セルロースを含
む市販標準飼料、日本農産工業、粉末ラボMRストック
を摂取し、第2群には、乾燥芽株0.5%を含む同飼料
を摂取し、第3群には、乾燥芽株2%を含む同飼料を摂
取した。各群のラットは個別ゲージに入れ、温度23
℃、12時間明暗サイクルの条件下でそれぞれの飼料を
与え、2週間飼育した。2週間後、オリーブ油で1:1
に希釈したCCl4 溶液を0.05mlCCl 4 /10
0g体重となるように、全ての群に腹腔投与した。
【0042】肝障害軽減作用の測定 投与後、24時間、32時間、40時間、48時間毎に
尾より採血し、血清中のGOT,GPT値と、血清の過
酸化物値を測定した。 (1)血清サンプルの調整 採取した血液を37℃で1時間インキュベートし、15
分間氷冷した後、2000rpm、4℃で10分間遠心
分離した。その上清を再び5000rpm、4℃で15
分間遠心分離して、得られた上清を血清サンプルとして
用いた。
【0043】(2)血中GOT・GPTの測定 血清中のGOT(グルタミン酸−オキサロ酢酸トランス
アミナーゼ)・GPT(グルタミン酸−ピルビン酸トラ
ンスアミナーゼ)の活性は、トランスナーゼ「ニッス
イ」キット(日水製薬製)を使用して測定した。GOT
活性の測定結果を図3に、GPT活性の測定結果を図4
に示す。図3及び図4より、血清中のGOT活性、GP
T活性はともにControl群に比べて、芽株含有飼
料摂取群の方が低い値を示している。これより、芽株に
はラット肝障害を軽減する効果があることがわかった。
CCl4 投与後24時間、32時間でGPT活性は有意
な差があるのに対し、GOT活性では有意な差が見られ
なかったのは、GPTが肝特異的であるのに対し、GO
Tは全臓器に存在していることが関係していると考えら
れる。また、0.5%芽株含有飼料摂取群と、2%芽株
含有飼料摂取群の間にあまり差がないことから、0.5
%芽株で十分効果があることがわかる。
【0044】(3)血中過酸化物量の測定 血清中の過酸化物量は、チオバルビツール酸法(TBA
法)に準じて測定し、チオバルビツール酸反応物質(T
BA−RS)として表した。結果を図5に示す。血中過
酸化物量は、Control群と芽株含有飼料摂取群と
の間に有意な差は見られなかったが、図5より、芽株を
摂取することによって、血中過酸化物量が減少した。
【0045】(実施例8)、ニワトリへのフコイダン様
多糖複合体投与による罹病率、幣死率の減少などが、報
告されており、ニワトリの生体防御能の亢進が考えられ
る。そこで、ワカメ芽株を投与時の、マイクロファージ
(Mφ){進入微生物などの貪食・殺菌に関わる}、ナ
チュラルキラー(NK){ウィルスなどで変異した自己
細胞(癌過細胞)を処理する}活性の変化について検討
した。方法)フコイダン様多糖複合体aを,白色レグホ
ンヒナ(雄、10日令)に精製飼育中に0.75±0.
05%添加し、20日間給与した。終了後、脾臓より脾
臓細胞を集めた。混入する赤血球の除去はリンホプレッ
プを用いた比重遠心分離法で行った。得られた脾細胞を
カバーグラスを敷いたデッシュに蒔き込み、4時間培養
し、Mφをカバーグラスに接着させ、浮遊脾細胞をNK
活性活性測定に用いた。Mφの貪食能はルミスフェア
(東レテクノリサーチ)を加え、2時間貪食させ、フク
シン染色した。これを検鏡し、ルミスフェアを貪食した
Mφの%で表示した。同時に取り込まれたルミスフェア
の総数も表示した。NK活性の測定は、ターゲット細胞
として、LSCC−RP9(ニワトリ白血病リンパ種由
来、以下RP9)を別途培養したものを用いた。NK活
性は脾細胞とRP9を適度な混合比で加え、NKにより
障害を受けたRP9より遊離するLDHを定量する細胞
障害アッセイシステムによった。フコイダン様多糖複合
体を添加した飼料を20日投与したヒヨコ脾のNK活性
はコントロー区に較べ、約2倍の細胞毒性(攻撃性)を
示した。またMφの貪食能もワカメ芽株投与区が約2倍
程度の高い活性を示した。以上より、フコイダン様多糖
複合体aにはニワトリの生体防御能亢進機能を持つ物質
の存在が推定された。
【0046】(実施例9) フコイダン様多糖複合体hの調整 芽株粉体試料に70エタノール次いで99%エタノール
次いでジエチルエーテルによる脱脂・脱色・脱臭を行
い、乾燥脱脂芽株粉末とした。多糖類の抽出はこの脱脂
粉末に水を20倍量加えて85℃に加熱、攪拌しつつ3
時間行った。遠心分離し抽出液を得る。さらに抽出を充
分行うために、残査に0.1Nの塩酸溶液を加え、攪拌
しつつ室温で一晩抽出を行う。遠心分離し、得られた抽
出液を水抽出液と合わせ、セロファンチュープに入れて
水透析を攪拌しつつ4℃で4日間行う。この間、水は3
回/日ずつ取り替える。得られた芽株抽出物を凍結乾燥
し、フコイダン様多糖複合体hを得た。 1.マウス脾臓ナチュラルキラー活性(NK)に対する
効果。 生体防御で重要なNK活性に対する芽株の効果を検討し
た。 方法の概要:マウスに芽株抽出粉末を含む精製飼料を2
0日間投与し、脾臓中のNKのガン細胞に対する細胞毒
性(攻撃性)を測定する。実験飼料の組成を表3に示
す。
【0047】
【表3】 試験方法: マウス(BALB/c,雄、6週令)に芽株抽出粉末
を1%含む精製飼料を20日間投与。 マウスより脾臓を摘出し、脾細胞を集める。混入して
いる赤血球を低張液でバーストさせて除き、混在するマ
クロファージ(Mφ)をデッシュに接着させて除去し、
NKをふくむ脾浮遊細胞を調整する。 このNK細胞(エフェクター細胞,E)が作用するタ
ーゲットのリンパ腫細胞としてYAC−1細胞(ターゲ
ット細胞,T)を別途培養し準備しておく。 NK活性の測定は、NKとYAC−1を適度な混合比
で培養し、NKにより障害を受けたYAC−1より遊離
される乳酸脱脂水素(LDH)を定量する細胞障害アッ
セイシステムによった。NK活性はYAC−1の障害で
表した。
【0048】
【表4】 フコイダン様多糖複合体粉末投与によりマウスのNK活
性は増加し、免疫賦活活性や生体防御能の亢進が認めら
れた。ここではマウスについて記したが、ラットにおい
ても同様の結果が得られた。 2.マウスのマクロファージ(Mφ)貪食能に対するフ
コイダン様多糖複合体の効果 生体防御機能上、重要なMφ侵入微生物などの除去と、
免疫成立に重要である。このMφに対するフコイダン様
多糖複合体の効果を検討した。飼料は上記と同じ マウスにフコイダン様多糖複合体抽出粉末を1%含む
精製飼料を20日間投与する。 マウスより脾臓を摘出し、脾細胞を集める。混入して
いる赤血球を低張液でバーストさせて除く。得られた脾
細胞をカバーグラスを下に敷いたデッシュ(6cm)に
蒔き込み、4時間培養し、Mφをカバーグラスに接着さ
せる。 マクロファージが接着したカバーグラスをPBSで洗
浄後、PRMI1640倍地を加え、2×108 個/m
lのルミスフェア(東レテクノリサーチ)を加え、2時
間貪食させる。反応終了後、各2枚のカバーグラスをフ
クシン染色、乾燥、バルサム封入した。 貪食率の計算は200個のマクロファージを顕微鏡観
察し、1個以上のルミスフェアを取り込んでいるMφを
%で示し、さらに取り込まれたルミスフェア総数も表示
した。図6及び図7に示した。図6はマクロファージ
(Mφ)貪食能(%)を示す図であり、図7はルミスフ
ェア総数を示す図である。
【0049】3.ニワトリ(雄ヒナ)のナチュラルキラ
ー(NK)に対する効果 白色レグホン(雄ヒナ,2週令)にフコイダン様多糖複
合体抽出粉末を1%含む実験飼料を20日間投与した。
20日間の飼育後、脾臓を取り出し、脾臓よりNK細胞
を含む浮遊脾臓細胞を調整する。混在する赤血球の除去
はリンホプレップを用いる比重分画法で行った。ニワト
リNKのターゲットとなるリンパ腫細胞はLSCC−R
P9(ニワトリ白血病リンパ腫由来)を使用した。その
他の測定法の原理および活性表示もマウスの場合と同様
である。
【0050】
【表5】 ニワトリにおいてもフコイダン様多糖複合体投与により
NK活性は増加し、生体防御能の亢進が認められた。 4.ニワトリのマイクロファージ(Mφ)貪食能に対す
るフコイダン様多糖複合体の効果 生体防御機構上、重要なMφは侵入微生物などの除去
と、免疫成立に重要である。このMφに対するフコイダ
ン様多糖複合体の効果を検討した。飼料は上記と同一の
ものを用いた。 ニワトリ(ヒナ)にフコイダン様多糖複合体粉末を
0.1%含む精製飼料を20日間投与する。 ニワトリより脾臓を摘出し、脾細胞を集める。この中
に含まれる赤血球をリンホプレップを用いる比重分画法
で除く。得られた脾細胞をカバーグラスを下に強いたデ
ッシュに蒔き込み、4時間培養し、Mφをカバーグラス
に接着させる。 Mφが接着したカバーグラスをPBSで洗浄後、PR
MI1640倍地を加え、2×108 個/mlのルミス
フェア(東レテクノリサーチ)を加え、2時間貪食させ
る。反応終了後、各2枚のカバーグラスはフクシン染
色、乾燥、バルサム封入した。 貪食率の計測は200個のMφを顕微鏡下で観察し、
1個以上のルミスフェアを取り込んでいるMφを%で示
し、さらに取り込まれたルミスフェア総数も表示した。
これを図8及び図9に示した。フコイダン様多糖複合体
粉末を経口投与したニワトリの脾臓マクロファージ貧食
能は亢進していることが示された。図8はマクロファー
ジ(Mφ)貪食能(%)を示す図であり、図9はルミス
フェア総数を示す図である。以上のデータより、ニワト
リにおいてもフコイダン様多糖複合体による免疫賦活活
性及び生体防御能の亢進が示された。 5.腫瘍細胞接種時の腫瘍細胞の増殖に対するフコイダ
ン様多糖複合体の効果と、その時のNK、マクロファー
ジ活性の変動。 マウスにフコイダン様多糖複合体粉末を0.1%添加
した精製飼料で10日間前飼育する。 マウス腹腔で継代培養したガン細胞、サルコーマ18
0を腹水と共に集め、赤血球除去した後、サルコーマの
細胞数を調製する。 このマウスの背部皮下に腫瘍細胞サルコーマ180を
接種(1×105 /0.1ml/マウス)し、2週間飼
育した。この間の飼料も前飼育時と同じである。 2週間飼育後、腫瘍の重量の測定と、脾臓中のNK活
性およびマクロファージ貧食能の測定を行った。NKお
よびMφ調製と活性測定は既に述べた方法を用いた。そ
の結果を図10乃至図13に示した。図10は腫瘍重量
を示す図であり、図11はサルコーマ180移植マウス
NK活性に対するフコイダン様多糖複合体の効果を示す
図であり、図12、図13はサルコーマ180移植マウ
スのマクロファージ(Mφ)貪食活性に対するフコイダ
ン様多糖複合体の効果を示す図である。接種したサルコ
ーマ180が増殖した腫瘍の大きさはコントロールと較
べ、明らかにフコイダン様多糖複合体投与で減少し、腫
瘍細胞に対する生体防御能が腫瘍の増殖を抑制している
ことが明らかになった。またそれを裏付けるようにフコ
イダン様多糖複合体投与区の脾臓NK活性は亢進の傾向
が見られ、Mφ貧食能は明らかに亢進していた。フコイ
ダン様多糖複合体粉末は生体のNK活性やMφ活性など
の免疫賦活活性や生体防御能を亢進することにより腫瘍
細胞の増殖を抑制することが明らかとなった。通常、担
癌動物の生体防御能はガン細胞の分泌する免疫賦活活性
や生体防御能抑制効果により低く抑制されることが知ら
れているので、今回の実験で得られたようなフコイダン
様多糖複合体投与による、担癌動物の免疫賦活活性や生
体防御能の亢進効果は抗癌能として極めて有意義である
と考えられる。 6.培養肝臓細胞に対するフコイダン様多糖複合体の効
果 ニワトリ肝細胞の初代培養を用い、フコイダン様多糖複
合体粉末の培養肝細胞に対する効果を検討した。 方法: 白レグホン雄ヒナ(2週令)の肝臓よりコラゲナーゼ
流法で肝細胞を調製する。 得られた肝細胞を培養デッシュに蒔き込み、4時間後
に接着しなかった細胞を除く。 培地にフコイダン様多糖複合体の溶液を加えて培養を
続け、顕微鏡下で観察し、細胞数の計測と培地中のアル
ブミンの定量を行う。アルブミン分泌は肝細胞の特異的
機能の1つであり、分化機能のマーカーと見なされるこ
の定量はELISA法で行った。フコイダン様多糖複合
体中にはニワトリ初代培養肝細胞の維持と、肝特異的機
能の1つであるアルブミン分泌を亢進することが認めら
れた。粉末はオートクレーブしても活性を失わないこと
から、フコイダン様多糖複合体が機能していると考えら
れる。このように肝細胞への効果が見られたことから、
肝細胞および肝機能への効果を持つ機能性食品の可能性
が考えられる。 7.肝臓障害に対するフコイダン様多糖複合体粉末の効
果 ラット(ウイスター、雄、5週令)をフコイダン様多
糖複合体抽出びち1%添加飼料で2週間飼育する。 四塩化炭素(オリーブ油で1:1に希釈したもの)を
0.05ml四塩化炭素/100g体重となるように腹
腔内投する。 投与24、32、40、48時間後に尾より採血。得
られた血清中のGOT,GPTを定量し、肝障害の軽減
効果を測定した。また血清中の過酸化物量も定量した。 *GOT,GPTは肝障害時に壊れた肝細胞より血中に
遊離され、肝障害のマーカーとして使用される。GO
T,GPT活性はトランスナーゼ「ニッスイ」キットで
測定した。過酸化物の定量はチオバルビツール酸法(T
BA法)で行った。これらの結果から、フコイダン様多
糖複合体粉末は四塩化炭素による肝障害を軽減する効果
が認められた。また四塩化炭素によって生じる血中過酸
化物量はフコイダン様多糖複合体の摂取によって軽減す
る傾向が見られた。以上により、ワカメフコイダン様多
糖複合体は肝障害と過酸化物生成に対する軽減効果ある
いは防御的機能を生体に付与すると考えられる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば以下の優
れた効果を奏することができる。請求項1に記載の発明
によれば、 a.ワカメの芽株を変質させることなくフコイダン様多
糖体を容易に抽出することができ、カリウム・カルシウ
ム・リン・鉄等のミネラル類やビタミンA・B1・B2
・ナイアシン・C等のビタミン類が豊富に含まれ、ま
た、その他微量ではあるが生命の維持及び栄養素として
必要なミネラル、即ち、必須微量元素が含まれるフコイ
ダン様多糖複合体を得ることができる。 b.鉄分やカルシウム、マグネシウム、カリウム等のミ
ネラルの含量が極めて多く、且つストレスの解消性を有
し興奮を抑え、抗病性・免疫性を向上させることができ
る。 c.フコイダン様多糖複合体中のフコース類等がナチュ
ラルキラー細胞活性を有するので、ウィルス感染、化学
薬品等により変異を生じた自己細胞を殺し、組織の癌化
を早期に防ぐことができ、病気予防・健康維持を可能に
することができる。 d.フコイダン様多糖複合体中のフコース類等が、マク
ロファージ貧食能亢進活性を有するので、非特異的に進
入異物等を除去し、免疫成立、即ち、抗原提示に重要な
機能を果たすことができる。 e.フコイダン様多糖複合体中のフコース類等が生体防
御能亢進活性を有するので、変異細胞の除去を通じて組
織の癌化を防ぐナチュラルキラー細胞(NK)活性の亢
進と、進入異物等を除去し、免疫成立の重要な一員であ
るマクロファージ(Mφ)貧食能の亢進活性を有する生
体防御能を亢進させることができる。 f.フコイダン様多糖複合体中のフコース等が、肝障害
軽減作用を有するので、多種多様な特異的機能を有する
代謝の中枢である肝臓における肝機能を亢進させ、もっ
て、生体の機能を亢進させ、健康を維持することが可能
となる効果を有する。
【0052】請求項2に記載の発明によれば、 a.芽株を海水等塩水で洗浄しているので、芽株が溶け
るのを防止し、エキス分やミネラル分が溶出するのを防
ぎ、更にフコイダン様多糖複合体の収率の低下を防止で
きる。 b.脱脂を行うので、タンパク質の分解ができ、フコイ
ダン様多糖複合体をタンパク質から分離できるので、フ
コイダン様多糖複合体の収率を高めることができる。
【0053】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加え、一旦凍結した後に凍
結乾燥すると、組織・細胞内に生じた氷の結晶(氷晶)
がそのまま乾燥し、無数の極微小の穴があいた状態とな
り抽出効率・抽出効果が増大するという効果を有する。
【0054】請求項4に記載の発明によれば、 請求項
2で得られる効果に加えて、以下の効果が得られる。鉄
分やカルシウム、マグネシウム、カリウム等のミネラル
の含量が極めて多く、餌喰いを良くし成長作用に優れ、
且つストレスの解消性を有し興奮を抑え、抗病性・免疫
性を向上させることが可能となるという効果を有する。
【0055】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加え、 a.アルギン酸の含有量が極めて少ない、従って粘着力
の弱いフコイダン様多糖複合体を得ることが出来るいう
効果を有する。
【0056】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加え、 a.フコイダン様多糖複合体の収率を高めることが出来
るいう効果を有する。
【0057】請求項7に記載の発明によれば、 a.変異細胞の除去を通じて組織の癌化を防ぐナチュラ
ルキラー細胞(NK)活性の亢進と、進入異物等を除去
し、免疫成立の重要な一員であるマクロファージ(M
φ)貧食能の亢進活性を有する生体防御能を亢進させる
ことが可能な免疫賦活剤、例えば医薬品、機能性食品及
び健康食品等を得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナチュラルキラー細胞(NK)活性測定におけ
るET比の効果を示す。
【図2】ナチュラルキラー細胞(NK)活性測定におけ
るストレスの影響を示す。
【図3】ヒナによるマクロファージ(Mφ)貧食能に対
する効果を示す。
【図4】マウスによるマクロファージ(Mφ)貧食能に
対する効果を示す。
【図5】GOT活性における肝障害軽減作用の効果を示
す。
【図6】マクロファージ(Mφ)貪食能(%)を示す。
【図7】貪食されたルミスフェア総数を示す。
【図8】マクロファージ(Mφ)貪食能(%)を示す。
【図9】貪食されたルミスフェア総数を示す。
【図10】腫瘍重量を示す。
【図11】S180移植マウスを示す。
【図12】マクロファージ(Mφ)貪食能(%)を示
す。
【図13】マクロファージ(Mφ)貪食能(%)を示
す。
【図14】生細胞数を示す。
【図15】アルブミン合成を示す。
【図16】血清中のGOT活性を示す。
【図17】血清中のGOT活性を示す。
【図18】血清中のGOT活性を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61P 37/04 43/00 111 43/00 111 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA24 MA01 MA04 ZB09 4C088 AA13 AC01 BA12 CA03 CA05 CA16 ZB09 4C090 AA01 AA04 BA62 BB11 BB13 BC06 CA09 CA10 CA14 DA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海水や塩水で洗浄したワカメの芽株部を
    冷間乾燥後、低温乾燥粉砕化されてなる芽株紛状物から
    抽出されたフコース及び/又はガラクトースを含有する
    ことを特徴とするフコイダン様多糖複合体。
  2. 【請求項2】 ワカメの芽株を海水または塩水で洗浄す
    る洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄された芽株を天日乾
    燥で乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥された
    芽株を低温下で粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得
    られた芽株粉体の脱脂を行う脱脂工程と、次いで乾燥す
    る乾燥工程と、次いで、乾燥された芽株粉体に水を加え
    て加熱攪拌し抽出する抽出工程と、前記抽出工程で得ら
    れた抽出液を透析する透析工程と、前記透析工程で得ら
    れた芽株抽出物を乾燥する抽出物乾燥工程と、を有する
    フコイダン様多糖複合体の製造方法
  3. 【請求項3】 前記天日乾燥で乾燥させた芽株を水に戻
    す水戻し工程と、前記水戻し工程で得られた芽株を凍結
    乾燥する凍結乾燥工程と、前記凍結乾燥工程で乾燥した
    芽株を低温下で粉砕する粉砕工程とを、備えていること
    を特徴とする請求項2に記載のフコイダン様多糖複合体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄工程で洗浄された芽株を凍結乾
    燥する凍結乾燥工程と、前記凍結乾燥工程で乾燥した芽
    株を低温下で粉砕する粉砕工程と、を備えていることを
    特徴とする請求項2に記載のフコイダン様多糖複合体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記抽出工程で得られた抽出物にカルシウ
    ム塩を加えてアルギン酸カルシウムを除去するアルギン
    酸除去工程と、次いで希塩酸溶液でカルシウム塩を除去
    する除去工程と、を備えていることを特徴とする請求項
    2に記載のフコイダン様多糖複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記透析工程が得られた抽出物を希塩酸
    溶液で透析する工程であることを特徴とする請求項2に
    記載のフコイダン様多糖複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のフコイダン様多糖複合
    体又は請求項2乃至5の内いずれか1項に記載のフコイ
    ダン様多糖複合体の製造方法で得られたフコイダン様多
    糖体を有効成分とすることを特徴とする免疫賦活剤。
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