JPH10287378A - 合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体及びこれらの製造方法 - Google Patents
合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体及びこれらの製造方法Info
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- JPH10287378A JPH10287378A JP9614997A JP9614997A JPH10287378A JP H10287378 A JPH10287378 A JP H10287378A JP 9614997 A JP9614997 A JP 9614997A JP 9614997 A JP9614997 A JP 9614997A JP H10287378 A JPH10287378 A JP H10287378A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 断熱空間部を隔てた配された合成樹脂製二重
壁の断熱容器で、合成樹脂製壁が断熱機能を保持するよ
う、機能特性の異なる2種の合成樹脂を作業性良く緊密
に結合複層一体化して成形した断熱容器の提供。 【解決手段】 合成樹脂製の内容器2と外容器3とを断
熱空間部4(8)を隔てて配して一体化した二重壁の断
熱容器1の前記内容器2と外容器3を、これらの断熱空
間部4(8)に臨む側の面2b、3bを大気に臨む側の
面2c、3cより高い融点の合成樹脂とし、融点の異な
る合成樹脂を2色式成形機で緊密に結合複層化した合成
樹脂にして成形加工をし、更にこれら融点の異なる合成
樹脂として、断熱容器で望まれる特性機能の合成樹脂を
それぞれ使用することにより断熱効果の優れた合成樹脂
製断熱容器1を作業効率良く製造することを特徴とす
る。
壁の断熱容器で、合成樹脂製壁が断熱機能を保持するよ
う、機能特性の異なる2種の合成樹脂を作業性良く緊密
に結合複層一体化して成形した断熱容器の提供。 【解決手段】 合成樹脂製の内容器2と外容器3とを断
熱空間部4(8)を隔てて配して一体化した二重壁の断
熱容器1の前記内容器2と外容器3を、これらの断熱空
間部4(8)に臨む側の面2b、3bを大気に臨む側の
面2c、3cより高い融点の合成樹脂とし、融点の異な
る合成樹脂を2色式成形機で緊密に結合複層化した合成
樹脂にして成形加工をし、更にこれら融点の異なる合成
樹脂として、断熱容器で望まれる特性機能の合成樹脂を
それぞれ使用することにより断熱効果の優れた合成樹脂
製断熱容器1を作業効率良く製造することを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空間部を隔てて配
置された合成樹脂製の内外壁よりなる二重壁構造の容器
の前記空間部に、低熱伝導度のガスを充填した合成樹脂
製の断熱容器と断熱蓋体に関するもので、詳しくは魔法
瓶、クーラーボックス、アイスボックス、断熱コップ、
保温弁当箱、保温食器更には皿状の保温食器や、蓋物の
保温蓋等の保温保冷を目的とした合成樹脂製の断熱容器
と断熱蓋体及びこれらの製造方法に関するものである。
置された合成樹脂製の内外壁よりなる二重壁構造の容器
の前記空間部に、低熱伝導度のガスを充填した合成樹脂
製の断熱容器と断熱蓋体に関するもので、詳しくは魔法
瓶、クーラーボックス、アイスボックス、断熱コップ、
保温弁当箱、保温食器更には皿状の保温食器や、蓋物の
保温蓋等の保温保冷を目的とした合成樹脂製の断熱容器
と断熱蓋体及びこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の断熱容器はガラス製や、
ステンレス鋼等の金属製の二重壁断熱容器が一般に広く
使用されている。しかるに近年軽くて成形が容易で種々
の形状とすることが可能で、しかも低コストで製造がで
きる等の利点があることから、合成樹脂製の断熱容器が
開発されてている。この開発されている合成樹脂製断熱
容器は、合成樹脂製の内壁となる内容器を合成樹脂製の
外壁となる外容器内に空間部を隔て収容しそれぞれの口
部同志を気密に接合一体化して二重壁構造の容器とし、
この二重壁構造の容器の空間部にクリプトン、キセノ
ン、アルゴン等の熱伝導度の小さいガスを少なくとも一
種封入したものである。
ステンレス鋼等の金属製の二重壁断熱容器が一般に広く
使用されている。しかるに近年軽くて成形が容易で種々
の形状とすることが可能で、しかも低コストで製造がで
きる等の利点があることから、合成樹脂製の断熱容器が
開発されてている。この開発されている合成樹脂製断熱
容器は、合成樹脂製の内壁となる内容器を合成樹脂製の
外壁となる外容器内に空間部を隔て収容しそれぞれの口
部同志を気密に接合一体化して二重壁構造の容器とし、
この二重壁構造の容器の空間部にクリプトン、キセノ
ン、アルゴン等の熱伝導度の小さいガスを少なくとも一
種封入したものである。
【0003】そしてこの断熱容器では、断熱層として二
重壁構造で形成した空間部に低熱伝導度のガスを封入し
ていることから、断熱効果の劣化を防ぐために該ガスが
空間部から漏洩しないよう二重壁を形成する内容器や外
容器の前記空間部に面する側の面にメッキ層等の金属皮
膜を配してガスバリヤー性を高めていた。しかしこの金
属皮膜の形成にあたっては、接合せしめて一体化して二
重壁となる内容器と外容器の接合部分に金属皮膜が付着
すると、充分に気密が保持された接合ができないことか
ら、接合部分に金属皮膜が付着形成されないように極め
て高い精度のマスキングを施す必要がある。このために
経験を必要とする煩雑な作業と多大の費用を必要とし、
またその上にメッキ費用が嵩むばかりか、更にメッキ膜
を密着性よく均一に形成可能な合成樹脂材料を選択する
必要があり、このために合成樹脂の剛性や、耐アルカリ
性等の機能をやむを得ず一部犠牲にする等の不都合があ
った。
重壁構造で形成した空間部に低熱伝導度のガスを封入し
ていることから、断熱効果の劣化を防ぐために該ガスが
空間部から漏洩しないよう二重壁を形成する内容器や外
容器の前記空間部に面する側の面にメッキ層等の金属皮
膜を配してガスバリヤー性を高めていた。しかしこの金
属皮膜の形成にあたっては、接合せしめて一体化して二
重壁となる内容器と外容器の接合部分に金属皮膜が付着
すると、充分に気密が保持された接合ができないことか
ら、接合部分に金属皮膜が付着形成されないように極め
て高い精度のマスキングを施す必要がある。このために
経験を必要とする煩雑な作業と多大の費用を必要とし、
またその上にメッキ費用が嵩むばかりか、更にメッキ膜
を密着性よく均一に形成可能な合成樹脂材料を選択する
必要があり、このために合成樹脂の剛性や、耐アルカリ
性等の機能をやむを得ず一部犠牲にする等の不都合があ
った。
【0004】このようなことから、上記二重壁を形成す
る内外容器にガスバリヤー性の高い合成樹脂材料を用い
ることも提案されたが、一般にこれらの合成樹脂の多く
は吸湿性が高く、吸湿すると本来保有していたガスバリ
ヤー性が劣化する不都合があった。また吸湿性が高い合
成樹脂は一般に吸湿すると機械的強度が劣化することと
なっていた。そこで上記二重壁構造を形成する空間部を
隔てて配置された合成樹脂製の内容器と外容器とを、空
間部側に面する面をガスバリヤー性の高い合成樹脂と
し、そして大気にふれる大気側の面を耐吸湿性の合成樹
脂として、これら2種類の合成樹脂を積層にした材料を
用いて成形することで、前記各不都合をことごとく解消
した発明技術を本発明の出願人は特開平9ー24978
号公報に開示されている如く特許出願した。
る内外容器にガスバリヤー性の高い合成樹脂材料を用い
ることも提案されたが、一般にこれらの合成樹脂の多く
は吸湿性が高く、吸湿すると本来保有していたガスバリ
ヤー性が劣化する不都合があった。また吸湿性が高い合
成樹脂は一般に吸湿すると機械的強度が劣化することと
なっていた。そこで上記二重壁構造を形成する空間部を
隔てて配置された合成樹脂製の内容器と外容器とを、空
間部側に面する面をガスバリヤー性の高い合成樹脂と
し、そして大気にふれる大気側の面を耐吸湿性の合成樹
脂として、これら2種類の合成樹脂を積層にした材料を
用いて成形することで、前記各不都合をことごとく解消
した発明技術を本発明の出願人は特開平9ー24978
号公報に開示されている如く特許出願した。
【0005】そしてこのような機能が異なる合成樹脂を
積層にした多層成形をする場合、接着性や相溶性に欠け
ることが多く、この場合積層にする合成樹脂の接触面に
アンダーカット部やリブを設けて物理的な嵌合によって
一体化したり、また特開平8ー310563号公報に開
示されている如く、接合する両面を相互に噛み合う突起
と溝とで、これらの噛み合わせで一体化していた。
積層にした多層成形をする場合、接着性や相溶性に欠け
ることが多く、この場合積層にする合成樹脂の接触面に
アンダーカット部やリブを設けて物理的な嵌合によって
一体化したり、また特開平8ー310563号公報に開
示されている如く、接合する両面を相互に噛み合う突起
と溝とで、これらの噛み合わせで一体化していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た如く接合面にアンダーカット部やリブ更には凹凸を設
けると、型の抜きを容易にするために金型にスライド構
造を設けることが必要となり、このために金型の合わせ
目が成形品に現れて、製品の意匠にとって好ましくな
い。また、金型にスライド構造を設けると金型の構造が
複雑となり、金型の製造価格が高価となる一方、成形さ
れる成形品の不良率が大きくなる。しかもアンダーカッ
ト部や溝及びリブや突起を無理に抜こうとすると、キャ
ビテイ側に製品が取られて適切な成形が行われないこと
がしばしば生じていた。更に接合する2つの合成樹脂の
接合が嵌合等の物理的な一体化では、両者の面を密着し
て接合することは極めて熟練を要する精密な加工技術が
必要であり、両者の面が密着していないと、この接合部
に空気が残存していて、この空気がこれに収容した保温
物により加熱され、この熱により残存空気が膨張しその
密閉空間部を形成している合成樹脂の壁が膨らむ等によ
り歪みや、割れが生じる等の種々の不都合があった。
た如く接合面にアンダーカット部やリブ更には凹凸を設
けると、型の抜きを容易にするために金型にスライド構
造を設けることが必要となり、このために金型の合わせ
目が成形品に現れて、製品の意匠にとって好ましくな
い。また、金型にスライド構造を設けると金型の構造が
複雑となり、金型の製造価格が高価となる一方、成形さ
れる成形品の不良率が大きくなる。しかもアンダーカッ
ト部や溝及びリブや突起を無理に抜こうとすると、キャ
ビテイ側に製品が取られて適切な成形が行われないこと
がしばしば生じていた。更に接合する2つの合成樹脂の
接合が嵌合等の物理的な一体化では、両者の面を密着し
て接合することは極めて熟練を要する精密な加工技術が
必要であり、両者の面が密着していないと、この接合部
に空気が残存していて、この空気がこれに収容した保温
物により加熱され、この熱により残存空気が膨張しその
密閉空間部を形成している合成樹脂の壁が膨らむ等によ
り歪みや、割れが生じる等の種々の不都合があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
機能の異なる複数の合成樹脂を密着性よく、アンダーカ
ットの如き凹凸を形成せずに型抜きが容易で成形の歩留
まりが高く、かつ製造コストが安価で製品として優れた
断熱性能の合成樹脂製の断熱容器と断熱蓋体及びこれら
の製造方法を提供することを目的としたものである。
機能の異なる複数の合成樹脂を密着性よく、アンダーカ
ットの如き凹凸を形成せずに型抜きが容易で成形の歩留
まりが高く、かつ製造コストが安価で製品として優れた
断熱性能の合成樹脂製の断熱容器と断熱蓋体及びこれら
の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係わる発明は、合成樹脂製の内
容器を合成樹脂製の外容器内に挿入し空間部を隔てて配
置して一体化して合成樹脂製の二重壁構造容器とし、該
二重壁構造容器の前記空間部に輻射熱防止用材を配し、
低熱伝導度のガスを封入した合成樹脂製断熱容器であっ
て、前記内容器及び外容器の合成樹脂壁が異なった融点
の合成樹脂の2層でなることを特徴とする合成樹脂製断
熱容器であり、請求項2に係わる発明は融点の異なる2
層の合成樹脂壁でなる内容器と外容器が、断熱空間部を
挟んで相対する側をそれぞれ他方の合成樹脂層より高融
点の合成樹脂層とした壁で形成してなることを特徴とす
る請求項1に記載の合成樹脂製断熱容器。そして請求項
3に係わる発明は2層間の融点の差が10〜60℃であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合
成樹脂製断熱容器であり、請求項4に係わる発明は2層
にした異なる融点の合成樹脂のうち、より高融点の合成
樹脂はガスバリヤー性の高い合成樹脂であり、より低い
融点の合成樹脂が耐湿性の高い合成樹脂であることを特
徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
合成樹脂製断熱容器である。
め、本発明の請求項1に係わる発明は、合成樹脂製の内
容器を合成樹脂製の外容器内に挿入し空間部を隔てて配
置して一体化して合成樹脂製の二重壁構造容器とし、該
二重壁構造容器の前記空間部に輻射熱防止用材を配し、
低熱伝導度のガスを封入した合成樹脂製断熱容器であっ
て、前記内容器及び外容器の合成樹脂壁が異なった融点
の合成樹脂の2層でなることを特徴とする合成樹脂製断
熱容器であり、請求項2に係わる発明は融点の異なる2
層の合成樹脂壁でなる内容器と外容器が、断熱空間部を
挟んで相対する側をそれぞれ他方の合成樹脂層より高融
点の合成樹脂層とした壁で形成してなることを特徴とす
る請求項1に記載の合成樹脂製断熱容器。そして請求項
3に係わる発明は2層間の融点の差が10〜60℃であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合
成樹脂製断熱容器であり、請求項4に係わる発明は2層
にした異なる融点の合成樹脂のうち、より高融点の合成
樹脂はガスバリヤー性の高い合成樹脂であり、より低い
融点の合成樹脂が耐湿性の高い合成樹脂であることを特
徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
合成樹脂製断熱容器である。
【0009】次に請求項5に係わる発明は、上記断熱容
器の製造方法の関するもので、内壁を形成する合成樹脂
製内容器と外壁を形成する合成樹脂製外容器とが断熱空
間部を隔てて配置されて一体に形成された二重壁構造の
合成樹脂製断熱容器の製造方法であって、所望する容器
形状の金型を装着した2色成形機に、先ず低融点の合成
樹脂を射出して流し込み冷却して内容器の大気に臨む側
の面の層を成形した後、引き続きその外側により融点の
高い合成樹脂を射出して流し込んで冷却して内容器の断
熱空間部に臨む側の面の層を形成して融点の異なる2層
の合成樹脂で内容器を成形し、一方前記内容器を空間部
を隔てて収容して配置する容器形状の外容器を同様にガ
ス導入孔を配した所望形状の金型を装着した2色成形機
によって、先ずより低融点の合成樹脂を射出して流し込
んだ後冷却して大気に臨む側の面の層を成形し、引き続
きその内側により高融点の合成樹脂を射出して流し込み
冷却して断熱空間部に臨む側の面の層を形成して融点の
異なる合成樹脂の2層よりなる外容器を成形し、前記内
容器の外壁に輻射熱防止用材を配した後、ついで該内容
器を前記外容器内に収容し空間部を隔て配置し、それぞ
れの口部で気密に接合一体化した後、ガス導入孔より低
熱伝導度のガスを空間部に封入せしめたことを特徴とす
る合成樹脂製断熱容器の製造方法である。更に請求項6
に係わる発明は別の製造方法に関するもので、内壁を形
成する合成樹脂製内容器と外壁を形成する合成樹脂製外
容器とが断熱空間部を隔てて配置されて一体に形成され
た二重壁構造の合成樹脂製断熱容器の製造方法であっ
て、所望する容器形状の金型を装着した2色成形機に、
先ず低融点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して内容
器の大気に臨む側の面の層を成形した後、引き続きその
外側により融点の高い合成樹脂を射出して流し込んで冷
却して内容器の断熱空間部に臨む側の面の層を形成して
融点の異なる2層の合成樹脂で内容器を成形し、ついで
その外壁に輻射熱防止用材を配した後、その外側に別途
金型により射出成形した外容器の断熱空間部に臨む側の
面の層を形成するより高い融点の合成樹脂よりなるガス
導入口を有する成形体を空間部を隔てて配置し、その端
部を内容器に溶着して固定し、ついで低熱伝導度のガス
をガス導入孔より空間部に封入し、ついでこの高融点合
成樹脂成形体の外側に、これに密着して別途射出成形し
たより低融点の合成樹脂よりなる外容器の大気に臨む側
の面の層の成形体を配置して溶着し一体に固定したこと
を特徴とする合成樹脂製断熱容器の製造方法である。
器の製造方法の関するもので、内壁を形成する合成樹脂
製内容器と外壁を形成する合成樹脂製外容器とが断熱空
間部を隔てて配置されて一体に形成された二重壁構造の
合成樹脂製断熱容器の製造方法であって、所望する容器
形状の金型を装着した2色成形機に、先ず低融点の合成
樹脂を射出して流し込み冷却して内容器の大気に臨む側
の面の層を成形した後、引き続きその外側により融点の
高い合成樹脂を射出して流し込んで冷却して内容器の断
熱空間部に臨む側の面の層を形成して融点の異なる2層
の合成樹脂で内容器を成形し、一方前記内容器を空間部
を隔てて収容して配置する容器形状の外容器を同様にガ
ス導入孔を配した所望形状の金型を装着した2色成形機
によって、先ずより低融点の合成樹脂を射出して流し込
んだ後冷却して大気に臨む側の面の層を成形し、引き続
きその内側により高融点の合成樹脂を射出して流し込み
冷却して断熱空間部に臨む側の面の層を形成して融点の
異なる合成樹脂の2層よりなる外容器を成形し、前記内
容器の外壁に輻射熱防止用材を配した後、ついで該内容
器を前記外容器内に収容し空間部を隔て配置し、それぞ
れの口部で気密に接合一体化した後、ガス導入孔より低
熱伝導度のガスを空間部に封入せしめたことを特徴とす
る合成樹脂製断熱容器の製造方法である。更に請求項6
に係わる発明は別の製造方法に関するもので、内壁を形
成する合成樹脂製内容器と外壁を形成する合成樹脂製外
容器とが断熱空間部を隔てて配置されて一体に形成され
た二重壁構造の合成樹脂製断熱容器の製造方法であっ
て、所望する容器形状の金型を装着した2色成形機に、
先ず低融点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して内容
器の大気に臨む側の面の層を成形した後、引き続きその
外側により融点の高い合成樹脂を射出して流し込んで冷
却して内容器の断熱空間部に臨む側の面の層を形成して
融点の異なる2層の合成樹脂で内容器を成形し、ついで
その外壁に輻射熱防止用材を配した後、その外側に別途
金型により射出成形した外容器の断熱空間部に臨む側の
面の層を形成するより高い融点の合成樹脂よりなるガス
導入口を有する成形体を空間部を隔てて配置し、その端
部を内容器に溶着して固定し、ついで低熱伝導度のガス
をガス導入孔より空間部に封入し、ついでこの高融点合
成樹脂成形体の外側に、これに密着して別途射出成形し
たより低融点の合成樹脂よりなる外容器の大気に臨む側
の面の層の成形体を配置して溶着し一体に固定したこと
を特徴とする合成樹脂製断熱容器の製造方法である。
【0010】また請求項7以下の発明は合成樹脂製の断
熱蓋体に係わるもので、請求項7は合成樹脂製の天蓋下
壁を合成樹脂製の天蓋上壁内に挿入して空間部を隔てて
配して一体化して二重壁構造の蓋体とし、該二重壁構造
の蓋体の前記空間部に輻射防止用材を配し、低熱伝導度
のガスを封入した容器用の合成樹脂製断熱蓋体であっ
て、前記天蓋上壁と天蓋下壁を形成する合成樹脂が異な
る融点の合成樹脂の2層でなることを特徴とする合成樹
脂製断熱蓋体であり、請求項8に係わる発明は融点の異
なる2層の合成樹脂壁でなる天蓋上壁と天蓋下壁が、断
熱空間部を挟んで相対する側をそれぞれ他方の合成樹脂
層より高融点の合成樹脂層とした壁で形成してなること
を特徴とする請求項7に記載の合成樹脂製断熱蓋体であ
り、請求項9に係わる発明は2層の合成樹脂の異なる融
点の差が10〜60℃であることを特徴とする請求項7
または請求項8に記載の合成樹脂製断熱蓋体であり、そ
して請求項10の発明は2層にした異なる融点の合成樹
脂のうち、より高融点の合成樹脂はガスバリヤー性の高
い合成樹脂であり、より低い融点の合成樹脂が耐湿性の
高い合成樹脂であることを特徴とする請求項7乃至請求
項9のいずれか1項に記載の合成樹脂製断熱蓋体。
熱蓋体に係わるもので、請求項7は合成樹脂製の天蓋下
壁を合成樹脂製の天蓋上壁内に挿入して空間部を隔てて
配して一体化して二重壁構造の蓋体とし、該二重壁構造
の蓋体の前記空間部に輻射防止用材を配し、低熱伝導度
のガスを封入した容器用の合成樹脂製断熱蓋体であっ
て、前記天蓋上壁と天蓋下壁を形成する合成樹脂が異な
る融点の合成樹脂の2層でなることを特徴とする合成樹
脂製断熱蓋体であり、請求項8に係わる発明は融点の異
なる2層の合成樹脂壁でなる天蓋上壁と天蓋下壁が、断
熱空間部を挟んで相対する側をそれぞれ他方の合成樹脂
層より高融点の合成樹脂層とした壁で形成してなること
を特徴とする請求項7に記載の合成樹脂製断熱蓋体であ
り、請求項9に係わる発明は2層の合成樹脂の異なる融
点の差が10〜60℃であることを特徴とする請求項7
または請求項8に記載の合成樹脂製断熱蓋体であり、そ
して請求項10の発明は2層にした異なる融点の合成樹
脂のうち、より高融点の合成樹脂はガスバリヤー性の高
い合成樹脂であり、より低い融点の合成樹脂が耐湿性の
高い合成樹脂であることを特徴とする請求項7乃至請求
項9のいずれか1項に記載の合成樹脂製断熱蓋体。
【0011】更に請求項11と請求項12は上記断熱蓋
体の製造方法に係わるもので、請求項11は、内壁を形
成する合成樹脂製天蓋下壁と外壁を形成する合成樹脂製
天蓋上壁とが断熱空間部を隔てて配置されて一体に形成
された二重壁構造の合成樹脂製断熱蓋体の製造方法であ
って、所望する蓋体形状の金型を装着した2色成形機
に、先ず低融点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して
天蓋下壁の大気に臨む側の面の層を成形した後、引き続
きその外側により融点の高い合成樹脂を射出して流し込
んで冷却して天蓋下壁の断熱空間部に臨む側の面の層を
形成して融点の異なる2層の合成樹脂で天蓋下壁を成形
し、一方前記天蓋下壁を空間部を隔てて収容して配置す
る蓋体形状の天蓋上壁を同様にガス導入孔を配した所望
形状の金型を装着した2色成形機によって、先ずより低
融点の合成樹脂を射出して流し込んだ後冷却して大気に
臨む側の面の層を成形し、引き続きその内側により高融
点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して断熱空間部に
臨む側の面の層を形成して融点の異なる合成樹脂の2層
よりなる天蓋上壁を成形し、前記天蓋下壁の外壁に輻射
熱防止用材を配した後、ついで該天蓋下壁を前記天蓋上
壁に収容し空間部を隔て配置し、それぞれの口部で気密
に接合一体化した後、ガス導入孔より低熱伝導度のガス
を空間部に封入せしめたことを特徴とする合成樹脂製断
熱蓋体の製造方法である。そして請求項12の発明は、
内壁を形成する合成樹脂製天蓋下壁と外壁を形成する合
成樹脂製天蓋上壁とが断熱空間部を隔てて配置されて一
体に形成された二重壁構造の合成樹脂製断熱蓋体の製造
方法であって、所望する蓋体形状の金型を装着した2色
成形機に、先ず低融点の合成樹脂を射出して流し込み冷
却して天蓋下壁の大気に臨む側の面の層を成形した後、
引き続きその外側により融点の高い合成樹脂を射出して
流し込んで冷却して天蓋下壁の断熱空間部に臨む側の面
の層を形成して融点の異なる2層の合成樹脂で天蓋下壁
を成形し、ついでその外壁に輻射熱防止用材を配した
後、その外側に別途金型により射出成形した天蓋上壁の
断熱空間部に臨む側の面の層を形成するより高い融点の
合成樹脂よりなるガス導入口を有する成形体を空間部を
隔てて配置し、その端部を天蓋下壁に溶着して固定し、
ついで低熱伝導度のガスをガス導入孔より空間部に封入
し、ついでこの高融点合成樹脂成形体の外側に、これに
密着して別途射出成形したより低融点の合成樹脂よりな
る天蓋上壁の大気に臨む側の面の層の成形体を配置して
溶着し一体に固定したことを特徴とする合成樹脂製断熱
蓋体の製造方法である。
体の製造方法に係わるもので、請求項11は、内壁を形
成する合成樹脂製天蓋下壁と外壁を形成する合成樹脂製
天蓋上壁とが断熱空間部を隔てて配置されて一体に形成
された二重壁構造の合成樹脂製断熱蓋体の製造方法であ
って、所望する蓋体形状の金型を装着した2色成形機
に、先ず低融点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して
天蓋下壁の大気に臨む側の面の層を成形した後、引き続
きその外側により融点の高い合成樹脂を射出して流し込
んで冷却して天蓋下壁の断熱空間部に臨む側の面の層を
形成して融点の異なる2層の合成樹脂で天蓋下壁を成形
し、一方前記天蓋下壁を空間部を隔てて収容して配置す
る蓋体形状の天蓋上壁を同様にガス導入孔を配した所望
形状の金型を装着した2色成形機によって、先ずより低
融点の合成樹脂を射出して流し込んだ後冷却して大気に
臨む側の面の層を成形し、引き続きその内側により高融
点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して断熱空間部に
臨む側の面の層を形成して融点の異なる合成樹脂の2層
よりなる天蓋上壁を成形し、前記天蓋下壁の外壁に輻射
熱防止用材を配した後、ついで該天蓋下壁を前記天蓋上
壁に収容し空間部を隔て配置し、それぞれの口部で気密
に接合一体化した後、ガス導入孔より低熱伝導度のガス
を空間部に封入せしめたことを特徴とする合成樹脂製断
熱蓋体の製造方法である。そして請求項12の発明は、
内壁を形成する合成樹脂製天蓋下壁と外壁を形成する合
成樹脂製天蓋上壁とが断熱空間部を隔てて配置されて一
体に形成された二重壁構造の合成樹脂製断熱蓋体の製造
方法であって、所望する蓋体形状の金型を装着した2色
成形機に、先ず低融点の合成樹脂を射出して流し込み冷
却して天蓋下壁の大気に臨む側の面の層を成形した後、
引き続きその外側により融点の高い合成樹脂を射出して
流し込んで冷却して天蓋下壁の断熱空間部に臨む側の面
の層を形成して融点の異なる2層の合成樹脂で天蓋下壁
を成形し、ついでその外壁に輻射熱防止用材を配した
後、その外側に別途金型により射出成形した天蓋上壁の
断熱空間部に臨む側の面の層を形成するより高い融点の
合成樹脂よりなるガス導入口を有する成形体を空間部を
隔てて配置し、その端部を天蓋下壁に溶着して固定し、
ついで低熱伝導度のガスをガス導入孔より空間部に封入
し、ついでこの高融点合成樹脂成形体の外側に、これに
密着して別途射出成形したより低融点の合成樹脂よりな
る天蓋上壁の大気に臨む側の面の層の成形体を配置して
溶着し一体に固定したことを特徴とする合成樹脂製断熱
蓋体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の合成樹脂製断熱容
器の一例として断熱コップを例示したものである。この
断熱コップ1は内壁を形成する合成樹脂製内容器2を外
壁を形成する合成樹脂製外容器3内に収容して空間部4
を隔てて配置し、それぞれの容器の開口5、6の端部の
鍔部2a、及び3aで接合して一体化して二重壁構造容
器10を形成している。そして前記内容器2は空間部4
に臨む側の面2bを高融点の合成樹脂とし、大気に臨ん
でいる側の面2cを低融点の合成樹脂として、これらを
密着せしめて一体化されている。同様に前記外容器3も
空間部4に臨む側の面3bを高融点の合成樹脂とし、大
気に臨んでいる側の面3cを低融点の合成樹脂として、
これらを密着せしめて一体化されている。
器の一例として断熱コップを例示したものである。この
断熱コップ1は内壁を形成する合成樹脂製内容器2を外
壁を形成する合成樹脂製外容器3内に収容して空間部4
を隔てて配置し、それぞれの容器の開口5、6の端部の
鍔部2a、及び3aで接合して一体化して二重壁構造容
器10を形成している。そして前記内容器2は空間部4
に臨む側の面2bを高融点の合成樹脂とし、大気に臨ん
でいる側の面2cを低融点の合成樹脂として、これらを
密着せしめて一体化されている。同様に前記外容器3も
空間部4に臨む側の面3bを高融点の合成樹脂とし、大
気に臨んでいる側の面3cを低融点の合成樹脂として、
これらを密着せしめて一体化されている。
【0013】そして内容器2と外容器3とで形成された
空間部4、あるいは空間部4に臨んでいる内容器2や外
容器3の面にアルミニウム、銅等の金属箔やメッキ層よ
りなる輻射熱防止用材7が配設され、前記空間部4には
キセノン、クリプトン、アルゴン等のガスうちの少なく
とも1種よりなる低熱伝導度ガスが外容器3の底部に設
けられたガス導入口3dより封入されて断熱層8を形成
している。なお符号9は前記ガス導入口3dを封止する
封止部材で、外容器3と同様に空間部4を臨む側の面9
bに高融点の合成樹脂と、大気に臨む側の面9cに低融
点の合成樹脂との複層体よりなっている。
空間部4、あるいは空間部4に臨んでいる内容器2や外
容器3の面にアルミニウム、銅等の金属箔やメッキ層よ
りなる輻射熱防止用材7が配設され、前記空間部4には
キセノン、クリプトン、アルゴン等のガスうちの少なく
とも1種よりなる低熱伝導度ガスが外容器3の底部に設
けられたガス導入口3dより封入されて断熱層8を形成
している。なお符号9は前記ガス導入口3dを封止する
封止部材で、外容器3と同様に空間部4を臨む側の面9
bに高融点の合成樹脂と、大気に臨む側の面9cに低融
点の合成樹脂との複層体よりなっている。
【0014】このような構成をした合成樹脂製断熱容器
1は、内容器2、外容器3がそれぞれ断熱空間部4
(8)に臨む側の面2b、3bを高融点の合成樹脂と
し、大気に臨む側の面2c、3cを低融点の合成樹脂と
して、融点の異なる合成樹脂を複層一体化するようにし
たので、通常一般の2色成形機により密着性よく接合複
層化しえる。したがって機能の異なる合成樹脂を融点を
考慮して選択すると、物理的な結合手段を講じることな
く、極めて作業性よく密着性のよい異なった機能の2つ
の合成樹脂を複層にした2色成形体が得られる。
1は、内容器2、外容器3がそれぞれ断熱空間部4
(8)に臨む側の面2b、3bを高融点の合成樹脂と
し、大気に臨む側の面2c、3cを低融点の合成樹脂と
して、融点の異なる合成樹脂を複層一体化するようにし
たので、通常一般の2色成形機により密着性よく接合複
層化しえる。したがって機能の異なる合成樹脂を融点を
考慮して選択すると、物理的な結合手段を講じることな
く、極めて作業性よく密着性のよい異なった機能の2つ
の合成樹脂を複層にした2色成形体が得られる。
【0015】例えば、断熱空間部4に臨む側の面2b、
3b、をガスバリヤー性の優れた合成樹脂とし、大気に
臨む側の面2c、3cを耐湿性や機械的強度の優れた合
成樹脂とした複層の一体化した合成樹脂によって成形し
た断熱コップでは、ガスバリヤー性が高くかつ融点の高
い合成樹脂として、エバール樹脂(エチレンビニルアル
コール樹脂;(株)クラレ社製の登録商標。融点:18
3℃)、ナイロン樹脂(融点:216℃)、ポリエチレ
ンテレフタレート(融点:256℃)、ポリケトン(融
点:220℃)等が使用される。また耐熱・耐湿性が高
く融点の低い合成樹脂としては、ポリプロピレン樹脂
(融点161℃)のほかに耐湿性・耐熱性に優れた合成
樹脂が適宜使用される。このように融点の異なる合成樹
脂であると、機能の異なった2つの合成樹脂を物理的結
合をすることなく、通常一般に使用されている2色式成
形機により極めて均一に密着性よく接合一体化され得
る。その結果この接合構造の合成樹脂で製造される本発
明の断熱容器は、使用中に接合した2つの合成樹脂が分
離して隙間が生じたりして破損することはなく、長期間
にわたって優れた断熱性能を保持し得る。
3b、をガスバリヤー性の優れた合成樹脂とし、大気に
臨む側の面2c、3cを耐湿性や機械的強度の優れた合
成樹脂とした複層の一体化した合成樹脂によって成形し
た断熱コップでは、ガスバリヤー性が高くかつ融点の高
い合成樹脂として、エバール樹脂(エチレンビニルアル
コール樹脂;(株)クラレ社製の登録商標。融点:18
3℃)、ナイロン樹脂(融点:216℃)、ポリエチレ
ンテレフタレート(融点:256℃)、ポリケトン(融
点:220℃)等が使用される。また耐熱・耐湿性が高
く融点の低い合成樹脂としては、ポリプロピレン樹脂
(融点161℃)のほかに耐湿性・耐熱性に優れた合成
樹脂が適宜使用される。このように融点の異なる合成樹
脂であると、機能の異なった2つの合成樹脂を物理的結
合をすることなく、通常一般に使用されている2色式成
形機により極めて均一に密着性よく接合一体化され得
る。その結果この接合構造の合成樹脂で製造される本発
明の断熱容器は、使用中に接合した2つの合成樹脂が分
離して隙間が生じたりして破損することはなく、長期間
にわたって優れた断熱性能を保持し得る。
【0016】図2は断熱容器1等の容器に被蓋する断熱
蓋体21を示すもので、容器と異なって深さが浅く皿状
の形状を呈しているが、その構造は先に説明した図1の
断熱容器1の構造と殆ど同じである。即ち断熱蓋体21
は内壁となる合成樹脂製天蓋下壁22(前記図1の断熱
容器1の内容器2に相当する。)と外壁となる合成樹脂
製天蓋上壁23(前記図1の断熱容器1の外容器3に相
当する。)とはそれぞれ底浅のほぼ相似形の容器形状よ
りなり、そしてそれら天蓋下壁22、天蓋上壁23は空
間部24を隔てて配され、それぞれの開口25、26の
周部に沿って設けられた鍔部22a,23aで接合して
一体化して二重壁構造蓋体20を形成している。そして
前記天蓋下壁22は断熱空間部24に臨む側の面22b
を高融点の合成樹脂とし、大気に臨んでいる側の面22
cを低融点の合成樹脂としてこれらを密着せしめて一体
化されている。
蓋体21を示すもので、容器と異なって深さが浅く皿状
の形状を呈しているが、その構造は先に説明した図1の
断熱容器1の構造と殆ど同じである。即ち断熱蓋体21
は内壁となる合成樹脂製天蓋下壁22(前記図1の断熱
容器1の内容器2に相当する。)と外壁となる合成樹脂
製天蓋上壁23(前記図1の断熱容器1の外容器3に相
当する。)とはそれぞれ底浅のほぼ相似形の容器形状よ
りなり、そしてそれら天蓋下壁22、天蓋上壁23は空
間部24を隔てて配され、それぞれの開口25、26の
周部に沿って設けられた鍔部22a,23aで接合して
一体化して二重壁構造蓋体20を形成している。そして
前記天蓋下壁22は断熱空間部24に臨む側の面22b
を高融点の合成樹脂とし、大気に臨んでいる側の面22
cを低融点の合成樹脂としてこれらを密着せしめて一体
化されている。
【0017】また天蓋上壁23は断熱空間部24に臨む
側の面23bを高融点の合成樹脂とし、大気に臨んでい
る側の面23cを低融点の合成樹脂として、これらを密
着せしめて一体化されている。そして天蓋下壁22と天
蓋上壁23とで形成された空間部24、あるいは天蓋下
壁22や天蓋上壁23の断熱空間部24に臨む側の面2
2b、23bの高融点の合成樹脂の面に前記したような
金属箔等の輻射熱防止用材27が配設され、前記空間部
24にはキセノン、クリプトン、アルゴン等のガスうち
の少なくとも1種よりなる低熱伝導度ガスが天蓋上壁2
3に設けられたガス導入口23dより封入されて断熱層
28を形成している。なお符号29は前記ガス導入口2
3dを封止する封止部材で、天蓋上壁23と同様に空間
部24を臨む側の面29bに高融点の合成樹脂と、大気
に臨む側の面29cに低融点の合成樹脂との複層体より
なっている。
側の面23bを高融点の合成樹脂とし、大気に臨んでい
る側の面23cを低融点の合成樹脂として、これらを密
着せしめて一体化されている。そして天蓋下壁22と天
蓋上壁23とで形成された空間部24、あるいは天蓋下
壁22や天蓋上壁23の断熱空間部24に臨む側の面2
2b、23bの高融点の合成樹脂の面に前記したような
金属箔等の輻射熱防止用材27が配設され、前記空間部
24にはキセノン、クリプトン、アルゴン等のガスうち
の少なくとも1種よりなる低熱伝導度ガスが天蓋上壁2
3に設けられたガス導入口23dより封入されて断熱層
28を形成している。なお符号29は前記ガス導入口2
3dを封止する封止部材で、天蓋上壁23と同様に空間
部24を臨む側の面29bに高融点の合成樹脂と、大気
に臨む側の面29cに低融点の合成樹脂との複層体より
なっている。
【0018】このような構成をした合成樹脂製断熱蓋体
21は、天蓋下壁22、天蓋上壁23がそれぞれ断熱空
間部24(28)に臨む側の面22b、23bを高融点
の合成樹脂とし、大気に臨む側の面22c、23cを低
融点の合成樹脂として、融点の異なる合成樹脂を複層一
体化するようにしたので、通常一般の2色成形機により
密着性よく接合複層化しえる。したがって機能の異なる
合成樹脂を融点を考慮して選択すると、物理的な結合手
段を講じることなく、極めて作業性よく密着性のよい異
なった機能の2つの合成樹脂を複層にした2色成形体が
得られる。この結果それぞれの特性ある機能を長期にわ
たって保持した断熱蓋体が得られる。なお、融点が異な
る合成樹脂については、前記断熱容器の場合と同様であ
り、これらを有機的に組み合わせて活用することによ
り、より効果的な断熱蓋体が得られる。
21は、天蓋下壁22、天蓋上壁23がそれぞれ断熱空
間部24(28)に臨む側の面22b、23bを高融点
の合成樹脂とし、大気に臨む側の面22c、23cを低
融点の合成樹脂として、融点の異なる合成樹脂を複層一
体化するようにしたので、通常一般の2色成形機により
密着性よく接合複層化しえる。したがって機能の異なる
合成樹脂を融点を考慮して選択すると、物理的な結合手
段を講じることなく、極めて作業性よく密着性のよい異
なった機能の2つの合成樹脂を複層にした2色成形体が
得られる。この結果それぞれの特性ある機能を長期にわ
たって保持した断熱蓋体が得られる。なお、融点が異な
る合成樹脂については、前記断熱容器の場合と同様であ
り、これらを有機的に組み合わせて活用することによ
り、より効果的な断熱蓋体が得られる。
【0019】次に上記したこれら本発明の断熱容器と断
熱蓋体の製造方法について説明する。なお、上記断熱容
器1と断熱蓋体21とはその構成は、全く共通するもの
であり、機能上容器1は物品を収容するものであり、蓋
体21は容器開口を被蓋するものと相異するに過ぎない
ものである。そして以下の説明で断熱容器1を「断熱蓋
体21」に、内容器2を「天蓋下壁22」に、外容器3
を「天蓋下壁23」にそれぞれ置き換えて読むことで充
分本発明の断熱蓋体21の製造方法を説明し得て、理解
し得るものである。そして図1(断熱容器1)と図2
(断熱蓋体21)において下1桁の同じ符号は同一構成
部品を示すものである。それ故以下製造方法に付いては
断熱容器について説明し、断熱蓋体21については詳細
な説明は省略する。
熱蓋体の製造方法について説明する。なお、上記断熱容
器1と断熱蓋体21とはその構成は、全く共通するもの
であり、機能上容器1は物品を収容するものであり、蓋
体21は容器開口を被蓋するものと相異するに過ぎない
ものである。そして以下の説明で断熱容器1を「断熱蓋
体21」に、内容器2を「天蓋下壁22」に、外容器3
を「天蓋下壁23」にそれぞれ置き換えて読むことで充
分本発明の断熱蓋体21の製造方法を説明し得て、理解
し得るものである。そして図1(断熱容器1)と図2
(断熱蓋体21)において下1桁の同じ符号は同一構成
部品を示すものである。それ故以下製造方法に付いては
断熱容器について説明し、断熱蓋体21については詳細
な説明は省略する。
【0020】図3は本発明の合成樹脂製断熱容器1の製
造方法の実施形態の一例を示す組立図である。内容器2
と外容器3とを製作するにあたっては、周知の2色成型
法、例えば「プラスチック成形技術」第10巻、第11
号、第9〜14頁(1993年)に開示されているよう
な2色・多色成形機と加工方法を適用して製作する。予
め所望する形状の金型を成形機に装着し、内容器2につ
いては、まず低融点の合成樹脂を射出成形ノズルより射
出し、大気に臨む側の面2bの容器を成形し、ついでこ
の大気に臨む側の面2bの外側に沿ってより高い融点の
合成樹脂を射出成形ノズルより射出して、断熱空間部4
に臨む側の面2cを成形する。このとき先工程で低融点
の合成樹脂の容器を製作し後工程で高融点の合成樹脂を
射出して層状とするので高融点を射出したときに先の低
融点の合成樹脂の表面を溶融してこれら境界面で混在し
て融点の異なる2つの合成樹脂が緊密に接合層状化した
所望形状の内容器2が得られる[図3(A)参照]。
造方法の実施形態の一例を示す組立図である。内容器2
と外容器3とを製作するにあたっては、周知の2色成型
法、例えば「プラスチック成形技術」第10巻、第11
号、第9〜14頁(1993年)に開示されているよう
な2色・多色成形機と加工方法を適用して製作する。予
め所望する形状の金型を成形機に装着し、内容器2につ
いては、まず低融点の合成樹脂を射出成形ノズルより射
出し、大気に臨む側の面2bの容器を成形し、ついでこ
の大気に臨む側の面2bの外側に沿ってより高い融点の
合成樹脂を射出成形ノズルより射出して、断熱空間部4
に臨む側の面2cを成形する。このとき先工程で低融点
の合成樹脂の容器を製作し後工程で高融点の合成樹脂を
射出して層状とするので高融点を射出したときに先の低
融点の合成樹脂の表面を溶融してこれら境界面で混在し
て融点の異なる2つの合成樹脂が緊密に接合層状化した
所望形状の内容器2が得られる[図3(A)参照]。
【0021】つぎに、外容器3についても同様に、所望
形状の金型を多色成形機に装着した後に射出成形ノズル
より先ず低融点の合成樹脂を射出して大気に臨む側の面
3bの容器を成形し、ついでこの内面に沿ってより高融
点の合成樹脂を射出成形ノズルより射出して断熱空間部
4に臨む側の面3cにこの高融点の合成樹脂の層を形成
する。このとき先に成形したより低融点の合成樹脂の表
面が溶融して、この境界面で融点の異なる2つの合成樹
脂が複雑に絡み合い、これを冷却固化するとこれらの絡
み合いが結合手の効果を果たし、これらが密着している
のと同程度の接着効果を有する複層化した外容器3を得
る[図3(C)参照]。なお、この外容器3には、成形
時に、あるいは成形後にガス導入口3dを配設するよう
にする。
形状の金型を多色成形機に装着した後に射出成形ノズル
より先ず低融点の合成樹脂を射出して大気に臨む側の面
3bの容器を成形し、ついでこの内面に沿ってより高融
点の合成樹脂を射出成形ノズルより射出して断熱空間部
4に臨む側の面3cにこの高融点の合成樹脂の層を形成
する。このとき先に成形したより低融点の合成樹脂の表
面が溶融して、この境界面で融点の異なる2つの合成樹
脂が複雑に絡み合い、これを冷却固化するとこれらの絡
み合いが結合手の効果を果たし、これらが密着している
のと同程度の接着効果を有する複層化した外容器3を得
る[図3(C)参照]。なお、この外容器3には、成形
時に、あるいは成形後にガス導入口3dを配設するよう
にする。
【0022】ついで、図3の(B)に図示する如く内容
器2の断熱空間部4に臨む側の面2bに形成した高融点
の合成樹脂面にアルミニウム箔、銅箔、あるいはこれら
のメッキ層等よりなる輻射熱防止用材7を接着剤等によ
り固定する。そしてこの内容器2を図3の(C)に示す
如く外容器3内にその形に合わせて挿入して空間部4を
隔てて配し、それぞれの口部の鍔部2a、3aを合わせ
て振動溶着、スピン溶着、熱板溶着等の加熱溶着により
接合し内容器2と外容器3とを一体にした二重壁構造容
器10を得る[図3(D)参照]。
器2の断熱空間部4に臨む側の面2bに形成した高融点
の合成樹脂面にアルミニウム箔、銅箔、あるいはこれら
のメッキ層等よりなる輻射熱防止用材7を接着剤等によ
り固定する。そしてこの内容器2を図3の(C)に示す
如く外容器3内にその形に合わせて挿入して空間部4を
隔てて配し、それぞれの口部の鍔部2a、3aを合わせ
て振動溶着、スピン溶着、熱板溶着等の加熱溶着により
接合し内容器2と外容器3とを一体にした二重壁構造容
器10を得る[図3(D)参照]。
【0023】このようにして得られた二重壁構造容器1
0の空間部4を図3(D)に図示するように外容器3に
設けたガス導入口3dより真空ポンプで排気した後、該
空間部4にキセノン、クリプトン、アルゴン等の少なく
とも一種のガスよりなる低熱伝導度ガスを導入して充填
する。そして所定の大気圧より約1.3×105Pa程
度の圧力に前記ガスを充填したら、ガス導入口3dに予
め用意しておいた封止板9を嵌合接着してガス導入口3
dを封止する。なお接着剤としてはシアノアクリレート
系の瞬間接着剤が好適なものとして使用し得る。
0の空間部4を図3(D)に図示するように外容器3に
設けたガス導入口3dより真空ポンプで排気した後、該
空間部4にキセノン、クリプトン、アルゴン等の少なく
とも一種のガスよりなる低熱伝導度ガスを導入して充填
する。そして所定の大気圧より約1.3×105Pa程
度の圧力に前記ガスを充填したら、ガス導入口3dに予
め用意しておいた封止板9を嵌合接着してガス導入口3
dを封止する。なお接着剤としてはシアノアクリレート
系の瞬間接着剤が好適なものとして使用し得る。
【0024】このようにして得られた合成樹脂製の断熱
容器1や断熱蓋体21は、異なる二つの合成樹脂を融点
の異なるものを使用することにより、それぞれが本来保
有する独自の特性を有効活用した極めて密着性良くこれ
らの合成樹脂を積層状とした優れた製品として提供し得
る。なお、この融点の異なる二つの合成樹脂の融点の差
は10〜60℃が適しており、好ましくは40℃の程度
の温度差が良い。10℃以下の温度差では両者の溶融程
度が中途半端で、これらの絡み合いの程度が十分でな
く、両者の結着が不十分となり剥離する恐れがある。ま
た、60℃の温度差では、高融点の合成樹脂の射出時
に、先に低温射出で成形した低融点の合成樹脂が必要以
上に溶融して浸食されるため、必要とする耐湿性が失わ
れて好ましくない。
容器1や断熱蓋体21は、異なる二つの合成樹脂を融点
の異なるものを使用することにより、それぞれが本来保
有する独自の特性を有効活用した極めて密着性良くこれ
らの合成樹脂を積層状とした優れた製品として提供し得
る。なお、この融点の異なる二つの合成樹脂の融点の差
は10〜60℃が適しており、好ましくは40℃の程度
の温度差が良い。10℃以下の温度差では両者の溶融程
度が中途半端で、これらの絡み合いの程度が十分でな
く、両者の結着が不十分となり剥離する恐れがある。ま
た、60℃の温度差では、高融点の合成樹脂の射出時
に、先に低温射出で成形した低融点の合成樹脂が必要以
上に溶融して浸食されるため、必要とする耐湿性が失わ
れて好ましくない。
【0025】以上は内容器2と外容器3とをそれぞれ予
め融点の異なる二つの合成樹脂を層状にして製造し、こ
れらを空間部を隔てて配して口部で結合一体化したた例
を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
別の実施形態の方法として内容器2のみを、上記した如
く複層にし、これの外側に空間部4を隔てて配する外容
器3は、断熱空間部4に臨む側の面3bを形成する高融
点合成樹脂と大気に臨む側の面3cの低融点の合性樹脂
の層の容器はそれぞれ個別に成形して、順次前記内容器
2に組み込んで一体化して製造しても良い。
め融点の異なる二つの合成樹脂を層状にして製造し、こ
れらを空間部を隔てて配して口部で結合一体化したた例
を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
別の実施形態の方法として内容器2のみを、上記した如
く複層にし、これの外側に空間部4を隔てて配する外容
器3は、断熱空間部4に臨む側の面3bを形成する高融
点合成樹脂と大気に臨む側の面3cの低融点の合性樹脂
の層の容器はそれぞれ個別に成形して、順次前記内容器
2に組み込んで一体化して製造しても良い。
【0026】以下、この別の実施の形態の製造方法を図
4に図示する組立図に従って説明する。この製造方法で
は、先の図3での実施形態の例で説明した方法で製作し
た内容器2[図4(A)参照]の断熱空間部4に臨む側
の面2b(外側壁)を形成する高融点合成樹脂の面に輻
射熱防止用材7を配した[図4(B)参照]後、予め単
層で成形しておいた高融点合成性樹脂よりなる外容器3
の空間部4に臨む側の面3bの層を形成する容器[図4
(C)参照]を前記内容器2の外側に沿って空間部4を
隔て配置して口部で鍔部2aと鍔部3aとを振動溶着等
の溶着手段で結合一体化する。ついで前記空間部4をガ
ス導入口3dより排気した後空間部4に低熱伝導ガスを
充填してガス導入口3dを封止して断熱空間部8形成し
た[図4(D)参照]。
4に図示する組立図に従って説明する。この製造方法で
は、先の図3での実施形態の例で説明した方法で製作し
た内容器2[図4(A)参照]の断熱空間部4に臨む側
の面2b(外側壁)を形成する高融点合成樹脂の面に輻
射熱防止用材7を配した[図4(B)参照]後、予め単
層で成形しておいた高融点合成性樹脂よりなる外容器3
の空間部4に臨む側の面3bの層を形成する容器[図4
(C)参照]を前記内容器2の外側に沿って空間部4を
隔て配置して口部で鍔部2aと鍔部3aとを振動溶着等
の溶着手段で結合一体化する。ついで前記空間部4をガ
ス導入口3dより排気した後空間部4に低熱伝導ガスを
充填してガス導入口3dを封止して断熱空間部8形成し
た[図4(D)参照]。
【0027】ついで、予め単層で成形しておいた外容器
3の大気に臨む側の面3cを形成する低融点の合成樹脂
よりなる容器[図4(E)参照]を、前記高融点の合成
樹脂よりなる空間部4を臨む側の面3bの外側にはめ込
んで前工程で組み立てた断熱空間部8を有する容器を外
側より密着した状態で収容し、口部の鍔部3aを内容器
2の口部の鍔部2aに溶着して一体化して、外容器3の
大気に臨む側の面3cの低融点の合成樹脂層を形成する
とともに、本発明の合成樹脂製の断熱容器1[図4
(F)参照]を前記した製造方法と同様に製造するもの
である。
3の大気に臨む側の面3cを形成する低融点の合成樹脂
よりなる容器[図4(E)参照]を、前記高融点の合成
樹脂よりなる空間部4を臨む側の面3bの外側にはめ込
んで前工程で組み立てた断熱空間部8を有する容器を外
側より密着した状態で収容し、口部の鍔部3aを内容器
2の口部の鍔部2aに溶着して一体化して、外容器3の
大気に臨む側の面3cの低融点の合成樹脂層を形成する
とともに、本発明の合成樹脂製の断熱容器1[図4
(F)参照]を前記した製造方法と同様に製造するもの
である。
【0028】なお、この製造方法は、前記図3で例示し
た内、外容器をそれぞれ予め複層として成形した方法と
比較して、ガス導入口3dの封止部が外観側に現出され
ないので、大気に曝されたり洗浄時に洗剤や水に触れ
ず、それ故これらによる封止接着剤の劣化が低減されず
に断熱効果が永く持続する。また前記封止部が直接の外
的接触がなく、それ故外的衝撃に強い等外部の環境に左
右されない利点がある。なおまた、この実施形態の製造
方法は、前記した先の実施形態の製造方法と同様断熱蓋
体21にも適用し得ることは勿論であり、この場合前記
同様内容器2を「天蓋下壁22」に置き換え、外容器3
を「天蓋上壁23」に置き換えて読むことにより充分説
明し得、かつ理解し得る。
た内、外容器をそれぞれ予め複層として成形した方法と
比較して、ガス導入口3dの封止部が外観側に現出され
ないので、大気に曝されたり洗浄時に洗剤や水に触れ
ず、それ故これらによる封止接着剤の劣化が低減されず
に断熱効果が永く持続する。また前記封止部が直接の外
的接触がなく、それ故外的衝撃に強い等外部の環境に左
右されない利点がある。なおまた、この実施形態の製造
方法は、前記した先の実施形態の製造方法と同様断熱蓋
体21にも適用し得ることは勿論であり、この場合前記
同様内容器2を「天蓋下壁22」に置き換え、外容器3
を「天蓋上壁23」に置き換えて読むことにより充分説
明し得、かつ理解し得る。
【0029】
【実施例】つぎに本発明の断熱容器1の製造方法につい
ての実施例について説明する。 [実施例1]:公知の2色成形機を用いて本発明の低融
点合成樹脂と高融点合成樹脂よりなる複層化した合成樹
脂の断熱容器1を製造した。低融点の合成樹脂としてポ
リプロピレン樹脂(融点161℃)とし、高融点の合成
樹脂としてナイロン樹脂(融点216℃)を使用した。 内容器2の成形:より低融点のポリプロピレン樹脂を
射出ノズル温度170〜200℃で射出し、厚さ約1.
5mm程度の大気に臨む側の面2cの層容器を成形し、
続いてこの層容器の外側により高融点のナイロン樹脂を
射出ノズル温度220〜240℃で射出し前記低融点の
ポリプロピレン樹脂層容器の外側を被覆して空間部に臨
む側の面2bの層を形成せしめ総厚さ約2.5mm程度
とした。 外容器3の成形:底部にガス導入口を3dが配される
金型を使用し、より低融点のポリプロピレン樹脂を射出
ノズル温度170〜200℃で射出して、厚さ1.5〜
2.0mm程度の大気に臨む側の面3cの層容器を成形
し、ついでこの層容器の内側により高融点のナイロン樹
脂を射出ノズル温度220〜240℃にして射出し、前
記ポリプロピレン樹脂の内側に空間部4に臨む側の面3
bの層として形成せしめ総厚さ2.5〜3.0mm程度
とした。
ての実施例について説明する。 [実施例1]:公知の2色成形機を用いて本発明の低融
点合成樹脂と高融点合成樹脂よりなる複層化した合成樹
脂の断熱容器1を製造した。低融点の合成樹脂としてポ
リプロピレン樹脂(融点161℃)とし、高融点の合成
樹脂としてナイロン樹脂(融点216℃)を使用した。 内容器2の成形:より低融点のポリプロピレン樹脂を
射出ノズル温度170〜200℃で射出し、厚さ約1.
5mm程度の大気に臨む側の面2cの層容器を成形し、
続いてこの層容器の外側により高融点のナイロン樹脂を
射出ノズル温度220〜240℃で射出し前記低融点の
ポリプロピレン樹脂層容器の外側を被覆して空間部に臨
む側の面2bの層を形成せしめ総厚さ約2.5mm程度
とした。 外容器3の成形:底部にガス導入口を3dが配される
金型を使用し、より低融点のポリプロピレン樹脂を射出
ノズル温度170〜200℃で射出して、厚さ1.5〜
2.0mm程度の大気に臨む側の面3cの層容器を成形
し、ついでこの層容器の内側により高融点のナイロン樹
脂を射出ノズル温度220〜240℃にして射出し、前
記ポリプロピレン樹脂の内側に空間部4に臨む側の面3
bの層として形成せしめ総厚さ2.5〜3.0mm程度
とした。
【0030】内容器2のナイロン樹脂の層の面即ち空
間部に臨む側の面2bを被覆してアルミニウム箔を配置
した後にこれを外容器3内に挿入し、両者の間に空間部
4が生じるように配置し、それぞれの口部に設けた鍔部
2aと3aとを振動溶着により結合し一体化し二重壁構
造の容器10とした。 ついで二重壁構造容器10の外容器3の底部に設けた
ガス導入口3dより空間部4の空気を排気した後クリプ
トンガスを1.1×105Pa充填し、ガス導入口3d
を封止板9により密封して本発明の密着複層化した合成
樹脂製の断熱容器を得た。 このようにして得られた本発明の断熱容器は所定の断熱
効果を奏することは勿論のこと、複層とした異種の合成
樹脂は極めて密着性が良く、また長期間にわたって分離
したり、位置ずれすることが無く極めて安定した状態で
一体性を保持していた。
間部に臨む側の面2bを被覆してアルミニウム箔を配置
した後にこれを外容器3内に挿入し、両者の間に空間部
4が生じるように配置し、それぞれの口部に設けた鍔部
2aと3aとを振動溶着により結合し一体化し二重壁構
造の容器10とした。 ついで二重壁構造容器10の外容器3の底部に設けた
ガス導入口3dより空間部4の空気を排気した後クリプ
トンガスを1.1×105Pa充填し、ガス導入口3d
を封止板9により密封して本発明の密着複層化した合成
樹脂製の断熱容器を得た。 このようにして得られた本発明の断熱容器は所定の断熱
効果を奏することは勿論のこと、複層とした異種の合成
樹脂は極めて密着性が良く、また長期間にわたって分離
したり、位置ずれすることが無く極めて安定した状態で
一体性を保持していた。
【0031】[実施例2]:この実施例2では異種の合
成樹脂を複層化した合成樹脂を用いた断熱蓋体を製造し
た。製造方法としては天蓋下壁2のみを異種の合成樹脂
を複層化して成形し、天蓋上壁は23は異種の合性樹脂
は個々に成形して、前記皿状天蓋下壁22に順次組み込
んで製造する前記別の実施形態として図4で説明した製
造方法を採用した。より低融点の合成樹脂としてはポリ
プロピレン樹脂(融点161℃)を使用し、より高融点
の合成樹脂としてはエバール(融点183℃)を使用し
た。 天蓋下壁22の成形:通常の2色成形機に所望する形
状を得る金型を装着し、先ずより低融点の合成樹脂であ
るポリプロピレン樹脂を射出ノズル温度約190℃程度
にして射出して厚さ1.5〜2.0mm程度の大気に臨
む側の面22cの皿状の器を成形した後、引き続きこの
皿状容器の凸面側の面に沿って、より高融点の合成樹脂
エバールを射出ノズル温度200〜240℃にして射出
し、低融点の合成樹脂の皿状容器の凸平面上に断熱空間
部24に臨む側の面22bのエバールの層を形成し総厚
さ2.0〜3.5mm程度として異種の合成樹脂を複層
化した合成樹脂の皿状天蓋下壁22を成形した。 天蓋上壁23の成形:低融点のポリプロピレン樹脂、
高融点のエバールをそれぞれ一般的な単色成形機を用い
て所望形状に個別に成形した。その形状は相似形とし、
大きさはエバールよりなる成形品の凸面部がポリプロピ
レン樹脂の成形品の凹面に密着して嵌合するようポリプ
ロピレン樹脂の成形品の方を幾分大きくした。またエバ
ールの成形品にはガス導入口29を配設した。
成樹脂を複層化した合成樹脂を用いた断熱蓋体を製造し
た。製造方法としては天蓋下壁2のみを異種の合成樹脂
を複層化して成形し、天蓋上壁は23は異種の合性樹脂
は個々に成形して、前記皿状天蓋下壁22に順次組み込
んで製造する前記別の実施形態として図4で説明した製
造方法を採用した。より低融点の合成樹脂としてはポリ
プロピレン樹脂(融点161℃)を使用し、より高融点
の合成樹脂としてはエバール(融点183℃)を使用し
た。 天蓋下壁22の成形:通常の2色成形機に所望する形
状を得る金型を装着し、先ずより低融点の合成樹脂であ
るポリプロピレン樹脂を射出ノズル温度約190℃程度
にして射出して厚さ1.5〜2.0mm程度の大気に臨
む側の面22cの皿状の器を成形した後、引き続きこの
皿状容器の凸面側の面に沿って、より高融点の合成樹脂
エバールを射出ノズル温度200〜240℃にして射出
し、低融点の合成樹脂の皿状容器の凸平面上に断熱空間
部24に臨む側の面22bのエバールの層を形成し総厚
さ2.0〜3.5mm程度として異種の合成樹脂を複層
化した合成樹脂の皿状天蓋下壁22を成形した。 天蓋上壁23の成形:低融点のポリプロピレン樹脂、
高融点のエバールをそれぞれ一般的な単色成形機を用い
て所望形状に個別に成形した。その形状は相似形とし、
大きさはエバールよりなる成形品の凸面部がポリプロピ
レン樹脂の成形品の凹面に密着して嵌合するようポリプ
ロピレン樹脂の成形品の方を幾分大きくした。またエバ
ールの成形品にはガス導入口29を配設した。
【0032】組立:複層化した合成樹脂よりなる天蓋
下壁22の凸部面を形成するエバールの表面に沿ってア
ルミニウム箔の輻射熱防止材27を配して接着剤により
固定する。ついでこの天蓋下壁22を単色成形した天蓋
上壁23のエバール成形品内に、その形に合わせて挿入
しこれらを空間部24を隔てて配置し、それぞれの口部
で振動溶着等の結合手段により一体に結合する。引き続
きエバール成形品に配したガス導入口23dより空間部
24を排気した後、該空間部24にクリプトンガス+ア
ルゴンガスそれぞれ50容量%の混合ガスを充填し、ガ
ス導入口23dを封止板29により密封封止した。つい
でこのエバール樹脂成形品を被覆するようにして単色成
形した天蓋上壁23のポリプロピレン樹脂成形品を嵌合
して相互に密着せしめる。そしてエバール層とポリプロ
ピレン樹脂層とを振動溶着等の結合手段によりそれぞれ
緊密に結合し一体化せしめた。
下壁22の凸部面を形成するエバールの表面に沿ってア
ルミニウム箔の輻射熱防止材27を配して接着剤により
固定する。ついでこの天蓋下壁22を単色成形した天蓋
上壁23のエバール成形品内に、その形に合わせて挿入
しこれらを空間部24を隔てて配置し、それぞれの口部
で振動溶着等の結合手段により一体に結合する。引き続
きエバール成形品に配したガス導入口23dより空間部
24を排気した後、該空間部24にクリプトンガス+ア
ルゴンガスそれぞれ50容量%の混合ガスを充填し、ガ
ス導入口23dを封止板29により密封封止した。つい
でこのエバール樹脂成形品を被覆するようにして単色成
形した天蓋上壁23のポリプロピレン樹脂成形品を嵌合
して相互に密着せしめる。そしてエバール層とポリプロ
ピレン樹脂層とを振動溶着等の結合手段によりそれぞれ
緊密に結合し一体化せしめた。
【0033】このようにして製造された断熱蓋体は特に
収容物と当面して受熱したり、蒸気によって曝気される
天蓋下壁22部を融点の異なる2種の合成樹脂を複層化
成形品として成形したが、使用に際して生じる種々の状
況変化に十分対応し得て長期間にわたって分離すること
なく緊密な一体化を保持し得た。なお、上記実施例では
断熱容器として断熱コップを例示して説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、断熱容器として魔
法瓶、クーラーボックス、アイスボックス、保温弁当
箱、更には茶碗、皿等の保温食器類等の保温保冷を目的
とした器物に充分適応することは勿論である。
収容物と当面して受熱したり、蒸気によって曝気される
天蓋下壁22部を融点の異なる2種の合成樹脂を複層化
成形品として成形したが、使用に際して生じる種々の状
況変化に十分対応し得て長期間にわたって分離すること
なく緊密な一体化を保持し得た。なお、上記実施例では
断熱容器として断熱コップを例示して説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、断熱容器として魔
法瓶、クーラーボックス、アイスボックス、保温弁当
箱、更には茶碗、皿等の保温食器類等の保温保冷を目的
とした器物に充分適応することは勿論である。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記した通り異種の合成樹脂を
それぞれが本来保有する特性を生かして活用するよう複
層化するにあたって、融点の異なる合成樹脂を選択して
使用し、より低融点の合成樹脂を使用して先に成形し、
ついでその成形品により高融点の合成樹脂を溶融射出し
て層状に成形することにより、異種の特性を活用した合
成樹脂を極めて緊密に結合した複層合成樹脂成形品が得
られる。特に軽量な断熱容器として注目を集めている合
成樹脂製の断熱容器では断熱効果の向上と耐湿性の保持
が望まれていることから、ガスバリヤー性の高い合成樹
脂と耐湿性の優れた合成樹脂を極めて緊密に結合した複
層合成樹脂により成形し得てその品質を極めて著しく向
上せしめた。しかも従来のように接着剤を使用したり、
物理的嵌合や結合とは異なり、接触面での気泡や隙間が
生ぜず、従ってこれによって惹起される気泡や空隙内の
空気の熱による膨張とそれに伴う樹脂壁の膨れ割れが生
じない良質な断熱容器を製造し提供し得る。
それぞれが本来保有する特性を生かして活用するよう複
層化するにあたって、融点の異なる合成樹脂を選択して
使用し、より低融点の合成樹脂を使用して先に成形し、
ついでその成形品により高融点の合成樹脂を溶融射出し
て層状に成形することにより、異種の特性を活用した合
成樹脂を極めて緊密に結合した複層合成樹脂成形品が得
られる。特に軽量な断熱容器として注目を集めている合
成樹脂製の断熱容器では断熱効果の向上と耐湿性の保持
が望まれていることから、ガスバリヤー性の高い合成樹
脂と耐湿性の優れた合成樹脂を極めて緊密に結合した複
層合成樹脂により成形し得てその品質を極めて著しく向
上せしめた。しかも従来のように接着剤を使用したり、
物理的嵌合や結合とは異なり、接触面での気泡や隙間が
生ぜず、従ってこれによって惹起される気泡や空隙内の
空気の熱による膨張とそれに伴う樹脂壁の膨れ割れが生
じない良質な断熱容器を製造し提供し得る。
【0035】また更に凹凸等の嵌合による一体化の物理
的結合方法の如く、凹凸面を形成するためのスライド構
造を設けるような複雑で高価な金型を必要とせず、また
この凹凸面形成用金型で生じる成形品取り出し時の欠損
部の発生等不良品の発生もなく、極めて安価で密着性の
良い複層化した合成樹脂により、軽量で断熱性能の優れ
た良質な断熱容器が歩留まり良く製造し得る等の効果を
奏する。
的結合方法の如く、凹凸面を形成するためのスライド構
造を設けるような複雑で高価な金型を必要とせず、また
この凹凸面形成用金型で生じる成形品取り出し時の欠損
部の発生等不良品の発生もなく、極めて安価で密着性の
良い複層化した合成樹脂により、軽量で断熱性能の優れ
た良質な断熱容器が歩留まり良く製造し得る等の効果を
奏する。
【図1】 本発明の合成樹脂製断熱容器の一例を説明す
る断面図である。
る断面図である。
【図2】 本発明の合成樹脂製断熱蓋体に一例を説明す
る断面図である。
る断面図である。
【図3】 本発明の合成樹脂製断熱容器の製造方法の一
実施形態を説明する組立図である。
実施形態を説明する組立図である。
【図4】 本発明の合成樹脂製断熱容器の製造方法の別
の実施形態を説明する組立図である。
の実施形態を説明する組立図である。
1 断熱容器、 2 合成樹脂製内容器、 3 合成樹
脂製外容器 4、24 空間部、 7、27 輻射熱防止用材 8、28 断熱層、 9、29 封止板、 21 断熱
蓋体、22 天蓋下壁、 23 天蓋上壁
脂製外容器 4、24 空間部、 7、27 輻射熱防止用材 8、28 断熱層、 9、29 封止板、 21 断熱
蓋体、22 天蓋下壁、 23 天蓋上壁
フロントページの続き (72)発明者 田中 篤彦 東京都港区西新橋一丁目16番7号 日本酸 素株式会社内
Claims (12)
- 【請求項1】 合成樹脂製の内容器を合成樹脂製の外容
器内に挿入し空間部を隔てて配置して一体化して合成樹
脂製の二重壁構造容器とし、該二重壁構造容器の前記空
間部に輻射熱防止用材を配し、低熱伝導度のガスを封入
した合成樹脂製断熱容器であって、前記内容器及び外容
器の合成樹脂壁が異なった融点の合成樹脂の2層でなる
ことを特徴とする合成樹脂製断熱容器。 - 【請求項2】 融点の異なる2層の合成樹脂壁でなる内
容器と外容器が、断熱空間部を挟んで相対する側をそれ
ぞれ他方の合成樹脂層より高融点の合成樹脂層とした壁
で形成してなることを特徴とする請求項1に記載の合成
樹脂製断熱容器。 - 【請求項3】 2層間の融点の差が10〜60℃である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合成
樹脂製断熱容器。 - 【請求項4】 2層にした異なる融点の合成樹脂のう
ち、より高融点の合成樹脂はガスバリヤー性の高い合成
樹脂であり、より低い融点の合成樹脂が耐湿性の高い合
成樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
いずれか1項に記載の合成樹脂製断熱容器。 - 【請求項5】 内壁を形成する合成樹脂製内容器と外壁
を形成する合成樹脂製外容器とが断熱空間部を隔てて配
置されて一体に形成された二重壁構造の合成樹脂製断熱
容器の製造方法であって、所望する容器形状の金型を装
着した2色成形機に、先ず低融点の合成樹脂を射出して
流し込み冷却して内容器の大気に臨む側の面の層を成形
した後、引き続きその外側により融点の高い合成樹脂を
射出して流し込んで冷却して内容器の断熱空間部に臨む
側の面の層を形成して融点の異なる2層の合成樹脂で内
容器を成形し、一方前記内容器を空間部を隔てて収容し
て配置する容器形状の外容器を同様にガス導入孔を配し
た所望形状の金型を装着した2色成形機によって、先ず
より低融点の合成樹脂を射出して流し込んだ後冷却して
大気に臨む側の面の層を成形し、引き続きその内側によ
り高融点の合成樹脂を射出して流し込み冷却して断熱空
間部に臨む側の面の層を形成して融点の異なる合成樹脂
の2層よりなる外容器を成形し、前記内容器の外壁に輻
射熱防止用材を配した後、ついで該内容器を前記外容器
内に収容し空間部を隔て配置し、それぞれの口部で気密
に接合一体化した後、ガス導入孔より低熱伝導度のガス
を空間部に封入せしめたことを特徴とする合成樹脂製断
熱容器の製造方法。 - 【請求項6】 内壁を形成する合成樹脂製内容器と外壁
を形成する合成樹脂製外容器とが断熱空間部を隔てて配
置されて一体に形成された二重壁構造の合成樹脂製断熱
容器の製造方法であって、所望する容器形状の金型を装
着した2色成形機に、先ず低融点の合成樹脂を射出して
流し込み冷却して内容器の大気に臨む側の面の層を成形
した後、引き続きその外側により融点の高い合成樹脂を
射出して流し込んで冷却して内容器の断熱空間部に臨む
側の面の層を形成して融点の異なる2層の合成樹脂で内
容器を成形し、ついでその外壁に輻射熱防止用材を配し
た後、その外側に別途金型により射出成形した外容器の
断熱空間部に臨む側の面の層を形成するより高い融点の
合成樹脂よりなるガス導入口を有する成形体を空間部を
隔てて配置し、その端部を内容器に溶着して固定し、つ
いで低熱伝導度のガスをガス導入孔より空間部に封入
し、ついでこの高融点合成樹脂成形体の外側に、これに
密着して別途射出成形したより低融点の合成樹脂よりな
る外容器の大気に臨む側の面の層の成形体を配置して溶
着し一体に固定したことを特徴とする合成樹脂製断熱容
器の製造方法。 - 【請求項7】 合成樹脂製の天蓋下壁を合成樹脂製の天
蓋上壁内に挿入して空間部を隔てて配して一体化して二
重壁構造の蓋体とし、該二重壁構造の蓋体の前記空間部
に輻射防止用材を配し、低熱伝導度のガスを封入した容
器用の合成樹脂製断熱蓋体であって、前記天蓋上壁と天
蓋下壁を形成する合成樹脂が異なる融点の合成樹脂の2
層でなることを特徴とする合成樹脂製断熱蓋体。 - 【請求項8】 融点の異なる2層の合成樹脂壁でなる天
蓋上壁と天蓋下壁が、断熱空間部を挟んで相対する側を
それぞれ他方の合成樹脂層より高融点の合成樹脂層とし
た壁で形成してなることを特徴とする請求項7に記載の
合成樹脂製断熱蓋体。 - 【請求項9】 2層の合成樹脂の異なる融点の差が10
〜60℃であることを特徴とする請求項7または請求項
8に記載の合成樹脂製断熱蓋体。 - 【請求項10】 2層にした異なる融点の合成樹脂のう
ち、より高融点の合成樹脂はガスバリヤー性の高い合成
樹脂であり、より低い融点の合成樹脂が耐湿性の高い合
成樹脂であることを特徴とする請求項7乃至請求項9の
いずれか1項に記載の合成樹脂製断熱蓋体。 - 【請求項11】 内壁を形成する合成樹脂製天蓋下壁と
外壁を形成する合成樹脂製天蓋上壁とが断熱空間部を隔
てて配置されて一体に形成された二重壁構造の合成樹脂
製断熱蓋体の製造方法であって、所望する蓋体形状の金
型を装着した2色成形機に、先ず低融点の合成樹脂を射
出して流し込み冷却して天蓋下壁の大気に臨む側の面の
層を成形した後、引き続きその外側により融点の高い合
成樹脂を射出して流し込んで冷却して天蓋下壁の断熱空
間部に臨む側の面の層を形成して融点の異なる2層の合
成樹脂で天蓋下壁を成形し、一方前記天蓋下壁を空間部
を隔てて収容して配置する蓋体形状の天蓋上壁を同様に
ガス導入孔を配した所望形状の金型を装着した2色成形
機によって、先ずより低融点の合成樹脂を射出して流し
込んだ後冷却して大気に臨む側の面の層を成形し、引き
続きその内側により高融点の合成樹脂を射出して流し込
み冷却して断熱空間部に臨む側の面の層を形成して融点
の異なる合成樹脂の2層よりなる天蓋上壁を成形し、前
記天蓋下壁の外壁に輻射熱防止用材を配した後、ついで
該天蓋下壁を前記天蓋上壁に収容し空間部を隔て配置
し、それぞれの口部で気密に接合一体化した後、ガス導
入孔より低熱伝導度のガスを空間部に封入せしめたこと
を特徴とする合成樹脂製断熱蓋体の製造方法。 - 【請求項12】 内壁を形成する合成樹脂製天蓋下壁と
外壁を形成する合成樹脂製天蓋上壁とが断熱空間部を隔
てて配置されて一体に形成された二重壁構造の合成樹脂
製断熱蓋体の製造方法であって、所望する蓋体形状の金
型を装着した2色成形機に、先ず低融点の合成樹脂を射
出して流し込み冷却して天蓋下壁の大気に臨む側の面の
層を成形した後、引き続きその外側により融点の高い合
成樹脂を射出して流し込んで冷却して天蓋下壁の断熱空
間部に臨む側の面の層を形成して融点の異なる2層の合
成樹脂で天蓋下壁を成形し、ついでその外壁に輻射熱防
止用材を配した後、その外側に別途金型により射出成形
した天蓋上壁の断熱空間部に臨む側の面の層を形成する
より高い融点の合成樹脂よりなるガス導入口を有する成
形体を空間部を隔てて配置し、その端部を天蓋下壁に溶
着して固定し、ついで低熱伝導度のガスをガス導入孔よ
り空間部に封入し、ついでこの高融点合成樹脂成形体の
外側に、これに密着して別途射出成形したより低融点の
合成樹脂よりなる天蓋上壁の大気に臨む側の面の層の成
形体を配置して溶着し一体に固定したことを特徴とする
合成樹脂製断熱蓋体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9614997A JPH10287378A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体及びこれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9614997A JPH10287378A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体及びこれらの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10287378A true JPH10287378A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14157331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9614997A Pending JPH10287378A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体及びこれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10287378A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020078644A (ko) * | 2001-04-06 | 2002-10-19 | (주) 굿 엠 | 김치저장용기 |
JP2007045790A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Miyazaki Prefecture | 牛胚移植器の輸送容器及びこの保護カバー |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP9614997A patent/JPH10287378A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020078644A (ko) * | 2001-04-06 | 2002-10-19 | (주) 굿 엠 | 김치저장용기 |
JP2007045790A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Miyazaki Prefecture | 牛胚移植器の輸送容器及びこの保護カバー |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19991012 |