JPH10287059A - 記録用シートとその製造方法および画像形成体 - Google Patents

記録用シートとその製造方法および画像形成体

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JPH10287059A
JPH10287059A JP9108326A JP10832697A JPH10287059A JP H10287059 A JPH10287059 A JP H10287059A JP 9108326 A JP9108326 A JP 9108326A JP 10832697 A JP10832697 A JP 10832697A JP H10287059 A JPH10287059 A JP H10287059A
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JP9108326A
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Daigo Morizumi
大悟 森住
Masafumi Hayashi
雅史 林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明な基材の表面に、通常の画像記録がで
き、裏面に白色像を形成できる包装デザイン等に利用で
きる記録用シートとその製造方法および画像形成体を提
供する。 【解決手段】 透明な基材の表面に、インクジェットイ
ンク、昇華転写インク等の受容層を形成し、裏面に白色
熱溶融転写インクリボンが仮接着された記録用シートと
することにより、表面側にはフルカラー画像等の通常の
画像を記録し、裏面に熱溶融転写による白色像を形成で
きるので、一般のグラビア印刷により透明基材に白色印
刷した上に色印刷を行う印刷方法を表現した画像形成体
とすることができる。また、このような記録用シート
は、白色インクリボンと受容層透明基材を仮接着した
後、透明基材に受容層を形成する工程、または受容層を
形成した透明基材と白色インクリボンを仮接着する工程
により製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装産業やデザイ
ン企画部門におけるパッケージデザインの検討や校正に
使用されるフルカラー画像等と白色像形成部を合わせ持
つ透明な記録用シートとその製造方法およびそれによる
画像形成体を提供することを目的としている。特に、表
面側にインクジェットプリンター、昇華転写プリンター
等により画像形成されるインク受容層を有し、裏面側に
熱溶融転写により白色像を形成することができる熱転写
用白色インクリボンを有する記録用シート等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装デザイン等のレイアウト、画
像、色彩等の校正を行うときには、製版工程を経て実際
の印刷機による試し刷り等を行っていたが、フルカラー
を出力できるメディアの発達とともに、最近ではこの試
し刷りを各種のメディアで代用して、製版、印刷のコス
ト、時間の削減を図っている。しかし、フルカラー画像
等とその背景となる白色像部を合わせて出力できるよう
な透明な記録用シートは存在しないため、透明なフィル
ムに白色の下刷りを行うのが通常である軟包装材料の分
野では、これらのメディアの使用も限られていた。
【0003】フルカラー画像の出力手段としては、ワイ
ヤードット記録方式、感熱発色記録方式、感熱溶融転写
記録方式、感熱昇華転写記録方式、電子写真記録方式、
インクジェット記録方式等の種々の方式が実用されてい
る。この中で、インクジェット記録方式は、プリントコ
ストが安いこと、装置が安価でコンパクト、かつ騒音が
なく高速記録が可能、A4サイズ以上の大サイズに対応
でき、高解像度である等の優れた特徴がある。このため
コンピューター等によって作製した文字、図形等の画像
情報を迅速かつ正確にアウトプットするプリンターとし
ての利用が注目されている。またカラー化が容易で、絵
柄が鮮明であることから、コンピューターで作製した画
像情報をインクジェットプリターにより透明な記録シー
トに記録しこれを校正用原稿として利用する要求も高ま
っている。一方、階調が豊富で鮮明な画像が形成できる
昇華転写記録も特に高画質のフルカラー画像の形成用途
として評価が高い。また、高濃度の画像が形成できる熱
溶融転写記録も一定の用途に用いられている。しかしな
がら、昇華転写方式のプリンターはA3サイズあるいは
A3サイズの周囲に見当トンボがついたA3トンボまで
が限界であり、A2サイズやA2トンボサイズを1枚で
出力するには大サイズのプリンターを作製する必要があ
る。この点、インクリボンを使用しないインクジェット
プリンターでは記録サイズを大きくできる利点がある。
また、熱溶融転写方式では、A0サイズまで出力できる
プリンターも存在するが非常に高価である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】白色画像形成手段とし
ては、白色インクリボンを用いた感熱溶融転写記録方式
が、高い隠蔽性、白色度を再現できることから注目され
ている。しかし、フルカラー画像と白色像とを同時に記
録できる記録用シートは従来からニーズがあったにもか
かわらず目的にかなったものが実現されていなかった。
そこで、本発明は、これら包装デザイン等の要求を満た
すため、インクジェット記録、昇華転写記録、熱溶融転
写記録の優れた特性を利用したフルカラー画像等と感熱
溶融転写記録方式による白色裏刷りの双方を記録できる
記録用シートを実現すべくなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨の第1は、透明な基材の片面に画像形成
が可能なインク受容層を設けるとともに、当該基材の他
方面には熱溶融転写用の白色インクリボンが仮接着され
ていることを特徴とする記録用シート、にある。このよ
うな記録用シートであるため、通常の画像と白色像を同
一基材の表裏に重ねて記録することができる。
【0006】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第2は、基材の片面に白色の熱溶融転写インク層を形成
して白色インクリボンを製造する工程(A)と、工程
(A)により得られた白色インクリボンのインク層を内
面として、インク受容層を形成するための透明な基材を
仮接着する工程(B)と、工程(B)により得られた複
合基材の透明な基材側表面に画像形成が可能なインク受
容層を形成する工程(C)、とからなることを特徴とす
る記録用シートの製造方法、にある。このような記録用
シートの製造方法であるため、通常の画像と白色像を同
一基材の表裏に重ねて記録できる記録用シートを容易に
製造できる。
【0007】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第3は、透明な基材の片面に画像形成が可能なインク受
容層を形成する工程(A)と、工程(A)の基材とは別
の基材の片面に白色の熱溶融転写インク層を形成して白
色インクリボンを製造する工程(B)と、工程(B)に
より得られた白色インクリボンのインク層を内面とし
て、工程(A)により得られたインク受容層を有する透
明な基材とを仮接着する工程(C)、とからなることを
特徴とする記録用シートの製造方法、にある。このよう
な記録用シートの製造方法であるため、通常の画像と白
色像を同一基材の表裏に重ねて記録できる記録用シート
を容易に製造できる。
【0008】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第4は、透明な基材の片面にインクジェットによる画像
が形成されているとともに、当該基材の他方面には熱溶
融転写による白色像が形成されていることを特徴とする
画像形成体、にある。このような画像形成体であるた
め、インクジェットによる画像と熱溶融転写による白色
画像とが表裏に重ねて記録され、白色下刷りを有する一
般印刷の効果を表現できる。
【0009】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第5は、透明な基材の片面に昇華転写による画像が形成
されているとともに、当該基材の他方面には熱溶融転写
による白色像が形成されていることを特徴とする画像形
成体、にある。このような画像形成体であるため、昇華
転写による画像と熱溶融転写による白色画像とが表裏に
重ねて記録され、白色下刷りを有する一般印刷の効果を
表現できる。
【0010】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第6は、透明な基材の片面に熱溶融転写による画像が形
成されているとともに、当該基材の他方面には熱溶融転
写による白色像が形成されていることを特徴とする画像
形成体、にある。このような画像形成体であるため、熱
溶融転写による画像と熱溶融転写による白色画像とが表
裏に重ねて記録され、白色下刷りを有する一般印刷の効
果を表現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明することとする。図1は、本発明の記録用
シートの断面図である。図1において、本発明の記録用
シートは、基材2と、基材2の一方の面に形成された画
像形成が可能なインク受容層1と、仮接着層4を介し
て、白色インク層5と、基材6を備えている。基材2の
インク受容層と反対面には、基材のカール防止および帯
電防止を兼ねるカール防止・帯電防止層3を必要により
備える。なお、白色とは測色学的な白を意味するのでは
なく一般印刷の裏刷りに使用されるような隠蔽性のある
明色の色を言い、黄味や青味がかった白や、アルミや金
色のような金属光沢を有するような色をも含む。当該記
録用シートの記録時において、基材2とインク受容層1
は、インクジェット記録等による受像シートとしての役
割を行い、白色インク層5、基材6、耐熱層7は、基材
2に白色像を形成するための白色インクリボンの役割を
果たすことになる。耐熱層7はサーマルヘッドの熱に対
し溶融したり粘着したりしないようにする目的で設ける
もので耐熱性およびスリップ性を高める効果を有する。
基材6はこの白色インク層を支持するもので、インク層
5面と基材2(もしくはカール防止・帯電防止層4)面
との間に設けた仮接着層4により剥離可能に接着されて
いる。白色インクリボンは、基材2と一体化して製品形
態となっているので、いわゆる共巻きと言われる。
【0012】基材2には、各種の方式の画像受容層を形
成することができる。例えば、インク受容層が、水溶性
樹脂、または吸水性樹脂を主体とするインク受容層であ
る場合は、インクジェットプリンターで画像を形成する
ことができ、インク受容層が、昇華性染料を受容するポ
リオレフィン樹脂等の昇華転写インク受容層である場合
は、昇華転写リボンを使用したプリンターにより画像を
形成することができ、インク受容層が熱溶融転写インク
受容層である場合は、熱溶融転写インクリボンを使用し
たプリンターにより画像を形成することができる。
【0013】図2は、本発明の記録用シートに画像形成
した後の状態を示す断面図である。図2のように、イン
ク受容層1には、インクジェット記録、昇華転写記録、
熱溶融転写記録等により画像8が形成されている。基材
2の他方面には熱溶融転写リボンにより転写された白色
像9が転写形成されている。熱転写リボンの不要な白色
インク層5は基材6とともに剥離除去される。画像8お
よび白色像9により、一般のグラビア印刷等における透
明フィルムに対する下刷り白インキとその上の画像の関
係を表現することができる。
【0014】以下、本発明の記録用シートの各部の構成
について順次説明することとする。 (基材)本発明の記録用シートで用いられる透明な基材
2としては、従来の記録用シートに使用されているもの
と同じ基材をそのまま用いることができる。本発明の記
録用シートの多くは包装用の透明フィルムを模したもの
として使用されるので透明性が必要とされる。また、裏
面の白色像を熱溶融転写で行うことから耐熱性も要求さ
れる。その他、寸法安定性、剛性、柔軟性を備えた熱可
塑性プラスチックにより形成されたものが好ましい。具
体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアル
コール樹脂、ポリエチレン樹脂、ジアセテート樹脂、ト
リアセテート樹脂、ポリイミド樹脂等の厚さ5〜250
μm程度、好ましくは50〜180μm程度のフィルム
状あるいはシート状のものが挙げられる。これらの透明
な基材2は、その表面に形成するインク受容層との密着
力が不十分な場合には、その表面にプライマー処理やコ
ロナ放電処理を施すことが好ましい。更に、インク受容
層を形成しない基材2の裏面の、基材と白色転写層の間
になる部分にはカール防止または帯電防止層を設けても
よい。
【0015】本発明の記録用シートで用いられる基材6
は、熱転写後、剥離されることを前提とするので、特に
透明であることを必要としないが、受容層側に形成され
る画像8との位置合わせを容易にする意味で透明である
ことが望ましい。また、白色像を熱溶融転写で行うこと
から耐熱性も要求される。その他、寸法安定性、剛性、
柔軟性を備えた熱可塑性プラスチックにより形成された
ものが好ましいのは透明な基材2と同様である。具体的
には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ジアセテート樹脂、トリア
セテート樹脂、ポリイミド樹脂等の厚さ5〜250μm
程度、好ましくは50〜180μm程度のフィルム状あ
るいはシート状のものが挙げられる。
【0016】(インク受容層)本発明の記録用シートの
インク受容層としては、インクジェット記録のための
受容層、昇華転写記録のための受容層、熱溶融転写
記録のための受容層、の3種が可能である。以下、それ
らの各インク受容層について順次説明する。
【0017】インクジェットインク受容層 インクジェットインク受容層は、水性の吸水性樹脂と水
溶性樹脂と耐湿熱性、低温印字性を有する水溶性樹脂の
混合物を主体とすることを特徴としている。また、特
に、前記の混合物が、吸水性ポリエステル樹脂とポリビ
ニルアルコールとポリビニルピロリドンの組み合わせで
あることが好ましい。水性の吸水性樹脂とは、水溶性樹
脂を架橋して吸水性、水不溶性としたものであり、水溶
性樹脂を部分的に架橋させたものやグラフト化させたも
のを塗工したものや、塗工後に架橋剤や、加熱、電離放
射線により架橋させたものがある。この他には、親水性
モノマーと疎水性モノマーの共重合体等があり、例え
ば、吸水性のアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、NBR樹脂、SB
R樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド等が単独もしくは混合物、共重合物、あるいは変性物
として用いられる。変性物とは、例えば、水酸基やカル
ボン酸、スルホン酸、4級アンモニウム塩等を含有する
モノマーやオリゴマーを共重合もしくはグラフトさせて
親水性を上げたものなどである。中でも、吸水性ポリエ
ステル樹脂が基材との接着性が高く、皮膜強度が高く、
プリンター搬送中において印字部にプリンターローラー
跡の傷が生じない、つまり湿潤強度が強いため、特に好
ましい。
【0018】水溶性樹脂とは、水もしくは水とアルコー
ルの混合溶媒に可溶なもので従来公知の種々のものが用
いられる。例えば、ポリビニルアルコールやポリビニル
ピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹
脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリア
クリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレン
グリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニル
メチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カ
ゼイン、ゼラチン、でんぷん等の水溶性樹脂および/ま
たはこれらの共重合物、カチオン/アニオン変性物等の
少なくとも1種以上が用いられる。その中でも、ポリビ
ニルアルコールがインク吸収性、発色性、湿潤強度に優
れ、溶液粘度が適性である点で、特に好ましい。
【0019】耐湿熱性、低温印字性を有する水溶性樹脂
とは、水やアルコールもしくはこれらの混合溶媒に可溶
な樹脂で、各環境(温度範囲:−20〜50°C、湿度
範囲:10〜90%RH)での保存性が良好なものが好
ましい。特に高温高湿下の保存前後で、その吸水性、印
字性の低下がほとんどないもの。なおかつ、各環境での
印字性が良好なもの、特に低温環境で、その吸水性、印
字性の低下がほとんどないものが挙げられ、従来公知の
種々のものが用いられる。例えば、ポリビニルピロリド
ン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(M
C、HPMC、HPEC等)、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂および/ま
たは、これらの共重合物、具体的にはポリビニルピロリ
ドン−酢酸ビニル共重合体等、カチオン/アニオン変性
物等の少なくとも1種以上が用いられる。中でも、ポリ
ビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセル
ロースがインク吸収性、低温低湿の環境下がの印字適性
や、高温高湿の環境で保存後の印字適性に優れているた
め、特に好ましい。
【0020】〔水性の吸水性樹脂〕対〔水溶性樹脂と耐
湿熱性、低温印字性を有する水溶性樹脂の合計〕の比
が、7対3から1対9の間であり、かつ水溶性樹脂と、
耐湿熱性、低温印字性を有する水溶性樹脂の比が、1対
9から9対1の間で用いられ、特に好ましくは、前者が
5対5から2対8の間で、かつ後者が2対8から4対6
の間の範囲である。上記の範囲を逸脱すると、インク乾
燥性、画像鮮明性、高温高湿や低温低湿の環境下の印字
適性、そして高温高湿の環境下に保存後の印字適性の各
性能をバランス良く保有した記録用シートが得られなく
なっている。
【0021】また、耐ブロッキング性、塗膜強度、密着
性、染料定着性の向上を目的として上述の組成中に各種
の水性ポリマー、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、NB
R樹脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹
脂、ポリアミド等が単独もしくは混合物、共重合物、あ
るいは変性物として用いられる。特にブロッキング防止
として1次粒子直径5〜80μmの有機粒子や、2次粒
子直径5〜20μmの無機粒子を樹脂分に対して、0.
1〜10%の範囲で加えると効果がある。この範囲より
少ないと、ブロッキングを防ぐのに充分な効果が得られ
ず、一方、この範囲より多いと、インク受容層の透明性
を落とすことになり、好ましくない。また染料定着性を
上げるような添加剤、無機化合物等を加えることもでき
る。この他に、各種界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、消泡剤、親水性の高い各種変性オイル等を本発明
の効果を妨げない範囲で混合して用いることもできる。
【0022】上述した組成物のインク受容層の形成方法
は、従来公知の種々の方法でよく、例えば、グラビアコ
ート、グラビアリバースコート、ロールコート、ワイヤ
ーバーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアー
ナイフコート、コンマコート、スロットダイコート、デ
ィップコート等いずれの方法でもよい。これらの方法を
用いて基材に塗布する厚みは、乾燥時で、0.1〜50
μm、好ましくは、3〜30μmとするのが良い。この
厚みが、0.1μm未満になると、インク吸収量が十分
でなく、他方で、50μmを越えると、経済的デメリッ
トが増える、すなわち製造コストが高くなるので、好ま
しくない。なお、コーティング量の確保のため、同一組
成の液を複数回重ねて、コーティングしてもよい。
【0023】昇華転写インク受容層 昇華転写インク受容層は、基材の表面に昇華性染料を受
容するための受容層をいう。昇華転写の場合、熱転写受
像シートが熱転写シートとともにプリンター内に搬送さ
れ、サーマルヘッドによって熱が印加されるが、この熱
印加時に熱転写シートの染料層と熱転写受像シートの染
料受容層とが密着することが必要で、密着性が低い場合
には染料の移行性すなわち感度が劣るという問題があ
る。この問題には、紙基材等の透明性が必要とされない
受像シートの場合は、印画時の感度・濃度向上のため
に、発泡層を介して受容層を設けることがなされる。し
かし、この場合には受像シート全体が透明性を失うこと
になる。本発明の記録用シートは包装用フィルム基材等
の透明な材料を模したものであるから透明性が必要であ
るため、発泡層を設けることができない。そこで、本発
明では、基材シートのサーマルヘッドと接する面に熱圧
力で塑性変形する無発泡樹脂層、すなわち低弾性樹脂層
を介して染料受容層を形成することによりこの問題を解
決することに特徴がある。
【0024】当該低弾性樹脂層を形成する樹脂として
は、比較的低温でも弾性率の低い樹脂が挙げられ、塩素
化ポリプロピレンが低融点、皮膜強度および透明性等の
点で最も好ましい。それ以外の樹脂としては、アクリル
樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、アクリ
ル変性アイオノマー樹脂等の一部が挙げられ、具体的に
は住友化学工業製のKF−11、綜研化学製のRE−
4、HV−70、日本ポリウレタン製のニッポラン51
99等が挙げられる。これらの樹脂は、上記およびその
法の樹脂と併用してもよいが、30重量%を占めること
が好ましく、50重量%以上が更に好ましい。使用する
塩素化ポリプロピレンは特に限定されず、例えば、スー
パークロン(山陽国策パルプ株式会社製)やハードレン
(東洋化成工業製)等の商品名で市場から入手して本発
明で使用することができる。
【0025】上記の低弾性樹脂層は、上記樹脂を適当な
有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分
散体を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、
グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の
形成手段により塗布および乾燥して形成する。以上の如
く形成される無発泡樹脂層は1.0g/m2 以上が必要
であり、これより薄いと良好な印字感度が得られない。
好ましい厚さは3.0g〜15g/m2 である。前記の
如き基材シートが低弾性樹脂層との密着力が乏しい場合
には、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施
すのが好ましい。
【0026】上記の低弾性樹脂層の上に設けるインク受
容層は、色材を染着し易い樹脂を主成分とするワニス
に、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を加えて構成す
る。染着し易い樹脂は、塩酢ビ樹脂、ポリエステル樹
脂、スチレンアクリルニトリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン樹脂等の単独
または共重合体、アニオン、カチオン変性物として用い
られる。また、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリア
ミド樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等がある。
これらの単体、または混合物あるいは共重合体を用いる
ことができる。
【0027】熱溶融転写インク受容層 熱溶融転写インク受容層は、特に熱溶融転写インキを弾
く性質のものでなければ、多くの材質が受容層として適
合する。具体的には基材として使用される材質そのもの
を受容層として使用することができ、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン
樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリイ
ミド樹脂等の厚さ5〜250μm程度、好ましくは50
〜180μm程度のフィルム状あるいはシート状のもの
が挙げられる。
【0028】(カール防止・帯電防止層)基材のインク
受容層が形成される面とは反対の面(裏面)に、同一の
インク受容層を、カール防止・帯電防止層として設けて
も良い。カール防止の目的としては、表面のインク受容
層と同様な水溶性樹脂や、アクリル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂等を用いることが可能であるが、特に、アクリル
樹脂または、変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂を用
いると、白色インクの定着性付与、耐ブロッキング性、
スリップ性の付与といった点からも有用である。カール
防止層の厚みは、乾燥時で0.1〜50μm程度か好ま
しく、前述のインク受容層の形成方法と同様な方法が選
べる。
【0029】また、記録用シートの粉塵による汚染防止
や、プリンターでの搬送の安定性をもたせるため、下記
の帯電防止剤を含む帯電防止層を設けることができる。
帯電防止剤としては、従来公知の陽イオン、陰イオン、
両性イオン、非イオン系のいずれの帯電防止剤を使用で
きる。例えば、第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導
体などのカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート
などのアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステルなどのノ
ニオン系帯電防止剤が、あげられる。帯電防止層は、上
記の帯電防止剤と有機ないし無機フィラーなどの滑剤を
添加してもよく、それらを溶剤に溶解または分散させた
配合液を、公知の方法、すなわち、グラビアコート、グ
ラビアリバースコート、ロールコート等の方法で塗布、
乾燥して、形成される。その帯電防止層の厚みは、乾燥
時で0.001〜0.1μm程度である。
【0030】(プライマー層)本発明の記録用シート
は、基材2の少なくとも片面に、インク受容層1を設け
ていて、基材とインク受容層との接着性が弱い場合、基
材とインク受容層との間に、プライマー層を設けて、イ
ンク受容層と基材との接着を強めることができる。プラ
イマー層に用いる樹脂としては、例えば、アルキッド樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩ビ酢ビ
共重合樹脂、NBR樹脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド等が単独もしくは混合
物、共重合物、あるいは変性物として用いられる。変性
物とは、例えば、水酸基やカルボン酸、4級アンモニウ
ム塩含有モノマーを共重合もしくはグラフトさせて、接
着性、親水性を上げたものなどである。
【0031】また、プライマー層の接着性、塗膜強度を
向上させるために、上記の樹脂を各種硬化剤、例えばエ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート等により架
橋させてもよい。上述したプライマー層の形成方法は、
前述のインク受容層の形成方法と同様な方法が選べる。
プライマー層の厚みは、乾燥時で、0.01〜50μ
m、好ましくは0.1〜10μmとするのが良い。この
厚みが、0.1μm未満になると、接着性で充分な性能
が発揮せず、一方で、10μmを越えると、記録用シー
トを裁断時に端面がベタついてくるため、製造コストが
高くつくと併せて、好ましくない。
【0032】(白色インク層)基材6に設ける白色イン
ク層5は、隠蔽力のある白色記録像を形成する必要があ
るため、熱溶融転写記録が好ましく用いられる。着色剤
としては、白色顔料が用いられ、一般的には十分な着色
濃度を有する点から、ルチル形またはアナタース形の酸
化チタン(TiO2 )が使用される。また、炭酸カルシ
ウム、シリカ、カオリン等の無機系粒子やEVA、PM
MAの粒子や中空粒子等の有機系粒子であっても良い。
使用するバインダーとしては、ワックスを主成分とし
て、その他に乾性油、樹脂、鉱油、セルロースおよびゴ
ムの誘導体などの混合物が用いられる。ワックスとして
は、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、パラフィンワックス等がある。さらに、フィッシャ
ートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木
ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラ
ックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタ
ム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸
エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックスが用いられ
る。本発明の場合、白色転写層に使用するバインダーと
しては、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体樹脂、またはアクリル樹脂、ま
たはアクリル樹脂に塩化ゴム、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体樹脂、セルロース系樹脂の少なくとも1種を使
用することがより好ましい。インキ層中の顔料は、5〜
70重量%を占める割合が一般的に好ましい。白色イン
ク層の塗布量は、0.5g/m2 〜10g/m2 (固形
分換算の数値である)が好ましい。
【0033】基材上に熱溶融白色インキ層を形成する方
法としては、顔料およびワックスを主体とするバインダ
ー等の必要成分を溶融混練し、これをホットメルトコー
ティング法等で塗布したり、上記のワックスを主体とす
るバインダーをアルコール等を含んでもよい水性媒体中
に乳化または分散させたエマルジョンと、顔料の水性分
散体を混合したエマルジョンインキを塗工および乾燥し
て形成する方法等が挙げられる。バインダーとしてはワ
ックスに加えて熱可塑性樹脂を併用することが好まし
く、熱可塑性樹脂はワックス100重量部当たり10〜
100重量部の割合で使用することが好ましい。この様
にして形成する白色インキ層は、通常は、0.5〜10
μm程度の厚みに形成することが好ましい。また、剥離
性を向上させるために、上記のインキ層の形成に際して
は予めワックスと樹脂またはワックスと粒子または樹脂
と粒子、ワックス単体、樹脂単体からなる透明剥離層を
形成しておき、転写後に転写画像が表面層を有する様に
することも出来る。剥離層は一般的には0.1〜5μm
程度の厚みである。形成方法は公知の塗布方法よる。
【0034】(耐熱層)基材6のサーマルヘッドの接触
する面には、耐熱層7を設け、サーマルヘッドの熱によ
るステッキングや印字のしわなどの悪影響を防止するこ
とが好ましい。上記の耐熱層を形成する樹脂としては、
従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエ
ーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン/ブタジエ
ン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアク
リレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポ
キシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロー
スナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート
樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロー
スアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロ
ース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが
あげられる。
【0035】これらの樹脂からなる耐熱層に添加あるい
は上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、
シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン
系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アク
リルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサ
ン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げら
れるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコ
ール高分子化合物とポリイソシアネート化合物および燐
酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を
添加することがより好ましい。
【0036】耐熱層を基材上に設けるには、上記の成分
をアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン
等の適当な溶媒に溶解して耐熱層形成用インキとして、
これをグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバ
ー等の慣用の適切な印刷方法、塗布方法により基材上に
形成する。次いで、30°C〜80°Cの温度に加熱す
ることによって乾燥するとともに活性水素基を有する樹
脂とイソシアネート類を反応させて耐熱層を形成すれば
よい。耐熱層の厚さは0.5〜5μm、好ましくは1〜
2μmであることが好ましい。この膜厚が0.5μmよ
りも薄い場合は、耐熱層としての効果が十分ではなく、
また5μmよりも厚いと染料層へのサーマルヘッドから
の熱伝達がわるくなり印字濃度が低くなるという欠点を
生じる。基材上に耐熱層を設ける場合は、バインダー樹
脂とイソシアネートとの反応を促進するために加熱する
ことが好ましいが、転写層に熱の影響を及ぼさないよう
にするためには耐熱層を基材上に設けた後で熱溶融転写
層を設けることが好ましい。
【0037】(仮接着層)上記、インク受容層が形成さ
れた基材2と白色インクリボンとを仮接着させる仮接着
層4は、従来公知のいずれの粘着剤でもよいが、好まし
い粘着剤はガラス転移温度の低い粘着性樹脂からなる。
かかる粘着層の接着力(g)は、25mm(幅)×55
mm(長さ)のサンプルを切り取り、表面性摩擦測定機
(新東科学製「HEIDON−14」)で測定して、1
800mm/min.の引っ張り速度で測定した際に3
00〜2000gの範囲が好ましい。接着力が上記範囲
未満である場合には、インク受容層が形成された基材2
と白色インクリボンの接着力が低過ぎ、両者が剥離し易
く、熱転写シートに皺がより易い。また、接着力が上記
範囲を越えると、接着力は十分であるが、白色像非形成
部においてもインク層が基材に転写され易く、基材の汚
染が発生する。
【0038】上記仮接着層4に使用する樹脂のガラス転
移温度は、−90°C〜−10°Cの範囲であるのが好
ましく、この様な粘着性樹脂の例としてはゴム系の粘着
性樹脂、アクリル系の粘着性樹脂およびシリコーン系の
粘着性樹脂が挙げられ、いずれも本発明で使用すること
が出来るが、本発明において特に好適であるものはアク
リル系の粘着剤である。上記粘着性樹脂は本発明では、
トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等の固形分5〜40重量%程度の有機溶
剤溶液として用いることが好ましい。また、この様な有
機溶剤系溶液を用いると透明樹脂シートに良好な粘着性
を付与できるが、そのままでは透明樹脂シートの表面に
ベタつき感が残るので、本発明においては適当な架橋剤
を使用することが好ましい。かかる適当な架橋剤として
は従来公知のいずれの架橋剤も使用可能であるが、特に
好ましい架橋剤はトルエンジイソシアネート−イソシア
ヌレート、イソホロンジイソシアネートトリメチロール
プロパンアダクト体等のポリイソシアネートであり、粘
着剤100重量部当たり5〜10重量部の割合で使用す
ることが好ましい。架橋剤の使用量が少なすぎるとベタ
つき感が残り、一方、多すぎると粘着性が低下するので
好ましくない。上記粘着剤層は、0.1〜10μm(固
形分塗工量として0.1〜5g/m2 )の厚みが好まし
い。また、その他の手法として、基材上にポリエステル
樹脂等のインク受容層とインクとを粘着層を使わずに直
接貼り合わせても良い。
【0039】本発明の画像形成体は、本発明の記録用シ
ートのインク受容層にそれぞれのプリンターにより画像
を形成することと、インク受容層とは反対の面に熱溶融
転写プリンターにより白色像を形成することによりなさ
れる。受容層への画像形成と白色像の形成は、いずれが
先になされても問題ないが、白色像が全面ベタ印刷であ
る場合の他は、表裏の画像は位置合わせすることが通常
必要であるため、適宜な位置検知手段により位置合わせ
することが必要になる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の記録用シートの製造方法の実
施例を図を参照して説明する。 (実施例1)図3は、本発明の記録用シートの製造方法
の実施態様を示す図である。実施例1では、まず、基材
の片面に白色の熱溶融転写インク層を形成して白色イン
クリボンを製造し、次に、得られた白色インクリボンの
インク層を内面として、インク受容層を形成するための
透明な基材を仮接着する。最後に、得られた複合基材の
透明な基材側表面にインクジェット画像形成が可能なイ
ンクジェットインク受容層を形成することにより記録用
シートを製造した。
【0041】<白色インクリボンの製造>基材6とし
て、耐熱層7を有する、厚さ4.5μmの透明なポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミ
ラーT−60」)を使用し、その表面に、下記のインク
組成物を乾燥時固形分で、4.0g/m2 となる割合で
塗工して白色インク層5を形成して、インクリボンとし
た(図3(A))。 〔インク組成物〕 カルナバワックス 15部 エチレン/酢酸ビニル共重合体 10部 白色顔料(TiO2 ) 20部 ポリエチレンワックス 55部 石油樹脂 10部
【0042】<仮接着>次に、得られた白色インクリボ
ンの白色インク層5側と、厚み100μmの透明なポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ル
ミラーQ80D」)2を仮接着層4により仮接着するた
めに、下記組成の粘着剤組成物を、グラビアコート法で
乾燥時の塗工量が0.5g/m2 となる割合で、厚さ1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面
側に塗工および乾燥させた後、ニップ温度50°C、ニ
ップ圧5Kg/cm2 で前記白色インクリボンと貼り合
わせた(図3(B))。なお、基材2にはカール防止・
帯電防止層3が必要により設けられる。 〔粘着剤組成物〕 アクリル系粘着性樹脂(ガラス転移温度−58°C) 10部 ポリイソシアネート 1部 トルエン 44部 メチルエチルケトン 44部
【0043】<受容層の形成>上記で得られた、厚み1
00μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム
と白色インクリボンの複合基材の表面(白色インクリボ
ンが積層されていない側の面)に、下記、インク受容層
組成物を乾燥時塗布量が10g/m2 になるように、バ
ーコート法で塗布した。塗布後、120°C、5分の条
件で乾燥を行い、インクジェットインク受容層1を形成
した(図3(C))。 〔インク受容層組成物〕 水溶性樹脂:ポリビニルアルコール(クラレ株式会社「PVA217」) 重合度1700、鹸化度88モル% 10部 水 60部 イソプロピルアルコール 30部
【0044】これにより、透明基材表面に、インクジェ
ットインクの受容層1が形成され、裏面に白色インクリ
ボンを有する本発明の記録用シートが完成した。当該記
録用シートのインク受容層面にインクジェットプリンタ
ー(キャノン株式会社製「BJC−5500J」)を使
用して、フルカラーの画像を形成した後、裏面の熱溶融
転写性の白色インクリボンを熱溶融転写プリンターを使
用して、ベタ刷りの白色像を表面画像と位置合わせし同
調して記録したところ、表面画像の裏面に白色で隠蔽さ
れた一般印刷同様の画像形成体が得られた。なお、基材
6は残余のインク層と共に剥離除去した。
【0045】(実施例2)図4は、本発明の記録用シー
トの製造方法の他の実施態様を示す図である。実施例2
では、まず、透明な基材の片面にインクジェット画像形
成が可能なインクジェットインク受容層を形成し、次
に、上記基材とは別の基材の片面に白色の熱溶融転写イ
ンク層を形成して白色インクリボンを製造する。最後
に、得られた白色インクリボンのインク層を内面とし
て、インク受容層を有する透明な基材とを仮接着するこ
とにより記録用シートを製造した。
【0046】<受容層の形成>基材2として、厚み10
0μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ株式会社製「ルミラーQ80D」)を使用し、そ
の表面に、下記、インク受容層組成物を乾燥時塗布量が
10g/m2 になるように、バーコート法で塗布した。
塗布後、120°C、5分の条件で乾燥を行い、インク
ジェットインク受容層1を形成した(図4(A))。な
お、基材2にはカール防止・帯電防止層3が必要により
設けられ。 〔インク受容層組成物〕 耐湿熱性、低温印字性を有する水溶性樹脂: ポリビニルピロリドン(BASF株式会社「K−90」) 100部
【0047】<白色インクリボンの製造>基材6とし
て、耐熱層7を有する、厚さ4.5μmの透明なポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミ
ラーT−60」)を使用し、その表面に、下記のインク
組成物を乾燥時固形分で、4.0g/m2 となる割合で
塗工して白色インク層5を形成して、インクリボンとし
た(図4(B))。 〔インク組成物〕 カルナバワックス 15部 エチレン/酢酸ビニル共重合体 10部 白色顔料(TiO2 ) 20部 ポリエチレンワックス 55部 石油樹脂 10部
【0048】<仮接着>得られた白色インクリボンの白
色インク層5側と先にインク受容層を形成した、厚み1
00μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム
基材2の裏面側を仮接着層4で仮接着するために、下記
組成の粘着剤を、当該裏面側に塗工および乾燥させ、ニ
ップ温度50°C、ニップ圧5Kg/cm2 で前記白色
インクリボンと貼り合わせた(図4(C))。 〔粘着剤組成物〕 アクリル系粘着性樹脂(ガラス転移温度−58°C) 10部 ポリイソシアネート 1部 トルエン 44部 メチルエチルケトン 44部
【0049】これにより、透明基材表面に、インクジェ
ットインクの受容層1が形成され、裏面に白色インクリ
ボンを有する本発明の記録用シートが完成した。当該記
録用シートの裏面の熱溶融転写性の白色インクリボンを
熱溶融転写プリンター(試作機、T/H解像度200d
pi、印加エネルギー0.3mJ/dot、印圧4kg
/A2サイズ)を使用して白色像を記録した後、インク
受容層面にインクジェットプリンター(キャノン株式会
社製「BJC−5500J」)を使用して、フルカラー
の画像を形成したところ、表面画像の裏面に白色で隠蔽
された一般印刷同様の画像形成体が得られた。なお、基
材6は残余のインク層と共に剥離除去した。
【0050】(実施例3)実施例3では、まず、透明な
基材の片面に昇華転写画像形成が可能な昇華転写インク
受容層を形成し、次に、上記基材とは別の基材の片面に
白色の熱溶融転写インク層を形成して白色インクリボン
を製造する。最後に、得られた白色インクリボンのイン
ク層を内面として、昇華インク受容層を有する透明な基
材とを仮接着することにより記録用シートを製造した。
【0051】<受容層の形成>基材2として、厚み10
0μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ株式会社製「ルミラーT−60」)を使用し、そ
の表面に、下記、インク受容層組成物を乾燥時塗布量が
4g/m2 になるように、バーコート法で塗布した。塗
布後、120°C、5分の条件で乾燥を行い、昇華転写
受容層1を形成した(図4(A))。 〔インク受容層組成物〕 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部 (電気化学工業株式会社製、♯1000D) アミノ変性シリコーン 3部 (信越化学工業株式会社製、X−22−349) エポキシ変性シリコーン 3部 (信越化学工業株式会社製、KF−393) メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400部
【0052】<白色インクリボンの製造>基材6とし
て、厚さ4.5μmの透明なポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ株式会社製「ルミラーT−60」)を
使用し、その表面に、下記のインク組成物を乾燥時固形
分で、4.0g/m2 となる割合で塗工して白色インク
層5を形成して、インクリボンとした(図4(B))。 〔インク組成物〕 カルナバワックス 15部 エチレン/酢酸ビニル共重合体 10部 白色顔料(TiO2 ) 20部 ポリエチレンワックス 55部 石油樹脂 10部
【0053】<仮接着>得られた白色インクリボンの白
色インク層側と、先にインク受容層を形成した、厚み1
00μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム
の裏面側を仮接着するために、下記組成の粘着剤を、当
該裏面側に塗工および乾燥させ、ニップ温度50°C、
ニップ圧5Kg/cm2 で前記白色インクリボンと貼り
合わせた(図4(C))。 〔粘着剤組成物〕 アクリル系粘着性樹脂(ガラス転移温度−58°C) 10部 ポリイソシアネート 1部 トルエン 44部 メチルエチルケトン 44部
【0054】これにより、透明基材表面に、昇華転写イ
ンクの受容層1が形成され、裏面に白色インクリボンを
有する本発明の記録用シートが完成した。当該記録用シ
ートのインク受容層面に昇華転写リボンと昇華転写プリ
ンター(ソニー株式会社製「UPD7000」)を使用
してフルカラーの画像を形成した後、裏面の熱溶融転写
性の白色インクリボンを熱溶融転写プリンター(試作
機、T/H解像度200dpi、印加エネルギー0.3
mJ/dot、印圧4kg/A2サイズ)を使用して、
ベタ刷りの白色像を表面画像と位置合わせして記録した
ところ、表面画像の裏面に白色で隠蔽された一般印刷同
様の画像形成体が得られた。なお、基材6は残余のイン
ク層と共に剥離除去した。
【0055】
【発明の効果】本発明の記録用シートは、透明な基材の
表面に、インクジェット記録、昇華転写記録または熱溶
融転写記録のインク受容層を設けたので、これらの手段
により任意の画像を形成でき、一方、受容層と反対側の
基材面には、熱溶融転写用の白色インクリボンを仮接着
して設けてあるので、熱溶融転写法により、表面画像と
重ねてまたは別個に白色画像を形成できる。従って、熱
溶融転写後、白色インクリボンの不要部を剥離除去すれ
ば、グラビア印刷等の一般印刷における透明フィルムに
対する白下色印刷の効果を表現することができる。ま
た、本発明の記録用シートの製造方法によれば、このよ
うな記録用シートを容易に製造することができる。ま
た、本発明の画像形成体は、上述の一般印刷の効果を評
価するために十分な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の記録用シートの断面図である。
【図2】 本発明の記録用シートに画像形成した後の状
態を示す断面図である。
【図3】 本発明の記録用シートの製造方法の実施態様
を示す図である。
【図4】 本発明の記録用シートの製造方法の他の実施
態様を示す図である。
【符号の説明】
1 インク受容層 2 基材 3 カール防止・帯電防止層 4 仮接着層 5 白色インク層 6 基材 7 耐熱層 8 画像 9 白色像

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基材の片面に画像形成が可能なイ
    ンク受容層を設けるとともに、当該基材の他方面には熱
    溶融転写用の白色インクリボンが仮接着されていること
    を特徴とする記録用シート。
  2. 【請求項2】 透明な基材と白色インクリボンの基材が
    ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴
    とする請求項1記載の記録用シート。
  3. 【請求項3】 インク受容層が、インクジェットインク
    受容層からなり、画像形成がインクジェットプリンター
    によってなされることを特徴とする請求項1および請求
    項2記載の記録用シート。
  4. 【請求項4】 インク受容層が、昇華転写インク受容層
    からなり、画像形成が昇華転写プリンターによってなさ
    れることを特徴とする請求項1および請求項2記載の記
    録用シート。
  5. 【請求項5】 インク受容層が、熱溶融転写インク受容
    層からなり、画像形成が熱溶融転写プリンターによって
    なされることを特徴とする請求項1および請求項2記載
    の記録用シート。
  6. 【請求項6】 基材の片面に白色の熱溶融転写インク層
    を形成して白色インクリボンを製造する工程(A)と、
    工程(A)により得られた白色インクリボンのインク層
    を内面として、インク受容層を形成するための透明な基
    材を仮接着する工程(B)と、工程(B)により得られ
    た複合基材の透明な基材側表面に画像形成が可能なイン
    ク受容層を形成する工程(C)、とからなることを特徴
    とする記録用シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 透明な基材の片面に画像形成が可能なイ
    ンク受容層を形成する工程(A)と、工程(A)の基材
    とは別の基材の片面に白色の熱溶融転写インク層を形成
    して白色インクリボンを製造する工程(B)と、工程
    (B)により得られた白色インクリボンのインク層を内
    面として、工程(A)により得られたインク受容層を有
    する透明な基材とを仮接着する工程(C)、とからなる
    ことを特徴とする記録用シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 透明な基材と白色インクリボンの基材が
    ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴
    とする請求項6および請求項7記載の記録用シートの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 インク受容層が、インクジェットインク
    受容層からなることを特徴とする請求項6から請求項8
    記載の記録用シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 インク受容層が、昇華転写インク受容
    層からなることを特徴とする請求項6から請求項8記載
    の記録用シートの製造方法。
  11. 【請求項11】 インク受容層が、熱溶融転写インク受
    容層からなることを特徴とする請求項6から請求項8記
    載の記録用シートの製造方法。
  12. 【請求項12】 透明な基材の片面にインクジェットに
    よる画像が形成されているとともに、当該基材の他方面
    には熱溶融転写による白色像が形成されていることを特
    徴とする画像形成体。
  13. 【請求項13】 透明な基材の片面に昇華転写による画
    像が形成されているとともに、当該基材の他方面には熱
    溶融転写による白色像が形成されていることを特徴とす
    る画像形成体。
  14. 【請求項14】 透明な基材の片面に熱溶融転写による
    画像が形成されているとともに、当該基材の他方面には
    熱溶融転写による白色像が形成されていることを特徴と
    する画像形成体。
  15. 【請求項15】 透明な基材がポリエチレンテレフタレ
    ートフィルムであることを特徴とする請求項12から請
    求項14記載の画像形成体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003027382A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Seiren Co Ltd インクジェット記録用ポリオレフィン布帛、その製造方法、及びその記録物
JP2010115929A (ja) * 2010-02-24 2010-05-27 Dainippon Printing Co Ltd 印画物及びその印画で使用する熱転写リボン

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