JP2003027382A - インクジェット記録用ポリオレフィン布帛、その製造方法、及びその記録物 - Google Patents
インクジェット記録用ポリオレフィン布帛、その製造方法、及びその記録物Info
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Abstract
に表現でき、十分に高濃度な染色が可能で、且つ染色堅
牢性に優れたインクジェット記録用ポリオレフィン布帛
を提供する。 【解決手段】 インクジェット記録用ポリオレフィン布
帛であって、ポリオレフィン布帛の表面上に、塩素化ポ
リオレフィン樹脂を含有する接着層が形成され、更に該
接着層の上に疎水性化合物を含有するインク受容層が形
成されてなるインクジェット記録用ポリオレフィン布
帛。 【効果】 本発明のインクジェット記録用ポリオレフィ
ン布帛は、特に高濃度な染色や染色堅牢性が求められる
自動車内装材、壁材、椅子材、広告シート等の産業資材
に対してその効果を発揮する。
Description
録用ポリオレフィン布帛、その製造方法、及びその記録
物に関し、更に詳しくは、インクジェット記録により、
色や柄を自由に且つ濃色に表現でき、しかも染色堅牢性
に優れた染色が可能なインクジェット記録用ポリオレフ
ィン布帛、その製造方法、及びその記録物に関する。
は、比較的安価で、軽量性、耐薬品性及び機械的特性等
の物性に優れ、また再利用が可能であるなど優れた性質
を有する。そのため、ポリオレフィンの使用量は増加傾
向にあり、近年、繊維分野においてもポリオレフィン繊
維よりなる布帛(ポリオレフィン布帛)に対する需要が
高まってきている。
に、染料や顔料では染色されにくいという大きな問題を
有する。それは、ポリオレフィン繊維が基本的に不活性
なメチレン基やメチル基等を連続的に含むため、染料等
と結合すべき極性基や染着座席が極端に少ないことが原
因の1つとされる。また、この繊維は結晶化度が高く、
染料等が容易に入り込めないことも原因と考えられてい
る。
レフィン繊維に処理加工を施すことにより、繊維自体の
染色性を高める改良がなされている。例えば、ポリオレ
フィン繊維に他のポリマーをブレンドしたり官能基をも
ったモノマーを重合させる方法や、プラズマ処理やオゾ
ン酸化処理等により繊維の表面を改質する方法等である
(例えば特開平4−209824号等参照)。
エネルギー消費を必要とするため、極めて不経済であ
る。しかも、これらの方法により処理された繊維よりな
る布帛においても、染色の結果は、濃度や染色堅牢性す
なわち耐摩擦性(耐摩耗性、耐摩擦汚染性等)や耐水性
等の点で必ずしも満足のいくものとはなっていない。
において、主として、ポリオレフィンのポリマー原料に
顔料等を練りこむなどの方法により、繊維自体を着色す
る方法が採られることもある。しかし、そのようにして
得られた原着糸は、色数が少なく、しかも色や柄の表現
に制約を受けるため、自由に着色し柄表現するという要
望には十分に応えられないという問題を有している。
クジェット印写技術による記録方法があり、近年、その
方法による布帛の染色が盛んに行われている。通常、布
帛にそのままインクジェット印写するとインクの滲みが
生じるため、印写の前処理として布帛にインク受容剤を
付与しておく方法が採られる。
こうしたインク受容剤との接着性に極めて乏しい。従っ
て、摩擦等によりインク受容層が容易に布帛表面から剥
離してしまうという問題がある。そのため、インク受容
層が布帛表面から剥離しない布帛の開発が望まれる。し
かも、染色濃度や染色堅牢性に優れる布帛が強く望まれ
る。
を背景に、上記の問題点を克服するためになされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、インクジェット記
録方法により色や柄を自由に表現でき、十分に高濃度な
染色が可能なインクジェット記録用ポリオレフィン布
帛、その製造方法、及びその記録物を提供することであ
る。
ト記録用ポリオレフィン布帛、その製造方法、及びその
記録物を提供することである。さらに、経済的で簡便な
処理により得られるインクジェット記録用ポリオレフィ
ン布帛、その製造方法、及びその記録物を提供すること
である。
このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、
塩素化ポリオレフィン樹脂がポリオレフィン布帛と疎水
性化合物の両方に接着性を有することを見出し、更に塩
素化ポリオレフィン樹脂を介在させれば、疎水性化合物
を主成分とするインク受容層がポリオレフィン布帛の表
面に十分な強度を持って固着することを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成させたものである。
記録用ポリオレフィン布帛であって、ポリオレフィン布
帛の表面上に、塩素化ポリオレフィン樹脂を含有する接
着層が形成され、更に該接着層の上に疎水性化合物を含
有するインク受容層が形成されてなるインクジェット記
録用ポリオレフィン布帛に存する。
ン樹脂は、その融点が40〜130℃であるインクジェ
ット記録用ポリオレフィン布帛に存する。
布帛は、ポリプロピレン繊維よりなる布帛であるインク
ジェット記録用ポリオレフィン布帛に存する。
フィン樹脂は、その塩素含有量が15〜50重量%であ
るインクジェット記録用ポリオレフィン布帛に存する。
は、融点が40〜130℃であるインクジェット記録用
ポリオレフィン布帛に存する。
は、低分子量アルキレン系化合物、脂肪酸アミド系化合
物若しくは多価アルコール脂肪酸エステル系化合物であ
るインクジェット記録用ポリオレフィン布帛に存する。
の表面上に、塩素化ポリオレフィン樹脂を含有する処理
液を付与して接着層を形成する工程と、さらに該接着層
の上に、疎水性化合物を含有する処理液を付与してイン
ク受容層を形成する工程とを有するインクジェット記録
用ポリオレフィン布帛の製造方法に存する。
フィン樹脂として、その融点が40〜130℃の塩素化
ポリオレフィン樹脂を使用するインクジェット記録用ポ
リオレフィン布帛の製造方法に存する。
のいずれか1のインクジェット記録用ポリオレフィン布
帛にインクジェット記録を行った後、熱処理を施してな
る記録物に存する。
上記1〜6の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構
成も当然採用可能である。
録用ポリオレフィン布帛の実施の形態について述べる。
始めに、本発明のインクジェット記録用ポリオレフィン
布帛の機能について述べる。
ィン布帛は、ポリオレフィン布帛の記録面上に塩素化ポ
リオレフィン樹脂を主成分とする接着層が形成され、さ
らにその上に疎水性化合物を主成分とするインク受容層
が形成されてなる。このように形成すると、ポリオレフ
ィン布帛と疎水性化合物は、両者に接着力を有する塩素
化ポリオレフィン樹脂を介して剥離することなく十分な
強度を持つことができる。
記録後、疎水性化合物等の融点以上の温度で記録物の熱
処理を行うことにより、それらは溶融して再び固化する
ため、ポリオレフィン布帛に対してより強固に接着させ
ることができる。そのため、染色堅牢性に優れた記録物
を得ることが可能となる。また、塩素化ポリオレフィン
樹脂に架橋剤等を添加することにより、更に染色堅牢性
を向上させることができる。
物、不織布を問わずあらゆる布帛組織が採用可能であ
り、好ましくは織編物が採用される。また、繊維素材と
してはポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる
が、耐熱性に優れるポリプロピレン繊維がより好まし
い。
とするインク受容層が、ポリオレフィン布帛の記録面の
最上層に積層されており、インクを受け止め、色や柄の
自由な表現や十分に高濃度な染色を可能とする。そし
て、先述した記録物の熱処理に際し、その温度をこれら
の疎水性化合物の融点以上にすれば、これらの疎水性化
合物は溶融して接着層と強固に結びついて固化する。さ
らに、この熱処理により色材との結合がより強固となる
ため、染色堅牢性に優れた記録物を得ることができるの
である。
0℃の範囲の化合物を用いると好ましい。なお、融点を
測定することができないものについては、軟化点の温度
とする。融点が40℃未満の場合、加工安定性、製品の
保管安定性に問題が生じ易く、130℃より高い場合
は、高温となるため、布帛の黄変、劣化等の問題が発生
すると同時に風合いを損ねる場合がある。
しては、具体的には、低分子量ポリエチレン、パラフィ
ンワックス、ポリエチレンワックス等の低分子量アルキ
レン系化合物、マイクロクリスタリンワックス、ペトロ
ラタム、フィッシャー・トロプシュワックスなどの石油
化学系合成ワックス類、カルナウバワックス、キャンデ
リラワックス、ライスワックス、木ロウなどの植物性ワ
ックス類、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン
等の鉱物系ワックス、エチレンビスステアリンアミド、
ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチロールス
テアリンアミド等の脂肪酸アミド系化合物、エトキシル
セチルアルコール、エトキシルステアリルアルコール等
の高級アルコール系化合物、グリセリンオレイン酸エス
テル、グリセリンステアリン酸エステル等のグリセリン
脂肪酸エステル、プロピレングリコールステアリン酸エ
ステル、エチレングリコールステアリン酸エステル等の
グリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エ
ステル系化合物、12―ヒドロキシステアリン酸エステ
ル、12―ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12―ヒド
ロキシステアリン酸アミド等の12―ヒドロキシステアリ
ン酸誘導体等が挙げられる。
の性質、インクの性質、加工条件、要求物性にあったも
のを適宜選択して使用するとよい。ここで、低分子量ア
ルキレン系化合物とは、数平均分子量が10000以
下、好ましくは5000以下、更に好ましくは100〜
2000の化合物を意味する。また、高級アルコール系
化合物とは、炭素数が12以上、好ましくは16以上の
アルコール系化合物を意味する。
ルキレン系化合物、脂肪酸アミド系化合物若しくは多価
アルコール脂肪酸エステル系化合物は、布帛に対する接
着性や被覆性により優れるため、好ましく用いられる。
これらの化合物のうちから2種類以上を選択して用いる
と、乳化分散を容易に行うことができるので更に好まし
い。
帛素材によっても異なるが、布帛に対して0.5〜20
重量%が好ましい。後述する水性インクが、この疎水性
化合物を主成分とするインク受容層の表層に留まること
により、高濃度に着色することを可能とする。
0.5重量%以下では、水性インクの布帛内部への浸透
を防止する効果が期待できず、インクを布帛表層に留め
て高濃度着色できないばかりでなく、熱処理後の耐水
性、耐摩耗性の効果が十分でない場合がある。また、2
0重量%以上では、付与量に対応した耐水性や耐摩耗性
の大きな向上が期待できないばかりでなく、滲みや均染
性の不良が起こるおそれがある。さらに必要であれば、
カチオン性樹脂、バインダー、架橋剤、pH調整剤、粘
度調整剤、浸透剤等を併用することもできる。
オレフィン布帛と疎水性化合物を主成分とするインク受
容層の両者に接着性を有する塩素化ポリオレフィン樹脂
を介在させるところにその本質がある。さらに、先述し
たように、ポリオレフィン布帛の表面に接着層を形成
し、その上に疎水性化合物を主成分とするインク受容層
を積層すると、布帛表面が平滑になるため、後でインク
ジェット記録を行った場合、インクが布帛表面に均一に
付与される。そして、先述したように、水性インクがイ
ンク受容層の表層に留まり、十分に高濃度でしかも滲み
のない記録物を得ることが可能となるのである。
〜130℃の範囲のものが好ましく、特に70〜110
℃の範囲であればより好ましい。なお、融点を測定する
ことができないものについては、疎水性化合物の場合と
同様、軟化点の温度とする。融点が40℃未満の場合
は、製品の保管安定性が劣るだけでなく耐候性、耐薬品
性に低下が生じ易く、130℃より高い場合は、溶融の
ための熱処理温度が高温になるため同時に布帛の黄変、
劣化や風合いの低下等の問題が発生し易くなる。
液としては、好ましくは通常のポリオレフィン粉末を水
性懸濁液中または有機溶媒に溶解した溶液中で塩素化し
たものが使用される。塩素化ポリオレフィン樹脂として
は、具体的には、塩素化ラテックス、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン及びこれらの共重合物が挙げ
られる。
15〜50重量%のものが好ましく、特に20〜30重
量%のものがより好ましい。塩素含有量が15重量%未
満では耐候性、耐薬品性の低下が生じ易く、50重量%
より高いと接着性の低下や布帛風合いの硬化が生じ易
い。
ィン樹脂を含有する処理液に、好ましくはエポキシ系等
の架橋剤を加えることが行われる。また、さらに必要で
あれば、適宜、バインダー、pH調整剤、粘度調整剤、
浸透剤等を併用することも可能である。
オレフィン布帛の製造方法について述べる。ポリオレフ
ィン布帛の準備工程としては、必要があれば精練や漂白
等の工程を経るが、これは通常の処理を行えばよい。
に、先述した塩素化ポリオレフィン樹脂を含有する処理
液(いわゆる接着層処理液)を付与して接着層を形成す
る(接着層を形成する工程)。この場合、処理液の付与
方法としては、布帛に直接塗布する方法、また該処理液
をフィルム状に形成し積層する方法等が挙げられる。
コーティング法、マングルパッド法等が挙げられる。具
体的には、例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂を含有す
る処理液をポリオレフィン布帛にマングルパッド方式で
付与した後、乾燥を行うことにより接着層を形成する。
この際、塩素化ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で
乾燥すると、ポリオレフィン繊維との接着性が向上し好
ましい。
有する処理液(いわゆるインク受容層処理液)を付与し
て、インク受容層を積層する(インク受容層を形成させ
る工程)。この場合、処理液は、使用する疎水性化合物
の他、必要があれば先述したように、架橋剤や浸透剤、
pH調整剤等を適宜加えて、水等に分散させて調製す
る。
レフィン樹脂を含有する処理液と同様に、布帛に直接塗
布する方法、また上記の処理液をフィルム状に形成し積
層する方法等が挙げられる。具体的には、例えば、処理
液をマングルパッド法で接着層の上に付与した後、乾燥
を行うことによりインク受容層を形成する。この際、疎
水性化合物の融点以上の温度で乾燥すると、溶融して接
着層との接着性が向上し好ましい。さらに、処理液をイ
ンクジェット方式で布帛表面に印写することも可能であ
る。
記録用ポリオレフィン布帛は、インクジェット記録によ
り、適宜色や柄等を施される。本発明に用いられるイン
クジェット用インクとしては、水性インクであればよ
く、色材は顔料、染料いずれも可能である。
れる場合には、顔料を採用することがより好ましい。イ
ンクジェット記録の方式としては、荷電変調方式、マイ
クロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式
などの連続方式、ステムメ方式(2液室型)、パルスジ
ェット方式(1液室型)、バブルジェット(登録商標)
方式、静電吸引方式などのオン・デマンド方式などがい
ずれも採用可能である。
れた後は、先述したように、色材を固定するために熱処
理を行うことが好ましく、また必要に応じた処理加工が
適宜行われて、最終的な記録物が得られる。ここで、熱
処理は、乾熱あるいは湿熱のいずれも採用可能である
が、用いられる疎水性化合物の融点以上の温度で処理す
ることが好ましい。
お、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。評価方法は次の通りである。 〈濃度〉ブラックの10%インクをベタ印写した部分
を、反射濃度計(マクベスRD918:マクベス社製)
を用いて測定しK/S値を求めた。数値が高いほど濃度
が高く良好である。
を水中に10分間浸漬した後、色の泣き出しを目視で判
定した。 ○:色の泣き出し無し △:色の泣き出し有り ×:色の泣き出し有り、更に濃度低下も認められる 〈耐摩擦性〉JIS L―0849により摩擦試験(乾
燥)を行い、試験布の耐摩耗性および綿布の耐摩擦汚染
性をそれぞれ判定し、その程度により耐摩耗性と耐摩擦
汚染性にそれぞれ等級をつけた。
でピックアップ率80%になるように付与し、100℃
で1分間の乾燥を行った。その後でインク受容層処理液
(3)をマングルパッド法でピックアップ80%になる
ように付与し、100℃で1分間の乾燥を行った。上記
の方法によって作成されたインクジェット記録用布帛
に、顔料を含んだインクを用いてインクジェット方式で
印写を行った。インクとしては以下のものを用した。
Y.151) C.I.Pigment Red 122(P.R.1
22) C.I.Pigment Blue 15:3(P.
B.15:3) C.I.Pigment Black 7(P.Bl.
7) を使用した。インクジェット方式の印写条件は以下のと
おりとした。 (5)印写条件 ノズル径:100μm 駆動電圧:100V 周波数 :5KHz 解像度 :360dpi 続いて、得られた記録物を、130℃で2分間の熱処理
を行った。その結果を表1に示す。
量が40g/m2になるように付与し、100℃で1分
間の乾燥を行った。その後でインク受容層処理液(3)
をマングルパッド法でピックアップ80%になるように
付与し、100℃で1分間の乾燥を行った。上記の方法
によって作成されたインクジェット記録用布帛に、実施
例1と同様に顔料を含んだインクを用いてインクジェッ
ト方式で印写を行った。
量が40g/m2になるように付与し、100℃で1分
間の乾燥を行った。その後でインク受容層処理液(3)
をマングルパッド法でピックアップ80%になるように
付与し、100℃で1分間の乾燥を行った。上記の方法
によって作成されたインクジェット記録用布帛に、実施
例1と同様に顔料を含んだインクを用いてインクジェッ
ト方式で印写を行った。
でピックアップ率80%になるように付与し、100℃
で1分間の乾燥を行った。その後でインク受容層処理液
(3)をマングルパッド法でピックアップ80%になる
ように付与し、100℃で1分間の乾燥を行った。上記
の方法によって作成されたインクジェット記録用布帛
に、実施例1と同様に顔料を含んだインクを用いてイン
クジェット方式で印写を行った。
ド方式でピックアップ率が80%になるように付与し1
00℃で1分間の乾燥を行った。上記の方法によって作
成されたインクジェット記録用布帛に、顔料を含んだイ
ンクを用いて実施例1と同様にインクジェット方式で印
写を行った。印写後は150℃で2分間の熱処理を行っ
た。その結果を表1に示す。
量が40g/m2になるように付与し、100℃で1分
間の乾燥を行った。その後でインク受容層処理液(3)
をマングルパッド法でピックアップ80%になるように
付与し、100℃で1分間の乾燥を行った。上記の方法
によって作成されたインクジェット記録用布帛に、実施
例1と同様に顔料を含んだインクを用いてインクジェッ
ト方式で印写を行った。
でピックアップ率80%になるように付与し、100℃
で1分間の乾燥を行った。その後でインク受容層処理液
(3)をマングルパッド法でピックアップ80%になる
ように付与し、100℃で1分間の乾燥を行った。上記
の方法によって作成されたインクジェット記録用布帛
に、実施例1と同様に顔料を含んだインクを用いてイン
クジェット方式で印写を行った。
フィン布帛によれば、インクジェット記録により色や柄
を自由に表現でき、十分に高濃度な染色が可能となる。
しかも、インクジェット記録後の熱処理により、インク
受容層が接着層を介して強固にポリオレフィン布帛に結
びつくため、染色堅牢性すなわち耐摩擦性(耐摩耗性、
耐摩擦汚染性等)や耐水性等に優れた記録物が得られ
る。
常のインクジェット記録に用いる方法で行えるため、極
めて効率的且つ経済的である。本発明のインクジェット
記録用ポリオレフィン布帛及びその製造方法は、種々の
用途に採用可能であるが、特に高濃度な染色や染色堅牢
性が求められる自動車内装材、壁材、椅子材、広告シー
ト等の産業資材に対してその効果を発揮する。
Claims (9)
- 【請求項1】 インクジェット記録用ポリオレフィン布
帛であって、ポリオレフィン布帛の表面上に、塩素化ポ
リオレフィン樹脂を含有する接着層が形成され、更に該
接着層の上に疎水性化合物を含有するインク受容層が形
成されてなることを特徴とするインクジェット記録用ポ
リオレフィン布帛。 - 【請求項2】 前記塩素化ポリオレフィン樹脂は、その
融点が40〜130℃であることを特徴とする請求項1
記載のインクジェット記録用ポリオレフィン布帛。 - 【請求項3】 前記ポリオレフィン布帛は、ポリプロピ
レン繊維よりなる布帛であることを特徴とする請求項1
記載のインクジェット記録用ポリオレフィン布帛。 - 【請求項4】 前記塩素化ポリオレフィン樹脂は、その
塩素含有量が15〜50重量%であることを特徴とする
請求項1記載のインクジェット記録用ポリオレフィン布
帛。 - 【請求項5】 前記疎水性化合物は、融点が40〜13
0℃であることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
ット記録用ポリオレフィン布帛。 - 【請求項6】 前記疎水性化合物は、低分子量アルキレ
ン系化合物、脂肪酸アミド系化合物若しくは多価アルコ
ール脂肪酸エステル系化合物であることを特徴とする請
求項1記載のインクジェット記録用ポリオレフィン布
帛。 - 【請求項7】 ポリオレフィン布帛の表面上に、塩素化
ポリオレフィン樹脂を含有する処理液を付与して接着層
を形成する工程と、さらに該接着層の上に、疎水性化合
物を含有する処理液を付与してインク受容層を形成する
工程とを有することを特徴とするインクジェット記録用
ポリオレフィン布帛の製造方法。 - 【請求項8】 前記塩素化ポリオレフィン樹脂として、
その融点が40〜130℃の塩素化ポリオレフィン樹脂
を使用することを特徴とする請求項7記載のインクジェ
ット記録用ポリオレフィン布帛の製造方法。 - 【請求項9】 インクジェット記録用ポリオレフィン布
帛にインクジェット記録を行った後、熱処理を施してな
る請求項1〜6のいずれか1項記載の記録物。
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