JPH10286900A - 積層熱線反射フィルム - Google Patents

積層熱線反射フィルム

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JPH10286900A
JPH10286900A JP10023797A JP10023797A JPH10286900A JP H10286900 A JPH10286900 A JP H10286900A JP 10023797 A JP10023797 A JP 10023797A JP 10023797 A JP10023797 A JP 10023797A JP H10286900 A JPH10286900 A JP H10286900A
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JP
Japan
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heat ray
film
ray reflective
layer
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JP10023797A
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English (en)
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Kiminori Nishiyama
公典 西山
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性を低下させることなく、高温高湿条
件で基材フィルムやガラス表面に長時間接触させていて
もブロッキングが起こることのない積層熱線反射フィル
ムを提供する 【解決手段】 熱線反射フィルムの少なくとも片面の最
表層に保護層を形成した積層熱線反射フィルムであっ
て、該保護層と水との接触角が90°以上であり、保護
層を構成する樹脂のガラス転移温度が100℃以上であ
りかつ透明であることを特徴とする積層熱線反射フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の窓部、冷
蔵冷凍ショーケース等に有用で、耐ブロッキング性に優
れた積層熱線反射フィルムに関し、さらに詳しくは表面
に撥水性及び離形性を有する保護層を設けた高温高湿下
での耐ブロッキング特性が改良された積層熱線反射フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱線反射フィルムは窓等の透明開口部を
断熱する方法として用いられている。従来、フィルムに
断熱性を付与する方法としては、フィルムにアルミニウ
ム等の金属薄膜を設ける方法、あるいはフィルムに金、
銀又は銅等の金属薄膜を高屈折率誘電体層で挟んで積層
する方法が知られている。ところがこれらの熱線反射フ
ィルムをロール状態のまま高温多湿下で長期保管する
と、熱線反射層表面と基材フィルムが貼り付き、ブロッ
キングが発生する問題がある。更に熱線反射フィルムの
加工工程内での取扱時においても、例えば高温多湿下で
ガラスに熱線反射層表面を接触させておくとブロッキン
グが発生し製品の歩留りを低下させる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱線
反射フィルムの基材フィルムやガラス表面に熱線反射層
側表面が長時間接触させてもブロッキングを起こさない
熱線反射フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱線反射フィ
ルムの少なくとも片面の最表層に保護層を形成した積層
熱線反射フィルムであって、該保護層と水との接触角が
90°以上であり、保護層を構成する樹脂のガラス転移
温度が100℃以上でありかつ透明であることを特徴と
する積層熱線反射フィルムである。
【0005】本発明の積層熱線反射フィルムは、(イ)
基材フィルムの少なくとも片面に、(ロ)金属層、
(ハ)金属酸化物層及び(ニ)保護層を設けた積層フィ
ルムである。
【0006】積層熱線反射フィルムを構成する(イ)基
材フィルムとしては、高透明であって、可撓性を有し、
スパッタ法や真空蒸着法等により蒸着層を形成しうる耐
熱性を備えた熱可塑性樹脂フィルムが好ましい。熱可塑
性樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリエステ
ル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等が挙げられ
る。これらの中、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレンジカルボキシレート等に代表されるポ
リエステルが好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルムに
は、耐熱性、機械的強度に優れる二軸延伸フィルムを用
いることが好ましい。
【0007】かかる熱可塑性樹脂フィルムは、従来から
知られている方法で製造することができる。例えば、二
軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥
後、Tm〜(Tm+70)℃の温度(但し、Tm:ポリ
エステルの融点)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT
−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、
40〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、つい
で該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)
℃の温度(Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で縦
方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、横方向2.5
〜8.0倍の倍率で延伸し、必要に応じて180〜25
0℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造で
きる。フィルムの厚みは5〜250μmの範囲が好まし
い。
【0008】積層熱線反射フィルムを構成する(ロ)金
属層としては、SbをドープしたSnO2やSnをドー
プしたIn23(ITO)等の広い光学バンドギャップ
と高い自由電子密度を有する半導体薄膜、又はAu、A
g、Cu、Al等の金属が好ましく、特に可視光線の吸
収がほとんど無いAgが最も好ましい。なお、必要に応
じて上記金属を二種以上使用してもよい。かかる金属層
の形成方法としては気相成長法が好ましく、さらに真空
蒸着法、スパッター法またはプラズマCVD法が特に好
ましい。かかる金属層の厚みは、積層熱線反射フィルム
の透明性を損なわないように設定することが必要であ
る。例えば金属層の厚みは5nm〜50nmの範囲が好
ましい。
【0009】積層熱線反射フィルムを構成する(ハ)金
属酸化物層は、可視光線の反射を抑え透明性を高めるた
めのもので、例えば透明な高屈折誘電体として、TiO
2、ZrO2等が挙げられる。特にアルキルチタネート又
はアルキルジルコニウムの加水分解法により得られる有
機化合物由来のTiO2又はZrO2が加工しやすく好ま
しい。加えて、金属酸化物層として酸化インジウムや酸
化錫の単一又は多層のものも適用できる。必要に応じて
これらの金属酸化物層は2層の間に金属層をサンドウィ
ッチ状に挟む積層構成をとることも可能であり、好まし
い。かかる金属酸化物層の形成方法としては溶媒を用い
た塗布法又は気相成長法が好ましく、さらに気相成長
法、例えば真空蒸着法、スパッター法またはプラズマC
VD法が特に好ましい。また、金属酸化物層の厚みは、
積層熱線反射フィルムの透明性を満足するように前述の
金属層と併せて設定することが必要である。例えば金属
酸化物層の厚みは5nm〜100nmの範囲が好まし
い。
【0010】積層熱線反射フィルムを構成する(ニ)表
面保護層は、撥水性かつ離形性を備えた透明な樹脂から
なる層である。この層と水との接触角が90°以上ある
ことが必要であり、100°以上あることが好ましい。
水との接触角が90°未満となると表面に水滴が付着し
やすく、ブロッキングの原因になる。また耐熱性の点か
ら保護層を構成する樹脂のガラス転移温度(以下Tgと
略することがある)が100℃以上あることが必要で、
115℃以上あることが好ましい。保護層を構成する樹
脂のTgが100℃未満であると、高温時樹脂が軟化し
積層熱線反射フィルムの張付き(ブロッキング)が発生
するので好ましくない。かかる保護層を形成する樹脂を
フィルムに積層する方法としては、バーコート法、ドク
ターブレード法、リバースロールコート法、グラビアロ
ールコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。保護層
の厚みとしては透明性に影響を与えない範囲であること
が必要で、50〜3000オングストロームが好まし
い。保護層の厚みが50オングストローム未満となると
均一な連続膜の形成が難しく積層熱線反射フィルムの耐
ブロッキング性が悪化し、一方3000オングストロー
ムを超えると可視光反射において光の干渉が起こり、ま
た膜の硬化不良が発生し易く背面転写が起こることがあ
り好ましくない。かかる保護層を形成する透明樹脂とし
ては、アクリル系共重合体が好ましく、さらにアクリル
−シリコーン系グラフトポリマーが、基材フィルムへの
密着性、撥水性の点でさらに好ましい。このようなアク
リル系共重合体の合成は公知の方法で合成できる。例え
ば、Si−H結合を有するポリシロキサンと、片末端に
二重結合をもつポリマーとのヒドロシリル化反応によ
り、共重合グラフトポリマーを得ることができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。なお、各特性値は以下の方法で測定、評価した。
【0012】(1)ガラス転移温度(Tg) DSC測定用パンに20mgのサンプルを入れ、290
℃に維持した加熱ステージ上で5分間加熱溶融させた
後、素早く測定用パンを氷の上に敷いたアルミ箔上で急
冷固化させ、Du Pont Instruments
910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で測定し
た。
【0013】(2)接触角 平板状の試料片を水平に置き、注射器により定量の水を
押し出し試料片上に液滴を作成した。液滴を1分間静置
した後、角度測定器がついた顕微鏡により水との接触角
θを読み取った。なお、別法として角度計測を画像処理
により実施してもよい。
【0014】(3)塗布外観 試料フィルムの保護層を設けた面を目視観察し、下記の
基準で評価した。 〇:塗布面が良好。 ×:塗布面が均一でなく不良。
【0015】(4)耐ブロッキング性 試料フィルムの保護層とガラス板の間に水の液膜を設
け、100g/cm2の荷重をかけ、120℃で30分
間熱処理し、冷却後保護層とガラスのブロッキング状態
を目視観察し、下記の基準で評価した。 〇:ブロッキング発生無し。 △:弱いブロッキング起こりガラス表面が汚れる。 ×:フィルムとガラスが密着し、フィルムが破れる。
【0016】[実施例1]厚さ50μmの二軸配向ポリ
エチレンテレフタレートフィルムの片面に第1層として
厚さ10nmの酸化チタン(金属酸化物)層を設け、そ
の上に第2層として厚さ12nmの銀薄膜層を設け、さ
らにその上に第3層として厚さ10nmの酸化チタン
(金属酸化物)層を設けて熱線反射フィルムを作成し
た。なお、酸化チタン層及び銀薄膜層の積層は何れも真
空下のスパッタリング法で行なった。
【0017】次に、この積層面に、保護層として、アク
リル−シリコーングラフトポリマー[東亜合成化学
(株)商品名:サイマックUS-350、Tg=約12
0℃]をメチルエチルケトン、トルエン混合溶剤で希釈
した塗液を乾燥後の塗膜厚みが200オングストローム
となる量塗布し、温度100℃、滞留時間30秒で乾燥
し、積層熱線反射フィルムを作成した。このフィルムの
特性を表1に示す。
【0018】[実施例2]保護層の塗工に用いる樹脂を
[東亜合成化学(株)商品名:サイマックUS-35
2、Tg=約180℃]変更する以外は実施例1と同じ
方法で積層熱線反射フィルムを作成した。このフィルム
の特性を表1に示す。
【0019】[比較例1]保護層を設けない以外は実施
例1と同じ方法で、熱線反射フィルムを作成した。この
フィルムの特性を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】透明な熱線反射フィルムに保護層として
特殊な表面処理を施すことで、光学特性を低下させるこ
となく、高温高湿条件で基材フィルムやガラス表面に長
時間接触させていてもブロッキングが起こることのない
積層熱線反射フィルムを提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱線反射フィルムの少なくとも片面の最
    表層に保護層を形成した積層熱線反射フィルムであっ
    て、該保護層と水との接触角が90°以上であり、保護
    層を構成する樹脂のガラス転移温度が100℃以上であ
    りかつ透明であることを特徴とする積層熱線反射フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 保護層を構成する樹脂が、アクリル系共
    重合体である請求項1記載の積層熱線反射フィルム。
  3. 【請求項3】 保護層を構成する樹脂が、アクリル−シ
    リコーン系グラフトポリマーである請求項1記載の積層
    熱線反射フィルム。
  4. 【請求項4】 保護層の厚みが、50〜3000オング
    ストロームである請求項1記載の積層熱線反射フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 熱線反射フィルムが、基材フィルムの少
    なくとも片面に金属酸化物層、金属層、金属酸化物層の
    順で積層された積層フィルムである請求項1記載の積層
    熱線反射フィルム。
  6. 【請求項6】 熱線反射フィルムの基材フィルムが、ポ
    リエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナ
    フタレンジカルボキシレートフィルムである請求項1記
    載の積層熱線反射フィルム。
JP10023797A 1997-04-17 1997-04-17 積層熱線反射フィルム Pending JPH10286900A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014167617A (ja) * 2013-01-31 2014-09-11 Nitto Denko Corp 赤外線反射フィルム
JP2016094012A (ja) * 2015-12-16 2016-05-26 日東電工株式会社 赤外線反射フィルム
US10007037B2 (en) 2013-04-11 2018-06-26 Nitto Denko Corporation Infrared-ray reflective film

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