JPH10284052A - 非水系二次電池に用いられる電極及びその製造法 - Google Patents

非水系二次電池に用いられる電極及びその製造法

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JPH10284052A
JPH10284052A JP9090478A JP9047897A JPH10284052A JP H10284052 A JPH10284052 A JP H10284052A JP 9090478 A JP9090478 A JP 9090478A JP 9047897 A JP9047897 A JP 9047897A JP H10284052 A JPH10284052 A JP H10284052A
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JP
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electrode
secondary battery
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thermoplastic binder
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JP9090478A
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Yujiro Yamamoto
裕二郎 山本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水系二次電池に用いられる電極に関して、
リサイクルが可能で、排気設備と排気ガスの処理設備が
不要であり、高容量化のための厚膜化が容易であり、電
池を搭載する電子機器に対応した様な形状の電極の場合
もロスがなく、バインダー量が任意にコントロールされ
た電極とその製造法の提供。 【解決手段】 電極活物質と熱可塑性バインダーとの混
合物からなり、熱可塑性バインダーの溶融又は軟化状態
の温度以上の温度でシート状に溶融押出しされてなる非
水系二次電池に用いられる電極、およびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系二次電池に
用いられる電極及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューター、電
話、ビデオカメラ、音響機器などの電子機器の携帯化要
求に対し、それらの小型化、軽量化がめざましく、機器
本体の小型軽量化を実現するためにその電源となる電池
に対する小型化、軽量化の要求が非常に大きく、また電
池の容量の大容量化も望まれている。
【0003】かかる小型、軽量、大容量化を満たす電池
は、従来の水系電解液を用いる電池では不可能なことか
ら、非水系電池が注目されている。非水系電池は、小型
軽量化、大容量化という点で優れた性能を有している。
また、近年、資源の有効利用と廃棄物による環境汚染の
問題があり、使い捨ての一次電池より再充電可能な二次
電池が注目されており、高性能化の要望が強い。なかで
もリチウムイオン二次電池は小型、軽量、大容量のもの
として多くの電子機器に採用されはじめ、その市場拡大
のスピードは驚くべきものががある。
【0004】なお、電池には、集電体、セパレータなど
の電極以外の要素が用いられているので、電極を厚くし
た場合、集電体やセパレータが電極の厚みに占める比率
が小さくなり、結局は電池の容量を上げることになるの
で、高容量化するため電極を厚くする要望が強い。この
ような二次電池は、従来、電極活物質とポリテトラフル
オロエチレン粉末やポリエチレン粉末などの熱可塑性バ
インダーとを混合し、圧縮することによって得られた電
極を用いていた。この電極活物質と熱可塑性バインダー
とを混合して圧縮成形する電極の製造法は、乾燥が不必
要という利点があるが、電極を大面積化、厚膜化するこ
とが極めて困難であり、電池を大容量化することができ
なかった。
【0005】また、デイスパージョンを使う製造法は、
分散媒体として水を用いているが、乾燥の際の排気ガス
による環境汚染の心配がないという利点があった。しか
しながら、ポリテトラフルオロエチレンを用いて圧縮成
形する方法は、ポリテトラフルオロエチレンがフィブリ
ル化することにより活物質粒子をつなぎ止めるため、圧
縮による圧力で活物質とポリテトラフルオロエチレンと
が強固に絡み合い、一体化してしまい、工程途中で不良
品が発生した場合に、上記の利点の反面、成形した不良
品を再利用することは不可能であった。
【0006】また、二次電池に用いられる電極の製造法
には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンとヘ
キサフルオロプロピレンの共重合体やフッ素ゴムを溶剤
に溶解し、電極活物質が分散したスラリーを調整し、塗
工乾燥する製法もある。この製造法は、一般的には分散
溶剤として有機溶剤が用いられるため、作業環境を確保
するため電極製造設備への投資が大きくコストアップに
つながっていた。また、有機溶剤としてはNメチルピロ
リドンが広く用いられているが、該溶剤は焼却により窒
素酸化物を発生するため、一般には水などを介して回収
されているが、回収のためのコストアップが避けられな
いという問題があった。
【0007】また、二次電池に用いられる電極の製造法
には、有機溶剤を使わずにスチレン/ブタジエンゴム等
の水系乳化分散液に電極活物質を分散してスラリーを調
整し、塗工乾燥する製造法もある。水系乳化分散液は、
作業環境面の懸念はなく、回収の必要はないものの、乾
燥不十分等の原因による電極からの水分の解離により電
池性能が劣化するのを防止するため、品質管理面でかな
りの工数を割かざるを得ないという問題があった。
【0008】また、水系、有機系を問わず、塗工乾燥す
る製造法は、電極を厚膜化した場合、乾燥時に電極表面
にクラックが入ったり、電極表面と裏面とでのバインダ
ー分布を均一化することが困難で、リチウムイオン二次
電池で言えば、せいぜい200μmの膜厚が限界であっ
た。さらに塗工乾燥する製造法は、周辺の塗工エッジに
塗工斑が発生するため、耳落としと呼ばれる工程でスリ
ットされ除去されていた。また、有機系水系を問わず、
いったん塗工乾燥された電極は、電極活物質とバインダ
ーが強固に結合しており仮に再度溶剤を加えて再分散し
たとしても新たな材料から調合した分散体と同じものを
得ることができないため、塗工開始直後の電極、不良品
などは製品とならず廃棄物となっていた。
【0009】なお、上記のような塗工乾燥で得られた電
極は、異形な電極を切り出した場合、切り出しによるロ
スが多く、前述の通り、再利用ができないため、事実
上、電極形状としては方形のものでしか実用性がなかっ
た。また、非水系二次電池のなかで固体電解質を用いた
電池は、形状の自由度、薄型化の観点から注目されてい
る。形状の自由度を確保するために固体電解質電池で
は、目的形状に成形された電極を積層した形で電池を形
成することが多い。
【0010】また、固体電解質を用いた電池は、電池内
に電解液が実質的に存在しないため、不慮の事故の場合
も漏液しないメリットがある電池としての期待されてい
る。しかし、圧縮成形や水系乳化分散液を用いて塗工乾
燥する製造法で得られる電極は、電極中に40%程度の
空間を有しており、少量であるがその空間中に電解液が
存在しており、完全な固体電池とするには電極中のバイ
ンダーなどに電解液を担持させるといった方法が考えら
れているが、この場合通常よりもバインダーを増量する
必要がある。例えば、現在、バインダーとしてポリフッ
化ビニリデンを用いた場合、活物質100重量部に対し
てバインダー量としてはせいぜい10重量部が添加され
ているにすぎないが、これを増量した場合、スラリーの
粘度が著しく上昇し実質的に塗工できないものとなった
り、またスチレン/ブタジエンゴムのような水系乳化分
散液を用いる場合は、乳化分散液中のバインダー濃度が
低いため、活物質を分散したときにスラリー中の固形分
率が著しく低くなりスラリー粘度が著しく低下し、塗工
できなかったり、活物質の沈降によりスラリーのポット
ライフが著しく短くなり実用に供しないものとなってい
たためバインダーの増量は極めて困難な課題であった。
【0011】前述の通り、非水系二次電池の電極は、電
池の小型化、軽量化、大容量化のため鋭意改良されてき
ているが、更なる改良が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水系二次
電池の電極が、高容量化のための厚膜化が困難である、
リサイクルが困難である、有機溶剤使用と乾燥工程によ
る排気設備と排気ガスの処理設備が必須である、電池を
搭載する電子機器の形状に合わせた異形電極を作る場合
にロスが極めて多い、電極中のバインダー量を任意にコ
ントロールすることができない、などの問題点を解決す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の一つ
は、非水系二次電池に用いられる電極において、該電極
が電極活物質と熱可塑性バインダーとからなる混合物で
あり、上記熱可塑性バインダーの溶融又は軟化状態の温
度以上の温度でシート状に溶融押出されてなるものであ
ることを特徴とする非水系二次電池に用いられる電極、
であり、本発明のもう一つの発明は、非水系二次電池に
用いられる電極の製造法において、電極活物質と熱可塑
性バインダーとを混合物とし、ついで該混合物を上記熱
可塑性バインダーの溶融又は軟化状態の温度以上の温度
でシート状に溶融押出することを特徴とする非水系二次
電池に用いられる電極の製造法、である。
【0014】本発明における非水系二次電池とは、電池
を構成する材料として水を用いない電池をいい、一例を
示せば、エーテル類、ラクトン類、塩素化炭化水素類、
エステル類、カーボネート類などの有機溶剤にLiCl
4 、LiBF4 、LiAsF 6、CF3 SO3 Li、
LiAlCl4 、LiPF 6、NaClO 4、NaBF
4 、NaPF6 等の電解質を溶解したもの電解液として
用いた電池、該電解液を高分子材料からなるシート、発
泡体、微多孔膜などに含浸したゲル状の固体電解質を用
いた電池、およびエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパンエトキシル化アクリレートなど
の光架橋性モノマーと前記電解液との混合物に電子照射
することによって得られる固体電解質などを用いた電池
などが挙げられる。
【0015】特に、本発明の製造法は、リチウムイオン
二次電池の製造に好適である。本発明の製造法に用いる
電極活物質は、特に限定されるものではないが、一例を
示せば、V2 5 、Li(1-x) CoO2 、Li(1-x)
iO2 、Li(1-x) FeO2 、 Li(1-x) Mn2
4 、Li(1-x) CoyNi(1-y) 2 等の無機化合物、
あるいはこれらの無機化合物にAl、In、Sn等の元
素を微量添加したもの、フッ化カーボン、黒鉛、炭素繊
維、炭素繊維の粉砕物、易黒鉛化性コークス、難黒鉛化
性コークス、カーボンブラック、アセチレンブラック等
の炭素材料、ポリアセチレン、ポリーpーフェニレン等
の導電性高分子材料などが挙げられる。
【0016】本発明の製造法におけるリチウムイオン二
次電池に用いられる電極は、Li(1 -x) CoO2 、Li
(1-x) NiO2 、Li(1-x) Mn2 4 、Li(1-x)
oyNi(1-y) 2 等の無機化合物、あるいはこれらの
無機化合物にAl、In、Sn等の元素を微量添加した
ものを正極の電極活物質とし、黒鉛、炭素繊維、炭素繊
維の粉砕物、易黒鉛化性コークス、難黒鉛化性コーク
ス、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素材
料を負極の電極活物質とすることが好ましい。特に好ま
しくは、正極の電極活物質としてLi(1-x) CoO2
Li(1-x) NiO 2 、LiMn2 4 、LiCoyNi
(1-y) 2 等、負極の電極活物質として黒鉛、炭素繊維
の粉砕物、易黒鉛化性コークス、難黒鉛化性コークス等
である。
【0017】本発明の製造法に用いる電極活物質には、
導電性助剤として黒鉛微粉、アセチレンブラックを用い
ることがが好ましい。本発明の製造法に用いる熱可塑性
バインダーは、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、フッ化ビニリデン−トリクロロフルオロエチレン
共重合体等のフッ素系高分子材料、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルブチラールなどの汎用樹脂材料、スチレンブタジエン
共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体等のゴム弾性を示
す樹脂材料などが挙げられるが、好ましくは、ポリフッ
化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリクロロフルオ
ロエチレン共重合体といったフッ化ビニリデンを主体と
するフッ素系高分子材料である。
【0018】本発明の製造法に用いる熱可塑性バインダ
ーは、可塑化して溶融押出を効率的にするため可塑剤が
添加されていることが好ましく、例えば、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジーnーオクチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル
酸エステル類、燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル等の
燐酸エステル類、オレイン酸ブチル、アジピン酸ジブチ
ルなどの脂肪酸エステル類、流動パラフィンなど一般の
樹脂加工に用いられるものが挙げられる。可塑剤は可塑
化される側の樹脂によって適宜選択されるべきである
が、フッ化ビニリデンを主体とするフッ素系高分子材料
を熱可塑性バインダーとした場合は、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジーnーオクチルが好適である。
【0019】本発明の製造法に用いる熱可塑性バインダ
ーは、粉末状、ペレット状、クラム状が好ましく、さら
に好ましくは粉末状である。本発明の製造法において混
合物とは、電極活物質と熱可塑性バインダーとをプラネ
タリーミキサー、ディゾルバー、ニーダー、ドラムブレ
ンダー、Vブレンダー、タープラーミキサー、ヘンシェ
ルミキサーなどを用いて均一に混合したものをいい、特
に、粉体状の電極活物質と熱可塑性バインダーとをヘン
シェルミキサーで混合することにより得た均一な混合物
が好ましく、導電性助剤を用いる場合は、電極活物質と
熱可塑性バインダーと同時にヘンシェルミキサーに加え
ることが好ましい。
【0020】本発明において溶融又は軟化状態の温度以
上の温度とは、結晶性熱可塑性バインダーにおいては結
晶融点、非結晶性熱可塑性バインダーにおいては、粘性
率が1011〜1012ボイズ程度まで落ち、流動が認めら
れる温度よりもそれぞれ20℃〜50℃高い温度を指
し、好ましくは50℃以上高い温度である。本発明の製
造法における溶融押出は一般の樹脂加工技術を採用でき
る。
【0021】本発明の非水系二次電池に用いられる電極
の製造法は、シートの厚膜化が可能であるから、電極活
物質の1gあたりの電気量が同等のものでは、電極中の
電極活物質の絶対量がきいてくるため、従来の二次電池
よりもさらに高容量の二次電池とすることが可能とな
る。また、本発明の製造法は、異形電極を切り出し形成
した後の余剰部分を再度溶融押出する再利用が可能であ
り、ロスの発生は極めて少ない。電極活物質を分散して
スラリーを調整し、塗工乾燥して得られた電極を用いた
従来の二次電池では、形状が円筒形、または角柱形の電
池しか得られず、異形な電池を得ようとすると、異形電
極を形成した後の余剰部分の再利用は不可能で廃材とな
っていた。
【0022】さらに、本発明の製造法は、従来の塗工乾
燥する方法で用いられる有機溶剤を用いないため、排気
設備と排気ガスの処理設備が不要であり、環境への悪影
響もなく、コストダウンが図れるものである。さらにま
た、本発明の製造法は、電極中のバインダー量を増量し
たい場合も、従来であれば、固体電解質を用いた電池の
ように、スラリー化のために用いる溶剤に対するバイン
ダーの溶解量と必要なスラリーの粘度とから増量は難し
いものであったが、溶剤へのバインダー樹脂の溶解とい
う制限がないため、任意に増量することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。なお、物性の測定法は下記の通り。 (1)放充電量:(mAH/g) 活物質1gあたりの電気量に換算した値。 (2)塗膜厚み:(μm) 充放電試験を実施した塗膜の厚み。塗布基材そのものを
集電体として利用した場合は集電体の厚みを除いた厚
み。 (3)効率 :(%) 充電量に対する放電量の割合を百分率で表示。
【0024】
【実施例1】電極活物質としてコバルト酸リチウム、導
電性助剤として黒鉛微粉{ロンザ・ジャパン(株)製}
とアセチレンブラック{電気化学工業(株)製}の等重
量混合物を電極活物質100重量部に対し5重量部加え
て混合し、電極コンパウンドを作成した。この電極コン
パウンド100重量部に対し、熱可塑性バインダーとし
てフッ化ビニリデン粉末16重量部とフタル酸ジブチル
を24重量部加えて電極合剤を調合した。
【0025】得られた電極合剤をスクリュー径20mm
Φ、L/D=25の異方向回転2軸押出機の先に取り付
けたスリットダイより押出した。押出機の温度はC1ゾ
ーンを120℃、C2ゾーンを200℃、C3ゾーンを
230℃とし、ダイの温度も230℃とした。スリット
はダイ幅25mm、クリアランスを1.2mmとした。
押出されたシート状の電極を、塩化メチレンに浸漬しフ
タル酸ジブチルを抽出した。更に抽出したシートをロー
ルプレスを通して、電極嵩密度を上げた。
【0026】ついで、このシート状の電極を15mm角
の正方形に切り出し、充放電のテストを実施した。集電
体としてステンレス箔を用い、対極には金属リチウムホ
イル、市販ポリエチレン製微多孔膜セパレータ{旭化成
工業(株)製}を用い、セパレータをはさんで集電体と
本発明の電極とリチウムホイルを圧着し電解液中に浸漬
することによって電気化学セルとした。
【0027】電解液としてはプロピレンカーボネートと
エチレンカーボネート及びγブチロラクトンの混合液
(体積混合比1/1/2)1リットルあたり1.5モル
の硼フッ化リチウムを加えたものを用いた。充電は電流
密度1mA/cm2 で定電流充電し、4.2Vに達した
時点で定電圧充電に切り替える方法で行った。また、放
電は1mA/cm2 で定電流放電し、3Vに達した時点
で放電操作を停止した。
【0028】
【実施例2】導電性助剤として黒鉛微粉を活物質100
重量部に対し10重量部加えた以外は実施例1と同様に
して実施した。
【0029】
【実施例3】電極活物質としてニードルコークス{興亜
石油(株)製}を用い、電極活物質100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン粉末30重量部とフタル酸ジ
ブチルを46重量部加えて電極合剤を調合した以外は実
施例1と同様に実施した。但し、充放電試験の条件は、
充電を電流密度1mA/cm2 で定電流充電し、10m
Vに達した時点で定電圧充電に切り替える方法で行っ
た。また、放電は1mA/cm2 で定電流放電し、1.
2Vに達した時点で放電操作を停止した。
【0030】
【実施例4】電極活物質としてニードルコークス{興亜
石油(株)製}を用い、導電性助剤としてアセチレンブ
ラック{電気化学工業(株)製}を用い、電極活物質の
重量と導電性助剤の重量比が98対2となるように混合
し電極コンパウンドを作成した。この電極コンパウンド
100重量部に対し、ポリフッ化ビニリデン粉末30重
量部とフタル酸ジブチルを46重量部加えて電極合剤を
調合した以外は実施例1と同様に実施した。充放電条件
は、実施例3と同様にして試験した。
【0031】
【実施例5】ポリエチレン製微多孔膜セパレータの代わ
りに、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの
共重合体よりなるシートを作成して、これに実施例1記
載の電解液と同様の電解液を含浸したゲル状の電解質を
用いた以外は、実施例1と同様に実施した。ただし、電
気化学セル中に新たに電解液を加えることはしなかっ
た。
【0032】
【実施例6】ポリエチレン製微多孔膜セパレータの代わ
りに、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの
共重合体よりなる独立気泡発泡体を作成して、これに実
施例1記載の電解液と同様の電解液を含浸したゲル状の
電解質を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。た
だし、電気化学セル中に新たに電解液を加えることはし
なかった。
【0033】
【実施例7】ポリエチレン製微多孔膜セパレータの代わ
りに、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの
共重合体よりなる微多孔膜を作成して、これに実施例1
記載の電解液の電解液と同様の電解液を含浸したゲル状
の電解質を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
ただし、電気化学セル中に新たに電解液を加えることは
しなかった。
【0034】
【実施例8】実施例1で加熱圧縮成形されたシート電極
を再利用のためペレット状に粉砕し、実施例1記載の電
極合剤100重量部に対し、該ペレットを10重量部混
合したものを電極合剤とした以外は実施例1と同様に実
施した。
【0035】
【比較例1】実施例1で用いたコンパウンド100重量
部に対しポリフッ化ビニリデン7重量部を加え、Nメチ
ルピロリドンを溶剤として固形分率62重量パーセント
のスラリーを調合し、クリアランス250μmのドクタ
ーブレードでアルミ箔上へ塗工し120℃の熱風乾燥機
中で乾燥させ電極を得た。得られた電極をロールプレス
を通して、電極嵩密度を上げた。
【0036】ついで、電極塗膜面が15mm角の正方形
になるように成形し、充放電のテストを実施した。対極
には金属リチウムホイル、市販ポリエチレン製微多孔膜
セパレータ{旭化成工業(株)製}を用い、セパレータ
をはさんで電極とリチウムホイルを圧着し電解液中に浸
漬することによって電気化学セルとした。電解液は実施
例1記載のものと同様の電解液を用い、充放電の条件も
実施例1に記載の方法を採用した。
【0037】
【比較例2】電極活物質としてニードルコークス{興亜
石油(株)製}を用い、電極活物質100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン粉末7重量部を混合し、Nメ
チルピロリドンを溶剤として固形分率54重量パーセン
トのスラリーを調合し、クリアランス250μmのドク
ターブレードで銅箔上へ塗工し120℃の熱風乾燥機中
で乾燥させ電極を得た。得られた電極をロールプレスを
通して、電極嵩密度を上げた。
【0038】ついで、電極塗膜面が15mm角の正方形
になるように成形し、充放電のテストを実施した。対極
には金属リチウムホイル、市販ポリエチレン製微多孔膜
セパレータ{旭化成工業(株)製}を用い、セパレータ
をはさんで電極とリチウムホイルを圧着し電解液中に浸
漬することによって電気化学セルとした。電解液は実施
例1記載のものと同様の電解液を用い、充放電の条件は
実施例3に記載の方法を採用した。
【0039】
【比較例3】実施例1で用いたコンパウンド100重量
部に対しポリフッ化ビニリデン15重量部を加え、Nメ
チルピロリドンを溶剤として固形分率62重量パーセン
トのスラリーを調合し、クリアランス250μmのドク
ターブレードでアルミ箔上への塗工を試みたが、粘度が
高く均一な塗膜を得ることができなかった。
【0040】
【比較例4】実施例1で用いたコンパウンド100重量
部に対しポリフッ化ビニリデン7重量部を加え、Nメチ
ルピロリドンを溶剤として固形分率62重量パーセント
のスラリーを調合し、クリアランス800μmのドクタ
ーブレードでアルミ箔上へ塗工し、120℃の熱風乾燥
機中で乾燥させ電極を得たが、得られた電極には大きく
ひびが入り、また塗膜全体が大きく反っており充放電の
試験までは至らなかった。
【0041】
【比較例5】実施例1で調合した電極合剤を100℃に
設定した二軸混練機(東洋精機(株)製の商品名ラボプ
ラストミル)で混練し混練された分散体の押出の可能性
を調べたが、均一な分散体が得られず押出不可能と判断
された。表1に実施例および比較例の充放電結果を示
す。
【0042】比較例3から比較例5は前記の通り充放電
の評価が可能な電極を得られていないので表中にはな
い。比較例1および比較例2は、現在のリチウムイオン
二次電池で一般に用いられている正極および負極に相当
するため、これら比較例と実施例とを比較することによ
って、本発明の二次電池に用いられる電極の作用効果が
評価できるわけであるが、実施例1から実施例8のデー
タは、比較例1および比較例2のデータと遜色無い値が
得られていることが分かる。
【0043】しかも、実施例8のデータからみてもわか
るようにリサイクルが可能で、かつ、従来のようなNメ
チルピロリドンといった溶剤を使わないため排気設備と
排気ガスの処理設備が不要であり、実施例1〜実施例8
の結果のように、高容量化のための厚膜化が容易であ
り、リサイクルが可能なため異形電極を作る場合に仮に
ロスが発生しても再利用が可能である。例えば、電池を
搭載する電子機器の形状に合わせ、シート状の電極から
異形電極を製造する場合に、異形電極を成形した後の余
剰部分がロスとして発生した場合に、実施例8にみられ
るように、異形電極を成形した後の余剰部分を再利用し
てロスの発生がないようにすることができる。
【0044】また、実施例3と実施例4とから電極中の
バインダー量を任意にコントロールすることが可能とな
る電極であることがわかる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の非水系二次電池に用いられる電
極の製造法は、厚膜化した二次電池に用いられる電極の
シートが容易に得られ、電極活物質の1gあたりの電気
量が同等のものでは、電極中の電極活物質の絶対量が効
いてくるため、容易に高容量の電池とすることができ
る。
【0047】さらに、本発明の製造法は、一旦、成形し
た電極を再利用して溶融押出しても、シート状の電極か
ら電子機器の形状に合わせて異形電極を作製した後の余
剰部分を再度溶融押出して電極としても、新品と遜色の
ない電池を得ることができ、ロスが発生せず、従来のも
のでは不可能であったリサイクルが可能である。また、
本発明の製造法は、従来のような、Nメチルピロリドン
のような溶剤を使わないため、排気設備と排気ガスの処
理設備が不要であり、さらに、従来の方法に較べて、熱
可塑性バインダーの量を任意にコントロールすることが
できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水系二次電池に用いられる電極におい
    て、該電極が電極活物質と熱可塑性バインダーとからな
    る混合物であり、上記熱可塑性バインダーの溶融又は軟
    化状態の温度以上の温度でシート状に溶融押出されてな
    るものであることを特徴とする非水系二次電池に用いら
    れる電極。
  2. 【請求項2】 熱可塑性バインダーがフッ素系高分子材
    料であることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電
    池に用いられる電極。
  3. 【請求項3】 非水系二次電池がリチウムイオン二次電
    池であることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電
    池に用いられる電極。
  4. 【請求項4】 非水系二次電池に用いられる電極の製造
    法において、電極活物質と熱可塑性バインダーとを混合
    物とし、ついで該混合物を上記熱可塑性バインダーの溶
    融又は軟化状態の温度以上の温度でシート状に溶融押出
    することを特徴とする非水系二次電池に用いられる電極
    の製造法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性バインダーがフッ素系高分子材
    料であることを特徴とする請求項4記載の非水系二次電
    池に用いられる電極の製造法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性バインダーが可塑剤を溶融押出
    助剤として含有していることを特徴とする請求項4記載
    の非水系二次電池に用いられる電極の製造法。
  7. 【請求項7】 非水系二次電池がリチウムイオン二次電
    池であることを特徴とする請求項4記載の非水系二次電
    池に用いられる電極の製造法。
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