JPH10283723A - ディスクプレーヤーの振動発生防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクに記録されている信号を光学式ピッ
クアップにより読み出すように構成されたディスクプレ
ーヤーにおいて、偏重心ディスクを高速回転させて再生
する場合に発生する問題を解決する。 【解決手段】 ターンテーブルを回転駆動するスピンド
ルモーター１に組み込まれている駆動コイル２に駆動電
流を供給するスピンドルモーター駆動回路５の制御動作
を行う駆動信号切換回路２０を設け、スピンドルモータ
ーの回転速度が所定の回転速度に達したとき、線速度一
定駆動動作状態より角速度一定駆動動作状態に切り換え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転するディスク
に記録されている信号を光学式ピックアップにより読み
出すように構成されたディスクプレーヤーの振動発生防
止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】デジタル信号により音楽等の情報データ
が記録されているとともに線速度一定にて回転するディ
スクより信号を光学式ピックアップを用いて読み出すこ
とによって再生動作を行うディスクプレーヤーが普及し
ており、斯かるディスクプレーヤーの代表的なものとし
てＣＤプレーヤーがある。

【０００３】斯かるディスクプレーヤーでは、光学式ピ
ックアップより照射される光ビームをディスクの信号面
に合焦させるフォーカシング制御動作と信号トラックに
追従させるトラッキング制御動作が行われて信号の読み
出し動作が行われるとともに読み出された信号の中の同
期信号を利用してディスクの回転駆動動作を行うスピン
ドルモーターのロック動作、即ちディスクの回転速度を
線速度一定にするための制御動作を行うように構成され
ている。

【０００４】また、最近では、音楽等の音声信号だけで
はなく、コンピューターに使用されるデータ信号が記録
されているＣＤ−ＲＯＭと呼ばれるディスクを再生する
ＣＤ−ＲＯＭプレーヤーと呼ばれるディスクプレーヤー
が普及している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ＣＤ−ＲＯＭプレーヤ
ーは、音声信号を再生するＣＤプレーヤーと異なり、信
号の高速読み出し動作が要求されるため、最近では、規
定の線速度に対して、４倍、６倍、８倍及び１０倍等の
高速の線速度にてディスクを回転させて信号の読み出し
動作を行うように構成されたディスクプレーヤーが商品
化されている。

【０００６】線速度を一定にすることにより再生動作を
行うように構成されたディスクプレーヤーにおいて、線
速度を高速にする場合、ディスクの外周側の再生回転速
度と内周側の再生回転速度とが大きく相違するため、デ
ィスクの回転速度を低速から高速へ、また反対に高速か
ら低速へと大きく変化させる必要がある。斯かるディス
クの回転速度制御動作を正確に行うためには特性の優れ
た高価なスピンドルモーターが必要となる。

【０００７】一方、斯かるディスクプレーヤーに使用さ
れるディスクの中には、重心が中心よりずれた偏重心デ
ィスクと呼ばれるものがあり、斯かるディスクを高速回
転状態にて再生した場合に異常振動が発生し、異音を発
生するという問題がある。

【０００８】本発明は、斯かる偏重心ディスクを高速に
て駆動再生する場合に発生する問題を解決した振動発生
防止装置を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の振動発生防止装
置は、ディスクが載置されるターンテーブルを回転駆動
するスピンドルモーターと、該スピンドルモーターに組
み込まれている駆動コイルに駆動電流を供給するスピン
ドルモーター駆動回路と、ディスクに記録されている信
号に基づいて前記スピンドルモーター駆動回路に制御信
号を供給するデジタル信号処理回路と、前記スピンドル
モーターの回転速度に応じた信号を出力する回転出力信
号発生手段と、該回転出力信号発生手段の出力信号が入
力されるとともに該出力信号が所定のレベルを越えたと
き前記スピンドルモーター駆動回路に制御信号を供給す
る駆動信号切換回路とより構成されている。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の振動発生防止装置の一実施例
を示す回路図、図２はディスクの再生位置とディスクの
回転速度との関係を示す特性図である。

【００１１】図において、１はディスクが載置されるタ
ーンテーブルを回転駆動するスピンドルモーターであ
り、該スピンドルモーター１に組み込まれているロータ
ーＲを回転駆動するための磁界を発生させる駆動コイル
２及び該ローターＲの回転速度に応じた信号を出力する
ホール素子３が所定の位置に設けられている。

【００１２】４はディスクに記録されている信号の読み
出し動作を行う光学式ピックアップによって読み出され
た信号が入力されるとともに該信号のデジタル処理を行
うデジタル信号処理回路であり、ディスクに記録されて
いる同期信号に基づいてディスクの回転速度を線速度一
定にて回転駆動する制御信号を出力するように構成され
ている。

【００１３】５は前記スピンドルモーター１に組み込ま
れている駆動コイル２に駆動電流を供給するスピンドル
モーター駆動回路であり、前記ホール素子３より得られ
る信号に基づいて回転速度の制御を行うとともに前記デ
ジタル信号処理回路４より出力される制御信号が入力さ
れる入力端子６が設けられている。

【００１４】７は前記ホール素子３より得られる信号が
入力されるとともに該信号を増幅し、且つ矩形波に波形
整形する増幅回路、８は前記増幅回路７より出力される
信号を微分する微分回路であり、コンデンサー９及び抵
抗１０とによって構成されている。１１は前記微分回路
８によって微分された信号がベースに印加されるトラン
ジスターであり、エミッタが接地されているとともにコ
レクタは抵抗１２を介して電源に接続されている。

【００１５】１３は前記トランジスター１１のコレクタ
より得られる信号を積分する積分回路であり、抵抗１
４、１５及びコンデンサー１６、１７にて構成されてい
る。１８は前記積分回路１３の出力信号がベースに印加
されるスイッチングトランジスターであり、エミッタが
抵抗１９を介して電源に接続されているとともにそのコ
レクタは前記スピンドルモーター駆動回路５の入力端子
６に接続されている。２０は前記スイッチングトランジ
スター１８と差動増幅回路を形成するトランジスターで
あり、該スイッチングトランジスター１８のスイッチン
グ動作を安定して行うために設けられている。

【００１６】斯かる構成において、ディスクの回転速
度、即ちスピンドルモーター１の回転速度が所定の回転
数、例えば３２００回転／分に達したときスイッチング
トランジスター１８が導通状態に反転するように微分回
路８や積分回路１３等は設定されている。そして、増幅
回路７、微分回路８、積分回路１３及びスイッチングト
ランジスター１８等は駆動信号切換回路２１を構成して
いる。

【００１７】また、前記駆動信号切換回路２１を構成す
るスイッチングトランジスター１８が非導通状態にある
とき、即ちディスクの回転速度が所定回転数より低い状
態にあるときには、スピンドルモーター駆動回路５によ
るスピンドルモーター１の回転速度制御動作は、デジタ
ル信号処理回路４より出力される信号に基づいて行われ
るが、その制御動作はディスクの回転線速度が一定にな
るように行われる。そして、その線速度は、規定の速度
と同一速度、規定速度の４倍の速度及び規定の速度の８
倍の速度にて行うことが出来るように構成されている。

【００１８】また、前記駆動信号切換回路２１を構成す
るスイッチングトランジスター１８が導通状態にあると
き、即ちディスクの回転速度が所定回転数より高くなる
とスピンドルモーター駆動回路５によるスピンドルモー
ター１の回転速度制御動作は、前記駆動信号切換回路２
１より出力される信号に基づいて行われるが、その制御
動作はディスクの回転角速度が一定になるように行われ
る。従って、ディスクの回転速度は、所定の回転数より
も高くなることはない。

【００１９】以上の如く本発明は構成されているが、次
に斯かる回路の動作について説明する。ディスクプレー
ヤーの再生動作を開始させる操作を行うと、先ず光学式
ピックアップより照射される光ビームをディスクの信号
面に合焦させるフォーカシング制御動作を行い、フォー
カスがとれると駆動コイル２にスピンドルモーター駆動
回路５より駆動電流が供給され、スピンドルモーター１
の回転駆動動作が開始される。

【００２０】前記スピンドルモーター１の回転動作によ
りターンテーブルに載置されているディスクの回転駆動
動作が開始されると、光学式ピックアップによる信号の
読み出し動作が開始される。前記光学式ピックアップに
より読み出される信号の中には同期信号が含まれてお
り、この同期信号をデジタル信号処理回路４が抽出処理
し、スピンドルモーター１の回転速度を制御するための
制御信号を出力する。

【００２１】前記デジタル信号処理回路４より出力され
る制御信号は、スピンドルモーター駆動回路５に設けら
れている入力端子６に印加され、その入力される制御信
号とホール素子３より得られる信号に基づいた駆動信号
を駆動コイル２に供給する。そして、斯かる場合のスピ
ンドルモーター１の回転速度制御動作は、線速度が一定
になるように行われる。

【００２２】図２に示す実線Ａは、ディスクの再生速度
が規定の線速度の場合のディスクの再生位置とディスク
の回転数との関係を示すものであり、ディスクの外側か
ら内側に再生位置が移動するにつれて、ディスクの回転
数は、２００回転／分から５００回転／分まで変化す
る。斯かる規定の速度による再生動作が行われている状
態では、最大回転速度が３２００回転／分まで上昇しな
いため、駆動信号切換回路２１を構成するスイッチング
トランジスター１８が導通状態に反転することはない。
従って、スピンドルモーター駆動回路５によるスピンド
ルモーター１の回転駆動動作はデジタル信号処理回路４
より出力される制御信号のみによって行われることにな
る。

【００２３】以上の如く規定の線速度による再生動作は
行われるが、次に高速再生動作、例えば規定の線速度に
対して８倍の線速度にて再生動作を行う場合について説
明する。 図２に示す実線Ｂは、ディスクの再生速度が
規定の線速度に対して８倍の線速度の場合のディスクの
再生位置とディスクの回転数との関係を示すものであ
り、ディスクの外側から内側に再生位置が移動するにつ
れて、ディスクの回転数は、１６００回転／分から４０
００回転／分まで変化することになる。

【００２４】斯かる線速度による再生動作を行う状態に
おいて、ディスクの回転速度が所定の速度である３２０
０回転／分未満の位置の再生動作を行っている場合に
は、駆動信号切換回路２１を構成するスイッチングトラ
ンジスター１８は非導通状態にある。従って、斯かる場
合には、スピンドルモーター駆動回路５によるスピンド
ルモーター１の回転駆動動作は、デジタル信号処理回路
４より出力される制御信号のみによって行われることに
なり、ディスクの回転駆動動作は線速度が一定になるよ
うに行われる。

【００２５】斯かる規定の線速度に対して８倍の線速度
による再生動作が行われている状態において、ディスク
の再生位置がディスクの内側になると、ディスクの回転
速度が３２００回転／分より高くなる。ディスクの回転
速度が３２００回転／分になると、駆動信号切換回路２
１を構成するスイッチングトランジスター１８が非導通
状態より導通状態に反転する。前記スイッチングトラン
ジスター１８が導通状態になると、そのエミッタ・コレ
クタ路を通してスピンドルモーター駆動回路５の入力端
子６に高電圧が印加される。

【００２６】斯かる信号がスピンドルモーター駆動回路
５の入力端子６に印加されると、該スピンドルモーター
駆動回路５によるスピンドルモーター１の回転駆動動作
を線速度一定駆動動作状態から角速度一定駆動動作状態
に切り換える。その結果、ディスクの回転速度は、図２
に示す破線Ｃのように一定になり、光学式ピックアップ
による信号の読み出し動作及び信号の処理動作等は線速
度一定による再生動作を行う状態から角速度一定による
再生動作を行う状態に切り換えられることになる。

【００２７】このようにディスクの回転速度が所定の回
転数になると、回転速度が一定になるようにしたので、
この所定の回転速度を偏重心ディスクの回転動作に異常
振動が発生する回転速度に設定することによって異音の
発生を抑えることが出来る。

【００２８】尚、本実施例では、回転出力信号発生手段
としてホール素子を使用したが、反射板に光を照射し、
該反射板より間欠的に反射される光を検出することによ
ってスピンドルモーターの回転速度を検出するように構
成することも出来る。

【００２９】

【発明の効果】本発明は、ディスクが載置されるターン
テーブルを回転駆動するスピンドルモーターの回転速度
が所定の速度よりも上昇すると線速度一定の駆動動作状
態より角速度一定の駆動動作状態に切り換えるようにし
たので、ディスクの回転速度を異常振動が発生する回転
速度以下に抑えることが出来る。その結果、ターンテー
ブルに載置されたディスクが偏重心ディスクであっても
異常振動の発生を防止することが出来るので、信号の読
み出し動作を正確に行うことが出来るだけでなく異音の
発生を抑えることが出来る。

【００３０】また、本発明は、スピンドルモーターの回
転速度が所定の速度になるとスピンドルモーターの回転
駆動動作を切り換える駆動信号切換回路を設けることに
よって振動の発生を防止するようにしたので、マイクロ
コンピューターのような制御回路を使用する場合に比較
して容易に設計することが出来、安価にて製造すること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の振動発生防止装置の一実施例を示す回
路図である。

【図２】ディスクの再生位置とディスクの回転速度との
関係を示す特性図である。

【符号の説明】

１ スピンドルモーター ２ 駆動コイル ３ ホール素子 ４ デジタル信号処理回路 ５ スピンドルモーター駆動回路 １８ スイッチングトランジスター ２１ 駆動信号切換回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクに記録されている信号を光学式
   ピックアップにより読み出すように構成されたディスク
   プレーヤーにおいて、ディスクが載置されるターンテー
   ブルを回転駆動するスピンドルモーターと、該スピンド
   ルモーターに組み込まれている駆動コイルに駆動電流を
   供給するスピンドルモーター駆動回路と、ディスクに記
   録されている信号に基づいて前記スピンドルモーター駆
   動回路に制御信号を供給するデジタル信号処理回路と、
   前記スピンドルモーターの回転速度に応じた信号を出力
   する回転出力信号発生手段と、該回転出力信号発生手段
   の出力信号が入力されるとともに該出力信号が所定のレ
   ベルを越えたとき前記スピンドルモーター駆動回路に制
   御信号を供給する駆動信号切換回路とより成り、前記駆
   動信号切換回路より制御信号が出力されていない状態に
   あるとき前記スピンドルモーター駆動回路によりスピン
   ドルモーターを線速度が一定になるように回転駆動する
   とともに前記駆動信号切換回路より制御信号が出力され
   たとき前記スピンドルモーター駆動回路によりスピンド
   ルモーターを角速度が一定になるように回転駆動するよ
   うにしたことを特徴とするディスクプレーヤーの振動発
   生防止装置。
2. 【請求項２】 回転出力信号発生手段としてホール素子
   を使用したことを特徴とする請求項１に記載の振動発生
   防止装置。
3. 【請求項３】 ディスクに記録されている信号の読み出
   し速度が規定の速度の所定倍数に設定されているときの
   み駆動信号切換回路より制御信号が出力されるようにし
   たことを特徴とする請求項１に記載の振動発生防止装
   置。