JPH1074357A - ディスクプレーヤーの振動制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクに記録されている信号を光学式ピッ
クアップにより読み出すように構成されたディスクプレ
ーヤーにおいて、偏重心ディスクを高速回転させて再生
する場合に発生する問題を解決する。 【解決手段】 ディスク３が載置されるターンテーブル
４を回転駆動するスピンドルモーター５及び光学式ピッ
クアップ６が搭載されているとともに固定基板１に振動
防止手段により支持されている支持基板２に振動検出手
段１２を設け、ディスクの回転速度を低速回転状態より
高速回転状態に変化させたとき、その間に振動検出手段
１２より得られる振動検出出力のレベルが所定レベル以
上になった回転数を振動回転数メモリー回路１４に記憶
させるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転するディスク
に記録されている信号を光学式ピックアップにより読み
出すように構成されたディスクプレーヤーの振動制御装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】デジタル信号により音楽等の情報データ
が記録されているとともに線速度一定にて回転するディ
スクより信号を光学式ピックアップを用いて読み出すこ
とによって再生動作を行うディスクプレーヤーが普及し
ており、斯かるディスクプレーヤーの代表的なものとし
てＣＤプレーヤーがある。

【０００３】斯かるディスクプレーヤーでは、光学式ピ
ックアップより照射される光ビームをディスクの信号面
に合焦させるフォーカシング制御動作と信号トラックに
追従させるトラッキング制御動作が行われて信号の読み
出し動作が行われるとともに読み出された信号の中の同
期信号を利用してディスクの回転駆動動作を行うスピン
ドルモーターのロック動作、即ちディスクの回転速度を
線速度一定にするための制御動作を行うように構成され
ている。

【０００４】また、最近では、音楽等の音声信号ではな
く、コンピューターに使用されるデータ信号が記録され
ているＣＤ−ＲＯＭと呼ばれるディスクを再生するＣＤ
−ＲＯＭプレーヤーと呼ばれるディスクプレーヤーが普
及している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ＣＤ−ＲＯＭプレーヤ
ーは、音声信号を再生するＣＤプレーヤーと異なり、信
号の高速読み出し動作が要求されるため、最近では、規
定の線速度に対して、４倍、６倍、８倍及び１０倍等の
高速の線速度にてディスクを回転させて信号の読み出し
動作を行うように構成されたディスクプレーヤーが商品
化されている。

【０００６】線速度を一定にすることにより再生動作を
行うように構成されたディスクプレーヤーにおいて、線
速度を高速にする場合、ディスクの外周側の再生回転速
度と内周側の再生回転速度とが大きく相違するため、デ
ィスクの回転速度を低速から高速へ、また反対に高速か
ら低速へと大きく変化させる必要がある。斯かるディス
クの回転速度制御動作を正確に行うためには特性の優れ
た高価なスピンドルモーターが必要となる。

【０００７】斯かる点を改良した技術として最近では、
ディスクの回転速度を一定にした状態で線速度一定にて
記録されている信号の読み出し動作を行うようにした技
術が開発されている。斯かる技術によれば、ディスクを
一定の回転速度にて駆動すれば良いため、スピンドルモ
ーターとして安価なモーターを使用することが出来ると
ともに速度制御回路が簡単になるという利点がある。

【０００８】一方、斯かるディスクプレーヤーに使用さ
れるディスクの中には、重心が中心よりずれた偏重心デ
ィスクと呼ばれるものがあり、斯かるディスクを高速回
転状態にて再生した場合に異常振動が発生し、異音を発
生するという問題がある。

【０００９】本発明は、斯かる偏重心ディスクを高速に
て駆動再生する場合に発生する問題を解決した振動制御
装置を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の振動制御装置
は、ディスクが載置されるとともにスピンドルモーター
により回転駆動されるターンテーブルと、前記スピンド
ルモーター及び光学式ピックアップが搭載されていると
ともに固定基板に振動防止手段により支持されている支
持基板と、該支持基板に設けられているとともに該支持
基板の振動を検出する振動検出手段と、ディスクの回転
速度を低速回転状態より高速回転状態に変化させたとき
その間に前記振動検出手段より得られる振動検出出力レ
ベルが所定レベル以上になった回転数を記憶する振動回
転数メモリー回路とより構成されている。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の振動制御装置の一実施例を示
す説明図である。同図において、１はディスクプレーヤ
ーを構成する固定基板、２は前記固定基板１に弾性を有
するクッション等の振動防止手段により支持されている
支持基板であり、ディスク３が載置されるターンテーブ
ル４を回転駆動するスピンドルモーター５が固定されて
いる。６はディスク３に記録されている信号をレーザー
ビームにより読み出す光学式ピックアップであり、前記
支持基板２上にピックアップ駆動機構によってディスク
３の径方向へ移動されるように設けられている。

【００１２】７は前記光学式ピックアップ６より読み出
された信号が入力されるとともに各種信号の復調動作を
行うデジタル信号処理回路、８は前記デジタル信号処理
回路７にてデジタル信号処理されたデジタル信号である
データ信号が入力される信号再生回路であり、コンピュ
ーター等へデータ信号を出力するように構成されてい
る。

【００１３】９は前記デジタル信号処理回路７により復
調された信号が入力されるとともにディスクプレーヤー
の動作切り換えを行う操作スイッチ１０またはコンピュ
ーターより出力される切換信号に応じて種々の動作制御
を行うシステム制御回路であり、マイクロコンピュータ
ーにて構成されている。

【００１４】１１は前記スピンドルモーター５の回転動
作を制御するモーター制御回路であり、前記システム制
御回路９より出力されるモーター制御信号によって動作
が制御されるように構成されている。１２は前記支持基
板２上に設けられているとともに該支持基板２の振動を
検出する振動検出手段であり、前記支持基板２の振動の
大きさに応じた信号を出力するように構成されている。
１３は前記振動検出手段１２より出力される検出信号が
入力される振動検出回路であり、入力される信号に応じ
た信号を前記システム制御回路９に入力するように構成
されている。

【００１５】１４はディスク３の回転速度を低速回転状
態より高速回転状態に段階的に変化させたとき、前記振
動検出手段１２より出力される振動検出信号のレベルが
所定レベルを越えたとき、その回転数が記憶される振動
回転数メモリー回路である。

【００１６】斯かる構成において、ディスクプレーヤー
の再生動作を開始させる操作を行うと、先ず光学式ピッ
クアップ６より照射される光ビームをディスクの信号面
に合焦させるフォーカシング制御動作を行い、フォーカ
スがとれるとスピンドルモーター５を回転させるように
構成されているが、前記スピンドルモーター５によるデ
ィスク３の回転駆動動作は、ディスク３の回転角速度が
一定になるように構成されている。ディスク３の回転角
速度が所定の回転速度になると、ディスク３に記録され
ている信号トラックに光ビームを追従させるトラッキン
グ制御動作を行い、ディスク３からの信号の読み出し動
作が行われる。

【００１７】操作スイッチ１０に設けられている高速再
生用のスイッチの操作またはコンピューターからの高速
再生のための命令信号がシステム制御回路９に入力され
ると、該システム制御回路９による制御動作が行われデ
ィスクプレーヤーの高速再生状態が構成される。再生動
作状態にあるとき、ディスク３はモーター制御回路１１
によるスピンドルモーター５の回転制御動作によって回
転角速度が一定になるように回転駆動される。また、斯
かる状態にあるとき、光学式ピックアップの動作を制御
するべく設けられているサーボ回路による光ビームのフ
ォーカシング制御動作及びトラッキング制御動作が行わ
れる。

【００１８】前述したスピンドルモーター５の回転制御
動作及び光学式ピックアップ６の制御動作が行われるこ
とによつてディスク３に記録されている信号の読み出し
動作が行われることになる。前記光学式ピックアップ６
により読み出された信号は、デジタル信号処理回路７に
よつてデジタル信号処理された後そのデータ信号成分が
復調されて信号再生回路８に入力される。前記信号再生
回路８に入力されたデジタル信号は、出力端子を通して
コンピューターに出力されることになり、コンピュータ
ーによる信号処理動作が行われることになる。

【００１９】以上の如く、本発明に係るディスクプレー
ヤーの再生動作は行われるが、次に本発明の要旨である
振動制御動作について説明する。本発明において、ディ
スクの交換等によつて、ディスク３がターンテーブル４
上に載置されると、先ずディスク３が振動する回転数の
検出動作が行われる。斯かる動作は、モーター制御回路
１１によるスピンドルモーター５の回転駆動制御動作が
行われ、ディスク３の回転速度が低速回転状態よりディ
スクプレーヤーが備えた高速再生動作のための最大回転
状態まで段階的に変化せしめられる。

【００２０】ディスク３の回転速度が低速回転状態より
高速回転状態まで段階的に変化する間、前記支持基板２
上に搭載されている振動検出手段１２よりディスク３の
回転に伴って発生する振動のレベルに応じた検出信号が
出力され、該信号が振動検出回路１３を通してシステム
制御回路９に入力されることになる。

【００２１】そして、前記システム制御回路９に入力さ
れる振動検出回路１３からの信号が所定のレベル、即ち
光学式ピックアップ６による信号の読み取り動作を行う
ことが出来ない振動や振動音が大きくてディスクプレー
ヤーの再生動作に支障を来すレベルを越えた場合には、
その振動が発生した回転数を振動回転数メモリー回路１
４に記憶させる。斯かる回転数の記憶動作は、ディスク
３の回転数が高速回転状態に変化するまで行われる。従
って、前記振動回転数メモリー回路１４には、ディスク
３が異常振動する回転数が全て記憶されることになる。

【００２２】斯かる動作によってターンテーブル４に載
置されているディスク３が異常振動する回転数が認識さ
れるため、再生動作を行うための回転速度は、前記振動
回転数メモリー回路１４に記憶されている回転速度以外
の速度に設定されることになる。そして、このように設
定される回転速度は、ディスクプレーヤーが備えている
最高再生速度に近い速度に設定される。

【００２３】前述した動作が行われてディスク３の回転
速度が設定されため、ターンテーブル４に載置されるデ
ィスク３が重心のずれた偏重心ディスクの場合には、異
常振動が発生しない回転速度に設定されるため、ディス
ク３に記録されている信号の読み出し動作を正確に行う
ことが出来る。

【００２４】本実施例では、低速回転状態より高速回転
状態への回転速度の変化を段階的に行うように構成した
が、連続的に変化させるように構成することも出来る。
また、振動回転数メモリー回路１４に記憶されている回
転数に基く再生速度の設定をディスクプレーヤーが備え
ている最高再生速度に近い速度にするように構成した
が、振動検出手段１２により検出される信号レベルが最
小となる回転数を検出してその回転数に設定するように
構成することも出来る。そして、斯かる回転速度の設定
動作を行うためのスイッチを操作スイッチ１０に設けた
り、コンピューターからの司令によって行うように構成
することによって、異常振動が発生しない種々な回転速
度に設定することが出来る。

【００２５】

【発明の効果】本発明は、ディスクが載置されるターン
テーブルを回転駆動するスピンドルモーターとディスク
から信号の読み出し動作を行う光学式ピックアップとが
搭載されているとともに固定基板に振動防止手段により
支持されている支持基板に振動検出手段を設け、ディス
クの回転速度を低速回転状態より高速回転状態に変化さ
せながら前記振動検出手段の検出信号に基いて異常振動
が発生する回転数を検出し、その回転数を振動回転数メ
モリー回路に記憶させるようにしたので、異常振動が発
生する回転数の検出を行うことが出来る。

【００２６】そして、本発明は、振動回転数メモリー回
路に記憶される回転数によってターンテーブルに載置さ
れているディスクが偏重心ディスクであるか否かの判定
を行うことが出来る。

【００２７】また、本発明は、異常振動が発生する回転
数以外の回転数になるようにディスクの回転速度を設定
するようにしたので、ディスクが偏重心ディスクであっ
ても該ディスクからの信号の読み出し動作を確実に行う
ことが出来る。

【００２８】更に、本発明は、ディスクの再生回転速度
をディスクプレーヤーが備えた最高再生速度に近い速度
に設定するようにしたので、ディスクプレーヤーの再生
能力を最大限利用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の振動制御装置の一実施例を示す説明図
である。

【符号の説明】

１ 固定基板 ２ 支持基板 ３ ディスク ４ ターンテーブル ５ スピンドルモーター ６ 光学式ピックアップ ９ システム制御回路 １１ モーター制御回路 １２ 振動検出手段 １３ 振動検出回路 １４ 振動回転数メモリー回路

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクに記録されている信号を光学式
   ピックアップにより読み出すように構成されたディスク
   プレーヤーにおいて、ディスクが載置されるとともにス
   ピンドルモーターにより回転駆動されるターンテーブル
   と、前記スピンドルモーター及び前記光学式ピックアッ
   プが搭載されているとともに固定基板に振動防止手段に
   より支持されている支持基板と、該支持基板に設けられ
   ているとともに該支持基板の振動を検出する振動検出手
   段とより成り、ディスクの回転速度を低速回転状態より
   高速回転状態に変化させるとともにその間の前記振動検
   出手段より得られる振動検出出力レベルが所定レベル以
   上になった回転数を振動回転数メモリー回路に記憶させ
   るようにしたことを特徴とするディスクプレーヤーの振
   動制御装置。
2. 【請求項２】 振動回転数メモリー回路に記憶されてい
   る回転数に基いてディスクが偏重心ディスクであるか否
   かの判定を行うようにしたことを特徴とする請求項１に
   記載の振動制御装置。
3. 【請求項３】 振動回転数メモリー回路に記憶されてい
   る回転数に基いてディスクの再生回転速度を設定するよ
   うにしたことを特徴とする請求項１に記載の振動制御装
   置。
4. 【請求項４】 振動回転数メモリー回路に記憶されてい
   る回転数以外の回転速度に設定するようにしたことを特
   徴とする請求項３に記載の振動制御装置。
5. 【請求項５】 ディスクプレーヤーが備えた最高再生速
   度に近い速度に設定するようにしたことを特徴とする請
   求項４に記載の振動制御装置。