JPH10281309A - ポリフッ化ビニリデン製配管用部材 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン製配管用部材

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JPH10281309A
JPH10281309A JP9247897A JP9247897A JPH10281309A JP H10281309 A JPH10281309 A JP H10281309A JP 9247897 A JP9247897 A JP 9247897A JP 9247897 A JP9247897 A JP 9247897A JP H10281309 A JPH10281309 A JP H10281309A
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JP
Japan
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polyvinylidene fluoride
flavanthrone
piping member
injection
stress cracking
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Pending
Application number
JP9247897A
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English (en)
Inventor
Yasutake Ohama
健剛 大濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Yukizai Corp
Original Assignee
Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd filed Critical Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd
Priority to JP9247897A priority Critical patent/JPH10281309A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶化特性が改良され、環境応力割れに対す
る耐久性が向上したポリフッ化ビニリデン製の配管用部
材を提供する。 【解決手段】 結晶核剤として全重量に基づき200〜
4000重量ppmのフラバンスロンを含有するポリフ
ッ化ビニリデンを射出成形して、ポリフッ化ビニリデン
製配管用部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフッ化ビニリ
デン製配管用部材、さらに詳しくは、結晶化特性が改良
され、環境応力割れ(以下、ストレスクラッキングと称
す)に対する耐久性が向上したポリフッ化ビニリデン製
の配管用部材、特にバルブや管継手などの配管用部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリフッ化ビニリデンは、耐薬品
性(耐食性)、耐熱性、耐候性、機械的強度、易加工性
などに優れる特性を有することから、工業材料として広
い分野において用いられている。特に、ポリフッ化ビニ
リデン製のバルブや管継手は、高度の耐食性が要求され
る食塩電解工場の淡塩水や湿塩素ガスなどの搬送配管ラ
インに賞用されており、また、機械的強度、耐熱性、耐
薬品性などが要求される化学工業における配管ラインな
どに用いられている。そして、このポリフッ化ビニリデ
ンは、一般のプラスチックに近い易加工性を有している
ので、上記バルブや管継手などは、通常射出成形により
製造されている。
【0003】しかしながら、例えば80〜90℃の淡塩
水の配管ラインに使用されたポリフッ化ビニリデン製ダ
イヤフラムバルブにおいては、装着後2〜3年経過する
と、特に本体流路の屈曲している部分の表面にブリスタ
ーが生じ、さらに年を経るごとにブリスターの数が増加
し、ついには各ブリスターが連結して、表面部の剥離を
生じ、流体とともに流されるという欠点がある。これ
は、球晶が大きいために、この球晶粒界に残留応力が集
中し、前記したような侵食性の強い薬液でいわゆるスト
レスクラッキングを起こすことが原因と考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術がもつ欠点を解決し、耐熱性及び機械的強度を
そこなうことなく、耐ストレスクラッキング性を向上さ
せたポリフッ化ビニリデン製配管用部材を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリフッ化
ビニリデン製配管用部材の物性を向上させるために鋭意
研究を重ねた結果、結晶核剤としてフラバンスロンを使
用することにより、成形後のポリフッ化ビニリデンの結
晶粒子の大きさを一様に細かくすることができ、ストレ
スクラッキングに対して、ASTM D1693(環境
剤 五塩化アンチモン)に基づく試験において、フラバ
ンスロンを使用しないものより、1.5〜2.0倍以上
の優れた効果を発揮することを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、結晶核剤として全重
量に基づき200〜4000重量ppmの式
【化2】 で表わされるフラバンスロンを含有するポリフッ化ビニ
リデンを射出成形して成るポリフッ化ビニリデン製配管
用部材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の配管用部材においては、
素材としてポリフッ化ビニリデンとフラバンスロンを用
いることが必要である。
【0008】前記ポリフッ化ビニリデンは、工業的に
は、一般に乳化重合法又は懸濁重合法により製造されて
いるが、これ以外の方法で製造されたものも用いること
ができる。
【0009】一方、結晶核剤として用いられるフラバン
スロンは、式(I)で示される化学構造を有する黄色の
建染め染料として知られている化合物であり、融点17
0〜180℃、密度1.7〜2.0g/cm3(23
℃)の特性をもつ黄色微粉末である。このものは、式
(I)で示すように、互変異性体が存在する。
【0010】本発明においては、このフラバンスロンの
配合量は、全重量に基づき、200〜4000重量pp
mの範囲で選ぶことが必要である。この配合量が200
重量ppm未満では、樹脂の結晶化特性の向上効果が十
分に発揮されないし、4000重量ppmを超えると成
形品の黄色度が増加する。結晶化特性を向上させ、かつ
黄色度の増加を抑えるには、このフラバンスロンを、全
重量に基づき、500〜2000重量ppmの範囲で配
合するのが好ましい。このポリフッ化ビニリデンには、
本発明の目的がそこなわれない範囲で、所望により、充
填剤や補強材、その他慣用の各種添加剤などを配合する
ことができる。
【0011】本発明の配管用部材を製造するには、従来
公知の方法、例えばポリフッ化ビニリデン、フラバンス
ロン及び所望に応じて用いられる各種添加剤を、V型ブ
レンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなど
の混合機により混合するか、押出機、ミキシングロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機により
溶融混練するか、混合機と混練機を組み合わせ、混合・
混練するか、あるいはポリフッ化ビニリデンとフラバン
スロンとを前記混練機で溶融混練してマスターバッチを
作製し、これとポリフッ化ビニリデンとを混合するなど
により、原料混合物を調製したのち、これを常法に従っ
て射出成形することにより製造される。射出成形時の樹
脂温度は、通常210〜220℃の範囲である。
【0012】前記の原料混合物の調製においては、あら
かじめポリフッ化ビニリデンとフラバンスロンとを溶融
混練してマスターバッチを調製しておき、この必要量を
ポリフッ化ビニリデンと混合するのが有利である。
【0013】このようにポリフッ化ビニリデンに結晶化
剤としてフラバンスロンを添加して射出成形すると、結
晶粒子の大きさが一様になり樹脂の結晶化特性が向上す
る結果、耐熱性及び機械的強度がそこなわれることなく
ストレスクラッキングに対する耐久性が改善される。
【0014】本発明の配管用部材は種々の用途に用いる
ことができるが、特にバルブ及び管継手用として用いる
のが好ましい。バルブとしては、例えばデイヤフラムバ
ルブ、調節弁、逆止弁などが挙げられ、管継手として
は、例えばベンド、エルボ、チーズなどが挙げられる。
【0015】
【発明の効果】本発明の配管用部材は、耐熱性及び機械
的強度及びストレスクラッキングに対する耐久性が優
れ、従来のものに比べ、耐ストレスクラッキング性が2
倍以上向上し、食塩電解質の戻り塩水ラインに配設され
たダイヤフラムバルブは長期にわたってストレスクラッ
キングを発生することなく使用可能である。本発明の配
管用部材は、特にバルブや管継手などとして好適に用い
られる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0017】実施例 (1)樹脂組成物の調製 まず、ポリフッ化ビニリデン[呉羽化学(株)製、商品
名:クレハKFポリマー KF♯1000、射出成形
用]と、このものとの合計量に対し、5000重量pp
mになるような量のフラバンスロンとを混合したのち、
押出機により、230℃にて溶融混練して押出し、フラ
バンスロン含有ポリフッ化ビニリデンペレット(約径2
mm、長さ3mm)を調製した。次に、ポリフッ化ビニ
リデンペレット(約径2mm、長さ3mm)80重量部
に対し、上記で得られたフラバンスロン含有ポリフッ化
ビニリデンペレット20重量部を混合した。なお、得ら
れた両ペレットを、室温で球晶サイズを偏光顕微鏡によ
り観察した結果、ポリフッ化ビニリデンのみの球晶サイ
ズは、平均300μmであったのに対し、フラバンスロ
ン含有ポリフッ化ビニリデンの球晶サイズは、平均3μ
m以下となっており、フラバンスロンを含むものは球晶
が極めて小さく安定していることが分かった。
【0018】(2)ダイヤフラムバルブの製造 上記(1)で調製した樹脂混合物を、シリンダー温度2
05℃、射出圧力1000kg/cm2の条件で射出成
形して、口径50A用のダイヤフラムバルブの本体及び
ボンネットを製造した。次に、得られた本体及びボンネ
ットを使用して、図1に示す断面構造を有する口径50
Aのダイヤフラムバルブを製造した(以下、A品と称
す)。一方、比較品として、ポリフッ化ビニリデンのみ
から同様にしてダイヤフラムバルブを製造した(以下、
B品と称す)。
【0019】(3)実装におけるダイヤフラムバルブテ
スト 上記(2)で製造したA品及びB品を、某社の90℃淡
塩水配管ラインに設置し、ダイヤフラムバルブの内部の
変化を調査した。その結果、B品は2年目で本体流路の
屈曲部にブリスターが生じていたが、A品は2年目はも
ちろん、3年目になっても、まだ何の変化も現れていな
かった。この原因については、A品はポリフッ化ビニリ
デンの球晶が小さくなっているため、球晶粒界に集中す
る残留応力が小さくなり、淡塩水の侵食作用が抑えられ
ることによるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の配管用部材の1例のダイヤフラムバ
ルブ縦断面図。
【符号の説明】
1 本体 2 ボンネット 3 ダイヤフラム 4 ゴム弾性体 5 ポリフッ化ビニリデン 6 ポリ四フッ化エチレン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶核剤として全重量に基づき200〜
    4000重量ppmの式 【化1】 で表わされるフラバンスロンを含有するポリフッ化ビニ
    リデンを射出成形して成るポリフッ化ビニリデン製配管
    用部材。
  2. 【請求項2】 フラバンスロンとポリフッ化ビニリデン
    の溶融混合物と、ポリフッ化ビニリデンの混合物を射出
    成形する請求項1記載のポリフッ化ビニリデン製配管用
    部材。
  3. 【請求項3】 配管用部材がバルブ又は管継手である請
    求項1又は2記載のポリフッ化ビニリデン製配管用部
    材。
JP9247897A 1997-04-10 1997-04-10 ポリフッ化ビニリデン製配管用部材 Pending JPH10281309A (ja)

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JP (1) JPH10281309A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316406A (ja) * 2000-05-09 2001-11-13 Nippon Mektron Ltd 含フッ素共重合体の製造法
JP2014518326A (ja) * 2011-06-30 2014-07-28 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 溶融加工可能な組成物および製造方法

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