JPH0425541A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物

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JPH0425541A
JPH0425541A JP2129199A JP12919990A JPH0425541A JP H0425541 A JPH0425541 A JP H0425541A JP 2129199 A JP2129199 A JP 2129199A JP 12919990 A JP12919990 A JP 12919990A JP H0425541 A JPH0425541 A JP H0425541A
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笠井 三千雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス繊維及び雲母粉末により複合強化した
ポリプロピレン組成物に関するものである。
更に詳しくは、強度、剛性が高く、反り変形か少なく、
特に機械的耐久性を飛躍的に改善したポリプロピレン複
合樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
ガラス繊維で強化したポリプロピレンは、耐薬品性に優
れ、強度的にも他の板状或は、粒状フィラーで補強した
ポリプロピレンに比べ、はるかに優れているうえ、価格
的にも安価であり、有用な工業材料として幅広い分野で
用いられている。
しかしながらガラス繊維強化ポリプロピレンは結晶性樹
脂である為、非品性樹脂のガラス繊維強化品と比較する
と、成形品の反りが大きいという欠点がある。そこで反
り変形を抑制する手法として、エラストマー等のゴム成
分を添加する例が開示されているが、ゴム成分を添加す
ることによる強度、剛性の低下が著しい。
またガラス繊維と板状フィラーである雲母粉末とを併用
する例は、特開昭58−206659号公報及び特開昭
81− H758号公報により開示されており、各々強
度や剛性が高く、寸法精度の優れた材料を与えている。
他方、雲母粉末を充填したポリプロピレンの強度改善を
目的として、少量のガラス繊維を配合する例は、特開昭
52−36141号公報、特開昭55−45715号公
報、特開昭55−40719号公報、特開昭60−23
432号公報により開示されている。
これらの、ポリプロピレンをガラス繊維と雲母粉末とで
複合強化する例に於いては、何れも強度を改善する為、
マトリックス樹脂に、不飽和シランをグラフトさせる方
法や、不飽和酸をグラフトさせる方法、更には、イソシ
アネート化合物やエポキシ化合物を配合するなど、様々
な方法でフィラーとマトリックス樹脂との界面接着性の
検討が行なわれている。
しかしながらこれらの例に於ては、何れも強度に関して
は初期強度の観点でしか検討されておらず、長期間連続
して荷重が加わる場合や、繰り返し荷重の加わる場合等
の機械的耐久性という観点からの検討は皆無であった。
一方、ガラス繊維単独配合系において、不飽和酸と不飽
和シランとを同時に有機過酸化物の存在下ポリプロピレ
ンに溶融混練して得られる樹脂組成物を用いる例は、特
開昭60−1235号公報に開示されているが、前記と
同様に、初期強度改善が目的であって、機械的耐久性の
検討は全くなされていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記の如く、ガラス繊維と雲母粉末とで複合強化された
ポリプロピレンは、強度や剛性が高く、反り変形の少な
い寸法精度の優れた成形品を与えるので、工業的に有用
な材料であるか、長期間連続して荷重が加わる場合や、
繰り返し荷重が加わる場合等の条件下では耐久性の問題
がしばしば有り、用途上の制約が数多く見られた。
本発明の目的は、強度、剛性が高く、反り変形の少ない
材料に於いて、更に長時間連続して荷重が加わる場合や
繰り返し荷重が加わる場合にも使用可能な機械的耐久性
に優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、それぞれ下記濃度範囲の(a)(b)(c)
成分を含み、(a)成分に、(b) +(c)の合計量
が25〜60重量%の範囲に入るように(b)成分と(
c)成分とを配合してなるポリプロピレン樹脂組成物で
ある。
(a)  結晶性ポリプロピレンに対し少なくとも■不
飽和酸0.01〜2重量%、■不飽和シラン0,1〜3
重量%及び■有機過酸化物を加えてなる混合物を溶融加
熱処理して得られる変性ポリプロピレン。
40〜75重量% (b)ガラス繊維    10〜35重量%(C)雲母
粉末     15〜45重量%変性に用いる不飽和酸
と不飽和シランの好ましい配合量は、ポリプロピレンに
対しそれぞれ0.01〜2重量%と0.1〜3重量%の
範囲であり、更に好ましくはそれぞれ、0.05〜1重
量%及び0.3〜2重量%の範囲である。
本発明の効果は不飽和酸と不飽和シランとの共存下で変
性した変性ポリプロピレンを用いることによってのみ発
現する。従って不飽和酸も不飽和シランもそれぞれにつ
いて、上記範囲の少なくとも下限以上を配合することが
必要である。また反対に片方若しくは両方を上記範囲を
越えて配合したとしても、改善効果の向上はもはや得ら
れず、不飽和酸の量が上記範囲を越えると、樹脂の劣化
傾向が顕著となり、不飽和シランの量が上記範囲を越え
ると、樹脂の流動性が極端に低下し、成形性の悪化とな
るばかりでなくコスト的にも高くなるため好ましくない
また本発明の、不飽和酸と不飽和シランとの共存下で変
性した変性ポリプロピレンを用いることによる機械的耐
久性改善効果の発現は、ガラス繊維及び雲母粉末を併用
した系で、はじめて発現するものである。
すなわちガラス繊維単独配合系の場合では、機械的耐久
性改善効果は発現しない。また、ガラス繊維と他の板状
フィラーとを併用する場合であっても、雲母粉末の代わ
りに、例えばタルク等を用いた場合には発現しない。
本発明者らは、該変性ポリプロピレンにガラス繊維およ
び雲母粉末を併用した系でのみ、この機械的耐久性改善
効果が発現することを見い出した。
尚本発明の組成物にあっては、変性ポリプロピレンに未
変性のポリプロピレンを加えて用いることもできるが、
その場合でも全ポリプロピレン成分中の不飽和酸と不飽
和シランとの各最終濃度は、本発明の請求範囲にあるこ
とが必要である(変性ポリプロピレンに未変性のポリプ
ロピレンを加えて使用する場合でも、以下単に変性ポリ
プロピレンとのみ表現する場合がある。)。
変性ポリプロピレンに用いる不飽和酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ
ン酸等、及びその無水物等であり、これらを単独または
、2種以上用いる事が出来る。
これらの内、無水マレイン酸が最も好ましい。
また不飽和シランとしては、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン
、メチルビニルジメトキシシラン、フェニルビニルジメ
トキシシラン、アリルトリメトキシシラン等で、これら
を単独または、2種以上用いる事が出来る。これらの内
、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最
も好ましい。
変性ポリプロピレンに用いられる原料の結晶性ポリプロ
ピレンとしては、特に制限はなく、プロピレンの単独重
合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1などのα−オレフィンとのランダム共
重合体若しくは、ブロック共重合体などを例示できる。
ポリプロピレンと不飽和酸、不飽和シランとを溶融混練
する方法は、公知の種々の方法を用いることが出来るが
、ポリプロピレンパウダーに、上述の不飽和酸と不飽和
シラン及び、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機
過酸化物を加え、撹拌混合した後、押出機を用いて溶融
混線温度150〜300℃、好ましくは、180〜25
0℃で溶融混線押出す方法が簡便であり、好適に用いら
れる。
有機過酸化物の量としては0,01〜0.5重量%が好
ましい。
本発明に用いられるガラス繊維は、通常樹脂強化用とし
て製造され、市販されているガラスチョツプドストラン
ドまたはガラスロービングであって、平均繊維径が5〜
20μ、平均繊維長は、チョツプドストランド?イブの
ものにあっては、0.5+n以上10+++m以下のも
のが好ましい。
更に、本発明に用いられる雲母粉末の種類としては、特
に制限はなく、黒雲母、リシア雲母、白雲母、金雲母等
から広く選ぶことが出来る。また本発明に用いられる雲
母粉末は、表面処理されているものを用いても差し支え
ないが、表面処理をしていないものでも充分に効果を発
揮する。
更に本発明に用いられる雲母粉末は雲母結晶板の平均直
径と平均厚さの比、すなわち平均アスペクト比が20以
上のものが反り変形が少ないので特に好ましい。
本発明の組成物にあっては、ガラス繊維の配合量及び雲
母粉末の配合量がそれぞれ10〜35重量%と15〜4
5重量%の範囲内である事が必要である。ガラス繊維の
配合量が10重量%を下回ると、機械的耐久性が問題と
なる以前に初期強度の低い組成物しか得られず、機能部
品として用途上の制約が大となる。また雲母粉末の配合
量が15重量%を下回ると、本発明の目的である寸法安
定性が損なわれ、反りが大きくなる。更にガラス繊維と
雲母粉末の合計配合量は、全体の25〜60重量%にな
るよう配合する必要がある。60重量%を越えて配合し
た場合、工業的に安定生産が困難となる。
本発明の組成物は、次の方法により製造することが出来
る。即ち、例えば、(1)前記変性ポリプロピレン、雲
母粉末及びガラス繊維の所定量を混合した後、1軸また
は2軸の押出機を用いて、溶融混線温度150〜300
℃、好ましくは、180〜250℃で溶融混線押出す方
法、(2)該変性ポリプロピレンが充分に溶融する位置
に、他の原料を供給できるような途中添加口を備えた押
出機にあっては、変性ポリプロピレンと雲母粉末を通常
の原料供給口より供給し、途中添加口よりガラス繊維を
供給しながら上述の温度で溶融混線押出す方法、(3)
通常の原料供給口より変性ポリプロピレンのみを供給し
、途中添加口より雲母粉末とガラス繊維を供給しながら
上述の温度で溶融混線押出す方法などである。
また本発明には種々の添加剤例えば、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、顔料等を併用することが出来る
〔実施例〕
以下実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、本発明の評価試験方法として、機械的耐久性の測定
は、引張クリープ特性の測定(JISK7115に準拠
)及び、振動疲労特性の測定(ASTM  D671B
に準拠)により、機械的強度の測定は、引張強度の測定
(JIS  K7113に準拠)及び、アイゾツト衝撃
強度の測定(JIS  K7110に準拠)により、剛
性の測定は、曲げ弾性率の測定(J I S  K72
03に準拠)により、反り変形量は次に示す最大反り変
形量の測定により行なった。
最大反り変形量:試験に用いる試験片は、厚さ2關、縦
横それぞれ150關の平板を、−辺の全面をフィルムゲ
ートとして射出成形して作成した。
該試験片を温度23℃、RH50%の条件下で48時間
状態調節を行なった。その後、該試験片を水平な台の上
に1辺の両端を固定し、他端の水平面からの離れた距離
(反り)を測定し反り変形量とした。しかし試験片の固
定する1辺の位置が変わることにより、反り変形量が異
なるので、固定する1辺の位置を色々変えて他端の反り
変形量を測定し、これらの肉屋も大きな値を最大反り変
形量とし、単位を龍で表わした。
(実施例1) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
98.20重量%に無水マレイン酸0.5重量%、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量
%、2,6−シーtブチルパラゾール0.1重量%、カ
ルシウムステアレート0.1重量%、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.1重量
%を撹拌混合した後、口径45龍、L/D 30の複数
個の原料供給口を有する2軸押出機を用い、該混合物を
通常の原料供給口より供給して、溶融混線温度200℃
で溶融混線押出し、変性ポリプロピレンペレットを得た
該変性ポリプロピレンベレット50重量%とアスペクト
比が35の雲母粉末20重量%とを攪拌混合した後、上
述の2軸押出機を用い、通常の原料供給口より該混合物
を供給し、ストランドの直径が9μ、長さ31■のガラ
ス繊維30重量%をシリンダ一部に設けられた別の供給
口より計量しながら供給し、温度250℃で溶融混線押
出し、ペレタイズした。
評価結果を第1表と第1図〜第3図に示した。
(比較例1) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
99.20重量%に無水マレイン酸0.5重量%、2,
6−ジーt−ブチルバラゾール0.1重量%、カルシウ
ムステアレート0.1重量%、1.3−ビス(t−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.1重量%を撹
拌混合し実施例1と同様に溶融混練押出し、変性ポリプ
ロピレンペレットを得た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混線押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第1表と第1図〜第3図に示した。
(比較例2) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
98.70重量%に3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン1.0重量%、2.6−ジーt−ブチルバ
ラゾール0.1重量%、カルシウムステアレート0.1
重量%、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.1重量%を撹拌混合し実施例1と同様
に溶融混線押出し、変性ポリプロピレンペレ、ソトを得
た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混線押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第1表と第1図〜第3図に示した。
(比較例3) 実施例1で得られた変性ポリプロピレンペレット50重
量%とタルク粉末(松材産業■製、商品名ハイフィラー
5000PJl 20重量%とを撹拌混合した後、実施
例1と同様にガラス繊維30重量%を溶融混線押出し、
ペレタイズした。
評価結果を第1表と第1図〜第3図に示した。
(比較例4) 比較例1で得られた変性ポリプロピレンベレット50重
量%と比較例3で用いたものと同じタルク粉末20重量
%とを撹拌混合した後、実施例1と同様にガラス繊維3
0重量%を溶融混線押出し、ペレタイズした。
評価結果を第1表と第1図〜第3図に示した。
(比較例5) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
98.695重量%に無水マレイン酸0.005重量%
、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.
0重量%、2.6−ジt−ブチルバラゾール0.1重量
%、カルシウムステアレートOo 1重量%、1,3−
ビス(1−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0
.1重量%を攪拌混合し実施例1と同様に溶融混線押出
し、変性ポリプロピレンペレットを得た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混線押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第2表に示した。
(実施例2) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
98.68重量%に無水マレイン酸0.02重量%、3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0重
量%、2,6−ジーt−ブチルバラゾール0.1重量%
、カルシウムステアレート0.1重量%、1.3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.1
重量%を撹拌混合し実施例1と同様に溶融混線押出し、
変性ポリプロピレンペレットを得た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混線押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第2表に示した。
(実施例3) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
96.70重量%に無水マレイン酸2.0重量%、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量
%、2,6−シーtブチルパラゾール0.1重量%、カ
ルシウムステアレート0.1重量%、1.3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.1重量
%を撹拌混合し実施例1と同様に溶融混線押出し、変性
ポリプロピレンペレットを得た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混線押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第2表に示した。
(比較例6) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
99.15重量%に無水マレイン酸0.5重量%、3−
メタクリロキシブロビルトリメトキシシラン0.05重
量%、2,6−ジーを一ブチルパラゾール0.1重量%
、カルシウムステアレート0.1重量%、1.3−ビス
(t−プチルパーオキシイソプビル)ベンゼン0.1重
量%を攪拌混合し実施例1と同様に溶融混線押出し、変
性ポリプロピレンペレットを得た。
評価結果を第2表に示した。
(実施例4) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
99.10重量%に無水マレイン酸0.5重量%、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量
%、2,6−シーtブチルパラゾール0.1重量%、カ
ルシウムステアレート0.1重量%、1.3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.1il
量%を撹拌混合し実施例1と同様に溶融混線押出し、変
性ポリプロピレンペレットを得た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混線押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第2表に示した。
(実施例5) メルトフローレート2.0のポリプロピレン単独重合体
96.20重量%に無水マレイン酸0.5重量%、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3.0重量
%、2.6−シーtブチルパラゾール0.1重量%、カ
ルシウムステアレート0.1重量%、1.3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.1重量
%を撹拌混合し実施例1と同様に溶融混線押出し、変性
ポリプロピレンペレットを得た。
その後、該変性ポリプロピレンペレットと、雲母粉末及
びガラス繊維とを実施例1と同様に溶融混練押出し、ペ
レタイズした。
評価結果を第2表に示した。
(比較例7) 実施例1で得られた変性ポリプロピレンペレット85重
量%と雲母粉末5重量%を攪拌混合した後、実施例1と
同様にガラス繊維10重量%を溶融混練押出し、ペレタ
イズした。
評価結果を第3表に示した。
(実施例6〜8.比較例8〜9) 実施例6〜8、比較例8〜9は、実施例1で得られた変
性ポリプロピレンペレット、雲母粉末及び、ガラス繊維
とをそれぞれ第3表に示す割合で配合し、実施例1と同
様に溶融混練押出しペレタイズした。
評価結果を第3表に示した。
以上の実施例及び比較例の評価結果を第1表〜第3表及
び第1図〜第3図に示した。
第1表から、実施例1と比較例1との初期物性を比較す
ると、引張強度、曲げ弾性率、アイゾツト衝撃強度とも
、実質的に同等レベルであるにも拘らず、機械的耐久性
を比較すると、一定荷重下(300kg/cJ)に於け
るクリープ破断時間では、実施例1が340時間で破断
するのに対し、比較例1は70時間で破断してしまい、
実施例1は、比較例1の約4.9倍もの耐久性改善効果
が認められた。
また一定荷重下(400kg/cd)に於ける振動疲労
特性では、実施例1が1.0XIO6サイクルで破断す
るのに対し、比較例1は5.5×104サイクルで破断
してしまい、実施例1は、比較例1の実に約19倍もの
耐久性改善効果が認められた。これらの結果から、明ら
かに変性ポリプロピレンに於ける不飽和酸と不飽和シラ
ンとの併用効果が窺える。
比較例2は、反り変形については実施例1と同レベルで
あるが、初期強度が劣るうえ、機械的耐久性は比較例1
よりも更に劣るものであった。
比較例3と比較例4は、雲母粉末と同様の板状フィラー
であるタルクを充填剤として用いた例であるが、変性ポ
リプロピレンに於ける、不飽和酸と不飽和シランの併用
による効果が全く見られなかった。
変性ポリプロピレンに於ける、不飽和酸と不飽和シラン
との併用効果は、第1図、第2図及び第3図からもみる
ことができる。第1図は、実施例1及び比較例1〜4に
ついて、荷重を種々変化させてクリープ試験を行ない、
負荷応力と破断時間との関係をプロットしたものである
。この図から、実施例1は他の比較例よりもはるかに優
れていることが明らかである。同様に第2図は、実施例
1及び比較例1〜4について、各荷重下に於ける振動疲
労試験を行なったものである。この図からも実施例1は
、他の比較例よりはるかに優れていることが明らかであ
る。また第3図は実施例1及び比較例1〜4について、
一定荷重下(200kg/cd)で長時間の引張クリー
プ試験を行なったものである。この図から、実施例1は
1000時間を経過した時点でも僅かな変形量であるの
に対し、実施例1以外は全て短時間で破断した。このこ
とからも本発明の効果が顕著に窺える。
次に、第2表では、変性ポリプロピレン中の不飽和酸及
び、不飽和シランの配合量を変えた例についての比較を
行った。
比較例5.実施例2及び、実施例3は、不飽和シランの
配合量を一定とし、不飽和酸の配合量を変化させた例で
ある。
これらの例から、不飽和酸の配合量を増やすことにより
、初期物性の内、引張強度とアイゾツト衝撃強度が向上
し、それに伴い、機械的耐久性も向上して行くことが窺
える。
まず、不飽和酸の配合量が下限を下回っている比較例5
は、初期強度が実施例2、実施例3と比べて劣っている
上、機械的耐久性では、一定荷重下(300kg/cd
)に於けるクリープ破断時間は、比較例5は19時間で
破断してしまい、また一定荷重下(400kg/cd)
に於ける振動疲労特性では、2.0XIO’サイクルで
破断しており、他の実施例と比べ、極端に低いレベルで
あった。
これに対し、不飽和酸の配合量が下限値付近の例である
実施例2や、上限値の例である実施例3は、比較例5と
比べ、初期強度も向上し、機械的耐久性も、一定荷重下
(300kg/ cd)に於けるクリープ破断時間では
、実施例2が180時間、実施例3では330時間にま
で改善され、また、一定荷重下(400kg/cJ)に
於ける振動疲労特性では、実施例2が7.0XIO5サ
イクル、実施例3では、1.  I X 10’サイク
ルにまで改善された。
尚、不飽和酸の配合量を上限を越えて添加したとしても
、もはや強度の改善効果は望めず、樹脂劣化が顕著にな
り、逆に機械的耐久性の低下や、樹脂の黄変等の問題が
生じ、好ましくない。
比較例6、実施例4及び、実施例5は、不飽和酸の配合
量を一定とし、不飽和シランの配合量を変化させた例で
ある。(第2表に評価結果を示す)これらの例に於いて
は、初期物性面では何れもほぼ同等レベルであるのに対
し、機械的耐久性を比較すると、不飽和シランの配合量
を増やして行くことにより、明らかに改善されて行くこ
とが判明した。
まず、不飽和シランの配合量が下限を下回っている比較
例6は、初期強度では、実施例4、実施例5と実質的に
は同レベルであるが、機械的耐久性では、一定荷重下(
300kg/cd)に於けるクリープ破断時間では、比
較例6は90時間で破断してしまい、また一定荷重下(
400kg/cj)に於ける振動疲労特性では、2.5
X10’サイクルで破断しており、他の実施例と比べ、
極端に低いレベルであるのに対し、不飽和シランの配合
量が下限値の例である実施例4や、上限値の例である実
施例5は、機械的耐久性が大幅に改善されている。
即ち、一定荷重下(300)cg/cj)に於けるクリ
ープ破断時間では、実施例4が280時間、実施例5で
は340時間にまで改善され、また、定荷重下(400
kg/cシ)に於ける振動疲労特性では、実施例4が8
.0XIO5サイクル、実施例5では、1.0XIO6
サイクルにまで改善された。
尚、不飽和シランの配合量を上限を越えて添加したとし
ても、もはや機械的耐久性の改善効果は望めず、コスト
高になるばかりか、樹脂の流動性が極端に低下し、成形
性が悪くなり好ましくない。
次に第3表では、実施例1で用いた変性ポリプロピレン
、ガラス繊維及び、雲母粉末の配合量を変えた例につい
ての比較を行った。
比較例7.実施例6及び、実施例7は、ガラス繊維の配
合量を一定とし、雲母粉末の配合量を変化させた例であ
る。
これらの例から、雲母粉末の配合量を増やすことにより
、反り変形量が減少するばかりか、機械的耐久性も大幅
に改善されることも判明した。
まず、雲母粉末の配合量が、下限を下回っている比較例
7は、反り変形量が9.5鰭と他の実施例と比べ極端に
大きく、機械的耐久性も、一定荷重下(300kg/ 
cd)に於けるクリープ破断時間では、比較例7は70
時間で破断した。また一定荷重下(400kg/cd)
に於ける振動疲労特性では、4.9X10’サイクルで
破断じてしまい、他の実施例と比べ、非常に劣っていた
。これに対し、雲母粉末の配合量が下限の例である実施
例6や、上限の例である実施例7では、反り変形量では
実施例6が0.9m■、実施例7では0.1mlにまで
改善され、機械的耐久性も、一定荷重下(300kg/
 cd)に於けるクリープ破断時間では、比較例6が1
50時間、実施例7では210時間にまで改善された。
また一定荷重下(40,0kg/cd)に於ける振動疲
労特性でも、実施例6が1.8X10’サイクル、実施
例7では7.8×105サイクルにまで改善された。
次に、実施例7及び、比較例8は雲母粉末の配合量はど
ちらも上限値とし、ガラス繊維の配合量が、下限値の例
及び、下限値を下回る時の例である。
ガラス繊維の配合量が下限値を下回っている比較例8は
、機械的耐久性を議論する以前に、初期物性が、引張強
度で400kg/cシ、曲げ弾性率で50000kg/
cd、アイゾツト衝撃強度では2kgcm / cdと
他の実施例と比べ、極端に低いものであり、機能部品と
しての鉦値に乏しいものであった。
次にガラス繊維と雲母粉末の合計配合量に付いて検討す
るため、実施例8及び、比較例9を実施した。実施例8
は、ガラス繊維と雲母粉末の合計配合量を、本発明の上
限−杯まで配合した例であり、比較例9は、合計配合量
が本発明の範囲を越えて配合した例である。
ガラス繊維の配合量が上限値、ガラス繊維と雲母粉末と
の合計配合量が上限値を越えている例である比較例9は
、溶融混練押出時にストランドが安定せず、工業的に安
定生産が不可能であった。
〔発明の効果〕
本発明の組成物は、初期強度は改善されないが、機械的
耐久性が飛躍的に改善されるので、長時間連続して荷重
が加わる用途や、長時間繰り返し荷重の加わる用途、例
えば自動車、家電、一般産業部品などの機能部品として
、広範囲に渡り有用な材料を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は荷重を種々変化させてクリープ試験を行い、負
荷応力と破断時間との関係をプロットした図である。 第2図は各荷重下における振動疲労試験を行った、各応
力下の破断サイクル数をプロットした図である。 第3図は一定荷重下(200kg/e/)で長時間の引
張クリープ試験を行った結果で、時間と変形量との関係
を表わした図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)それぞれ下記濃度範囲の(a)(b)(c)の三
    成分を含み、(a)成分に、(b)+(c)の合計量が
    25〜60重量%の範囲に入るように(b)成分と(c
    )成分とを配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。 (a)結晶性ポリプロピレンに対し少なくとも[1]不
    飽和酸0.01〜2重量%、[2]不飽和シラン0.1
    〜3重量%及び[3]有機過酸化物を加えてなる混合物
    を溶融加熱処理して得られる変性ポリプロピレン。 40〜75重量% (b)ガラス繊維10〜35重量% (c)雲母粉末15〜45重量%
  2. (2)不飽和酸が無水マレイン酸である請求項1記載の
    ポリプロピレン樹脂組成物
  3. (3)不飽和シランが3−メタクリロキシプロピルトリ
    メトキシシランである請求項1記載のポリプロピレン樹
    脂組成物。
  4. (4)不飽和酸が無水マレイン酸であり、不飽和シラン
    が3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランであ
    る請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
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