JPH10279920A - ジョイントシート - Google Patents

ジョイントシート

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JPH10279920A
JPH10279920A JP9663697A JP9663697A JPH10279920A JP H10279920 A JPH10279920 A JP H10279920A JP 9663697 A JP9663697 A JP 9663697A JP 9663697 A JP9663697 A JP 9663697A JP H10279920 A JPH10279920 A JP H10279920A
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JP
Japan
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rubber
joint sheet
fiber
styrene
sbr
Prior art date
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Pending
Application number
JP9663697A
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English (en)
Inventor
Mitsuyuki Nakano
中野光行
Naoya Kuzawa
九澤直也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichias Corp
Original Assignee
Nichias Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い締付け面圧で使用しても長期間にわたっ
て高いシール性を保持する油膨潤タイプのNAジョイン
トシートを提供する。 【解決手段】 基材繊維、ゴム材、充填材及びゴム薬品
からなる組成物で構成されるジョイントシート、特に油
膨潤タイプのNAジョイントシートにおいて、ゴム材と
してスチレン含有量が30%以上のスチレンブタジエンゴ
ム(いわゆる、ハイスチレンSBR)または溶液重合法
により製造したスチレンブタジエンゴム(いわゆる、溶
液重合SBR)を用いることを要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、石油化学プラン
ト、各種工業用機械装置、自動車、家電など広範囲な分
野で使用されるガスケットの基材として用いられるジョ
イントシートに関し、特に自動車用等の低い締め付け面
圧で使用されるジョイントシートとして好適なNAジョ
イントシートの改良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】ジョイントシートは、基材繊維・充填材
・ゴム薬品に、溶剤に膨潤させたゴム(あるいは粉末ゴ
ムまたはラテックスに溶剤を加えたもの)をヘンシェル
ミキサー等で十分混練し、ジョイントシート形成用組成
物(以下、混練材料という)を調製し、次いでこの混練
材料を熱ロール(約150 ℃)と冷ロール(約20℃)とか
らなる一対のロール(カレンダーロール)間に投入し、
熱ロール側に積層させながら溶剤の蒸発、加硫を行い、
最後に積層したシートを熱ロールから剥離することによ
って製造されてきた。製品によっては、さらに加硫を進
めるために得られたシートをオートクレーブ等の中で二
次加硫を行う場合もあった。
【0003】そして従来は、基材繊維として石綿を使用
した石綿ジョイントシートが汎用され、石綿繊維の優れ
た耐熱性や耐薬品性を利用して、水、油、空気、水蒸気
などの配管や機器用のガスケットとして打抜き加工され
使用されてきた。この石綿繊維は、無機繊維でありなが
ら非常に柔軟で高度にフィブリル化しており、石綿ジョ
イントシートは、かかる細く表面積の大きな石綿繊維を
60〜85重量%程度含み、石綿繊維がジョイントシート中
に十分に分散、密着した状態となっているために、積層
したシート表面は平滑でフランジとのなじみも良く、低
い締付け面圧でも良好なシール性を長期間にわたって保
持していた。
【0004】ところが石綿繊維は天然鉱物であり資源の
枯渇が心配されることや採掘費の高騰により入手が難し
くなる状況等があり、最近では石綿繊維を全く使用せ
ず、石綿繊維以外の繊維を使用したジョイントシート
(以下、NAジョイントシートという)が使用されるよ
うになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車産業等の
分野においては、部品の小型軽量化によってシールすべ
きフランジの肉厚が薄くなり、またフランジの締付けボ
ルトの径が細くかつボルト本数も少なくなる傾向にある
ため、ガスケットに対する締付け面圧を十分にかけるこ
とができなくなってきており、いっそう漏れが生じやす
くなっている。特にNAジョイントシートは、使用され
る基材繊維が太くて剛直なものが多いためシートの表面
に基材繊維の固まりによるウネリが生じ、石綿ジョイン
トシートに比べるとシール性が悪くなりやすいという問
題点があった。
【0006】さらに、NAジョイントシートでは、製造
性等を考慮して基材繊維の量が50重量%以下になってい
ることが多く、石綿繊維が60重量%以上含まれる石綿ジ
ョイントシートとは構造がかなり異なっているため、10
0 〜150 ℃程度の温度で長期間使用すると応力緩和によ
ってシール性が低下し、耐久性にも不安がみられた。そ
こで、潤滑油や燃料油等をシールする場合には、ゴム材
として、スチレンブタジエンゴム(SBR)や天然ゴム
(NR)等、油によって膨潤する種類のゴムを用いて、
シール性能を向上させる工夫を行っているが、使用温度
や締付け面圧等の使用条件によっては漏れが発生し、問
題となることがあった。
【0007】本発明の目的は、上記問題を解決するため
に、低い締付け面圧で使用しても長期間にわたって高い
シール性を保持する油膨潤タイプのNAジョイントシー
トを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、基材繊維、ゴム材、充填材及び
ゴム薬品からなる組成物で構成されるジョイントシート
において、ゴム材としてスチレン含有量が30%以上のス
チレンブタジエンゴム(以下、ハイスチレンSBRと略
する)を用いることを要旨とする。
【0009】請求項2の発明は、基材繊維、ゴム材、充
填材及びゴム薬品からなる組成物で構成されるジョイン
トシートにおいて、ゴム材として溶液重合法により製造
したスチレンブタジエンゴム(以下、溶液重合SBRと
略する)を用いることを要旨とする。
【0010】本発明は、基材繊維、ゴム材、充填材及び
ゴム薬品からなる組成物を溶剤とともに混練して得たジ
ョイントシート形成用組成物を、熱ロールと冷ロールか
らなる一対のロール間に投入し、熱ロール側へ所定の厚
さまで積層させた後、熱ロールから剥離して製造するジ
ョイントシートにおいて、上記ゴム材としてハイスチレ
ンSBRまたは溶液重合SBRを用いるものである。
【0011】そして、得られたシートは、熱ロール上で
の加硫に加えてギヤオーブン、オートクレーブ等により
二次加硫を行い、上記ゴムの加硫度を上げることが望ま
しい。
【0012】ここで、本発明のジョイントシートに使用
するハイスチレンSBRとは、#1500等の代表的な
乳化重合SBRのスチレン含有量が23.5%であるのに対
して結合スチレン量が30%以上となっており、比較的樹
脂的性質が強いものである。また、溶液重合SBRと
は、触媒を用いてスチレンとブタジエンを有機溶剤中で
溶液状態において共重合して得られるSBRであり、ス
チレンの結合様式やブタジエン部分の構造に特徴のある
ものを作ることができ、乳化重合SBRと違ってゴム中
に界面活性剤が含まれていない。
【0013】なお、本発明に使用するゴム材としては、
上記ハイスチレンSBR、溶液重合SBRをそれぞれ単
独で使用することができるとともに両者をブレンドする
ことや溶液重合法で作ったハイスチレンSBRが使える
ことはいうまでもない。また、それ以外の天然ゴム、イ
ソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アク
リルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、シリコ
ーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン
酢ビゴム、塩化ポリエチレン、塩化ブチルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、ニトリルイソプレンゴム等も油膨潤
特性等に悪影響を与えない程度ならばブレンドすること
ができる。そして、このジョイントシート中のゴムの量
は、シートの柔軟性や圧縮性を高めるために10重量%以
上、好ましくは15重量%以上とする。
【0014】本発明に使用する基材繊維としては、アラ
ミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、セルロース繊維等のフィブリル化した繊維が望ま
しい。また、これ以外にロックウール、カーボン繊維、
ガラス繊維、セピオライト、セラミック繊維、溶融石英
繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融珪酸アルミナ繊維、
アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素
繊維、チタン酸アルカリ繊維、ウォラストナイト、ウィ
スカー、ボロン繊維、金属繊維等の無機繊維や、芳香族
ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊
維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール
繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ尿素繊維、ポリウレタ
ン繊維、ポリフルオロカーボン繊維、フェノール樹脂繊
維等のフィブリル化していない有機繊維を併用して用い
ることもできるが、耐熱性の点からは、無機繊維の併用
の方が望ましい。
【0015】本発明に使用する充填材としては、カオリ
ナイト、カーボンブラック、ホワイトカーボン、クレ
ー、タルク、硫酸バリウム、重炭酸ナトリウム、マイ
カ、グラファイト、セリサイト、焼成クレー等を単独若
しくは2 種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】本発明に使用するゴム薬品としては、硫
黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化物、ジニトロ
ソベンゼン等の加硫剤、ポリアミン系化合物、アルデヒ
ドアミン系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバミ
ン酸塩系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾー
ル系化合物、グアニジン系化合物、チオウレア系化合
物、キサントゲン酸塩系化合物等の加硫促進剤や、老化
防止剤、スコーチ防止剤、可塑剤、着色剤等従来ジョイ
ントシート形成用ゴム薬品として公知のゴム薬品が広く
用いられる。
【0017】
【作用】本発明者らは、従来より低締め付け面圧におけ
るNAジョイントシートのシール性を向上させるための
研究を行っており、潤滑油や燃料油等をシールする場合
は、油膨潤タイプのものが有効であることが判っていた
が、シール性や耐久性の点で石綿ジョイントシートと同
等の性能にまでは到っていなかった。
【0018】そこで本発明者らは、NAジョイントシー
トの配合のうち、ゴム量について見直しを行った結果、
ゴム量を多くすることによって柔軟で圧縮率が大きくな
り、シール性を改善できることが判った。ところが、ゴ
ム量を多くすると初期のシール性は良くなるものの、ゴ
ムが応力緩和することによって長期間のシール性に不安
が残ることが判明した。また、ゴム量が多くなると混練
材料が軟らかくなり、ジョイントシートを製造する際
に、冷ロール側に材料が付着する現象が発生し、これを
防止するためにロール上に水を散布すると、その一部が
シート中に残り製造したジョイントシートの内部に気泡
が発生するという問題も発生し、製造性が非常に悪くな
る。
【0019】そこで、ゴムの種類について鋭意検討を行
ったところ、SBRの種類を通常使用される乳化重合の
#1500等から結合スチレン量の多いハイスチレンS
BRに変更すると、冷ロールへの材料の付着が少なくな
り、性能的にも応力緩和率が著しく改良されることを見
いだした。これは、ゴム中の結合スチレン量が多くなる
と、樹脂的性格が強くなるため、混練材料の粘着性が少
なくなり、冷ロールに付着しにくくなるため製造性が改
良され、物性も向上するのではないかと推定している。
【0020】また、ゴム材を溶液重合SBRに変更する
と、製造性が改善されることに加え物性的にも圧縮率が
大きくなり、応力緩和率もさらによくなることが判っ
た。これは、溶液重合SBRには界面活性剤が含まれて
いないので、ゴムと繊維や充填材との接着が良くなるこ
とやゴムの分子構造が異なることに起因しているのでは
ないかと考えている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこの実施例により限定される
ものではない。
【0022】実施例1 ゴム素練りロールによって 0.2mmの厚さに薄だし処理
をしたハイスチレンSBR(日本合成ゴム(株)製、J
SR0202:結合スチレン量46%)を所定量計量した
後、300 重量部のトルエンに浸漬し、24時間放置して十
分に膨潤させた。
【0023】次に、表1の実施例1に示す配合の基材繊
維、ゴム薬品および充填材とともにヘンシェルミキサー
にて80分間混練した。そしてこの混練材料を150 ℃に加
熱された熱ロールと、20℃に保たれた冷ロール間に投入
しながら加圧加硫成形した後、オートクレープ内で130
℃,3 時間の二次加硫を行い、厚さ 1.5mmのNAジョ
イントシートを得た。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 ゴム材として溶液重合SBR(日本合成ゴム(株)製、
JSR SL552)を用いる以外は実施例1と同様の
配合材料を用いて、実施例1と同様に製造し、厚さ 1.5
mmのNAジョイントシートを得た。
【0026】比較例 ゴム材として乳化重合SBR(日本合成ゴム(株)製、
JSR 1500)を用いる以外は実施例1と同様の配
合材料を用いて、実施例1と同様に製造し、厚さ 1.5m
mのNAジョイントシートを得た。
【0027】実施例1,2および比較例のNAジョイン
トシートの製造性および物性を表2に示す。なお、NA
ジョイントシートの引張強さ、圧縮率、応力緩和率は、
JIS R3453に準じて測定し、シール性に関して
は、外径100 mm、内径80mmのリング状に打抜き加工
した試料を2 枚のフランジ間に挟み、面圧20kgf/c
2 になるように締め付けた後、内部をASTM N
o.3オイルで満たしてから内圧5.0 kgf/cm2
加圧し、漏れが発生するまでの時間を目視で測定した。
【0028】
【表2】
【0029】試験の結果、実施例1、2はいずれも製造
性が良好であり、耐久性の目安となる応力緩和率や、シ
ール性が比較例より優れていることがわかる。また、実
施例2は、応力緩和率がさらに良好になるとともに圧縮
率も比較例に比べて格段に優れている。比較例は、製造
性が悪く、シート内部に気泡が発生した。
【0030】
【発明の効果】以上述べたところから、本発明により得
られたジョイントシートは、シール性および耐久性が良
好で、低締付け面圧で使用される油膨潤タイプのNAジ
ョイントシートとして好適であることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材繊維、ゴム材、充填材及びゴム薬品
    からなる組成物で構成されるジョイントシートにおい
    て、ゴム材としてスチレン含有量が30%以上のスチレン
    ブタジエンゴムを用いることを特徴とするジョイントシ
    ート。
  2. 【請求項2】 基材繊維、ゴム材、充填材及びゴム薬品
    からなる組成物で構成されるジョイントシートにおい
    て、ゴム材として溶液重合法により製造したスチレンブ
    タジエンゴムを用いることを特徴とするジョイントシー
    ト。
JP9663697A 1997-03-31 1997-03-31 ジョイントシート Pending JPH10279920A (ja)

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JP9663697A JPH10279920A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 ジョイントシート

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ID=14170328

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02