JPH10279829A - 撥水性複合粒子およびこれを用いた撥水性材料 - Google Patents

撥水性複合粒子およびこれを用いた撥水性材料

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JPH10279829A
JPH10279829A JP8841297A JP8841297A JPH10279829A JP H10279829 A JPH10279829 A JP H10279829A JP 8841297 A JP8841297 A JP 8841297A JP 8841297 A JP8841297 A JP 8841297A JP H10279829 A JPH10279829 A JP H10279829A
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water
repellent
silica
ptfe
composite particles
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JP8841297A
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Mitsuya Ohashi
満也 大橋
Hiromi Sugimoto
博美 杉本
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性に優れた撥水性複合粒子の提供。 【解決手段】 水に対する湿潤熱が6〜500mJ/m
2の範囲にある基材粒子に、低分子量PTFEを被覆し
てなる撥水性複合粒子で、該基材粒子が、シリカ、マイ
カ、カーボンブラック、活性炭のうち少なくとも1種類
以上からなる撥水性複合粒子である。また、基材表面に
接着層を介して、当該撥水性複合粒子よりなる粗面を形
成し撥水性材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性に優れた撥
水性複合粒子とこれを用いて基材表面に撥水層を形成し
た撥水性材料に関するものである。
【0002】
【従来技術】フッ素系樹脂は優れた撥水性を有し防水、
防汚等を目的として多くの分野で実用化されている。し
かしながら、フッ素系樹脂の中でも比較的撥水性の高い
PTFEでさえ、表面に付着する水滴を完全に防止する
ほどの撥水効果はなく、その表面に水滴を残し、そこに
付着するダスト等により表面が汚染されてその撥水効果
が著しく低減されるような問題点がある。このような問
題に対して、撥水表面を粗面化することにより撥水性を
更に向上させ、撥水効果を高める方法が考案されてい
る。すなわち、PTFE表面を熱処理することにより粗
面化する方法(特開平7−145253号公報)、塗膜
やメッキ中にPTFE粒子を分散させた材料(特開平4
−283268号公報、特開平6−122838号公
報)等が開示されている。しかしながら、これらの材料
は、いずれも表面の凹凸を機械的強度の低いPTFEで
形成しているため、摩擦などに対する耐久性が低いもの
となる。撥水性粒子の機械的強度を改善するためには、
PTFEより機械的強度の大きい粒子上にPTFEを被
覆、複合化することが考えられるが、基材がPTFEで
完全に覆うことは難しく、基材の影響が撥水性に現れる
ため、PTFE単独より撥水性が低く、また長期にわた
る耐水性が問題となる。
【0003】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者らは、
かかる従来技術の問題点に鑑み鋭意検討の結果、特定の
基材粒子に低分子量PTFEを被覆した粒子と被覆層と
からなる複合撥水性粒子を用いることにより、本発明に
到達したものである。
【0004】すなわち本発明は、水に対する湿潤熱が、
6〜500mJ/m2の範囲にある基材粒子に、低分子
量PTFEを被覆してなる撥水性複合粒子、および、基
材表面に接着層を介して、該撥水性複合粒子よりなる粗
面が形成されていることを特徴とする撥水性材料をそれ
ぞれ提供するものである。
【0005】本発明によれば低分子量PTFEと基材粒
子との密着性が高い撥水性複合粒子が得られることに加
え、たとえ低分子量PTFEが基材粒子を覆っていない
部分があっても吸水劣化する割合が小さく、長期間にわ
たる耐水性が確保される。
【0006】本発明において使用する基材粒子として
は、水との親和力に関連のある湿潤熱ができるだけ小さ
い材質が好ましいが、PTFEの湿潤熱6mJ/m2
下の材料を用いる場合は、この基材単体で用いる方が撥
水性が高くなる。したがって、具体的にはシリカ、マイ
カ、カーボンブラック、活性炭等の湿潤熱が6〜500
mJ/m2の範囲にある基材粒子が使用される。これら
の基材のうちシリカ以外は着色しており、塗料等の用途
には白色のシリカが好ましい。また、湿潤熱は、サーミ
スターによる直接測熱方法により測定した。
【0007】一般にシリカは、その製法により湿式法の
シリカゲル、ホワイトカーボン、および乾式法のシリカ
(いわゆるアエロジル)の3種類に分類されるが、ホワ
イトカーボン、乾式法シリカでは、数10〜100nm
の1次粒子が凝集体を形成しており、容易に凝集が解け
るため機械的強度が小さくなり、撥水性複合粒子の基材
として好ましくない。また、シリカゲルではゲル化によ
って2次粒子の強度がある程度高められているが、一般
に多孔質であり、吸湿性に富むため耐水性が低いことが
示唆される。
【0008】本発明者らは、シリカを種々検討した結
果、吸水率が5〜50wt%の範囲のシリカを基材に用
いることで耐水性が良好な撥水性複合粒子を得ることが
できた。吸水率の低いシリカとして疎水性シリカも考え
られるが、疎水性シリカでは耐水性は大幅に改善される
ものの、疎水化処理することでシラノール基が減少し、
1次粒子間の結合が弱くなるため2次粒子の強度低下に
つながり好ましくない。本発明において、最適にはシリ
カゲルを用いるのが好ましい。
【0009】基材と低分子量PTFEとの密着性を高め
るためには、細孔径の小さいもの、すなわち比表面積が
大きく吸油量の小さいシリカ、具体的にはBET比表面
積が500〜3000m2/gの範囲であり、かつ吸油
量が0.15〜1.5ml/gの範囲のシリカを用いる
ことが好ましい。粒径については0.1〜100μmが
好ましく、これ以下の場合は前述したように凝集による
2次粒子を形成し結果的に機械的強度が低下する。ま
た、これ以上の粒径では複合粒子を基材の表面に被覆し
た場合、撥水効果により水は球状になるものの、粒子間
に水滴が入り込み表面より落下しにくくなることもある
ため好ましくない。
【0010】本発明において、使用する低分子量フッ素
樹脂としては、平均分子量が500〜15000、好ま
しくは500〜3000のフッ素樹脂を指し、テロメリ
ゼーション、本出願人が、すでに提案した製造法(特公
平1−49404号公報、特公平6−67859号公
報)等で製造された低分子量PTFE、低分子量FE
P、低分子量PFA、低分子量CTFE等が使用でき
る。特公平1−49404号公報、特公平6−6785
9号公報記載の方法による低分子量フッ素樹脂は、
2、NF3、ハロゲン化フッ化物および希ガスのフッ化
物の少なくとも1種とを接触反応させることにより得ら
れるもので、該低分子量フッ素樹脂の末端基がCF 3
なっている割合が他法による低分子量フッ素樹脂と比較
して多く、撥水性が優れているため好適に使用される。
【0011】本発明における撥水性複合粒子の製造方法
には、本出願人がすでに提案した製造法(特開平7−2
51060号公報)、すなわち、低分子量PTFEが該
低分子量PTFEより機械的強度の大きい粒子上に被覆
されてなる撥水性複合粒子で、低分子量PTFEよりも
機械的強度が大きい一次粒子上に、低分子量PTFEを
被覆した後に解砕および粉砕することを特徴とする撥水
性複合粒子の製造法が好適に用いられる。
【0012】本発明の撥水性複合粒子により、被覆され
る基材の材質や形状は特に限定はなく、一般に塗装が可
能なものであればどのようなものにでも使用できる。ま
た、接着層についてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の
一般の接着や塗装に用いられるものや、耐候性の高いフ
ッ素樹脂が使用できる。その接着層の厚みは使用する複
合粒子の半径以上であることが好ましく、それ以下であ
ると十分な接着強度が得られない。
【0013】以上のようにして得られた撥水性複合粒子
を用いて基材上に撥水層を形成した撥水性材料は、機械
的強度、撥水性ともに高く、長期間にわたる耐水性も確
保できるものである。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はかかる実施例により限定されるものではな
い。
【0015】実施例1〜11、比較例1〜2 実施例、比較例に示した撥水性複合粒子および評価用撥
水性材料(塗膜)は、すべて以下のように調製した。
【0016】平均分子量3000の低分子量PTFEと
基材粒子とを所定の混合比で混合し、350℃で1時間
加熱撹拌した後、室温まで冷却した。得られた複合粒子
を小型粉砕器で粉砕し、固結分を解砕した。なお、低分
子量PTFEとの混合比は、低分子量PTFEが過剰と
ならないように固結の有無を観察して最適化を行った。
【0017】このようにして得られた撥水性複合粒子を
有機溶媒(酢酸ブチル)と1:1の割合で混合分散し、
これにフッ素樹脂液(セントラル硝子(株)製:セフラル
コートA202B(CTFE、ビニルエステル、OH含
有アリルエーテル、酸との共重体))と硬化剤を添加し
十分に混合して撥水性樹脂とした。次に、作成した撥水
性樹脂をアルミ基板上に塗布し、常温で乾燥させ樹脂層
を完全に硬化させた。
【0018】得られた撥水性材料(塗膜)は、それぞれ
以下に示した撥水性試験、耐久性試験、耐水性試験によ
り評価を行った。表1中の各実施例、比較例を特にシリ
カゲルについて比較すると、明らかに本発明の撥水性複
合粒子が耐水性に関して優位性を有することがわかる。
また、湿潤熱の低いものほど撥水性が高く、500mJ
/m2以下の湿潤熱を持つ複合基材では極めて高い撥水
性を示すことがわかる。 [評価方法] 1.撥水性試験 直径2mmの水滴に対する接触角(25℃)を測定し
た。 2.耐久性試験 図1に示した摺動試験機を用いて、塗膜1と摺動面に紙
3を取り付けた棒に、荷重用重り2(約25g/cm2
の負荷)をセットし、100回摺動させた後、撥水性試
験を行い、試験前の接触角と比較した。 3.耐水性試験 純水を入れたビーカーに試験片を浸漬し、30日後の撥
水性試験をそれぞれ行った。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明による撥水性複合粒子を用いるこ
とにより、機械的強度、撥水性ともに高い撥水性材料が
得られ、その撥水性材料は長期間にわたる耐水性を確保
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摺動試験機の概略図である。
【符号の説明】
1 塗膜 2 荷重用重り 3 紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09C 1/40 C09C 1/40 1/56 1/56 // C09K 3/18 102 C09K 3/18 102

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する湿潤熱が6〜500mJ/m
    2の範囲にある基材粒子に、低分子量PTFEを被覆し
    てなる撥水性複合粒子。
  2. 【請求項2】 基材粒子が、シリカ、マイカ、カーボン
    ブラック、活性炭のうち少なくとも1種類以上からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の撥水性複合粒子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシリカが、水に浸漬し
    たときの吸水率が5〜50wt%の範囲であることを特
    徴とする請求項1または2記載の撥水性複合粒子。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のシリカが、BET比表
    面積が500〜3000m2/gの範囲であり、かつ吸
    油量が0.15〜1.5ml/gの範囲であることを特
    徴とする請求項1または2記載の撥水性複合粒子。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のシリカが、シリカゲル
    であることを特徴とする請求項1または2記載の撥水性
    複合粒子。
  6. 【請求項6】 低分子量PTFEの平均分子量が、50
    0〜15000であることを特徴とする請求項1〜請求
    項5記載の撥水性複合粒子。
  7. 【請求項7】 基材表面に接着層を介して、請求項1〜
    請求項6記載の撥水性複合粒子よりなる粗面が形成され
    ていることを特徴とする撥水性材料。
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