JPH10279334A - 人工軽量骨材の製造方法 - Google Patents

人工軽量骨材の製造方法

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JPH10279334A
JPH10279334A JP9085377A JP8537797A JPH10279334A JP H10279334 A JPH10279334 A JP H10279334A JP 9085377 A JP9085377 A JP 9085377A JP 8537797 A JP8537797 A JP 8537797A JP H10279334 A JPH10279334 A JP H10279334A
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firing
temperature
artificial lightweight
raw material
lightweight aggregate
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JP9085377A
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Yoshikatsu Harada
至克 原田
Hiroyuki Hayano
博幸 早野
Hiroaki Matsusato
広昭 松里
Junichi Terasaki
淳一 寺崎
Masami Shirato
正美 白戸
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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    • C04B18/02Agglomerated materials, e.g. artificial aggregates
    • C04B18/023Fired or melted materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B38/009Porous or hollow ceramic granular materials, e.g. microballoons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成物粒体を実質的に融着させることなく、
安定した品質の軽量コンクリートの骨材として使用可能
な人工軽量骨材を与える製造方法を提供する。 【解決手段】 人工軽量骨材用の原料造粒物を焼成(1
次焼成)し;前記1次焼成温度より+50℃低い温度
で、該原料を加熱処理(低温焼成)し;更に、前記低温
焼成温度より高い温度で、前記原料を再度本焼成(2次
焼成)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス質原料等の
骨材原料造粒物を2回の本焼成で焼成・発泡させる軽量
コンクリート用の人工軽量骨材(通常、絶乾比重0.7
〜1.3)の製造方法、および該焼成に好適な焼成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、土地のより一層の有効利用等の観
点から、建築物の超高層化、大規模化の傾向は益々顕著
になってきている。このような超高層ないし大規模の建
築物を実現するためには、該建物の構造物の自重を軽減
することが極めて重要である。この自重軽減の観点か
ら、剛性の低下を最小限に抑制しつつ軽量化を図った超
軽量コンクリートの開発が強く望まれている。
【0003】超軽量コンクリート実現のためには、モル
タルへの気泡の導入とともに、該コンクリートを構成す
る骨材自体の軽量化が極めて重要である。近年では、天
然骨材資源(じゃり、砂等)の枯渇傾向をも考慮して、
良好な特性を有する人工軽量骨材の開発が強く望まれて
いる。
【0004】コンクリートに用いられる人工軽量骨材に
必要な特性として、骨材強度と吸水率が挙げられる。一
般に、骨材強度が大きい程、それを用いたコンクリート
強度も増大する。特に軽量骨材を用いたコンクリートに
おいては、骨材強度が該コンクリート強度に及ぼす影響
は、通常の骨材を用いたコンクリートにおける場合と比
べて、顕著である。
【0005】従来より、人工軽量骨材を製造する一般的
な方法としては、原石を所望の寸法に粉砕し、焼成・発
泡させる方法(非造粒法)と;原石粉末等の粉末混合物
からなる造粒物原料を、パン型造粒機(ペレタイザー)
等を用いて所望のサイズに造粒した後、焼成・発泡させ
る方法(造粒法)とが知られている。後者の造粒法は、
非造粒法に比べて工程は多くなるものの、均質な製品が
得やすいこと、所望の比重および吸水量の調整が容易で
あること等の利点を有するため、広く用いられている。
【0006】上記の造粒法による人工軽量骨材の製造方
法においては、焼成時に造粒物周囲を軟化状態にしつ
つ、発泡剤の作用に基づき造粒物内部から発生する気体
の膨張圧を利用して該造粒物を発泡させることによっ
て、軽量化が図られている。造粒物全体、あるいは少な
くとも表面部分が適度な軟化状態にならないと、その内
部から気体が発生しても発泡に寄与することなく造粒物
の外部へと抜けてしまうため、発泡による空洞が充分形
成されず、したがって所望の軽量化が達成できない。
【0007】他方、このような骨材の製法において、造
粒物表層部の軟化が激しくなると、造粒物の融着に起因
して、良好な粒性を有する製造が困難となる。このよう
な融着を防止する目的で、従来より、珪石紛、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウム等の融着防止剤を添加す
る方法があるが、該融着防止剤の使用のみに基づいて融
着を防ぐには、多量の融着防止剤粉体が必要となる。こ
のように多量の融着防止剤粉体を用いると、製造コスト
の上昇等の問題が生じる。
【0008】一方、吸水率の高い人工軽量骨材は、良好
な軽量コンクリートを得るためには、その使用前に充分
な吸水処理を必要とする。該吸水処理を行わずに軽量コ
ンクリートの骨材として用いた場合には、コンクリート
のフレッシュ性状において練り混ぜ後の急速なスランプ
ロスを発生させたり、あるいはポンプ圧送性が低下する
という施工面の問題をも生じさせることにつながる。更
に、吸水率の高い軽量骨材を用いたコンクリートでは、
凍結融解が繰り返された場合に劣化が生じる可能性があ
る。
【0009】他方、JIS A−1135(1134)
「構造用軽量粗(細)骨材の比重及び吸水率試験方法」
により求めた吸水率が低い骨材であっても、該骨材内部
の気泡が表面まで連通している場合においては、実施工
において、例えばポンプ圧送等の作業時に該骨材に掛か
る圧力に起因して、骨材表面の一部分から水が骨材の内
部に入り込み、上述した吸水率の高い人工軽量骨材の場
合と同様に、スランプロスを発生させたり、ポンプ圧送
性の低下という問題を生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、骨材
の吸水率はコンクリートのポンプ圧送性や耐凍害性に大
きな影響を及ぼすので、これらの改善策としては独立気
泡からなる組織を形成し、飽和吸水率を小さくすること
が、非常に有効な手段と考えられる。ここで、飽和吸水
率とは、骨材を沸騰水中に5時間以上浸漬して連通気孔
全てに吸水させた時の吸水率をいう。
【0011】飽和吸水率の低い骨材を製造するために
は、焼成過程において造粒物の表面を充分に溶融させ、
且つ、該造粒物表層部の過大な発泡を押さえつつ、独立
気泡からなる均一な組織を形成させることが好ましい。
このような骨材を得ようとすると、従来の焼成方法では
原料造粒物(焼成物粒体)の表層部が過発泡となり易
く、焼成物粒体同士の融着や、該粒体の焼成装置への融
着が生じてしまう傾向があった。この場合、得られる骨
材が目的の粒度とならないばかりでなく、焼成設備から
の排出が困難となって焼成設備の運転が不可能であっ
た。これらの理由により、従来の製造法を用いた場合に
は、飽和吸水率の低い人工軽量骨材の製造は困難であっ
た。
【0012】本発明の目的は、焼成物粒体を実質的に融
着させることなく、安定した品質の人工軽量骨材(例え
ば、絶乾比重0.7〜1.3)を与える製造方法を提供
することにある。
【0013】本発明の他の目的は、高強度で低吸水率の
人工軽量骨材を与える製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、本焼成を2回行うこと;すなわち、原料造粒物の焼
成過程において、1次焼成を行った後、一旦焼成物の温
度を下げた加熱処理(低温焼成)を行い、その後焼成温
度を再度上昇させて2次焼成を行うことが、骨材の均熱
化、効率的な焼成・発泡を可能とするのみならず、焼成
物の融着を抑制しつつバラツキの少ない比重を容易に与
え、しかも、骨材強度の向上および飽和吸水率の低減を
可能とすることを見いだした。
【0015】本発明の人工軽量骨材の製造方法は上記知
見に基づくものであり、より詳しくは、人工軽量骨材用
の原料造粒物を焼成(1次焼成)し;前記1次焼成温度
より低い温度で、該原料造粒物(焼成物粒体)を加熱処
理(低温焼成)し;その後、前記処理温度より高い温度
で、前記原料造粒物(焼成物粒体)を再度焼成(2次焼
成)することを特徴とするものである。
【0016】上記した本発明の製造法においては、キル
ン(回転釜、ロータリーキルン)の内側に熱源を配置し
てなる「内熱式キルン」も使用可能であるが、キルンの
外側に熱源を配置してなる「外熱式キルン」の方がより
好適に使用可能である。その理由を以下に述べる。
【0017】内熱式のロータリーキルンを用いた場合に
は、これは、焼成過程で原料造粒物の表面を軟化状態に
する際に、造粒物の焼成帯が比較的短くなるため、造粒
物表面を軟化させ発泡させるには、短時間に高温で焼成
する必要があった。
【0018】この場合、加熱は造粒物表面から内部へ向
かって行わざるを得ないため、造粒物中心部と表層部と
の間に著しい温度差が生じ、この結果、造粒物の中心部
は未発泡状態となり易い一方で、表層部は高温となっ
て、表層部が中心部に比べ気泡が粗大化してしまうなど
過発泡となる傾向がある。このような表層部における気
泡の粗大化は、吸水率を高めるとともに、得られた骨材
に充分な強度(剛性)を付与できない原因となる。 ま
た、内熱式のキルンでは焼成物、得られる焼成物粒体
(骨材)の比重のバラツキの問題が生じ易い。
【0019】これに対して、キルンの外側から加熱を行
う外熱式キルンを用いた場合には、焼成帯を比較的長く
でき、したがって焼成温度を(内熱式キルンの場合よ
り)低くでき、均熱化が図りやすいとともに加熱制御し
易い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載におい
て、量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限
り質量基準とする。
【0021】(人工軽量骨材)本発明の製造法によれ
ば、原料造粒物を焼成発泡させることにより、好適な特
性を有する軽量コンクリート用の造粒型人工軽量骨材を
得ることができる。該人工軽量骨材は、一般に、下記の
特性を有することが好ましい。
【0022】絶乾比重(JIS A−1134および1
135):0.7〜1.3 飽和吸水率:10%以下 圧壊強度(JIS Z−8841):800N以上。
【0023】(原料造粒物)本発明に使用可能な原料造
粒物の種類(化学組成、物理的性状など)は特に制限さ
れない。骨材の高純度化、低吸水率化の点からは、該原
料造粒物としては、ガラス質原料を主体とし、これに発
泡剤と、粘着材とを少なくとも添加してなる配合組成物
からなる原料造粒物が好適に使用可能である。
【0024】(ガラス質原料)上記のガラス質原料とし
ては、骨材の強度、および独立気泡を形成し易い材料の
点からは、例えば、天然の流紋岩系ガラス粉末(火山ガ
ラス粉末)や廃ガラス粉末が好ましい。 流紋岩系ガラ
ス質粉末の具体例としては、真珠岩、黒曜石、マレカナ
イト、坑火石、シラスなどが挙げられ、廃ガラスとして
は、各種ガラス瓶、窓ガラス、ガラス繊維を始め種々の
ガラス製品の廃材が挙げられる。必要に応じて、これら
のガラス質原料の2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0025】(発泡剤)上記の発泡剤としては、ガラス
質原料との組み合わせの点からは、例えば、iC,S
i3N4,AlN,SiAlONのいずれかが好適に使用可
能である。必要に応じて、これらの発泡剤の2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0026】上記した発泡剤の中でも、取り扱いの容易
性および供給コストの実用的観点からは、SiCが特に
好ましく用いられる。上記配合組成物において、配合割
合はガラス質粉末100質量部に対して、発泡剤が0.
1〜2.0質量部、更には0.3〜1.0質量部が好ま
しい。 発泡剤の配合割合が0.1質量部未満では、焼
成物の発泡が不充分となり易い。他方、発泡剤の配合割
合が2.0質量部を超えると、過発泡となり比重や強度
の低下、バラツキを生じ易くなる。
【0027】(粘着材)上記粘着材としては、造粒性お
よび造粒物のハンドリング性の点からは、例えば、デキ
ストリン,ポリビニルアルコール,メチルセルロース,
アクリル系樹脂,ベントナイト,水ガラスのいずれかが
好適に使用可能である。必要に応じて、これらの粘着材
の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】上記した粘着材の中でも、取り扱いの容易
性および供給コストの実用的観点からは、ベントナイト
が特に好ましい。
【0029】上記配合組成物における配合割合は、ガラ
ス質粉末100質量部に対して、通常、粘着材が0.1
〜10.0質量部である。この粘着材の適正な添加率
は、その種類によって異なる場合があり、水溶性高分子
などの有機材料では0.1〜2.0質量部、ベントナイ
トや水ガラスなどの無機材料では1〜10質量部、更に
は3〜7質量部が程度が好適に使用可能である。
【0030】この粘着材は、通常、乾燥および焼成工程
において原料造粒物のハンドリング性を保持するために
添加される。したがって、粘着材の量が少なすぎるとハ
ンドリング性を保持できなくなる。他方、添加する粘着
材の量が多すぎると、造粒過程において多量の水が必要
となり、また製造コスト的にも好ましくない状態とな
る。
【0031】(粒径・粉末度)原料造粒物の粒径は、造
粒物の比重および製造すべき骨材の比重によっても異な
る場合があるが、通常は、焼成し発泡した後の骨材の粒
径がJIS(日本工業規格)に適合する直径5〜15m
mφとなるように造粒を行うことが好ましい。
【0032】原料配合物の粉末度は特に限定されない。
好ましい範囲は、JIS R 5201 「セメントの物
理試験方法」に準じた方法によるブレーン値で2000
〜5000cm2/gである。
【0033】原料配合物の造粒および乾燥方法は、特に
制限されな、公知ないし慣用の装置、手法が使用可能で
ある。
【0034】(焼成方法)本発明においては、原料造粒
物の焼成方法が重要である。すなわち、本発明において
は、人工軽量骨材の原料造粒物を焼成(1次焼成)し;
該原料の温度を前記1次焼成温度より一旦下げて加熱処
理(低温焼成)し、その後、該原料焼成物(焼成物粒
体)の温度を上げて再度焼成(2次焼成)する。換言す
れば、本発明においては、加熱曲線の形(2つの本焼成
の山を有する)が重要である。従来においても、予備焼
成(焼成温度が約800℃以下)を行った後に、「本焼
成」(焼成温度が約900℃以上、特に約1000℃以
上)を行う2段焼成方法はあったが、本発明では、「本
焼成」(用いるガラス質原料およびその粉末度によって
も異なるが、焼成温度が1000℃以上)を少なくとも
2回行うことに特徴がある。
【0035】より具体的には、本発明においては、例え
ば、原料造粒物を表面が半溶融状態になる温度まで昇温
し(1次焼成)、融着をおこす寸前に、一旦温度を下げ
(低温焼成)、更にその後再昇温し本焼成する(2次焼
成)。この2回の本焼成により、焼成過程において、原
料造粒物(焼成物粒体)全体の均一且つ適度な発泡を進
行させることが可能となる。
【0036】(1次焼成)上記の1次焼成における焼成
温度は、原料の種類および1次焼成に要する時間によっ
て異なる場合があるが、原料造粒物(焼成物粒体)が融
着が生じる寸前の(ないしは、融着し始める)温度とす
ることが好ましい。この「融着が生じる寸前の温度」等
は、例えば、(後述するようなキルン等の焼成装置に
「窓」を設ける等により)原料造粒物(焼成物粒体)の
状態をモニターしつつ焼成を行うことによって、経験的
に求めることもできる。
【0037】1次焼成において焼成温度が、融着が生じ
る温度よりあまりにも低いと、目標とする比重を得るた
めに2次焼成の温度を大幅に上げなければならず、骨材
内部の不均一な発泡、骨材同士の融着が生じやすくな
る。このような観点からは、用いるガラス質原料および
その粉末度によっても異なるが、流紋岩系ガラス質原料
では該1次焼成の温度は、キルンのシェル温度を熱電対
で測定して、1000〜1300℃(更には1100〜
1200℃)であることが好ましい。
【0038】(加熱処理/低温焼成)低温焼成(すなわ
ち前記1次焼成から一旦温度を下げての焼成)において
は、温度の下げ幅、すなわち1次焼成の温度T1と、低
温焼成の温TLの差(T1−TL)は、キルンのシェ
ル温度を熱電対で測定して、50〜300℃が好まし
く、特に50〜150℃が好ましいこの(T1−TL)
が50℃未満では、低温焼成における温度低下の効果が
不充分となり易く、方、(T1−TL)が300℃を越
えると、焼成物全体の温度が低下し過ぎる傾向が生じ
て、その後の2次焼成で原料造粒物全体(焼成物粒体)
の均一な発泡が得られ難くなる。
【0039】この低温焼成の時間は、2〜10分(更に
は3〜5分)が好ましい。該時間が2分より短いと、焼
成物粒体の均熱化の効果が不充分となり易い。他方、該
時間が10分より長いと、焼成物(粒体)全体の温度が
低下し、その後の2次焼成で原料造粒物(焼成物粒体)
全体の均一な発泡が得られ難く、また、生産コストの点
からも好ましくない。
【0040】(2次焼成)上記した低温焼成後における
再昇温、すなわち2次焼成ではその焼成温度T2と、前
記の1次焼成温T1の差(T2−T1)が+50℃以
下(更には、焼成温度T2が1次焼成温度T1以下)であ
るように再加熱することが好ましいこの(T2−T1)
が50℃を越えると、原料造粒物(焼成物粒体)全体の
均一な発泡が得られ難く、また焼成物粒体表層部での融
着が進行する傾向が生じ易くなる。
【0041】(保持時間)上記した1次焼成,2次焼成
での保持時間は特に限定されないが、キルンの大きさお
よび長さと、そのキルン回転速度によって異なる場合が
ある。発泡の均一化/効率化のバランスの点からは、上
記した1次焼成で保持しても良いし、保持しなくても良
い。1次焼成の時間は、0(保持なし)〜5分(更には
1〜3分)であることが好ましい。また、発泡の均一化
/効率化のバランスの点からは、上記した2次焼成の時
間は、1〜5分(更には2〜4分)であることが好まし
い。
【0042】本発明では、上記したように焼成工程にお
いて、従来にない加熱曲線パターン(1次焼成と2次焼
成との「2つの本焼成の山」を有する連続加熱曲線パタ
ーン)で焼成することにより、(従来法においては事実
上は必須であったところの)融着防止剤を必須とするこ
となく、比重のバラツキが少なく、しかも高強度で低飽
和吸水率の良質な軽量コンクリート用の骨材を得ること
ができる。
【0043】なお、焼成後の焼成物がJIS A 500
2 「構造用軽量コンクリート」の規定の粗骨材および
細骨材粒度に適合しない場合には、必要に応じて、JI
SZ−8801(標準ふるい)に準拠した篩を用いて篩
い粒度を調整した後に用いればよい。
【0044】(焼成温度)本発明においては、上記「焼
成温度」として、熱電対で測定した焼成装置(キルン
等)のシェル温度を用いる。この焼成温度は、例えば、
下記の条件下で好適に測定可能である。
【0045】<焼成温度の測定条件> 熱電対の種類: Rタイプ 熱電対の具体名:チノー社製 (焼成装置)本発明で用いる焼成装置は特に制限されな
いが、焼成物の均熱化が図りやすく、品質のバラツキを
少なくすることが容易な点からは、前述の通り、内熱式
キルンに比べて、外熱式キルンが好適に使用可能であ
る。
【0046】外熱式キルンを用いた場合、本発明で必要
とする加熱曲線パターンを得ることが容易で、且つ、該
パターンをコントロールしやすいという利点がある。
【0047】本発明で使用可能な外熱式キルンは、前記
加熱曲線パターンが得られる限り特に制限されない。該
キルンとしては、例えば、図1の模式断面図に示すよう
に、2ヶ所に外部加熱源を有するものが好適である。
【0048】外熱式キルンの材質は、1300℃程度の
加熱に耐えうるものであれば特に限定されない。該材質
としては、ステンレス、耐熱鋳鋼などが使用可能である
が、長さの長い外熱式キルンでは耐熱鋳鋼を用いること
が特に好ましい。
【0049】上記したキルンの一旦温度を下げる領域
(低温焼成領域)においては、その領域のバーナー等の
外熱源の本数あるいは火力を調節するか、またはその領
域のバーナー等を全く無すこともあり得る。
【0050】バーナーのない部分には、必要に応じて、
温度が下がり過ぎないよう断熱材で被覆したり、逆に冷
風をあてるなどして、本発明の範囲の焼成温度となるよ
う温度コントロールすることも可能である。
【0051】該キルンの寸法は特に限定されないが、所
望の粒径の骨材を安定して得る点からは、内径が2m以
下程度、長さ8〜16mのキルンを用いることが好まし
い。
【0052】図1(b)に、本発明において好適に使用
可能な外熱式キルンのー態様を示す。図1を参照して、
該キルンは、原料造粒物ないし焼成物の供給方向に沿っ
て配置された、キルン入り口1と、原料造粒物の焼成処
理を行うシェル2と、キルン出口3とからなる。該シェ
ル2の壁面には、原料造粒物ないし焼成物の供給方向に
沿って、シェル温度測定用の熱電対4が複数配置されて
いる。シェル2の両端近傍には、キルンを回転させるた
めのキルンタイヤ5が配置されている。図示したキルン
タイヤ5に加えて、必要に応じて、後述する第2加熱部
(低温焼成部)の近傍に、更にキルンタイヤ(図示せ
ず)を配置してもよい。シェル2の外部には、原料造粒
物ないし焼成物の供給方向に沿って、複数のバーナー焚
き出し口6が配置されており、これらの焚き出し口は、
1次焼成帯に対応する第1加熱部7と、低温焼成領域に
対応する第2加熱部8と、2次焼成帯に対応する第3加
熱部9とに分類される。低温焼成領域に対応する第2加
熱部8を構成するバーナー焚き出し口6aにおいては、
上述したように、バーナー焚き量(本数や火力)を低減
させてもよく、あるいはバーナー焚き出し口そのものを
省略してもよい。
【0053】図1(a)には、上記した図1(b)の原
料造粒物ないし焼成物の供給方向に沿った温度分布(加
熱曲線)の一例を示す。
【0054】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0055】
【実施例】
実施例1〜10、比較例1〜10 <使用材料>以下の実施例、比較例で使用した材料は、
以下の通りである。
【0056】(1)ガラス質粉末: 奥尻産真珠岩 廃ガラス 上記の奥尻産真珠岩及び廃ガラスは、ボールミルを用い
てブレーン値5500cm2/g程度に粉砕した後、使
用した。
【0057】(2)発泡剤: 炭化ケイ素(昭和電工(株)製) 窒化ケイ素(宇部興産(株)製) 窒化アルミニウム(トクヤマ(株)製) (3)粘着材: ベントナイト(豊洋ベントナイト(株)製) 水ガラス(日本化学工業(株)製) デキストリン試薬 (キシダ化学(株)製) ポリビニルアルコール(クラレ(株)製) <配合および原料造粒物の作製>上記使用材料を後述す
る表1に示す配合割合で、よく混合した後、パン型ペレ
タイザーを用い造粒した。
【0058】<乾燥および焼成>次いで、上記の原料造
粒物を、ロータリードライヤーにより、400℃前後の
温度で10分間乾燥した後、JIS規格(JIS Z−
8801)に適合する5mmおよび15mmの篩を用い
て、粗骨材用原料造粒物と細骨材用原料造粒物とに分け
た後、外熱式キルンを使用して、下記表1に示す焼成条
件で焼成を行った。
【0059】用いた外熱キルンの概要を、図1(b)の
模式断面図に示す。焼成温度は焼成時のキルンシェル2
の温度を複数の熱電対4により測定し、1次焼成の焼成
時間は3分間、2次焼成の焼成時間も3分間とした。ま
た、一旦温度を下げて焼成している間(低温焼成)の時
間は3分間とした。低温焼成における温度の下げ幅は、
該焼成に相当するキルンの領域のバーナーを調節するこ
とにより制御した。ここで用いたキルンの内径は1.5
m、長さは18mであった。
【0060】得られた結果を、下記表1にまとめて示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】<骨材の性状の評価>上記により得られた
軽量骨材の個々について、実施例1〜10、にて絶乾比
重、24hr吸水率、飽和吸水率、圧壊強度及び弾性係
数を測定した。
【0065】絶乾比重及び24hr吸水率は、JIS A
1135「構造用軽量粗骨材の比重及び吸水率試験方
法」に準じて測定した。飽和吸水率は、骨材を5時間以
上煮沸した後、24hr吸水率同様に吸水率を測定し
た。圧壊強度は、オートグラフ((株)島津製作所
製)を用い測定した。なお、圧壊強度には、粒径が14
mmφを50個測定し平均値とした。
【0066】弾性係数とは、骨材の剛性を示す値であ
り、圧壊強度の値を骨材破壊時の変位量で除した値とし
た。これらの特性値の測定方法の詳細については、例え
ば、JIS Z−8841(造粒物強度試験方法)を参
照することができる。
【0067】得られた結果を、前記表1にまとめて示
す。
【0068】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、人工軽
量骨材用の原料造粒物を焼成(1次焼成)し;前記1次
焼成温度より低い温度で、該原料を加熱処理(低温焼
成)し、更に、前記加熱処理温度より高い温度で、前記
原料造粒物(焼成物粒体)を再度本焼成(2次焼成)す
る人工軽量骨材の製造方法が提供される。
【0069】本発明の人工軽量骨材の製造方法によれ
ば、焼成工程において融着防止剤を必須とせずに、焼成
物粒体を実質的に融着させることなく、品質の安定した
ものが得られる。本発明の製法によれば、強度が高く飽
和吸水率も低い骨材が容易が得られるため、該骨材は、
軽量コンクリート用骨材として好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の人工軽量骨材の製法に
おいて好適に使用可能な加熱パターンを模式的に示すグ
ラフである。図1(b)は、本発明の人工軽量骨材の製
法において好適に使用可能な外熱式キルンの一態様を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1…キルン入り口、2…シェル、3…キルン出口、4…
熱電対、5…キルンタイヤ、6…バーナー焚き出し口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白戸 正美 埼玉県川越市伊勢原町5−5−3−4− 701

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工軽量骨材用の原料造粒物を焼成(1
    次焼成)し;前記1次焼成温度より低い温度で、該造粒
    物を加熱処理し;更に、 前記加熱処理温度より高い温度で、該造粒物を再焼成
    (2次焼成)することを特徴とする人工軽量骨材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記加熱処理時の温度が、前記1次焼成時
    の温度より50〜300℃低い請求項1記載の人工軽量
    骨材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記2次焼成時の温度が、前記1次焼成時
    の温度T1を基準として(T1+50℃)以下である請求
    項1または2記載の人工軽量骨材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記1次焼成を、原料造粒物が融着をお
    こす寸前ないしは融着し始める焼成温度で、半溶融状態
    になるように焼成する請求項1〜3のいずれかに記載の
    人工軽量骨材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原料造粒物が、ガラス質原料を主体
    とし、それに発泡剤および粘着材を添加してなる請求項
    1〜4のいずれかに記載の人工軽量骨材の製造方法。
  6. 【請求項6】 外熱式キルンを用いて前記原料造粒物を
    焼成する請求項1〜5のいずれかに記載の人工軽量骨材
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記外熱式キルンが、第一焼成帯、低温
    焼成帯(焼成物粒体の加熱処理部)、第二焼成帯の3つ
    のゾーンを少なくとも含む請求項6記載の人工軽量骨材
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記外熱式キルンの材質が、ステンレス
    または耐熱鋳鋼である請求項6または7に記載の人工軽
    量骨材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ガラス質原料が、流紋岩系ガラス質
    粉末もしくは廃ガラス粉末であり;発泡剤がSiC,S
    34,AlN,SiAlONのいずれかであり;且つ、
    粘着材がデキストリン,ポリビニルアルコール,メチル
    セルロース,アクリル系樹脂,ベントナイト,水ガラス
    のいずれか、あるいはこれらの組み合わせである請求項
    5記載の人工軽量骨材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ガラス質原料と発泡剤との配合割
    合が、ガラス質原料100質量部に対して発泡剤が0.
    1〜2.0質量部で、且つ粘着材が0.1〜10.0質
    量部である請求項5記載の人工軽量骨材の製造方法。
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