JPH1129353A - 施釉発泡軽量タイルの製造方法 - Google Patents

施釉発泡軽量タイルの製造方法

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JPH1129353A
JPH1129353A JP19800997A JP19800997A JPH1129353A JP H1129353 A JPH1129353 A JP H1129353A JP 19800997 A JP19800997 A JP 19800997A JP 19800997 A JP19800997 A JP 19800997A JP H1129353 A JPH1129353 A JP H1129353A
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JP
Japan
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glaze
tile
base material
buffer layer
foaming agent
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JP19800997A
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Masahito Sakakibara
雅人 榊原
Kiyoshi Nakamura
清志 中村
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Inax Corp
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Inax Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/02Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding chemical blowing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイル基材と釉薬との膨張率の違いによる施
釉面の貫入及び面反りがなく、かつ天然石に近い外観を
持つ見栄えの優れた発泡軽量タイル製造技術の提供。 【解決手段】 発泡剤を含有する坏土を加圧成形したタ
イル基材の表面に、発泡剤が含有されていないか、その
含有量が坏土より少量である点を除き、この坏土と同様
の組成からなる緩衝層を配置し、その上に釉薬層を形成
した後焼成して施釉発泡軽量タイルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に壁材及び屋根
材などの建築仕上げ材等として好適な軽量で、かつ耐久
性に富んでいて、また使用する釉薬に制限を受けること
のない、古風あるいは天然石風で見栄えのある施釉発泡
軽量タイルを簡便な手段で製造する技術を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】発泡タイルは、軽量で、断熱性及び耐久
性に優れた建築仕上げ材であるとともに、また軽量であ
るということから、同時に作業性に優れ、駆体構造にか
かる荷重の低減も図れるというメリットがあり、以前か
ら多くの研究開発が行われている。その中には、表面に
釉薬を施す場合と施さない場合の二つの場合があり、前
者の施釉する場合は、見栄えを良くすることができると
ともに、耐水性等の耐久性も向上する。以上のとおりで
あるから、前者は後者に比しメリットがあり、この製品
を簡便かつ効率的な方法で製造することができる技術の
開発が望まれている。
【0003】前記したメリットがある一方で、製造する
に当たっては、加熱発泡して製造した軽量体を一旦冷却
した後、その表面に釉薬を塗布した後、再度加熱し、釉
薬をセラミック表面に焼き付ける手法が採られていた。
そのために、加熱は、発泡のためと、釉薬焼き付けのた
めに2段階に分けて実施されていた。その結果、使用す
る燃料の使用量が多くなり、エネルギーコストが高く、
不経済であり、その上製造法は複雑なものとなってい
た。
【0004】そこで、施釉発泡軽量タイルの製造方法に
おいて、エネルギーコストが低く、簡便な製造方法の開
発が期待されており、既にこれに関する技術の開発も行
われている。かかる技術の提案には、例えば特開平6ー
88849号公報および特開平6ー321654号公報
等の技術がある。特開平6ー88849号公報に記載の
技術は、本発明同様、施釉した発泡タイルを製造する際
に、加熱処理を一段階で行うものであって、かつ、釉薬
類の溶融焼付時の亀裂の発生を回避しようとするもので
ある。そのためにセラミック発泡層の上に塗布する釉薬
を造粒したものを使用することを特徴するものである。
【0005】また特開平6ー321654号公報の技術
も、本発明及び前記した技術同様、施釉した発泡タイル
を製造する際に、加熱処理を一段階で行うものである。
そして、この技術においては、浴室の床や壁で使用する
断熱性及び耐水性が良好で、かつ品質が良く、デザイン
的にも優れたタイルを提供しようとするものである。そ
して、この技術では、発泡剤を除き成形体と同組成の釉
薬を使用して、釉薬と成形体との間の熱的挙動の差によ
る製品表裏における寸法差の発生を回避しようとするこ
とも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開平6ー8
8849号公報の技術にも、本発明同様釉薬類の溶融焼
付時の亀裂の発生を回避しようとする意図はあるもの
の、それを回避するために採用した手段からして、釉薬
としては成形体と同様の組成を採るしかなく、その結果
使用できる釉薬の組成が限定され、見栄えの向上という
点では十分なものではなかった。
【0007】また特開平6ー321654号公報に記載
の技術は元来浴室用のタイルであって、ノンスリップ性
及びデザイン性等を狙ったものである。そこには、前記
したとおり特開平6ー88849号公報の技術と同様、
釉薬と成形体、すなわちタイル基材との間の熱的挙動の
差による製品表裏における寸法差の発生を回避するため
に、釉薬と成形体を同組成にすることも記載されてい
る。さらに釉薬と成形体の間に磁器タイル粉砕品を少量
撒くことも記載されている。しかしながら、その意図は
明らかでなく、また使用している釉薬の組成に関して
も、明らかでない。
【0008】以上のとおりであるから、両公報に記載の
釉薬とタイル基材との間の熱的挙動の差による亀裂の発
生を回避するための手段は、あくまで釉薬の組成をタイ
ル基材と同様のものとする範囲のものである。その結
果、使用できる釉薬の組成は限られ、見栄えのある、す
なわち、外観の優れたものを得るという点では充分なも
のではなかった。そこで本発明ではタイル基材と釉薬と
の膨張率の違いによる施釉面の貫入及び面反りを回避す
ると同時に、合わせて天然石に近い外観等、特に見栄え
の優れた発泡軽量タイルを製造する技術を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の優れた
特性を有する施釉発泡軽量タイルを簡便な手法で製造す
る技術を提供するものであり、それは、発泡剤を含有す
る坏土から形成されたタイル基材の表面に、発泡剤が含
有されていないか、その含有量が坏土より少量である点
を除き、この坏土と同様の組成からなる緩衝層を配置
し、その上に釉薬層を形成した後焼成することを特徴と
するものである。
【0010】そして、本発明では、この手法を採用した
ことにより、加熱処理を一段階で行うことができるとと
もに、タイル基材と釉薬との膨張率の違いによる施釉面
の貫入及び面反りを回避することができる施釉発泡軽量
タイルを製造することができるのである。またそれと同
時に天然石に近いあるいは古風な外観の風合い及び見栄
えの優れた施釉発泡軽量タイルを製造することができ
る。またその製造法は簡便なもので、かつエネルギーコ
ストも低くく優れたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する発泡剤を含有す
る坏土としては、粘土質鉱物と、天然ガラス及び/又は
長石とを混合したものに少量の炭化珪素(SiC)等の
発泡剤からなるものである。天然ガラスとしては、たと
えば牧珪砂、伊勢珪砂、杭火石、流紋岩、真珠岩、黒曜
石及びシラス等が使用できる。また粘土質鉱物として
は、例えば蛙目粘土及び陶石等がある。さらにタイル中
に小さな空隙を形成するために使用する発泡剤として
は、炭化珪素、窒化珪素等が例示できるが、これに限ら
ず焼結温度で分解してガスを発生するものは使用でき
る。
【0012】粘土質鉱物と天然ガラス等の鉱物(すなわ
ち天然ガラス及び/又は長石)との混合比率について
は、広範な範囲で選択可能であり、粘土質鉱物は、この
両者の合計100重量部のうちの20重量部以上とする
ことが好ましく、それに対して天然ガラス等の鉱物は8
0重量部未満に抑えることが好ましいが、この範囲に限
られるわけではない。また、粘土質鉱物の含有量が増加
するにしたがい製造されたタイルの嵩比重が増加するの
で、軽量のタイルを特に望む場合には粘土質鉱物の少な
い組成を選択するのがよい。
【0013】SiC等の発泡剤の含有量は、粘土質鉱物
と天然ガラス等の鉱物の合計量100重量部に対して、
0.01〜2.0重量部含有せしめるのがよい。この含
有量が多い方が嵩比重の小さなものが製造できる。以上
のことからわかるように、製造するタイルの嵩比重は、
粘土質鉱物あるいは発泡剤の含有比率によって調整する
ことが可能である。
【0014】そして、これ以外に、廃ガラスを天然ガラ
ス等の鉱物と粘土質鉱物の合計100重量量に対して0
〜20重量部使用することも可能であり、さらに着色の
ために顔料を加えることも可能である。なお前記した色
付けのための顔料の使用は原料中への練り混みでもよい
し、原料造粒物の表面にコーティングする方法で行って
もよい。また本発明で使用する発泡剤を含有する坏土
は、造粒物あるいは非造粒物の何れでもよいが、造粒物
の方が好ましい。発泡剤を含有する坏土原料は、ボール
ミル等で細磨後に乾燥し、好ましくは造粒する。その際
には、造粒後の粒径は0.5〜1.5mmにするのがよ
い。
【0015】この坏土などの焼結原料の細磨は、適正な
粒径に粉砕するために行うものであり、粉砕後の粒径
が、好ましくは80メッシュアンダー、すなわち80メ
ッシュの篩いの目より細かい粒径のものがよく、より好
ましくは100メッシュアンダーの粒径のものが良い。
また粉砕は各原料を個別に粉砕してもよいし、全原料を
混合後粉砕してもよく、好ましくは、各原料を個別に粉
砕し、ある程度細かい粒径にしてから全原料を混合して
粉砕するのが良い。
【0016】乾燥には、各種の乾燥機が使用可能である
が、乾燥と造粒が同時にできることから、スプレードラ
イヤーによるのが好ましい。造粒にも、各種の造粒機が
使用可能であるが、デシンターが好ましい。更に坏土と
しては、発泡剤を含有する坏土単独のみでなく、その一
部を発泡剤を含有しない坏土に置き換えることも可能で
あるが、その場合には、どちらかの坏土を造粒したもの
とすることが必要である。
【0017】このようにして得た造粒粉は、緩衝層を配
置する前に乾式成形機によりタイル基材である板状体に
形成される。乾式成形機としては、プレス成形機が好ま
しく使用され、加圧の圧力は150〜300kgf/c
2 がよい。板状体の厚さ及びサイズは、それぞれ0.
5〜6cm及び0.25〜900cm2 程度のものが製
造可能である。その形状は、正方形、長方形、楕円形等
の各種のものが採用でき、また正方形、長方形の4隅を
面取りした形状も採用できる。
【0018】緩衝層は、釉層を存在させた場合に起こる
タイルの焼成時における貫入または面反りの発生を回避
するために新たに設けたものであり、この点が本発明の
最大の特徴点である。すなわちタイル基材は焼成時に発
泡により膨張するのに対し、釉薬層は収縮し、その結果
緩衝層を存在させない従来のタイルにあっては、貫入あ
るいは面反りが発生するという問題がある。
【0019】本発明では、この層を新たに設けたこと
で、この層の存在によって、タイル基材と釉層間の熱的
挙動差を緩和することができ、この問題を回避するもの
である。また該熱的挙動差を回避するための層を釉層と
は別層としたことで、釉層の釉薬を任意なものを選択す
ることができ、その結果外観に優れたタイルを製造する
ことができる利点がある。
【0020】緩衝層の組成は、SiCなどの発泡剤を全
く存在させないか、存在させる場合には、タイル基材の
含有量より少量とする点を除いたら該基材と同様の組成
とする。すなわち牧珪砂、伊勢珪砂、杭火石、流紋岩、
真珠岩、黒曜石及びシラス等の天然ガラスあるいは長石
等の鉱物と、蛙目粘土及び陶石等の粘土質鉱物とから主
としてなるものである。そして基材上への緩衝層の配置
は基材部分を成形した後に行う。
【0021】緩衝層に使用する原料は、造粒物および非
造粒物の何れでもよいが、第一の目的である施釉面の貫
入および面反り等を回避するためには造粒物が好まし
い。その際の粒径は1.0mm以下がよい。1.0mm
を超えると造粒物の個別粒子の凸部によって平滑な面が
得られにくく、好ましくない。また緩衝層の厚さは1.
5〜3.5mm程度がよい。このような厚さを選択して
も、タイル基材表面に凹凸が存在することから、緩衝層
の厚さも不均一となり、その結果タイル基材、緩衝層お
よび釉薬層が協働して、独特の色あるいは風味が発現
し、天然石に近い風合いがでる。
【0022】釉薬は、緩衝層配置後、その表面に施釉す
る。釉薬としては、長石−蛙目釉、亜鉛−石灰釉あるい
はアルミナ釉等の各種のものが使用できる。この発明で
は釉薬とタイル基材の間に熱的挙動差を緩和することの
できる緩衝層を配置したことから、釉薬に任意の組成が
選択でき、その結果優れた外観のタイルを製造すること
ができる。
【0023】そして、そればかりではなく、前記したこ
とからわかるように釉薬も緩衝層同様その表面に均一に
分布するというわけにはいかず、基材、緩衝層及び釉薬
層の色がそれぞれ表面に発現し、その結果それぞれの持
ち味が生かされて、独特の色あるいは風味が発現し、天
然石に近いあるいは古びたレンガ風の風合いがでる。さ
らにより外観を重視する場合には、タイル基材表面に凹
凸を形成する手段等を積極的に採用して、見栄えの向上
を図ることもできる。なお緩衝層原料には、10重量%
程度までの廃ガラス粉及び少量の顔料を混入してもよ
い。
【0024】特に積極的に外観を重視する際に採用する
手段としては、緩衝層を厚くする、緩衝層及び釉薬成分
塗布後にその表面の一部を拭き取る、成形体の基材表面
をショットブラストあるいはサンドブラスト等の処理を
した後緩衝層を形成するかあるいは更にそれに釉薬成分
を配置後にその表面の一部を拭き取る等の処理をするこ
とによって、より外観を重視したタイルを製造すること
ができる。
【0025】厚盛りにする場合は、図1に示すように緩
衝層2を3mm前後の厚さにすることが必要である。こ
のように厚くすることで、基材表面の凹凸を緩衝層2が
吸収し、成形体表面が平滑になる。その結果、基材と釉
薬層1間の熱的挙動差を緩和する性能を充分に発揮する
ことができ、基材の組成に影響を受けることなく、釉組
成を選択することができ、任意の風合いのある加飾を行
うことができる。
【0026】なお図1においては、基材は発泡剤を含有
する原料粒4とそれを含有しない原料粒3とが混在した
ものを使用している。そこにおいて、発泡剤を含有する
部分は、焼成前では小さな点が存在する部分が該当し、
その小さな点が発泡剤を示している。焼成後は発泡剤が
ガス化して、小さな空洞(小さな点及び小丸が該当す
る)が形成され、その結果発泡剤を含有する部分は膨張
する。また、このことは他の図においても同様である。
【0027】
【図1】
【0028】第2番目の拭き取りによる手法を採用する
場合は、図2に示すように成形後に形成された凹部には
厚い緩衝層2ができるとともに、凸部では拭き取りによ
り、釉薬層(釉層)1および緩衝層2が剥ぎ取られるこ
とになる。その結果、基材、緩衝層2および釉層1の3
者が表面に露出することになり、それぞれが独自の色を
発現することになって、表情豊かな風合いのある外観の
タイルが形成される。このことは、図2を参照するとよ
り明らかになる。
【0029】すなわち、焼成後において、周囲を丸で囲
まれたAの部分は、基材、釉及び緩衝層の3者がそれぞ
れ存在する部分であり、それぞれの色がはっきり反映す
るところである。他方Bの部分は平滑な面に釉が局部的
にかかっている部分であり、これらの異なった特徴のあ
る部分が混在することにより、外観が優れたものとな
る。なお拭き取りには、回転するスポンジやブラシ等を
表面に当てて、釉層及び緩衝層の一部を拭き取る。
【0030】
【図2】
【0031】ショットブラストあるいはサンドブラスト
などの微細粒子をタイル基材表面に衝突させる処理を行
った場合は、この処理によって図3に示すように表面に
凹凸を形成し、その後に緩衝層2を形成する。その結
果、凹部では緩衝層成分が厚くなり、各所における緩衝
層2の厚さの違いと、その表面に形成された釉層1とが
協働して、外観に影響を与えることになり、表情豊かな
風合いのある外観のタイルが形成される。またこの場合
にも緩衝層2の表面に形成される釉層1を拭き取ること
によって、釉層1も不均一となって、一層外観が表情豊
かな風合いのタイルが製造できる。
【0032】これらのことは、図3を参照するとより明
らかになる。すなわち、焼成後において、周囲を丸で囲
まれたAの部分は、基材、釉および緩衝層の3者がそれ
ぞれ存在する部分であり、それぞれの色がはっきり反映
するところである。またBの部分は平滑な面に釉が局部
的にかかっている部分であり、かつCの部分はブラスト
の細かい凹凸がでる部分であり、これらの異なった特徴
のある部分が混在することにより、外観が優れたものと
なる。
【0033】
【図3】
【0034】ショットブラスト等の微細粒子を成形体表
面に衝突させる処理を行う場合に使用する粒子には、シ
ョット(鋼球)、サンド(砂)およびセルベン(タイル
破砕物)等を使用することができる。微細粒子の粒径は
タイル基材の大きさによっても違いはあるが、0.1〜
3mmがよい。
【0035】焼成は、成形後に緩衝層及び釉層を形成し
た後に行うが、成形が乾式成形であり、その後の処理も
湿式ではないから、焼成前に乾燥工程を設ける必要はな
く、直ちに焼成を行うことができる。焼成には、ローラ
ーハースキルン、トンネルキルンあるいは電気炉等の各
種の炉が使用可能であるが、連続して効率的に焼成する
ことができることから、ローラーハースキルンが好適で
ある。
【0036】そして、焼成温度は粘土質鉱物の含有比率
によって違いがあるが、800〜1100℃の範囲で焼
成するのがよい。粘土質鉱物の含有比率が増加するにし
たがって、焼成温度をこの範囲内で高めに設定するのが
よい。また、この温度における焼成時間は、タイルの厚
さ及びサイズによって多少の違いはあるものの40〜9
0分が好ましい。
【0037】
【実施例】
(実施例1)この実施例で使用した基材、緩衝層及び釉
薬の組成は以下のとおりである。 [基材組成] [緩衝層組成] 牧珪砂 70部 牧珪砂 70部 蛙目粘土 30部 蛙目粘土 30部 SiC(発泡剤) 0.15部 [釉薬組成](亜鉛−石灰釉) 長石 40部 粘土 7部 炭酸カルシウム 20部 珪砂 18部 亜鉛 6部 フリット 3部 アルミナ 6部 ジルコン 10部
【0038】タイル基材原料はミルにより粉砕し、スプ
レードライヤーにて0.5〜2.0mmの造粒物を形成
し、成形圧200kgf/cm2 でタイル基材を成形し
た。緩衝層原料についてもタイル基材原料と同様に造粒
したものを使用した。焼成温度1200℃、焼成時間6
0分で焼成した結果得られたタイルには、タイル基材と
釉薬層間の熱的挙動差に起因する貫入又は面反りの発生
もなく、またその外観は、緩衝層及び釉層とが不均一に
基材表面に存在することから、タイル基材、粒子層及び
釉層とが協働して、天然石に近く、また古風な風合いの
あるものとなった。
【0039】ついで、緩衝層原料について、造粒しない
ものを用いた場合についても、タイルを製造した。その
結果は、造粒したものを用いた場合と同様に該挙動差に
よる問題が発生することもなく、また外観も優れたもの
が製造できた。好みにもよるが、外観に関する限り、造
粒しないものを使用した場合の方が、図4等からわかる
ようにタイル基材の発泡粒による凹凸が和らげるので、
好まれる。
【0040】(実施例2)この実施例で使用した基材、
緩衝層及び釉薬の組成は以下のとおりである。 [基材組成] [釉薬組成](長石−蛙目釉) 牧珪砂 65部 長石 80部 蛙目粘土 35部 粘土 20部 SiC(発泡剤) 0.10部 顔料 6部 [緩衝層組成] Ti-Sb-Cr-Si系 1.0部 牧珪砂 65部 ジルコン 1.0部 蛙目粘土 35部
【0041】タイル基材原料は実施例1と同様に処理し
た。また緩衝層原料についても実施例1の場合と同様に
2種の形態ものを使用した。成形圧、焼成温度および焼
成時間については、実施例1と同様にした。得られたタ
イルの性質も、両者の場合とも、貫入あるいは面反りの
発生もなく、また外観も優れており、実施例1と同様で
あった。外観に関する限り、好みにもよるが、実施例1
と同様緩衝層に造粒しないものを使用した場合の方が好
まれる。
【0042】(実施例3)この実施例で使用したタイル
基材原料は、実施例2と同じであり、緩衝層及び釉薬の
組成は以下のとおりである。 [緩衝層組成] [釉薬組成] 牧珪砂 65部 長石 35部 蛙目粘土 35部 炭酸カルシウム 15部 SiC(発泡剤) 0.06部 炭酸バリウム 15部 アルミナ 5部 粘土 7部 珪砂 23部 顔料(ジルコン) 10部 長石 80部 粘土 20部 顔料 6部
【0043】この実施例でも、緩衝層原料については、
実施例1及び2の場合と同様に2種の形態のものを使用
した。成形圧、焼成温度及び焼成時間については、実施
例1と同様にした。得られたタイルの性質は、いずれの
場合においても、貫入あるいは面反りの発生もなく、ま
た外観も優れており、実施例1と同様であった。ただ
し、外観に関する限り、好みにもよるが、実施例1と同
様緩衝層に造粒しないものを使用した場合の方が好まれ
る。
【0044】(実施例4)この実施例では、タイル基材
原料は、以下の3種の組成ものを造粒物とした後混合し
て使用した。 (1) (2) (3) 長石 63部 長石 63部 長石 63部 粘土 33部 粘土 33部 粘土 40部 ト゛ロマイト 4部 ト゛ロマイト 4部 SiC 0.15部 造粒物の粒径は0.5〜1.5mmとした。この3種の
基材原料を(1):(2):(3)=40:20:40
の比率でドラムミキサーで乾式混合した後、圧力200
kgf/cm2 で乾式成形により板状のタイル基材(2
2×6×1cm)を形成した。
【0045】このタイル基材の表面に以下の組成の緩衝
層とその上に実施例2と同じ組成の釉層を配置する。 [緩衝層組成] 長石 60部 粘土 30部 廃ガラス粉 10部 顔料(ジルコン) 2.0部 マンガン粒 0.5部
【0046】ここで使用した廃ガラス粉は、顔料の発色
を良好にせしめるために使用するものであり、マンガン
粒は黒い斑点を発生させるためである。これらを配置し
た成形基材を焼成温度1200℃及び焼成時間60分で
焼成して施釉発泡タイルを製造した(図4参照)。でき
あがったタイルには、発泡剤を含有する基材原料粒4
(小さな点が存在する部分が該当し、小さな点が発泡剤
を示す)とそれを含有しない基材原料粒3が任意の位置
に点在している。そのため、発泡粒を含有する基材原料
粒が表面近くに存在する部分では、焼成時発泡剤がガス
化して、小さな空洞(小丸及び小さな点が該当する)が
形成され、それに伴ってその部分が膨張して盛り上がる
ことになる。
【0047】その結果、その上に配置されている釉薬層
が溶融し、低くなった発泡剤を含有しない基材原料粒側
表面に移動することが起こる。このことによって、基材
原料表面に存在する緩衝層および釉薬層の不均一化が促
進され、焼成されて、発泡したタイルは、その表面に基
材、緩衝層及び釉層のそれぞれの色の部分が発現するこ
とになる。このようなことで、実施例1〜3に比し、一
層外観が優れたものが得られる。
【0048】
【図4】
【0049】
【発明の効果】本発明により、加熱処理を一段階で行う
だけで施釉した発泡軽量タイルを製造することができ、
また基材と釉層の間に基材と同様の組成で発泡剤のない
あるいは少ない緩衝層を存在させるという簡単な手法を
採用することで基材と釉層間の熱的挙動差に起因する貫
入あるいは面反りの発生もない発泡タイルを製造可能と
した。
【0050】そしてこの発明では基材、緩衝層及び釉層
の存在が不均一になる等の理由で、天然石に近いあるい
は古風な風合い等の優れた外観を有する発泡軽量体を製
造することができる。またその製造法は簡便なもので、
かつエネルギーコストの低くく優れたものである。さら
にタイル基材表面に凹凸を形成する等の手段を積極的に
採用することで、より外観の優れた発泡軽量タイルを製
造することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】厚盛りをした場合の焼成前後のタイル内部及び
表面の変化を示す図であり、(a)は基材成形後(焼成
前)、(b)は焼成後の状態を示す。
【図2】拭き取りを行った場合におけるタイル基材成形
後から焼成後までのタイルの表面及び内部の変化を示す
図であり、(a)は基材成形後、(b)は拭き取り後、
(c)は焼成後の状態をそれぞれ示す。
【図3】ショットブラスト等を実施した場合におけるタ
イル基材成形後から焼成後までのタイルの表面及び内部
の変化を示すで図あり、(a)は基材成形後、(b)は
ブラスト処理後、(c)は拭き取り後、(d)は焼成後
の状態をそれぞれ示す。
【図4】基材原料に、発泡剤を含有する原料粒とそれを
含有しない原料粒とが混合したものを使用した場合にお
ける焼成時の発泡による特徴を模式的に分かり易く示し
た図。
【符号の説明】
1 釉薬層 2 緩衝層 3 発泡剤を含有しない基材原料粒 4 発泡剤を含有する基材原料粒

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を含有する坏土を加圧成形したタ
    イル基材の表面に、発泡剤が含有されていないか、その
    含有量が坏土より少量である点を除き、この坏土と同様
    の組成からなる緩衝層を配置し、その上に釉薬層を形成
    した後焼成することを特徴とする施釉発泡軽量タイルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 加圧成形が乾式プレス成形機によって、
    圧力150〜300kgf/cm2 下で実施される請求
    項1記載の施釉発泡軽量タイルの製造方法。
  3. 【請求項3】 緩衝層が造粒されているものまたは造粒
    されていないものを使用する請求項1または2記載の施
    釉発泡軽量タイルの製造方法。
  4. 【請求項4】 タイル基材が発泡剤を含有する造粒物と
    発泡剤を含有しない造粒物とを使用して成形された請求
    項1、2または3記載の施釉発泡軽量タイルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 タイル基材に微細粒子を衝突させて、そ
    の表面に凹凸を形成した後に緩衝層を配置する請求項1
    ないし4のいずれか1に記載の施釉発泡軽量タイルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 釉薬層を緩衝層表面に配置後、その一部
    を拭き取って、不均一な層構造の釉薬層を形成せしめる
    請求項1ないし5のいずれか1に記載の施釉発泡軽量タ
    イルの製造方法。
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