JP2007269622A - 軽量セラミックスの製造方法及びその原料 - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法精度及び形状精度が良好な軽量セラミックスを確実に製造することができる軽量セラミックスの製造方法及びその原料を提供する。
【解決手段】素地原料のベースに焼失可能物を混合した素地原料を成形する成形工程と、成形体を焼成する工程を有する軽量セラミックスの製造方法において、該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。焼失可能物としてはメラミン樹脂粉などが好適であり、このメラミン樹脂粉の、素地原料(素地原料のベースとメラミン樹脂分との合計)に対する割合は25〜45体積%が好適である。
【選択図】なし
【解決手段】素地原料のベースに焼失可能物を混合した素地原料を成形する成形工程と、成形体を焼成する工程を有する軽量セラミックスの製造方法において、該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。焼失可能物としてはメラミン樹脂粉などが好適であり、このメラミン樹脂粉の、素地原料(素地原料のベースとメラミン樹脂分との合計)に対する割合は25〜45体積%が好適である。
【選択図】なし
Description
本発明は、素地原料のベースに可燃性の焼失可能物を配合することにより軽量セラミックスを製造する方法と、その原料に関する。
素地原料のベースに可燃性の焼失可能物を配合することにより軽量セラミックスを製造する方法は既に広く知られている。このような可燃性の焼失可能物として各種の樹脂や石炭、コークス、おがくずなどが用いられている(例えば特開平11−157914号)。
特開平11−157914号
焼失可能物を含んだ軽量セラミックス用素地原料の成形体を焼成していくと、焼失可能物の焼失と、素地原料の軟化ないし部分溶融とが生じる。この軟化ないし部分溶融により、成形体は焼成収縮する。この軟化ないし部分溶融が開始する前に焼失可能物が焼失したのでは、焼成物がひどく焼成収縮してしまい、軽量セラミックスが得られなくなる。
逆に、軟化ないし部分溶融が開始した後に焼失可能物の焼失が開始したのでは、焼失に伴って発生するガスが焼成体内部にこもり、焼成体が膨れてしまい、寸法精度、形状精度が損なわれる。
本発明は、寸法精度及び形状精度が良好な軽量セラミックスを確実に製造することができる軽量セラミックスの製造方法及びその原料を提供することを目的とする。
請求項1の軽量セラミックスの製造方法は、素地原料のベースに焼失可能物を混合した素地原料を成形する成形工程と、成形体を焼成する工程とを有する軽量セラミックスの製造方法において、該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とするものである。
請求項2の軽量セラミックスの製造方法は、請求項1において、焼失可能物の、該ベースと焼失可能物との合計に対する割合が22〜45体積%であることを特徴とするものである。
請求項3の軽量セラミックスの製造方法は、請求項1又は2において、前記成形工程で成形した成形体に対し、前記素地原料と略同組成の泥漿を付着させることにより表面が平滑な付着層付き成形体を形成し、その後、加飾し、焼成することを特徴とするものである。
請求項4の軽量セラミックスの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記成形工程において、前記素地原料に、加熱によりガスを発生させるガス発生材料を混合して成形することを特徴とするものである。
請求項5の軽量セラミックスの製造方法は、請求項4において、前記ガス発生材料は炭化珪素であることを特徴とするものである。
請求項6の軽量セラミックスの製造方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記成形工程において、前記素地原料に起泡剤を加えておき、混合時に起泡させて気泡質成形体を成形することを特徴とするものである。
請求項7の軽量セラミックスの素地原料は、焼失可能物を含有し、焼成時に溶融する成分と、焼成時に溶融しない成分とを含む軽量セラミックス素地原料において、該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とするものである。
一般に、軽量セラミックス製造用の素地原料を焼成する場合、800℃付近で素地中の低融点成分が軟化ないし溶融開始する。そのため、焼失可能物が、650℃以上で焼失するものである場合、焼失可能物の焼失によって生じるガスの抜け道がこの軟化ないし溶融物によって塞がれてしまう。その結果、気孔が素地内部で膨れてしまい、軽量セラミックスの形状が保てなくなる。また、500℃以下で焼失してしまうと、焼成体が収縮してしまい、軽量セラミックスとならない。
本発明であると、素地原料の成形体の収縮のタイミングと、焼失可能物からのガス発生のタイミングとが適切に重なることにより、寸法精度及び形状精度が良好でしかも十分に軽量な軽量セラミックスを製造することができる。
なお、ベースと焼失可能物との合計に対する焼失可能物の割合を22〜45体積%特に25〜45体積%とすることにより、十分に軽量となると共に、軽量セラミックスの寸法精度及び形状精度が十分に良好なものとなる。即ち、この割合が22体積%よりも少ないと、軽量化が不十分であり、45体積%よりも多いと空隙率が大きくなり、焼成体の比重は小さくなるが、一方で、焼成体内部の空隙率が過大となり、焼失可能物の焼失終了後に焼成体の一部が収縮するおそれがある。このため、焼成体の比重は一定値より小さくならない。
成形工程で成形した成形体に対し、前記素地原料のベースと略同組成の泥漿を付着させることにより、表面が平滑な付着層付き成形体を形成し、その後、加飾し、焼成することにより、平滑で且つ吸水性の低い緻密な表面層を有し、且つ美麗に加飾(例えば施釉)された軽量セラミックスを得ることができる。なお、付着層が素地原料と略同組成であるため、焼成工程(降温工程も含む。)において素地原料のベースと付着層とが剥離することはない。
成形工程において、素地原料のベースに対して、焼失可能物と共にガス発生材料を混合して成形することにより、比重が小さく、かつ寸法精度の高い軽量セラミックスを得ることができる。なお、このガス発生材料としては、炭化珪素が好ましい。
成形工程において、素地原料に起泡剤を加えておき、混合時に起泡させて気泡質成形体を成形することにより、より比重の小さい軽量セラミックスを得ることができる。
本発明の軽量セラミックスの製造方法は、素地原料のベースに焼失可能物を混合して素地原料を調整し、成形する成形工程と、成形体を焼成する工程を有し、該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とするものである。
この素地原料のベースとしては、焼成時に溶融する成分として長石、ガラス、石灰、ワラストナイト、ドロマイト等を用いることができる。焼成時に溶融しない成分としては、粘土、陶石、シャモット、珪石、蛸石など、通常のセラミックス用原料を用いることができる。
素地原料は、この素地原料のベースに、500〜650℃で焼失し、かつ焼成工程において少なくとも500℃までは固体状である焼失可能物が混合されたものである。焼失可能物としては、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が好適である。
この焼失可能物が500℃よりも低い温度で焼失するものであると、焼成体の収縮前に焼失可能物からのガス発生が終了してしまうことになり、焼成体の収縮が大きくなる。また、焼失可能物温度が500℃以上のものであっても、500℃よりも低い温度で固体状ではなくなり、溶融してしまうもの(例えば熱可塑性樹脂)の場合には、溶融物が成形体の粒子間隙に染み込んでしまい、焼成体に気孔長の長い連続気孔を生じさせたり、焼失前に沸騰して焼成体の形状を崩したりするおそれがある。
焼失可能物の焼失温度が650℃よりも高いと、成形体が軟化ないし部分溶融開始後にも焼失可能物からガスが発生し、焼成体が膨れてしまい、焼成体の寸法精度、形状精度が損なわれる。
この焼失可能物は平均粒径が0.01〜2mm程度の粉体ないし粒体であることが好ましい。
この焼失可能物の、素地原料(素地原料のベースと焼失可能物との合計)に対する混合割合は22〜45体積%特に25〜45体積%とりわけ40〜45体積%程度が好適である。前述の通り、この割合が22体積%よりも少ないと軽量化が不十分であり、45体積%よりも多くてもそれ以上軽量化は進まない。
素地原料のベースと上記焼失可能物を混合した素地原料は、好ましくは水が添加されて湿式ボールミル中で十分に細磨混合して泥漿とされる。
成形体を乾式プレス成形により成形する場合、上記泥漿を乾燥させた後、粉砕し、プレス成形する。成形体を泥漿鋳込み成形する場合には、上記泥漿を鋳込み成形に用いてもよい。湿式押出成形する場合には、泥漿に上記乾燥物を加えたりすることにより可塑状態とし、押出成形する。
成形体は、必要に応じ乾燥した後、焼成する。
本発明では、この焼成に先立って、成形体の表面に、上記素地原料のベースと略同組成の泥漿を噴霧、ディッピング、刷毛塗りなどの手法により付着させて付着層を形成し、次いでその上に施釉等の加飾を施してもよい。なお、略同組成とは、配合原料が同一で且つ配合割合が略等しいことをいう。略等しいとは、配合のずれが±10%以内の範囲のことをいう。例えば、一方の泥漿中の長石の配合割合をaとし、他方の泥漿中の配合割合をa’とした場合[a/a’]×100%が90〜110%の範囲にあれば、略同一であるものとする。
このように泥漿を用いて形成した付着層は、表面が平滑であると共に、焼成されると緻密になるため、軽量セラミックス表面を緻密で低吸水性のものとすることができると共に、美麗な加飾面を得ることができる。
また、付着層と素地本体とが略同組成であるから、焼成工程の熱膨張差に起因した剥離や亀裂などの発生も防止される。
焼成は、ローラーハースキルン、トンネル窯などを用いて行うことができる。焼成温度及び時間は、素地組成や成形体の大きさに応じて適宜決定されるが、タイルの場合であれば、1000〜1300℃で0.8〜50Hr程度とするのが好適である。
上記の実施の形態では、素地原料として、素地原料のベースに対して焼失可能物を混合したものを用いたが、さらに、加熱によりガスを発生させるガス発生材料を混合したものを用いてもよい。この場合、比重が小さく、かつ寸法精度の高い軽量セラミックスを得ることができる。即ち、ベースに対して焼失可能物及びガス発生材料を混合する場合、焼失可能物のみを混合する場合と比べて、比重の小さい軽量セラミックスを得ることができる。また、ベースに対して焼失可能物及びガス発生材料を混合する場合、ガス発生材料のみを混合する場合と比べて、同一比重の軽量セラミックスを製造したときに、軽量セラミックスの寸法精度が高いものとなる。
ガス発生材料としては、炭化珪素等が好適に用いられる。
また、成形工程において、素地原料に起泡剤を加えておき、混合時に起泡させて気泡質成形体を成形してもよい。この場合、より比重の小さい軽量セラミックスを得ることができる。
起泡剤としては、起泡コンクリート製造用の起泡剤や界面活性剤等が好適に用いられる。
本発明は、比重1.8〜1.5程度の軽量タイルの製造に適用するのに好適であるが、衛生陶器などの各種セラミック製品の製造にも適用することができる。
以下、実施例及び比較例について説明する。
実施例1
粘土100cm3、4mm−underに粉砕した長石100cm3、粒子径0.075〜1.68mm(平均粒径0.5mm)のメラミン樹脂粉(熱硬化性、焼失温度566℃)164cm3(素地原料中のメラミン樹脂粉の割合は45体積%)、水500gをボールミルに入れ、16時間粉砕、細磨してできた泥漿を80℃の乾燥機で24h乾燥させ、70gの水を噴霧した後2mm−underに粉砕した原料を作成した。
粘土100cm3、4mm−underに粉砕した長石100cm3、粒子径0.075〜1.68mm(平均粒径0.5mm)のメラミン樹脂粉(熱硬化性、焼失温度566℃)164cm3(素地原料中のメラミン樹脂粉の割合は45体積%)、水500gをボールミルに入れ、16時間粉砕、細磨してできた泥漿を80℃の乾燥機で24h乾燥させ、70gの水を噴霧した後2mm−underに粉砕した原料を作成した。
この素地原料を200kgf/cm2の圧力で乾式プレス成形し、108×60×9.5mmのタイル用成形体を成形し、トンネル窯を用い、1230℃で45時間焼成した。その結果、比重1.5の軽量タイルが得られた。この結果を表1に示す。
実施例2〜5,比較例1〜6
実施例1において、メラミン樹脂の配合量を次の通りとした。
実施例1において、メラミン樹脂の配合量を次の通りとした。
比較例1: 0cm3(0体積%)
比較例2: 35cm3(15体積%)
比較例3: 50cm3(20体積%)
実施例2: 60cm3(23体積%)
実施例3: 70cm3(25体積%)
実施例4: 86cm3(30体積%)
実施例5:133cm3(40体積%)
比較例4:185cm3(48体積%)
比較例5:200cm3(50体積%)
比較例6:370cm3(65体積%)
比較例2: 35cm3(15体積%)
比較例3: 50cm3(20体積%)
実施例2: 60cm3(23体積%)
実施例3: 70cm3(25体積%)
実施例4: 86cm3(30体積%)
実施例5:133cm3(40体積%)
比較例4:185cm3(48体積%)
比較例5:200cm3(50体積%)
比較例6:370cm3(65体積%)
その他は実施例1と同様にしてタイルを製造したところ、各タイルの比重は表1に示す通りであった。
以上の通り、実施例1〜5によると比重1.8以下の軽量タイルが得られることが認められた。
実施例6
この実施例6では、素地原料中の粘土、長石の比率は実施例1,2と同一であるが、さらにフライアッシュを配合した。また、メラミン樹脂の配合割合を若干異ならせた。さらに、メラミン樹脂未添加の同組成泥漿により付着層を形成した。
この実施例6では、素地原料中の粘土、長石の比率は実施例1,2と同一であるが、さらにフライアッシュを配合した。また、メラミン樹脂の配合割合を若干異ならせた。さらに、メラミン樹脂未添加の同組成泥漿により付着層を形成した。
即ち、実施例1,2と同じ粘土100cm3、4mm−underに粉砕した長石100cm3、粒子径0.075〜1.68mmのメラミン樹脂粉164cm3、水500gをボールミルに入れ、16時間粉砕、細磨してできた泥漿に平均粒子径100ミクロンのフライアッシュバルーン1170cm3を混合し、80℃の乾燥機で24h乾燥させ、70gの水を噴霧した後2mm−underに粉砕した原料を作成した。この原料を200kgf/cm2の圧力でプレス成形した。
これとは別に、メラミン粉、フライアッシュバルーンを添加しないこと以外は同様にして付着層形成用泥漿を作成した。
上記成形体をこの泥漿の中にディッピングし、乾燥し厚さ0.1mmの付着層を形成した。
次いで、釉薬をスプレー掛けして乾燥後、同様に1230℃で45時間焼成した。焼成体は比重1.2、24時間吸水率0.5%で、釉薬表面にもピンホールなどの損失はなく平滑であった。
比較例7
メラミン樹脂の代わりに1mm−underのおがくず500gを配合したこと以外は実施例1と同様にしてタイルを製造したが、このタイルの比重は2.3であった。
メラミン樹脂の代わりに1mm−underのおがくず500gを配合したこと以外は実施例1と同様にしてタイルを製造したが、このタイルの比重は2.3であった。
比較例8
メラミン樹脂の代わりに粒径0.0075〜2.36mm(平均粒径0.5mm)のユリア樹脂粉(熱硬化性、焼失温度492℃)164cm3(45体積%)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてタイルを製造したが、このタイルの比重は1.9であった。
メラミン樹脂の代わりに粒径0.0075〜2.36mm(平均粒径0.5mm)のユリア樹脂粉(熱硬化性、焼失温度492℃)164cm3(45体積%)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてタイルを製造したが、このタイルの比重は1.9であった。
比較例9
メラミン樹脂の代わりに、粒径0.3〜2mm(平均粒径0.8mm)のナイロン樹脂粉(熱可塑性、焼失温度429℃)を164cm3(45体積%)を用いたこと以外は同様としてタイル製造を試みたが、焼成中に粉々にひび割れてしまい、タイルは得られなかった。
メラミン樹脂の代わりに、粒径0.3〜2mm(平均粒径0.8mm)のナイロン樹脂粉(熱可塑性、焼失温度429℃)を164cm3(45体積%)を用いたこと以外は同様としてタイル製造を試みたが、焼成中に粉々にひび割れてしまい、タイルは得られなかった。
比較例10
メラミン樹脂の代わりに無煙炭粉164cm3(45体積%)を用いたこと以外は同様にしてタイル製造を試みたが、焼成は大きく凹反りし、内部は炭化して黒くなったものしか得られなかった。
メラミン樹脂の代わりに無煙炭粉164cm3(45体積%)を用いたこと以外は同様にしてタイル製造を試みたが、焼成は大きく凹反りし、内部は炭化して黒くなったものしか得られなかった。
比較例11
無煙炭粉の代わりにカーボンブラック164cm3を用いた他は比較例9と同様とした。この場合、焼成は中央が膨らみ、内部が黒ずんだものしか得られなかった。
無煙炭粉の代わりにカーボンブラック164cm3を用いた他は比較例9と同様とした。この場合、焼成は中央が膨らみ、内部が黒ずんだものしか得られなかった。
実施例7
粘土100cm3、4mm−underに粉砕した長石100cm3、SiC粉0.5g、粒子径0.075〜1.68mm(平均粒径0.5mm)のメラミン樹脂粉(熱硬化性、焼失温度566℃)106cm3(素地原料中のメラミン樹脂粉の割合は35体積%)、水500gをボールミルに入れ、16時間粉砕、細磨してできた泥漿を80℃の乾燥機で24h乾燥させ、70gの水を噴霧した後2mm−underに粉砕した原料を作成した。
粘土100cm3、4mm−underに粉砕した長石100cm3、SiC粉0.5g、粒子径0.075〜1.68mm(平均粒径0.5mm)のメラミン樹脂粉(熱硬化性、焼失温度566℃)106cm3(素地原料中のメラミン樹脂粉の割合は35体積%)、水500gをボールミルに入れ、16時間粉砕、細磨してできた泥漿を80℃の乾燥機で24h乾燥させ、70gの水を噴霧した後2mm−underに粉砕した原料を作成した。
この素地原料を200kgf/cm2の圧力で乾式プレス成形し、縦66mm×横119mm×高さ10mmのタイル用成形体を成形し、トンネル窯を用い、1230℃で45時間焼成し、軽量タイルを得た。得られた軽量タイルについて、比重を測定すると共に、軽量タイルの横方向の寸法の最大値及び最小値を測定した。これらの結果を表2に示す。
比較例12
メラミン樹脂粉を配合せず、SiC粉の配合量を異ならせた以外は実施例7と同様にして、軽量タイルを得た。
メラミン樹脂粉を配合せず、SiC粉の配合量を異ならせた以外は実施例7と同様にして、軽量タイルを得た。
即ち、粘土100cm3、4mm−underに粉砕した長石100cm3、SiC粉1.1g、水500gをボールミルに入れ、16時間粉砕、細磨してできた泥漿を80℃の乾燥機で24h乾燥させ、70gの水を噴霧した後2mm−underに粉砕した原料を作成した。
この素地原料を200kgf/cm2の圧力で乾式プレス成形し、縦66mm×横119mm×高さ10mmのタイル用成形体を成形し、トンネル窯を用い、1230℃で45時間焼成し、軽量タイルを得た。得られた軽量タイルについて、比重を測定すると共に、軽量タイルの横方向の寸法の最大値及び最小値を測定した。これらの結果を表2に示す。
以上の通り、実施例7の軽量タイルは、比較例12の軽量タイルと比べて、焼成後の比重が同じであるにもかかわらず、寸法の最大値と最小値の差が小さかった。
以上の実施例及び比較例より、本発明によると、寸法精度及び形状精度が良好な軽量セラミックスを確実に製造することができることが認められた。
Claims (7)
- 素地原料のベースに焼失可能物を混合した素地原料を成形する成形工程と、成形体を焼成する工程とを有する軽量セラミックスの製造方法において、
該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。 - 請求項1において、焼失可能物の、該ベースと焼失可能物との合計に対する割合が22〜45体積%であることを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。
- 請求項1又は2において、前記成形工程で成形した成形体に対し、前記素地原料と略同組成の泥漿を付着させることにより表面が平滑な付着層付き成形体を形成し、その後、加飾し、焼成することを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記成形工程において、前記素地原料に、加熱によりガスを発生させるガス発生材料を混合して成形することを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。
- 請求項4において、前記ガス発生材料は炭化珪素であることを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記成形工程において、前記素地原料に起泡剤を加えておき、混合時に起泡させて気泡質成形体を成形することを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。
- 焼失可能物を含有し、焼成時に溶融する成分と、焼成時に溶融しない成分とを含む軽量セラミックス素地原料において、
該焼失可能物の焼失温度が500〜650℃であり、
かつ該焼失可能物は少なくとも500℃まで固体状であることを特徴とする軽量セラミックスの素地原料。
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