JPH0729863B2 - 発泡セラミック板の製法 - Google Patents

発泡セラミック板の製法

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JPH0729863B2
JPH0729863B2 JP29163489A JP29163489A JPH0729863B2 JP H0729863 B2 JPH0729863 B2 JP H0729863B2 JP 29163489 A JP29163489 A JP 29163489A JP 29163489 A JP29163489 A JP 29163489A JP H0729863 B2 JPH0729863 B2 JP H0729863B2
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了 永井
一夫 今橋
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発泡セラミック板の製法に関する。さらに詳し
くは、造粒物の表面をコーティングにより着色すること
で、風趣に富んだ多様な表情を有する発泡セラミック板
を簡易かつ確実にうることのできる発泡セラミック板の
製法に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ALCは多くの住宅に使用されており、多孔質ゆえの軽量
性、断熱性および耐火性などは高く評価されているが、
一方において吸水性が大きい、耐凍害性に劣る、表面の
化粧性に欠け施工後に吹付などの表面仕上をせざるをえ
ない、といった種々の欠点がある素材である。
これらの欠点を解消するために、Al2O3−SiO2系鉱物を
主成分とする造粒物を焼成してえられる無機質焼成発泡
板が提案されている。しかし、この発泡板においても、
表面仕上げは釉薬を造粒した造粒物を積層し、焼成して
発泡基板と一体化させるという方法がとられている。こ
のため、吸水性が大きく耐凍害性に劣る、施工後の防水
加工や表面化粧が必要であるといったALCの欠点は解消
されたが、表面以粧層を構成する釉薬の粒は多少の大小
があるもののいずれも同質であり、また異った色の粒を
混合して焼成しても、粒表面のはがれにより色調が多少
やわらかくなるものの出来上った製品の表面の表情は固
く、風趣の乏しい化粧面となり、意匠性が極めて狭い限
られた範囲にとどまってしまうという問題を残してい
る。これは各粒の表面から芯まで同一色でできており、
粒の表面に色の変化がなく、異色粒の集合体にすぎない
からである。また、生産性の面からみても各色の粒をつ
くるごとにボールミルの洗浄が必要であり、ミルの中の
乾燥を含めると非能率である。
本発明者らは、かかる発泡セラミック板の意匠面におけ
る欠点を克服すべく種々検討を重ねた結果、すでに造粒
された粒の表面に着色原料または釉薬をコーティングし
て、えられた造粒物で層を形成し、焼成することにより
多様な表情を有する発泡セラミック板を簡易かつ確実に
えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の製法は従来の方法と異なり、基礎原料粒を一度
に大量に造っておき、必要に応じてこの基礎粒に任意の
着色原料粉または着色釉泥漿をコーティングするもので
ある。コーティングに際し、粒全体に均一にコーティン
グすることもできるが、虫喰い状態のムラなコーティン
グをすることもできる。このような粒の集合面は深みが
あり、軟く風趣があり、意匠性も極めてよい。生産面で
も各色の着色原料、着色釉泥漿は量的に少なく各色専用
の小さなポットミルで充分であり、大型のボールミルを
洗浄する必要はなく、生産性向上につながる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の発泡セラミック板の製法は、無機発泡性造粒物
および必要に応じて無機造粒物を積層し、焼成する発泡
セラミック板の製法であって、無機発泡性造粒物および
(または)無機造粒物の各粒の表面に着色原料または釉
薬をコーティングし、えられた造粒物で層を形成したの
ちに焼成することを特徴としている。
〔実施例〕
本発明の製法は、すでに造粒された粒の表面に任意の色
を任意の量だけコーティングにより付着させ、所望によ
り複数の着色粒と混合することにより多様な表現を発泡
セラミック板に付与するものである。このばあいに、造
粒物自身の焼成呈色が白色であるのか、またはグレーで
あるのかなど原料の焼成呈色を充分認識したうえで粒の
表面にコーティングする粉末の色を決め、さらに付着量
と付着状態を決定する必要がある。
本発明の製法によりえられる発泡セラミック板は、少な
くとも一層の発泡層ないしはベース層を有するものであ
り、種々の構造のセラミック板が考えられる。たとえば
前記発泡層の表面に釉薬層またはガラス層からなる透明
化粧層を設けたものや、これらの発泡層と透明化粧層の
あいだに着色原料層や第2の発泡層などの中間層を設け
たものなどが例としてあげられる。
本発明の特徴は、発泡層や着色原料層を構成する、無機
発泡性造粒物や無機造粒物の各粒の表面に着色原料また
は釉薬をコーティングし、えられた造粒物を積層し、焼
成することである。こうして、付着量や付着状態を適宜
変えつつ造粒物に着色原料などをコーティングすること
により、種々の趣のある表情を有する発泡セラミック板
を簡易かつ確実にうることができるのである。
発泡層を構成する無機発泡性造粒物は、酸性白土、シラ
ス、抗火石、真珠岩、長石などを主原料として、これに
ソーダ灰、ホウ酸、ホウ砂、硝酸ソーダ、ドロマイトな
どの融剤やSiC、炭酸バリウム、炭酸カリウム、ガラス
粉、フリット、ジルコンフラワーなどを適宜補助原料と
して配合したものを粉末化して、造粒化したものであ
る。原料の種類やその配合割合は、発泡倍率、溶融温度
などに応じて適宜選定すればよく、本発明においてとく
に限定されるものではない。
また、無機造粒物はガラス質化粧層などを構成し、ガラ
ス質化粧層のばあい、ガラス粉、フリット、ジルコンフ
ラワーなどの混合物を粉末化、造粒化したものである。
造粒物に着色原料または釉薬をコーティングする方法と
しては、着色粉末をバインダーを噴霧しつつ付着させる
方法や、バインダーを加配した着色原料または釉薬の微
細粒泥漿をスプレーを用いて噴霧する方法や、タイル、
食器などのセルベン粉砕粒や煉瓦の粉砕粉に透明釉薬泥
漿をスプレーを用いてコーティングする方法などがあ
る。
まず、着色粉末をバインダーで付着させる方法について
説明する。
着色粉末は、造粒物の配合原料と同一または近似した配
合原料粉末に、着色剤としてKA10(チタン工業(株)製
酸化チタン。黄色着色剤)や日陶産業(株)製塩化コバ
ルト(青色着色剤)などの金属酸化物またはピグメント
(たとえば、日陶産業(株)製TG-5、M-650、M-30な
ど)を適量加配してよく混合してえられる。そして、造
粒機を用いて造粒物を転動させながら5〜10%の水ガラ
ス溶液や10〜15%の糖蜜溶液などのバインダーを噴霧し
て粒表面を湿らせて着色粉末を付着させる。このばあ
い、造粒物の量に対して着色粉末の量が少ないと付着ム
ラのあるコーティング粒がえられるが合、着色粉末を多
量に用いてバインダーの噴霧と着色粉末の散布をくり返
せばコーティング層は厚くなり、各々の粒はムラのない
着色粒となる。こうしてえられる2種類のコーティング
粒を混合して、焼成溶融させると、濃、中、淡の色調変
化のある表情の化粧層をうることができる。
つぎに、バインダーを加配した着色原料または釉薬の微
細粒泥漿をスプレーを用いて噴霧する方法について説明
する。
造粒物の配合原料と同一または近似した配合原料に酸化
金属またはピグメントを適量加配し、さらに加里水ガラ
ス、PVA溶液、CMC、糖蜜などのバインダーおよびCMC、
モナードガムなどの沈降防止剤をそれぞれ少量ずつ加配
する。そして最後に水を加えてポットミルなどを用いて
湿式粉砕してできた泥漿を造粒物の表面にスプレーにて
付着させる。泥漿は造粒原料1に対し約30〜200cc噴
霧される。噴霧量が3〜20%と広範囲なのは粒表面全体
に均一にコーティングするばあいから粒表面を部分的に
着色するばあいまであるからである。前記バインダーの
うち加里水ガラスは、粒の表面硬度を増して混合による
表皮(コーティング層)のはがれや微粉の発生が防止で
き、均一な色調がえられるのでバインダーとしてとくに
好ましいものである。加里水ガラスの加配量は水に対し
て2〜3重量%であるのが好ましく、3%より多く加え
るとノズルからの噴霧状態が悪くなり、さらに5%を超
えると昇温に対して発泡のおそれがある。一方2%未満
であると付着が悪くなる。
造粒機内で造粒物を転動させながら着色泥漿がスプレー
されるが、着色泥漿の量または粒表面への付着状態を適
宜変えることによって、多様な表情をうることができ
る。
たとえば、粒の流動層に細い霧状の着色泥漿を噴霧すれ
ば粒の表面に均一な着色層がえられ、この際、噴霧量を
少なくすれば淡い着色粒となり、噴霧量を多くすれば濃
い着色粒となる。また、粗い液粒を噴霧すれば、粒の表
面へ点となって着色粒に付着し、ムラのある着色粒がで
きる。前記粗い液粒には1流タイプのものと2流タイプ
のものとがある。1流タイプのものは、泥漿に圧力をか
けノズルを開いて液を放出するタイプであり、圧力とノ
ズルの開きの関係により粗さが調節される。すなわち、
圧力を下げてノズルを開くと飛散粒は大きくなり、圧力
を上げてノズルの開きを狭くすれば細粒になる。また、
2流タイプのものは泥漿をエアーにのせて噴霧する方法
である。このばあいは泥漿には圧力をかけず、エアーの
圧力と量、泥漿の量によって粗粒、細粒の調整ができ
る。エアーの圧力を下げて量を少くし、泥漿の量を多く
すれば粗粒が飛散する。さらに、複数の異った着色泥漿
を噴霧すれば粒の表面に多くの色の点が付着したコーテ
ィング粒をうることができる。このような着色粒を適宜
組み合わせ、混合して積層焼成すれば、複雑な色調を呈
する優美な化粧面を有する発泡セラミック板をうること
ができるのである。
着色泥漿の噴霧コーティングは、流動層への噴霧の位置
や霧の状態によって多様な着色を行なうことができると
いう長所がある。しかも、バインダーとして加里水ガラ
スを用いるときは、加里水ガラスの炭酸ガスによる硬化
作用によって強度の大きな着色造粒物をうることができ
る。
以下、実施例にもとづき本発明の発泡セラミック板の製
法を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ
限定されるものではない。
実施例1 無機発泡性造粒物からなる層の上に着色ガラス造粒物を
積層し、焼成一体化させて発泡セラミック板を製造し
た。
無機発泡性造粒物の調製 酸性白52%(重量%、以下同様)、ガラス粉20%、ソー
ダ灰10%、硝酸ソーダ4%、ドロマイト7%およびジル
コンフラワー7%からなる配合原料を10mmのスチールボ
ールとともにポットミルに入れ6時間のあいだ乾式粉砕
した。えられた粉末は325メッシュパス96%以上の大き
さであった。この粉末にバインダー液(糖蜜15%水溶
液)を噴霧しながらパン型造粒機にて造粒し、粒径1〜
2.5mmの造粒物をえた。この造粒物をバイブルリフト転
動温風乾燥機にて造粒含水率2%以下となるように乾燥
させた。
ガラス質化粧層用造粒物の調整 ガラス粉53%、R-2フリット37%、水簸粘土3%、ベン
トナイト2%およびジルコンフラワー5%からなる配合
原料を10mmのスチールボールとともにポットミルに入れ
5時間のあいだ乾式紛砕した。えられた粉末は325メッ
シュパス96%以上の大きさであった。この粉末にバイン
ダー液(糖蜜15%水溶液)を噴霧しながらパン型造粒物
にて造粒し、粒径1〜2.5mmの造粒物をえた。
着色化粧粒の調製 前述した化粧層用粉末100gにM-650(日陶産業(株)製
顔料))0.25gを加配して、アイリッヒミキサーに入
れ、1分間高速攪拌混合して着色粉末Aを造った。
M-650に代えてA-30(日陶産業(株)製顔料)3.0gを用
いた以外は、着色粉末Aと同様にして着色粉末Bを造っ
た。
先に造粒しておいたガラス質化粧層用造粒物2.3lをパン
型造粒機に入れ、転動させながらバインダー液(糖密15
%水溶液)を噴霧し、着色粉末A240gを湿った粒表面に
付着させて着色化粧粒A′を調整した。同様にしてガラ
ス質化粧層用造粒物1.0に着色粉末B70gをコーティン
グして着色化粧粒B′を調整した。
これらの着色化粧粒は、底面に穴径1.0mmの網が張られ
た容器に厚さ10mmとなるよう敷き、乾燥炉に入れて含水
率2.0%以下に乾燥した。着色コーティングされていな
いガラス質化粧層用造粒物はロータリーキルンを用いた
転動乾燥で乾燥してもよいが、着色化粧粒は、転動乾燥
すると粒表面の着色層が他の粒との摩擦によりはがれて
しまうので静置乾燥するのが好ましい。
乾燥された3種類の造粒物、すなわちガラス質化粧層用
造粒物(無着色粒)1.8、着色化粧粒A′2.3および
着色化粧粒B′1.0をロッキングミキサーに入れて3
分間混合した。各粒は均一に混合されるとともに着色粒
の表皮(着色層)がわずかにはがれて無着色粒の表面に
移っていた(このことが焼成後の焼成呈色の味を深め
る)。
造粒物の混合時間は長くすればするほど粒の摩擦により
微粉末が多く発生して、色調を濁らせてしまう。従っ
て、デザインの目的に応じて混合時間を適宜調節する必
要がある。
以上のようにして調製した造粒物を用いて発泡セラミッ
ク板を焼成した。
焼成炉は搬送用に耐熱メッシュベルトを架設した全長39
mのトンネルキルンを用いた。巾1mのメッシュベルト上
に離型材としてアルミナを塗布し、その上に無機発泡性
造粒物を15mmの厚さとなるように均一にチャージし、さ
らにその上に前記3種類の混合着色粒を厚さ5.0mmとな
るように積層した。えられた積層体を予熱帯に搬送し、
その後順に焼成帯、急冷帯、徐冷帯、冷却帯と通過させ
て炉出口より搬出した。
焼成条件は、予熱帯が350〜650℃、焼成帯が700〜870
℃、急冷帯が710〜700℃、徐冷帯が620〜480℃、冷却帯
が450〜60℃であった。メッシュベルトの移動速度は25c
m/分であり、炉に入れて炉から出るまでの所要時間は約
160分であった。
えられた発泡セラミック板を巾90cm、長さ100cmに切断
したが、発泡孔は細かく、小孔の揃った発泡状態であっ
た(かさ比重:0.6)。表面の化粧呈色は全体に肌色であ
ったが、化粧原料基材粒の白色と、この白色が肌色やブ
ラウン色に汚れた中間色とのあいだにブラウンの点が散
在して淡い色調を引き締めており、気品のある優雅な発
泡セラミック板をうることができた。
実施例2 無機発泡性造粒物の調製 実施例1と同様にして無機発泡性造粒物を調製した。
ガラス質化粧層用造粒物の調製 実施例1と同様にしてガラス質化粧層用造粒物を調製し
た。
着色原料液の調製 第1表に示される配合原料をポットミルに入れ、4時間
のあいだ湿式粉砕して着色原料液C、D、Eを調製し
た。
着色化粧粒の調製 先に造粒しておいたガラス質化粧層用造粒物1.2をパ
ン型造粒機に入れ、流動させながら着色原料液C 240cc
を霧状に流動粒に噴霧し、すべての粒表面にコーティン
グを施して着色化粧粒C′を造った。
ついで、ガラス質化粧層用造粒物1.0をパン型造粒機
に入れ、流動させながら着色原料液D 150ccを水滴径が
0.3mm位になるようにスプレーガンを調節して流動する
粒表面に噴霧して着色化粧粒D′を造った。水滴は粒の
表面に点状に付着していた。
さらに、ガラス質化粧層用造粒物0.1をパン型造粒機
に入れ、流動させながら着着色原料液E 150ccを、大き
な粒が流動するうずの中心部へ細い霧状(水滴径:約10
ミクロン)で噴霧して着色化粧粒E′を造った。大きな
粒は表面全体にコーティング着色され、一方、小さな粒
はうすく一部のみが着色された。
以上のようにして造った3種類の着色化粧粒を、着色化
粧粒C′70%、着色化粧粒D′10%、着色化粧粒E′20
%の割合でローリングミキサーに入れ、3分間混合し
た。混合された着色化粧粒の表面は硬く、混合による微
粉の発生は少なかった。
ついで、シャットルキルン台車上に耐火煉瓦製支柱を組
立て、その上に100cm角のメッシュ(耐熱ネット)を架
設した。メッシュの表面に離型材としてアルミナ質耐火
粘土粉を塗布したのちにさきに用意しておいた無機発泡
性造粒物を60cm×60cm×1.5cm(たて×よこ×高さ)と
なるようにチャージし、さらにその上に3種類混合の着
色化粧粒を5mmの厚さとなるように積層して、その表面
を水平な板で余分の原料をかき落すことで平滑にした。
積層体を載せた台車を炉内に搬入し、積層体より下方に
ある下段バーナーのみ点火し、天井温度が常に下段温度
よりも60〜80℃低い状態で昇温した。なお、下段温度が
840℃になるまで下段バーナーのみで昇温した。
その後、上段バーナーも点火して、上段、下段ともに87
0℃になるまで昇温を続けて火を止めた。そして、12時
間冷却してから炉外へ搬出した。
えられた発泡セラミック板の厚さは20mmで、かさ比重は
0.65であった。発泡セラミック板を60cm×60cmの大きさ
に切断したが、切断面の発泡状態は小さな独立気孔から
できており、発泡層の上には緻密なガラス層が形成され
ていた。この表面の化粧層は、充分に溶融ガラス化し、
肌色を基調にした中に白がまばらに広がり、また所々に
グレーの淡い大きな粒が溶けて広がり、これらの色調の
中に白色を伴ったブラウンの点があった。いずれの粒も
よく溶融し結ばれていたが、それらの粒の粒界はそれぞ
れの色が溶け合って新たな発色をして美しい表情を呈し
ていた。
この発泡セラミック板は、軽量であり、表面はガラスで
化粧されているので清潔であり、また不燃性、断熱性に
優れた素材である。台所、溶室、便所など室内壁で近く
で見る壁材として好適に用いることができる。
実施例3 無機発泡性造粒物からなる層の上に別の無機発泡性造粒
物とこの造粒物に着色粉体をコーティングしたものとを
混合した化粧原料を積層し、焼成一体化させて発泡セラ
ミック板を製造した。
無機発泡性造粒物の調製 酸性白土52%、ガラス粉20%、ソーダ灰10%、ドロマイ
ト7%、ジルコンフラワー7%および硝酸ソーダ4%か
らなる配合原料を10mmのスチールボールとともにボール
ミルに入れ5時間のあいだ乾式粉砕した。えられた粉末
は325メッシュパス96%以上の大きさであった。この粉
末にバインダー液(糖蜜15%水溶液)を噴霧しながらパ
ン型造粒機にて造粒し、粒径2.5〜3.5mmの造粒物を与え
た。この造粒物をバイブルリフト転動温風機にて含水率
3%以下となるように乾燥させた。
コーティング着色粉末の調製 ガラス粉53%、R-2フリット37%、水簸粘土3%、ベン
トナイト2%およびジルコニット5%からなる配合原料
を10mmのスチールボールとともにポットミルに入れて5
時間のあいだ乾式紛砕した。えられた粉末は325メッシ
ュパス95%以上の大きさであった。この粉末に着色剤と
して日陶産業(株)製ピグメントM-850 3%(外割)
と同じくM-309 2%(外割)を加配し、ロッキングミ
キサーにて40分混合して着色コーティング原料を調製し
た。
発泡性造粒物をパン型造粒機に入れ、流転動させがらバ
インダー(イソバン3%溶液)を噴霧しながら着色粉末
を入れ、転動させて着色粉末を粒の表面に付着させた。
着色粉末のコーティング量は発泡性造粒物の10容積%で
あった。このようにしてでき上った着色コーティング粒
の含水率は約1.0%増して4%であり、そのまま積層し
て焼成することができる。
発泡性造粒物60容積%と着色コーティング粒40容積%を
ロッキングミキサーで混合して化粧原料をえた。
ベース層原料の調製 酸性白土69.9%、ガラス粉15%、ソーダ灰11%、硼砂2
%、生タルク2%および炭化ケイ素0.1%からなる配合
原料を10mmのスチールボールとともにボールミルに入れ
5時間のあいだ乾式粉砕した。えられた粉末は325メッ
シュパス96%以上の大きさであった。この粉末にバイン
ダー液(糖蜜15%水溶液)を噴霧しながらパン型造粒機
にて造粒し、粒径1〜2.5mmの造粒物をえた。この造粒
物をバイブルリフト温風乾燥機にて造粒含水率3%以下
となるように乾燥させた。
以上のようにして調製した造粒物を用いて発泡セラミッ
ク板を焼成した。
焼成炉は搬送用に耐熱メッシュベルトを架設した全長39
mのトンネルキルンを用いた。巾1mのメッシュベルト上
に耐火粘土粉末を塗布し、その上に造粒されたベース層
原料を30mmの厚さとなるようにチャージしながらベルト
上15mmのところにラス網を挿入、埋設した。厚さ30mmの
ベース層の上にさらに調製された化粧原料を7mm積層し
た。えられた積層体を予熱帯、焼成体、急冷帯、徐冷
体、冷却帯へと搬送し焼成を完了した。最高焼成温度は
870℃であった。
焼成された発泡板はたとえば巾90cm、長さ180cmに切断
され外壁材に用いられるが、ベース層は小さな独立気孔
のそろった発泡層であり、その上にやや気孔の小さい発
泡層とで構成されている。発泡化粧層表面は径4〜6mm
の白とうすいベージュ色の凹凸面であり、各粒は発泡溶
着して粒界を埋めて光沢のある力強い外壁材をうること
ができた。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明の製法によれば優雅で風趣
に富んだ表情の発泡セラミック板を多種多様に、簡易か
つ確実に製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 繁夫 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番12号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 宮澤 貴俊 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番12号 ナショナル住宅産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−15399(JP,A) 特開 昭63−291881(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機発泡性造粒物からなる層を焼成する発
    泡セラミック板の製法であって、無機発泡性造粒物の各
    粒の表面に着色原料または釉薬をコーティングし、えら
    れた造粒物で層を形成したのちに焼成することを特徴と
    する発泡セラミック板の製法。
  2. 【請求項2】無機発泡性造粒物の各粒の表面にバインダ
    ーを用いて着色原料粉末または釉薬粉末をコーティング
    する請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】無機発泡性造粒物の各粒の表面にバインダ
    ーを加配した着色原料または釉薬の微細粒泥漿をスプレ
    ーを用いて噴霧し、その後造粒物を乾燥する請求項1記
    載の製法。
  4. 【請求項4】無機発泡性造粒物および無機造粒物を積層
    し、焼成する発泡セラミック板の製法であって、無機発
    泡性造粒物および(または)無機造粒物の各粒の表面に
    着色原料または釉薬をコーティングし、えられた造粒物
    を積層したのちに焼成することを特徴とする発泡セラミ
    ック板の製法。
  5. 【請求項5】無機発泡性造粒物および(または)無機造
    粒物の各粒の表面にバインダーを用いて着色原料粉末ま
    たは釉薬粉末をコーティングする請求項4記載の製法。
  6. 【請求項6】無機発泡性造粒物および(または)無機造
    粒物の各粒の表面にバインダーを加配した着色原料また
    は釉薬の微細粒泥漿をスプレーを用いて噴霧し、その後
    造粒物を乾燥する請求項4記載の製法。
JP29163489A 1989-11-09 1989-11-09 発泡セラミック板の製法 Expired - Lifetime JPH0729863B2 (ja)

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