JP2001019505A - 人工骨材、これを製造するための方法および装置 - Google Patents

人工骨材、これを製造するための方法および装置

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JP2001019505A
JP2001019505A JP11186133A JP18613399A JP2001019505A JP 2001019505 A JP2001019505 A JP 2001019505A JP 11186133 A JP11186133 A JP 11186133A JP 18613399 A JP18613399 A JP 18613399A JP 2001019505 A JP2001019505 A JP 2001019505A
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firing
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kiln
aggregate
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Takayuki Suzuki
崇幸 鈴木
Junichi Terasaki
淳一 寺崎
Hideki Wachi
秀樹 和知
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Taiheiyo Cement Corp
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Taiheiyo Cement Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/009Porous or hollow ceramic granular materials, e.g. microballoons

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  • Structural Engineering (AREA)
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  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然および従来の人工骨材では得られていな
かった低比重、低吸水率且つ高強度の人工骨材(例え
ば、絶乾比重0.7〜1.30)、並びに該人工骨材を
提供する。 【解決手段】 内部発泡組織が略均一な独立気泡を含む
粒形状を有し、且つ、該粒の表面にガラス質層(溶融焼
結層)を有する人工骨材。該人工骨材の絶乾比重は1.
3以下、24時間吸水率は5重量%以下、飽和吸水率は
10重量%以下で、且つ圧壊強度は800N以上であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工骨材およびそ
の製造方法・製造装置に関し、より詳しくは、天然骨材
では得られ難い特性、すなわち低比重、低吸水率且つ高
強度という優れた特性を有する人工骨材、およびその製
造方法・製造装置に関する。
【0002】本発明の製造方法によれば、ガラス質原料
等の骨材原料造粒物を3段あるいはそれ以上の連続多段
式キルンを用いて焼成・発泡させることにより、人工軽
量骨材(通常、絶乾比重0.7〜1.3)を好適に製造
することが可能である。
【0003】
【従来の技術】近年、土地のより一層の有効利用等の観
点から、建築物の超高層化、大規模化の傾向は益々顕著
になってきている。このような超高層ないし大規模の建
築物を実現するためには、該建物の構造物の自重を軽減
することが極めて重要である。この自重軽減の観点か
ら、剛性の低下を最小限に抑制しつつ軽量化を図った超
軽量コンクリートの開発が強く望まれている。
【0004】超軽量コンクリート実現のためには、モル
タルへの気泡の導入とともに、該コンクリートを構成す
る骨材自体の軽量化が極めて重要である。しかしなが
ら、従来の天然骨材では、このような要求に応える性能
を実現することが通常は困難であるため、天然骨材では
得られ難い良好な特性を有する人工軽量骨材の開発が強
く望まれている。
【0005】加えて、近年では天然骨材資源(じゃり、
砂等)の枯渇傾向を考慮し、環境問題の改善を図る観点
から、天然資源以外の資源(例えば、産業廃棄物等)を
原料として積極的に利用する人工骨材の製造方法の技術
を確立することが強く望まれている。
【0006】上記した2つの側面から、優れた特性を有
する人工骨材の需要もかなり高まっており、したがっ
て、その製造方法の確立も急務となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コンクリートに用いら
れる人工軽量骨材に必要な特性として、(低比重である
ことに加えて)骨材強度と吸水率が挙げられる。一般
に、骨材強度が大きい程、それを用いたコンクリート強
度も増大する。特に軽量骨材を用いたコンクリートにお
いては、骨材強度が該コンクリート強度に及ぼす影響
は、通常の骨材を用いたコンクリートにおける場合と比
べて、顕著である。
【0008】人工軽量骨材においては、更に吸水率も重
要な物性である。吸水率が充分に低い人工軽量骨材を用
いた場合には、コンクリート打設前の吸水処理を必要と
せず、従来の高吸水率軽量骨材(吸水処理を行わずに)
用いた場合に見られるような、練り混ぜ後の急速なスラ
ンプロスも発生しない。さらに、吸水率が充分に低い人
工軽量骨材を用いた場合には、ポンプ圧送時の圧送性低
下という施工面の問題もクリアできる。加えて、吸水率
の低い人工軽量骨材を用いたコンクリートは、充分な凍
結融解抵抗性を有することが知られている。
【0009】上述したように、低比重、低吸水率、しか
も高強度という人工軽量骨材が切望されているが、従来
の人工軽量骨材においては、低比重(例えば、比重=1
程度)とすると、強度も低くならざるを得ず、また吸水
率も30〜50重量%程度と著しく高くなってしまうと
いう問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の欠点を解消した人工骨材、並びに該人工
骨材を製造するための方法および装置を提供することに
ある。
【0011】本発明の他の目的は、天然および従来の人
工骨材では得られていなかった低比重、低吸水率且つ高
強度の人工骨材(例えば、絶乾比重0.7〜1.3
0)、並びに該人工骨材を製造するための方法および装
置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、従来におけるように人工骨材の全体を均一な構成と
するのではなく、内部発泡組織が略均一な独立気泡を含
む粒形状の人工骨材とし、しかも該粒状の人工骨材の表
面部に積極的にガラス質層(溶融焼結層)を形成するこ
とが、上記目的の達成のために極めて効果的なことを見
出した。
【0013】本発明の人工骨材は上記知見に基づくもの
であり、より詳しくは、内部発泡組織が略均一な独立気
泡を含む粒形状を有し、且つ、該粒の表面にガラス質層
(溶融焼結層)を有する人工骨材であって;且つ、絶乾
比重が1.3以下、24時間吸水率が5重量%以下、飽
和吸水率が10重量%以下で、且つ圧壊強度が800N
以上であることを特徴とするものである。
【0014】本発明によれば、更に、その内部に供給さ
れた粒状の造粒物原料を加熱するための中空円筒部と、
該円筒部を回転させるための駆動部と、前記円筒部内部
の原料を加熱するための加熱部とを少なくとも含み、且
つ、前記円筒部が、前記原料を乾燥・予備燃焼させるた
めの第1円筒部と、該原料を本焼成するための第2円筒
部と、該原料を仕上げ焼成するための第3円筒部との、
少なくとも3つの部分を含むことを特徴とする人工骨材
の製造装置が提供される。
【0015】本発明によれば、更に、粒状の造粒物原料
を焼成・発泡させる人工骨材の製造方法であって;予備
燃焼により粒形状を有する該原料から有機物系造粒助剤
を除去し、本焼成により該原料を発泡させ、次いで、仕
上げ焼成により該粒の表面にガラス質層(溶融焼結層)
を形成することを特徴とする人工骨材の製造方法が提供
される。
【0016】上記構成を有する本発明の人工骨材は、低
比重、低吸水率しかも高強度という優れた特性を有する
ため、天然資源の枯渇対策、環境問題の改善策としてメ
リットが大であるのみならず、従来では得られなかった
性能を有する人工骨材となる。本発明の人工骨材を利用
することにより、例えば、土木、建築分野及びコンクリ
ート製品の軽量化、高強度化を達成することが可能とな
る。更には、本発明の人工骨材は耐凍結融解性にも優れ
ているため、雪国等の寒冷地対策等のような、土木、建
築分野或いはコンクリート製品の新規技術・新規分野へ
の展開を図ることが容易となる。
【0017】加えて、本発明の人工骨材は、24時間吸
水率で5重量%以下、飽和吸水率で10重量%以下とい
う低吸水率化を達成しているため、施工時のポンプ圧送
も可能であり、上記のメリットと合わせて、また、従来
施工が不可能であった用途への展開も可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を具体的に説明する。以下の記載において、
量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り重
量基準とする。
【0019】(人工骨材)本発明の人工骨材は、内部発
泡組織が略均一な独立気泡を含む粒形状を有し、且つ、
該粒の表面にガラス質層(溶融焼結層)を有する人工骨
材であって、且つ、絶乾比重が1.3以下、24時間吸
水率が5重量%以下、飽和吸水率が10重量%以下で、
且つ圧壊強度が800N以上の人工骨材である。
【0020】(粒形状)後述する特性(絶乾比重、吸水
率および圧壊強度)を満足する限り、本発明の人工骨材
の粒形状・粒径(ないし粉末度)は特に制限されない
が、商品流通、需要の点からは、通常は、人工骨材の粒
径がJIS(日本工業規格)A5002に適合する直径
5〜15mmφ、若しくは0.1〜5mmφであること
が好ましい。
【0021】(内部発泡組織)本発明の人工骨材におい
ては、上記粒形状の内部発泡組織が略均一な独立気泡を
含んでいる。このように「略均一な独立気泡を含む」こ
とは、例えば、光学顕微鏡(倍率:200倍程度)によ
る観察により、容易に確認することが可能である。
【0022】本発明においては、「独立気泡を含む」こ
とは、上記光学顕微鏡により、約100個以上の任意に
選んだ気泡(直径が10μm以上)を観察した場合に、
その「独立気泡」(他の気泡とつながっていない気泡)
の個数の割合が、75%以上、更には80%以上(特に
90%以上)であることが好ましい。
【0023】本発明においては、「略均一な独立気泡を
含む」ことも、例えば、上記と同様に光学顕微鏡(倍
率:200倍程度)による観察により、容易に確認する
ことが可能である。
【0024】本発明においては、「略均一な独立気泡を
含む」ことは、上記光学顕微鏡により約100個以上の
任意に選んだ気泡(直径が10μm以上)を観察し、該
粒径を統計処理した場合に、その「独立気泡」の平均粒
径を基準として、2σ(σは標準偏差)の範囲内に50
%以上、更には70%以上(特に80%以上)の個数の
独立気泡の粒径が含まれていることが好ましい。
【0025】(ガラス質層)本発明の人工骨材は、その
表面に緻密化されたガラス質層(溶融焼結層)を有す
る。該ガラス質層の存在は、例えば、粒状の人工骨材を
ダイヤモンドカッター等により切断し、該断面を光学顕
微鏡(倍率:200倍程度)で観察することにより、容
易に確認することができる。
【0026】本発明において、この「ガラス質層」と
は、発泡による微細孔が極めて少ない層をいう。より具
体的には、該微細孔の数が、光学顕微鏡で観察した断面
積1mm2あたりに換算して、直径10μm以上の微細
孔の個数が、1000個以下(更には500個以下)で
あることが好ましい。
【0027】このようなガラス質層の存在、ないしはそ
の厚さは、粒形状の中心部(発泡部)の材質から計算さ
れる比重Aと、実際の比重B(ガラス質層の存在によっ
て、比重Aより大となる)との比(B/A)で1〜10
の範囲(更には2〜5の範囲)を与える程度であること
が好ましい。
【0028】(絶乾比重)本発明の人工骨材は、1.3
以下の絶乾比重を有する。
【0029】コンクリート工業の点からは、該絶乾比重
は、0.7〜1.3(更には0.85〜1.20)の範
囲にあることが好ましい。この絶乾比重は、JIS A
−1134および1135に基づいて測定することがで
きる。
【0030】(吸水率)本発明の人工骨材は、24時間
吸水率で5重量%以下、飽和吸水率で10重量%以下の
吸水率を有する。耐凍結融解性の点からは、該24時間
吸水率は、3重量%以下(更には2重量%以下)である
ことが好ましい。これらの吸水率は、JIS A113
4及びA1135に基づいて測定することができる。
【0031】(圧壊強度)本発明の人工骨材は、800
N以上の圧壊強度を有する。コンクリート工業の点から
は、該圧壊強度は、800N以上(更には1000N以
上)であることが好ましい。この圧壊強度は、JIS
Z-8841に基づいて測定することができる。
【0032】(製造方法)上記した特定の物性(絶乾比
重1.3以下、24時間吸水率5重量%以下、飽和吸水
率10重量%以下、圧壊強度が800N以上)を満足す
る限り、本発明の人工骨材の製造方法は、特に制限され
ない。工業化の点からは、該人工骨材は、以下に記述す
る態様の製造方法(本発明の製造方法)によって製造す
ることが好ましい。
【0033】人工軽量骨材を製造するための方法として
は、原石を所望の寸法に粉砕し、焼成・発泡させる方法
(非造粒法)と;原石粉末等の粉末混合物からなる造粒
物原料を、パン型造粒機(ペレタイザー)等を用いて所
望のサイズに造粒した後、焼成・発泡させる方法(造粒
法)とのいずれも使用可能であるが、均質な製品が得や
すいこと、所望の比重および吸水量の調整が容易である
こと等の点からは、(非造粒法に比べて工程は多くなる
ものの)後者の造粒法が好適に使用可能である。上記の
造粒法による人工軽量骨材の製造方法においては、焼成
時に造粒物周囲を軟化状態にしつつ、発泡材の作用に基
づき造粒物内部から発生する気体の膨張圧を利用して該
造粒物を発泡させることによって、軽量化を図ることが
好ましい。造粒物全体、あるいは少なくとも表面部分が
適度な軟化状態にならないと、その内部から気体が発生
しても発泡に寄与することなく造粒物の外部へと抜けて
しまう傾向が強まるため、発泡による空洞が充分形成さ
れず、したがって所望の軽量化の達成が難しくなる。
【0034】また、本発明においては、熱衝撃による骨
材表面の亀裂の発生を防止する点からは、原料造粒物の
急昇温および製品の急冷却は避けることが好ましい。
【0035】以下、先ず本発明の人工骨材を製造するた
めの材料等について述べる。
【0036】(原料造粒物)本発明に使用可能な原料造
粒物の種類(化学組成、物理的性質等)は特に制御され
ない。骨材の高純度化および低吸水率化の点からは、該
原料造粒物としてはガラス質原料を主体とし、これに発
泡材、粘着材および造粒助剤を少なくとも添加してなる
配合組成物からなる原料造粒物が使用に好適である。
【0037】(ガラス質原料)上記のガラス質原料とし
ては、骨材の強度、および独立気泡を形成しやすい材料
の点からは、例えば、天然の流紋岩系ガラス粉末(火山
ガラス粉末)や廃ガラス粉末が好ましい。流紋岩系ガラ
ス質粉末の具体例としては、真珠岩、黒曜石、マレカナ
イト、坑火石およびシラスなどが挙げられ、廃ガラスと
しては、各種ガラス瓶、窓ガラス、ガラス繊維を始め、
種々のガラス製品の廃材が挙げられる。必要に応じてこ
れらのガラス質原料の2種類以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0038】(発泡材)上記の発泡材としては、ガラス
質原料との組み合わせの点からは、例えば、SiC、S
34、SiA1ONのいずれかが好適に使用可能であ
る。必要に応じて、これらの発泡材の2種類以上を組み
合わせてもよい。上記した発泡材の中でも、取り扱いの
容易性、および供給コストの実用的観点から、SiCが
特に好ましく用いられる。上記配合組成物において、配
合割合はガラス質粉末100重量部に対して、発泡材が
0.1〜0.3重量部が好ましい。発泡材の配合割合が
0.1重量部未満では焼成物の発泡が不充分となりやす
い。
【0039】(粘着材)上記粘着材としては、造粒性お
よび造粒物のハンドリング性の点からは、例えばデキス
トリン・ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ア
クリル系樹脂、ベントナイト、水ガラスのいずれかが好
適に使用可能である。必要に応じて、これらの粘着材の
2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記した粘着
材の中でも、取り扱いの容易性、および供給コストの実
用的観点からは、ベントナイトが特に好ましい。
【0040】上記配合組成物における配合割合は、ガラ
ス質粉末100重量部に対して、通常、粘着材が0.1
〜10重量部であることが好ましい。この粘着材の適正
な添加率は、その種類によって異なる場合があり、水溶
性高分子などの有機材料では0.1〜2.0重量部、ベ
ントナイトや水ガラスなどの無機材料では1〜10重量
部、さらには3〜7重量部が好適に使用可能である。
【0041】この粘着材は、通常、乾燥および焼成工程
において原料造粒物のハンドリング性を保持するために
添加される。したがって、粘着材の量が少なすぎるとハ
ンドリング性を保持できなくなる一方・添加する粘着材
の量が多すぎると、造粒工程において多量の水が必要と
なり、また製造コスト的にも好ましくない。
【0042】(造粒助剤)上記造粒助剤としては、公知
の造粒助剤を特に制限なく使用することが可能である、
より具体的には例えば、該造粒助剤として、ホウ酸、リ
グニン等が好適に使用可能である。中でも、安全性の点
からは、リグニンを用いることが特に好ましい。
【0043】(粒径・粉末度)原料造粒物の粒径は、造
粒物の比重、製造すべき骨材の比重、および製造品種に
よっても異なるが、通常は、焼成し発泡した後の骨材の
粒径が、粗骨材の場合は直径5〜15mmφ、細骨材の
場合は直径0.1〜5.0mmφとなるように造粒を行
うことが好ましい。
【0044】原料配合物の粉末度は特に限定されない。
該粉末度の好ましい範囲は、JISR5201「セメン
トの物理試験方法」に準じた方法によるブレーン値で
2,000〜5,000cm2/gである。原料配合物
の造粒方法は特に制限されない公知ないし慣用の装置、
手法が使用可能である。
【0045】(好ましい焼成方法)上記した本発明の人
工骨材の好ましい焼成方法について述べる。この態様に
おいては、原料造粒物の焼成方法が重要である。本発明
においては、高強度・低吸水率の人工軽量骨材を容易に
製造することが可能な点からは、連続多段式焼成法を用
いることが好ましい。すなわち、該焼成方法は、第一段
階である乾燥工程と、第二段階の本焼成工程と、第三段
階の仕上げ焼成工程を含むことが好ましい。
【0046】第一段階である乾燥工程においては、該造
粒物中の水分および造粒助剤を蒸発・燃焼させるととも
に、該造粒物を予熱することが好ましい。第二段階の本
焼成工程においては、前半部で該造粒物の焼成を、後半
部で発泡を行い、該造粒物を所望の比重の焼成物とする
ことが好ましい。そして第三段階の仕上げ焼成工程にお
いて、該焼成物表層の繊密化を行うことにより強固な外
殻を形成し、得られる焼成物の高強度化・低吸水率化を
図ることが好ましい。
【0047】従来の製造方法では、原料造粒物の表層部
が過発泡となり易く、焼成物同士および焼成物と焼成装
置との融着が生じ易い傾向があった。
【0048】以下、上記したそれぞれの工程について述
べる。
【0049】(乾燥工程)上記の乾燥工程(予備燃焼)
における乾燥温度は、製造量および用いる造粒助剤の種
類によって異なる場合があるが、原料造粒物温度が30
0〜600℃になることが望ましい。原料造粒物温度が
300℃未満の温度域では、造粒助剤の燃焼・除去が不
完全になるだけでなく、予熱の効果が低く、本焼成のキ
ルン投入時に該造粒物が急加熱をうけ、爆裂等の問題が
生じる可能性が大きくなる。また、該造粒物温度が60
0℃を超えると、乾燥工程→本焼成工程間での該造粒物
の急冷を防ぐための保温設備が必要となる場合があり、
望ましくない。
【0050】(本焼成工程)本焼成工程の前半部では、
原料造粒物を一度繊密化させる事が重要である。該造粒
物内部には、造粒時に発生する密度の不均一および空隙
が存在するが、これらが最終製品中に存在した場合、破
壊の起点および亀裂の伝播経路となり強度低下を引き起
こす傾向が強まる。これらを排除するために、本焼成工
程の前半部では該造粒物を融点の3分の2以上の温度に
熱し、物質移動にともなう繊密化(焼結現象)により密
度の不均一を解消するとともに造粒時の空隙を排除する
ことが好ましい。この時、該造粒物(焼成物粒体)の相
対密度(かさ密度/真密度)が80〜90%になること
が望ましい。
【0051】本焼成工程の後半部では、焼成物粒体全体
を軟化させると同時に、発泡材の発泡作用により体積膨
張させることが好ましい。この時、該焼成物の軟化が不
充分であると内部圧の上昇による爆裂等が発生する傾向
が強まる。また、過度に軟化した場合、過発泡による気
泡の粗大化・連通化が発生し最終製品の強度および吸水
率に悪影響を及ぼすだけでなく、所望の比重を得られな
くなる可能性が高まる。そのため、内熱式キルンの場合
は焼点温度、外熱式キルンの場合は炉頂温度を厳密に管
理することが極めて好ましいが、いずれの場合において
も、該焼成物が融点付近まで熱せられる事が極めて好ま
しい。
【0052】該焼成ステップの温度は、例えば、キルン
のシェル温度を熱電対で測定することにより得ることが
できる。適度な発泡の点からは、使用する原料の種類と
配合にもよるが、通常、該焼成物温度が600〜1,2
00℃(更には800〜1200℃)になるように温度
を制御することが好ましい。
【0053】本焼成ステップの加熱時間に関しては、不
均一な原料を使用して安定した品質の人工骨材を製造す
るためには、発泡までの焼成工程で充分に時間をとり、
バラツキを吸収することが好ましい。しかしながら反
面、溶融、焼結反応の装置をできる限りコンパクト化す
る点からは、短時間での焼成時間が有利である。これら
のバランスの点からは、通常、本焼成ステップの加熱時
間は、10〜40分(更には20〜30分)程度である
ことが好ましい。
【0054】(仕上げ焼成工程)仕上げ焼成工程では焼
成物粒体を融点程度の温度で熱する事により、該焼成物
の表層の繊密化を行うことが好ましい。この時、(1)
温度が高すぎる、もしくは(2)キルン内滞留時間が長
すぎると、焼成物粒体同士および該焼成物とキルン内壁
との融着が起こる傾向が強まるため、厳密な温度管理が
極めて好ましい。また、仕上げ焼成により該焼成物の比
重が下がる場合には、予め本焼成での目標比重を高めに
設定しておくことが好ましい。
【0055】(滞留時間)乾燥工程、本焼成(前半部、
後半部)工程および仕上げ焼成工程での原料造粒物およ
び焼成物粒体のキルン内滞留時間は特に限定されない
が、各工程における反応が進行するのに充分な滞留時間
をとることが好ましい。
【0056】乾燥工程においては、原料造粒物が絶乾状
態になり、かつ、造粒助剤を添加している場合にはそれ
が完全燃焼するのに充分な滞留時間をとることが好まし
い。本焼成工程において、前半部では該造粒物が相対密
度80〜90%に繊密化するだけの、後半部では所定の
比重になるまで発泡するだけの滞留時間を、それぞれと
ることが好ましい。
【0057】この前半部と後半部との境界に、必要に応
じて、ダムリング等を設置することは効果的である。ま
た、前半部と後半部とで必要な滞留時間が大きく異なる
場合には本焼成工程を2段のキルンに分割し、回転数を
変える事により対応できる。
【0058】仕上げ焼成工程では、焼成物粒体の融着お
よび比重の変化を防ぐために、必要な滞留時間は極めて
短くなる傾向がある。
【0059】(ガラス化の程度)仕上げ焼成ステップに
おけるガラス化の程度は、粒形状の中心部(発泡部)の
材質から計算される比重Aと、実際の比重B(ガラス質
層の存在によって、比重Aより大となる)との比(B/
A)が1〜10の範囲(更には2〜5の範囲)になるよ
うに行うことが好ましい。
【0060】仕上げ焼成ステップにおける溶融、焼結に
は、使用する原料の種類と配合にもよるが、通常、該焼
成物温度が1000〜1400℃程度(更には1,20
0〜1,300℃程度)となるように温度を制御するこ
とが好ましい。
【0061】この仕上げ焼成ステップにおいて、発泡が
実質的に進行していないことは、例えば、仕上げ焼成ス
テップにより得られたガラス層の表面を、光学顕微鏡
(倍率200倍程度)で観察することにより確認するこ
とが可能である。
【0062】より具体的には、該微細孔の数が、光学顕
微鏡で観察した表面積1mm2あたりに換算して、直径
10μm以上の微細孔の個数が、1000個以下(更に
は500個以下)であることが好ましい。
【0063】なお、焼成後の焼成物がJIS A 50
02 「構造用軽量コンクリート」の規定の粗骨材およ
び細骨材粒度に適合しない場合には、必要に応じて、J
ISZ−8801(標準ふるい)に準拠した篩を用いて
篩い粒度を調整した後に用いればよい。
【0064】(乾燥・焼成温度)本発明においては、乾
燥温度および焼成温度として、放射温度計および熱電対
で測定した焼点温度、熱風温度およびキルンのシェル温
度を用いる。この焼成温度は、例えば、下記の条件下で
好適に測定可能である。 <焼成温度の測定条件> 熱電対の種類: Rタイプ 熱電対の具体名:チノー社製 (乾燥・焼成装置)本発明で用いる乾燥・焼成装置は特
に制限されないが、焼成物の均熱化が図りやすく、品質
のバラツキを少なくすることが容易な点からは、キルン
の加熱方式として、内熱手段と、外熱手段とを組み合わ
せて用いることが好ましい。
【0065】本発明においては、上述したように、高強
度・低吸水率の人工軽量骨材を容易に製造できる点から
は、連続多段式焼成法を用いることが好ましい。連続多
段式焼成法とは、焼成工程を、上述した乾燥、本焼
成および仕上げ焼成の3段階、あるいはそれ以上に分
割する方法である。
【0066】本発明で用いる乾燥・焼成装置において
は、これらの乾燥、本焼成および仕上げ焼成の3
段階それぞれの工程で異なる焼成装置を用い、これらを
連続運転して焼成物を得る方法であることが好ましい。
【0067】本発明の製造方法で用いる乾燥および焼成
装置としては、キルン(回転窯、ロータリーキルン)の
内側に熱源を配置してなる「内熱式キルン」、キルンの
外側に熱源を配置してなる「外熱式キルン」およびそれ
らのキルンやその他の熱源から発生する排熱を熱源とす
る「熱風炉」のいずれも使用可能である。各キルンの特
徴をより効果的に活用する点からは、乾燥工程には「熱
風炉」、本焼成工程および仕上げ焼成工程には「内熱
式」または「外熱式キルン」をそれぞれ用いるのがより
好適である。その理由を以下に述べる。
【0068】(乾燥工程のための装置)乾燥工程では、
主として、造粒時に添加した水および有機物系造粒助剤
を蒸発および燃焼させるとともに、原料造粒物の予熱を
行う。本工程は(1)高温を必要としない事、および
(2)省エネルギーの観点から、その後の焼成工程のキ
ルン排熱を利用した熱風炉が好ましい。また、造粒工程
において有機物系の造粒助剤を用いた場合、乾燥工程で
の有機物の燃焼が不充分であると、その後の焼成工程に
おいても未燃物として残留する可能性があるため、乾燥
工程での有機物の完全燃焼が必要である。この際の温度
は、該造粒物温度≧300℃が望ましい。
【0069】さらに、本工程において該造粒物を予熱す
ることによる、本焼成段階でのキルンの負担の低減、お
よび焼成処理量の増加は、運転の高効率化に大きく寄与
するものである。
【0070】(焼成工程のための装置)本焼成では、主
として、該造粒物の焼成および発泡を行う。本工程では
内熱式および外熱式のどちらのキルンも使用可能であ
り、製造量および製造品種により使い分けが可能であ
る。内熱式キルンの場合、(1)キルン本体を加熱しな
いことから設備の大型化が可能である、および(2)外
熱式キルンよりも高温での運転が可能であることから、
大量生産に向いている。外熱式キルンの場合、複数のバ
ーナを用いることによりキルン縦方向に細かい温度プロ
ファイルを与えることができるため、複雑な焼成温度設
定が可能である。また、キルン筒内の風速が内熱式に比
べ遅いことから、焼成中の該造粒物の飛散を抑えること
ができ、細骨材製造において有利である。
【0071】これらの事から、外熱式キルンは多品種製
造に向いている。いずれの方式のキルンを用いた場合で
も、キルン内の前半部において該造粒物の「焼成」を、
キルン後半部で「発泡」を行うことが好ましい。場合に
より、この「焼成」と「発泡」を別々のキルンを用いて
行う事も可能である。
【0072】焼成段階においては原料混合物の融点の3
分の2程度の温度(タンマン温度)以上を焼成温度とし
て設定し、該造粒物の繊密化を進行させることが好まし
い。この繊密化によって、該造粒物内部の密度の不均一
を解消するとともに、造粒、乾燥および輸送時に発生す
る内部クラックも解消する。発泡段階では該混合物の融
点付近の温度を設定し、該造粒物の表層あるいは全体を
軟化状態にし発泡による体積膨張を促進させる。
【0073】これらの焼成→発泡過程において、焼成段
階、あるいは発泡段階での温度設定が低い場合、発泡時
における内部圧の上昇により該造粒物の爆裂が発生する
傾向が強まる。また、発泡段階での温度設定が高すぎる
場合、該造粒物同士あるいは該造粒物とキルン内壁とが
融着を起こし、良好な性状を有する製品の製造が困難に
なるばかりではなく、設備の運転が困難になる傾向が強
まるため、注意が必要である。
【0074】(仕上げ焼成のための装置)仕上げ焼成で
は、主として、該焼成物の表層の繊密化を行う。本焼成
工程の発泡段階において、該造粒物の表層部は中心部よ
りも高温となり軟化が進行している。軟化が進行すると
発泡による体積膨張が容易になるため、表層部の構造は
内部よりも粗となり、気泡の連通が発生する傾向が強ま
る。このような気泡の連通、および表面に開口した開放
気泡の発生は、骨材の吸水率の上昇を招くため、防ぐこ
とが極めて好ましい。仕上げ焼成の目的は、本焼成の発
泡段階よりも高い温度を該造粒物に与えることにより、
該造粒物表層のみを繊密化し、本焼成で発生した連通お
よび開放気泡を排除することにある。
【0075】本発明で用いる乾燥および焼成装置は特に
限定されないが、既述の通り「熱風式キルン」、「内熱
式キルン」および「外熱式キルン」をそれぞれの工程別
に使い分けることが好ましい。
【0076】本発明で用いる焼成装置は特に制限されな
いが、焼成物の均熱化が図りやすく、品質のバラツキを
少なくすることが容易な点からは、キルンの加熱方式と
して、内熱手段と、外熱手段とを組み合わせて用いるこ
とが好ましい。
【0077】焼成時間を充分にとることが容易なロ一夕
リーキルンを用いた場合、原料の流れに従って、適当な
水分の蒸発、発泡反応が進む温度を保持することを容易
とする点からは、本焼成ステップに対応させて温度制御
が容易な外熱炉方式を採用し、その後段(仕上げ焼成ス
テップ)に対応させて、溶融・焼結反応をロータリーキ
ルン内部にバーナを挿入した直接加熱方式、或いは熱風
炉を設けた間接加熱方式を採用することが好ましい。こ
れにより、原料のバラツキの吸収が容易となって安定し
た製品を製造し、適当な発泡、溶融、焼結の程度と順番
の達成が容易となる。
【0078】この際、焼成温度を維持したまま、燃料量
の低減を図るため、燃焼排ガスの顕熱及び原料の顕熱
は、燃焼用空気の加熱に使用することで、有効に利用す
ることが好ましい。
【0079】外熱式キルンを用いた場合、本発明で好適
な加熱曲線パターンを得ることが容易で、且つ、該パタ
ーンをコントロールしやすいという利点がある。
【0080】本発明で使用可能な外熱式キルンは、前記
加熱曲線パターンが得られる限り特に制限されない。該
キルンとしては、例えば、図1の模式断面図に示すもの
が好適である。
【0081】外熱式キルンの材質は、1200℃程度の
加熱に耐えうるものであれば特に限定されない。該材質
としては、ステンレス、耐熱鋳鋼などが使用可能である
が、長さの長い外熱式キルンでは耐熱鋳鋼を用いること
が特に好ましい。
【0082】バーナーのない部分には、必要に応じて、
温度が下がり過ぎないよう断熱材で被覆したり、逆に冷
風をあてるなどして、本発明の範囲の焼成温度となるよ
う温度コントロールすることも可能である。
【0083】該キルンの寸法は特に限定されないが、所
望の粒径の骨材を安定して得る点からは、内径が2m以
下程度、長さ8〜16mのキルンを用いることが好まし
い。
【0084】図1に、本発明において好適に使用可能な
外熱/内熱式キルンの一態様の模式断面図を示す。
【0085】図1を参照して、この態様の乾燥・焼成装
置は、原料造粒物ないし焼成物の供給方向に沿って配置
された、原料造粒物入口1と、原料造粒物の乾燥処理を
行う熱風式キルン2と、本焼成処理を行う外熱式キルン
本体(シェル)3と、仕上げ焼成を行う内熱式キルン4
と、焼成物粒体(製品)出口5とからなる。上記外熱式
キルン本体(シェル)3の外側には、これを加熱するた
めの外熱炉6a、6bとが配置され、該外熱炉6a、6
bの内部には、それぞれ複数のバーナ7が配置されてい
る。外熱炉6a、6bの内部(シェル3の外部)には、
原料造粒物ないし焼成物の供給方向に沿って、複数のバ
ーナー7が配置されている。バーナー焚き量(本数や火
力)を調整することにより、シェル3の温度を調整する
ことが可能である。
【0086】更に、外熱炉6a、6bには、それぞれ外
熱炉排気風管8が接続され、外熱炉6a、6bからの廃
熱を前記熱風式キルン2で利用可能としている。内熱式
キルン4の焼成物粒体出口5側には、該キルン4内部の
粒体を加熱するためのバーナ9が配置されている。
【0087】上記シェル3の壁面には、原料造粒物ない
し焼成物の供給方向に沿って、シェル温度測定用の熱電
対(図示せず)が複数配置されている。シェル3の両端
近傍には、キルンを回転させるためのキルンタイヤ(図
示せず)等を含むキルン駆動部が配置されている。キル
ンの両端部以外にも、必要に応じて、更にキルンタイヤ
(図示せず)を配置してもよい。
【0088】滞留時間の点からは、シェル2はその原料
供給側から原料排出側に向かって傾度3〜10%(更に
は傾度3〜7%)の下向きの傾斜を有することが好まし
い。
【0089】上記した図1の構成では、本焼成ステップ
に対応するゾーンに外熱炉6a,6bを設けたシェル3
を用い、仕上げ本焼成ステップに対応するゾーンに、内
部にバーナを挿入した直接加熱方式(バーナー9)のキ
ルン4を用いているが、上述したような所定の本焼成ス
テップおよび仕上げ焼成ステップを実行可能である限
り、外熱/内熱手段はこれらに限定されないことは、も
ちろんである。すなわち、該外熱/内熱手段としては、
熱風炉による間接加熱方式、或いは流動焼成炉等のいず
れの公知手段も利用することが可能である。以下、実施
例により本発明を具体的に説明する。
【0090】
【実施例】実施例1〜3、比較例1〜3 <原料>以下の実施例および比較例で使用した原料は以
下の通りである。 (1)ガラス質粉末:真珠岩(奥尻産) (2)粘着材:ベントナイト(豊順鉱業社製、榛名品) (3)発泡材:SiC(屋久島電工社製) (4)造粒助剤:サンエキスC(日本製紙社製) <配合および原料造粒物の作製>上記使用原料を、表1
に示す配合割合で混合した後、パン型ペレタイザを用い
て造粒した。
【0091】
【表1】
【0092】<焼成>次いで、図1に模式断面図を示す
乾燥・焼成装置を用いて、上記で得た原料造粒物を、表
2に示す焼成条件で焼成した。図1に示すように、乾燥
工程に「熱風式キルン」2、本焼成工程に「外熱式キル
ン」3、仕上げ焼成工程に「内熱式キルン」4をそれぞ
れ用いた。乾燥工程、本焼成工程および仕上げ焼成工程
の滞留時間は、それぞれ30分間、40分間および5分
間とした。また、各キルン間の輸送時に、原料造粒物お
よび焼成物粒体の保温は特に行わなかった。
【0093】
【表2】
【0094】<骨材の性状の評価>上記の製造方法によ
り得られた人工軽量骨材の絶乾比重、24時間吸水率、
飽和吸水率および圧壊強度を測定した。絶乾比重および
24時間吸水率は、JISA1135「構造用軽量粗骨
材の比重および吸水率試験方法」に準じて測定した。飽
和吸水率は、得られた骨材を2時間煮沸した後、24時
間吸水率同様に吸水率を測定した。圧壊強度は、オート
グラフ((株)島津製作所製)を用いて測定した。な
お、圧壊強度は、粒径が14mmφの骨材を20個測定
し平均値をとった。得られた結果を表3にまとめて示
す。
【0095】
【表3】
【0096】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、内部発
泡組織が略均一な独立気泡を含む粒形状を有し、且つ、
該粒の表面にガラス質層(溶融焼結層)を有する人工骨
材であって;且つ、絶乾比重が1.3以下、24時間吸
水率が5重量%以下、飽和吸水率が10重量%以下で、
且つ圧壊強度が800N以上である人工骨材が提供され
る。
【0097】本発明によれば、更に、その内部に供給さ
れた粒状の造粒物原料を加熱するための中空円筒部と、
該円筒部を回転させるための駆動部と、前記円筒部内部
の原料を加熱するための加熱部とを少なくとも含み、且
つ、前記円筒部が、前記原料を乾燥・予備燃焼させるた
めの第1円筒部と、該原料を本焼成するための第2円筒
部と、該原料を仕上げ焼成するための第3円筒部との、
少なくとも3つの部分を含むことを特徴とする人工骨材
の製造装置が提供される。
【0098】本発明によれば、更に、粒状の造粒物原料
を焼成・発泡させる人工骨材の製造方法であって;予備
燃焼により粒形状を有する該原料から有機物系造粒助剤
を除去し、本焼成により該原料を発泡させ、次いで、仕
上げ焼成により該粒の表面にガラス質層(溶融焼結層)
を形成することを特徴とする人工骨材の製造方法が提供
される。
【0099】上記構成を有する本発明の人工骨材は、低
比重、低吸水率しかも高強度という優れた特性を有する
ため、天然資源の枯渇対策、環境問題の改善策としてメ
リットが大であるのみならず、従来では得られなかった
性能を有する人工骨材となる。このような人工骨材を利
用することにより、例えば、土木、建築分野及びコンク
リート製品の軽量化、高強度化を達成することが可能と
なる。更には、本発明の人工骨材は耐凍結融解性にも優
れているため、雪国等の寒冷地対策等のような、土木、
建築分野或いはコンクリート製品の新規技術・新規分野
への展開を図ることが容易となる。
【0100】加えて、本発明の人工骨材は、24時間吸
水率で5重量%以下、飽和吸水率で10重量%以下とい
う低吸水率化を達成しているため、施工時のポンプ圧送
も可能であり、上記のメリットと合わせて、また、従来
施工が不可能であった用途への展開も可能となる。
【0101】また、本発明の製造方法は、焼成工程を
「乾燥工程」、「本焼成工程」および「仕上げ焼成工
程」の3段階、あるいはそれ以上に分割し、それぞれの
工程で好適な焼成装置を用い、最適な条件でこれらを連
続運転して人工軽量骨材を製造する方法である。該製造
方法を用いる事により、高強度・低吸水率の人工軽量骨
材を容易に製造する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工軽量骨材の製造において好適に使
用可能な乾燥・焼成装置(キルンの組み合わせ)の一例
を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…原料造粒物入口、2…熱風式キルン、3…キルン本
体、4…、内熱式キルン、5…焼成物粒体(製品)出
口、6a,6b…外熱炉、7…バーナ、8…外熱炉排気
風管、9…バーナ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部発泡組織が略均一な独立気泡を含む
    粒形状を有し、且つ、該粒の表面にガラス質層(溶融焼
    結層)を有する人工骨材であって;且つ、 絶乾比重が1.3以下、24時間吸水率が5重量%以
    下、飽和吸水率が10重量%以下で、且つ圧壊強度が8
    00N以上であることを特徴とする人工骨材。
  2. 【請求項2】 その内部に供給された粒状の造粒物原料
    を加熱するための中空円筒部と、 該円筒部を回転させるための駆動部と、 前記円筒部内部の原料を加熱するための加熱部とを少な
    くとも含み、且つ、 前記円筒部が、前記原料を乾燥・予備燃焼させるための
    第1円筒部と、該原料を本焼成するための第2円筒部
    と、該原料を仕上げ焼成するための第3円筒部との、少
    なくとも3つの部分を含むことを特徴とする人工骨材の
    製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第1円筒部が、前記予備燃焼により
    原料から有機物系造粒助剤を除去するための円筒部であ
    る請求項2記載の人工骨材の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第1円筒部が熱風式キルンであり、
    前記第2円筒部が外熱式キルンである請求項2または3
    記載の人工骨材の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第3円筒部内で原料がガラス化(溶
    融焼結)処理される請求項2〜4のいずれかに記載の人
    工骨材の製造装置。
  6. 【請求項6】 粒状の造粒物原料を焼成・発泡させる人
    工骨材の製造方法であって;予備燃焼により粒形状を有
    する該原料から有機物系造粒助剤を除去し、 本焼成により該原料を発泡させ、次いで、 仕上げ焼成により該粒の表面にガラス質層(溶融焼結
    層)を形成することを特徴とする人工骨材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記予備燃焼の温度(原料造粒物温度)
    が300℃以上である請求項6記載の人工骨材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記本焼成および/又は仕上げ焼成の廃
    熱を利用して、前記予備燃焼を行う請求項6または7記
    載の人工骨材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記人工骨材がガラス質を主体とする原
    料を発泡させなるものであり、且つ、該人工骨材の粒径
    が0.1〜15mm、絶乾比重が1.3以下、24時間
    吸水率が5重量%以下、飽和吸水率が10重量%以下で
    ある請求項6〜8のいずれかに記載の人工骨材の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006160570A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Takasago Ind Co Ltd ガラス質塊状発泡体の製造方法
JP2012030983A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Kmew Co Ltd 着色粒状物の製造装置
JP5116883B1 (ja) * 2012-02-10 2013-01-09 株式会社 テツゲン 還元鉄の製造方法および製造装置

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