JPH10279086A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手差し給紙部からシートを給送するときにマ
ルチ給紙部のサイド規制部材が邪魔してシートの給送不
良を起こす。 【解決手段】 手差し給紙部３２からシートを給送する
際に、手差しサイド規制部材６０Ｌ，６０Ｒを移動させ
ると、制限部材７０Ｌ，７０Ｒによってマルチ給紙部３
０のマルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒも移動して、
マルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒの間の距離が手差
しサイド規制部材６０Ｌ，６０Ｒの間の距離よりも狭く
なることがないため、手差しされたシートがマルチサイ
ド規制部材４６Ｌ，４６Ｒに突き当たって給送不良や斜
行を起こすということがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に備えられ、画
像形成するためのシートを供給するためのシート給送装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のレーザービームプリンタに装着さ
れているシート給送装置として、画像形成のために供給
する複数のシートを水平方向よりも大きく傾けた状態支
持する所謂マルチ給紙タイプものがある。このタイプの
シート給送装置の一例として特開平７−２９１４６４号
公報で開示されたものがあり、これを図6および図７に
基づいて概略説明する。

【０００３】図６において、レーザービームプリンタ１
００は、シート給送装置１０２と、シート給送装置１０
２から送り出されたシートに画像を形成する画像形成部
１０４と、を備えている。

【０００４】シート給送装置１０２は、シートPを支持
するマルチ給紙トレイ１０６と、このマルチ給紙トレイ
１０６に支持されているシートＰを送り出すための給紙
ローラ１０８と、マルチ給紙トレイ１０６に支持されて
いるシートＰの先端側を給紙ローラ１０８に押し付ける
ための圧板１１０と、給紙ローラ１０８により送り出さ
れたシートを一枚ずつ分離するための分離パッド１１２
と、分離されたシートを画像形成部１０４に搬送する搬
送ローラ１１４とを有している。

【０００５】マルチ給紙トレイ１０６には、図７に示す
ように、積載されているシートＰの幅方向の位置を規制
するためのサイド規制手段１２０ａ，１２０ｂが、シー
トのサイズに応じてシートの幅方向（図の左右方向）に
移動できるように取り付けられている。このサイド規制
手段１２０ａ，１２０ｂは、画像形成部１０４でのシー
トと画像形成位置とを合わせるためのシートの搬送基準
に一致させてシートを送り出すためにシートの側端の位
置を規制するものである。

【０００６】また、マルチ給紙トレイ１０６の上部に
は、マルチ給紙トレイ１０６上のシート以外のサイズや
異なる材質のシートを手差しで供給するための手差し部
１３０が設けられている。この手差し部１３０には、シ
ートの幅方向に掛け渡されているガイドレール１３２
と、このガイドレール１３２に支持されてシートの幅方
向（図の左右方向）に移動可能な手差しガイド１３４
ａ，１３４ｂとが設けられている。

【０００７】そして、手差し給紙を行なう場合には、手
差しするシートの幅に合わせて手差しガイド１３４ａ，
１３４ｂを移動させ、手差しガイド１３４ａ，１３４ｂ
に沿わせて手差しシートを差し込むと、マルチ給紙トレ
イ１０６上に積載されているシートＰの上面に沿って給
紙ローラ１０８と分離パッド１１２との間に向けて送ら
れる。

【０００８】この送り込まれた状態で給紙ローラ１０８
を回転させれば、手差しシートが画像形成部１０４に向
けて送り出される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシート給送装置では次のような問題点を有してい
た。

【００１０】上記シート給送装置では、マルチ給紙トレ
イ１０６にシートPを積載した状態で、手差しガイド１
３４ａ，１３４ｂから手差しシートを供給することがで
きるものであるが、マルチ給紙トレイ１０６上に積載さ
れているシートＰよりも幅の広いシートを手差し給紙し
ようとすると、手差しガイド１３４a、１３４ｂから手
差ししたシートは、マルチ給紙トレイ１０６上の幅の狭
いシートを規制しているサイド規制手段１２０ａ，１２
０ｂに乗り上げてしまい、手差しシートの挿入不良や正
規の状態で挿入されないために生じる斜行やジャム等の
給送不良を発生するという問題が生じる。

【００１１】そのため、忘れずにマルチ給紙トレイ１０
６のサイド規制手段１２０ａ、１２０ｂを予め手差しす
るシートの幅以上に広げて手差しシートの挿入を行なわ
なければならず、極めて操作が煩わしいものとなる。

【００１２】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、煩わしい操作をすることなく手差し給紙が確実に
行なえるようにしたシート給送装置を提供することにあ
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数種類のサ
イズのシートを支持する複数のシート支持手段と、前記
シート支持手段に支持されているシートを送り出すシー
ト給送手段と、前記シート支持手段のそれぞれに設けら
れ、支持するシートの幅方向の両側端を規制するサイド
規制手段と、前記複数のシート支持手段のうちの一つの
シート支持手段に設けたサイド規制手段のシートを規制
する距離が、他のシート支持手段から前記シート給送手
段によってシートを給送する際に、該他のシート支持手
段のサイド規制手段のシートを規制する距離よりも小さ
くならないように制限する制限手段と、を備えたことを
特徴とするシート給送装置。

【００１４】本発明は、前記一つのシート支持手段のサ
イド規制手段がシート給送方向に関して前記シート給送
手段よりも下流側まで延設され、他のシート支持手段の
サイド規制手段がシート給送手段の上流側に位置してい
ることを特徴とする。

【００１５】本発明は、積載されたシートをシート給送
手段により送り出す自動給紙部と、前記シート給送手段
にシートを手差しして給送を行なう手差し給紙部とを有
するシート給送装置において、前記自動給紙部に、積載
されるシートの幅方向の両端部を規制する一対のサイド
規制部材を積載されるシートのサイズに応じて移動可能
に設け、前記手差し給紙部に、手差しされるシートの幅
方向の両端部を規制する一対の手差しサイド規制部材を
手差しされるシートのサイズに応じて移動可能に設け、
前記手差し給紙部からシートを手差しする際に、手差し
シートを規制する位置での前記一対の手差しサイド規制
部材間の距離よりも前記自動給紙部の一対のサイド規制
部材間の距離が小さくならないように制限する制限手段
を設けたことを特徴とする。

【００１６】本発明は、前記自動給紙部と前記手差し給
紙部とは上下方向に重ねられて配置され、前記制限手段
は、前記自動給紙部のサイド規制部材に取り付けるとと
もに前記手差しサイド規制部材にシートの幅方向外側か
ら当接可能に設けた制限部材であることを特徴とする。

【００１７】本発明は、前記自動給紙部のサイド規制部
材は、前記シート給送手段のシート給送方向下流側まで
延設され、前記手差し給紙部のサイド規制部材はシート
給送手段の上流側に位置していることを特徴とする。

【００１８】本発明は、前記自動給紙部のサイド規制部
材は、給送するシートの側端側を支持する支持部と、該
シートの側端に当接して位置を規制する側壁部とを有す
ることを特徴とする。

【００１９】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。まず、本発明のシート給送装置を備
えた画像形成装置（レーザービームプリンタ）について
概略説明する。

【００２０】まず、画像形成装置の全体構成を図２に基
づいて説明する。画像形成装置１には、画像形成するた
めのシートＰを収容して供給するためのシート給送装置
２と、シート給送装置２から送り出されたシートに画像
を形成する画像形成部４と、画像形成部４で画像が形成
されたシートを排出する排出手段６とを備えている。

【００２１】画像形成部４では、光学系８から露光手段
（図示しない原稿画像のスリット結像投影手段、レーザ
ー走査露光手段等）によって目的の画像情報に基づいた
光像を照射して、像担持体である感光体ドラム１０に潜
像を形成し、該潜像を現像剤（以下トナーという）によ
り顕像化してトナー像を形成する。

【００２２】そして、トナー像の形成と同期して、後述
するマルチ給紙タイプのシート給送装置２からシートを
給送し、この給送されたシートに感光体ドラム１０に形
成したトナー像を転写手段としての転写ローラ１２によ
って転写する。トナー像が転写されたシートは、ヒータ
を内臓した定着回転体１４ａ及び該定着回転体１４ａに
圧接する駆動ローラ１４ｂからなる定着手段１４により
トナー像が定着される。

【００２３】前記画像形成部４には、感光層を有し回転
する感光体ドラム１０と、感光体ドラム１０の表面を電
圧印加によって一様に帯電する帯電手段である帯電ロー
ラ１６と、前記光学系８からの光像が露光されて潜像が
形成された感光体ドラム１０の表面を現像するための現
像手段１８と、前記転写ローラ１２によりトナー像をシ
ートに転写した後に感光体ドラム１０の表面に残留した
トナーを掻き落とすためのクリーニング手段２０と、掻
き落とされたトナーを集める廃トナー容器２２とを一体
に設けたプロセスカートリッジ２４を備えている。

【００２４】前記画像形成部４で画像が形成されたシー
トは排出手段６の排紙ローラ対６a，６ｂにより排紙ト
レイ２６上へ排出される。

【００２５】ここで、マルチ給紙タイプのシート給送装
置２の構成を詳細に説明する。

【００２６】シート給送装置２は、積載されたシートＰ
を順次供給するための自動給紙部としてのマルチ給紙部
３０と、一枚ずつ手差しシートＰ１を供給するための手
差し給紙部３２とを有している。

【００２７】マルチ給紙部３０は、シートPを支持する
マルチ給紙トレイ３４と、このマルチ給紙トレイ３４に
支持されているシートＰを送り出すためのシート給送手
段としての給紙ローラ３６と、シートＰを給紙ローラ３
６に押し付けるための圧板３８と、給紙ローラ３６によ
り送り出されたシートを一枚ずつ分離するための分離パ
ッド４０と、分離されたシートを画像形成部４に搬送す
る搬送ローラ対４２とを有している。搬送ローラ対４２
は図示しない装置本体駆動部より駆動力を受けて回転す
る搬送駆動ローラ４２ａと従動ローラ４２ｂとからな
る。

【００２８】なお、シート給送装置２から画像形成部４
へシートを搬送するためには、少なくとも一つの給紙ロ
ーラ３６と、少なくとも一つの搬送ローラ対４２とが設
けられており、搬送ローラ対は適宜増やすことができ
る。また、給紙ローラ３６及び搬送ローラ対４２は、各
ローラの軸方向の中央が、シートの幅方向（シート搬送
方向と直交するシート面上の方向）の中央と一致するよ
うに配置されている（図１参照）。

【００２９】ここで、マルチ給紙トレイ３４及び手差し
給紙部３２の手差し給紙トレイ４４について図１及び図
２に基づいて説明する。なお、図１は分解図であり、図
２は組立図である。

【００３０】マルチ給紙トレイ３４は画像形成装置本体
に固定されている。マルチ給紙トレイ３４には積載支持
するシートＰの両端を規制して位置決めするためのサイ
ド規制手段としての左右のマルチサイド規制部材４６
Ｌ，４６Ｒが設けられている。左右のマルチサイド規制
部材４６Ｌ，４６ＲはシートＰの側端部側の下面を支持
する支持部４６Ｌａ，４６Ｒａと、シートの側端を規制
するための側壁部４６Ｌｂ，４６Ｒｂとが設けられてお
り、支持部４６Ｌａ，４６Ｒａと側壁部４６Ｌｂ，４６
Ｒｂとは給紙ローラ３６、搬送ローラ対４２よりもシー
ト材搬送方向下流側の転写ローラ１２の直前まで延設さ
れている。

【００３１】このマルチサイド規制部材は４６Ｌ，４６
Ｒシートの幅方向にスライド移動可能にマルチ給紙トレ
イ３４に支持されており、この構造を次に説明する。

【００３２】マルチ給紙トレイ３４には、シートＰの幅
方向に延びる長孔４８ａ，４８ｂが一対並設されてお
り、その長孔４８ａ，４８ｂの間にマルチ給紙トレイ３
４の裏面からピン５０が突出して設けられている。

【００３３】左側マルチサイド規制部材４６Ｌに一体に
ピン４６Ｌｃ，４６Ｌｃが形成されており、該ピン４６
Ｌｃ，４６Ｌｃを長孔４８ａに嵌合させることにより左
側マルチサイド規制部材４６Ｌは左右方向に摺動可能に
支持され、同様に、右側マルチサイド規制部材４６Ｒに
一体にピン４６Ｒｃ，４６Ｒｃが形成されており、該ピ
ン４６Ｒｃ，４６Ｒｃを長孔４８ｂに嵌合させることに
より右側マルチサイド規制部材４６Ｒは左右に摺動可能
に支持される。なお、左右のマルチサイド規制部材４６
Ｌ，４６Ｒは互いに対称形状をなしている。

【００３４】左側マルチサイド規制部材４６Ｌのピン４
６Ｌｃ，４６Ｌｃには、マルチ給紙トレイ３４の裏面側
で左側マルチラック部材部材５２Ｌが固定されている。
左側マルチラック部材５２Ｌには孔５２Ｌａ，５２Ｌａ
が形成されており、前記ピン４６Ｌｃ，４６Ｌｃが該孔
５２Ｌａ，５２Ｌａに嵌合することにより左側マルチラ
ック部材５２Ｌと左側マルチサイド規制部材４６Ｌとが
固定される。同様にして、右側マルチラック部材５２Ｒ
に形成されている孔５２Ｒａ，５２Ｒａに前記ピン４６
Ｒｃ，４６Ｒｃを嵌合させることにより、右側マルチラ
ック部材５２Ｒと右側サイド規制部材４６Ｒとが固定さ
れる。

【００３５】これにより、左側マルチラック部材５２Ｌ
は左側マルチサイド規制部材４６Ｌとともに左右方向に
スライド移動可能に支持され、右側マルチラック部材５
２Ｒは右側マルチサイド規制部材４６Ｒとともに左右方
向にスライド移動可能に支持される。

【００３６】前記マルチ給紙トレイ３４の裏面に設けら
れているピン５０には同期ギア５４が回転自在に支持さ
れており、この同期ギア５４に左側マルチラック部材５
２Ｌのラック部５２Ｌｂと右側マルチラック部材５２Ｒ
のラック部５２Ｒｂとが上下から噛み合っている。これ
により、左側マルチサイド規制部材４６Ｌ及び右側マル
チサイド規制部材４６Ｒのいずれか一方を移動させるこ
とにより他方が自動的に移動して互いに接近又は離間可
能となる。これにより、シートＰのサイズに応じて各マ
ルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒを移動させてシート
の側端を規制することにより、シートＰの幅方向の中央
を常に一致させることができる。

【００３７】なお、本実施の形態では、画像形成装置１
のシートの搬送基準が搬送路の幅方向の中央を基準とし
ているため、左右のマルチサイド規制部材４６Ｌ，４６
Ｒを連動させるようにしているが、搬送基準を搬送路の
片側を基準としたものでは、左右のマルチサイド規制部
材４６Ｌ，４６Ｒの一方のみを移動させるように構成す
ればよい。

【００３８】つづいて、マルチ給紙トレイ３４上にシー
トＰを支持させた状態で、他のサイズや異なる材質のシ
ートを給送したいときに使用される手差し給紙部３２に
ついて説明する。

【００３９】手差し給紙部３２の手差し給紙トレイ４４
は画像形成装置本体又はマルチ給紙トレイ３４に固定さ
れている。手差し給紙トレイ４４には手差しシートＰ１
の両端を規制して位置決めするための左右の手差しサイ
ド規制部材６０Ｌ，６０Ｒが設けられている。左右の手
差しサイド規制部材６０Ｌ，６０ＲはシートＰ１の側端
部側の下面を支持する支持部６０Ｌａ，６０Ｒａとシー
トＰ１の側端部を規制するための側壁部６０Ｌｂ，６０
Ｒｂとが設けられている。なお、支持部６０Ｌａ，６０
Ｒａと側壁部６０Ｌａ，６０Ｒａとは給紙ローラ３６の
上流側までしか延設されていない。

【００４０】手差し給紙トレイ４４には、シートＰ１の
幅方向に延びて手差し給紙トレイ４４の側端部で開放す
る長孔形状の切り欠き６２ａ，６２ｂが一対並設されて
おり、この切り欠き６２ａ，６２ｂの間に手差し給紙ト
レイ４４の裏面からピン６４が突出させて設けられてい
る。

【００４１】左側手差しサイド規制部材６０Ｌに一体に
ピン６０Ｌｃ，６０Ｌｃが形成されており、該ピン６０
Ｌｃ，６０Ｌｃを切り欠き６２ａに嵌合させることによ
り左側手差しサイド規制部材６０Ｌは左右方向に摺動可
能に支持され、同様に、右側手差しサイド規制部材６０
Ｒに一体にピン６０Ｒｃ，６０Ｒｃが形成されており、
ピン６０Ｒｃ、６０Ｒｃを切り欠き６２ｂに嵌合させる
ことにより右側手差しサイド規制部材６０Ｒは左右に摺
動可能に支持される。左右の手差しサイド規制部材６０
Ｌ、６０Ｒは互いに対称形状をなしている。

【００４２】左側手差しサイド規制部材６０Ｌのピン６
０Ｌｃ、６０Ｌｃには、手差し給紙トレイ４４の裏面側
で左側手差しラック部材６６Ｌが固定されている。左側
手差しラック部材６６Ｌには孔６６ａ、６６ａが形成さ
れており、前記ピン６０Ｌｃ，６０Ｌｃが該孔６６ａ，
６６ａに嵌合することにより左側手差しラック部材６６
Ｌと左側手差しサイド規制部材６０Ｌとが固定される。
同様にして、右側手差しラック部材６６Ｒに形成されて
いる孔６６Ｒａ，６６Ｒａに前記ピン６０Ｒｃ、６０Ｒ
ｃを嵌合させることにより、右側手差しラック部材６６
Ｒと右側サイド規制部材６０Ｒとが固定される。

【００４３】これにより、左側手差しラック部材６６Ｌ
は左側手差しサイド規制部材６０Ｌとともに左右方向に
スライド移動可能に支持され、右側手差しラック部材６
６Ｒは右側手差しサイド規制部材６０Ｒとともに左右方
向にスライド移動可能に支持される。

【００４４】前記手差し給紙トレイ４４の裏面に設けら
れているピン６４には同期ギア６８が回転自在に支持さ
れており、この同期ギア６８に左側手差しラック部材６
６Ｌのラック部６６Ｌｂと右側手差しラック部材６６Ｒ
のラック部６６Ｒｂとが上下から噛み合っている。これ
により、左側手差しサイド規制部材６０Ｌ及び右側手差
しサイド規制部材６０Ｒが互いに接近又は離間可能とな
る。これにより、シートＰ１のサイズに応じて各手差し
サイド規制部材６０Ｌ，６０Ｒを移動させて手差しシー
トＰ１の側端を規制することができる。

【００４５】手差し給紙トレイの切り欠き６２ａ，６２
ｂには、マルチ給紙部３０のマルチサイド規制部材４６
Ｌ，４６Ｒに取り付けられている制限部材７０Ｌ，７０
Ｒが挿入されており、制限部材７０Ｌ，７０Ｒは、手差
しサイド規制部材６０Ｌ，６０Ｒのシートの幅方向外側
に位置している。この制限部材７０Ｌ，７０Ｒにより、
マルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒは手差しサイド規
制部材６０Ｌ，６０Ｒよりもシートの幅方向内側へは移
動できないように制限される。制限部材７０Ｌ，７０Ｒ
はマルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒの側壁部４６Ｌ
ｂ，４６Ｒｂの外側に取り付けられており、手差しサイ
ド規制部材６０Ｌ，６０Ｒの側壁部６０Ｌｂ，６０Ｒｂ
の外側に当接して規制するように構成されているため、
規制部材７０Ｌ，７０Ｒの規制状態では、マルチサイド
規制部材４６Ｌ，４６Ｒの側壁部４６Ｌｂ，４６Ｒｂの
シート幅方向の位置と手差しサイド規制部材６０Ｌ，６
０Ｒの側壁部の６０Ｌｂ，６０Ｒｂシート幅方向の位置
とが一致する。

【００４６】なお、手差し給紙部３２の左右の手差しサ
イド規制部材６０Ｌ，６０Ｒも、マルチ給紙部３０のマ
ルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒと同様に、中央基準
でシートを給送するため左右両方が移動する構成である
が、片側基準でシートを給送する場合にはいずれか一方
が移動する構成とすればよい。

【００４７】以上の構成に係る作用を説明する。

【００４８】マルチ給紙部３０からシートを給送したい
場合には、マルチ給紙トレイ３４にシートＰを装填し、
左右のマルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒをスライド
移動させて側壁部４６Ｌｂ，４６ＲｂをシートＰの側端
に一致させる。これにより、中央基準でシートが給送さ
れるように支持される。なお、このとき、手差し給紙部
３２の手差しサイド規制部材６０Ｌ，６０Ｒは制限部材
７０Ｌ，７０Ｒによりマルチサイド規制部材４６Ｌ，４
６Ｒの幅方向よりも外側への移動が規制されている。

【００４９】給紙ローラ３６を回転させると、シートは
送り出されて分離パッド４０により一枚ずつ分離され
る。分離されたシートは搬送ローラ対４２により搬送さ
れるが、マルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒの側壁部
４６Ｌｂ，４６Ｒｂが搬送ローラ対４２よりも下流側ま
で延設されているため、シートは側壁部４６Ｌｂ，４６
Ｒｂにより転写ローラ１２の手前まで規制されて斜行す
ることなく画像形成部まで搬送される。

【００５０】つぎに、マルチ給紙トレイ３４上にシート
Ｐが支持されている状態で、手差し給紙トレイ４４から
手差しでシートＰ１を供給する場合について説明する。

【００５１】手差しシートＰ１の幅がマルチ給紙トレイ
３４上のシートＰの幅よりも小さい場合には、手差しサ
イド規制部材６０Ｌ，６０Ｒの側壁部６０Ｌｂ，６０Ｒ
ｂを手差しシートＰ１の側端に一致させるようにスライ
ド移動する。

【００５２】そして、手差しシートＰ１を側壁部６０Ｌ
ｂ，６０Ｒｂに沿わせて挿入すると、手差しシートＰ１
はマルチ給紙トレイ３４上のシートＰの上面に沿って移
動して給紙ローラ３６と分離パッド４０の圧接部に到達
する。この状態で給紙ローラ３６を回転させれば、手差
しシートＰ１は送り出されて搬送ローラ対４２を介して
画像形成部４まで搬送される。このとき、手差しシート
材の幅よりもマルチサイド規制部材４６L，４６Ｒの側
壁部４６Ｌｂ，４６Ｒｂの距離がが広くなっているた
め、手差しシートＰ１が突き当たったりすることがな
い。

【００５３】手差しシートＰ１の幅がマルチ給紙トレイ
３４上のシートＰの幅よりも大きい場合には、手差しサ
イド規制部材６０Ｌ，６０Ｒの側壁部６０Ｌｂ，６０Ｒ
ｂを手差しシートＰ１の側端に一致させるためにシート
の幅方向で外方に向けてスライド移動させると、制限部
材７０Ｌ、７０Ｒが手差しサイド規制部材６０Ｌ、６０
Ｒにより押されて移動し、それに伴ってマルチサイド規
制部材４６Ｌ、４６Ｒも外側に向けて移動する。したが
って、マルチサイド規制部材４６Ｌ、４６Ｒの側壁部４
６Ｌｂ、４６Ｒｂの間の距離が手差しサイド規制部材６
０Ｌ、６０Ｒの側壁部６０Ｌｂ、６０Ｒｂの間の距離よ
りも狭くなることはない。

【００５４】そして、手差しシートＰ１を手差しサイド
規制部材６０Ｌ、６０Ｒに沿わせて挿入し、給紙ローラ
３６を回転させることにより手差しシートＰ１は画像形
成部４へ送られる。なお、このときマルチ給紙部３０の
マルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒの側壁部４６Ｌ
ｂ、４６Ｒｂの距離が手差しシートP１の幅と同じであ
るため、手差しシートＰ１を転写ローラ１２の直前まで
規制しながらを案内するため、大きなサイズのシートで
も斜行を起こすことなく画像形成部４まで搬送される。

【００５５】このように、手差しシートＰ１を手差しサ
イド規制部材６０Ｌ，６０Ｒに沿わせて挿入したとき
に、画像形成部４の転写ローラ１２の直前まで延設され
ているマルチサイド規制部材４６Ｌ，４６Ｒの側壁部４
６Ｌｂ，４６Ｒｂに突き当たって挿入不良を起こした
り、挿入できたとしてもシートが斜行した状態で送り出
されて画像位置のずれ等の画像形成不良を発生したりす
ることを確実に防止することができる。

【００５６】上述したように、本発明は、マルチ給紙部
のマルチサイド規制部材が画像形成部の近傍まで延設さ
れているものに対して極めて効果的にシートの給送不良
を防止することができる。

【００５７】上記実施の形態では、手差し給紙部３２を
１つ設けた構成について説明したが、手差し給紙部を複
数重ね合わせて設けてもよい。図４に示すものは、手差
し給紙部を２段にした例である。各手差し給紙部３２
ａ，３２ｂは上記手差し給紙部３２と同一の構成であ
る。この場合、マルチ給紙部３０に設けられている制限
部材７０Ｌ，７０Ｒを最上位の手差し給紙部３２ａの手
差しサイド規制部材の側壁部に届くように長く設定して
おく必要がある．これにより、上述した１段の手差し給
紙部３２の例と同様に、各手差し給紙部３２ａ，３２ｂ
からの手差しシートにおける画像形成不良等の発生を防
止することができる。

【００５８】また、上記実施例では、左右の手差しサイ
ド規制部材の移動をラックと同期ギアの構成により連動
するようにしているが、図５に示すような構造にしても
よい。なお、図１に示す構成と同一の構成には同一の符
号を付して説明は省略する。

【００５９】これは、手差しサイド規制部材６０Ｌ，６
０Ｒから切り欠き６２ａ，６２ｂを通って手差し給紙ト
レイ４４の裏面に結合部材８０Ｒ，８０Ｌを突出させて
いる。また、手差し給紙トレイ４４の裏面には４本のピ
ン８２a，８２b，８２ｃ，８２ｄが突出しており、この
ピン８２a，８２b，８２ｃ，８２ｄにベルト８４が回動
可能に掛け渡されている。そして、ベルト８４に形成さ
れている孔８４ａ，８４ｂに前記結合部材８０Ｌ，８０
Ｒを嵌合させることにより、ベルト８４を介して左右の
手差しサイド規制部材６０Ｌ，６０Ｒが連動してスライ
ド可能となる。したがって、例えば、右側サイド規制部
材６０Ｒを中央側に移動させると、ベルト８４が図中時
計回りに回転し、左側サイド規制部材６０Ｌが中央側に
移動させられる。

【００６０】このように、ベルト８４を使用すると、ラ
ックと同期ギアの構成よりも構成が簡単となり手差し給
紙部が安価に提供できる。なお、手差し給紙部は所望に
応じて取り付けられるように、マルチ給紙部又は画像形
成装置本体に着脱自在な構成としてもよい。

【００６１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
複数のシート支持手段を有するシート給送装置におい
て、一つのシート支持手段からシートを給送する際に、
他のシート支持手段に設けられているサイド規制手段が
邪魔して給送できなかったり、斜行を発生してシートに
対する画像形成位置の精度を損なったりすることを確実
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート給送装置の一例を示す分解斜視
図

【図２】図１に示すシート給送装置の組み立て状態を示
す斜視図

【図３】図１に示すシート給送装置を備えた画像形成装
置の一例を示す縦断面図

【図４】複数の手差し給紙部を備えた本発明のシート給
送装置の一例を示す斜視図

【図５】サイド規制部材の移動機構の他の例を示すシー
ト給送装置の分解斜視図

【図６】従来のマルチ給紙タイプのシート給送装置を備
えた画像形成装置の縦断面図

【図７】図６のシート給送装置のトレイ部分を示す斜視
図

【符号の説明】

１ 画像形成装置 ２ シート給送装置 ４ 画像形成部 ３０ マルチ給紙部 ３２ 手差し給紙部 ３４ マルチ給紙トレイ ３６ 給紙ローラ ４４ 手差し給紙トレイ ４６Ｌ，４６Ｒ マルチサイド規制部材 ６０Ｌ，６０Ｒ 手差しサイド規制部材 ７０Ｌ，７０Ｒ 制限部材

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数種類のサイズのシートを支持する複
   数のシート支持手段と、 前記シート支持手段に支持されているシートを送り出す
   シート給送手段と、 前記シート支持手段のそれぞれに設けられ、支持するシ
   ートの幅方向の両側端を規制するサイド規制手段と、 前記複数のシート支持手段のうちの一つのシート支持手
   段に設けたサイド規制手段のシートを規制する距離が、
   他のシート支持手段から前記シート給送手段によってシ
   ートを給送する際に、該他のシート支持手段のサイド規
   制手段のシートを規制する距離よりも小さくならないよ
   うに制限する制限手段と、を備えたことを特徴とするシ
   ート給送装置。
2. 【請求項２】 前記一つのシート支持手段のサイド規制
   手段がシート給送方向に関して前記シート給送手段より
   も下流側まで延設され、他のシート支持手段のサイド規
   制手段がシート給送手段の上流側に位置していることを
   特徴とする請求項１に記載のシート給送装置。
3. 【請求項３】 積載されたシートをシート給送手段によ
   り送り出す自動給紙部と、前記シート給送手段にシート
   を手差しして給送を行なう手差し給紙部とを有するシー
   ト給送装置において、 前記自動給紙部に、積載されるシートの幅方向の両端部
   を規制する一対のサイド規制部材を積載されるシートの
   サイズに応じて移動可能に設け、 前記手差し給紙部に、手差しされるシートの幅方向の両
   端部を規制する一対の手差しサイド規制部材を手差しさ
   れるシートのサイズに応じて移動可能に設け、 前記手差し給紙部からシートを手差しする際に、手差し
   シートを規制する位置での前記一対の手差しサイド規制
   部材間の距離よりも前記自動給紙部の一対のサイド規制
   部材間の距離が小さくならないように制限する制限手段
   を設けたことを特徴とするシート給送装置。
4. 【請求項４】 前記自動給紙部と前記手差し給紙部とは
   上下方向に重ねられて配置され、前記制限手段は、前記
   自動給紙部のサイド規制部材に取り付けるとともに前記
   手差しサイド規制部材にシートの幅方向外側から当接可
   能に設けた制限部材であることを特徴とする請求項３に
   記載のシート給送装置。
5. 【請求項５】 前記自動給紙部のサイド規制部材は、前
   記シート給送手段のシート給送方向下流側まで延設さ
   れ、前記手差し給紙部のサイド規制部材はシート給送手
   段の上流側に位置していることを特徴とする請求項３又
   は４に記載のシート給送装置。
6. 【請求項６】 前記自動給紙部のサイド規制部材は、給
   送するシートの側端側を支持する支持部と、該シートの
   側端に当接して位置を規制する側壁部とを有することを
   特徴とする請求項５に記載のシート給送装置。
7. 【請求項７】 前記請求項１乃至６のいずれか１項に記
   載のシート給送装置と、該シート給送装置から送り出さ
   れたシートに画像を形成する画像形成部と、を有するこ
   とを特徴とする画像形成装置。