JPH10278178A - 免震支承構造体 - Google Patents

免震支承構造体

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JPH10278178A
JPH10278178A JP9087697A JP9087697A JPH10278178A JP H10278178 A JPH10278178 A JP H10278178A JP 9087697 A JP9087697 A JP 9087697A JP 9087697 A JP9087697 A JP 9087697A JP H10278178 A JPH10278178 A JP H10278178A
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JP
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carbon black
rubber
seismic isolation
bearing structure
kneading
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JP9087697A
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Inventor
Seiji Hara
誠治 原
Fumio Sekido
文雄 関堂
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免震特性やダンピング特性等にすぐれるとと
もに、耐破壊特性と耐クリープ特性の両特性にもすぐれ
た免震支承構造体を提供する。 【解決手段】 オイル添加前の基材ゴム中に、窒素比表
面積20〜70m2/g、ジブチルフタレート吸油量1
0〜175ml/100gのカーボンブラックを混練し
て均一に分散させたゴム組成物を加硫して軟質層2を形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえばビルや
橋梁等の建造物の基礎部分に設けられる免震支承構造体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビルや橋梁等の建造物の地震による破壊
を防止すべく、その基礎部分に、横方向に柔らかい免震
支承構造体を挿入することが検討され、実用化されつつ
ある。上記免震支承構造体としては種々の構造のものが
提案されており、その中の1つに、加硫ゴム等のゴム状
弾性を有する材料からなる軟質層と、鋼板等の剛性を有
する材料からなる拘束層とをそれぞれ複数層ずつ交互に
積層した積層構造のものがある。
【0003】上記の、積層構造の免震支承構造体におい
て軟質層に要求される最も重要な特性は、地震発生時に
大変形して、地震の巨大なエネルギーが直接、建造物に
伝わるのを抑制する特性(免震特性)と、上記大変形時
にその変形のエネルギーを吸収して、建造物の振動を減
衰する特性(ダンピング特性)である。また上記免震支
承構造体の軟質層は、外力に対する高い耐性(耐破壊特
性)を有している必要もある。つまり免震支承構造体に
は、平常時でも常に、建造物から巨大な圧縮荷重が加え
られており、軟質層は、この圧縮荷重によって外周部が
外方へ膨張して、その表面にかなり大きな引張応力が加
わった状態となっているため、この引張応力によって裂
けたりしないことが求められるとともに、地震発生によ
る大変形時には、場合によっては軟質層に、局部的にで
はあるがおよそ200%程度のせん断変形が加えられる
おそれがあるため、この変形によって破壊されないこと
が求められる。
【0004】さらにまた免震支承構造体には、建造物の
巨大な荷重が長い年月にわたって加わえ続けられること
になるため、継続的に荷重が加えられた際の軟質層の塑
性変形量をできるだけ小さくして、免震支承構造体の全
体としてみた場合の鉛直方向への沈み込み量(クリープ
量)をできるだけ小さくする、すなわち耐クリープ特性
を向上する必要もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】軟質層は一般に、未加
硫の基材ゴム中に、補強剤としてのカーボンブラック等
の固形の添加剤と、軟化剤としてのオイル等の液状の添
加剤とを含有させたゴム組成物を加硫して形成され、そ
の塑性変形量を小さくして耐クリープ特性を向上するに
は、従来に比べて粒子径の大きい、すなわち窒素吸着比
表面積が小さく、かつジブチルフタレート(DBP)吸
油量の小さいカーボンブラックを使用すればよいことが
知られている。
【0006】しかし粒子径の大きいカーボンブラック
は、他の固形および液状の添加剤とともに基材ゴム中に
添加して混練した際に、粒子径の小さい通常のカーボン
ブラックに比べて混練のトルクが加わりにくいためにゴ
ム組成物中に均一に分散されず、その結果、カーボンブ
ラックによるゴムの補強効果が不均一となって、軟質層
の破断伸びや強度が低下し、耐破壊特性が不十分になる
上、耐クリープ特性も低下するという問題があった。
【0007】この発明の目的は、免震特性やダンピング
特性等にすぐれるとともに、粒子径の大きいカーボンブ
ラックが基材ゴム中に均一に分散されているために、耐
破壊特性と耐クリープ特性の両特性にもすぐれた免震支
承構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者らは、前述したように粒子径の大きなカーボ
ンブラックを基材ゴム中に均一に分散させるべく、軟質
層を構成するゴム組成物の混練方法について種々、検討
を行った。その結果、これまでは前記の各成分をほぼ同
時に、基材ゴム中に添加して一度に混練していたのを、
オイル等の液状の添加剤よりも先にカーボンブラックを
混練すると、液状の添加剤を添加する前の固い状態で
は、各成分に混練のトルクが良好に加わるため、これま
では均一な分散が困難であった粒子径の大きいカーボン
ブラックであっても、基材ゴム中に均一に分散させるこ
とが可能となることを見出し、この発明を完成するに至
った。
【0009】したがってこの発明の免震支承構造体は、
ゴム状弾性を有する軟質層と、剛性を有する拘束層とを
複数層ずつ交互に積層したものであって、上記軟質層
が、未加硫の基材ゴムと、補強剤としての、窒素比表面
積20〜70m2 /g、ジブチルフタレート吸油量10
〜175ml/100gのカーボンブラックとを、軟化
剤としてのオイルを含む液状の添加剤を添加しない状態
で混練してカーボンブラックを均一に分散させた後、上
記液状の添加剤を混練してなるゴム組成物を加硫して形
成されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の免震支承構造体
を、その実施の形態の一例を示す図1を参照しつつ説明
する。図1にみるようにこの例の免震支承構造体Mは、
円板状の2枚の連結フランジ1、1と、両連結フランジ
1、1間に交互に積層された、同じく円板状の、複数層
ずつの軟質層2…および拘束層3…と、当該連結フラン
ジ1、1間で、上記軟質層2…、拘束層3…の外周を被
覆する被覆層4とを備えている。また免震支承構造体M
の中心部には、上記連結フランジ1、1、軟質層2…お
よび拘束層3…の各層を貫通して、通孔M1が形成され
ている。
【0011】上記のうち連結フランジ1および拘束層3
は、それぞれ従来同様に、鋼板等の剛性を有する材料に
て形成されており、このうち上側の連結フランジ1の上
面、および下側の連結フランジ1の下面には、それぞれ
免震支承構造体Mを基礎および建造物と連結するための
ボルト(図示せず)が螺着される複数個のねじ穴12…
が形成されている。
【0012】軟質層2を構成する基材ゴムとしては、前
述した免震特性、ダンピング特性および耐破壊特性にす
ぐれた軟質層を形成しうるものが使用される。かかる諸
特性を満足しうる軟質層を形成する基材ゴムとしては、
これに限定されないがたとえば、天然ゴム(NR)、イ
ソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等があげられ
る。また上記以外の基材ゴムとしてはたとえばエチレン
−プロピレン共重合ゴム(EPM)、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(II
R)等があげられる。これらはそれぞれ単独で使用され
る他、2種以上を併用することもできる。
【0013】上記基材ゴム中に補強剤として含有させる
カーボンブラックとしては、前記のように窒素比表面積
20〜70m2 /g、DBP吸油量10〜175ml/
100gの、粒子径の大きなカーボンブラックが使用さ
れる。カーボンブラックの窒素比表面積およびDBP吸
油量が上記の範囲に限定されるのは、以下の理由によ
る。すなわち、窒素比表面積が70m2 /gを超える
か、またはDBP吸油量が175ml/100gを超え
る粒子径の小さなカーボンブラックでは、免震支承構造
体の耐クリープ特性を向上させることができない。一
方、窒素比表面積が20m2 /g未満であるか、または
DBP吸油量が10ml/100g未満であるような粒
子径の大きいカーボンブラックは補強剤として機能しな
いために、軟質層の耐破壊特性が低下する。
【0014】上記カーボンブラックの具体例としては、
たとえばサーマルブラックのうちFT〔窒素比表面積2
4m2 /g、DBP吸油量24ml/100g、旭カー
ボン(株)製の「旭サーマル」〕、ファーネスブラック
のうちSRF−LM〔窒素比表面積24m2 /g、DB
P吸油量50ml/100g、旭カーボン(株)製の
「旭35G」〕、GPF〔窒素比表面積28m2 /g、
DBP吸油量91ml/100g、新日鉄化学(株)製
の「ニテロン55G」〕、FEF〔窒素比表面積42m
2 /g、DBP吸油量115ml/100g、東海カー
ボン(株)製の「シーストSO」〕、FEF−HS〔窒
素比表面積42m2 /g、DBP吸油量160ml/1
00g、東海カーボン(株)製の「シーストFM」〕、
アセチレンブラックのうち電気化学(株)製の「デンカ
ブラック」〔窒素比表面積61m2/g、DBP吸油量
125ml/100g〕、米国スリーエム社製の「エン
サコ200」〔窒素比表面積56m2 /g、DBP吸油
量171ml/100g〕などがあげられる。
【0015】カーボンブラックの添加量は、この発明で
はとくに限定されいないが、基材ゴム100重量部に対
する重量部で表して2.5〜70重量部であるのが好ま
しい。カーボンブラックの添加量が上記の範囲未満で
は、当該カーボンブラックを添加したことによる補強効
果がえられず、軟質層の耐破壊特性、耐クリープ特性が
ともに不十分になるおそれがある。一方、カーボンブラ
ックの添加量が上記の範囲を超えた場合には、基材ゴム
等との混練加工性が低下したり、あるいは混練後のゴム
組成物の粘度が高くなりすぎて押出加工性が低下したり
するおそれがある。なおカーボンブラックの配合量は、
上記範囲内でもとくに5〜50重量部であるのが好まし
い。
【0016】基材ゴムには、従来同様に加硫剤、加硫促
進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、軟化
剤、可塑剤、粘着性付与剤、潤滑剤、シラン化合物その
他各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。上記のう
ち加硫剤としては、たとえば硫黄、有機含硫黄化合物、
有機過酸化物等があげられ、このうち有機含硫黄化合物
としては、たとえばN,N′−ジチオビスモルホリン等
があげられ、有機過酸化物としては、たとえばベンゾイ
ルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等があげられ
る。
【0017】また加硫促進剤としては、たとえばテトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の
チウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオ
カーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸
テルル等のジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベン
ゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
ールスルフェンアミド、ジベンゾチアジルジスルフィド
等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジ
エチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤や、
あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサ
ージ(PbO)等の無機促進剤があげられる。
【0018】加硫促進助剤としては、たとえば亜鉛華等
の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、
綿実脂肪酸等の脂肪酸などがあげられる。加硫遅延剤と
しては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸
等の芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N
−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイ
ドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミ
ン等のニトロソ化合物などがあげられる。
【0019】上記加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤お
よび加硫遅延剤は、その合計の配合量が、基材ゴム10
0重量部に対して2〜20重量部程度であるのが好まし
い。老化防止剤としては、たとえば2−メルカプトベン
ゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル−α−ナ
フチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェ
ニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−
p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t−ブチル
−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノフェノー
ル類などがあげられる。
【0020】老化防止剤の配合量は、基材ゴム100重
量部に対して1〜10重量部程度が好ましい。軟化剤と
しては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸
等)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィ
ンワックス等の、植物油系、鉱物油系、および合成系の
各種オイルがあげられる。
【0021】軟化剤の配合量は、基材ゴム100重量部
に対して1〜30重量部程度が好ましい。可塑剤として
は、たとえばジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリクレジルフォスフェート等の各種可塑剤があげ
られる。可塑剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対
して5〜20重量部程度が好ましい。
【0022】粘着性付与剤としては、たとえばクマロン
・インデン樹脂、芳香族系樹脂、芳香族・脂肪族混合系
樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂等があ
げられる。これら粘着性付与剤の配合量は、基材ゴム1
00重量部に対して5〜50重量部程度が好ましい。
【0023】さらに潤滑剤としては、ポリエチレングリ
コール、ジエチレングリコール等の各種潤滑剤があげら
れる。またシラン化合物としては、各種のシリル化剤や
シランカップリング剤等があげられる。これら潤滑剤お
よびシラン化合物は、その合計の配合量が、基材ゴム1
00重量部に対して1〜40重量部程度であるのが好ま
しい。
【0024】上記以外にも基材ゴムには、たとえば分散
剤、溶剤等を適宜、配合してもよい。上記の各成分から
軟質層用のゴム組成物を作製するためには、前述のよう
にまず未加硫の基材ゴムと、補強剤としてのカーボンブ
ラックとを、軟化剤としてのオイルを含む液状の添加剤
を添加しない状態で混練してカーボンブラックを均一に
分散させる。
【0025】この際、固形の添加剤のうち加硫剤、加硫
促進剤および加硫遅延剤を除く他の添加剤は、液状のも
ののようにカーボンブラックの分散性に影響しないの
で、基材ゴムとカーボンブラックとの混練前、混練時お
よび混練後のいずれの段階で基材ゴムに混練してもよい
が、工程の簡略化を考慮すれば、基材ゴムとカーボンブ
ラックとの混練時、あるいは液状の添加剤の混練時に、
同時に混練するのが好ましい。
【0026】一方、上記加硫剤、加硫促進剤および加硫
遅延剤は、カーボンブラックの分散性には影響しない
が、混練中に基材ゴムが加硫してしまうのを防止すべ
く、できるだけ混練の最後の方で基材ゴムに混練するの
が好ましく、とくに液状の添加剤の混練と同時、あるい
は混練後に混練するのがよい。また、それまでの混練で
加熱した混練物をあらかじめ冷却してから、これらの成
分を混練するのが好ましい。
【0027】被覆層4は、前記のように建造物の基礎部
分に設けられて、長期間にわたって使用される免震支承
構造体の耐候性を向上し、とくに軟質層2が、酸化劣化
やオゾン劣化等を生じないようにするためのもので、軟
質層2と同じ基材ゴムにて形成してもよいが、とくに耐
候性にすぐれた基材ゴムにより形成するのが好ましい。
【0028】被覆層4を形成する耐候性にすぐれた基材
ゴムとしては、これに限定されないがたとえば、パラメ
チルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物、II
R、EPM等があげられる。被覆層4は、上記基材ゴム
に、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、
補強剤、充てん剤、軟化剤、可塑剤その他、各種添加剤
を添加したゴム組成物により形成される。
【0029】この発明の免震支承構造体Mを製造するに
は、まず前述した各成分を、たとえば密閉式混練機等を
用いて、前記の手順で混練して製造した軟質層2用の未
加硫のゴム組成物を、ローラーヘッド押出機等を用いて
シート状に成形し、ついで円板状に打ち抜いた後、打ち
抜いたシートを複数枚、連結フランジ1、1、および複
数枚の拘束層3…とともに、図1に示す順序で積層して
円柱状の積層体とする。
【0030】つぎにこの円柱状の積層体のうち、軟質層
2…と拘束層3…に相当する部分の周囲に、上述した被
覆層4用の未加硫のゴム組成物のシートを巻きつける。
なおこの際、連結フランジ1、1、軟質層2…用のシー
ト、および拘束層3…の各層間と、上記の各層と被覆層
4用のシートとの間にはそれぞれ、加硫接着剤を介在さ
せてもよい。
【0031】そして上記の組み立てたものを所定の温
度、圧力で加熱、加圧してやると、未加硫のシートが加
硫されて軟質層2…と被覆層4とが形成されるととも
に、当該軟質層2…および被覆層4と、連結フランジ
1、1と、拘束層3…とが互いに加硫接着されて、図1
に示す免震支承構造体Mがえられる。なお上記免震支承
構造体Mの中心部に形成された通孔M1は、主として、
上記加硫の際に、2枚の連結フランジ1、1と、軟質層
2…となるシートと、拘束層3…とを位置決めするため
のものであり、製造方法によっては省略することもでき
る。
【0032】また、前記のように粒子径の大きなカーボ
ンブラックを基材ゴム中に分散させた軟質層2…を有す
るこの発明の免震支承構造体Mは、エネルギーロス特性
が小さくなって、とくにダンピング特性が低下する傾向
を示す場合があり、その場合には、上記通孔M1内に、
たとえば鉛や未加硫のゴムの塊等を挿入すればよい。ま
た図1の免震支承構造体Mは、軟質層2…、拘束層3…
の外径が、連結フランジ1、1の外径よりも小さくなっ
ており、当該連結フランジ1、1間で、軟質層2…、拘
束層3…の外周のみを、被覆層4によって被覆していた
が、上記連結フランジ1、1、軟質層2…、拘束層3…
の外径を全て同じにして、この全ての部材の外周を、被
覆層4で被覆してもよい。
【0033】あるいはまた、上記被覆層4は省略しても
よい。その他、この発明の要旨を変更しない範囲で、種
々の設計変更を施すことができる。
【0034】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1 〈ゴム組成物の作製〉NR〔SMR CV60〕65重
量部とIR〔シェル化学(株)製のカリフレックスIR
309〕35重量部とを基材ゴムとし、この基材ゴム合
計100重量部を、窒素比表面積24m2 /g、DBP
吸油量24ml/100gのサーマルブラックFT〔前
出の旭カーボン(株)製の「旭サーマル」〕30重量部
と、下記の各成分とともに密閉式混練機で3分間、混練
して、カーボンブラックを均一に分散させた。
【0035】 (成 分) (重量部) ・老化防止剤 アンチゲンFR 2.0 〔住友化学(株)製、アミンとケトンの反応生成物〕 2−メルカプトベンゾイミダゾール 1.5 〔大内新興化学(株)製のノクラックMB〕 ・加硫促進助剤 亜鉛華〔東邦亜鉛(株)製の銀嶺R〕 4.0 ステアリン酸〔日本油脂(株)製の桐〕1.0 つぎに、上記の混練物にアロマオイル〔ジャパンエナジ
ー(株)製のJOMOX140〕2.5重量部を添加し
てさらに1分間、混練した後、混練物を一旦、取り出し
て室温まで冷却した。
【0036】そして上記の混練物を、下記の各成分とと
もに再び密閉式混練機で1分間、混練してゴム組成物を
作製した。 (成 分) (重量部) ・加硫剤 粉末硫黄〔鶴見化学(株)製〕 1.5 ・加硫促進剤 N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド 1.0 〔大内新興化学(株)製のノクセラーNS〕 ・加硫遅延剤 サントガードPVI 0.2 〔モンサント(株)製〕 〈免震支承構造体の製造〉上記ゴム組成物をローラーヘ
ッド押出機により、幅400mm、厚み2.1mmのシ
ート状に成形したのち、外径180mmでかつその中心
部に内径21mmの通孔を有する円板状に打ち抜いた。
【0037】つぎに上記円板状のシート25枚を、当該
シートと同じく外径180mmでかつその中心部に内径
21mmの通孔を有する、厚み1mmの円板状の拘束鋼
板(拘束層)24枚と、加硫ゴム接着剤を介して交互に
積層し、かつその上下に、外径196mmでかつその中
心部に内径21mmの通孔を有する、厚み19.8mm
の円板状の連結鋼板(連結フランジ)2枚を重ね合わせ
た状態で、油圧プレスで圧着した。
【0038】つぎに、上記積層体のうち2枚の連結フラ
ンジ間の、軟質層および拘束層となるシートおよび拘束
鋼板の周囲に、パラメチルスチレン−イソブチレン共重
合体の臭素化物〔エクソン化学(株)製のEXXPRO
EMDX 89−4〕からなる厚み3.0mmのシー
トを巻きつけた状態で、専用の金型に仕込み、油圧プレ
スで加圧しつつ加熱して加硫させた。加硫条件は、加硫
圧200kgf/cm 2 、加硫温度150℃とした。
【0039】そして加硫後に金型から取り出して、図1
に示す形状を有し、全体の厚みが108.6mm、通孔
M1の内径が20mm、2枚の連結フランジ1、1間の
距離が69mm、軟質層2の1層の厚みが1.8mmで
ある免震支承構造体のモデルを製造した。 実施例2〜7、比較例1〜4 下記表1に示す各種のカーボンブラック30重量部を使
用したこと以外は実施例1と同様にして、同寸法の免震
支承構造体のモデルを製造した。
【0040】
【表1】
【0041】なお、各実施例、比較例で使用したカーボ
ンブラックは下記のとおりである。 ・SRF−LM:前出の旭カーボン(株)製の「旭35
G」 ・GPF:前出の新日鉄化学(株)製の「ニテロン55
G」 ・FEF:前出の東海カーボン(株)製の「シーストS
O」 ・FEF−HS:前出の東海カーボン(株)製の「シー
ストFM」 ・「デンカブラック」:前出の電気化学(株)製 ・「エンサコ200」:前出の米国スリーエム社製 ・HS−HAF:三菱化学(株)製の「ダイヤH」 ・LS−HAF:三菱化学(株)製の「ダイヤL」 ・SAF:三菱化学(株)製の「ダイヤA」 ・LS−ISAF:三菱化学(株)製の「ダイヤLI」 比較例5〜11 基材ゴム、カーボンブラック、アロマオイル等の、ゴム
組成物を構成する全ての成分を、密閉式混練機で一度に
混練(混練時間4分間)して作製したゴム組成物を使用
したこと以外は実施例1〜7と同様にして、同寸法の免
震支承構造体のモデルを製造した。
【0042】上記各実施例、比較例で製造した免震支承
構造体のモデル、および各実施例、比較例で使用した軟
質層用のゴム組成物について、以下の各試験を行って、
その特性を評価した。 免震支承構造体の耐クリープ特性試験 各実施例、比較例で製造した免震支承構造体Mのモデル
を、雰囲気温度60℃の条件下で1昼夜、放置した後、
上記の温度条件下で、上下の連結フランジ1、1間に、
50tonクリープ試験機〔近江度量(株)製〕を用い
て、図2(a) に黒矢印で示すように鉛直方向の荷重〔5
0kgf/cm2 〕をかけた。
【0043】そして荷重をかけ始めて1分間、経過した
時点から計時を開始して10万分(およそ1666.7
時間)経過した時点で、2枚の連結フランジ1、1間の
距離を測定して、元の距離(=69mm)からの減少量
(mm)をクリープ量として求めて、その大小により免
震支承構造体Mのモデルの耐クリープ特性を評価した。
【0044】加硫ゴムの圧縮永久ひずみ試験 各実施例、比較例で使用したゴム組成物を加硫、成形し
て、JIS K6301「加硫ゴムの物理試験方法」の
うち圧縮永久ひずみ試験に規定された、厚み12.70
±0.13mm、直径29.0mmの直円柱状の試験片
を作製した。そしてこの試験片の圧縮永久ひずみ(%)
を、上記の圧縮永久ひずみ試験方法に則って、70℃、
22時間の条件で測定した。
【0045】免震支承構造体の耐破壊特性試験 各実施例、比較例で製造した免震支承構造体Mのモデル
の、上下の連結フランジ1、1間に、雰囲気温度20℃
の条件下で、前記50tonクリープ試験機〔近江度量
(株)製〕を用いて、図2(b) に黒矢印で示すように鉛
直方向の荷重〔80kgf/cm2 〕をかけつつ、上側
の連結フランジ1を、図中白矢印で示すように水平方向
に、変位速度20mm/分で変位させて、軟質層をせん
断変形させた。
【0046】そして軟質層にはく離破断が発生した時点
での応力を破断時応力〔kgf/cm2 〕、伸びD
(%)を破断時伸びとして記録した。なお伸びD(%)
は、上側のフランジ1の水平方向の変位量d〔mm〕
と、軟質層の総厚みt〔この場合は1.8mm×25枚
=45mm〕とから、下記式(i) : D(%)=d/t×100 (i) により求めた。
【0047】加硫ゴムの引張破断伸びの測定 各実施例、比較例で使用したゴム組成物を厚み2mmの
シート状に押出成形し、プレス加硫して、2mm厚の加
硫シートを作製した。そして上記の加硫シートを打ち抜
いて、JIS K6301「加硫ゴム物理試験方法」に
規定されたダンベル状3号形の試験片を作製し、この試
験片の引張破断伸びを、引張速度500mm/分、雰囲
気温度20℃の条件下、万能型引張試験機を用いて測定
した。
【0048】以上の結果を表2〜表6に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】上記各表の結果のうち実施例1〜7と比較
例1〜4の結果より、補強剤として、窒素比表面積20
〜70m2 /g、ジブチルフタレート吸油量10〜17
5ml/100gのカーボンブラックを使用すると、そ
れ以外のカーボンブラックを使用した場合に比べて耐ク
リープ特性を向上できることがわかった。また実施例1
〜7と比較例5〜11の結果より、上記特定のカーボン
ブラックを、アロマオイルよりも先に基材ゴムと混練し
て基材ゴム中に均一に分散させると、両者を同時に基材
ゴムに混練した場合よりも耐破壊特性および耐クリープ
特性を向上できることがわかった。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、粒子径が大きいために耐クリープ特性を向上する効
果にすぐれたカーボンブラックを、軟化剤としてのオイ
ルを含む液状の添加剤を添加しない状態で基材ゴムと混
練して、当該基材ゴム中に均一に分散させたゴム組成物
により軟質層を形成しているので、免震特性やダンピン
グ特性等にすぐれるとともに、耐破壊特性と耐クリープ
特性の両特性にもすぐれた免震支承構造体がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の免震支承構造体の、実施の形態の一
例を示す部分切り欠き斜視図である。
【図2】同図(a) は、この発明の実施例、比較例で作製
した免震支承構造体のモデルに対して行った耐クリープ
特性試験の方法を説明する図、同図(b) は、耐破壊特性
試験の方法を説明する図である。
【符号の説明】
M 免震支承構造体 2 軟質層 3 拘束層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16F 15/04 F16F 15/04 A 15/08 15/08 D // C09C 1/48 C09C 1/48

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム状弾性を有する軟質層と、剛性を有す
    る拘束層とを複数層ずつ交互に積層した免震支承構造体
    であって、上記軟質層が、未加硫の基材ゴムと、補強剤
    としての、窒素比表面積20〜70m2 /g、ジブチル
    フタレート吸油量10〜175ml/100gのカーボ
    ンブラックとを、軟化剤としてのオイルを含む液状の添
    加剤を添加しない状態で混練してカーボンブラックを均
    一に分散させた後、上記液状の添加剤を混練してなるゴ
    ム組成物を加硫して形成されていることを特徴とする免
    震支承構造体。
  2. 【請求項2】基材ゴム100重量部に対するカーボンブ
    ラックの添加量が2.5〜70重量部である請求項1記
    載の免震支承構造体。
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