JPH10277455A - 接着剤塗布方法及び装置 - Google Patents

接着剤塗布方法及び装置

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JPH10277455A
JPH10277455A JP9090798A JP9079897A JPH10277455A JP H10277455 A JPH10277455 A JP H10277455A JP 9090798 A JP9090798 A JP 9090798A JP 9079897 A JP9079897 A JP 9079897A JP H10277455 A JPH10277455 A JP H10277455A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗物上への熱溶融性接着剤の精密微細パタ
ーンの転写塗布を可能にすると共に第１ロール、ドクタ
ーブレードの寿命を延ばす。 【解決手段】 第１ロール表面に所定のパターンの凹部
を形成すると同時に、第２ロール表面にも第１ロールと
異なるパターンの凸部の形成を行う。これにより第１ロ
ール凹部に過剰な接着剤が残留した場合あるいは凹部以
外に接着剤が残留している場合においても、接着剤は前
記第２ロール凸部にしか転写されず、結果として被塗物
上には汚れは転写されず又必要充分な量の接着剤が転写
されることからにじみがなく精細緻密且つ鮮明で型くず
れのないパターンが得られる。また第１ロール表面の余
分な接着剤を強くドクターブレードで掻き落とす必要が
なくなることにより、第１ロールに対するドクターブレ
ードの押しつけ強さを減少させ、結果として第１ロール
及びドクターブレードの寿命が長くなる効果も得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は接着材のロール転写
塗布方法に関し、更に詳しくは、紙あるいはプラスチッ
クフィルム等柔軟性を有する２つ以上の基材の少なくと
も１つの基材の接着面上にロール塗布転写法により接着
剤を所定のパターンを形成しながら連続的に塗布した
後、接着剤が塗布された基材と残りの基材を連続的に張
り合わせる技術における接着剤の塗布方法である。本技
術により得られる柔軟性を持つ張り合わせ物品として
は、例えば自動車室内の内張りに代表される内装用物品
の表面部材であり、あるいは幼児用オムツに代表される
着用物品等が挙げられる。
【０００２】
【従来の技術】従来の移動中の被塗物に、各種のパター
ンの接着剤をロール転写塗布する方法として、例えば特
開平３−９０６０２号に開示されたものがある。この従
来の方法は、図７に示した装置を用いている。図７にお
いて、熱溶融性接着剤２７はタンク３０に収容されてお
り、表面に所定のパターンが凹部として形成された前記
タンク３０に漬かって回転する第１ロール３１の表面に
付着する。次に前記第１ロール３１表面の余分な該接着
剤は、ドクターブレード３５によって掻き落とされ、前
記凹部にのみ該接着剤が充填された状態となる。
【０００３】さらに前記第１ロール３１の凹部にのみ残
された該接着剤は、凹凸のない平滑な表面を有する第２
ロール３２の表面に転写される。ここで被塗物７ａを前
記第２ロール３２に圧ロール３６により圧接しつつ移動
させることにより、前記第２ロール３２の表面から前記
被塗物７ａの表面に該接着剤が所定のパターンに転写さ
れていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた従来技術
においては、所定のパターンを精細緻密化した場合は、
第１ロール３１凹部の接着剤同士が引き合ってパターン
がにじんでしまうあるいはパターンがつながり汚れとし
て被塗物上に転写されるおそれがあった。また、第１ロ
ール３１表面の凹部以外に接着剤が付着している場合に
は被塗物７ａ表面に汚れとして接着剤が付着することか
ら第１ロール３１表面の余分な接着剤を掻き落とすため
に、第１ロールに対してドクターブレード３５を強く押
し付ける必要があった。そのため第１ロール３１及びド
クターブレード３５の摩耗が激しく寿命が短かった。
【０００５】さらに、パターンが精細緻密化するにつれ
て、パターン上でのにじみあるいは汚れの生じる可能性
は大きくなる。この場合、にじみあるいは汚れをさける
ため第１ロール３１表面の接着剤をより厳密に掻き落と
す必要が生じて第１ロール３１に対するドクターブレー
ド３５の押しつけ強さをさらに強くすることとなる。そ
の結果、第１ロール３１及びドクターブレード３５の寿
命はさらに短くなる。またこの場合、掻き落とされるこ
とにより転写に必要となる量の接着剤を凹部に保持する
ことが困難となることから、パターンのかすれが生じ精
細緻密なパターンは鮮明に転写できなくなる可能性があ
った。
【０００６】また、一般的にシリコンゴム製のものが多
用されると考えられる第２ロールは、表面が平坦なロー
ルである。その為接着剤が被塗物表面に転写される際
に、第２ロールのシリコンゴム表面における接着剤が付
着するパターン部分だけがオングストローム単位の厚さ
で剥がれていき、さらに転写を繰り返すにつれて剥がれ
た量は増加してゆきくぼみを形成するに至る。そのくぼ
みに接着剤が入り込むことにより被塗物上に充分な接着
剤が供給されなくなり、早期に転写塗布ができなくなる
可能性があった。
【０００７】本発明は、当該接着剤のロール転写塗布方
法について、より精細緻密なパターンを型くずれなく鮮
明に得、さらに被塗物上に付着する汚れをなくすと共
に、第１ロール及びドクターブレードさらには第２ロー
ルの寿命を延ばすことを目的としている。
【０００８】
【問題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、第１ロール表面に第１パターン凹部を形成すると同
時に、第１ロールに接しつつ回転することにより第１ロ
ールの凹部に充填された接着剤を被塗物上に転写させる
ために用いられていた第２ロール表面上にも、第２パタ
ーン凸部の形成を行った。これにより、第１ロール凹部
に過剰な接着剤が充填された場合あるいは凹部以外に接
着剤が残留している場合においても、接着剤は前記第２
ロール凸部上しか転写されず、結果として被塗物上には
汚れは転写されない。また必要充分な量の接着剤が転写
されることから精細緻密且つ鮮明で型くずれのないパタ
ーンが得られる。
【０００９】更に２種類のパターンが組み合わせられる
ことにより、複雑な接着剤塗布パターンを容易に形成す
ることも可能となる。更にまた、上記作用により第１ロ
ール表面凹部の過剰な接着剤を強くドクターブレードで
掻き落とす必要が減少することにより、第１ロールに対
するドクターブレードの押しつけ強さを減少させること
が可能となり、結果として第１ロール及びドクターブレ
ードの寿命が長くなる効果も得られる。
【００１０】また従来技術においては、接着剤の転写を
繰り返すにつれて平滑な第２ロール表面に剥がれによる
くぼみが生じ、早期にパターンの転写塗布ができなくな
るおそれがあった。しかし第２ロール表面にパターン凸
部を加工した場合には、転写による第２ロール表面材の
剥がれが進行したとしても、凸部分がなくなるまで確実
にパターンを転写することが可能である。
【００１１】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を示す。図
面は、本発明による接着剤の塗布方法及び装置を示すも
ので、図１は塗布装置の概略斜視図、図２は塗布装置の
概略側面図、図３はロールコータと転写ロールの正面
図、図４はロールコータの表面に形成されたパターン凹
部を示す図、図５は転写ロールの表面に形成されたパタ
ーン凸部を示す図、図６は被塗物に塗布された接着剤の
塗布パターンを示す図である。
【００１２】図１において、熱溶融性接着剤４はタンク
３に収容されており、表面に図４に示すような網目状の
第１パターン１ａがパターン凹部として形成された前記
タンク３に浸かって回転する第１ロール１の表面に付着
する。次に前記第１ロール１表面の余分な該接着剤は、
ドクターブレード５によって掻き落とされてパターン１
ａの凹部にのみ該接着材が残される。第２ロール２の表
面には、第２パターンとして図１に示すような第２ロー
ルの軸線方向に細長く延在した長方形上のパターン凸部
２ａ、あるいは図３及び図５に示すような矩形を第２ロ
ール２の軸線方向に複数個並べたパターン凸部２ｂが形
成されている。
【００１３】前記第１ロール１のパターン凹部にのみ充
填され残された該接着剤は、前記第１ロール１と接触し
つつ回転する前記第２ロール２のパターン凸部２ａある
いは２ｂ表面にのみ転写される。ここで被塗物７を前記
第２ロール２に圧ロール６により圧接しつつ移動させる
ことにより、前記第２ロール２の表面から前記被塗物７
の表面に該接着剤が第１パターンと第２パターンが組み
合わされた図１に示すような塗布パターン７ａ、あるい
は図６に示す塗布パターン７ｂに示される状態で転写さ
れる。更に塗布パターン７ａ、７ｂが形成された被塗物
７を被接着体８と共に一対のニップルロール９の間を通
して被塗物７と被接着体８を接着する。
【００１４】本実施例において、被塗物７の接着剤塗布
面での塗布パターン７ａ、７ｂ形成後におけるパターン
形成部以外の面には接着剤による汚れはなかった。さら
に、精細緻密なパターンにもかかわらず、接着剤は非常
に鮮明にまた型くずれなしに転写されていた。なおドク
ターブレードの押しつけ強さは、パターンが精細緻密化
したにもかかわらず強さを増加させていない。
【００１５】従来技術のように第２ロールに表面が平滑
なものを用いて、第１ロール１の網目状パターン１ａの
被塗物上への転写塗布を試みた場合には、押しつけ強さ
を更に増加させないとにじみあるいは汚れを生じてい
た。本実施例の結果から、ドクターブレードの押しつけ
圧は更に減少させることも可能であり、従来技術に比較
して第１ロール及びドクターブレードの摩耗の大幅な減
少すなわち長寿命化が見込めることも確認されている。
【００１６】なお、本発明においては第１ロールに網目
状のパターン凹部が形成されたものを、第２ロールには
長方形状あるいは矩形状のパターン凸部が形成されたも
のを組み合わせて用いたが、第１ロールのパターン凹部
に模様、図柄、文字、記号、絵が加工されているもの
と、同様に第２ロールのパターン凸部についても模様、
図柄、文字、記号、絵が加工されているものを組み合わ
せて用いても良い。
【００１７】従来技術において用いられた装置において
は、塗布パターンの変更時にはパターン凹部が形成され
た第１ロールを取り外して変更する作業のみならず熱溶
融性接着剤を収容したタンク等の取り外しも必要であっ
た。しかし本発明の装置における塗布パターンの変更に
ついては、第１、第２ロールともに取り外し変更する場
合も当然考えられるが、第１ロールのパターン凹部に共
通性を持たせておくことにより、第２ロールのパターン
凸部のみ変更すれば塗布パターンの変更ができる。この
ことから、本発明の装置についての塗布パターン変更に
おける工数、コスト共に従来技術おいて用いられる装置
より低く抑えることが可能となる。
【００１８】次に本発明を用いた、例えば洗面台あるい
はバスタブの様に曲面を有した部分の拭き掃除などに使
用される手袋型の使い捨て掃除用具の作製手順を示す。
図８に、本発明により接着剤を転写塗布した被塗物上の
塗布パターンの具体例を示す。図に示した被塗物は例え
ば柔軟性及び伸縮弾性を有する繊維不織布であり、この
被塗物上の接着剤塗布領域２１に接着剤を転写塗布後、
切取線２２に沿って被塗物を切断し、さらに折り曲げ線
２３に沿って被塗物を折り曲げて接着し、手袋状の物品
を形成する。
【００１９】本物品は、曲面に対応するために素材の持
つ柔軟性及び伸縮弾性を極力維持する必要があり、その
ためには接着剤が精密微細なパターンに塗布され、なお
かつ接着剤塗布領域に多量の空隙を有する必要がある。
本発明によりこの要求を満たす接着剤の塗布及び基材の
接着が可能となる。以上に述べた例に限らず、柔軟性か
つ伸縮弾性を有する基材について、その特性を維持しな
がら複数の基材を張り合わせて作製する様々な物品の製
造工程に対して、本発明は対応可能と考えられる。
【００２０】
【発明の効果】本発明により、被塗物上に熱溶融性接着
剤を塗布する場合において、精密微細な塗布パターンに
対して、鮮明かつ型くずれすることなくまた塗布パター
ン以外の部分に汚れを付着させることなく接着剤を塗布
することが可能となる。また、ドクターブレードの第１
ロールへの押しつけ強さを減少できることにより、ドク
ターブレード及び第１ロールの寿命を延ばすことが可能
となる。さらに第２ロールの凸部を転写に用いることに
より、接着剤による第２ロール表面材の微小な剥離が生
じても、凸部が無くなるまで転写は可能であり結果的に
第２ロールの寿命を延ばす効果も見込める。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による接着剤塗布装置の概略斜視図。
【図２】本発明による接着剤塗布装置の概略側面図。
【図３】第１ロール（ロールコータ）と第２ロール（転
写ロール）の正面図。
【図４】ロールコータの表面に形成されたパターン凹部
を示す図。
【図５】転写ロールの表面に形成されたパターン凸部を
示す図。
【図６】被塗物に塗布された接着剤の塗布パターンを示
す図。
【図７】従来技術による接着剤塗布装置の概略側面図。
【図８】本発明により接着剤を塗布した被塗物上の塗布
パターンの具体例。
【符号の説明】
１ 第１ロール（ロールコータ） １ａ 第１ロール上のパターン凹部 ２ 第２ロール（転写ロール） ２ａ 第２ロール上のパターン凸部 ２ｂ 第２ロール上のパターン凸部 ３ タンク ４ 熱溶融性接着剤 ５ ドクターブレード ６ 圧ロール ７ 被塗物 ８ 被接着体 ９ ニップロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 第１パターンの凹部が形成された表面を
    有する第１ロールの前記凹部に接着剤を詰める工程と、
    第２パターンの凸部が形成された表面を有する第２ロー
    ルを前記第１ロールに接触させながら前記第１ロール及
    び第２ロールを回転させることにより、前記第１ロール
    の前記凹部から前記第２ロールの前記凸部の上に接着剤
    を転写させる工程と、被塗物を前記第２ロールに圧接し
    つつ移動させることにより、前記第２ロールの前記凸部
    から前記被塗物の表面に接着剤を転写させる工程とを含
    むことを特徴とする接着剤の塗布方法。
  2. 【請求項２】 接着剤を収容するタンクと、第１パター
    ンの凹部が形成された表面を有し、前記タンクに収容さ
    れた該接着剤に浸かって回転する第１ロールと、第２パ
    ターンの凸部が形成された表面を有し前記第１ロールと
    接触しつつ回転する第２ロールと、被塗物を前記第２ロ
    ールに圧接させつつ移動させる圧ロールとを含むことを
    特徴とする接着剤の塗布装置。
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