JPH1027613A - 非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法

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JPH1027613A
JPH1027613A JP8198316A JP19831696A JPH1027613A JP H1027613 A JPH1027613 A JP H1027613A JP 8198316 A JP8198316 A JP 8198316A JP 19831696 A JP19831696 A JP 19831696A JP H1027613 A JPH1027613 A JP H1027613A
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JP
Japan
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lithium
positive electrode
active material
electrode active
secondary battery
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JP8198316A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yamanaka
厚志 山中
Riyuuichi Kuzuo
竜一 葛尾
Tomio Tsujimura
富雄 辻村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸蔵放出性能を低下させることなく、非水系電
解質二次電池の放電容量とクーロン効率とサイクル特性
を向上させることが可能な非水系電解質二次電池用正極
活物質であるリチウムコバルト複酸化物を提供する。 【解決手段】粉末状のリチウムコバルト複酸化物であっ
て、一般式 LixCo2-xO2で表わされ、式中のxの値が0.9
7≦x≦1.01であり、比表面積が0.2〜2.0m2/gであ
り、平均粒子径が1.0〜12μであり、少なくとも100
回目までのクーロン効率が88%以上であり、容量維持
率(%)=[(100回目の放電容量)/(1回目の放
電容量)]×100が90%以上であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は負極にリチウム、リ
チウム合金またはカーボンを用いる非水系電解質二次電
池用の正極活物質およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やノート型パソコンなど
の携帯機器の普及にともない、高いエネルギー密度を有
する小型、軽量で高い容量を持つ二次電池の開発が強く
望まれている。このようなものとしてリチウム、リチウ
ム合金あるいはカーボンを負極として用いるリチウムイ
オン二次電池があり、研究開発が盛んに行われている。
【0003】リチウムコバルト複酸化物(LiCoO2)を正
極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は4V級の高
い電圧が得られるため、高エネルギー密度を持つ電池と
して期待され、実用化が進んでいる。しかしながら、リ
チウムコバルト複酸化物を用いた電池はクーロン効率
(放電電気容量/充電電気容量)が低く、また放電容量
(正極活物質の利用率)や、サイクル特性(高容量の維
持)が不十分であるなどの問題があった。
【0004】このうち、正極活物質の利用率の低い原因
としては、充放電が困難な未反応コバルト酸化物の含有
を挙げることができる。この問題を防止する目的で原料
中のLi/Co比を1以上に設定し、未反応のコバルト化合
物の存在を極力減少させるように合成を行い、合成後、
過剰のリチウムを洗浄除去するという方法が採用されて
いる。
【0005】しかし、たとえば、特開平3-272564号公報
には、過剰にリチウムを含む原料を用いて合成を行った
場合、リチウムコバルト複酸化物結晶が、[104]面配
向し、リチウムイオンのインターカレートに寄与する
[003]面の発達が抑制され、これによりリチウムイオ
ンの吸蔵放出性能が低下することが指摘されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吸蔵
放出性能を低下させることなく、非水系電解質二次電池
の放電容量とクーロン効率とサイクル特性を向上させる
ことが可能な非水系電解質二次電池用正極活物質である
リチウムコバルト複酸化物およびその製造法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、粉
末状のリチウムコバルト複酸化物であって、一般式LixC
o2-xO2で表わされ、式中のxの値が0.97≦x≦1.01であ
り、比表面積が0.2〜2.0m2/gであり、平均粒子径が1.0
〜12μであり、少なくとも100回目までのクーロン効
率が88%以上であり、容量維持率(%)=[(100
回目の放電容量)/(1回目の放電容量)]×100が
90%以上であることを特徴とする非水系電解質二次電
池用正極活物質である。このうち特に好ましいのは、リ
チウムとコバルトのモル比 Li/Coを0.95〜1.01とする
ものである。
【0008】本発明の正極活物質を製造する適切な方法
は、リチウム化合物およびコバルト化合物をリチウムと
コバルトのモル比 Li/Coが0.95〜1.0であるように調合
し、これを湿式で粉砕混合し、平均粒子径を1.0μm以下
に調製した後、酸素を含む気流中の雰囲気で、850℃以
上1050℃以下の温度で、8時間以上20時間以下の時間焼
成し合成することを特徴とする。この場合、酸素を含む
気流は空気気流でも良い。
【0009】
【発明の実施の形態】たとえば、菅野了次;電気化学6
3、No9 p778(1995)に記載されているように、リチ
ウムコバルト複酸化物には、850℃付近で焼成合成さ
れた際に得られる高温相(六方晶,α-NaFeO2型)構造を
有する物質と、400℃付近で焼成された際に得られる
低温相(菱面体晶,[Li0.94Co0.06][Li0.96Co0.04]O2)構
造を有する物質が存在する。二次電池の正極材料として
は、前述の高温相を有する材料が使用されている。この
高温相であるリチウムコバルト複酸化物においては、リ
チウムイオンがデインターカレートする際、六方晶→
(2相共存)→六方晶→単斜晶に相転移する。
【0010】ところが、低温相は、層状岩塩型とスピネ
ル型の中間のイオン分布を持ち、デインターカレートに
よりイオン分布の再配列が生じることが知られており、
充放電効率は悪い。この低温相は充電時にLiをデイン
ターカレートした場合二相共存領域を示し、高温相の相
転移挙動と明らかに異なる挙動をとる。
【0011】上記の事情に鑑み、発明者らは、リチウム
コバルト複酸化物の開発を進めた結果、過剰のリチウム
を含有する原料を用いてリチウムコバルト複酸化物を合
成した場合、結晶配向に起因するリチウムイオンの吸蔵
放出性能が低下する以外に、過剰リチウムがサイクル特
性(容量維持率)および放電容量(活物質利用率)に悪
影響を及ぼすことを見い出した。すなわち、過剰のリチ
ウムを含む原料を用いて合成した場合、過剰リチウムが
が結晶中に存在し、これが格子間ではなくCoサイトに
混入しており低温相に類似した構造をとっているため
に、前述の悪影響を及ぼしていると考え、本発明に至っ
た。
【0012】よって、本発明によるリチウムコバルト複
酸化物の製造方法は、原料中のリチウム化合物とコバル
ト化合物をLi/Coモル比で0.95〜1.0に調製し、平均粒子
径が1.0μm以下となるように湿式粉砕混合し、これを酸
素気流中で焼成することにより合成を行う。これによ
り、組成がLixCo2-xO2(0.97≦x≦1.01)であるような
リチウムコバルト複酸化物を得ることができ、低温相に
類似した構造をもつ異相の出現を抑えることが可能とな
る。したがって充電時の結晶の安定性が増し、利用率の
低下を抑制することができる。
【0013】原料のコバルト化合物としては、たとえば
水酸化コバルト、炭酸コバルト、酸化コバルトを用いる
ことが可能である。リチウム化合物としては炭酸リチウ
ム、水酸化リチウム、水酸化リチウム1水和物、硝酸リ
チウム、あるいはこれらの混合物を用いることができ
る。湿式の粉砕混合法としては、ボールミル、ビーズミ
ル等の装置を用いることができ、溶媒としては純水が望
ましいがエタノール等のアルコールでも問題なく使用す
ることができる。
【0014】焼成温度は850℃以上1050℃以下が望まし
い。より好ましくは900℃〜1000℃である。焼成温度が8
50℃未満の場合には、得られるリチウムコバルト複酸化
物の結晶性が悪いためにクーロン効率が低下してしま
う。1050℃を超えた場合は、焼成時にLiの気散が激し
くなるため均一な活物質が得られにくく、容量維持率が
悪化する。
【0015】焼成時間は、8時間以上が必要であるが、
工業的に生産性を考慮すれば8時間以上20時間以下程
度が望ましい。より好ましくは、15時間以上20時間
以下程度の焼成時間が望ましい。この焼成時間が短いと
未反応物の残留および結晶性の低下によりクーロン効
率、容量維持率が低下する。以上の理由により、本発明
のリチウムコバルト複酸化物を正極活物質として用いる
ことにより、利用率およびクーロン効率の高いサイクル
特性の優れた二次電池を得ることが可能となる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)表1に示す様に炭酸リチウム(Li2CO3:純
度99%)と酸化コバルト(Co3O4:Co含有量:73.3%)
をLi/Coモル比が0.96となるように調合し、さらに純水1
00ccをそれぞれ秤とり、直径10mmのYSZ(イットリア安
定化ジルコニア)ボールを750g用いて400ccのボールミ
ル容器で、回転速度を85rpmとして15時間粉砕混合を行
った。YSZボールとスラリーをフルイを用いて分けと
り、80℃で2時間予備乾燥をした後、100℃で1時間乾燥
した。
【0017】得られた混合粉末は、マイクロトラック粒
度分布測定機を用いて粒度分布の測定を行い、平均粒子
径が0.6μであることを確認した。これをマグネシアセ
ッターを用いて酸素流量0.3リットル/minの雰囲気で、
毎時300℃の加熱速度で900℃まで加熱し、20時間保持す
ることにより合成を行った。得られたリチウムコバルト
複酸化物の組成はICP分析により求めた。窒素吸着に
よるBET法により求めた比表面積およびマイクロトラ
ック粒度分布測定により求めた平均粒子径を表2に示
す。
【0018】さらに、得られたリチウムコバルト複酸化
物を活物質として用いて電池を組み、充放電容量を測定
した。活物質120mg、アセチレンブラック22mgおよびポ
リテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)8mgを混合
し、200Mpaの圧力で直径11mmにプレス成型した。作
製した電極を真空乾燥機中120℃で1晩乾燥させた。さら
に、図1に示す2032型ボタン電池にAr雰囲気のグロー
ブボックス中で組み立てた。負極には直径17mm厚さ1mm
のLi金属を用い、電解液には1MのLiPF6を支持塩とす
るエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(P
C)の等量混合溶液を用いた。セパレータは膜厚25μmの
ポリエチレン多孔膜を用いた。図中には、電解液が示さ
れていないが、電解液は電池内部の空隙に存在する。
【0019】作製したボタン電池は約10時間放置し、O
CVが安定した後、電流密度1.0mA/cm2でカットオフ4.3
-3.0Vで充放電試験を行い、充電容量及び放電容量を測
定した。この際、充電・放電の間に、5時間の緩和時間
をおいた。そして、クーロン効率=(放電容量)/(充
電容量)及び容量維持率=(100回目の放電容量/1
回目の放電容量)を求めた。これらの値を表3に示す。
【0020】さらにサイクリックボルタンメトリーによ
り電極特性の評価を行った。測定に用いたセル構造を図
2に示す。正極は電池試験に用いたものと同組成のもの
を直径0.3mmのニッケルリード線を溶接したニッケルメ
ッシュに張り付けて作製した。負極はリチウム箔を10cm
3のニッケルメッシュ(ニッケルリード付)に張り付け
たものを用いた。参照極はリチウムメタルをニッケル線
に取り付けたものを使用した。電解液は1M-LiClO4のPC
溶液を用い、電位掃引速度1mV/sで測定した。得られた
サイクリックボルタモグラムを図3に示す。
【0021】また、合成されたリチウムコバルト複酸化
物の結晶相をX線回折によって分析した。回折条件は、
管電圧を40kV、管電流を150mA、サンプリング
幅を0.002°、走査速度を0.2°/分とした。X
線回折のプロファイルを図4に示す。
【0022】(実施例2)Li/Coモル比を1.0とした以外
は、実施例1と同様に合成を行い、得られたリチウムコ
バルト複酸化物の特性を評価した。それらの結果を表1
から3および図3、4に示す。 (比較例1)Li/Coモル比を1.04とした以外は、実施例
1と同様に合成を行い、得られたリチウムコバルト複酸
化物の特性を評価した。それらの結果を表1から3およ
び図3、4に示す。 (比較例2)Li/Coモル比を1.08とした以外は、実施例
1と同様に合成を行い、得られたリチウムコバルト複酸
化物の特性を評価した。それらの結果を表1から3およ
び図4に示す。 (比較例3)Li/Coモル比を1.13とした以外は、実施例
1と同様に合成を行い、得られたリチウムコバルト複酸
化物の特性を評価した。それらの結果を表1から3およ
び図3、4に示す。 (比較例4)Li/Coモル比を0.92とした以外は、実施例
1と同様に合成を行い、得られたリチウムコバルト複酸
化物の特性を評価した。それらの結果を表1から3に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 組成 組成 x 比表面積 平均粒径 (分析値wt%) (in LixCo2-xO2) (m2/g) (μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 Li 6.78 0.975 1.2 5.8 Co 60.5 実施例2 Li 7.07 1.004 1.1 5.6 Co 60.5 比較例1 Li 7.22 1.014 0.6 7.8 Co 59.8 比較例2 Li 7.49 1.034 0.5 12 Co 59.4 比較例3 Li 7.65 1.052 0.4 14 Co 58.9 比較例4 Li 6.51 0.945 2.1 1.3 Co 61.8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0025】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 放電容量[mAh/g] 試料 組成 x 1回目 50回目 100回目 維持率(%) (in LixCo2-xO2) (クーロン効率%)(クーロン効率%)(クーロン効率%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.975 156.7 151.4 148.8 95.0 (90.1) (91.4) (89.3) 実施例2 1.004 160.3 156.1 155.5 97.0 (89.7) (90.8) (90.1) 比較例1 1.014 162.4 151.9 146.7 90.3 (84.6) (87.3) (85.2) 比較例2 1.034 145.8 140.1 136.3 93.5 (80.6) (83.3) (82.7) 比較例3 1.052 148.5 140.8 135.6 91.3 (81.7) (82.5) (81.9) 比較例4 0.945 134.1 112.7 93.4 69.6 (86.4) (91.0) (90.6) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0026】表3から明らかなように、本発明の実施例
であるx=0.975および1.004の組成をもつリチウムコバ
ルト複酸化物では、クーロン効率、放電容量および100
回目の容量維持率(100回目の放電容量/1回目の放電容
量)ともに、比較例であるx=1.014、1.034、1.052およ
び0.945の組成の活物質を使用した電池よりも総合的に
優れた特性を示している。
【0027】また、図3に示すように、式LixCo2-xO2
おいてx=0.975および1.004の組成式をもつリチウムコ
バルト複酸化物では3.8〜4.2Vの範囲に3カ所の異なる
酸化電位および還元電位が観測されている。これは、こ
の電位範囲に3つの電気化学的活性種が存在することを
示している。したがって、x=0.975および1.004の組成
式をもつリチウムコバルト複酸化物では、リチウムイオ
ンのインターカレーション、およびデインターカレーシ
ョンによって、六方晶→(2相共存)→六方晶→単斜晶
と相転移すること、すなわち充放電効率の良い高温相で
あることを示唆するものである。
【0028】ところがx=1.014、1.052のリチウムコバ
ルト複酸化物においてはこの転移に相当するピークは無
く、単一のピークしか観測されずリチウムイオンの挿入
および脱離によって新たな相が出現しないこと、すなわ
ち充放電効率の良い高温相ではないものであることがわ
かる。またピーク電流値およびピーク電位の酸化側と還
元側のずれも大きく、さらにピークがブロードであり、
本発明の実施例であるリチウムコバルト複酸化物と比較
して応答性の悪い電極であることがわかる。
【0029】さらに、図4に示すように、本発明に属す
るリチウムコバルト複酸化物においては、2θが18.5〜
19°の範囲に認められる回折ピークは、[003]面に相
当する主ピークだけであったが、x=1.034およびx=1.0
52の組成をもつリチウムコバルト複酸化物においては、
主ピークの低角側の2θ=18.7°付近にピークが認めら
れた。これは異相の存在を示唆するものである。
【0030】(実施例3)炭酸リチウムを22.86g、水
酸化コバルト(Co含有量62.6%)を59.68g、さらに純
水100ccを秤とり、これを実施例1と同様にボールミルに
より原料粉末を調製(Li/Coモル比を0.96)した。 原料
の混合粉末はマイクロトラック粒度分布測定機により平
均粒子径約0.5μmであることを確認した。これをマグネ
シアセッターを用いて酸素流量0.3リットル/minの酸素気流
中で加熱速度を毎時300℃で950℃まで加熱し、15時間保
持することにより合成を行った。
【0031】得られたリチウムコバルト複酸化物の比表
面積は、0.6m2/gであった。平均粒子径は、約8.2μm
であった。本試料を用い、実施例1と同様にボタン電池
を作製し、充放電試験を行った。結果を表4に示す。
【0032】(実施例4)実施例3と同様に原料粉末を
調製した。これをマグネシアセッターを用いて酸素流量
0.3リットル/minで加熱速度300℃/hにより925℃まで加熱
し、20時間保持することにより合成を行った。得られた
活物質の比表面積は0.8m2/gであった。粒度分布測定に
よる平均粒子径は約6.3μmであった。本試料を用い、実
施例1と同様にボタン電池を作製し、充放電試験を行っ
た。結果を表4に示す。
【0033】(比較例5)ボールミルの粉砕混合時間を
変え5時間にしてその他は実施例1と同様にして原料粉末
の調製を行った。このとき得られた粉末は平均粒子径が
2.1μであった。これをマグネシアセッターを用いて酸
素流量0.3リットル/minで加熱速度300℃/hにより900℃まで
加熱し、15時間保持することにより合成を行った。得ら
れた活物質の比表面積は1.9m2/gであった。粒度分布測
定による平均粒子径は約3.5μmであった。
【0034】得られたLiCoO2中には未反応の酸化コバル
トが含まれていることがXRDより明らかになった。本試
料を用い、実施例1と同様にボタン電池を作製し、充放
電試験を行った。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 放電容量[mAh/g] 試料 原料調合 比表面積 平均粒径 1回目 100回目 維持率(% ) Li/Coモル比 (m2/g) (μm) (クーロン効率%) (クーロン効率%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例3 0.96 0.6 8.2 158.3 156.5 98.8 (90.7) (90.5) 実施例4 0.96 0.8 6.3 156.4 151.9 97.1 (91.5) (89.7) 比較例5 0.96 1.9 3.5 151.0 134.3 88.9 (81.1) (82.1) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0036】実施例3および4より、Co原料が水酸化物
の場合にも得られた活物質の特性は優れていることがわ
かる。比較例5に示すようにボールミルによる粉砕混合
時間が5時間の場合には、粉砕混合が十分でなく存在す
る未反応物のため電池特性が悪いことがわかる。
【0037】(実施例5)炭酸リチウム(Li2CO3)93.3
g、酸化コバルト(Co3O4)203.48g(Li/Coモル比を1.
0)および純水400ccをそれぞれ秤とり、直径10mmのYSZボ
ールを3650g用いて400ccのボールミル容器で、回転速
度を67rpmとして15時間粉砕混合を行った。
【0038】YSZボールとスラリーをフルイを用いて分
けとり、80℃で3時間予備乾燥をした後、100℃で1時間
乾燥を行った。得られた混合粉末はマイクロトラック粒
度分布測定機により平均粒子径0.5μであることを確認
した。得られた原料粉末40gをマグネシアセッターを用
いて酸素流量0.3リットル/minの酸素気流中で加熱速度毎時3
00℃で900℃まで加熱し、20時間保持することにより
合成を行った。得られた活物質の特性を調査し、充放電
試験を実施した。その結果を表5に示す。
【0039】(実施例6)焼成条件を950℃で15時
間保持とした以外は実施例5と同様に合成し、活物質の
特性を調査し充放電試験を実施した。その結果を表5に
示す。 (実施例7)焼成条件を1000℃で10時間保持とし
た以外は実施例5と同様に合成し、活物質の特性を調査
し充放電試験を実施した。その結果を表5に示す。
【0040】(比較例6)焼成条件を750℃で20時
間保持とした以外は実施例5と同様に合成し、活物質の
特性を調査し充放電試験を実施した。その結果を表5に
示す。 (比較例7)焼成条件を1100℃で10時間保持とし
た以外は実施例5と同様に合成し、活物質の特性を調査
し充放電試験を実施した。その結果を表5に示す。 (比較例8)焼成条件を950℃で5時間保持とした以
外は実施例5と同様に合成し、活物質の特性を調査し充
放電試験を実施した。その結果を表5に示す。
【0041】
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 焼成条件 放電容量[mAh/g] 温度 時間 比表面積 平均粒径 1回目 100回目 維持率 (℃) (Hr) (m2/g) (μm) (クーロン効率%) (クーロン効率%) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例5 900 20 1.2 4.5 160.1 154.9 96.7 (91.8) (92.0) 実施例6 950 15 1.0 5.9 168.7 165.8 98.3 (92.5) (92.2) 実施例7 1000 10 0.6 8.1 170.2 166.6 97.9 (92.1) (92.3) 比較例6 750 20 3.6 1.2 158.4 131.0 82.7 (87.5) (85.4) 比較例7 1100 10 0.4 13.8 152.3 128.9 84.6 (87.2) (82.5) 比較例8 950 5 1.7 3.7 146.5 124.3 84.8 (92.2) (84.2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0042】焼成温度が1100℃および750℃で
は、放電容量、維持率とも低いことがわかる。また、9
50℃焼成でも、焼成時間が5時間の場合には、得られ
た活物質の粒成長が不十分であり電池特性は悪いことが
わかる。
【0043】以上のように本発明によるリチウムコバル
ト複酸化物は、リチウム二次電池の活物質として用いた
場合、充放電のクーロン効率が高く、しかも容量維持率
の高い性能を有する電池が得られることがわかる。
【0044】また本実施例における電池は、Li金属を
負極とするボタン型電池であったが、本発明の活物質の
使用がこれに限定されるものではなく、負極には電池反
応によりLiが可逆的にインターカレートが可能なカー
ボンファイバー、グラファイト等のカーボンも用いるこ
とができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によるリチウムコバルト複酸化物
を非水系電解質二次電池の正極活物質として用いること
で二次電池の放電容量およびクーロン効率を向上させる
ことが可能であり、容量維持率の優れた二次電池が作製
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた2032型ボタン電池の縦断面図で
ある。
【図2】サイクリックボルタンメトリーに用いたセルの
縦断面図である。
【図3】実施例1、2および比較例1、3のサイクリックボ
ルタモグラムである。
【図4】実施例1、2および比較例1〜3の[003]面のX線
回折図形である。
【符号の説明】
1. 負極缶 2. Li金属ペレット 3. セパレータ 4. ガスケット 5. 正極ペレット 6. 正極缶 7. ビーカー 8. 電解液( 1M-LiClO4/PC ) 9. テフロン栓 10. 正極 11. 対極( Li金属 ) 12. 参照極( Li金属 )

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末状のリチウムコバルト複酸化物であっ
    て、一般式 LixCo2-xO2で表わされ、式中のxの値が0.9
    7≦x≦1.01であり、比表面積が0.2〜2.0m2/gであり、
    平均粒子径が1.0〜12μであり、少なくとも100回目
    までのクーロン効率が88%以上であり、容量維持率
    (%)=[(100回目の放電容量)/(1回目の放電
    容量)]×100が90%以上であることを特徴とする
    非水系電解質二次電池用正極活物質。
  2. 【請求項2】リチウムとコバルトのモル比 Li/Coが0.9
    5〜1.01であることを特徴とする請求項1記載の非水系
    電解質二次電池用正極活物質。
  3. 【請求項3】X線回折測定において、管電圧を40k
    V、管電流を150mA、サンプリング幅を0.002
    °、走査速度を0.2°/分とし、[003]面の回折線
    のピークカウントが12000cps得られる場合に、
    2θが18.5〜18.8°に異相を示す回折線が観測されない
    ことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の
    非水系電解質二次電池用正極活物質。
  4. 【請求項4】リチウム金属を対極および参照極とし、電
    位の掃引速度を1mV/秒以下とした場合得られるサイ
    クリックボルタモグラムにおいて、4.0〜4.3Vの間に2
    つの電気化学的活性種を示す酸化還元電位を示すことを
    特徴とする請求項1、2および3のいずれかに記載の非
    水系電解質二次電池用正極活物質。
  5. 【請求項5】リチウム化合物およびコバルト化合物をリ
    チウムとコバルトのモル比 Li/Coが0.95〜1.0であるよ
    うに調合し、これを湿式で粉砕混合し、平均粒子径を1.
    0μm以下に調製した後、酸素を含む気流中の雰囲気で、
    850℃以上1050℃以下の温度で、8時間以上20時間以下の
    時間焼成し合成することを特徴とする請求項1、2、3
    および4のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正
    極活物質の製造方法。
  6. 【請求項6】酸素を含む気流が空気気流である請求項5
    に記載の製造方法。
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