JPH10274290A - 動力伝動用ベルト - Google Patents

動力伝動用ベルト

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JPH10274290A
JPH10274290A JP9361842A JP36184297A JPH10274290A JP H10274290 A JPH10274290 A JP H10274290A JP 9361842 A JP9361842 A JP 9361842A JP 36184297 A JP36184297 A JP 36184297A JP H10274290 A JPH10274290 A JP H10274290A
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JP
Japan
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rubber layer
belt
power transmission
reinforcing cloth
fiber
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JP9361842A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Onaka
喜章 尾仲
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸張ゴム層の表面に設けた補強布を改善して
ベルト寿命を延長した多本掛けローエッジコグベルトに
係る動力伝動用ベルトを提供することを目的とする。 【解決手段】 短繊維をベルト幅方向に配向するように
混入したゴムを圧縮ゴム層2と伸張ゴム層3に配し、そ
して心線4を接着ゴム層5に埋設し、圧縮ゴム層2から
伸張ゴム層3に至ってプーリ凸部に嵌合するV状溝部6
を一定間隔で設け、かつV状溝部6の頂部7を心線6の
位置を越えて伸張ゴム層3にまで到達させた動力伝動用
ベルト1に関する。このベルト1において、伸張ゴム層
3の表面の設けた補強布10が1プライで、その接合部
13がミシンによる突き合わせジョイントであって、か
つ補強布10がアラミド繊維とポリエチレンテレフタレ
ート繊維とを混合した糸を用いて製織した布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝動用ベルトに
係り、駆動軸と従動軸に取り付けた多本掛けローエッジ
バンディッドベルトの改良である動力伝動用ベルトに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の多本掛けベルトの駆動において
は、複数個のV溝を有するプーリに複数個のベルトを各
々個別に巻きかけ、多本掛けで使用しているため、クラ
ッシャーやコンプレッサーなどのような衝撃力の大きい
機械の駆動に使用した場合には、各々ベルトが単独で振
動しやすく、そのためベルト振動により隣接するベルト
と接触し、ベルトの転覆が起こる傾向があった。このた
めに改善されたベルトとしては、個々のベルトの背面に
広角度帆布やナイロン製の横スダレのような伸縮性帆布
や不織布をタイバンドとして接合したバンディッドベル
トが提案され、例えば特公昭57−56619号公報な
どに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、広角度帆布で
は縦方向の伸びが大きく良好であるにしても、横方向は
逆に角度が小さくなるために、伸縮性が乏しくなって、
ベルトとプーリとの嵌合状態が悪く、タイバンドとベル
ト背面が剥離することがあった。一方、横スダレをタイ
バンドに使用したベルトにおいても、横方向の伸縮性が
良好であっても、小プーリ径で使用した場合には、スダ
レのコード間に介在するゴムが極度に伸縮され、ゴムに
亀裂が入りやすくなる問題があった。このため、最近で
は通常の平織または綾織帆布が使用され、またラップド
ベルトに代わりローエッジタイプのバンディッドベルト
が使用されつつある。
【0004】このローエッジタイプのバンディッドベル
トは、最近では大型バスやトラックのディーゼルエンジ
ンに装着され、走行距離10万km以上の耐久性が要求
されている。このベルトの大きな故障原因は、圧縮ゴム
層や伸張ゴム層の熱劣化による硬度上昇による亀裂発生
ではなく、タイバンドに集中する屈曲疲労と熱劣化によ
る亀裂発生と剥離であった。即ち、タイバンドの一つで
ある補強布を端部を重ね合わせた接合部が、屈曲と発熱
によって早期に剥離し、補強布と伸張ゴム層がベルト本
体から早期に飛散し、ベルトの寿命に至る問題が多発し
た。
【0005】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、特に伸張ゴム層の表面に設けた補強布を改善し
てベルト寿命を延長した多本掛けローエッジコグベルト
に係る動力伝動用ベルトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1に
係る発明は、短繊維をベルト幅方向に配向するように混
入したゴムを圧縮ゴム層と伸張ゴム層に配し、そして心
線を接着ゴム層に埋設し、圧縮ゴム層から伸張ゴム層に
至ってプーリ凸部に嵌合するV状溝部を一定間隔で設
け、かつV状溝部の頂部を心線の位置を越えて伸張ゴム
層にまで到達させた動力伝動用ベルトであり、該伸張ゴ
ム層の表面の設けた補強布が1プライで、その接合部が
ミシンによる突き合わせジョイントであって、かつ補強
布がアラミド繊維とポリエチレンテレフタレート繊維と
を混合した糸を用いて製織した布である動力伝動用ベル
トにあり、伸張ゴム層の表面に配設した補強布を1プラ
イとしてベルトの可撓性を高め、ミシンによる突き合わ
せジョイントにして接合部の強度を高め、しかも補強布
の糸の材質を特定することにより1プライでも充分な耐
摩耗性をもたせることができ、この結果ベルト寿命を延
長することができたものである。
【0007】本願の請求項2に係る発明は、補強布がア
ラミド繊維とポリエチレンテレフタレート繊維とをアラ
ミド繊維の重量比率が25〜75%になるように混合し
た糸を用いて製織した布である動力伝動用ベルトであ
り、上記補強布の糸の材質と重量比率を特定することに
より1プライでも充分に耐摩耗性があってベルト寿命の
延長に寄与している。
【0008】本願の請求項3に係る発明は、補強布がア
ラミド繊維の紡績糸とポリエチレンテレフタレート繊維
の紡績糸とを混撚りした糸からなり、耐摩耗性とともに
可撓性に富んだ動力伝動用ベルトになる。
【0009】本願の請求項4に係る発明は、アラミド繊
維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維である動
力伝動用ベルトにある。
【0010】本願の請求項3に係る発明は、伸張ゴム層
と圧縮ゴム層の露出面に、パラ系アラミド繊維からなる
短繊維を突出させた動力伝動用ベルトであり、露出面の
摩擦係数を低下させることにより、駆動する時の騒音を
軽減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る動力伝動用ベ
ルトの断面斜視図である。本発明の動力伝動用ベルト1
では、短繊維をベルト幅方向に配向するように混入した
ゴムを圧縮ゴム層2と伸張ゴム層3に配し、ポリエステ
ル、ナイロン、アラミド繊維などを素材とするコードか
らなる心線4を接着ゴム層5に埋設し、そして圧縮ゴム
層2から伸張ゴム層3に至ってプーリ凸部に嵌合するV
状溝部6を一定間隔で切り込んだ形状になっている。即
ち、上記V状溝部6の頂部7が心線4のピッチラインよ
りも伸張ゴム層3側へ位置し、高負荷伝動を可能にして
いる。一般に、この種のベルトは、心線4のピッチライ
ンの下側にV状溝部の頂部を有するVリブドベルトとは
区別されている。
【0012】上記圧縮ゴム層2の表面には、ベルト長手
方向に所定ピッチにて凹凸を有する凸状のコグ部9を有
し、ベルトの屈曲性を保持している。コグ部9のピッチ
および深さは任意に設定できる。
【0013】図2に示す本発明の動力伝動用ベルト1で
は、短繊維をベルト幅方向に配向するように混入したゴ
ムを圧縮ゴム層2と伸張ゴム層3に配し、心線4を接着
ゴム層5に埋設し、そして圧縮ゴム層2から伸張ゴム層
3に至ってプーリ凸部に嵌合するV状溝部6を一定間隔
で切り込んだ形状になり、特に圧縮ゴム層2の底面にコ
グ部を有しないタイプである。
【0014】また、伸張ゴム層3と圧縮ゴム層2には、
表面に沿って補強布10、11を積層して耐屈曲疲労性
を高め、剪断力や引き裂き力に耐えることができる。特
に、伸張ゴム層3の表面に積層している補強布10は1
プライであり、経糸と緯糸のの交差角を90〜120°
程度とし、構成糸をベルト長手方向に対して傾斜させた
広角度帆布である。その接合部13は強度を確保し、ま
た剥離を阻止するためミシンによる突き合わせジョイン
トになっている。
【0015】図3は、伸張ゴム層3の表面に積層する補
強布10の製造工程を示すものである。ここでは経糸と
緯糸との交差角θが90〜120°程度に機械加工して
得られた広角度帆布をバイアスジョイント部15にして
重ね合わせて得られた連続帆布16が用意される。続い
てこの連続帆布16をRFL処理した後、ゴム組成物を
フィリクション・コーチングしてゴム付帆布とする。R
FL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテ
ックスに混合したものであり、ここで使用するラテック
スとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニ
リピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBRなど
である。連続帆布16を所定幅に切断し、重ね合わせた
バイアスジョイント部15をいったん剥離し、両端部を
突き合わせ、例えばナイロン糸や綿糸を用いたオーバー
ロックなどのミシンで接合するとともに、所定幅に切断
した端部17も突き合わせてミシンで接合し、図4に示
すような円筒状の補強布10に形成する。補強布10の
接合部13は少なくとも1ヶ所あり、全ての接合部13
は突き合わせてミシンで接合しされている。尚、接合部
13の角度はベルト長手方向に対して傾斜してもよく、
また直角方向であってもよい。
【0016】上記補強布10は、アラミド繊維とポリエ
チレンテレフタレート繊維とを混合した糸を用いて製織
した布であり、アラミド繊維はメタ系アラミド繊維(ポ
リメタフェニレンイソフタルアミド繊維)あるいはパラ
系アラミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド
繊維)(商品名:トワロン、ケブラー、テクノーラ)が
使用される。具体的には1.0〜4.0デニールでスパ
ン長さ20〜80mmのポリメタフェニレンイソフタル
アミド繊維からなる5〜40番手の紡績糸と2.0〜1
0.0デニールでスパン長さ20〜80mmのポリエチ
レンテレフタレート繊維からなる5〜40番手の紡績糸
をポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の重量比率
が25〜75%になるように混撚りした糸を使用したも
のである。
【0017】また、1.0〜4.0デニールでスパン長
さ20〜80mmのポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド繊維と2.0〜10.0デニールでスパン長さ20〜
80mmのポリエチレンテレフタレート繊維をポリメタ
フェニレンイソフタルアミド繊維の重量比率が25〜7
5%になるように5〜40番手に紡績した混紡糸を使用
した糸を使用したものでもよい。尚、この混紡糸を経糸
または緯糸単独に、あるいは経糸および緯糸に使用する
ことができる。
【0018】上記ポリメタフェニレンイソフタルアミド
繊維は、例えば商品名コーネックス、ノーメックスから
なる。重量比率が25%未満の場合には、帆布強力、ベ
ルト走行寿命、そして摩耗性能のいずれも低下する。一
方、重量比率が75%を越えると、帆布強力や摩耗性能
が低下する。
【0019】上記圧縮ゴム層2および伸張ゴム層3に
は、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、
水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カル
ボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、また
はこれらの混合物に、例えばパラ系アラミド繊維(商品
名:トワロン、ケブラー、テクノーラ)単独、あるいは
パラ系アラミド繊維とナイロン、ポリエステル、ビニロ
ン、綿、メタ系アラミド繊維(商品名:コーネックス)
等の短繊維を混合してベルト幅方向へ配向している。具
体的には、パラ系アラミド繊維とナイロンとの混合した
ものがゴム中に混入され、ベルト幅方向へ配向してい
る。この短繊維の添加量は、ゴム100重量部に対して
5〜40重量部、好ましくは8〜15重量部である。
【0020】接着ゴム層5には、上記短繊維を含めても
よいが、好ましくは含めない。
【0021】また、上記圧縮ゴム層2および伸張ゴム層
3の露出面には、短繊維のうちパラ系アラミド繊維がフ
ィブリル化して細分した状態で突出している。フィブリ
ル化した繊維はゴム中に埋設しているフィラメントの太
さの1/2〜1/8であり、その一部はカールしてい
る。この露出面から突出した繊維がベルトとプール間の
摩擦力を低下させ、ゴムの粘着摩耗を阻止してベルトス
リップによる発音を軽減する。
【0022】上記パラ系アラミド繊維からなる短繊維を
突出させるために、得られたベルトスリーブを研磨す
る。この研磨方法は80〜200メッシュのダイヤモン
ドを表面に装着した研磨ホイールを回転させ、走行して
いるベルトスリーブに当接してV状溝部6を形成する。
【0023】本発明の図1に示す動力伝動用ベルトの製
造方法においては、まず歯部と溝部を交互に有するモー
ルドを準備する。更に、1〜数枚の帆布と圧縮ゴム層に
なる未加硫ゴムシートを積層し、歯部と溝部とを交互に
配した平坦な金型に設置し、加圧することによってコグ
部を型付けしたコグパッドを形成する。無論、本発明で
は、上記歯部と溝部を交互に有するモールドに代えて、
円周方向に沿って所定の間隔で凹状部を設けた内母型を
装着したモールドを使用することもできる。
【0024】成形機(図示せず)にモールドを装着し、
モールドの表面に内周面に歯部と溝部を交互に有する外
母型を嵌挿した後、コグパッドの圧縮ゴム層2、接着ゴ
ム層5、心線4、伸張ゴム層3、そして補強布10をそ
れぞれ積層して成形体を正成形で作製し、内周面にジャ
ケットを嵌入し、加硫する予備成形法によりベルトスリ
ーブを得ることができる。加硫は通常の方法で行う。加
硫した後、円筒状のスリーブをモールドから抜き取り、
得られたベルトスリーブを研磨し、そして所定幅に切断
して動力伝動用ベルトを作製する。
【0025】また、他の方法としては、モールドの表面
に補強布10、伸張ゴム層3、接着ゴム層5、心線4、
圧縮ゴム層2、そして補強布11をそれぞれ積層して成
形体を逆成形で作製し、内周面に歯部と溝部を交互に有
する外母型を嵌挿した後、ジャケットを嵌入し、加硫す
るスパンコグ法によりベルトスリーブを得ることができ
る。加硫は通常の方法で行う。加硫した後、円筒状のス
リーブをモールドから抜き取り、得られたベルトスリー
ブを研磨し、そして所定幅に切断して動力伝動用ベルト
を作製する。
【0026】図2に示す動力伝動用ベルトに係る成形体
の作製方法では、モールドの表面に補強布10、接着ゴ
ム層5付き伸張ゴム層3、心線4、平坦な圧縮ゴム層
2、そして補強布11をそれぞれ積層して成形体を作製
する逆成形法がある。無論、正成形法でもよい。
【0027】
【実施例】以下、更に具体的な実験例により本発明の効
果を確認する。 実施例1 心線として、1,100デニールのポリエチレンテレフ
タレート繊維を上撚り数8.8回/10cm、下撚り数
21.0回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×5の
撚り構成とし、トータルデニール11,000の未処理
コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシ
アネート系接着剤でプレディップした後、約170〜1
80°Cで乾燥し、RFL液に浸漬した後、200〜2
40°Cで延伸熱固定処理を行なって処理コードとし
た。
【0028】また、補強布としてポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド(PMIA)(商品名:コーネックス:
帝人株式会社製)の紡績糸およびポリエチレンテレフタ
レートの紡績糸を使用したものを製織した。この組織は
表1に示される。
【0029】
【表1】
【0030】この帆布を経糸と緯糸との交差角を100
°程度の広角度帆布になるように機械的な加工処理を行
った。得られた広角度帆布をRFL液(クロロプレンゴ
ムラテックス100重量部、レゾルシン14.6重量
部、ホルマリン9.2重量部、苛性ソーダ1.5重量
部、水262.5重量部)に浸漬した後、150°Cで
2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処
理帆布にクロロプレンゴム組成物をフリクション・コー
チングして、ゴム付帆布とした後、バイアスに裁断し、
重ね合わせてバイアスジョイントし、連続帆布にした。
これを所定幅に切断した後、バイアスジョイントを剥離
してこれらを突き合わせてミシンジョイントするととも
に切断部もミシンジョイントして円筒状の補強布に成形
した。
【0031】圧縮ゴム層と伸張ゴム層はパラ系アラミド
繊維とナイロンの短繊維を含んだクロロプレンゴムから
なるゴム組成物を用い、また接着ゴム層は短繊維を含ま
ないクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用いた。
【0032】これらの材料を用意した後、モールドに円
筒状の補強布を嵌挿した後、平坦な伸張ゴム層、接着ゴ
ム層、心線、更に平坦な圧縮ゴム層を順次巻き付けて逆
成形法により成形体を作製した。続いて、内周面に歯部
と溝部を交互に有する外母型を挿入した。その後、ジャ
ケットを被せて、モールドを加硫缶に設置して加硫して
スパンコグ法によりベルトスリーブを得た。
【0033】このスリーブを2軸からなる研磨機に装着
し、張力を与えた後、研磨ホイールによってV状溝部を
一定間隔で切り込み、そして所定幅に切断してローエッ
ジタイプの動力伝動用ベルトに仕上げた。得られた動力
伝動用ベルトは、上幅57mm、厚み13mm、長さ1
250mm、コグ部のピッチ9.9mm、コグ部の深さ
3.8mm、外周長1287mmであった。
【0034】実施例2 実施例1と同じ材質の心線、補強布、伸張ゴム層、接着
ゴム層、圧縮ゴム層を用意し、モールドに円筒状の補強
布を嵌挿した後、平坦な伸張ゴム層、接着ゴム層、心
線、更に平坦な圧縮ゴム層を順次巻き付けて逆成形法に
より成形体を作製した。その後、ジャケットを被せて、
モールドを加硫缶に設置して加硫してベルトスリーブを
得た。このスリーブから実施例1と同様にして研磨ホイ
ールによってV状溝部を一定間隔で切り込み、そして所
定幅に切断してローエッジタイプの動力伝動用ベルトに
仕上げた。得られた動力伝動用ベルトは、上幅57m
m、厚み13mm、長さ1250mm、外周長1287
mmであった。
【0035】比較例1 伸張ゴム層の表面に連続帆布を2プライ巻き付け、更に
重ね合わせて接合した以外は、実施例1と同様にしてロ
ーエッジタイプの動力伝動用ベルトを作製した。
【0036】比較例2 伸張ゴム層の表面に表1に示す組織からなる1プライの
補強布をミシンジョイントした以外は、実施例1と同様
にしてローエッジタイプの動力伝動用ベルトを作製し
た。
【0037】得られた動力伝動用ベルトを駆動側プーリ
(径200mm)と従動側プーリ(径95mm)とテン
ションプーリに掛架し、ベルトに初張力588N/リ
ブ、駆動側プーリの回転数を2200rpm、かつ従動
側プーリに負荷として自動車用発電機10kwを与えて
走行させ、補強布と伸張ゴム層のベルト本体から剥離、
飛散するまでの走行時間を求めた。これらの結果を表2
に示す。
【0038】
【表2】
【0039】その結果、実施例1および2の動力伝動用
ベルトは、比較例1および2に比べて補強布と伸張ゴム
層のベルト本体から剥離、飛散する時間が延長しベルト
の寿命が大きく改善されていることが判る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1に係る発明
では、V状溝部の頂部を心線の位置を越えて伸張ゴム層
にまで到達させた動力伝動用ベルトであり、該伸張ゴム
層の表面の設けた補強布が1プライで、その接合部がミ
シンによる突き合わせジョイントであって、かつ補強布
がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維とポリエチ
レンテレフタレート繊維とを混合した糸を用いて製織し
た布である動力伝動用ベルトにあり、伸張ゴム層の表面
に配設した補強布を1プライとしてベルトの可撓性を高
め、ミシンによる突き合わせジョイントにして接合部の
強度を高め、しかも補強布の糸の材質を特定することに
より1プライでも充分な耐摩耗性をもたせることがで
き、ベルト寿命を延長することができる効果がある。
【0041】本願の請求項2に係る発明は、補強布がポ
リメタフェニレンイソフタルアミド繊維とポリエチレン
テレフタレート繊維とをポリメタフェニレンイソフタル
アミド繊維の重量比率が25〜75%になるように混合
した糸を用いて製織した布である動力伝動用ベルトであ
り、上記補強布の糸の材質と重量比率を特定することに
より1プライでも充分に耐摩耗性があってベルト寿命の
延長に寄与している。
【0042】本願の請求項3に係る発明では、補強布が
アラミド繊維の紡績糸とポリエチレンテレフタレート繊
維の紡績糸とを混撚りした糸からなり、また請求項4に
係る発明では、アラミド繊維がポリメタフェニレンイソ
フタルアミド繊維である動力伝動用ベルトであり、いず
れも耐摩耗性とともに可撓性に富んだ動力伝動用ベルト
になる。
【0043】本願の請求項5に係る発明は、伸張ゴム層
と圧縮ゴム層の露出面に、パラ系アラミド繊維からなる
短繊維を突出させた動力伝動用ベルトであり、露出面の
摩擦係数を低下させることにより、駆動する時の騒音を
軽減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝動用ベルトの断面斜視図で
ある
【図2】本発明の他の動力伝動用ベルトの断面斜視図で
ある
【図3】本発明の動力伝動用ベルトに使用する補強布の
製造工程の一部を示す図である。
【図4】本発明の動力伝動用ベルトに使用する補強布の
斜視図である。
【符号の説明】
1 動力伝動用ベルト 2 圧縮ゴム層 3 伸張ゴム層 4 心線 5 接着ゴム層 6 V状溝部 7 頂部 10 補強布 13 接合部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短繊維をベルト幅方向に配向するように
    混入したゴムを圧縮ゴム層と伸張ゴム層に配し、そして
    心線を接着ゴム層に埋設し、圧縮ゴム層から伸張ゴム層
    に至ってプーリ凸部に嵌合するV状溝部を一定間隔で設
    け、かつV状溝部の頂部を心線の位置を越えて伸張ゴム
    層にまで到達させた動力伝動用ベルトであり、該伸張ゴ
    ム層の表面の設けた補強布が1プライで、その接合部が
    ミシンによる突き合わせジョイントであって、かつ補強
    布がアラミド繊維とポリエチレンテレフタレート繊維と
    を混合した糸を用いて製織した布であることを特徴とす
    る動力伝動用ベルト。
  2. 【請求項2】 補強布がアラミド繊維とポリエチレンテ
    レフタレート繊維とをアラミド繊維の重量比率が25〜
    75%になるように混合した糸を用いて製織した布であ
    る請求項1記載の動力伝動用ベルト。
  3. 【請求項3】 補強布がアラミド繊維の紡績糸とポリエ
    チレンテレフタレート繊維の紡績糸とを混撚りした糸か
    らなる請求項2記載の動力伝動用ベルト。
  4. 【請求項4】 アラミド繊維がポリメタフェニレンイソ
    フタルアミド繊維である請求項1、2または3記載の動
    力伝動用ベルト。
  5. 【請求項5】 伸張ゴム層と圧縮ゴム層の露出面に、パ
    ラ系アラミド繊維からなる短繊維を突出させた請求項1
    記載の動力伝動用ベルト。
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JP (1) JPH10274290A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000130515A (ja) * 1998-10-26 2000-05-12 Mitsuboshi Belting Ltd 伝動ベルトおよびその製造方法
JP2000352444A (ja) * 1999-06-14 2000-12-19 Mitsuboshi Belting Ltd 伝動ベルト用帆布の製造方法及びこの帆布を用いた伝動ベルト
JP2005282861A (ja) * 1998-11-19 2005-10-13 Gates Corp:The 伝動ベルト
JP2009523979A (ja) * 2006-01-19 2009-06-25 ダイコ ユーロペ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 歯付きベルト及びタイミング制御系
WO2020003872A1 (ja) 2018-06-25 2020-01-02 三ツ星ベルト株式会社 ラップド結合vベルト
JP2020521065A (ja) * 2017-05-19 2020-07-16 グスタフ・エルンストマイアー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト 蛇腹用の支持材

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