JPH10274042A - エンジンの排気通路切換装置 - Google Patents

エンジンの排気通路切換装置

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JPH10274042A
JPH10274042A JP17292897A JP17292897A JPH10274042A JP H10274042 A JPH10274042 A JP H10274042A JP 17292897 A JP17292897 A JP 17292897A JP 17292897 A JP17292897 A JP 17292897A JP H10274042 A JPH10274042 A JP H10274042A
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JP
Japan
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exhaust
engine
exhaust pipe
valve body
passage
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Application number
JP17292897A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Isaka
義治 井坂
Hiromi Suzuki
洋未 鈴木
Takeji Adachi
竹司 足立
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D9/00Controlling engines by throttling air or fuel-and-air induction conduits or exhaust conduits
    • F02D9/08Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits
    • F02D9/12Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits having slidably-mounted valve members; having valve members movable longitudinally of conduit
    • F02D9/16Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits having slidably-mounted valve members; having valve members movable longitudinally of conduit the members being rotatable

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が複雑とならず、各回転域で、各種の制
御ができるエンジンの排気通路切換装置を提供する。 【解決手段】 エンジンと低回転域用,高回転域用排気
管とが切換弁8を介して接続され、切換弁8にてエンジ
ンからの排気を低回転域用又は高回転域用排気管に切換
え可能とされた排気通路切換装置において、切換弁8
は、エンジンに接続された弁本体12と、弁本体12に
回動自在に配設された回転体とを有し、弁本体12に
は、各排気管に接続される2つの出口12b,12cを
有する二股状の排気通路12dが形成される一方、回転
体は、連通路が形成された円柱形状を呈し、弁本体12
の二股状の排気通路12dの分岐部分に回転自在に配設
され、円柱状の中心軸Oを中心に回転されることによ
り、エンジンのシリンダボディに形成された排気口と、
弁本体12の一方の出口12b,12cとが連通路を介
して連続されるように設定され、更に、回転体の連通路
の出口と弁本体12の排気通路12dの分岐通路12
e,12fとをズラすことにより、排気ガスが流通する
面積を狭くして、絞り領域を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンと低回
転域用排気管及び高回転域用排気管とが切換弁を介して
接続され、この切換弁により、エンジンからの排気を低
回転域用又は高回転域用排気管に切り換えることができ
るエンジンの排気通路切換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジン回転域の広範囲にわ
たって排気の圧力波を利用して高出力が得られる排気装
置としては、例えば実開昭60ー143125号公報に
記載されたようなものがある。これは、単気筒エンジン
の排気通路に排気の流れ方向を2方向の何れか一方に切
り換える切換弁を設け、この切換弁の2つの出口のうち
一方に低回転域の時に適合する低回転域用排気管を接続
すると共に、他方に高回転域の時に適合する高回転域用
排気管を接続する構造となっている。
【0003】この切換弁は、入口が共通な2つの分岐通
路を二股状に形成してなる排気通路が弁本体に形成さ
れ、この排気通路の分岐部分に、湾曲された連通路を有
する回転体が中心軸を中心に回転自在に嵌合されてい
る。そして、この一方の排気通路に低回転域用排気管
が、他方の排気通路に高回転域用排気管が接続されてい
る。
【0004】そして、かかる回転体を中心軸を中心に回
転させることにより、湾曲された連通路を可動させて一
方の排気通路を選択するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものにあっては、低回転域用排気管と高回転
域用排気管とを単純に切り換えているだけであるため、
低回転域側と高回転域側との切換しかできないことから
制御には限界があった。
【0006】そこで、この発明は、構造が複雑となら
ず、各回転域で、各種の制御ができるエンジンの排気通
路切換装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、エンジンと低回転域用
排気管及び高回転域用排気管とが切換弁を介して接続さ
れ、該切換弁にて前記エンジンからの排気を低回転域用
又は高回転域用排気管に切換え可能とされた排気通路切
換装置において、前記切換弁は、前記エンジンに接続さ
れた弁本体と、該弁本体に回動自在に配設された回転体
とを有し、前記弁本体には、前記各排気管に接続される
2つの出口を有する二股状の排気通路が形成される一
方、前記回転体は、連通路が形成された円柱形状を呈
し、前記弁本体の二股状の排気通路の分岐部分に回転自
在に配設され、円柱状の中心軸を中心に回転されること
により、前記エンジンのシリンダボディに形成された排
気口と、前記弁本体の一方の出口とが前記連通路を介し
て連続されるように設定され、更に、前記回転体の連通
路の出口と前記弁本体の排気通路の一方の分岐通路とを
ズラすことにより、排気ガスが流通する面積を狭くして
絞り領域を設定可能としたエンジンの排気通路切換装置
としたことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、多気筒エンジン
の各気筒にエキゾーストパイプが接続され、該エキゾー
ストパイプに切換弁を介して低回転域用排気管及び高回
転域用排気管が接続され、該切換弁にて前記多気筒エン
ジンからの排気を低回転域用又は高回転域用排気管に切
換え可能とされた排気通路切換装置であって、前記エキ
ゾーストパイプは、前記気筒数と同じ本数設けられて前
記各気筒に接続される分岐部と、該各分岐部が一本に集
合された集合部とを有し、前記切換弁は、前記集合部に
接続された弁本体と、該弁本体に回動自在に配設された
回転体とを有し、前記弁本体には、前記低回転域用又は
高回転域用排気管に接続される2つの出口を有する二股
状の排気通路が形成される一方、前記回転体は、連通路
が形成された円柱形状を呈し、前記弁本体の二股状の排
気通路の分岐部分に回転自在に配設され、円柱状の中心
軸を中心に回転されることにより、前記集合部と、前記
弁本体の一方の出口とが前記連通路を介して連続される
ように設定され、更に、前記回転体の連通路の出口と前
記弁本体の排気通路の一方の分岐通路とをズラすことに
より、排気ガスが流通する面積を狭くして絞り領域を設
定可能としたエンジンの排気通路切換装置としたことを
特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の構成に加え、前記絞り領域を、低回転域側に設
けたことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
の何れか一つに記載の構成に加え、前記絞り領域を、高
回転域側に設けたことを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
の何れか一つに記載の構成に加え、ブレーキ装置を作動
させた時に前記絞り領域に制御することを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
の何れか一つに記載の構成に加え、エンジン回転数に応
じて前記絞り領域の排気ガスが流通する面積を制御する
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】[発明の実施の形態1]図1乃至図8に
は、この発明の実施の形態1を示す。
【0015】まず構成について説明すると、図1,2中
符号1は、自動二輪車の水冷式2サイクルの単気筒エン
ジンで、この単気筒エンジン1は、シリンダボディ2に
シリンダヘッド3が固定され、これらの内部に、クラン
ク軸4に下端部が接続されたコンロッド5が配設され、
このコンロッド5の上端部にピストン6が取り付けられ
ている。
【0016】そして、この単気筒エンジン1に、切換弁
8を介して、低回転域の時に適合する低回転域用排気管
9及び、高回転域の時に適合する高回転域用排気管10
が接続されている。
【0017】具体的には、切換弁8は、シリンダボディ
2に固定された弁本体12と、この弁本体12に回転自
在に配設された回転体13とを有している。
【0018】この弁本体12は、1つの入口12aに、
2つの出口12b,12cを連通させてなる二股状の排
気通路12dが形成され、その入口12aが前記シリン
ダボディ2に形成された排気口2aに接続されるよう
に、ボルト14にてシリンダボディ2に固定されてい
る。また、この弁本体12に前記両排気管9,10が図
示省略のボルトにより固定されて、この弁本体12の一
方の出口12bに低回転域用排気管9が、又、他方の出
口12cに高回転域用排気管10がそれぞれ接続されて
いる(図3参照)。
【0019】また、前記回転体13は、図2及び図3に
示すように、湾曲した連通路13aが形成された円柱形
状を呈し、中心軸Oを中心に回転自在に弁本体12の分
岐部分に嵌合されている。この連通路13aの入口13
bがシリンダボディ2の排気口2aに接続され、又、こ
の連通路13aの出口13cが、回転体13が回転され
ることにより、弁本体12の両出口12b,12cに接
続されるようになっている。
【0020】さらに、前記弁本体12の排気通路12d
は、両出口12b,12cを有する分岐通路12e,1
2fの軸線P方向は、図2に示すように、回転体13の
中心軸Oより角度θだけ下方に傾斜している。そして、
この弁本体12の両分岐通路12eの両出口12b,1
2cは、図4に示すように、回転体13の中心軸Oより
下方に位置し、これら2つの出口12b,12cは、こ
れら出口12b,12cの中心と中心軸Oとを結ぶ線の
成す角度αが180°より小さく、ここでは120°に
設定されている。
【0021】さらにまた、前記両排気管9,10の切換
途中に、回転体13の連通路13aの出口13cが、図
6中二点鎖線に示すように、前記弁本体12の分岐通路
12e,12fの両者に跨るように、それら出口13c
や分岐通路12e,12fの径等が設定されている。
【0022】しかも、その回転体13は、図4に示すよ
うに、低回転域側において、出口13cの向きが、位置
Aと、この位置Aから更に30°回転させた位置Bと、
この位置Bから更に45°回転させた位置Cとで停止で
きるようになっている。その位置Aでは、図5の(a)
中斜線に示すように、回転体13の連通路13aの出口
13cと、弁本体12の低回転域側の分岐通路12eと
が一致するようになっている。また、位置Bでは、図5
の(b)中斜線で示すように、回転体13の連通路13
aの出口13cと前記分岐通路12eとをズラすことに
より、排気ガスが流通する面積が、位置Aの時より狭く
なり、低回転域側の第1の絞り領域となるように設定さ
れている。さらに、位置Cでは、図5の(c)中斜線で
示すように、更に、排気ガスが流通する面積が狭くな
り、第2の絞り領域となるように設定されている。
【0023】また、高回転域側においても、その回転体
13は、図2に示すように、出口13cの向きが、位置
Dと、この位置Dから更に30°回転させた位置Eと、
この位置Eから45°回転させた位置Fとで停止できる
ようになっている。その位置Dでは、図示していない
が、前記位置Aと同様に、回転体13の連通路13aの
出口13cと、弁本体12の高回転域側の分岐通路12
fとが一致し、又、位置Eでは、図示していないが、前
記位置Bと同様に、回転体13の連通路13aの出口1
3cと弁本体12の分岐通路12fとをズラすことによ
り、排気ガスが流通する面積が狭くなり、高回転域側の
第1の絞り領域となるように設定されている。さらに、
位置Fでは、前記位置Cと同様に、排気ガスが流通する
面積がさらに狭くなり、第2の絞り領域となるように設
定されている。
【0024】そして、この回転体13は、駆動装置17
により回転駆動されるように設定されている。詳しく
は、この駆動装置17は、図3に示すように、回転体1
3から回転軸18が突設され、この回転軸18に、図2
に示すように、小径の第1歯車19が固定され、この第
1歯車19に大径の第2歯車20が噛合されている。そ
して、この第2歯車20が図1に示すようにモータ21
にて回転されることにより、回転体13が中心軸Oを中
心に回転されるようになっている。そして、この駆動装
置17が制御装置23に接続されている。
【0025】また、このシリンダボディ2の排気口2a
の上部側には、図2に示すように、この排気口2aの上
縁の位置を上下に変位させる変位部材25が配設されて
いる。この変位部材25は、軸25aを中心に回動自在
に配設され、図1に示すモータ26にて回動されること
により、排気口2aの上縁の位置を変位させるようにし
ている。そして、このモータ26が制御装置23に接続
されて駆動制御されるようになっている。
【0026】この制御装置23には、クランク軸4配設
部に設けられたセンサ27が接続され、このセンサ27
にて単気筒エンジン1の回転数が検出され、このセンサ
27からの信号が入力され、この回転数に応じて、切換
弁8のモータ21及び、変位部材25のモータ26を駆
動するようになっている。
【0027】さらに、低回転域用排気管9と高回転域用
排気管10とは、同一の側に配設され、図7に示すよう
に、低回転域用排気管9が高回転域用排気管10の下側
に挿通されている。そして、これら排気管9,10が一
つのサイレンサ11に接続され、このサイレンサ11の
内面には触媒が担持されている。
【0028】次に、かかる構成よりなる排気通路切換装
置の作用について説明する。
【0029】単気筒エンジン1の回転数がセンサ27に
て検知され、このセンサ27からの信号が制御装置23
に入力され、この際の回転数が所定の値より小さい時に
は、切換弁8の回転体13は図3中実線に示す位置(図
4中位置A)に設定され、排気ガスは、シリンダボディ
2の排気口2aを介して回転体13の連通路13aを通
り、弁本体12の出口12bから低回転域用排気管9に
流入して排気される。
【0030】また、回転数が所定の値より大きくなる
と、この制御装置23により、モータ21が駆動されて
第1,第2歯車19,20等を介して、回転体13が中
心軸Oを中心に図4中時計回りに位置Dまで120°回
動されて、高回転域用排気管10に切り換えられて排気
される。
【0031】この場合には、回転体13を図4中矢印方
向に120°回転させることにより、切り換えを行うこ
とができるため、従来の180°回転させる場合より
も、切換え時間を短縮させることができ、切換え時にお
ける一時的な出力の低下を従来よりも抑制することがで
き、運転性を向上させることができる。
【0032】また、この切換え時には、回転体13の連
通路13aの出口13cが、弁本体12の一方の分岐通
路12e,(12f)から他方の分岐通路12f,(1
2e)まで移行する途中で、両方の分岐通路12e,1
2fに跨るため、図6中矢印Xに示すように、両排気管
9,10側に流入して排気される。従って、切換え時に
おいても、排気が一時的に遮断されることがなく、一時
的な出力の低下を従来よりも抑制することができ、運転
性を向上させることができる。
【0033】さらに、図8に示すように、低速側で、位
置B,Cの絞り領域を設けることにより、排気行程での
燃焼室の圧力変化が緩やかになり、掃気の流入速度も抑
えられるため、吹き抜けが減少し、燃費が向上すると共
に、HC低減ができ、絞りによる騒音も低減されること
となる。
【0034】さらにまた、高速側にも、位置E,Fの絞
り領域を設けることにより、出力を任意に押さえること
ができると共に、エンジンブレーキを掛けることができ
る。
【0035】このように絞り領域を低速域,高速域に設
けているが、これは回転体13の回動量を変化させるだ
けであるため、新しい部品を追加する必要がない。
【0036】一方、低回転域用排気管9が高回転域用排
気管10の下側に挿通されているため、低速で排気温度
が低くても低速域用排気管9に走行風が直接当たらない
ため冷却され難く、温度降下が少なく、サイレンサ11
での触媒が活性し易い。また、冷却され難いため、この
サイレンサ11の内面に担持させた触媒も浄化し易く、
担持位置を比較的後方に設定できるため、エンジン1へ
の熱害がない。
【0037】また、低回転域,高回転域用排気管9,1
0に共通のサイレンサ11が設けられているため、高回
転域用排気管10に切り換えても、それまでの低回転域
で、サイレンサ11の触媒が高温となっているため、浄
化されずに排出されることが少ない。
【0038】なお、上記実施の形態では、位置A,B,
C,D,E,Fで回転体13の回転を停止して低速域、
高速域を切り換えたり、絞り領域を切り換えたりしてい
るが、これに限らず、他の位置でも良いし、又、徐々に
切り換えることもできる。しかも、絞り領域である位置
B,C,E,Fは、位置A又は位置Dまで回動させた回
転体13を更に回動させて位置させるようにしている
が、位置Aと位置Dとの間にも絞り領域を形成すること
ができる。また、上記実施の形態では、2サイクルエン
ジンにこの発明を適用したが、4サイクルエンジンにも
適用できることは勿論である。
【0039】[発明の実施の形態2]図9乃至図15に
は、この発明の実施の形態2示す。
【0040】まず構成について説明すると、図9,10
中符号101は、自動二輪車の「多気筒エンジン」とし
ての2気筒エンジンで、この2気筒エンジン101に、
エキゾーストパイプ102が接続され、このエキゾース
トパイプ102に切換弁103を介して、低回転域の時
に適合する低回転域用排気管104及び、高回転域の時
に適合する高回転域用排気管105が接続されている。
【0041】具体的には、そのエキゾーストパイプ10
2は、複数、ここでは2本の分岐部102aと、これら
分岐部102aが集合された集合部102bとを有して
おり、その2本の分岐部102aが、2気筒エンジン1
01の各気筒に接続されると共に、その集合部102a
に切換弁103が接続されている。
【0042】この切換弁103は、図11,図12等に
示すように、集合部102bに固定された弁本体107
と、この弁本体107に回転自在に配設された回転体1
08とを有している。
【0043】この弁本体107は、1つの入口107a
に、2つの出口107b,107cを連通させてなる二
股状の排気通路107dが形成され、その入口107a
が前記集合部102bに接続され、又、この弁本体10
7に前記低,高回転域用排気管104,105がボルト
止めされて、この弁本体107の一方の出口107bに
低回転域用排気管104が、又、他方の出口107cに
高回転域用排気管105がそれぞれ接続されている(図
11,図12等参照)。
【0044】また、前記回転体108は、図11に示す
ように、湾曲した連通路108aが形成された円柱形状
を呈し、中心軸Oを中心に回転自在に弁本体107の排
気通路107dの分岐部分に嵌合されている。この連通
路108aの入口108bが集合部102bの排気口に
接続され、又、この連通路108aの出口108cが、
回転体108の回転により、弁本体107の出口107
b又は107cに接続されるようになっている。
【0045】そして、その回転体108は、駆動装置1
09により回転駆動されるように設定されている。詳し
くは、この駆動装置109は、図11に示すように、回
転体108から回転軸110が突設され、この回転軸1
08に、図10,図11,図12に示すように、小径の
第1歯車111が固定され、この第1歯車111に大径
の第2歯車112が噛合されている。そして、この第2
歯車112がモータ113にて回転されることにより、
回転体108が中心軸Oを中心に回転されるようになっ
ている。この駆動装置109が制御装置121(以下
「CPU121」という)に接続されている(図15参
照)。
【0046】このCPU121には、2気筒エンジン1
01のクランク軸配設部に設けられた図示省略のセンサ
が接続され、このセンサにて2気筒エンジン101の回
転数が検出され、このセンサからの信号が入力され、こ
の回転数に応じて、切換弁103のモータ113を駆動
するようになっている。そして、このCPU121の制
御により、図14の(C)に示すように、回転体108
の連通路108aの出口108cと、前記弁本体107
の排気通路107dの一方の分岐通路107e又は10
7fとをズラすことにより、排気ガスが流通する面積を
狭くして絞り領域が設定されるようになっている。な
お、図14の(b)及び(c)では、便宜上、分岐通路
107eと分岐通路107fとを同一位置に記載してい
るが、勿論、実際には異なる位置に形成されている。そ
して、この絞り領域は、実施の形態1と同様に、低回転
域側と高回転域側との両方に設けられると共に、この絞
り領域における排気ガスが流通する面積は、CPU12
1にてエンジン回転数に応じて制御されるようになって
いる。また、このCPU121は、図15に示すよう
に、ブレーキ装置122に接続され、このブレーキ装置
121を作動させた時に前記絞り領域等が制御されるよ
うになっている(詳細は作用の説明の欄で述べる。)。
【0047】また、前記低回転域用排気管104と前記
高回転域用排気管105とは、前記切換弁103から左
右に分岐されて車両後方に延長され、図10に示すよう
に、低回転域用排気管104は、途中で高回転域用排気
管105側に向けて折り曲げれら、低回転域用排気管1
04の後端部104aが高回転域用排気管105の近傍
に沿って配設されている。
【0048】そして、前記切換弁103の配設位置は、
排気系前端である前記2気筒エンジン101から、排気
系後端である低回転域用排気管104及び高回転域用排
気管105の後端までの排気系全長の内、前記排気系前
端から80%の位置より前側に設定されている。この実
施の形態のように2サイクルエンジンの場合には、両排
気管104,105のチャンバより前に設定されてい
る。
【0049】さらに、この切換弁103は、2気筒エン
ジン101の下側でエキゾーストパイプ102及び/又
は前記低回転域用排気管104・高回転域用排気管10
5の最低点Pより上方に位置していると共に、車幅方向
の中心部分(図10中斜線部分)に配置されている。
【0050】また、切換弁103の回転体108を回転
させる駆動装置109は、回転体108の後ろ側で、低
回転域用排気管104と高回転域用排気管105との間
に配置されている。
【0051】さらに、図12等に示すように、前記エキ
ゾーストパイプ102の集合部102bより前側の分岐
部102aは、その集合部102bが前方から見て露出
するように左右に広がっている。
【0052】そして、切換弁103には、上方に向けて
支持片114が突設され、この支持片114が車体側に
設けられたブラケット115にボルト止めされている。
また、低回転域用排気管104・高回転域用排気管10
5の長手方向の中間部にも図13等に示すように支持片
116が突設され、この支持片116が車体側に設けら
れたブラケットにボルト止めされている。さらに、低回
転域用排気管104・高回転域用排気管105の消音器
104b,105bには支持片118が固定され、この
支持片116が車体側に設けられたブラケット119に
ボルト止めされている。このようにして、エキゾースト
パイプ102,切換弁103,低回転域用排気管104
及び高回転域用排気管105が車体に支持されている。
【0053】次に、かかる構成よりなる排気装置の作用
について説明する。
【0054】2気筒エンジン101の回転数がセンサに
て検知され、このセンサからの信号がCPU121に入
力され、この際の回転数が所定の値より小さい時には、
切換弁103の回転体108は図11中実線に示す位置
に設定され、排気ガスは、2気筒エンジン101の各気
筒の燃焼室からエキゾーストパイプ102の分岐部10
2a,集合部102bを通り、回転体108の連通路1
08aを通過し、弁本体107の出口107bから低回
転域用排気管104に流入して排気される。
【0055】また、回転数が所定の値より大きくなる
と、このCPU121により、モータ113が駆動され
て第1,第2歯車111,112等を介して、回転体1
08が中心軸Oを中心に回転され、高回転域用排気管1
05に切り換えられて排気される。
【0056】一方、かかる車両走行中、ブレーキ装置1
22が作動すると、この信号がCPU121に送られ、
走行状態が高速側に設定、つまり、高回転域用排気管1
05が選択されているときには、回転体108が回転さ
れて、高速領域における絞り領域に設定され、又は、低
回転域用排気管104に切り換えられて、いわゆるエン
ジンブレーキが作動して車両の制動が一層効果的に行わ
れ、安全に短距離で停止される。また、走行状態が低速
側に設定、つまり、低回転域用排気管104が選択され
ているときには、同じくCPU121にて回転体108
が回転されて、低速側における絞り領域に設定されるこ
とにより、いわゆるエンジンブレーキが作動することと
なる。
【0057】また、かかる絞り領域への制御は、ブレー
キ装置122が作動した場合だけでなく、エンジン回転
数及び車速に対応させて最適面積となるように制御され
る。これにより、不完全燃焼が抑制され、燃費や排ガス
が改善され、低速時の燃焼騒音が低減され、しかも、毎
回爆発することによりエンジン回転の安定性が向上す
る。
【0058】さらに、そのような排気バルブ効果は、2
気筒エンジン101に対して一カ所、切換弁103が設
けられることにより、各気筒毎に設ける必要なく、構造
を簡単にできる。
【0059】また、このような排気装置においては、エ
キゾーストパイプ102,切換弁103,低回転域用排
気管104及び高回転域用排気管105が接続されて、
その切換弁103部分で交差する略X字状の一体的な剛
体構造となっているため、これを車体に取り付けること
により、従来のように分離した2本の排気管を配設する
ものと比較すると、横揺れが少ないと共に、車体の剛性
向上に寄与する。
【0060】また、そのような一体的な剛体構造を車体
に取り付ける場合には、従来のように分離した2本の排
気管を配設するものと比較すると、取付点数を減少させ
ることができる。しかも、この実施の形態では、比較的
重い切換弁103を直接、支持片114等を介して車体
に支持しているため、振動を効果的に抑制できる。ま
た、切換弁103を車幅方向の中心部分に配置すること
により、この切換弁103の重量が左右の何れの側にも
偏り過ぎず、バランス良く支持できると同時に、捻れ等
が発生し難く、車幅自体も狭くできる。
【0061】さらに、エキゾーストパイプ102,切換
弁103,低回転域用排気管104及び高回転域用排気
管105がX字状に接続されているため、従来のように
単純に後方に延長されているものと比較すると、排気系
の全長を長くすることができる。しかも、低回転域用排
気管104と高回転域用排気管105とは、前記切換弁
103から左右に分岐されて車両後方に延長され、図1
0に示すように、低回転域用排気管104は、途中で高
回転域用排気管105側に向けて折り曲げれら、低回転
域用排気管104の後端部104aが高回転域用排気管
105の近傍に沿って配設されているため、特に、低回
転域用排気管104側の排気系の全長を有効に長くでき
る。しかも、低回転域用排気管104と高回転域用排気
管105との最後端を揃えることができ、外観品質を向
上させることができる。
【0062】さらにまた、図12等に示すように、エキ
ゾーストパイプ102の集合部102bより前側の分岐
部102aは、この集合部102bが前方から見て露出
するように左右に広がっているため、走行風が直接、集
合部102b及び切換弁103に当たることから、強制
的冷却装置を配設することなく、集合部102b及び切
換弁103の冷却性能を確保できる。
【0063】しかも、切換弁103は、エキゾーストパ
イプ102,低回転域用排気管104及び高回転域用排
気管105の最低点より上方に位置しているため、縁石
等の乗り越し時には、エキゾーストパイプ102,各排
気管104,105が先に当たることから、切換弁10
3の損傷を防止できる。また、切換弁103の駆動装置
109を低回転域用排気管104と高回転域用排気管1
05との間に配置することにより、側方からの飛んでき
た石等からも駆動装置109を保護することができる。
【0064】さらに、切換弁103の駆動装置109
を、回転体108の後ろ側に配置することにより、集合
部102bより前に配置した場合と比較すると、回転軸
110を短くできると同時に、その集合部102b内を
回転軸110が通ることが無く通路面積を確保でき、し
かも、走行時における駆動装置109への石当たりを防
止できる。
【0065】さらにまた、低回転域用排気管104又は
高回転域用排気管105は、切換弁103にボルト止め
されていると共に、ガスケット120でシールされてい
るため、これらが損傷したり、触媒を交換したい場合等
には、比較的簡単にこれらの作業を行うことができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明によれば、回転体の連通路の出口と前記弁本体
の排気通路の分岐通路とをズラすことにより、排気ガス
が流通する面積を狭くして、絞り領域を設けているが、
これは、回転体の回動量を変化させるだけであるため、
新しい部品を追加する必要がない。
【0067】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加え、多気筒のエンジンであっても、エ
キゾーストパイプにより各気筒からの排気ガスを集合さ
せ、この集合した部分に、排気ガスの流通する面積を絞
ることができる切換弁を配設することにより、各気筒毎
に切換弁を設ける必要なく、その絞りによる効果を得る
ことができる。
【0068】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の効果に加え、低速域に絞り領域を設ける
ことにより、排気行程での燃焼室の圧力変化が緩やかに
なり、掃気の流入速度も抑えられるため、吹き抜けが減
少し、燃費が向上すると共に、HC低減ができ、絞りに
よる騒音も低減することができる。
【0069】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
乃至3の何れかに記載の効果に加え、高速域に絞り領域
を設けることにより、出力を押さえることができると共
に、エンジンブレーキを掛けることができる。
【0070】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
乃至4の何れかに記載の効果に加え、ブレーキ装置を作
動させた時に絞り領域に制御することにより、通常のブ
レーキ装置による制動に加え、排気ブレーキ効果を奏す
ることで、安全に短距離で停止させることができる。
【0071】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
乃至5の何れかに記載の効果に加え、エンジン回転数に
応じて絞り領域の排気ガスが流通する面積を制御するこ
とにより、より吹き抜けが減少し、燃費が向上すると共
に、HC低減ができ、絞りによる騒音も低減することが
できる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエンジンと排気
管とを示す正面図である。
【図2】同実施の形態1に係るエンジン等の鉛直方向に
沿う断面図である。
【図3】同実施の形態1に係る図2のA−A線に沿う断
面図である。
【図4】同実施の形態1に係る図2を矢印B方向から見
た図である。
【図5】同実施の形態1に係る弁本体を示す斜視図であ
る。
【図6】同実施の形態1に係る回転体等を示す斜視図で
ある。
【図7】同実施の形態1に係る低回転域用,高回転域用
排気管を示す斜視図である。
【図8】同実施の形態1に係るエンジン回転数とスロッ
トル開度との関係を示すグラフ図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る切換弁等の配設
状態を示す側面図である。
【図10】同実施の形態2に係る切換弁等の平面図であ
る。
【図11】同実施の形態2に係る切換弁等の断面図であ
る。
【図12】同実施の形態2に係る切換弁等の拡大平面図
である。
【図13】同実施の形態2に係る切換弁等の側面図であ
る。
【図14】同実施の形態2に係る切換弁を示す図で、
(a)は切換弁の背面図、(b)は弁本体分岐通路と回
転体連通路出口とが一致した状態を示す説明図、(c)
は弁本体分岐通路と回転体連通路出口とがズレた状態を
示す説明図である。
【図15】同実施の形態2に係るCPU等を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 単気筒エンジン 2a 排気口 8,103 切換弁 9,104 低回転域用排気管 10,105 高回転域用排気管 12,107 弁本体 12a,107a 入口 12b,12c,107b,107c 出口 12d,107d 排気通路 12e,12f,107e,107f 分岐通路 13,108 回転体 13a,108a 連通路 13b,108b 入口 13c,108c 出口 17,109 駆動装置 101 2気筒エンジン(多気筒エンジン) 102 エキゾーストパイプ 102a 分岐部 102b 集合部 O 中心軸 α 角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと低回転域用排気管及び高回転
    域用排気管とが切換弁を介して接続され、該切換弁にて
    前記エンジンからの排気を低回転域用又は高回転域用排
    気管に切換え可能とされた排気通路切換装置において、 前記切換弁は、前記エンジンに接続された弁本体と、該
    弁本体に回動自在に配設された回転体とを有し、前記弁
    本体には、前記各排気管に接続される2つの出口を有す
    る二股状の排気通路が形成される一方、前記回転体は、
    連通路が形成された円柱形状を呈し、前記弁本体の二股
    状の排気通路の分岐部分に回転自在に配設され、円柱状
    の中心軸を中心に回転されることにより、前記エンジン
    のシリンダボディに形成された排気口と、前記弁本体の
    一方の出口とが前記連通路を介して連続されるように設
    定され、更に、前記回転体の連通路の出口と前記弁本体
    の排気通路の一方の分岐通路とをズラすことにより、排
    気ガスが流通する面積を狭くして絞り領域を設定可能と
    したことを特徴とするエンジンの排気通路切換装置。
  2. 【請求項2】 多気筒エンジンの各気筒にエキゾースト
    パイプが接続され、該エキゾーストパイプに切換弁を介
    して低回転域用排気管及び高回転域用排気管が接続さ
    れ、該切換弁にて前記多気筒エンジンからの排気を低回
    転域用又は高回転域用排気管に切換え可能とされた排気
    通路切換装置であって、 前記エキゾーストパイプは、前記気筒数と同じ本数設け
    られて前記各気筒に接続される分岐部と、該各分岐部が
    一本に集合された集合部とを有し、 前記切換弁は、前記集合部に接続された弁本体と、該弁
    本体に回動自在に配設された回転体とを有し、前記弁本
    体には、前記低回転域用又は高回転域用排気管に接続さ
    れる2つの出口を有する二股状の排気通路が形成される
    一方、前記回転体は、連通路が形成された円柱形状を呈
    し、前記弁本体の二股状の排気通路の分岐部分に回転自
    在に配設され、円柱状の中心軸を中心に回転されること
    により、前記集合部と、前記弁本体の一方の出口とが前
    記連通路を介して連続されるように設定され、更に、前
    記回転体の連通路の出口と前記弁本体の排気通路の一方
    の分岐通路とをズラすことにより、排気ガスが流通する
    面積を狭くして絞り領域を設定可能としたことを特徴と
    するエンジンの排気通路切換装置。
  3. 【請求項3】 前記絞り領域を、低回転域側に設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気
    通路切換装置。
  4. 【請求項4】 前記絞り領域を、高回転域側に設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のエ
    ンジンの排気通路切換装置。
  5. 【請求項5】 ブレーキ装置を作動させた時に前記絞り
    領域に制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れ
    か一つに記載のエンジンの排気通路切換装置。
  6. 【請求項6】 エンジン回転数に応じて前記絞り領域の
    排気ガスが流通する面積を制御することを特徴とする請
    求項1乃至5の何れか一つに記載のエンジンの排気通路
    切換装置。
JP17292897A 1997-01-29 1997-06-13 エンジンの排気通路切換装置 Pending JPH10274042A (ja)

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