JPH1027392A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH1027392A
JPH1027392A JP18097296A JP18097296A JPH1027392A JP H1027392 A JPH1027392 A JP H1027392A JP 18097296 A JP18097296 A JP 18097296A JP 18097296 A JP18097296 A JP 18097296A JP H1027392 A JPH1027392 A JP H1027392A
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magneto
magnetic layer
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JP18097296A
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Toshio Sugimoto
利夫 杉本
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光磁気記録媒体の再生時のマスク領域と転写
領域との境界の磁化状態を明瞭にし、再生エラーを低減
する。 【解決手段】 ポリカーボネート製の基板1の表面に
は、下地層2,GdFeCoからなる再生層3、GdF
eからなる第1の中間層4、該第1の中間層4よりも垂
直方向の磁気異方性が小さいGdFeからなる第2の中
間層5、TbFeCoからなる記録層、及び保護層7と
がこの順に積層されている。第1の中間層4及び第2の
中間層5はキュリー温度まで補償温度が見られない膜で
あり、室温では面内方向の磁化容易軸を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気ディスク,
光磁気テープ,光磁気カード等の光磁気記録媒体に関
し、特に磁気超解像(MSR,Magnetically Induced S
uper Resolution )再生が可能な光磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、外部磁界印加とレー
ザ光照射とを用いて媒体上にサブミクロン単位の記録ビ
ットを形成し、これにより、フレキシブルディスク又は
ハードディスクと比較して記録容量を増大することがで
きる。現在実用化されている3.5インチ光磁気ディス
クは、半径24mm〜40mmの領域に1.4μmピッ
チのトラックを備えており、周方向に最小0.65μm
の記録マークが記録されて、ディスクの片面で230メ
ガバイトの記録容量を有している。3.5インチフレキ
シブルディスクの1枚の記録容量が1.3メガバイトで
あるので、3.5インチ光磁気ディスクはフレキシブル
ディスクの200枚分の記録容量を有する。このような
光磁気ディスクは、近年急速に発展するマルチメディア
の中で増大するデータを格納するメモリの中心的存在と
して位置付けられており、その大容量化の要望が高まっ
ている。
【0003】情報信号の書換えが可能な磁気ディスク
は、光磁気記録膜に光ビームを照射して加熱することに
より、その部分の磁化の方向(記録ビット)を記録情報
に応じて外部磁界に合わせた記録を行なう。再生時には
光ビームを光磁気記録膜に照射し、その反射光の偏光面
が磁化の方向によって回転するカー効果を利用する。
【0004】光磁気ディスクの記録容量を増大するた
め、即ち記録密度を高めるためには、現在よりも小さな
ビットを形成するとともに、ビット間隔をさらに縮める
ことが必要である。しかしながら、光磁気記録媒体への
記録,再生は媒体上のビームスポットの大きさによって
制限され、ビーム径以下の周期を有する小さなビットを
再生するためには、ビームスポットを小さく絞る必要が
ある。ところが、ビームスポットは光源の波長と対物レ
ンズの開口数とで制約されるために、その細少化には限
界があった。
【0005】これを解決するために、ビームスポットの
大きさ以下の記録ビットを再生できる磁気超解像媒体
(MSR媒体)と、MSR媒体を用いた記録再生方式
が、特開平1−143041号公報,特開平3−93058 号公
報, 特開平4−271039号公報,特開平5−12731 号公報
等で提案されている。この記録再生方式では、温度によ
って磁気特性が異なる複数の磁性層を積層した記録媒体
を用い、ビームスポット内に形成される記録媒体の温度
分布を利用してビームスポットを絞った場合と同等の効
果を生ぜしめる。これにより、記録ビットをビームスポ
ットで決まる大きさよりも小さくした場合でも、情報を
確実に読出すことが可能になる。以下、このMSR媒体
とその記録再生方式との従来例について説明する。
【0006】図4は、特開平4−271039号公報に開示さ
れている光磁気記録媒体の再生時の磁化の状態を示す模
式図である。この従来法は、ビームスポット内の低温領
域及び高温領域をマスク領域として中間温度領域から記
録ビットを読出すRAD(Rear Aperture Detection )
ダブルマスク方式であり、記録媒体は図4に示すよう
に、図示しない基板側から再生層51,再生補助層5
2,中間層53,記録層54をこの順に積層して構成さ
れている。
【0007】記録媒体を再生する際には、再生ビーム光
の照射の直前に初期化磁石55にて初期化磁界を印加
し、再生層51及び再生補助層52の磁化の向きが初期
化磁界の向きに揃うようにする。このとき、記録層54
は記録ビットを保持している。初期化磁界の印加直後の
領域(低温領域)では、記録層54の記録ビットを再生
層51及び再生補助層52が覆った状態でマスクの働き
をする。また、再生ビーム光の照射によって温度が上昇
し、再生補助層52のキュリー温度を超えた部分(高温
領域)では、記録層54からの交換結合が切れているの
でその部分の再生層51の向きは、外部から印加する再
生磁界の向きに揃う。その結果、高温領域では再生層5
1が記録ビットを覆い隠すマスクとなる。このように、
低温領域と高温領域とが共にマスクを形成し、これらに
挟まれた領域(中間温度領域)が転写領域(開口部)と
なって、ここから記録ビットを読出す。
【0008】このようにしてビーム径よりも周期が小さ
い記録ビットを再生することができるが、再生層51及
び再生補助層52の磁化を揃えるために、数kOeの磁
界を与える初期化磁石55を設ける必要があり、記録再
生装置が大型化するという問題があった。この問題に対
して、本願出願人は、1kOe以下の外部磁界の印加で
磁気超解像再生を可能にしたMSR媒体を、特開平7−
244492号公報にて提案している。
【0009】図5は、特開平7−244492号公報にて提案
したMSR媒体の構成と再生時の磁化状態とを示した図
である。このMSR媒体は、図示しない基板上に再生層
61,中間層62及び記録層63の3層を所定の組成比
又は所定の膜厚にて積層している。再生時には、再生層
61のみの磁界を揃えるための1kOe以下の初期磁界
を印加し、再生ビーム光を照射すると、低温領域では中
間層62が再生磁界の磁化方向に揃ってマスクを形成
し、高温領域では中間層62のキュリー温度以上になっ
て再生層61がマスクを形成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような構成のMS
R媒体では大型の初期化磁石を設ける必要がなく、記録
再生装置の大型化が防止される。しかしながら、再生時
のマスク領域と転写領域との境界部分に、磁化方向が明
瞭に定まらない遷移領域が存在する。図5に示すよう
に、高温領域において中間層62の磁化消滅領域と磁化
残存領域との境界では磁化が完全に消滅せず、磁壁(ハ
ッチングにて示す)を含んで磁化方向が明瞭に定まらな
い遷移領域が存在する。また、再生層61には中間層6
2の交換結合力により形成された遷移領域が存在する。
【0011】また、低温領域において、磁化方向の遷移
金属磁化成分又は希土類金属磁化成分同士の磁化方向が
中間層62と記録層63とで異なる記録ビットでは、中
間層62と記録層63との境界に磁壁が生じる。このよ
うな遷移領域及び磁壁を有する領域では磁化方向が明瞭
に定まらず、記録ビットがゆらぎ成分を有しており、こ
れが再生信号のノイズの増大とキャリアの低下をもたら
す。この結果、再生信号のC/Nが低下するという問題
があった。
【0012】さらにこのような遷移領域、即ちゆらぎ成
分の存在は、記録層63から再生層61への磁化の転写
性能を低下させるので、再生層61に転写むらが生じ
る。この転写むらによって、記録層63の記録ビットを
充分な再生信号として読出すことができず、再生エラー
を起こし易いという問題があった。
【0013】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、複数の第2磁性層で垂直方向の磁気異方性の
大小関係を定めることにより、マスク領域と転写領域と
の境界の磁化状態を明瞭にし、再生エラーを低減して再
生信号の品質向上を実現する光磁気記録媒体を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る光磁気記
録媒体は、基板上に第1磁性層、第2磁性層及び第3磁
性層をこの順に備え、前記第2磁性層により前記第1磁
性層と第3磁性層との間の交換結合力が制御される光磁
気記録媒体において、前記第2磁性層は複数層を有し、
前記第3磁性層に近い側の層よりも前記第1磁性層に近
い側の層の方が、膜面に垂直な方向の磁気異方性が大き
いことを特徴とする。
【0015】光磁気記録媒体にビーム光を照射した際
に、スポット内の温度分布により記録ビットの転写領域
とマスク領域とが形成され、該転写領域から記録情報が
再生される。第1発明にあっては、第2磁性層のうち第
1磁性層に近い側での垂直磁気異方性が大きいので、第
1磁性層と第2磁性層との交換結合力が強くなる。これ
により、転写領域と高温のマスク領域との境界部分の第
1磁性層の磁化方向が定まるので、転写領域と高温のマ
スク領域との境界に存在する、磁化方向が明瞭に定まら
ない遷移領域の範囲を縮小でき、再生時のノイズが低減
される。
【0016】第2発明に係る光磁気記録媒体は、第1発
明において、前記第2磁性層は希土類磁化優勢であり、
室温で面内方向の磁気異方性を有することを特徴とす
る。
【0017】第2磁性層が希土類磁化優勢であり、且つ
室温で面内方向の磁気異方性が垂直方向の磁気異方性よ
りも優勢である光磁気記録媒体を再生した場合には、ビ
ームスポット内に転写領域を挟んで低温及び高温のマス
ク領域が形成される。第2発明にあっては、上述した如
く高温のマスク領域において遷移領域の範囲が減少する
ことに加えて、第1磁性層と第2磁性層との交換結合力
の強化により、低温のマスク領域において、磁壁による
磁化方向のゆらぎ成分が減少され、再生時のノイズが低
減される。
【0018】第3発明に係る光磁気記録媒体は、第1又
は第2発明において、前記第1磁性層がGdFeCo、
前記第2磁性層がGdFe、前記第3磁性層がTbFe
Coで構成してあることを特徴とする。また、第4発明
に係る光磁気記録媒体は、第1又は第2発明において、
前記第1磁性層がGdFeCo、前記第3磁性層がTb
FeCoで構成され、前記第2磁性層の第1磁性層に近
い側の層がGdFeDy、第3磁性層に近い側の層がG
dFeで構成してあることを特徴とする。
【0019】従って、第1磁性層と第2磁性層との交換
結合力が強化されることにより、高温のマスク領域にお
いては、転写領域と高温のマスク領域との境界部分で第
1磁性層の磁化方向が定まり、遷移領域の範囲が減少す
る。また、低温のマスク領域においては、磁壁による磁
化方向のゆらぎ成分が減少され、再生時のノイズが低減
される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。図1は本発明の光
磁気ディスクの構成図である。図中1はポリカーボネー
ト製の基板であり、1.1μmのトラックピッチを有し
ている。基板1の表面には、SiNからなる下地層2
(膜厚:70nm),Gd24Fe66Co10(キュリー温
度:360℃,ドミナント:遷移金属磁化優勢(以下T
Mリッチという))からなる第1磁性層である再生層3
(膜厚:40nm)、Gd27Fe73(キュリー温度:2
20℃,ドミナント:希土類金属磁化優勢(以下REリ
ッチという))からなる第1の中間層4(膜厚:15n
m)、Gd32Fe68(キュリー温度:220℃,ドミナ
ント:REリッチ)からなる第2の中間層5(膜厚:2
0nm)、Tb24Fe56Co20(キュリー温度:260
℃,ドミナント:TMリッチ)からなる第3磁性層であ
る記録層(膜厚:40nm)6、及びSiNの保護層7
(膜厚:60nm)とが、この順に積層されている。
【0021】なお、再生層3及び記録層6の補償温度は
いずれも室温以下である。また、第2磁性層である第1
の中間層4及び第2の中間層5はキュリー温度まで補償
温度が見られない膜であり、室温(15℃〜30℃)で
面内方向の磁化容易軸を有し、垂直方向の磁気異方性は
第2の中間層5よりも第1の中間層4の方が大きい。そ
して記録層6及び再生層3夫々との交換結合力の大きさ
に応じ、所定温度以上で磁化方向が面内から垂直方向へ
変化し、記録層6及び再生層3間の交換結合力を制御す
る。このような構成のMSR媒体は、各層を構成すべき
ターゲットを有するスパッタ装置内にて所定の条件で成
膜することにより形成され、その方法は既知のものであ
り、ここではその手順を省略する。
【0022】以上の如き構成のMSR媒体の記録再生特
性を調べた。まず、波長680nmのレーザ光を用い
て、消去パワー8mWで照射し、500Oeの下向きの
消去磁界を印加して光磁気ディスクの全面を消去する。
光磁気ディスクを線速6m/sで回転させつつ記録パワ
ー7mWでレーザ光を照射し、400Oeの上向きの記
録磁界を印加する。これにより、記録層6に周波数7.
5MHz, duty 50%の記録を行なった。記録ビットの
周方向の長さは0.4μmであった。
【0023】このように記録ビットが形成された光磁気
ディスクに、再生パワー2.5mW以上のレーザ光を照
射しつつ、下向きの再生磁界を印加した。図2は、この
ときの各層の磁化状態を示す図である。基板1,下地層
2及び保護層7は省略して示している。ビームスポット
内には、低温領域,中間温度領域及び高温度領域がディ
スクの回転方向後方側から順に形成される。低温領域で
は、第1及び第2の中間層4,5の磁化方向が再生磁界
と同方向に揃い、再生層3の磁化方向が記録層6に転写
されず、マスクが形成される。このとき、第1の中間層
4の垂直方向の磁気異方性が第2の中間層5よりも大き
いために、第1の中間層4及び第2の中間層5は強い交
換結合を示す。これにより、低温領域の磁壁による再生
磁界方向の磁化のゆらぎ成分が減少して、再生時のノイ
ズが低減される。
【0024】中間温度領域では、再生層3のマイナール
ープのシフト量(反転磁界)が再生磁界よりも大きくな
るので、記録層6の磁化方向が第1,第2の中間層4,
5を介して転写され、転写領域を形成する。このとき、
第1の中間層4の垂直方向の磁気異方性が第2の中間層
5よりも大きいので、再生層3と第1の中間層4との交
換結合力はより強くなり、これにより磁化の転写むらが
減少し、転写領域が明瞭に確定されてキャリアが増加す
る。
【0025】高温領域では、第1,第2の中間層4,5
が温度に応じて磁気特性を変化させるに従い、再生層3
と中間層4,5との交換結合力が弱くなり、再生層の反
転磁界は再生磁界よりも小さくなる。これにより、磁化
方向が再生磁界と同方向に揃い、マスクが形成される。
高温領域では記録層6側よりも再生層3側の方が温度が
高いので、中間温度領域との境界部分で再生層3と第1
の中間層4との界面付近の交換結合力が低下する傾向に
あるが、第1の中間層4の垂直方向の磁気異方性が第2
の中間層5よりも大きいので、再生層3と第1の中間層
4との交換結合力が強くなり、上述した界面付近の交換
結合力の低下を補う。これにより遷移領域の範囲は狭く
なり、再生時のノイズを低減してキャリアが増加する。
【0026】このように中間温度領域の前後の領域でマ
スクが形成され、中間温度領域に形成された転写領域か
ら記録ビットが再生される光磁気ディスクでは、低温領
域では記録ビットの磁化のゆらぎ成分が減少し、高温領
域では遷移領域の範囲が狭くなり、そして転写領域では
磁化の転写むらが減少するので、再生信号のノイズが減
少し、キャリアが増大する。この結果、再生信号のC/
Nを向上することができる。
【0027】なお、上述の実施の形態では、ビームスポ
ット内に転写領域を挟んで低温側と高温側とにマスク領
域を形成するダブルマスク再生が可能な磁気ディスクに
ついて説明しているが、これに限るものではなく、ビー
ムスポット内にマスク領域を形成し、ビームスポットの
大きさ以下の記録ビットを再生する光磁気記録媒体であ
れば本発明に適用される。
【0028】
【実施例】上述した光磁気ディスクの再生信号のC/N
を測定し、再生性能を調べた。レーザ光の再生パワーは
3mWを用い、上述した再生条件と同様に行った。光磁
気ディスクの第1の中間層4は上述したGd27Fe73
含め、Gd29Fe71,Gd 25Fe75の3種類について測
定した。第2の中間層5はいずれもGd32Fe68からな
る。また、比較のために中間層(Gd32Fe68)が1層
で構成された従来の光磁気ディスクについても測定し
た。実施例の光磁気ディスクの膜構成及び従来の光磁気
ディスクの膜構成を表1に示し、測定結果を表2に示し
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】図3はGdFe膜(単層)の組成に対する
磁気特性の変化を示したグラフであり、縦軸は極磁気カ
ー回転角を示し、横軸は磁界強度を示している。グラフ
中、実線はGd24Fe76を、破線はGd29Fe71を、一
点鎖線はGd32Fe68を示している。GdFe膜のGd
組成が大きい方が、垂直方向の磁化異方性が大きいこと
が判る。
【0032】表2から明らかなように、従来例に比較し
て本実施例の方が再生ノイズが低く、キャリアレベルが
高い。この結果、実施例1〜3のC/Nは従来のものよ
りも1dB以上向上している。なお、実施例3の第1の
中間層4がGd25Fe75からなるものについては、磁気
異方性が面内方向よりも垂直方向に優勢であるために交
換結合力が強すぎて記録層6の磁化方向が転写され、マ
スクが形成されないのでRADダブルマスク再生ができ
なかった。表2に示す値はFAD(Front Aperture Det
ection)再生によるものである。
【0033】上述した実施例1〜3は、第1,第2の中
間層4,5に同一材料を用い、キュリー温度がほぼ同程
度のものを用いているが、第1の中間層4に垂直磁気異
方性が強い希土類材料を少量添加しても良い。第1の中
間層4に、Gd34Fe65Dy 1 ,Gd34Fe63Dy3
Gd31Fe64Dy5 を夫々用いた場合の光磁気ディスク
の再生信号のC/Nを調べた。また、比較のために中間
層(Gd32Fe68)が1層で構成された従来の光磁気デ
ィスクについても測定した。本実施例及び従来の光磁気
ディスクの膜構成を表3に示し、測定結果を表4に示し
た。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】表4から明らかなように、従来例に比較し
て、第1の中間層4にDyを少量添加した方が再生ノイ
ズが低く、キャリアレベルが高い。この結果、実施例
4,5のC/Nは従来のものよりも1dB程度向上して
いる。GdFeにDyを添加することにより、磁気異方
性は垂直方向に強くなるが、キュリー温度は低下する。
第1の中間層4のキュリー温度が第2の中間層5よりも
低い場合でも、垂直方向の磁気異方性を強くすることに
より遷移領域に起因するノイズが低下できることが判っ
た。
【0037】なお、実施例6の第1の中間層4がGd31
Fe64Dy5 から成るものについては、磁気異方性が面
内方向よりも垂直方向に優勢であるために交換結合力が
強すぎて記録層6の磁化方向が転写され、マスクが形成
されないのでRADダブルマスク再生ができなかった。
表4に示す値はFAD(Front Aperture Detection)再
生によるものである。
【0038】以上の如く、実施例1〜6にあっては、転
写領域と高温領域との境界の遷移領域の範囲が狭いの
で、再生信号のC/Nが向上する。また、実施例1,
2,4,5にあっては、加えて低温領域の記録ビットの
ゆらぎ成分が減少するので、さらにC/Nが向上する。
【0039】また、高温領域,低温領域のマスク部分で
ゆらぎ成分が減少することにより、記録層6から再生層
3への磁化の転写性能が向上され、再生層3に転写むら
が生じることがない。従って、記録層6の記録ビットを
充分な再生信号として読出すことができ、再生エラーを
起こさない。
【0040】なお、上述した本実施の形態では下向きの
再生磁界を印加する場合について説明しているが、これ
に限るものではなく、上向きの再生磁界を印加する場合
でも同様に磁気超解像が可能であり、この場合はマスク
の磁化方向が夫々逆方向になる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、MS
R媒体の再生層と記録層との交換結合を制御する第2磁
性層を複数層で構成し、垂直方向の磁気異方性が第2磁
性層の再生層に近い側で強くなるように積層してあるの
で、遷移領域の磁化方向のゆらぎ成分を減少できて、転
写領域とマスク部分との境界の磁化方向が明瞭に定ま
り、再生エラーが低減されて再生信号の品質が向上する
等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の構成図である。
【図2】本発明のMSR媒体の再生時の磁化状態を示す
図である。
【図3】本発明の中間層の組成に応じた磁気特性を示す
グラフである。
【図4】従来のMSR媒体の再生時の磁化状態を示す図
である。
【図5】従来のMSR媒体の再生時の磁化状態を示す図
である。
【符号の説明】 1 基板 2 下地層 3 再生層 4 第1の中間層 5 第2の中間層 6 記録層 7 保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1磁性層、第2磁性層及び第
    3磁性層をこの順に備え、前記第2磁性層により前記第
    1磁性層と第3磁性層との間の交換結合力が制御される
    光磁気記録媒体において、 前記第2磁性層は複数層を有し、前記第3磁性層に近い
    側の層よりも前記第1磁性層に近い側の層の方が、膜面
    に垂直な方向の磁気異方性が大きいことを特徴とする光
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第2磁性層は希土類磁化優勢であ
    り、室温で面内方向の磁気異方性を有する請求項1記載
    の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第1磁性層がGdFeCo、前記第
    2磁性層がGdFe、前記第3磁性層がTbFeCoで
    構成してある請求項1又は2記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記第1磁性層がGdFeCo、前記第
    3磁性層がTbFeCoで構成され、前記第2磁性層の
    第1磁性層に近い側の層がGdFeDy、第3磁性層に
    近い側の層がGdFeで構成してある請求項1又は2記
    載の光磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100546567B1 (ko) * 1998-09-04 2006-04-06 엘지전자 주식회사 광자기 기록매체 및 그 제조방법
KR100691196B1 (ko) 2000-02-07 2007-03-08 소니 가부시끼 가이샤 광자기 기록 매체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100546567B1 (ko) * 1998-09-04 2006-04-06 엘지전자 주식회사 광자기 기록매체 및 그 제조방법
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