JPH10273589A - 難燃性ポリアミド組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド組成物

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JPH10273589A
JPH10273589A JP10010877A JP1087798A JPH10273589A JP H10273589 A JPH10273589 A JP H10273589A JP 10010877 A JP10010877 A JP 10010877A JP 1087798 A JP1087798 A JP 1087798A JP H10273589 A JPH10273589 A JP H10273589A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維ポリアミド組成物、特に難燃性ポ
リアミド組成物の耐トラッキング性を高める。 【解決手段】 ポリアミド樹脂、難燃量のハロゲン化難
燃剤、繊維状ガラスおよび/または鉱物質充填剤、およ
び有効量のピロ/ポリ燐酸塩を含み、そして随意に強化
用ガラス繊維または電気的特性を増強するためにオレフ
ィンポリマーを含んだ、電気的特性の向上された難燃性
成形樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は改善された電気的特性を有する難燃性成形樹脂
組成物に係わる。発明の背景 ポリアミド−6,6のような樹脂は強度、耐溶剤性等の
多くの優れた特性のために成形組成物中に使用されてい
る。良好な電気的特性が要求される用途では、成形部品
は放電への露出あるいは表面における過度の漏電への露
出のような過酷な条件に曝される可能性がある。このよ
うな条件下では成形部品が難燃性を有することのみなら
ず、成形部品が高電圧への露出における炭化に対しての
高度の抵抗性即ち良好な耐トラッキング性および放電に
対する高度の抵抗性を有することをも要求される。
【0002】しかしながら、難燃性とされたポリアミド
樹脂は難燃性にされていないこの樹脂に比べて耐トラッ
キング性に乏しいということが問題であった。Giroud-A
belに対する米国特許4,559,372 は(i)ポリアミド、
(ii)耐火量の赤燐および(iii )有効量の少なくとも
一種のランタニド化合物を含む組成物が改善された電気
的特性を有すると記載している。そこに述べられている
他の物質には改善されたアーク抵抗のために導入される
酸化第二銅および酸化カドミウムが含まれている。この
米国特許の焦点は赤燐の利用にある。
【0003】それ故に、ガラス繊維ポリアミド組成物、
特に難燃性ポリアミド組成物の耐トラッキング性を高め
ることのできる別の成分を提供することが望ましい。発明の要約 本発明の目的は改善された電気的特性を有する、難燃性
とされ、強化されたポリアミド樹脂成形組成物並びにこ
れから成形された物品を提供することである。
【0004】本発明の別の目的は難燃性とされたポリア
ミド樹脂成形物品および電気引出し口、回路遮断器、ス
イッチ、ヒューズホルダ、ランプソケット、ディストリ
ビュータキャップまたは点火コイルのような成形電気デ
バイスに適した成形組成物を提供することである。本発
明によれば、ポリアミド、難燃量のハロゲン化難燃剤、
繊維状ガラスおよび/または鉱物質充填剤、および電気
的特性を改善するための有効量のピロ/ポリ燐酸塩を含
んだ、電気的特性特に耐トラッキング性の向上された難
燃性成形樹脂組成物が提供される。このピロ/ポリ燐酸
塩はピロ燐酸金属塩、ポリ燐酸金属塩、酸性ピロ燐酸金
属塩または酸性ポリ燐酸金属塩でよい。
【0005】本発明の別の観点によれば、電気的特性を
増強するためにこの組成物中に、ピロ/ポリ燐酸塩に加
えて、オレフィンポリマーが含まれる。好適な実施の態様の記述 本発明の原則に従えば、組成物が電気デバイスに適しそ
して改善されたトラッキング指数(Comparative Tracki
ng Index :CTI)を有するように成分の組合せが選択
される。CTIは典型的にはUL-746A又はASTM-D3638-85
又はIEC-112-3rd 刊行物に従い測定される。この試験法
は電気的応力下で水または周囲からのその他の汚染物質
に暴露されたときの表面トラッキングに対する感受性に
関して固体電気絶縁材料の相対的挙動を表示することが
意図されている。この方法は合成樹脂成形物を試験する
のに殊に適している。トラッキング指数(この試験法に
規定された条件下で測定される、試験標本への50滴の
電解質の滴下により故障を生ずる電圧)が材料のトラッ
キングに対する感受性の尺度として使用される。
【0006】好ましくは最終組成物のCTIは約400
ボルト以上であり、より好ましくは約450ボルトより
大きい。典型的にはニートのポリアミド6,6は約50
0乃至約600ボルトのCTI値を有するが、しかし難
燃剤およびガラス繊維を添加するとCTI値は約275
乃至350ボルトに減少する傾向がある。それ故に、所
望の難燃性および機械的特性を損なわずに最終組成物の
CTIを高めるように残りの成分を選択することが望ま
しい。
【0007】好ましくは、望ましい難燃性はUnderwrite
rs Laboratories Test No. 94 によりV−0である。高
いCTIおよび難燃性の他に、重要な特性として良好な
機械的特性、良好な加工性即ち短い成形サイクル時間、
良好な流れおよび良好な絶縁特性が含まれる。難燃剤お
よびガラス繊維のような強化用物質は望ましくはそれぞ
れ難燃特性および強度特性を高めるために樹脂中に別個
の成分として存在する。
【0008】本発明の原則に従えば、樹脂組成物はピロ
燐酸金属塩、ポリ燐酸金属塩、酸性ピロ燐酸金属塩、酸
性ポリ燐酸金属塩並びにこれらの混合物からなる群から
選ばれるピロ/ポリ燐酸塩を含む。好ましくはこのピロ
/ポリ燐酸塩は式(I) (I) Mz xyn3n+1 (式中、Mは金属であり、xは1〜12の数であり、y
は0〜12の数であり、nは2〜10の数であり、zは
1〜5の数であり、そして(xz)+yの合計はn+2
に等しい)を有する。Mは好ましくは周期律表第IA、
IIA、IBまたはIIB族の金属であり、より好ましくは
ナトリウムまたはカリウムである。
【0009】このような化合物には例えば式Na3HP2
7;K2227;KNaH227およびNa22
27のピロ燐酸塩、Na32310あるいはヘキサメ
タ燐酸ナトリウムNa8619が含まれる。代表的に
は、ピロ/ポリ燐酸金属塩は水和物でありそして粉末形
態であることができる。酸性ピロ燐酸ナトリウムが最も
好ましい。
【0010】ピロ/ポリ燐酸塩は耐トラッキング性を向
上するのに有効な量であるが、しかし成形組成物の他の
必須な特性が実質的に低下されないような量にて、難燃
性成形組成物に添加される。好ましくは、最終組成物は
CTIを改善するために約0.5乃至約40、より好ま
しくは約0.5乃至約20%のピロ/ポリ燐酸塩を含ん
でいる。
【0011】更に、CTIの増強をもたらすためにオレ
フィンタイプのポリマーを添加できることが分かった。
代表的なオレフィンタイプのポリマーはオレフィンの付
加ポリマーである。適当なオレフィンにはエチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテンあるいはこれ
らの組合せが含まれる。ポリオレフィンは高密度ポリエ
チレン(d=>0.94)、低密度ポリエチレン(d=
約0.92)、線状低密度ポリエチレン(d=0.91
6〜0.940)、あるいはポリプロピレンであること
ができる。オレフィンポリマーは、エチレン−プロピレ
ンあるいはエチレン−ブチレンコポリマー、および例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルエステル、メタ
クリルエステル、アルキルビニルエステル等から誘導さ
れた酸またはエステル構造単位を約5〜25重量%、好
ましくは10〜25重量%含有するコポリマーを含めた
コポリマーでよい。最も好ましいのはエチレンとエチル
アクリレートまたはメタクリレートとのコポリマーであ
る。
【0012】好ましくは、オレフィンタイプのポリマー
はCTIを改善する有効量として最終組成物中にこの組
成物の約1乃至約10、より好ましくは約3乃至約7重
量%の量含まれる。本発明の樹脂組成物中にはピロ/ポ
リ燐酸塩と共に耐トラッキング性を向上する働きをする
鉱物質充填剤物質が含まれる。好ましい鉱物質充填剤は
CTIを高める。代表的な鉱物質充填剤には硫酸金属
塩、雲母、アルミノ珪酸塩およびアルミノマグネシウム
珪酸塩のような粘土、タルク、ガラスフレーク、ウォラ
ストナイト、二酸化チタンのような金属酸化物、硫化亜
鉛、粉砕石英等が含まれる。好適な鉱物質充填剤はタル
ク、粘土および硫酸金属塩である。代表的な珪酸塩はウ
ォラストナイトのような珪酸カルシウム、細粒状鉱物質
カオリナイトからなる粘土物質であるカオリンのような
珪酸アルミニウム、タルクとして知られる水化珪酸マグ
ネシウム、シリカおよびアルミナタイプの鉱物質物質お
よび水和アルミノ珪酸塩物質である雲母が含まれる。粘
土は式Al23SiO2・xH2Oにより一般化されてい
る水化珪酸アルミニウムである。タルクが好ましい鉱物
質充填剤である。
【0013】硫酸金属塩並びにそれらの水和物は好まし
い鉱物質充填剤である。好ましい硫酸金属塩は周期律表
第IAおよびIIA族の金属の硫酸塩であり、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウムが好まし
い。毒性がなくそして希釈された酸に不溶である硫酸バ
リウムが特に好ましい。硫酸バリウムは天然産のバライ
トの形態あるいは周知の合成技術を使用して合成により
誘導された硫酸バリウムとしてでよい。粒度は0.5〜
50ミクロン、好ましくは1〜15ミクロンの範囲でよ
く最も好ましくは8ミクロンである。
【0014】殆どの用途では、ピロ/ポリ燐酸塩、鉱物
質充填剤およびガラス繊維のような強化用物質が充填剤
物質を構成し、そして組成物の合計重量%の望ましくは
5〜70%そして好ましくは10〜50%を占める。組
成物の合計重量に基づき、強化用物質は好ましくは5〜
30重量%の量で存在し、鉱物質充填剤は3〜30重量
%の量で存在しそしてピロ/ポリ燐酸塩は0.5〜20
重量%の量で存在する。
【0015】望まれる剛性を与えるため、強化用物質は
望ましくはガラス繊維強化剤である。前に論じたよう
に、ガラス繊維を含有させるとCTIを有害に減少する
可能性がある。それ故、CTIを高めるために他の成分
が望ましく選択される。ガラス繊維または線状ガラスは
本発明の組成物中に強化剤として使用される。究極的に
電気的用途に使用される組成物に対しては、比較的にソ
ーダを含まない硼珪酸ガラスからなる繊維状ガラスフィ
ラメントを使用するのが好ましい。これは”E”ガラス
として知られている。このフィラメントは標準の方法例
えば蒸気または空気吹付法、火炎吹付法およぞ機械的引
延法によって製造される。プラスチック強化に好適なフ
ィラメントは機械的引延法によって製造される。フィラ
メントの直径は好ましくは約3〜30ミクロンの範囲で
ある。
【0016】成形組成物の調製に際しては、約1/8″
乃至約1/2″長の切断されたストランド形態の線状ガ
ラスを使用するのが便宜である。他方、組成物から成形
された物品においては、配合中にかなりの破砕が起こる
ために更に短い長さに遭遇することになる。ガラスフィ
ラメントは典型的には単繊維であるが、他の繊維形態に
はヤーン、ロープあるいはロービングのような繊維束が
含まれる。
【0017】難燃剤添加剤はポリアミド樹脂の有炎燃焼
性を好ましくはUL94のV−0等級に減少するのに少
なくとも十分な量で存在すべきである。この量は樹脂の
性質および添加剤の効率により変動する。しかし一般に
は、この添加剤の量は樹脂の重量に基づいて2〜20重
量%となろう。好ましい範囲は約5〜15%であろう。
【0018】ハロゲン化芳香族難燃剤は代表的にはテト
ラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマ
ー、ポリブロモフェニルエーテル、臭素化ポリスチレ
ン、臭素化BPAポリエポキシド、臭素化イミド、臭素
化ポリカーボネート、ポリ(ハロアリールアクリレー
ト)、ポリ(ハロアリールメタクリレート)、或いはこ
れらの混合物を含む。ポリ(ハロアリールアクリレー
ト)が好ましく、最も好ましいのはポリ(ペンタブロモ
ベンジルアクリレート)である。PBB−PAは以前か
ら知られており多くの合成樹脂に有用な価値ある難燃剤
物質である。PBB−PAはペンタブロモベンジルアク
リレートエステル(PBB−MA)の重合によって調製
される。PBB−PA重合体状難燃剤物質は処理中に合
成樹脂に導入されて難燃特性を付与する。
【0019】その他の適当な難燃剤の例にはポリジブロ
モスチレンおよびポリトリブロモスチレンのような臭素
化ポリスチレン、デカブロモビフェニルエタン、テトラ
ブロモビフェニル、臭素化α,ω−アルキレン−ビス−
フタルイミド例えばN,N′−エチレン−ビス−テトラ
ブロモフタルイミド、オリゴマー状臭素化カーボネート
特に所望によりフェノキシ基あるいは臭素化フェノキシ
基で末端キャップされたテトラブロモビスフェノールA
から誘導されたカーボネート、または臭素化エポキシ樹
脂である。更に他の芳香族カーボネート難燃剤がHeppに
対する米国特許4,636,544 に開示されている。
【0020】難燃剤は典型的には相乗剤特に無機アンチ
モン化合物と共に使用される。このような化合物は広く
入手可能でありまた既知の方法で製造できる。典型的に
は、無機相乗剤化合物にはSb25、SbS3 等が含ま
れる。特に好ましいのは三酸化アンチモン(Sb23
である。酸化アンチモンのような相乗剤は典型的には最
終組成物中の樹脂の重量%に基づいて約0.5〜15重
量%、より好ましくは1〜6重量%使用される。
【0021】又、最終組成物は難燃性熱可塑性樹脂の滴
下を減少するために使用されるポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)タイプの樹脂あるいはコポリマー類を
含有することができる。適当なポリアミド成分にはポリ
アミド−6、ポリアミド−6,6、ポリアミド−11、
ポリアミド−12、ポリアミド−4,6、ポリアミド−
6,10、およびポリアミド−6,12、並びにテレフ
タル酸および/またはイソフタル酸およびトルメチルヘ
キサメチレンジアミンから調製されたポリアミド、アジ
ピン酸およびm−キシリレンジアミンから調製されたポ
リアミド、アジピン酸、アゼライン酸および2,2−ビ
ス−(p−アミノシクロヘキシル)プロパンから調製さ
れたポリアミド、およびテレフタル酸および4,4′−
ジアミノジシクロヘキシルメタンから調製されたポリア
ミドが含まれる。上記のポリアミドあるいはそのプレポ
リマーそれぞれの2種以上の混合物および/またはコポ
リマーも又本発明の範囲内である。
【0022】更に、ポリアミドはアミノ基とカルボキシ
ル酸基との間に少なくとも2個の炭素原子を有するモノ
アミノモノカルボン酸またはそのラクタムの重合、アミ
ノ基間に少なくとも2つの炭素原子を含有するジアミン
とジカルボン酸との実質的に等モル割合での重合、或い
は上記に定義したモノアミノモノカルボン酸またはその
ラクタムの、実質的に等モル割合のジアミンおよびジカ
ルボン酸を伴った、重合を含めた任意の既知の方法によ
って製造しうる。ジカルボン酸は例えば塩、エステルあ
るいは酸クロライドのようなその官能性誘導体の形態で
使用することができる。
【0023】ポリアミドおよびポリアミド前駆体物質に
ついての詳細な記述はYates に対する米国特許4,755,56
6 に提供されている。しばしば”ナイロン”とも呼ばれ
るポリアミドのその他の有用なものがGrant 等に対する
米国特許4,732,938、Van derMeer に対する米国特許4,65
9,760、およびUeno等に対する米国特許4,315,086 に開
示されている。使用されるポリアミドはまたしばしば一
種以上のポリアミドを一種以上の重合体状または共重合
体状エラストマー性の強靱化剤とブレンドすることによ
り調製される”強靱化ナイロン”と呼ばれるものの一種
以上でもよい。こうしたタイプの物質の例は米国特許4,
174,358;4,474,927;4,346,194;4,251,644;3,884,882;4,
147,740 並びにGallucci等による刊行物である”エポキ
シ変性ポリエチレンの調製および反応(Preparation an
d Reactions of Epoxy-ModifiedPolyethylene)”,APP
L. POLY. SCI., V.27, PP425-437(1982)に与えられてい
る。
【0024】本発明に好適なポリアミドはポリアミド−
6、6,6、11および12であり、最も好ましいのは
ポリアミド−6,6である。本発明に使用されるポリア
ミドは好ましくは60:40のm−クレゾール混合物あ
るいは類似の溶媒中で23〜30℃で測定して約0.4
乃至約2.0dl/gの固有粘度を有する。
【0025】ポリアミド成分として種々のポリアミド樹
脂のブレンドが使用される場合は、両成分を組み合わせ
た合計100重量部に基づき、上記に示したような好適
なポリアミド約1乃至約99重量部およびその他のポリ
アミド約99乃至約1重量部を含むことができる。追加
の成分には調合組成物の重量に基づいて約50重量%ま
での量の他の熱可塑性樹脂を含むことができる。使用で
きるこのような他の熱可塑性樹脂の適当なものにはポリ
エステル、アクリルおよびメタクリルポリマーまたはコ
ポリマー、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエー
テルイミド、ポリフェニレンオキシドおよびポリフェニ
レンオキシドとスチレン樹脂とのブレンドのようなフェ
ニレンオキシドに基づく樹脂、ポリアリールエーテル、
ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、脂肪
族ポリケトン、ポリスルホンおよび整列構造の芳香族コ
ポリマー特に液晶ポリマーが含まれる。
【0026】このような追加の樹脂成分にはポリアミド
およびポリアミドブレンドに対し有用な既知の耐衝撃性
改良剤のいずれかの有効量を含むことができる。これら
はそれ自体であるいは前述の樹脂と組み合わせて組成物
に加えることができる。好ましい耐衝撃性改良剤は一般
に無水物またはカルボン酸で変性されたオレフィン系ゴ
ムを含む。
【0027】少量典型的には組成物全体の5重量%未満
で使用される他の成分には安定剤、潤滑剤、着色剤、可
塑剤、核形成剤、酸化防止剤およびUV吸収剤が含まれ
る。これらの成分は成形樹脂の所望な特性に有害な影響
を与えないように選択されるべきである。必須ではない
が、成分を予め配合し、ペレット化し、それから成形す
ると最良の結果が得られる。予備的な配合は慣用装置で
行うことができる。例えば、ポリアミド樹脂、他の成分
および随意にはその他の添加剤および/または強化剤を
予め乾燥した後に、この組成物の乾燥ブレンドを単軸ス
クリュー押出機に供給する。他方、二軸スクリュー押出
機の供給ポートに樹脂および添加剤を供給しそして下流
で強化剤を供給することができる。
【0028】ブレンドの一部を予め配合し、次いで調合
組成物の残部と共に押し出し、次いで標準の技術により
慣用の顆粒、ペレット等の成形コンパウンドに切断でき
る。この組成物は従来熱可塑性樹脂組成物に使用されて
いる如何なる装置によっても成形できる。例えば、80
トンのVan Dornタイプのような射出成形機械で、使用さ
れる特定の熱可塑性樹脂に応じた慣用温度により良好な
結果が得られる。必要なら、ポリアミドの成形特性、添
加剤および/または強化用充填剤の量およびポリアミド
成分の結晶化速度に応じて、当業者は組成物に適合する
ように成形サイクルに慣用の調整を加えることができよ
う。
【0029】有炎燃焼性試験は”材料分類のための燃焼
試験(Combustion Tests for Classification of Mater
ials),UL-94”と題するUnderwriter's Laboratory Bul
letin 94の手順に則り行った。この手順により、材料は
10個の試料に対して得られた試験結果に基づいてUL-9
4 V-0、UL-94 V-1またはUL-94 V-2 のいずれかに分類し
た。UL-94 によるこれらの有炎燃焼性等級のそれぞれに
対する基準は簡単に述べれば以下の通りである。
【0030】V−0:着火火炎を取り除いた後の発炎燃
焼および/または燻焼時間が5秒を超えてはならずそし
て試料のいずれも脱脂綿を着火する粒子の滴下を発生し
てはならない。 V−1:着火火炎を取り除いた後の発炎燃焼および/ま
たは燻焼時間が25秒を超えてはならずそして試料のい
ずれも脱脂綿を着火する粒子の滴下を発生してはならな
い。
【0031】V−2:着火火炎を取り除いた後の発炎燃
焼および/または燻焼時間が25秒を超えてはならない
が、試料は脱脂綿を着火する燃焼粒子の滴下を発生する
可能性がある。 以下の実験例では本発明の範囲に入るある種組成物の調
製を例示する。しかし、これらの実験例は本発明を如何
様にも限定するべく解釈されるべきではない。別段の表
示がない限り、部は全て重量部である。
【0032】実験例 以下の表1に示した調合物を予め配合しそして2.5イ
ンチ30:1L/DのHPM単軸スクリュー押出機で押
し出した。この押出物を水浴に通して冷却してからペレ
ット化にかけた。試験部品は80トンのVan Dorn成形機
で射出成形した。ペレットは射出成形に先立ち強制空気
循環オーブン中で250°Fで3〜4時間乾燥した。
【0033】A−Eと記した対照実験は低いCTIを示
した。これらの対照試験に比べて、ピロ/ポリ燐酸塩お
よび硫酸塩または鉱物質を含有する1−7と記した本発
明の調合物は改善されたCTIを示した。ピロ/ポリ燐
酸塩はピロ燐酸金属塩、ポリ燐酸金属塩、酸性ピロ燐酸
金属塩または酸性ポリ燐酸金属塩である。調合物Aはエ
チレンコポリマーおよび充填剤を含まず、ポリアミド
6,6樹脂と、30%のガラスと、難燃剤とを含んでい
た。その難燃剤系はポリ(ペンタブロモベンジルアクリ
レート)およびSb23であった。CTIは275ボル
トであった。
【0034】調合物Bは調合物Aと類似しているが、ガ
ラスは10%少なく、タルク25%が添加されていた。
タルクはCTIに対して有益な効果を示しており、CT
Iは350ボルトに改善されていた。調合物1は調合物
Bと類似しているが、タルクは4%少なくされ酸性ピロ
燐酸ナトリウム(SAPP)で置き換えられていた。タ
ルクとSAPPの組合せはCTIに対して有益な効果を
示しており、CTIは375ボルトに改善されていた。
【0035】調合物2は調合物Bと類似しているが、タ
ルクは4.5%少なくされエチレンエチルアクリレート
(EEA)で置き換えられていた。タルクとEEAの組
合せはCTIに対して有益な効果を示しており、CTI
は425ボルトに改善されていた。調合物3は調合物1
と類似しているが、エチレンエチルアクリレート(EE
A)4.5%が添加されていた。タルク、SAPPおよ
びEEAの組合せはCTIに対して有益な効果を示して
おり、CTIは475ボルトに改善されていた。
【0036】調合物Cはエチレンコポリマーおよび充填
剤を含まず、ポリアミド6樹脂と、30%のガラスと、
難燃剤とを含んでいた。その難燃剤系はブロモアクリレ
ートとアンチモン相乗剤の組合せであった。CTIは3
00ボルトであった。調合物Dは調合物Cと類似してい
るが、ガラスは10%少なく、タルク25%が添加され
ていた。タルクはCTIに対して有益な効果を示してお
り、CTIは400ボルトに改善されていた。
【0037】調合物4は調合物Dと類似しているが、タ
ルクは4%少なくされ酸性ピロ燐酸ナトリウム(SAP
P)で置き換えられていた。タルクとSAPPの組合せ
はCTIに対して有益な効果を示しており、CTIは4
75ボルトに改善されていた。調合物5は調合物4と類
似しているが、エチレンエチルアクリレート(EEA)
4.5%が添加されていた。タルク、SAPPおよびE
EAの組合せはCTIに対して有益な効果を示してお
り、CTIは500ボルトに改善されていた。
【0038】調合物Eはエチレンコポリマーおよび充填
剤を含まず、ポリアミド6樹脂と、30%のガラスと、
難燃剤とを含んでいた。その難燃剤系はブロモエポキシ
とアンチモン相乗剤の組合せであった。CTIは300
ボルトであった。調合物Fは調合物Eと類似している
が、ガラスは10%少なく、タルク25%が添加されて
いた。タルクはCTIに対して有益な効果を示してお
り、CTIは375ボルトに改善されていた。
【0039】調合物6は調合物Fと類似しているが、タ
ルクは4%少なくされ酸性ピロ燐酸ナトリウム(SAP
P)で置き換えられていた。タルクとSAPPの組合せ
はCTIに対して有益な効果を示しており、CTIは4
25ボルトに改善されていた。調合物7は調合物6と類
似しているが、エチレンエチルアクリレート(EEA)
4.5%が添加されていた。タルク、SAPPおよびE
EAの組合せはCTIに対して有益な効果を示してお
り、CTIは475ボルトに改善されていた。
【0040】上記の調合された樹脂から成形された物品
は電気引出し口、回路遮断器、スイッチ、ヒューズホル
ダ、ランプソケット、ディストリビュータキャップ、エ
ンクロージャまたは点火コイルのような電気デバイス内
にまたは電気デバイスとして使用するのに適している。
このような物品は慣用の成形技術によって形成できる。
【0041】 表1 調合物試料 材料 樹脂 ホ゜リアミト゛6,6-(1) 58.85 43.85 43.85 43.85 38.85 ホ゜リアミト゛6-(2)ガラス E-カ゛ラス-(3) 30.00 20.00 20.00 20.00 20.00難燃剤+相乗剤 Br.アクリレート-(4) 8.00 8.00 8.00 8.00 8.00 Sb2O3濃縮物-(5) 3.00 3.00 3.00 3.00 3.50 Br.エホ゜キシ+Sb2O3濃縮物-(6)鉱物質 タルク 25.00 21.00 20.50 21.00 SAPP-(7) 4.00 4.00その他 EEA-(8) 4.50 4.50 Irganox TM 1076-(9) 0.15 0.15 0.15 0.15 0.15合計 100.00 100.00 100.00 100.00 100.00特性 UL94:1.6mm V-2 V-2 V-1 V-1 V-1 CTIホ゛ルト 275 350 375 425 475 表1(続き) 調合物試料 材料 樹脂 ホ゜リアミト゛6,6-(1) ホ゜リアミト゛6-(2) 58.85 43.85 43.85 38.85ガラス E-カ゛ラス-(3) 30.00 20.00 20.00 20.00難燃剤+相乗剤 Br.アクリレート-(4) 8.00 8.00 8.00 8.00 Sb2O3濃縮物-(5) 3.00 3.00 3.00 3.00 Br.エホ゜キシ+Sb2O3濃縮物-(6)鉱物質 タルク 25.00 21.00 21.00 SAPP-(7) 4.00 4.00その他 EEA-(8) 4.50 Irganox TM 1076-(9) 0.15 0.15 0.15 0.15合計 100.00 100.00 100.00 100.00特性 UL94:1.6mm V-2 V-2 V-1 V-1 CTIホ゛ルト 300 400 475 500 表1(続き) 調合物試料 材料 樹脂 ホ゜リアミト゛6,6-(1) ホ゜リアミト゛6-(2) 56.60 41.60 41.60 36.60ガラス E-カ゛ラス-(3) 30.00 20.00 20.00 20.00難燃剤+相乗剤 Br.アクリレート-(4) Sb2O3濃縮物-(5) Br.エホ゜キシ+Sb2O3濃縮物-(6) 13.25 13.25 13.25 13.25鉱物質 タルク 25.00 21.00 21.50 SAPP-(7) 4.00 4.00その他 EEA-(8) 4.50 Irganox TM 1076-(9) 0.15 0.15 0.15 0.15合計 100.00 100.00 100.00 100.00特性 UL94:1.6mm V-2 V-2 V-1 V-1 CTIホ゛ルト 300 375 425 475 表1に対する脚注: (1)ポリアミド6,6樹脂 (2)ポリアミド6樹脂 (3)14ミクロン直径のガラス (4)ポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)Mw15,000 (5)85%Sb23および15%オレフィン系バインダ (6)75%臭素化エポキシおよび25%Sb23濃縮物 (7)酸性ピロ燐酸ナトリウム (8)エチレンと18%のエチルアクリレートとのコポリマー (9)ヒンダードフェノール酸化防止剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101:04 23:00) (72)発明者 ローバート・ラッセル・ガルーチ アメリカ合衆国、インディアナ州、マウン ト・ヴァーノン、タングルウッド・ドライ ブ、1109番 (72)発明者 カーク・ジェイ・ブラックバーン アメリカ合衆国、インディアナ州、マウン ト・ヴァーノン、イースト・ブラックフォ ード・ロード、4800番 (72)発明者 エリック・アール・ジョージ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スリン ガーランズ、ケニーウィック・サークル、 108番

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂、難燃量のハロゲン化難
    燃剤、繊維状ガラスおよび/または鉱物質充填剤、およ
    びピロ燐酸金属塩、ポリ燐酸金属塩、酸性ピロ燐酸金属
    塩、酸性ポリ燐酸金属塩並びにこれらの混合物からなる
    群から選ばれた有効量のピロ/ポリ燐酸塩を含んだ、電
    気的特性の向上された難燃性成形樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ピロ/ポリ燐酸塩が式 Mz xyn3n+1 (式中、Mは金属であり、zは1〜5であり、xは1〜
    12の数であり、yは0〜12の数であり、そしてnは
    2〜10の数である)を有する請求項1記載の難燃性成
    形樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記向上された電気的特性が改善された
    トラッキング指数(CTI)を含む請求項2記載の難燃
    性成形樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 最終組成物の前記CTIが約400ボル
    トより大きい請求項3記載の難燃性成形樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 Mが周期律表第IA、IIA、IBまたは
    IIB族の金属である請求項2記載の難燃性成形樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記ピロ/ポリ燐酸塩が酸性ピロ燐酸ナ
    トリウムである請求項2記載の難燃性成形樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 Mがナトリウムまたはカリウムである請
    求項2記載の難燃性成形樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記ポリアミドがポリアミド−6、6,
    6、11、12並びにこれらの混合物からなる群から選
    ばれ、最も好ましくはポリアミド−6,6である請求項
    1記載の難燃性成形樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記難燃性がUnderwriters Laboratorie
    s Test No. 94 によりV−0である請求項1記載の難燃
    性成形樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記難燃剤がポリ(ハロアリールメタ
    クリレート)、ハロゲン化ポリスチレンまたはポリ(ハ
    ロアリールアクリレート)難燃剤である請求項1記載の
    難燃性成形樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 前記難燃剤がポリブロモベンジルアク
    リレート難燃剤である請求項10記載の難燃性成形樹脂
    組成物。
  12. 【請求項12】 前記鉱物質充填剤が硫酸金属塩、タル
    ク、粘土、雲母またはウォラストナイトを含む請求項1
    記載の難燃性成形樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 前記鉱物質充填剤がタルクを含む請求
    項12記載の難燃性成形樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 前記鉱物質充填剤が周期律表第IAお
    よびIIA族金属の硫酸金属塩を含む請求項12記載の難
    燃性成形樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 強化用物質を含む請求項1記載の難燃
    性成形樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 前記強化用物質がガラス繊維物質を含
    む請求項1記載の難燃性成形樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 前記ピロ/ポリ燐酸塩、前記鉱物質充
    填剤および前記ガラス繊維が前記樹脂組成物の充填剤含
    有分を構成しそしてこの充填剤含有分が前記樹脂組成物
    の合計重量%の10〜50%を占めている請求項16記
    載の難燃性成形樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 前記組成物の合計重量に基づいてそれ
    ぞれ、前記ガラス繊維が5〜30重量%の量で存在し、
    前記鉱物質充填剤が3〜30重量%の量で存在し、そし
    て前記ピロ/ポリ燐酸塩が0.5〜20重量%の量で存
    在している請求項17記載の難燃性成形樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 電気的特性を改善するために有効量の
    オレフィンポリマーを更に含んでいる請求項1記載の難
    燃性成形樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 前記オレフィンポリマーがエチレンと
    アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートエ
    ステルのコポリマーを含む請求項19記載の難燃性成形
    樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 前記オレフィンポリマーが約3乃至約
    10重量%の量で存在する請求項19記載の難燃性成形
    樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 前記オレフィンポリマーがエチレン、
    プロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン並びにこれ
    らの混合物の付加重合体からなる群から選ばれる付加重
    合体である請求項19記載の難燃性成形樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 請求項1記載の難燃性成形樹脂組成物
    から成形された物品。
  24. 【請求項24】 請求項1記載の組成物を使用して作成
    された電気回路遮断器デバイス。
  25. 【請求項25】 請求項17記載の組成物を使用して作
    成された電気回路遮断器デバイス。
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