JPH10272967A - 車速制御装置 - Google Patents

車速制御装置

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JPH10272967A
JPH10272967A JP9077764A JP7776497A JPH10272967A JP H10272967 A JPH10272967 A JP H10272967A JP 9077764 A JP9077764 A JP 9077764A JP 7776497 A JP7776497 A JP 7776497A JP H10272967 A JPH10272967 A JP H10272967A
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engine
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engine torque
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの運転状態が不連続的に切り換わる
境界の近傍における車速変動を抑制する。 【解決手段】 車速検出値を車速指令値に一致させるた
めの駆動力指令値を演算するとともに、駆動力指令値に
基づいてエンジントルク指令値および変速比指令値を演
算し、エンジントルク指令値に基づいてエンジンのスロ
ットル開度を制御するとともに、変速比指令値に基づい
て無段変速機の変速比を制御する車速制御装置におい
て、エンジンの運転点が設定領域内にあると判定される
と、エンジントルク指令値と変速比指令値を変更する。
これにより、エンジンの運転状態が不連続的に切り換わ
る境界近傍でのエンジンの運転が避けられ、ハンチング
状の車速変動が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行速度が
目標値となるように制御する車速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11に示すように、無段変速機付き車
両において、車速偏差が所定値よりも小さい場合はスロ
ットル開度のみを制御し、車速偏差が所定値よりも大き
い場合は変速比のみを制御するようにした車速制御装置
が知られている(例えば、特開昭61−232927号
公報参照)。この装置では、スロットル開度と変速比の
2入力を同時に制御することはない。
【0003】また、無段変速機付き車両において、車速
指令値を維持するために必要な駆動力を実現するエンジ
ントルクと変速比の組合せの中から、最適燃費を実現で
きる組合せを算出してスロットル開度と変速比を制御す
るようにした制御アルゴリズムが開示されている(例え
ば、自動車技術学会紙VOL.48,No.10,1994)。この制御
では、スロットル開度と変速比の2入力を同時に制御す
ることにより、車速指令値を達成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、希
薄燃焼型エンジンにおける空燃比の不連続的な切り換え
(図12参照)、可変動弁機構付きエンジンにおける吸
排気バルブ開閉タイミングの不連続的な切り換え(図1
3参照)、通常エンジンにおけるフューエルカット/リ
カバーの切り換え(図14参照)の際には、図15に示
すようにエンジントルクに段差が発生する。
【0005】このようなエンジンを従来の車速制御装置
で制御する場合に、車速指令値と走行抵抗の関係から、
運転状態が不連続的に切り換わる境界近傍でエンジン負
荷がつりあうと、図16に示すように、車速フィードバ
ック制御が働いてスロットル開度のハンチングが発生
し、車速が変動する。
【0006】本発明の目的は、エンジンの運転状態が不
連続的に切り換わる境界の近傍における車速変動を抑制
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、車速指令値を設定する車速
設定手段と、車速を検出する車速検出手段と、車速検出
値を車速指令値に一致させるための駆動力指令値を演算
する駆動力演算手段と、駆動力指令値に基づいてエンジ
ントルク指令値および変速比指令値を演算するエンジン
トルク/変速比演算手段と、エンジントルク指令値に基
づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル
制御手段と、変速比指令値に基づいて無段変速機の変速
比を制御する変速比制御手段とを備えた車速制御装置に
適用される。そして、エンジンの運転点が予め設定した
領域内にあるかどうかを判定する判定手段と、エンジン
の運転点が設定領域内にあると判定されると、エンジン
トルク指令値と変速比指令値を変更するエンジントルク
/変速比変更手段とを備える。車速検出値を車速指令値
に一致させるための駆動力指令値を演算するとともに、
駆動力指令値に基づいてエンジントルク指令値および変
速比指令値を演算し、エンジントルク指令値に基づいて
エンジンのスロットル開度を制御するとともに、変速比
指令値に基づいて無段変速機の変速比を制御する。そし
て、エンジンの運転点が設定領域内にあると判定される
と、エンジントルク指令値と変速比指令値を変更する。 (2) 請求項2の車速制御装置は、エンジントルク/
変速比演算手段によって、駆動力指令値に基づいてエン
ジントルク指令値とエンジン回転速度指令値を演算し、
エンジン回転速度指令値に基づいて変速比指令値を演算
するようにしたものである。 (3) 請求項3の車速制御装置は、判定手段によっ
て、エンジンの運転点が設定領域内に停留する時間を計
時し、停留時間が所定時間を超えたらエンジンの運転点
が設定領域内にあると判定するようにしたものである。 (4) 請求項4の車速制御装置は、エンジントルク/
変速比変更手段によって、エンジンの運転点が設定領域
内にあると判定されると変速比指令値を所定値だけ増加
するようにしたものである。 (5) 請求項5の車速制御装置は、設定領域を、空燃
比の切り換えによりエンジンの運転状態が不連続的に切
り換わる領域としたものである。 (6) 請求項6の車速制御装置は、設定領域を、吸排
気バルブ駆動用カムの切り換えによりエンジンの運転状
態が不連続的に切り換わる領域としたものである。 (7) 請求項7の車速制御装置は、設定領域を、エン
ジンのフューエルカット/フューエルカット・リカバー
の切り換えによりエンジンの運転状態が不連続的に切り
換わる領域としたものである。
【0008】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、車速検出値を車速指
令値に一致させるための駆動力指令値を演算するととも
に、駆動力指令値に基づいてエンジントルク指令値およ
び変速比指令値を演算し、エンジントルク指令値に基づ
いてエンジンのスロットル開度を制御するとともに、変
速比指令値に基づいて無段変速機の変速比を制御する車
速制御装置において、エンジンの運転点が設定領域内に
あると判定されると、エンジントルク指令値と変速比指
令値を変更するようにしたので、エンジンの運転状態が
不連続的に切り換わる境界近傍でのエンジンの運転が避
けられ、ハンチング状の車速変動が防止される。 (2) 請求項2の発明によれば、駆動力指令値に基づ
いてエンジントルク指令値とエンジン回転速度指令値を
演算し、エンジン回転速度指令値に基づいて変速比指令
値を演算するようにしたので、請求項1と同様な効果が
得られる。 (3) 請求項3の発明によれば、エンジンの運転点が
設定領域内に停留する時間が所定時間を超えたら、エン
ジンの運転点が設定領域内にあると判定するようにし
た。エンジンの運転点が急俊に変化して使用禁止領域を
速やかに抜ける場合でも運転点の変更を行なうと、馬力
(エンジントルク×エンジン回転速度)は同じでも運転
点が不連続的に変化することによって駆動力に過渡的な
影響を与えることがある。したがって、エンジンの運転
点が所定時間より長く設定領域内に停留した場合だけ運
転点の変更を行なうことにより、駆動力に与える影響を
最少にすることができる。 (4) 請求項4の発明によれば、エンジンの運転点が
設定領域内にあると判定されると変速比指令値を所定値
だけ増加するようにした。一般に、多くのエンジンでは
高トルク領域と低回転速度領域に最適燃費線が来る場合
が多いので、最適燃費線上で運転している時にシフトア
ップ側(高トルク、低回転速度側)に変更すると、エン
ジントルクや変速比がそれぞれリミット値に達してしま
う可能性が高い。したがって、変速比指令値をシフトダ
ウン側に変更することにより、エンジントルクや変速比
をリミット値以内で制御することができる。 (5) 請求項5の発明によれば、設定領域を、空燃比
の切り換えによりエンジンの運転状態が不連続的に切り
換わる領域としたので、空燃比が切り換えられるエンジ
ンを走行駆動源とする車両でも安定な走行制御特性が得
られる。 (6) 請求項6の発明によれば、設定領域を、吸排気
バルブ駆動用カムの切り換えによりエンジンの運転状態
が不連続的に切り換わる領域としたので、吸排気バルブ
駆動用カムを切り換えるエンジンを走行駆動源とする車
両でも安定な走行制御特性が得られる。 (7) 請求項7の発明によれば、設定領域を、エンジ
ンのフューエルカット/フューエルカット・リカバーの
切り換えによりエンジンの運転状態が不連続的に切り換
わる領域としたので、フューエルカット/リカバーの切
り換えを行なうエンジンを走行駆動源とする車両でも安
定な走行制御特性が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は一実施の形態の構成を示
す。セットスイッチ1は、現在の車速を車速指令値に設
定して車速制御を開始するためのスイッチである。アク
セラレートスイッチ2は設定車速を増加するためのスイ
ッチ、コーストスイッチ3は設定車速を低減するための
スイッチである。キャンセルスイッチ4は定速走行制御
を解除するためのスイッチ、ブレーキスイッチ5はフッ
トブレーキが操作された時に作動するスイッチである。
このブレーキスイッチ5が作動したら、キャンセルスイ
ッチ4が操作された場合と同様に定速走行制御を解除す
る。
【0010】クランク角センサー6はエンジン回転速度
に応じた周期のパルス列信号を出力し、車速センサー7
は車速に応じた周期のパルス列信号を出力する。また、
スロットルセンサー8はスロットルバルブの開度を検出
する。
【0011】希薄燃焼型エンジン9は、スロットルアク
チュエータによる吸入空気制御と、インジェクターによ
る燃料噴射制御と、点火プラグによる点火時期制御とに
より、エンジントルクが指令値に一致するように制御さ
れる。この希薄燃焼型エンジン9では、理想空燃比(ス
トイキ)状態と希薄燃焼用空燃比状態の切り換えが行な
われるととに、低回転用カムと高回転用カムの切り換え
により吸排気バルブの開閉タイミングが不連続的に切り
換えられる。さらにまた、フューエルカット/フューエ
ルカット・リカバーの切り換えが行なわれる。これらの
切り換えによってエンジン9の運転状態は不連続的に切
り換えられる。
【0012】ベルト式無段変速機11は、プライマリー
・プーリーとセカンダリー・プーリーの半径を油圧制御
で変えることによって、変速比が指令値に一致するよう
に制御される。また、ベルト式無段変速機11は発進用
のロックアップクラッチ付きトルクコンバーター10を
備えている。
【0013】車速制御コントローラー12、エンジント
ルクコントローラー13および変速比コントローラー1
4はそれぞれ、マイクロコンピュータとその周辺部品や
各種アクチュエータの駆動回路などを備え、互いに通信
回路を介して通信を行なう。車速制御コントローラー1
2は、車速指令値の設定と変更、トルク指令値と変速比
の演算などを行なう。トルクコントローラー13は、エ
ンジン9のエンジントルク指令値に基づくスロットル開
度制御と、空燃比、吸排気バルブ開閉タイミング、フュ
ーエルカット/リカバーなどのエンジン運転状態の切り
換え制御を行なう。さらに、変速比コントローラー14
は変速比指令値に基づいて無段変速機11の変速比を制
御する。
【0014】図2は車速制御プログラムを示すフローチ
ャートである。車速制御コントローラー10は、10m
secごとにこの車速制御プログラムを実行する。ステ
ップ1において、車速センサー7のパルス幅(n周期
分)の逆数から実車速Vspを演算するとともに、クラ
ンク角センサー6のパルス数をカウントして平均エンジ
ン回転速度Neを計測する。続くステップ2で、キャン
セルスイッチ4またはブレーキスイッチ5がオン状態に
あるか、すなわち定速走行制御が解除されたかどうかを
確認する。定速走行制御が解除されたらステップ6へ進
み、各種制御フラグやパラメーター変数の初期化を行な
って車速制御を終了する。
【0015】定速走行制御が解除されていない場合はス
テップ3へ進み、セットスイッチ1が操作されたかどう
かを確認する。セットスイッチ1が操作されたら定速走
行制御を開始するためにステップ4へ進み、現在の実車
速Vspを車速指令値Vsprに設定して記憶する。さ
らにステップ5で、定速走行制御中を示すフラグをセッ
トしていったん車速制御を終了する。
【0016】セットスイッチ1が操作されていない場合
はステップ7へ進み、定速走行制御中フラグにより定速
走行制御中かどうかを確認する。定速走行制御中でなけ
ればステップ6へ進み、各種制御フラグやパラメーター
変数の初期化を行なって車速制御を終了する。定速走行
制御中の場合はステップ8へ進み、車速指令値Vspr
に実車速Vspを一致させるための最終駆動力指令値y
1を演算する。
【0017】最終駆動力指令値y1の演算方法を説明す
る。この演算は、図3に示すように、線形制御手法であ
るモデルマッチング手法と近似ゼロイング手法による車
速フィードバック補償器を用いて行なう。車速フィード
バック補償器に組み込まれた制御対象の車両モデルは、
目標駆動力を操作量とし、車速を制御量としてモデル化
することによって、相対的に応答性の速いエンジンやト
ルクコンバータの過渡特性、およびトルクコンバータの
非線形定常特性を省略することができる。そして、例え
ば図4に示すような、予め計測されたエンジン非線形定
常特性マップを用いて駆動力指令値に実駆動力が一致す
るようなスロットル開度指令値を算出し、スロットル開
度をサーボコントロールすることにより、エンジン非線
形定常特性を線形化することができる。したがって、駆
動力指令値を入力とし、車速を出力とする車両モデルは
積分特性となり、補償器ではこの車両モデルの伝達特性
をパルス伝達関数P(z-1)とおくことができる。
【0018】図3において、zは遅延演算子であり、z
-1を乗ずると1サンプル周期前の値となる。また、C1
(z-1)、C2(z-1)は近似ゼロイング手法による外
乱推定器であり、外乱やモデル化誤差による影響を抑制
する。さらに、C3(z-1)はモデルマッチング手法に
よる補償器であり、図5に示すように、車速指令値Vs
prを入力とし実車速Vspを出力とした場合の制御対
象の応答特性を、予め定めた一次遅れとむだ時間要素を
持つ規範モデルH(z-1)の特性に一致させる。
【0019】制御対象の伝達特性は、パワートレインの
遅れであるむだ時間を考慮する必要がある。駆動力指令
値を入力とし実車速を出力とする制御対象のパルス伝達
関数P(z-1)は、次式に示す積分要素P1(z-1)と
むだ時間要素P2(z-1)(=z-n)の積で表わすこと
ができる。
【数1】 P1(z-1)=T・z-1/{M・(1−z-1)} ここで、Tはサンプル周期(この実施形態では10ms
ec)、Mは平均車重である。
【0020】このとき、補償器C1(z-1)は次式で表
わされる。
【数2】 C1(z-1)=(1−γ)・z-1/(1−γ・z-1), γ=exp(−T/Tb) すなわち、補償器C1(z-1)は時定数Tbのローパス
フィルタである。
【0021】さらに、補償器C2(z-1)はC1/P1
として次式で表わされる。
【数3】C2(z-1)=M・(1−γ)・(1−z-1
/{T・(1−γ・z-1)} なお、補償器C2は、車両モデルの逆系にローパスフィ
ルタをかけたものであり、実車速Vspから逆算される
外乱(走行抵抗)の影響を受けた駆動力、すなわち駆動
力から走行抵抗を差し引いた駆動力を逆算することがで
きる。
【0022】また、制御対象のむだ時間を無視して、規
範モデルH(z-1)を時定数Taの1次ローパスフィル
タとすると、補償器C3は次のような定数となる。
【数4】 C3=K={1−exp(−T/Ta)}・M/T
【0023】次に、モデルマッチング補償器C3
(z-1)に相当する部分の演算を行ない、実車速Vsp
から車速指令値Vsprまで加速するための駆動力指令
値y4を求める。データy(k−1)は1サンプル周期
前のデータy(k)を表わすものとすると、
【数5】 y4(k)=K・{Vspr(k)−Vsp(k)}
【0024】また、図3に示す外乱推定器の一部のロバ
スト補償器C2(z-1)に相当する部分の演算を行な
い、実車速Vspに基づいて外乱(走行抵抗など)の影
響を受けた駆動力y3を逆算する。
【数6】y3(k)=γ・y3(k−1)+(1−γ)
・M・{Vsp(k)−Vsp(k−1)}/T
【0025】目標駆動力y4を走行抵抗推定値Frで補
正して最終目標駆動力y1(k)を求める。
【数7】 y1(k)=y4(k)−{y3(k)−y2(k−2)} =y4(k)+{y2(k−2)−y3(k)}, Fr=y2(k−2)−y3(k) ここで、y2(k−2)は駆動力y2(k)の2サンプ
ル周期前の値であり、駆動力y2(補償器C1の出力)
の演算は上述した積分要素P1(z-1)の演算に相当
し、その2サンプル周期前の値を用いることはむだ時間
要素P2(z-1)の演算に相当する。y3(k)は実車
速Vspから求めた走行抵抗の影響を受けた駆動力であ
り、駆動力y2(k−2)は補償器内で求めた走行抵抗
の影響を受けない駆動力であるから、両者の差が走行抵
抗推定値(外乱推定値)Frとなる。このように、近似
ゼロイング手法で構成された外乱推定器は、制御対象モ
デルの出力と実際の制御対象の出力との差に基づいて走
行抵抗などの外乱を正確に推定することができる。
【0026】次に、最終目標駆動力y1を上下限値以内
に制限する。まず、スロットル全開時および全閉時のエ
ンジントルクをエンジン回転速度ごとに測定したデータ
テーブルを用いて、現在のエンジン回転速度Neに対応
する最大エンジントルクTemaxと最小エンジントル
クTeminを求める。さらに、最大エンジントルクT
emaxと最小エンジントルクTeminから、次式に
より最大駆動力Fmaxと最小駆動力Fminを求め
る。
【数8】 Fmax=Temax・Gmax・Gf/Rt, Fmin=Temin・Gmax・Gf/Rt ここで、Gmaxは無段変速機11の最大ギア比、Gf
はファイナルギア比、Rtは車輪の有効半径である。
【0027】最終目標駆動力y1(k)を最大駆動力F
maxと最小駆動力Fmin以内に制限して駆動力y5
(k)を求める。
【数9】 y1(k)≧Fmaxの場合は、y5(k)=Fmax, y1(k)≦Fminの場合は、y5(k)=Fmin, Fmin<y1(k)<Fmaxの場合は、y5(k)=y1(k)
【0028】また、外乱推定器の一部であるローパスフ
ィルタとしての補償器C1(z-1)に相当する部分の演
算を行なう。
【数10】y2(k)=γ・y2(k−1)+(1−
γ)・y5(k−1)
【0029】最後に、最終目標駆動力(駆動力指令値)
y1(k)に基づいて駆動トルク指令値Torを演算す
る。
【数11】Tor=y1・Rt
【0030】ふたたび図2に戻って車速制御の説明を続
ける。ステップ9において、駆動トルク指令値Torと
最適燃費とを両立させるための、エンジントルク指令値
Terと変速比指令値Gcvtを演算する。ここで、目
標駆動力(駆動力指令値)y1と駆動トルク指令値To
rは車輪における駆動力とトルクであり、エンジントル
ク指令値Terはエンジン単体のトルクである。まず、
駆動トルク指令値Torと車速指令値Vsprとに基づ
いて出力の指令値Lを次式により求める。
【数12】L=Tor・Vspr/Rt, (または、L=y1・Vspr)
【0031】図6は、エンジン回転速度とエンジントル
クとにより表わされるエンジン特性図上に等出力線、等
燃費線および最適燃費運転線を描いた図である。このよ
うなエンジン特性図を用いて、出力指令値Lに応じた出
力を維持しながら燃料消費が最低となる運転点(最適燃
費運転点)を検索する。この最適燃費運転点は、等出力
線と等燃費線の接点を連ねた最適燃費運転線上にある。
実際には、出力に対するエンジントルク指令値Terと
エンジン回転速度指令値Nerの最適燃費点を予めマッ
プに記憶しておき、出力指令値Lに対応する指令値Te
rとNerを表引き演算する。
【0032】変速比指令値Gcvtは、車輪における駆
動トルク指令値Tor(数式11)とエンジンのトルク
指令値Ter(ステップ9)とに基づいて次式により求
められる。
【数13】Gcvt=Tor/Ter/Gf, (または、Gcvt=Ner・Rt/Vspr)
【0033】ステップ10では、エンジン制御における
不連続的な状態切り換えが上記最適燃費運転点の近傍で
起きるか否かを判定する。この判定は、図7〜図9に示
す空燃比、カム、フューエルカット状態の切り換えによ
って、エンジンの運転状態が不連続的に切り換わる使用
禁止領域(図中のハッチング部分)をエンジン特性マッ
プ上に記憶しておき、最適燃費運転点が使用禁止領域内
にあるかどうかを確認する。最適燃費運転点が使用禁止
領域内にあるときは、最適燃費運転点が使用禁止領域内
に留まる停留時間を計時する。停留時間が所定時間T1
より長くなれば、使用禁止領域内における不安定な運転
を避けるために変速比を変更する必要があると判断し、
ステップ11へ進む。ステップ11では、変速比指令値
Gcvtをシフトダウン側に所定量だけ変更、すなわち
変速比指令値Gcvtを所定値だけ増加してステップ1
0へ戻る。
【0034】一方、最適燃費運転点が使用禁止領域内に
留まる停留時間がT1時間以下の場合は、最適燃費運転
点が急俊に変化して使用禁止領域を速やかに抜けると判
断し、変速比の変更を行なわない。そして、ステップ1
2へ進み、エンジン9や無段変速機11の機械的な制約
から、変速比指令値の上限と下限を制限して最終的な変
速比指令値Gcvt’を求める。続くステップ13で、
最終的な変速比指令値Gcvt’に基づいて最終的なエ
ンジントルク指令値Ter’を演算する。
【数14】Ter’=Tor/Gcvt’/Gf ステップ14において、エンジントルクコントローラー
13へエンジントルク指令値Ter’を送るとともに、
変速比コントローラー14へ変速比指令値Gcvt’を
送る。
【0035】エンジントルクコントローラー13は、車
速制御コントローラー12からのエンジントルク指令値
Ter’と、車速センサー7の計測値に基づくエンジン
回転速度Neと、スロットルセンサー8の検出値に基づ
くスロットル開度などにより、希薄燃焼型エンジン9の
スロットル開度制御と、空燃比、吸排気バルブ開閉タイ
ミング、フューエルカット状態などの運転状態の切り換
え制御を行なう。また、変速比コントローラー14は、
無段変速機11の変速比に車速制御コントローラー12
から送られた変速比指令値Gcvt’を設定するととも
に、トルクコンバーター10のロックアップクラッチを
駆動制御する。
【0036】このように、実車速を車速指令値に一致さ
せるための駆動力指令値y1を演算し、駆動力指令値y
1に基づいて燃料消費が最少となるエンジントルク指令
値Terおよび変速比指令値Gcvtを演算する。具体
的には、駆動力指令値y1を満足しながら燃料消費を最
少に抑制するために、駆動力指令値y1と車速指令値V
sprとの積により出力指令値Lを求め、さらにエンジ
ン定常特性マップ上の等出力線と等燃費線とにより最適
燃費運転点を検索し、エンジントルク指令値Terとエ
ンジン回転速度指令値Nerとを決定する。さらに、エ
ンジン回転速度指令値Nerに基づいて変速比指令値G
cvtを演算し、エンジントルク指令値Terに基づい
てエンジンのスロットル開度を制御するとともに、変速
比指令値Gcvtに基づいて無段変速機の変速比を制御
する。そして、エンジントルク指令値Terとエンジン
回転速度指令値Nerとにより決るエンジンの最適燃費
運転点が、予め設定した領域内に停留する時間が所定時
間T1を超えたら、エンジントルク指令値Terと変速
比指令値Gcvtを変更する。指令値の変更に際して
は、例えば変速比指令値Gcvtを所定値だけ増加す
る。なお、上記設定領域は、空燃比の切り換えによりエ
ンジンの運転状態が不連続的に切り換わる領域、吸排気
バルブ駆動用カムの切り換えによりエンジンの運転状態
が不連続的に切り換わる領域、エンジンのフューエルカ
ット/フューエルカット・リカバーの切り換えによりエ
ンジンの運転状態が不連続的に切り換わる領域などであ
る。これにより、エンジンの運転状態が不連続的に切り
換わる境界近傍でのエンジンの運転が避けられ、ハンチ
ング状の車速変動が防止される。
【0037】上記実施例では、変速比指令値Gcvtを
所定値だけ増加してシフトダウン側に変更するようにし
た。一般に、多くのエンジンでは高トルク領域と低回転
速度領域に最適燃費線が来る場合が多いので、最適燃費
線上で運転している時にシフトアップ側(高トルク、低
回転速度側)に変更すると、エンジントルクや変速比が
それぞれリミット値に達してしまう可能性が高い。した
がって、変速比指令値をシフトダウン側に変更すること
により、エンジントルクや変速比をリミット値以内で制
御することができる。
【0038】さらに、上記実施例では、エンジンの最適
燃費運転点が設定領域内に停留する時間が所定時間T1
を超えたら、運転点を変更するようにした。エンジンの
運転点が急俊に変化して使用禁止領域を速やかに抜ける
場合でも運転点の変更を行なうと、馬力(エンジントル
ク×エンジン回転速度)は同じでも運転点が不連続的に
変化することによって駆動力に過渡的な影響を与えるこ
とがある。したがって、エンジンの運転点が所定時間よ
り長く設定領域内に停留した場合だけ運転点の変更を行
なうことにより、駆動力に与える影響を最少にすること
ができる。なお、所定時間T1は、実機の運転試験やシ
ミュレーションによって、定常的な車速ハンチングが発
生しない、できる限り長い時間を設定することが望まし
い。
【0039】以上の一実施形態の構成において、セット
スイッチ1が車速設定手段を、車速センサー7が車速検
出手段を、車速コントローラー12が駆動力演算手段、
エンジントルク/変速比演算手段、判定手段およびエン
ジントルク/変速比変更手段を、エンジントルクコント
ローラー13がスロットル制御手段を、変速比コントロ
ーラー14が変速比制御手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 一実施の形態の車速制御プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図3】 車速フィードバック補償器を示す図である。
【図4】 エンジン非線形定常特性マップを示す図であ
る。
【図5】 モデルマッチング補償器を示す図である。
【図6】 最適燃費運転点の検索方法を示す図である。
【図7】 空燃比の切り換えによりエンジンの運転状態
が不連続的に切り換わる使用禁止領域を示す図である。
【図8】 吸排気バルブ駆動用カムの切り換えによりエ
ンジンの運転状態が不連続的に切り換わる使用禁止領域
を示す図である。
【図9】 フューエルカット/リカバーの切り換えによ
りエンジンの運転状態が不連続的に切り換わる使用禁止
領域を示す図である。
【図10】 最適燃費運転点の変更方法を示す図であ
る。
【図11】 従来の車速制御装置の構成を示す図であ
る。
【図12】 空燃比の切り換えによりエンジンの運転状
態が不連続的に切り換わる境界を示す図である。
【図13】 吸排気バルブ駆動用カムの切り換えにより
エンジンの運転状態が不連続的に切り換わる境界を示す
図である。
【図14】 フューエルカット/リカバーの切り換えに
よりエンジンの運転状態が不連続的に切り換わる境界を
示す図である。
【図15】 エンジンの運転状態を不連続的に切り換え
た場合に発生するエンジントルクの段差を示す図であ
る。
【図16】 エンジンの運転状態が不連続的に切り換わ
る領域でエンジンを運転した場合に発生する車速のハン
チング変動を示す図である。
【符号の説明】
1 セットスイッチ 2 アクセラレートスイッチ 3 コーストスイッチ 4 キャンセルスイッチ 5 ブレーキスイッチ 6 クランク角センサー 7 車速センサー 8 スロットルセンサー 9 希薄燃焼型エンジン 10 ロックアップクラッチ付きトルクコンバーター 11 ベルト式無段変速機 12 車速制御コントローラー 13 エンジントルクコントローラー 14 変速比コントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 61/18 F16H 61/18 // F16H 61/06 F16H 61/06 F16H 59:24 59:42 59:44 59:74

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速指令値を設定する車速設定手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 車速検出値を車速指令値に一致させるための駆動力指令
    値を演算する駆動力演算手段と、 駆動力指令値に基づいてエンジントルク指令値および変
    速比指令値を演算するエンジントルク/変速比演算手段
    と、 エンジントルク指令値に基づいてエンジンのスロットル
    開度を制御するスロットル制御手段と、 変速比指令値に基づいて無段変速機の変速比を制御する
    変速比制御手段とを備えた車速制御装置において、 エンジンの運転点が予め設定した領域内にあるかどうか
    を判定する判定手段と、 エンジンの運転点が前記設定領域内にあると判定される
    と、エンジントルク指令値と変速比指令値を変更するエ
    ンジントルク/変速比変更手段とを備えることを特徴と
    する車速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車速制御装置におい
    て、 前記エンジントルク/変速比演算手段は、駆動力指令値
    に基づいてエンジントルク指令値とエンジン回転速度指
    令値を演算し、エンジン回転速度指令値に基づいて変速
    比指令値を演算することを特徴とする車速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の車速制
    御装置において、 前記判定手段は、エンジンの運転点が前記設定領域内に
    停留する時間を計時し、停留時間が所定時間を超えたら
    エンジンの運転点が前記設定領域内にあると判定するこ
    とを特徴とする車速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載の車
    速制御装置において、 前記エンジントルク/変速比変更手段は、エンジンの運
    転点が前記設定領域内にあると判定されると変速比指令
    値を所定値だけ増加することを特徴とする車速制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の車
    速制御装置において、 前記設定領域は、空燃比の切り換えによりエンジンの運
    転状態が不連続的に切り換わる領域であることを特徴と
    する車速制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの項に記載の車
    速制御装置において、 前記設定領域は、吸排気バルブ駆動用カムの切り換えに
    よりエンジンの運転状態が不連続的に切り換わる領域で
    あることを特徴とする車速制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの項に記載の車
    速制御装置において、 前記設定領域は、エンジンのフューエルカット/フュー
    エルカット・リカバーの切り換えによりエンジンの運転
    状態が不連続的に切り換わる領域であることを特徴とす
    る車速制御装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010149696A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Nissan Motor Co Ltd 車両の動力制御装置及びその方法

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