JP2000255287A - 無段変速機を装備した車両の駆動力制御装置 - Google Patents

無段変速機を装備した車両の駆動力制御装置

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JP2000255287A
JP2000255287A JP11059691A JP5969199A JP2000255287A JP 2000255287 A JP2000255287 A JP 2000255287A JP 11059691 A JP11059691 A JP 11059691A JP 5969199 A JP5969199 A JP 5969199A JP 2000255287 A JP2000255287 A JP 2000255287A
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driving force
continuously variable
variable transmission
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JP11059691A
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Hideo Nakamura
英夫 中村
Hiroyuki Ashizawa
裕之 芦沢
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負の駆動力指令値および負の駆動トルク指令
値を正確に達成する。 【解決手段】 エンジンブレーキ特性を学習し、学習し
たエンジンブレーキ特性に基づいて負の駆動力指令値ま
たは負の駆動トルク指令値を達成するためのエンジント
ルク指令値と変速比指令値を演算し、エンジンと無段変
速機を制御する。これにより、個々のエンジンによるエ
ンジンブレーキ特性のばらつきや、経年変化、温度変
化、補機負荷状態などによる変動のない、正確なエンジ
ンブレーキ特性が得られ、負の駆動力指令値および負の
駆動トルク指令値を正確に達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無段変速機を装備し
た車両の駆動力を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機を装備した車両において、車
速指令値を維持するために必要な駆動力を実現するエン
ジントルクと変速比の組合せの中から、最適燃費を実現
できる組合せを算出してスロットルバルブ開度と変速比
を制御するようにした駆動力制御装置が開示されている
(例えば、自動車技術学会紙VOL.48,No.10,1994参
照)。この装置では、駆動力指令値と車速とに基づいて
出力指令値を演算し、エンジン回転速度とエンジントル
クとの二次元平面上で予め設定した最適燃費運転線と出
力指令値に相当する等出力線との交点を求め、その点を
エンジンの運転点とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の無段変速機を装備した車両の駆動力制御装置で
は、負の駆動力指令値に対しては適用できないという問
題がある。
【0004】本発明の目的は、負の駆動力指令値および
負の駆動トルク指令値を正確に達成することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明の第1の実施の形態
を示す図1と第2の実施の形態を示す図9とに対応づけ
て本発明を説明すると、 (1) 請求項1の発明は、車両の駆動力指令値または
駆動トルク指令値を決定する指令値決定手段3と、エン
ジンブレーキ特性を学習するエンジンブレーキ特性学習
手段3と、エンジンブレーキ特性に基づいて負の駆動力
指令値または負の駆動トルク指令値を達成するためのエ
ンジントルク指令値と変速比指令値を演算する指令値演
算手段3と、エンジントルクがエンジントルク指令値に
一致するようにエンジン1を制御するエンジン制御手段
4と、変速比が変速比指令値に一致するように無段変速
機2を制御する無段変速機制御手段5とを備える。 (2) 請求項2の無段変速機を装備した車両の駆動力
制御装置は、エンジンブレーキ特性学習手段3によっ
て、エンジン1をスロットルバルブ全閉で且つ燃料カッ
ト状態にして走行している時にエンジン回転速度を検出
するとともにエンジントルクを推定し、少なくとも2組
のエンジン回転速度検出値とエンジントルク推定値によ
りエンジンブレーキ特性を表す近似線を求めるようにし
たものである。 (3) 請求項3の無段変速機を装備した車両の駆動力
制御装置は、エンジンとモーターのいずれか一方または
両方の動力を無段変速機を介して駆動輪へ伝達する車両
であって、エンジンブレーキ特性学習手段3によって、
エンジン1をスロットルバルブ全閉で且つ燃料カット状
態にするとともに、モーター11からトルクを発生させ
て走行している時に、エンジン回転速度を検出するとと
もにエンジントルクを推定し、少なくとも2組のエンジ
ン回転速度検出値とエンジントルク推定値によりエンジ
ンブレーキ特性を表す近似線を求めるようにしたもので
ある。 (4) 請求項4の無段変速機を装備した車両の駆動力
制御装置は、エンジンブレーキ特性学習手段3によっ
て、ナビゲーション装置10により得られた現在地の道
路勾配と車速とにより走行抵抗を求め、この走行抵抗を
用いてエンジントルクを推定するようにしたものであ
る。 (5) 請求項5の無段変速機を装備した車両の駆動力
制御装置は、指令値決定手段3によって、車速を車速指
令値に一致させるための駆動力指令値または駆動トルク
指令値を決定するようにしたものである。 (6) 請求項6の無段変速機を装備した車両の駆動力
制御装置は、指令値決定手段3によって、乗員のアクセ
ルペダル踏み込み量に基づいて駆動力指令値または駆動
トルク指令値を決定するようにしたものである。 (7) 請求項7の無段変速機を装備した車両の駆動力
制御装置は、指令値決定手段3によって、前車との車間
距離を車間距離指令値に一致させるための駆動力指令値
または駆動トルク指令値を決定するようにしたものであ
る。
【0006】上述した課題を解決するための手段の項で
は、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を
用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定され
るものではない。
【0007】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、エン
ジンブレーキ特性を学習し、学習したエンジンブレーキ
特性に基づいて負の駆動力指令値または負の駆動トルク
指令値を達成するためのエンジントルク指令値と変速比
指令値を演算し、エンジンと無段変速機を制御するよう
にしたので、個々のエンジンによるエンジンブレーキ特
性のばらつきや、経年変化、温度変化、補機負荷状態な
どによる変動のない、正確なエンジンブレーキ特性が得
られ、負の駆動力指令値および負の駆動トルク指令値を
正確に達成することができる。 (2) 請求項2の発明によれば、エンジンをスロット
ルバルブ全閉で且つ燃料カット状態にして走行している
時にエンジン回転速度を検出するとともにエンジントル
クを推定し、少なくとも2組のエンジン回転速度検出値
とエンジントルク推定値によりエンジンブレーキ特性を
表す近似線を求めるようにしたので、マイクロコンピュ
ーターに演算処理の負担をかけずに、正確なエンジンブ
レーキ特性を得ることができる。 (3) 請求項3の発明によれば、エンジンをスロット
ルバルブ全閉で且つ燃料カット状態にするとともに、モ
ーターからトルクを発生させて走行している時に、エン
ジン回転速度を検出するとともにエンジントルクを推定
し、少なくとも2組のエンジン回転速度検出値とエンジ
ントルク推定値によりエンジンブレーキ特性を表す近似
線を求めるようにしたので、請求項2の上記効果に加
え、エンジンブレーキ特性の学習時にエンジントルクと
モータートルクとの配分を自由に変えることができ、学
習時にエンジンの運転点を任意の点に留めることが容易
になり、エンジンブレーキ特性の学習機会が増える。そ
のため、実際の正確なエンジンブレーキ特性が早期に得
られる。 (4) 請求項4の発明によれば、ナビゲーション装置
により得られた現在地の道路勾配と車速とにより走行抵
抗を求め、この走行抵抗を用いてエンジントルクを推定
するようにしたので、エンジンブレーキ特性の学習精度
を上げることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】《発明の第1の実施の形態》図1
は第1の実施の形態の構成を示す図である。希薄燃焼型
エンジン1は、スロットルバルブアクチュエータ1aに
よる吸入空気量制御と、インジェクター(不図示)によ
る燃料噴射量制御と、点火プラグ(不図示)による点火
時期制御とによって、エンジントルクが指令値に一致す
るように制御される。この希薄燃焼型エンジン1では、
理想空燃比(ストイキ)状態と希薄燃焼用空燃比状態と
が不連続的に切り換えられるとともに、低回転用カムと
高回転用カムとが不連続的に切り換えられて吸排気バル
ブの開閉タイミングが不連続的に変化する。エンジン1
には、エンジン回転速度Ne[rpm]を検出するためのクラ
ンク角センサー1bが設置される。このエンジン1の動
力は、ベルト式無段変速機2および減速機9aを介して
車輪9bに伝達される。
【0009】ベルト式無段変速機2は、プライマリー・
プーリーとセカンダリー・プーリーの半径を油圧制御で
変えることによって、変速比が指令値に一致するように
制御される。また、ベルト式無段変速機2は発進用のロ
ックアップクラッチ付きトルクコンバーター(不図示)
を備えている。なお、この実施の形態ではベルト式無段
変速機2を例に上げて説明するが、無段変速機はベルト
式に限定されず、トロイダル式でもよい。また、ベルト
式無段変速機には金属ベルトや乾式複合ベルトなどを用
いることができる。
【0010】統括コントローラー3、エンジンコントロ
ーラー4および無段変速機コントローラー5はそれぞ
れ、マイクロコンピュータとその周辺部品や各種アクチ
ュエータの駆動回路などを備え、互いに通信線6を介し
て通信を行なう。統括コントローラー3は、駆動力指令
値For、駆動トルク指令値Tor、エンジントルク指令値
Ter、変速比指令値Gcvtrなどの演算や、車速制御、車
間距離制御などを行う。統括コントローラー3には、ア
クセルセンサー7、車速センサー8などが接続される。
アクセルセンサー7はアクセルペダルの踏み込み量acc
を検出し、車速センサー8は車速Vspを検出する。
【0011】エンジンコントローラー4は、エンジン回
転速度NeをパラメーターとしたエンジントルクTeに対
するスロットルバルブ開度TVOのマップデータから、エ
ンジントルク指令値Terとエンジン回転速度Neに対応
するスロットルバルブ開度指令値TVOrを表引き演算し、
エンジン1のスロットルバルブ開度TVOを制御する。エ
ンジンコントローラー4はまた、空燃比、吸排気バルブ
開閉タイミングや、燃料カットフラグFfcによる燃料カ
ット/リカバーなど、エンジン1の運転状態の切り換え
制御を行なう。エンジンコントローラー4にはクランク
角センサー1bが接続される。無段変速機コントローラ
ー5は変速比指令値Gcvtrにしたがって無段変速機2の
変速比を制御する。
【0012】統括コントローラー3にはまた、通信線6
を介してナビゲーションコントローラー10が接続され
る。ナビゲーションコントローラー10は、道路地図デ
ータとGPS機能により現在地の道路勾配θを検出す
る。
【0013】ここで、駆動力指令値Forまたは駆動トル
ク指令値Torを達成するエンジン運転点の決定方法を説
明する。図2はエンジン1の特性図を示す。図2のエン
ジントルクが正の第1象限には、等燃費線と等出力線と
の交点を連ねた最適燃費運転線が示されている。駆動力
指令値Forまたは駆動トルク指令値Torが正の場合に
は、基本的にこの最適燃費運転線上でエンジン1を運転
する。一方、エンジントルクが負の第4象限には、スロ
ットルバルブ全閉で且つ燃料カット状態で実現される負
のエンジントルク特性線、すなわちエンジンブレーキ特
性線が示されている。駆動力指令値Forまたは駆動トル
ク指令値Torが負の場合には、このエンジンブレーキ特
性線上でエンジン1を運転する。
【0014】駆動力指令値Forまたは駆動トルク指令値
Torが正の場合には、まず駆動力指令値Forまたは駆動
トルク指令値Torからエンジンの出力指令値Lrを演算
する。そして、図2に示すエンジン特性図の第1象限に
おいて、出力指令値Lrに相当する等出力線(破線)と
最適燃費運転線との交点を、駆動力指令値Forおよび駆
動トルク指令値Torを最少燃費で実現するエンジン1の
運転点に決定する。実際には、正のエンジン出力値に対
応した目標とするエンジン運転点、すなわち等出力線と
最適燃費運転線との交点で決まるエンジントルクおよび
エンジン回転速度を予めマップデータとして記憶してお
き、正の出力指令値Lrに対応するエンジントルク指令
値Terとエンジン回転速度指令値Nerを表引き演算によ
り求める。このエンジントルク指令値Terにしたがって
エンジン1を制御するとともに、エンジン回転速度指令
値Nerと車速Vspに基づいて無段変速機2の変速比指令
値Gcvtrを求め、無段変速機2を制御する。
【0015】駆動力指令値Forまたは駆動トルク指令値
Torが負の場合には、まず駆動力指令値Forまたは駆動
トルク指令値Torからエンジンの出力指令値Lrを演算
する。そして、図2に示すエンジン特性図の第4象限に
おいて、負の出力指令値Lrに相当する等出力線(破
線)とエンジンブレーキ特性線との交点を、負の駆動力
指令値Forおよび負の駆動トルク指令値Torを実現する
エンジン1の運転点に決定する。実際には、負のエンジ
ン出力値に対応した目標とするエンジン運転点、すなわ
ち等出力線とエンジンブレーキ特性線との交点で決まる
エンジントルクおよびエンジン回転速度を予めマップデ
ータとして記憶しておき、負の出力指令値Lrに対応す
るエンジントルク指令値Terとエンジン回転速度指令値
Nerを表引き演算により求める。このエンジントルク指
令値Terにしたがってエンジン1を制御する。この実施
の形態では、スロットルバルブ全閉で且つ燃料カット状
態でエンジントルク指令値Terを実現する。また、エン
ジン回転速度指令値Nerと車速Vspに基づいて無段変速
機2の変速比指令値Gcvtrを求め、無段変速機2を制御
する。
【0016】ところで、エンジンブレーキ力は、エンジ
ンのフリクションロス、ポンピングロス、オルターネー
ターやウオーターポンプなどの補機負荷により決まり、
個々のエンジンによる特性のばらつきや、経年変化、温
度変化、補機負荷状態による変動がある。つまり、実際
のエンジンブレーキ特性線(実際値)は、図3に示すよ
うに、予め計測したエンジンブレーキ特性線(初期値)
と異なる値を示す。したがって、負の駆動力指令値For
および負の駆動トルク指令値Torを実現するためのエン
ジンの運転点は、実際のエンジンブレーキ特性線を用い
て決定する必要がある。
【0017】この実施の形態では、実際の車両使用環境
において実際のエンジンブレーキ特性線を学習により推
定し、推定したエンジンブレーキ特性線を用いて負の駆
動力指令値Forおよび負の駆動トルク指令値Torを実現
するエンジンの運転点を決定する。
【0018】具体的には、スロットルバルブ全閉で且つ
燃料カット状態でエンジンブレーキ力により走行してい
る時に、異なる学習条件においてエンジン回転速度を検
出するとともにエンジントルクを推定し、エンジン回転
速度とエンジントルクの二次元平面上にエンジン回転速
度検出値とエンジントルク推定値とにより決まる学習点
を2点プロットする。そして、それらの学習点を通る直
線を実際のエンジンブレーキ特性線とする。
【0019】また、実際のエンジンブレーキ特性線の推
定精度を上げるために、2つの学習点の間の距離を大き
くする。すなわち、図3に示すように、出力指令値Lr
が範囲0>Lr>L1(L1は所定値)にある場合と、
範囲L2>Lr(L2は所定値でL1>L2とする)に
ある場合の、異なる条件において学習を行う。さらに、
車両が過渡状態にある時に学習を行うとエンジンブレー
キ特性線の推定精度が悪くなるので、出力指令値Lrが
上記範囲に所定時間留まった定常状態において学習を行
う。
【0020】今、出力指令値Lrが0>Lr>L1の範囲
の学習(以下、学習1と呼ぶ)において、エンジン回転
速度Ne1が検出されたとする。このエンジン回転速度N
e1に基づいて学習1の時のエンジントルクTe1を次式に
より推定する。
【数1】 Te1・Gcvt・Gf/Rt−Froad{Vsp,θ}=M・α 上式において、Gcvtは無段変速機2の実際の変速比、
Gfは減速機9aの減速比、Rtは車輪9bの有効半径、
Froad{Vsp,θ}は車速Vspと道路勾配θにより決ま
る走行抵抗関数、θはナビゲーションコントローラー1
0で求められた現在地の道路勾配、Mは車両質量、αは
加減速度である。
【0021】同様に、出力指令値LrがL2>Lrの範囲
の学習(以下、学習2と呼ぶ)において、エンジン回転
速度Ne2が検出されたとする。このエンジン回転速度N
e2に基づいて学習2の時のエンジントルクTe2を次式に
より推定する。
【数2】 Te2・Gcvt・Gf/Rt−Froad{Vsp,θ}=M・α
【0022】図3に示すように、学習1におけるエンジ
ン回転速度検出値Ne1とエンジントルク推定値Te1とに
より決まる学習点Aと、学習2におけるエンジン回転速
度検出値Ne2とエンジントルク推定値Te2とにより決ま
る学習点Bとを通る直線を、実際のエンジンブレーキ特
性を表す近似線とする。この近似線は一次関数Feb{N
e}、
【数3】Te=Feb{Ne}=k1・Ne+k2 で表され、この一次関数に学習1のデータ(Ne1,Te
1)と学習2のデータ(Ne2,Te2)を代入して定数k
1、k2を決定し、実際のエンジンブレーキ特性線を数
式で表す。なお、学習1と学習2が完了するまでは、定
数k1、k2に、予めエンジンブレーキ特性線を測定し
て得られた初期値を設定する。
【0023】このようにして推定されたエンジンブレー
キ特性線は、個々のエンジンによる特性のばらつきや、
経年変化、温度変化、補機負荷状態による変動のない、
正確な特性線であり、このエンジンブレーキ特性線を用
いてエンジンの運転点を決定することによって、負の駆
動力指令値Forと負の駆動トルク指令値Torを正確に実
現することができる。
【0024】この実施の形態では、学習1と学習2の2
点でエンジンブレーキ特性線を推定する例を示したが、
3点以上の学習によりエンジンブレーキ特性線を推定し
てもよい。N点の学習により推定を行う場合には、(N
−1)次の関数で近似計算すればよい。ただし、多くの
点で学習を行うとそれだけ学習精度を上げることはでき
るが、その分だけマイクロコンピューターの演算負荷が
増加することに留意しなければならない。
【0025】図4は、第1の実施の形態の駆動力制御プ
ログラムを示すフローチャートである。このフローチャ
ートにより、第1の実施の形態の動作を説明する。統括
コントローラー3は、所定の時間(10msec)ごとにこ
の駆動力制御プログラムを実行する。ステップ1におい
て、アクセルセンサー7によりアクセルペダル踏み込み
量accを計測する。次に、ステップ2で車速センサー8
により車速Vspを計測し、デジタルフィルターにより車
速Vspを近似微分して加減速度αを算出する。ステップ
3では、ナビゲーションコントローラー10から現在地
の道路勾配θを読み込むとともに、エンジンコントロー
ラー4からエンジン回転速度Ne[rpm]を読み込み、さら
に無段変速機コントローラー5から無段変速機2の変速
比Gcvtを読み込む。
【0026】ステップ4において、駆動トルク指令値T
orを算出する。まず、乗員のアクセルペダル踏み込み量
accに基づいて通常走行用駆動トルク指令値Tor1を求め
る。具体的には、車速Vspをパラメーターとしたアクセ
ルペダル踏み込み量accに対する駆動トルクToのマップ
を予め設定しておき、アクセルペダル踏み込み量acc
と車速Vspに対応する通常走行用駆動トルク指令値T
or1を表引き演算する。次に、車速Vspを乗員より設定
された車速指令値Vsprに一致させるための車速制御用
駆動トルク指令値Tor2を演算する。
【0027】図5は、車速フィードバック制御を示す制
御ブロック図である。この図を参照して車速制御用駆動
トルク指令値Tor2の演算方法を説明する。この演算
は、図5に示すように、線形制御手法であるモデルマッ
チング手法と近似ゼロイング手法による車速フィードバ
ック補償器を用いて行なう。車速フィードバック補償器
に組み込まれた制御対象の車両モデル(数式化モデル)
は、駆動力指令値y1(=For)を操作量とし、車速V
spを制御量としてモデル化することによって、相対的に
応答性の速いエンジンやトルクコンバータの過渡特性、
およびトルクコンバータの非線形定常特性を省略するこ
とができる。そして、例えば図6に示すような予め計測
されたエンジン非線形定常特性マップを用いて車両の駆
動力が駆動力指令値y1に一致するようなスロットルバ
ルブ開度指令値TVOrを算出し、実際のスロットルバルブ
開度TVOをサーボコントロールすることによって、エン
ジン非線形定常特性を線形化することができる。したが
って、駆動力指令値y1を入力とし、車速Vspを出力と
する車両モデルは積分特性となり、補償器ではこの車両
モデルの伝達特性をパルス伝達関数P(z-1)とおくこ
とができる。
【0028】図5において、zは遅延演算子であり、z
-n(n=1,2,・・)を乗ずるとnサンプリング周期
前の値となる。また、C1(z-1)、C2(z-1)は近
似ゼロイング手法による外乱推定器であり、外乱やモデ
ル化誤差による影響を抑制する。さらに、C3(z-1
はモデルマッチング手法による補償器であり、図7に示
すように、車速指令値Vsprを入力とし実車速Vspを出
力とした場合の制御対象の応答特性を、予め定めた一次
遅れとむだ時間要素を持つ規範モデルH(z-1)の特性
に一致させる。
【0029】制御対象の伝達特性は、パワートレインの
遅れであるむだ時間を考慮する必要がある。駆動力指令
値y1を入力とし実車速Vspを出力とする制御対象のパ
ルス伝達関数P(z-1)は、次式に示す積分要素P1
(z-1)と、むだ時間要素P2(z-1)(=z-n)の積
で表わすことができる。
【数4】 P1(z-1)=T・z-1/{M・(1−z-1)}, P(z-1)=T・z-1・z-n/{M・(1−z-1) ここで、Tはサンプリング周期(この実施形態では10
msec)、Mは平均車重である。
【0030】このとき、補償器C1(z-1)は次式で表
わされる。
【数5】 C1(z-1)=(1−γ)・z-1/(1−γ・z-1), γ=exp(−T/Tb) すなわち、補償器C1(z-1)は時定数Tbのローパス
フィルターである。
【0031】さらに、補償器C2(z-1)はC1/P1
として次式で表わされる。
【数6】C2(z-1)=M・(1−γ)・(1−z-1
/{T・(1−γ・z-1)} なお、補償器C2は、車両モデルの逆系にローパスフィ
ルターをかけたものであり、この補償器C2に実車速V
spを入力することによって実車速Vspに応じた駆動力、
すなわち走行抵抗などの外乱が含まれない実車速Vspの
みに応じた駆動力を求めることができる。
【0032】また、制御対象のむだ時間を無視して規範
モデルH(z-1)を時定数Taの1次ローパスフィルタ
ーとすると、補償器C3は次のような定数となる。
【数7】 C3=K={1−exp(−T/Ta)}・M/T
【0033】次に、モデルマッチング補償器C3
(z-1)に相当する部分の演算を行ない、実車速Vspか
ら車速指令値Vsprまで加速するための駆動力y4を求
める。データy(k)は今回のサンプリング時点における
駆動力、データy(k-1)は1サンプリング周期前の駆動
力を表わすものとすると、
【数8】y4(k)=K・{Vspr(k)−Vsp(k)}
【0034】また、図5に示す外乱推定器の一部のロバ
スト補償器C2(z-1)に相当する部分の演算を行な
い、実車速Vspに応じた駆動力、すなわち走行抵抗など
の外乱が含まれない実車速Vspのみに応じた駆動力y3
を演算する。
【数9】y3(k)=γ・y3(k-1)+(1−γ)・M・
{Vsp(k)−Vsp(k-1)}/T
【0035】駆動力y4を走行抵抗などの外乱推定値F
rで補正して駆動力指令値y1(k)を求める。上述した
ように、駆動力y3(k)は実車速Vspに応じた駆動力、
すなわち走行抵抗などの外乱が含まれない実車速Vspの
みに応じた駆動力である。一方、補償器C1はローパス
フィルターであるから、駆動力y2(k)はリミッター処
理後の駆動力y5をローパスフィルター処理した駆動力
である。この駆動力y2(k)にz-2を乗じた駆動力y2
(k-2)は駆動力y2(k)の2サンプリング周期前の値であ
り、パワートレインの遅れ(むだ時間)を考慮したパワ
ートレインの現在の実駆動力と見なすことができる。し
たがって、現在のパワートレインの駆動力y2(k-2)か
ら、走行抵抗などの外乱が含まれない実車速Vsp分の駆
動力y3(k)を減じれば、走行抵抗などの外乱を推定す
ることができる。そして、駆動力y4(k)を走行抵抗な
どの外乱推定値Frで補正し、外乱混入による駆動力不
足を補償するための駆動力指令値y1(k)(=For)を
求める。
【数10】 y1(k)=y4(k)−{y3(k)−y2(k-2)} =y4(k)+{y2(k-2)−y3(k)}, Fr=y2(k-2)−y3(k)
【0036】このように、近似ゼロイング手法で構成さ
れた外乱推定器は、制御対象モデルの出力と実際の制御
対象の出力との差に基づいて走行抵抗などの外乱を正確
に推定することができる。
【0037】次に、駆動力指令値y1を上下限値以内に
制限する。まず、スロットルバルブ全開時および全閉時
のエンジントルクをエンジン回転速度ごとに測定したマ
ップデータを用いて、現在のエンジン回転速度Neに対
応する最大エンジントルクTemaxと最小エンジントルク
Teminを表引き演算する。さらに、最大エンジントルク
Temaxと最小エンジントルクTeminから、次式により最
大駆動力Fmaxと最小駆動力Fminを求める。
【数11】Fmax=Temax・Gmax・Gf/Rt, Fmin=Temin・Gmax・Gf/Rt ここで、Gmaxは無段変速機2の最大変速比、Gfは減速
機9aの減速比、Rtは車輪9bの有効半径である。
【0038】駆動力指令値y1(k)を最大駆動力Fmaxと
最小駆動力Fmin以内に制限して駆動力y5(k)を求め
る。
【数12】 y1(k)≧Fmaxの場合は、y5(k)=Fmax, y1(k)≦Fminの場合は、y5(k)=Fmin, Fmin<y1(k)<Fmaxの場合は、y5(k)=y1(k)
【0039】また、外乱推定器の一部であるローパスフ
ィルターとしての補償器C1(z-1)に相当する部分の
演算を行なう。
【数13】 y2(k)=γ・y2(k-1)+(1−γ)・y5(k−1)
【0040】最後に、駆動力指令値y1(k)(=Fo
r)に基づいて車輪9bの有効半径Rtにより車速制御
用駆動トルク指令値Tor2を演算する。
【数14】Tor2=y1・Rt
【0041】ふたたび図4のステップ4へ戻って説明を
続ける。通常走行用駆動トルク指令値Tor1と車速制御
用駆動トルク指令値Tor2の内の大きい方を最終的な駆
動トルク指令値Torとする。続くステップ5で次式によ
り出力指令値Lrを算出する。
【数15】Lr=Tor・Vsp/Rt ステップ6において、出力指令値Lrの正負を確認す
る。出力指令値Lrが0または正の場合はステップ7へ
進み、負の場合はステップ8へ進む。
【0042】出力指令値Lrが0または正の場合は、ス
テップ7において、図2で説明したように出力指令値L
rに相当する等出力線と最適燃費運転線との交点からエ
ンジン回転速度指令値Nerとエンジントルク指令値Ter
を求め、さらに、エンジン回転速度指令値Nerと車速V
spに基づいて無段変速機2の変速比指令値Gcvtrを算出
する。続くステップ18で、通信線6を介してエンジン
トルク指令値Terをエンジンコントローラー4へ送ると
ともに、変速比指令値Gcvtrを無段変速機コントローラ
ー5へ送る。
【0043】一方、出力指令値Lrが負の場合は、ステ
ップ8において、学習1終了フラグFsf1によりエンジ
ンブレーキ特性の学習1が終了しているか否かを確認す
る。学習1が終了していない時はステップ9へ進み、負
の駆動力指令値Forおよび負の駆動トルク指令値Torを
達成するためのエンジン1の状態を設定する。この実施
の形態では、スロットルバルブ全閉で且つ燃料カット状
態においてエンジンブレーキ力を発生させるものとし、
スロットルバルブ開度指令値TVOrに0を設定するととも
に、燃料カットフラグFfcをセットしてエンジンコント
ローラー4へ出力する。
【0044】ステップ10において、出力指令値Lrが
所定範囲(0>Lr>L1)にあることを確認してエン
ジンブレーキ特性の学習を行う。すなわち、上述したよ
うに、エンジン回転速度Ne1を検出するとともに、エン
ジントルクTe1を推定する。続くステップ11で、学習
1の前後において出力指令値Lrが所定時間の間、所定
範囲(0>Lr>L1)に留まっていたことを確認し、
学習1終了フラグFsf1をセットして学習1を終了す
る。もし、学習1の前後において出力指令値Lrが所定
時間の間、所定範囲に留まっていなかった場合には、エ
ンジンブレーキの定常特性が学習できなかったと判断し
て学習1終了フラグFsf1をセットせず、次回にふたた
び学習1をやり直す。
【0045】ステップ8において、学習1終了フラグF
sf1がセットされ、学習1が終了している場合にはステ
ップ12へ進み、学習2終了フラグFsf2により学習2
が終了しているか否かを確認する。学習2が終了してい
る場合はステップ16へ進み、終了していない場合はス
テップ13〜15において学習2を行う。
【0046】ステップ13で、負の駆動力指令値Forお
よび負の駆動トルク指令値Torを達成するためのエンジ
ン1の状態を設定する。学習1の場合と同様に、スロッ
トルバルブ全閉で且つ燃料カット状態においてエンジン
ブレーキ力を発生させるものとし、スロットル開度指令
値TVOrに0を設定するとともに、燃料カットフラグFfc
をセットしてエンジンコントローラー4へ出力する。
【0047】ステップ14において、出力指令値Lrが
所定範囲(L2>Lr)にあることを確認してエンジン
ブレーキ特性の学習を行う。すなわち、上述したよう
に、エンジン回転速度Ne2を検出するとともに、エンジ
ントルクTe2を推定する。続くステップ15で、学習2
の前後において出力指令値Lrが所定時間の間、所定範
囲(L2>Lr)に留まっていたことを確認し、学習2
終了フラグFsf2をセットして学習2を終了する。も
し、学習2の前後において出力指令値Lrが所定時間の
間、所定範囲に留まっていなかった場合には、エンジン
ブレーキの定常特性が学習できなかったと判断して学習
2終了フラグFsf2をセットせず、次回にふたたび学習
2をやり直す。
【0048】ステップ16において、学習1と学習2が
すべて終了している場合は、学習1のデータ(Ne1,T
e1)と学習2のデータ(Ne1,Te1)に基づいて上記数
式3の定数k1とk2を決定し、エンジンブレーキ特性
線を推定する。なお、学習1,2が終了していない場合
は、予め設定されたエンジンブレーキ特性線(初期値)
を読み出す。続くステップ17では、出力指令値Lrに
相当する等出力線と推定したエンジンブレーキ特性線と
の交点を求め、エンジン1の運転点を決定する。具体的
には、出力指令値Lrの等出力線を表す数式、
【数16】Lr=Te・Ne と、推定したエンジンブレーキ特性線を表す数式、
【数17】Te=Feb{Ne} とを満たすNeを求め、エンジン回転速度指令値Nerと
する。さらに、次式によりエンジントルク指令値Terと
変速比指令値Gcvtrを求める。
【数18】Ter=Lr/Ne, Gcvtr=Ner・Rt/Vsp/Gf
【0049】次に、ステップ18で、通信線6を介して
エンジンコントローラー4へエンジントルク指令値Ter
を出力するとともに、無段変速機コントローラー5へ変
速比指令値Gcvtrを出力する。
【0050】図8は、第1の実施の形態による負の駆動
力の制御結果を示す。1回目の制動時は、予め設定され
たエンジンブレーキ特性線(初期値)を用いて負の駆動
力を制御するので、指令値For(破線)と実駆動力Fo
(実線)との誤差が大きい。2回目の制動時は、1回目
の制動時に学習したエンジンブレーキ特性線を用いて負
の駆動力を制御するので、指令値Forと実駆動力Foと
の誤差が小さくなる。
【0051】《発明の第2の実施の形態》エンジンとモ
ーターのいずれかまたは両方の駆動力により走行するハ
イブリッド車両に本発明を適用した第2の実施の形態を
説明する。
【0052】図9は第2の実施の形態の構成を示す。な
お、図1に示す第1の実施の形態の構成機器と同様な機
器に対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明す
る。無段変速機2のプライマリープーリーには交流モー
ター11が連結され、エンジン1とモーター11のいず
れかまたは両方の動力が無段変速機2、減速機9aを介
して車輪9bへ伝達される。この交流モーター11に
は、同期電動機、誘導電動機などを用いることができ
る。
【0053】インバーター12はバッテリー13の直流
電力を交流電力に変換して交流モーター11へ印加し、
駆動する。モーターコントローラー14はマイクロコン
ピューターとその周辺部品から構成され、インバーター
12によりモーター11の回転速度とトルクを制御す
る。バッテリーコントローラー15はマイクロコンピュ
ーターとその周辺部品から構成され、バッテリー13の
充電状態SOCを制御する。
【0054】この第2の実施の形態では、図4に示す駆
動力制御プログラムの学習1(ステップ9〜11)と学
習2(ステップ13〜15)を、図10に示すように実
行する。ステップ8において、学習1が終了していない
場合はステップ9A〜11Aで学習1を実行する。まず
ステップ9Aで、負の駆動力指令値Forおよび負の駆動
トルク指令値Torを達成するためのエンジン1の状態を
設定するとともに、変速比指令値Gcvtrとモータートル
ク指令値Tmrを設定する。この実施の形態では、スロッ
トルバルブ全閉で且つ燃料カット状態においてエンジン
ブレーキ力を発生させるものとし、スロットルバルブ開
度指令値TVOrに0を設定するとともに、燃料カットフラ
グFfcをセットしてエンジンコントローラー4へ出力す
る。また、変速比指令値Gcvtrを次式により算出して無
段変速機コントローラー5へ出力する。
【数19】Gcvtr=Ne3・Rt/Vsp/Gf さらに、モータートルク指令値Tmrを次式により算出し
てモーターコントローラー14へ出力する。
【数20】Tmr=(Lr−Te3・Ne3)/Ne3 ここで、Ne3,Te3は予め設定されたエンジンブレーキ
特性線(初期値)上の、所定範囲(0>(Ne3・Te3)
>L1’)(L1’は所定値)にある点である。
【0055】次に、ステップ10Aにおいて、エンジン
出力(Te3・Ne3)が所定範囲(0>(Te3・Ne3)>
L1’)にあることを確認してエンジンブレーキ特性の
学習を行う。すなわち、上述したようにエンジン回転速
度Ne3’を検出するとともに、エンジントルクTe3’を
次式により推定する。
【数21】(Te3’+Tmr)・Gcvtr・Gf/Rt−Fro
ad{Vsp,θ}=M・α 続くステップ11Aで、学習1の前後においてエンジン
出力(Te3・Ne3)が所定時間の間、所定範囲(0>
(Te3・Ne3)>L1’)に留まっていたことを確認
し、学習1終了フラグFsf1をセットして学習1を終了
する。もし、学習1の前後においてエンジン出力が所定
時間の間、所定範囲に留まっていなかった場合には、エ
ンジンブレーキの定常特性が学習できなかったと判断し
て学習1終了フラグFsf1をセットせず、次回にふたた
び学習1をやり直す。
【0056】ステップ12において、学習2が終了して
いない場合はステップ13A〜15Aで学習2を実行す
る。まずステップ13Aで、負の駆動力指令値Forおよ
び負の駆動トルク指令値Torを達成するためのエンジン
1の状態を設定するとともに、変速比指令値Gcvtrとモ
ータートルク指令値Tmrを設定する。学習1と同様に、
スロットルバルブ全閉で且つ燃料カット状態においてエ
ンジンブレーキ力を発生させるものとし、スロットルバ
ルブ開度指令値TVOrに0を設定するとともに、燃料カッ
トフラグFfcをセットしてエンジンコントローラー4へ
出力する。また、変速比指令値Gcvtrを次式により算出
して無段変速機コントローラー5へ出力する。
【数22】Gcvtr=Ne4・Rt/Vsp/Gf さらに、モータートルク指令値Tmrを次式により算出し
てモーターコントローラー14へ出力する。
【数23】Tmr=(Lr−Te4・Ne4)/Ne4 ここで、Ne4,Te4は予め設定されたエンジンブレーキ
特性線(初期値)上の、所定範囲(L2’>(Ne4・T
e4))(L2’は所定値で、L1’>L2’とする)に
ある点である。
【0057】次に、ステップ14Aにおいて、エンジン
出力(Ne4・Te4)が所定範囲(L2’>(Ne4・Te
4))にあることを確認してエンジンブレーキ特性の学
習を行う。すなわち、上述したようにエンジン回転速度
Ne4’を検出するとともに、エンジントルクTe4’を次
式により推定する。
【数24】(Te4’+Tmr)・Gcvtr・Gf/Rt−Fro
ad{Vsp,θ}=M・α 続くステップ15Aで、学習1の前後においてエンジン
出力(Ne4・Te4)が所定時間の間、所定範囲(L2’
>(Ne4・Te4))に留まっていたことを確認し、学習
2終了フラグFsf2をセットして学習2を終了する。も
し、学習2の前後においてエンジン出力が所定時間の
間、所定範囲に留まっていなかった場合には、エンジン
ブレーキの定常特性が学習できなかったと判断して学習
2終了フラグFsf2をセットせず、次回にふたたび学習
2をやり直す。
【0058】ステップ16では、上述したように、学習
1のデータ(Ne3’,Te3’)と学習2のデータ(Ne
4’,Te4’)に基づいて上記数式3の定数k1とk2
を決定し、エンジンブレーキ特性線を推定する。
【0059】このように、エンジン1とモーター11の
いずれかまたは両方の動力により走行するハイブリッド
車両では、エンジンブレーキ特性の学習時にエンジント
ルクとモータートルクの配分を自由に変えることができ
るので、学習時にエンジン1の運転点を任意の点に留め
ることが容易になり、エンジンブレーキ特性の学習機会
が増える。そのため、実際の正確なエンジンブレーキ特
性が早期に得られ、負の駆動力指令値Forおよび負の駆
動トルク指令値Torを達成することができる。
【0060】なお、上述した一実施の形態では乗員のア
クセルペダル踏み込み量と車速制御により駆動力指令値
または駆動トルク指令値を決定する車両に本発明を適用
した例を示したが、本発明は車間距離制御などの各種制
御により駆動力指令値または駆動トルク指令値を決定す
る車両にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 エンジンの特性図である。
【図3】 実際のエンジンブレーキ特性線の学習方法を
説明するための図である。
【図4】 第1の実施の形態の駆動制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図5】 車速フィードバック制御を示す制御ブロック
図である。
【図6】 エンジン非線形定常特性マップを示す図であ
る。
【図7】 モデルマッチング補償器を説明するための図
である。
【図8】 第1の実施の形態の駆動力の制御結果を示す
タイムチャートである。
【図9】 第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図10】 第2の実施の形態の駆動力制御プログラム
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 1a スロットルバルブアクチュエーター 1b クランク角センサー 2 無段変速機 3 統括コントローラー 4 エンジンコントローラー 5 無段変速機コントローラー 6 通信線 7 アクセルセンサー 8 車速センサー 10 ナビゲーションコントローラー 11 交流モーター 12 インバーター 13 バッテリー 14 モーターコントローラー 15 バッテリーコントローラー
フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA26 AA34 AA41 AA66 AB01 AC01 AC19 AC20 AD01 AD02 AD10 AD37 AD47 AD50 AD51 AE00 AE02 AE05 AE08 AE11 AE36 AE45 AF01 AF07 3G084 BA05 BA11 BA32 CA06 DA02 DA04 DA16 EB08 EB20 FA04 FA05 FA10 FA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の駆動力指令値または駆動トルク指令
    値を決定する指令値決定手段と、 エンジンブレーキ特性を学習するエンジンブレーキ特性
    学習手段と、 エンジンブレーキ特性に基づいて負の駆動力指令値また
    は負の駆動トルク指令値を達成するためのエンジントル
    ク指令値と変速比指令値を演算する指令値演算手段と、 エンジントルクがエンジントルク指令値に一致するよう
    にエンジンを制御するエンジン制御手段と、 変速比が変速比指令値に一致するように無段変速機を制
    御する無段変速機制御手段とを備えることを特徴とする
    無段変速機を装備した車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の無段変速機を装備した車
    両の駆動力制御装置において、 前記エンジンブレーキ特性学習手段は、エンジンをスロ
    ットルバルブ全閉で且つ燃料カット状態にして走行して
    いる時にエンジン回転速度を検出するとともにエンジン
    トルクを推定し、少なくとも2組のエンジン回転速度検
    出値とエンジントルク推定値によりエンジンブレーキ特
    性を表す近似線を求めることを特徴とする無段変速機を
    装備した車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の無段変速機を装備した車
    両の駆動力制御装置において、 前記車両は、エンジンとモーターのいずれか一方または
    両方の動力を無段変速機を介して駆動輪へ伝達する車両
    であって、 前記エンジンブレーキ特性学習手段は、エンジンをスロ
    ットルバルブ全閉で且つ燃料カット状態にするととも
    に、モーターからトルクを発生させて走行している時
    に、エンジン回転速度を検出するとともにエンジントル
    クを推定し、少なくとも2組のエンジン回転速度検出値
    とエンジントルク推定値によりエンジンブレーキ特性を
    表す近似線を求めることを特徴とする無段変速機を装備
    した車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の無段変速
    機を装備した車両の駆動力制御装置において、 前記エンジンブレーキ特性学習手段は、ナビゲーション
    装置により得られた現在地の道路勾配と車速とにより走
    行抵抗を求め、この走行抵抗を用いてエンジントルクを
    推定することを特徴とする無段変速機を装備した車両の
    駆動力制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの項に記載の無段
    変速機を装備した車両の駆動力制御装置において、 前記指令値決定手段は、車速を車速指令値に一致させる
    ための駆動力指令値または駆動トルク指令値を決定する
    ことを特徴とする無段変速機を装備した車両の駆動力制
    御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかの項に記載の無段
    変速機を装備した車両の駆動力制御装置において、 前記指令値決定手段は、乗員のアクセルペダル踏み込み
    量に基づいて駆動力指令値または駆動トルク指令値を決
    定することを特徴とする無段変速機を装備した車両の駆
    動力制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかの項に記載の無段
    変速機を装備した車両の駆動力制御装置において、 前記指令値決定手段は、前車との車間距離を車間距離指
    令値に一致させるための駆動力指令値または駆動トルク
    指令値を決定することを特徴とする無段変速機を装備し
    た車両の駆動力制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7050898B2 (en) 2001-09-26 2006-05-23 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle driving force control
JP2014520703A (ja) * 2011-06-27 2014-08-25 スカニア シーブイ アクチボラグ 車両の走行抵抗の決定
JP2018192842A (ja) * 2017-05-12 2018-12-06 いすゞ自動車株式会社 車両制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7050898B2 (en) 2001-09-26 2006-05-23 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle driving force control
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