JP2001173474A - 車両用加速度制御装置 - Google Patents

車両用加速度制御装置

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JP2001173474A
JP2001173474A JP35879299A JP35879299A JP2001173474A JP 2001173474 A JP2001173474 A JP 2001173474A JP 35879299 A JP35879299 A JP 35879299A JP 35879299 A JP35879299 A JP 35879299A JP 2001173474 A JP2001173474 A JP 2001173474A
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和彦 田添
Hideo Nakamura
英夫 中村
Toshimi Anpo
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の加速度を目標値に追従させながら道路
環境の変化を体感させて運転感覚を向上させる。 【解決手段】 道路勾配抵抗を推定し(S61)、道路
勾配推定値に応じて目標加速度を補正し(S62〜S6
3)、車両の加速度が目標加速度に一致するようにエン
ジントルクと変速比をフィードバック制御する。これに
より、車両の加速度をその目標値に追従させながら道路
環境の変化を体感させて運転感覚を向上させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンなどの走
行駆動源や有段あるいは無段変速機を制御して、自動車
の加速度をその目標値に追従させる車両用加速度制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクセルペダルの踏み込み量に応じた目
標加速度を設定するとともに、車速を微分して車両の実
加速度を求め、実加速度が目標加速度に一致するように
フィードバック制御し、変速したり道路勾配や積載荷重
が変化しても常に一定の加速度が得られるようにした車
両用加速度制御装置が知られている(例えば、特開平0
6−017684号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の車両用加速度制御装置では、例えば平坦路から
登坂路へ、あるいは平坦路から降坂路へ道路勾配が変化
しても加速度が変化せず、登坂路や降坂路にさしかかっ
た時の道路環境の変化が感じられず、かえって違和感が
あるという問題がある。
【0004】本発明の目的は、車両の加速度を目標値に
追従させながら道路環境の変化を体感させて運転感覚を
向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施の形態の目標加速
度補正ルーチンを示す図4に対応づけて本発明を説明す
ると、 (1) 請求項1の発明は、車両の加速度が目標加速度
に一致するようにフィードバック制御する車両用加速度
制御装置に適用され、道路勾配抵抗を推定する推定手段
(S61)と、道路勾配抵抗推定値に応じて目標加速度
を補正する補正手段(S62〜S63)とを備え、これ
により上記目的を達成する。 (2) 請求項2の車両用加速度制御装置は、補正手段
によって、登坂路を走行する場合は目標加速度を低減
し、降坂路を走行する場合は目標加速度を増加するよう
にしたものである。 (3) 請求項3の車両用加速度制御装置は、推定手段
によって、車両加速度と車両重量とを積算して車両を加
速するための駆動力を演算し、実際の車両の駆動力から
前記加速駆動力を減算して走行抵抗を求め、走行抵抗か
ら平坦路走行抵抗を減算して勾配抵抗を推定するように
したものである。
【0006】上述した課題を解決するための手段の項で
は、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を
用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定され
るものではない。
【0007】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、道路
勾配抵抗を推定し、道路勾配推定値に応じて目標加速度
を補正し、車両の加速度が目標加速度に一致するように
フィードバック制御するようにしたので、車両の加速度
をその目標値に追従させながら道路環境の変化を体感さ
せて運転感覚を向上させることができる。 (2) 請求項2の発明によれば、登坂路を走行する場
合は目標加速度を低減し、降坂路を走行する場合は目標
加速度を増加するようにしたので、登坂路では負荷が重
くなるのでその分だけ減速し、降坂路では負荷が軽くな
るのでその分だけ加速する、というごく自然な体感を乗
員に与えることができ、車両の加速度をその目標値に追
従させながら道路環境の変化に対する運転感覚を向上さ
せることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は一実施の形態の構成を示す
図である。一実施の形態の車両のパワートレインはエン
ジン1、ロックアップクラッチ付きトルクコンバーター
2および無段変速機(CVT)3から構成される。エン
ジン1は、電子制御式スロットルバルブアクチュエータ
ー(不図示)による吸入空気量制御と、インジェクター
(不図示)による燃料噴射制御と、点火装置(不図示)
による点火時期制御とにより、エンジントルクが制御さ
れる。ロックアップクラッチ付きトルクコンバーター2
のロックアップクラッチは、極低速域でのみ開放して停
車と発進とを可能にし、さらに振動をダンピングする。
一方、中高速域ではロックアップクラッチを締結して伝
達効率を向上させる。
【0009】無段変速機3は、ベルトを張るプライマリ
ープーリーとセカンダリープーリーの有効半径を油圧機
構(不図示)で調節して変速比を可変にする。なお、無
段変速機3はベルト式に限定されず、例えばトロイダル
式でもよい。また、無段変速機の代わりに有段変速機を
用いたパワートレインに対しても本発明を適用すること
ができる。
【0010】加減速度コントローラー4、エンジントル
クコントローラー5およびCVT&クラッチコントロー
ラー6はそれぞれ、マイクロコンピューターとROM、
RAM、A/Dコンバーター、各種タイマーなどの周辺
回路や、通信回路、各種アクチュエーターの駆動回路な
どを備え、互いに高速通信線14を介して通信を行う。
【0011】加減速度コントローラー4は、マイクロコ
ンピューターのソフトウエア形態により図2に示すよう
な制御ブロック4a〜4eを備え、アクセルペダル踏み
込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)と駆動輪の回転速
度(以下、車輪速と呼ぶ)による目標加速度の設定(4
a)、車輪速のバンドパスフィルター処理による加速度
推定値の演算(4b)、車輪速、エンジン回転速度、ス
ロットルバルブ開度および加速度推定値による道路勾配
の推定(4c)、道路勾配推定値による目標加速度の補
正(4d)、補正済み目標加速度と加速度推定値による
加速度フィードバック制御(4e)などを行う。加減速
度コントローラー4には、スロットルバルブの開度を検
出するスロットルセンサー7、アクセル開度を検出する
アクセルセンサー8、駆動輪13の周速(以下、車輪速
と呼ぶ)を検出するための車輪速センサー9が接続され
る。
【0012】エンジントルクコントローラー5は、吸入
空気量制御、燃料噴射制御および点火時期制御によりエ
ンジン1のトルクを制御する。エンジントルクコントロ
ーラー5には、エンジン1の回転速度を検出するための
クランク角センサー10が接続される。CVT&クラッ
チコントローラー6は、油圧機構(不図示)を制御して
無段変速機3の変速比を制御する。CVT&クラッチコ
ントローラー6には無段変速機3のプライマリープーリ
ーの回転速度を検出するためのプライマリー速度センサ
ー11と、セカンダリープーリーの回転速度を検出する
ためのセカンダリー速度センサー12とが接続される。
【0013】図3は、車両の加速度、エンジントルクお
よび無段変速機3の変速比を制御する制御プログラムを
示すフローチャートである。また、図4は目標加速度の
補正ルーチンを示すフローチャートである。これらのフ
ローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。
加減速度コントローラー4のマイクロコンピューター
は、所定の時間間隔、例えば10msecごとにこの制御プ
ログラムを実行する。ステップ1において、アクセルセ
ンサー8からアクセル開度Apoを読み込む。
【0014】ステップ2では、車輪速センサー9からの
パルス信号を計測してタイヤの有効半径Rに対する駆動
輪13の車輪速Vwを検出する。この実施の形態では、
駆動輪13の車輪速Vwが車速に等しいとする。続くス
テップ3で、CVT&クラッチコントローラー6から高
速通信線14を介して無段変速機3のプライマリープー
リーの回転速度ωp、セカンダリープーリーの回転速度
ωsおよび変速比Ip(=ωp/ωs)を読み込むととも
に、エンジントルクコントローラー5から高速通信線1
4を介してエンジン1の回転速度ωeを読み込む。さら
に、スロットルセンサー7によりスロットルバルブ開度
TVOを検出する。
【0015】ステップ4において、アクセル開度Apoと
車輪速Vwとに基づいて駆動輪13の目標加速度αw*
演算する。この実施の形態では、駆動輪13の目標加速
度αw*が車両の目標加速度に等しいとする。具体的に
は、図5に示すようなアクセル開度Apoと車輪速Vwに
対する目標加速度αw*のマップを設定しておき、検出し
たアクセル開度Apoと車輪速Vwに対する目標加速度αw
*を表引き演算する。なお、目標加速度αw*の設定方法
はこの実施の形態の設定方法に限定されず、例えばアク
セル開度Apoのみに応じて目標加速度αw*を設定するよ
うにしてもよい。
【0016】ステップ5では、車輪速Vwをバンドパス
フィルター処理して加速度推定値αwfを演算する。以
下、加速度推定値αwfの演算方法を説明する。まず、車
輪速Vwを入力とし加速度推定値αwfを出力とする連続
時間系の伝達関数Gbp(s)を次のように記述する。
【数1】 数式1において、sはラプラス演算子、ωnは固有角周
波数、ζnは減衰率であり、ωnとζnは車輪速Vwの検出
値に含まれるノイズレベルに応じて決定する。
【0017】次に、この伝達関数Gbp(s)を状態ベクト
ルによる表現に変換すると、図6に示すブロック線図で
表され、状態変数ベクトルXfを用いた状態方程式と出
力方程式は次のように記述される。
【数2】 d(Xf)/dt=Af・Xf+Bf・Vw, αwf=Cf・Xf+Df・Vw ・・・(2) 数式2において、Af、Bf、Cf、Dfは固有角周波数ω
nや減衰率ζnから決まる定数行列である。なお、状態変
数ベクトルXfはバンドパスフィルターの特性を表す変
数である。
【0018】バンドパスフィルターの出力である加速度
推定値αwf以外に、バンドパスフィルターの内部状態変
数ベクトルXfを算出する場合に、加速度制御用状態フ
ィードバック補償器の設計を連続時間系で行うため、連
続時間系の状態方程式と出力方程式の形で演算を行う。
積分演算をオイラー積分とすると、上記数式2の状態方
程式と出力方程式を、実際にマイクロコンピューターの
ソフトウエアで実行可能な差分方程式として次のように
表すことができる。
【数3】 Xf(k)=Xf(k-1)+Tsmp{Af・Xf(k-1)+Bf・Vw(k)}, αwf(k)=Cf・Xf(k)+Df・Vw(k) ・・・(3) 数式3において、Tsmpはサンプリング周期であり、こ
の実施の形態では10msecである。また、(k)は現在
値、(k−n)はnサンプリング前の値を示す。この数
式3を実行して加速度推定値αwfを求める。
【0019】ステップ6において、図4に示す目標加速
度補正ルーチンを実行し、道路勾配抵抗推定値Fkoubai
を演算し、道路勾配抵抗推定値Fkoubaiに応じた目標加
速度補正値Δαwにより目標加速度αw*を補正する。
【0020】図4のステップ61において、予め設定し
たスロットル開度TVOとエンジン回転速度ωeに対す
るエンジントルクTeのマップから、現在のスロットル
開度TVOとエンジン回転速度ωeに対するエンジント
ルクTeを表引き演算する。そして、無段変速機3の変
速比Ipと、無段変速機3と駆動軸15との間に設置さ
れる減速機16(図1参照)のギヤ比Ifをエンジント
ルクTeに乗じて駆動軸トルクTdとし、さらにこの駆動
軸トルクTdを駆動輪13のタイヤの有効半径rで除し
て駆動軸力推定値Fdを得る。
【数4】 Fd=Te・Ip・If/r ・・・(4)
【0021】次に、加速度推定値αwfに車両重量Mを乗
じて車両を加速するために必要な駆動軸力Fdrealを求
める。
【数5】 Fdreal=αwf・M ・・・(5) ここで、駆動軸力推定値Fdと実駆動軸力Fdrealとの差
が全走行抵抗値Fdisallに相当する。
【数6】 Fdisall=Fd−Fdreal ・・・(6)
【0022】また、予め設定した車輪速Vwに対する平
坦路走行抵抗Fdisflatのマップから、現在の車輪速Vw
に対する平坦路走行抵抗値Fdisflatを表引き演算す
る。そして、すでに算出した全走行抵抗値Fdisallと平
坦路走行抵抗値Fdisflatとの差を道路勾配抵抗値Fkou
baiとして求める。
【数7】 Fkoubai=Fdisall−Fdisflat ・・・(7)
【0023】続くステップ62では、予め設定した道路
勾配抵抗値Fkoubaiに対する目標加速度補正値Δαwの
マップ(図7参照)を用いて、算出した道路勾配抵抗値
Fkoubaiに対応する目標加速度補正値Δαwを表引き演
算する。ステップ63では、算出した目標加速度補正値
Δαwをステップ4で求めた目標加速度αw*に加算して
補正する。
【0024】目標加速度αw*を補正後、ふたたび図3の
制御プログラムへリターンしてステップ7へ進む。ステ
ップ7では、目標エンジントルクTe*から実際のエンジ
ントルクTeまでを簡易な一次遅れモデルとし、目標エ
ンジントルクTe*に対するエンジントルクTeを推定す
る。まず、目標エンジントルクTe*からエンジントルク
Teまでの連続時間系の伝達関数を次のように記述す
る。
【数8】 数式8において、Tengは時定数である。
【0025】数式8をタスティン近似などで離散化し、
実際にマイクロコンピューターのソフトウエアで実行可
能な差分方程式を求めて実行する。
【数9】 Te(k)=TEN0・Te*(k)+TEN1・Te*(k-1)+TED1・Te(k-1) ・・・(9) 数式9において、TEN0、TEN1、TED1は、時定数Teng
およびサンプリング周期Tsmpから決まる定数である。
なお、後述するステップ9において目標エンジントルク
Te*を演算して更新するまでは、前回このプログラムを
実行したときに演算した値をTe*に代入する。
【0026】ステップ8では、予め設定したエンジン運
転点拘束線マップ(図8参照)からエンジントルク推定
値Teに対応するエンジン回転速度ωeを表引き演算す
る。エンジン運転点拘束線マップ図8において、正のト
ルク域ではエンジン最適燃費(効率)運転線を拘束線と
して用い、負のトルク域ではエンジンブレーキ特性線を
拘束線として用いる。なお、エンジン最適燃費運転線は
エンジン等出力線上の最も燃料消費量が少ないエンジン
運転点を連ねた特性線である。また、エンジンブレーキ
特性線はスロットルバルブ全閉で、且つ燃料カット時の
エンジン運転点であり、このエンジンブレーキ特性線に
沿って制御することにより、無段変速機3のダウンシフ
ト時のエンジンブレーキ制御を可能にする。
【0027】この実施の形態では、トルクコンバーター
2のロックアップクラッチが締結された状態のみを考え
るので、エンジン回転速度ωeは無段変速機3のプライ
マリープーリーの回転速度ωpに等しい。そこで、図8
のマップから表引き演算して求めたエンジン回転速度ω
eを目標プライマリー回転速度ωp*とする。そして、目
標プライマリー回転速度ωp*と実際のプライマリープー
リーの回転速度ωpとの偏差を積分した値Zを算出す
る。
【数10】 Z(k)=Z(k-1)+Tsmp{ωp*(k)−ωp(k)} ・・・(10)
【0028】ステップ9では、加減速制御用フィードバ
ック補償器の演算を行う。この実施の形態では、実用的
な線形制御手法の一つであるモデルフォローイング制御
手法を用いる。以下にその制御系設計手法を説明する。
【0029】まず、制御系設計用のプラントモデルの導
出を行う。この実施の形態では、実際のパワートレイン
モデルに対して、上述したバンドパスフィルターモデル
と、上述したエンジン運転点拘束条件に関する偏差積分
モデル(状態変数Z)を結合した拡大系モデルを制御系
設計用プラントモデルとする。なお、エンジン運転点拘
束条件に関する偏差積分モデルは、非線形マップを特定
点で線形近似した次式を用いる。
【数11】 dZ/dt=ka・Tp−ωp ・・・(11) 数式11において、Tpは無段変速機3の入力トルクで
あり、kaは図8に示すエンジン運転点拘束線の傾き、
すなわちka=ωe/Teである。
【0030】拡大系モデルを、図9に示す状態ベクトル
を用いたブロック線図で表し、連続時間系の状態方程式
および出力方程式の形で次のように記述する。ただし、
この実施の形態ではトルクコンバーター2のロックアッ
プクラッチの締結状態のみを考えるので、無段変速機3
の入力トルクTpはエンジントルクTeに等しいとする。
【数12】 数式12において、入力数2、出力数1、状態数6であ
り、Ap、Bp、Cp、Dpは定数行列である。また、Tp*
は無段変速機3の目標入力トルク、Ip*は無段変速機3
の目標変速比、xf1、xf2は数式1に示す二次式で表し
たバンドパスフィルターの内部状態変数Xfの要素であ
る。
【0031】目標加速度αw*に対する推定加速度αwfの
望ましい応答性を示す規範モデルを一次遅れとし、その
伝達関数、状態方程式および出力方程式を次のように表
す。
【数13】 Gm(s)=αref(s)/αw*(s)=1/(Tαw・s+1), d(xm)/dt=Am・xm+Bm・αw*, αref=Cm・xm+Dm・αw* ・・・(13) 数式13において、Tαwは時定数である。
【0032】以上の拡大系モデルと規範モデルに、状態
フィードバックを用いたモデルフォローイング制御手法
を用いて加速度フィードバック制御系を構成した場合の
制御ブロック線図を図10に示す。なお、図10におい
て太線はベクトルを表し、細線はスカラーを表す。この
ような加速度フィードバック補償器を構成することによ
って、規範モデル加速度αrefに推定加速度αwfが定常
偏差なく追従する。また同時に、状態フィードバックに
よってすべての状態変数が安定化される。つまり、状態
変数の一つであるプライマリープーリーの回転速度偏差
積分量Zも安定化されるため、結果として無段変速機3
のプライマリープーリーの目標回転速度ωp*に実回転速
度ωpが定常偏差なく追従する。
【0033】図10に示される状態フィードバックゲイ
ンK(定数行列)は、拡大系プラントモデルと規範モデ
ルをさらに結合した下記結合モデルに対して、一般的な
最適レギュレーター手法などを用いて求める。ただし、
規範モデル加速度αrefと推定加速度αwfの偏差積分量
をXiとする。
【数14】
【0034】次に、実際の処理をマイクロコンピュータ
ーのソフトウエアで実行可能な差分方程式の形に表す。
まず、規範モデルの演算は次の差分方程式により実行す
る。
【数15】 αref(k)=MAN0・αw*(k)+MAN1・αw*(k-1)+MAD1・αref(k-1) ・・・(15) 数式15において、MAN0、MAN1、MAD1は上記数式1
3をタスティン近似などで離散化して得られた定数であ
る。次に、加速度の偏差積分演算は次の差分方程式によ
り実行する。
【数16】 Xi(k)=Xi(k-1)+Tsmp{αref(k)−αwf(k)} ・・・(16) さらに、状態フィードバック演算は次の差分方程式によ
り実行する。
【数17】 また、目標エンジントルクTe*の決定は、トルクコンバ
ーター2のロックアップクラッチが締結されている状態
で、
【数18】 Te*=Tp* ・・・(18) とする。
【0035】ステップ10において、加速度制御用モデ
ルフォローイング補償器で演算された目標エンジントル
クTe*、目標変速比Ip*に上下限リミッター処理を施
し、エンジントルクコントローラー5およびCVT&ク
ラッチコントローラー6で達成可能な値にそれぞれ制限
し、最終的なエンジントルク指令値Te*および変速比指
令値Ip*とする。続くステップ11では、エンジントル
ク指令値Te*をエンジントルクコントローラー5へ、変
速比指令値Ip*をCVT&クラッチコントローラー6へ
それぞれ高速通信線14を介して出力する。エンジント
ルクコントローラー5はエンジントルクTeが指令値Te
*となるように制御し、CVT&クラッチコントローラ
ー6は無段変速機3の変速比Ipが指令値Ip*となるよ
うに制御する。
【0036】図11は、この実施の形態による加速度制
御結果を示すタイムチャートである。車両が平坦路から
登坂路(T1〜T4)を走行し、続いて降坂路(T5〜
T8)を走行した場合に、従来の加速度フィードバック
制御では、初期状態の加速度αwを一定に保ちながら登
坂路と降坂路を走行する。この時、乗員は視覚的に登坂
路と降坂路を認識できるものの、走行環境の変化が車両
から伝わってこない。つまり、登坂路では負荷が重くな
るのでその分だけ減速し、降坂路では負荷が軽くなるの
でその分だけ加速する、というごく自然な体感がまった
くなく、かえって違和感を感じる。
【0037】この実施の形態では、道路勾配抵抗推定値
Fkoubaiにより登坂路と降坂路を判定し、加速度フィー
ドバック制御系に入力される目標加速度αw*を補正す
る。つまり、登坂路と判定した場合には、図7に示す目
標加速度補正マップにより目標加速度αw*のマイナス補
正を行い、目標加速度αw*を低減してわざと減速し、登
坂路にさしかかったことを乗員に体感させる。また、降
坂路と判定した場合には、目標加速度補正マップにより
目標加速度αw*のプラス補正を行い、目標加速度αw*
増加してわざと加速し、降坂路にさしかかったことを乗
員に体感させる。これにより、車両の加速度を目標値に
追従させながら道路環境の変化を体感させて運転感覚を
向上させることができる。
【0038】ただし、登坂路および降坂路における目標
加速度αw*の補正量Δαwには、従来の加速度フィード
バック制御における乗員の要求駆動力の実現を損なわな
いように、最適な運転感覚が得られる程度の値を設定す
る必要がある。
【0039】以上の実施の形態の構成において、加減速
度コントローラー4の道路勾配推定ブロック4cが推定
手段を、加減速度コントローラー4の目標加速度補正ブ
ロック4bが補正手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 加減速度コントローラーの制御ブロック図で
ある。
【図3】 車両の加速度、エンジントルクおよび変速機
の変速比を制御する制御プログラムを示すフローチャー
トである。
【図4】 目標加速度の補正ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図5】 目標加速度を設定するためのマップ例を示す
図である。
【図6】 車輪速を入力とし加速度推定値を出力とする
連続時間系の伝達関数を状態ベクトルにより表現したブ
ロック線図である。
【図7】 道路勾配抵抗値に対する目標加速度補正値の
マップ例を示す図である。
【図8】 エンジン回転速度に対するエンジントルクの
特性曲線を示す図である。
【図9】 制御系設計用拡大モデルを状態ベクトルによ
り表現したブロック線図である。
【図10】 モデルフォローイング制御手法を用いた加
速度フィードバック制御系を示す制御ブロック図であ
る。
【図11】 一実施の形態の加速度制御結果を示すタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 ロックアップクラッチ付きトルクコンバーター 3 無段変速機 4 加減速度コントローラー 5 エンジントルクコントローラー 6 CVT&クラッチコントローラー 7 スロットルセンサー 8 アクセルセンサー 9 車輪速センサー 10 クランク角センサー 11 プライマリー速度センサー 12 セカンダリー速度センサー 13 駆動輪 14 高速通信線 15 駆動軸 16 減速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安保 敏巳 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G093 AA06 BA15 DA01 DA06 DB00 DB03 DB05 DB18 DB21 EA05 EA06 EA13 EB02 FA01 FA07 FA10 FB01 FB02 3G301 HA01 JA03 KA12 LA01 LB01 MA11 NB12 PA11Z PE01Z PE03Z PF01Z PF02A PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の加速度が目標加速度に一致するよう
    にフィードバック制御する車両用加速度制御装置におい
    て、 道路勾配抵抗を推定する推定手段と、 道路勾配抵抗推定値に応じて目標加速度を補正する補正
    手段とを備えることを特徴とする車両用加速度制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用加速度制御装置に
    おいて、 前記補正手段は、登坂路を走行する場合は目標加速度を
    低減し、降坂路を走行する場合は目標加速度を増加する
    ことを特徴とする車両用加速度制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用加
    速度制御装置において、 前記推定手段は、車両加速度と車両重量とを積算して車
    両を加速するための駆動力を演算し、実際の車両の駆動
    力から前記加速駆動力を減算して走行抵抗を求め、走行
    抵抗から平坦路走行抵抗を減算して勾配抵抗を推定する
    ことを特徴とする車両用加速度制御装置。
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