JPH10272546A - 連続鋳造における湯面レベル変動防止方法およびその装置 - Google Patents

連続鋳造における湯面レベル変動防止方法およびその装置

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JPH10272546A
JPH10272546A JP8035897A JP8035897A JPH10272546A JP H10272546 A JPH10272546 A JP H10272546A JP 8035897 A JP8035897 A JP 8035897A JP 8035897 A JP8035897 A JP 8035897A JP H10272546 A JPH10272546 A JP H10272546A
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molten metal
level
continuous casting
mold temperature
mold
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JP8035897A
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Noriyuki Suzuki
木 規 之 鈴
Toru Akashi
石 透 明
Shigeaki Ogibayashi
林 成 章 荻
Toshiyuki Kajitani
谷 敏 之 梶
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発散的な湯面レベル変動に至る前に、その発
生を予知し防止策を取れる、連続鋳造における湯面レベ
ル変動防止方法およびその装置を提供する。 【解決手段】 鋳型温度の時間変動を検知し、その変動
量あるいは変動の規則性の程度あるいはその双方が、予
め設定した閾値を超えた場合に、鋳造条件を変更するこ
とを特徴とする。また鋳型温度変動の特定周波数に対応
するスペクトル強度を、変動の規則性の程度として用い
ることを特徴とする。また、鋳造条件の変更が、引き抜
き速度の低減、あるいは連続鋳造用パウダーの低粘度
化、あるいは鋳型の振動条件、あるいは電磁撹拌流速の
低減、あるいは2次冷却帯の冷却水量の増大、あるいは
特定周波数に対応する注入量制御系の周波数ゲインを低
下させること、あるいはこれら複数の組み合わせである
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造における
湯面レベル変動防止方法およびその装置に関し、特に、
スラブの高速鋳造の際に発生する、発散的な湯面レベル
変動を防止できる、連続鋳造における湯面レベル変動防
止方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属の連続鋳造においては、湯面レ
ベルを一定に制御することが、鋳片の品質を保つ上で重
要である。湯面レベルの変動の原因は、注湯ノズルの詰
まりや閉塞に起因する溶融金属注入量の変動、2次冷却
帯におけるバルジング量の変動などが考えられる。特
に、スラブ等の高速鋳造においては、特定周波数に対応
した発散的な湯面レベル変動が発生し、従来の湯面レベ
ル検出に基づく湯面制御方法では対処できず、表面品質
欠陥、さらにはオーバーフローや鋳造不能に至る場合が
ある。
【0003】従来、このような湯面レベルの変動に対し
て、湯面レベルの検出手段とスライディングノズルやス
トッパーといった溶融金属の注入量制御手段を組み合わ
せた湯面レベル制御方法が一般に用いられ、特に注入量
の制御法に関しては、多数の報告がなされている。
【0004】湯面レベルの検出方法には、例えば、特開
昭52−50930号公報に記載の、鋳型内の複数の熱
電対群から湯面レベルを推定する方法や、特公昭54−
42845号公報に記載の、流体圧力差から検出する方
法や、特開昭53−76926号公報に記載の、渦流式
距離計を用いる方法などがある。
【0005】また、注入流制御方法は、前記湯面レベル
検出結果に基づき、ストッパーやスライディングノズル
の開度を調節する最も単純なフィードバック制御に加
え、例えば、特開平2−192863号公報,特開平3
−155440号公報,特開平4−105760号公報
などに記載の、湯面レベル計の検出結果を周波数解析
し、周波数に応じて制御方法を変更する方法や、特開平
8−147044号公報に記載の、非定常バルジング等
の外乱を予め推定したモデルを用いて補正する方法など
が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の湯面レベル制御方法は、いずれも直接湯面レベ
ルの検出に基づくフィードバック制御方法であって、一
般に高速鋳造においては、湯面の波立ちや盛り上がり等
の外乱が増大すること、また注入量が増大し応答性が悪
化することなどにより、微小な湯面レベル変動の段階
で、特定の周波数や微小変動量を事前に検知することは
極めて困難である。また、湯面レベルが一旦大きくなっ
てしまった後では、凝固シェル厚の不均一な部分は、既
に2次冷却帯に達しており、それを迅速に低減すること
は不可能である。さらにまた、外乱を予め推定する方法
は、種々の鋳造条件に対して適切なモデルを推定するこ
とは極めて困難である。
【0007】そこで、本発明は、上記課題を有利に解決
して、発散的な湯面レベル変動に至る前に、その発生を
予知して適切な防止策を取ることのできる、連続鋳造に
おける湯面レベル変動防止方法およびその装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】発散的な湯面レベル変動
現象に対しては、その変動ピッチは2次冷却帯のロール
ピッチに対応することが一般に知られているが、本発明
者らは、さらに検討した結果、次のことを見出した。す
なわち、湯面レベル変動振幅の増大に先立つ、正常な微
小湯面レベル変動状態において、凝固シェル厚が鋳造方
向に規則的に変動していること、また2次冷却帯におけ
るバルジング量が変動していること、さらにバルジング
変動およびシェル厚変動のピッチが特定の周波数で一致
していることなどが、本発明者らの調査で明らかとな
り、規則的な凝固シェル厚変動が、発散的な湯面レベル
の原因であることを見出した。
【0009】本発明は以上の知見に基づいて構成された
ものであり、その要旨は、下記の通りである。
【0010】(1) 溶融金属の連続鋳造における湯面
レベル変動の防止方法において、鋳型温度の時間変動を
検知し、該鋳型温度の時間変動量が予め設定した閾値を
超えた場合に、鋳造条件を変更することを特徴とする連
続鋳造における湯面レベル変動防止方法。
【0011】(2) 溶融金属の連続鋳造における湯面
レベル変動の防止方法において、鋳型温度の時間変動を
検知し、次いでその鋳型温度変動の規則性の程度を解析
し、この規則性の程度が予め設定した閾値を超えた場合
に、鋳造条件を変更することを特徴とする連続鋳造にお
ける湯面レベル変動防止方法。
【0012】(3) 溶融金属の連続鋳造における湯面
レベル変動の防止方法において、鋳型温度の時間変動を
検知し、次いでその鋳型温度変動の規則性の程度を解析
し、前記鋳型温度の時間変動量と前記鋳型温度変動の規
則性の程度の双方が予め設定したそれぞれの閾値を超え
た場合に、鋳造条件を変更することを特徴とする連続鋳
造における湯面レベル変動防止方法。
【0013】(4) 前記鋳型温度変動の規則性の程度
を表す指標が、鋳型温度変動を周波数解析し、特定の周
波数に対応するスペクトル強度であることを特徴とする
上記(2)または(3)に記載の連続鋳造における湯面
レベル変動防止方法。
【0014】(5) 前記鋳造条件の変更を、引き抜き
速度の低減、より低粘性の連続鋳造用パウダーへの変
更、鋳型の振動条件の変更、電磁撹拌流速の低減、2次
冷却帯の冷却水量の増大の中から選ばれる1つの対応策
で、または2つ以上の対応策の組み合わせで、実施する
ことを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか1
項に記載の連続鋳造における湯面レベル変動防止方法。
【0015】(6) 前記鋳造条件の変更を、特定周波
数に対応する注入量制御系の周波数ゲインを低下させる
ことにより実施することを特徴とする上記(4)に記載
の連続鋳造における湯面レベル変動防止方法。
【0016】(7) 溶融金属の連続鋳造における湯面
レベル変動の防止装置において、鋳型温度の時間変動を
検知する手段と、該鋳型温度の時間変動量が予め設定し
た閾値を超えた場合に鋳造条件変更指令を出す解析装置
とを有することを特徴とする連続鋳造における湯面レベ
ル変動防止装置。
【0017】(8) 溶融金属の連続鋳造における湯面
レベル変動の防止装置において、鋳型温度の時間変動を
検知する手段と、該鋳型温度の時間変動の規則性の程度
を解析する手段と、該鋳型温度変動の規則性の程度が予
め設定した閾値を超えた場合に、または前記鋳型温度の
時間変動量と前記鋳型温度変動の規則性の程度の双方が
予め設定したそれぞれの閾値を超えた場合に鋳造条件変
更指令を出す解析装置とを有することを特徴とする、連
続鋳造における湯面レベル変動防止装置。
【0018】(9) 前記鋳型温度変動の規則性の程度
を解析する手段として、鋳型温度の時間変動の周波数解
析を行う手段を有することを特徴とする上記(8)に記
載の連続鋳造における湯面レベル変動防止装置。
【0019】(10) 前記鋳造条件変更指令を出す解
析装置が、引き抜き速度の低減、より低粘性の連続鋳造
用パウダーへの変更、鋳型の振動条件の変更、電磁撹拌
流速の低減、2次冷却帯の冷却水量の増大、特定周波数
に対応する注入量制御系の周波数ゲインの低下の中から
選ばれる1つの指令を、または2つ以上を組み合わせた
指令を出すことを特徴とする上記(7)ないし(9)の
いずれか1項に記載の連続鋳造における湯面レベル変動
防止装置。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、温度検出手段を有する
連続鋳造用鋳型内において、凝固状態の変動,不均一を
検知することにより、発散的な湯面レベル変動に至るよ
り事前に、その兆候を捉え、その防止が可能となる。
【0021】図1は、本発明の連続鋳造における湯面レ
ベル変動防止装置の概略を、鋳型の縦断面図で示したも
のである。同図の装置では、鋳型内に熱電対2が埋め込
まれており、溶融金属3は、注入ノズル4を介して鋳型
1に注入される。また、溶融金属3は、鋳型1および2
次冷却帯のスプレー7で冷却され、凝固シェル5を形成
しながら、ピンチロール6で連続的に引き抜かれる。ま
た、注入量を調節するスライディングノズル8を備え、
鋳型1内の溶融金属3を撹拌するための電磁撹拌コイル
9も備えている。また、パウダー10が、鋳型1と凝固
シェル5の界面における潤滑および伝熱制御のため、鋳
型1上方から適宜投入される。熱電対2に発生する起電
力は、変換器11により鋳型温度に変換され、演算装置
12により特徴量が算出される。演算装置12において
は、予め設定した時間範囲内の特徴量を算出し、比較装
置13において予め設定した閾値を超えた場合に、鋳造
条件を変更する。
【0022】次に、演算装置12における温度データの
解析方法と特徴量の算出方法を示す。 特徴量として、
まず、予め設定した時間区間における温度変動量につい
て説明する。この変動量を表す指標としては、例えば、
(1)式に示す標準偏差Sを用いる。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、Nは、現時刻までの予め設定した
時間区間における温度データの個数であり、Tiはその
i番目の温度データであり、Tmは予め設定した時間区
間における温度データの平均値である。このTmは、次
式のように計算される。
【0025】 Tm=(ΣTi)/N ・・・(2) ここで、変動量を表す指標は、(1)式に示した標準偏
差に限定されるものではなく、その他の統計量、例えば
分散や振幅であってもよい。
【0026】次の特徴量として、温度変動の規則性を表
す指標について説明する。この規則性の程度を表す指標
は、鋳型温度の時系列データを例えば高速フーリエ変換
(FFT)を用いて周波数解析して得られる特定の周波
数に対応するスペクトル強度であり、例えば、(3)式
のように計算される。
【0027】 F1=ΣP(j×fk)/ΣP(fi) ・・・(3) i=1〜N、j=1〜M ここで、F1[−]は無次元化したスペクトル強度であ
り、スペクトル強度の総和に対する高次成分を含めた特
定周波数成分の占める比率を表す。P(fi)[−]
は、周波数fi[Hz]のスペクトル強度であり、fk
[Hz]は特定周波数である。この特定周波数は、スペ
クトル強度が最大となる周波数、あるいは、2次冷却帯
のロールピッチをL[m]、引き抜き速度をVc[m/
s]として、(4)式で表される値、のいずれかが望ま
しい。
【0028】 fk=Vc/L ・・・(4) 次に、比較装置13においては、各時刻で、変動量ある
いは規則性の程度を表す指標、あるいはその双方が、予
め設定した閾値よりも大きくなれば鋳造条件を変更し、
閾値よりも小さければそのままの条件で鋳造を続ける。
ここで、鋳型温度の測定点は、一点に限定されるもので
はなく、鋳型内の複数点の温度データについて前述した
特徴量を算出し、各点の平均値あるいは最大値を閾値と
比較しても良い。
【0029】次に、鋳造条件の変更方法について示す。
前述した方法により、鋳型内で凝固の不均一が検知され
た場合には、直ちに、凝固を均一化させる操作、あるい
は、湯面レベル変動が発散的に増大するのを抑制する操
作を施す。鋳型潤滑,伝熱制御のため、一般に溶融金属
の連続鋳造においては、パウダーを用いるが、鋳型と凝
固シェル間へのパウダー流入を促進させる操作を行うこ
とにより、凝固を均一化させることが可能となる。すな
わち、引き抜き速度の低減,パウダー粘度の低減によ
り、パウダー流入量を増大させることができる。また、
溶融金属の連続鋳造においては、鋳片と鋳型の焼き付き
防止等のために鋳型を鋳片引き抜き方向に振動させてい
るが、鋳型振動における鋳型下降速度が鋳片引き抜き速
度よりも速くなる時間(ネガティブストリップ時間)を
増大させることによっても、パウダー流入量を増大させ
ることができる。また、溶融金属の連続鋳造において
は、品質向上を目的として、電磁力により溶融金属を撹
拌する装置が用いられることが多いが、撹拌力を低減す
ると、メニスカス近傍の溶融金属の温度が低下し、パウ
ダー流入量を増大させることができる。
【0030】また、2次冷却帯における冷却水量を増大
させることにより、一旦発生した凝固シェル厚の不均一
を緩和させることができる。すなわち、一般に凝固シェ
ル厚の薄い部分は、表面温度が高く、その他の部分に比
較して冷却が促進されるため、冷却水量をさらに増大さ
せることにより、シェル厚を均一化させることが可能と
なる。
【0031】鋳型温度の変動が規則的になってきた場合
には、溶融金属の注入量制御において、その周波数帯の
ゲインを低減させることにより、変動が発散的に増大す
ることを防止することが可能となる。
【0032】なお、鋳造条件の変更は、上記のいずれか
一つに限定されるものではなく、複数操作を組み合わせ
て、実施してもかまわない。
【0033】
【実施例】次に、本発明の連続鋳造における湯面レベル
変動防止方法およびその装置を用いて、炭素鋼の連続鋳
造を実施した例について説明する。
【0034】鋳造条件は、次の通りである。 ・鋳片寸法:幅1500mm×厚み250mm、 ・鋼種 :中炭素鋼、 ・鋳造速度:1.6m/分、 ・パウダー粘度:1.5poise、 ・2次冷却帯ロールピッチ:260mm。
【0035】鋳型温度は、鋳型上端から250mmの位
置に埋め込んだ熱電対を用いて1秒毎に測定し、63秒
前からのデータ計64点を用いて、温度変動の標準偏
差、およびFFT解析によりスペクトル強度の計算を行
った。スペクトル強度の計算には、2次冷却帯ロールピ
ッチに対応する、周波数0.103Hzを特定周波数と
して解析した。
【0036】−比較例− まず始めに、本発明の方法を用いずに、従来の方法で鋳
造した例を示す。図2には、上記の鋳造条件を一定に保
持したままで鋳造した場合の、湯面レベル計を用いて計
測した湯面レベルの時系列変化の一例を示す。ここで、
湯面レベルは、鋳型上端からの距離で表しており、0.
1mに保持されるよう、通常の注入量制御を行ってい
る。この例においては、1500秒付近から、湯面レベ
ル変動が次第に増大し発散して、1800秒以降、鋳造
を停止した。
【0037】この時の、鋳型温度,鋳型温度変動の標準
偏差、および、特定周波数のスペクトル強度の時系列変
化を、図3,図4および図5に示す。ここで、図3の縦
軸の鋳型温度は、予め設定した平均温度で無次元化して
ある。また、それを用いて算出した、図4の縦軸の標準
偏差および図5の縦軸のスペクトル強度も無次元量であ
る。図4においては、一旦大きくなった変動が700秒
付近で低減し、その後900秒付近から、次第に変動が
大きくなっていることを示している。また図5のスペク
トル強度についても同様な傾向が観察される。また、図
2の湯面レベル変動が増大するよりも前に、標準偏差お
よびスペクトル強度が増大している。
【0038】−実施例1− 次に、上記と同一の鋳造条件において、本発明の湯面レ
ベル変動防止方法および装置を用いて鋳造した場合の結
果を示す。図6には、鋳型温度の時系列変化を示す。図
7および図8には、この時の、鋳型温度変動の標準偏
差、および特定周波数のスペクトル強度の時系列変化を
示す。本実施例においては、標準偏差の閾値を0.03
およびスペクトル強度の閾値を0.06に設定した。
【0039】900秒付近で、標準偏差が閾値を超えた
ため、引き抜き速度を1.6m/分から1.4m/分ま
で減速したところ、標準偏差が次第に低減したため、再
び、引き抜き速度を1.6m/分まで増速した。図9
に、この時の、鋳造速度の変化を示す。その後、130
0秒付近で、ロールピッチに対応する特定周波数成分
の、スペクトル強度が、閾値を超えたため、より低粘度
の0.7[poise]のパウダーに変更したところ、
約1分後には、スペクトル強度が低下した。図10に、
この時の、湯面変動の時系列変化を示す。
【0040】本発明によれば、図2に示したような、発
散的な湯面レベル変動は発生せず、良好な品質の鋳片が
得られた。本実施例では、操業条件の変更方法として、
引き抜き速度およびパウダー粘度のみを変更したが、鋳
型振動条件,電磁撹拌力,2次冷却水量および注入量制
御のゲインを変更した場合にでも、ほぼ同様な効果が得
られ、発散的な湯面レベル変動は発生しなかった。
【0041】図11に、鋳造速度1.5m/分以上の中
炭素鋼の連続鋳造に、本発明の方法を適用し、種々の操
業条件変更方法を実施した場合の、湯面レベル変動の平
均値を示す。それぞれの変更方法は、次のようである。
【0042】実施例1:引き抜き速度とパウダー粘度の
双方を変更(上述) 実施例2:引き抜き速度のみを変更 実施例3:パウダー粘度のみを変更 実施例4:鋳型振動条件のみを変更 実施例5:電磁撹拌力のみを変更 実施例6:2次冷却水量のみを変更 実施例7:注入量制御のゲインのみを変更 いずれの実施例においても、発散的な湯面レベル変動の
発生はなく、安定した鋳造が可能となり、生産性および
鋳片の品質は大幅に向上した。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
溶融金属の連続鋳造に際し、発散的な湯面レベル変動が
発生するよりも先に、鋳型内の温度からその兆候を事前
に検知して適切な操作を施すことによりその防止が可能
となり、生産性の向上,鋳片品質の向上が期待できるた
め、本発明は工業的に価値の高い発明であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の適用対象の1つである連続鋳造設備
の縦断面概要を示すブロック図である。
【図2】 従来の方法で、連続鋳造した場合の、図1に
示す鋳型1内の湯面レベルの時系列変化を示すタイムチ
ャ−トである。
【図3】 従来の方法で、連続鋳造した場合の、図1に
示す鋳型1の温度の時系列変化を示すタイムチャ−トで
ある。
【図4】 従来の方法で、連続鋳造した場合の、図1に
示す鋳型1内の湯面レベル変動の標準偏差の時系列変化
を示すタイムチャ−トである。
【図5】 従来の方法で、連続鋳造した場合の、図1に
示す鋳型1内の湯面レベル変動の特定周波数に対するス
ペクトル強度の時系列変化を示すタイムチャ−トであ
る。
【図6】 本発明を図1に示す鋳造設備に適用したとき
の、鋳型1の温度の時系列変化を示すタイムチャ−トで
ある。
【図7】 本発明を図1に示す鋳造設備に適用したとき
の、湯面レベル変動の標準偏差の時系列変化を示すタイ
ムチャ−トである。
【図8】 図6に示す鋳型温度変動の特定周波数に対す
るスペクトル強度の時系列変化を示すタイムチャ−トで
ある。
【図9】 本発明を図1に示す鋳造設備に適用したとき
の、引き抜き速度の時系列変化を示すタイムチャ−トで
ある。
【図10】 本発明を図1に示す鋳造設備に適用したと
きの、湯面レベルの時系列変化を示すタイムチャ−トで
ある。
【図11】 本発明の実施例の湯面レベル変動の平均値
を示すグラフである。
【符号の説明】
1:鋳型 2:熱電
対 3:溶融金属 4:注入
ノズル 5:凝固シェル 6:ピン
チロール 7:スプレーノズル 8:スラ
イディングノズル 9:電磁撹拌コイル 10:パウ
ダー 11:変換器 12:演
算装置 13:比較装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B22D 11/22 B22D 11/22 Z G05D 9/00 G05D 9/00 A (72)発明者 梶 谷 敏 之 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属の連続鋳造における湯面レベル
    変動の防止方法において、鋳型温度の時間変動を検知
    し、該鋳型温度の時間変動量が予め設定した閾値を超え
    た場合に、鋳造条件を変更することを特徴とする連続鋳
    造における湯面レベル変動防止方法。
  2. 【請求項2】 溶融金属の連続鋳造における湯面レベル
    変動の防止方法において、鋳型温度の時間変動を検知
    し、次いでその鋳型温度変動の規則性の程度を解析し、
    この規則性の程度が予め設定した閾値を超えた場合に、
    鋳造条件を変更することを特徴とする連続鋳造における
    湯面レベル変動防止方法。
  3. 【請求項3】 溶融金属の連続鋳造における湯面レベル
    変動の防止方法において、鋳型温度の時間変動を検知
    し、次いでその鋳型温度変動の規則性の程度を解析し、
    前記鋳型温度の時間変動量と前記鋳型温度変動の規則性
    の程度の双方が予め設定したそれぞれの閾値を超えた場
    合に、鋳造条件を変更することを特徴とする連続鋳造に
    おける湯面レベル変動防止方法。
  4. 【請求項4】 前記鋳型温度変動の規則性の程度を表す
    指標が、鋳型温度変動を周波数解析し、特定の周波数に
    対応するスペクトル強度であることを特徴とする請求項
    2または請求項3に記載の連続鋳造における湯面レベル
    変動防止方法。
  5. 【請求項5】 前記鋳造条件の変更を、引き抜き速度の
    低減、より低粘性の連続鋳造用パウダーへの変更、鋳型
    の振動条件の変更、電磁撹拌流速の低減、2次冷却帯の
    冷却水量の増大の中から選ばれる1つの対応策で、また
    は2つ以上の対応策の組み合わせで、実施することを特
    徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4
    に記載の連続鋳造における湯面レベル変動防止方法。
  6. 【請求項6】 前記鋳造条件の変更を、特定周波数に対
    応する注入量制御系の周波数ゲインを低下させることに
    より実施することを特徴とする請求項4に記載の連続鋳
    造における湯面レベル変動防止方法。
  7. 【請求項7】 溶融金属の連続鋳造における湯面レベル
    変動の防止装置において、鋳型温度の時間変動を検知す
    る手段と、該鋳型温度の時間変動量が予め設定した閾値
    を超えた場合に鋳造条件変更指令を出す解析装置とを有
    することを特徴とする連続鋳造における湯面レベル変動
    防止装置。
  8. 【請求項8】 溶融金属の連続鋳造における湯面レベル
    変動の防止装置において、鋳型温度の時間変動を検知す
    る手段と、該鋳型温度の時間変動の規則性の程度を解析
    する手段と、該鋳型温度変動の規則性の程度が予め設定
    した閾値を超えた場合に、または前記鋳型温度の時間変
    動量と前記鋳型温度変動の規則性の程度の双方が予め設
    定したそれぞれの閾値を超えた場合に鋳造条件変更指令
    を出す解析装置とを有することを特徴とする、連続鋳造
    における湯面レベル変動防止装置。
  9. 【請求項9】 前記鋳型温度変動の規則性の程度を解析
    する手段として、鋳型温度の時間変動の周波数解析を行
    う手段を有することを特徴とする請求項8に記載の連続
    鋳造における湯面レベル変動防止装置。
  10. 【請求項10】 前記鋳造条件変更指令を出す解析装置
    が、引き抜き速度の低減、より低粘性の連続鋳造用パウ
    ダーへの変更、鋳型の振動条件の変更、電磁撹拌流速の
    低減、2次冷却帯の冷却水量の増大、特定周波数に対応
    する注入量制御系の周波数ゲインの低下の中から選ばれ
    る1つの指令を、または2つ以上を組み合わせた指令を
    出すことを特徴とする請求項7,請求項8または請求項
    9に記載の連続鋳造における湯面レベル変動防止装置。
JP8035897A 1997-03-31 1997-03-31 連続鋳造における湯面レベル変動防止方法およびその装置 Withdrawn JPH10272546A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000043427A (ko) * 1998-12-29 2000-07-15 이구택 몰드 레벨 제어를 위한 스프레이 가변 냉각 제어방법
CN106825475A (zh) * 2016-12-26 2017-06-13 中冶连铸技术工程有限责任公司 消除电磁搅拌对热电偶信号干扰的数字滤波方法及系统
JP2020066026A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 日本製鉄株式会社 溶鋼の流動可視化装置、溶鋼の流動可視化方法及びコンピュータプログラム

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