JPH10272494A - 高濃度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法 - Google Patents

高濃度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法

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JPH10272494A JP9078181A JP7818197A JPH10272494A JP H10272494 A JPH10272494 A JP H10272494A JP 9078181 A JP9078181 A JP 9078181A JP 7818197 A JP7818197 A JP 7818197A JP H10272494 A JPH10272494 A JP H10272494A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩類などを含む廃水を再利用したり河川など
に直接放流することができる程にまで効率よく浄化する
方法、すなわち塩類を含有した有機性廃水の効率的な処
理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 塩類を含む有機性廃水に軟化処理を施し
てその中のカルシウム濃度を下げ、次いで有機物の除去
処理を施し、次いで逆浸透処理を施して逆浸透濃縮水と
淡水とに分離し、淡水を回収する一方、逆浸透濃縮水に
電気透析処理を施して塩類濃縮水と脱塩水とに分離し、
その脱塩水は有機物を除去した逆浸透処理対象の廃水中
に戻す。有機物の除去処理には、生物処理、凝集沈殿処
理、砂ろ過処理または精密ろ過膜処理を行うとよい。塩
類濃縮水は蒸発乾燥処理により、塩類と水分とに分離す
るとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度の塩類及び
有機物を含んでいて再利用や河川などへの放流ができな
い有機性廃水から、有機性成分を除去するだけではな
く、従来の処理では除去できない高濃度の塩類をもあわ
せ除去することができ、処理水として再利用や放流を可
能にする、高濃度の塩類を含有した有機性廃水の処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】し尿や浸出水などの塩類濃度が高い有機
性廃水は、一般に、カルシウムイオンなどの塩類や有機
物などの汚濁物質を高濃度に含んでいる。しばしば、生
化学的酸素要求量(BOD)や化学的酸素要求量(CO
D)が高く、多くの懸濁固体(SS)を含み、さらにコ
ロイド物質などに原因する色度を有している。そのた
め、通常これらを何らかの用途に直接再利用したり河川
などに直接放流したりすることはできない。このような
有機性廃水の処理方法としては、従来では、有機汚濁物
の除去を主体とした処理方法が用いられている。主な処
理方法としては、例えば、BOD除去を目的とした生物
処理、色度、COD及びSSなどの除去を目的とした凝
集沈殿処理、SSなど濁質の除去を目的とした砂ろ過や
精密ろ過膜(MF膜)処理がある。さらに、高度処理方
法として一般的にオゾンや活性炭を用いる方法などがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した有機性廃水の
処理方法においては、それらの処理を組み合わせること
により、BOD、CODなどの有機性成分を十分に除去
することができるような技術水準に達している。しか
し、有機性廃水は一般に有機物の他にも様々な塩類を含
んでおり、場合によってはかなりの高い濃度の塩類を含
有する場合がある。このような廃水を処理して河川など
に放水する場合には、放流水域の水質保護、あるいは農
業用水への影響も考慮しなければならず、近来、有機汚
濁成分だけでなく特にそのような塩類も廃水中から一緒
に除去する必要性が高まってきている。従来の有機性廃
水の浄化方法は、いずれも主にその中の有機汚濁成分を
除去することを目的としているため、塩類を除去する効
果がなく、その処理水の塩類濃度は流入原水とほぼ同程
度となっている。
【0004】塩類を含む水相中から塩類を除去する処理
方法はそれ自体では良く知られている技術であって、例
えば逆浸透法、電気透析法、蒸発法などを挙げることが
できる。逆浸透法は、半透膜(RO膜)で仕切られた室
中の塩類水に浸透圧以上の機械的圧力を加えることによ
り、半透膜を通して水を室外に出して脱塩するという方
法である。この方法の場合、効率は塩類水の塩類濃度に
左右されるという欠点がある。塩類水の濃度が高い場合
には脱塩水の回収率は低い。例えば、3.5wt%Na
Cl水溶液を脱塩処理する場合、処理圧力を60kgf
/cm2 としても、水回収率は高くても35〜40%で
ある。水の回収率を50%以上にするには操作圧力を7
0kgf/cm2 以上にしなければならない。しかし、
このような高圧では、処理コストの増加となるだけでは
なく、逆浸透処理装置の寿命などを考えるとその限界が
ある。さらに、塩類水が高い濃度でカルシウムイオンを
含んでいると半透膜表面にカルシウムスケールが析出す
る危険性がある。塩類濃度が比較的低くても、半透膜表
面でのカルシウムスケールの析出により透過水量の低下
で処理水の高い回収率での処理が困難となる。
【0005】電気透析法では、基本的に水の回収率を高
く得ることができる。しかし、電気透析される被処理水
がカルシウムイオンを高い濃度で含んでいる場合にはカ
ルシウムスケールが装置内に析出する。特に、電気透析
法では、陽極からの水素イオン及び陰極からの水酸イオ
ンの移動に伴うpH変化などによりカルシウムスケール
が生成しやすい。カルシウムスケールが析出すれば水を
高い回収率を得ることはできない点は、逆浸透法の場合
と同様である。しかも、この方法ではCODなどの有機
物を除去することができないため、良質の処理水を得る
ためには活性炭処理法などの他の処理法による有機物の
除去が必要となる。また、蒸発法は、系の相変化を伴う
方法であるため、必要エネルギーが大きく、処理コスト
を非常に増大させるという問題点がある。さらに、廃水
が揮発性の有機物や窒素−アンモニウム塩化合物(NH
4 −N)などを含んでいればそれらも処理水中に混入す
ることがあり、良質な処理水は得にくいという問題点も
ある。
【0006】本発明は、塩類を高い濃度で含む有機性廃
水を処理して、再利用したり河川などに直接放流するこ
とができる程にまで効率よく浄化する際に、有機性成分
を十分除去できるだけではなく、塩類を十分に除去する
ことができ、かつその処理に際してカルシウムスケール
の析出などの処理効果を低下させるという問題を起こさ
ないで、浄化を行い、塩濃度の低い処理水を高い効率で
得ることができる処理方法を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の手段に
よりその課題を解決した。 (1)高濃度の塩類を含有する有機性廃水に軟化処理を
行ってその中のカルシウム濃度を低下させた後、生物処
理、凝集沈殿処理、砂ろ過処理、精密ろ過膜処理からな
る群から選ばれる1以上の処理または2以上の組み合わ
せからなる処理を行い、次いで逆浸透膜を用いる逆浸透
処理により脱塩処理して、逆浸透濃縮水と処理水とに分
離し、処理水を回収するとともにその一方、前記逆浸透
濃縮水を引き続いて電気透析処理を施して電気透析濃縮
水と電気透析処理水とに分離し、その電気透析処理水
は、逆浸透処理の供給側に戻すことを特徴とする高濃度
の塩類を含有する有機性廃水の処理方法。 (2)前記軟化処理においてその処理後の廃水のT−C
a濃度を100mg/リットル以下とすることを特徴と
する前記(1)記載の高濃度の塩類を含有する有機性廃
水の処理方法。
【0008】(3)前記逆浸透処理において処理で生成
する逆浸透濃縮水がその蒸発残留物が55000mg/
リットル以上となるように処理することを特徴とする前
記(1)又は(2)記載の高濃度の塩類を含有する有機
性廃水の処理方法。 (4)前記電気透析処理においてその処理での脱塩率が
98%以上で、電気透析脱塩水がその蒸発残留物が10
00mg/リットル以下となるように処理することを特
徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の高濃
度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法。 (5)前記電気透析処理において電気透析濃縮水がその
蒸発残留物が13wt%以上となるように処理すること
を特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の
高濃度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は、本発明にかかる廃水の処理方
法を行う処理装置の一実施態様を示す概略図である。図
1に示す有機性廃水の処理装置は、前記有機性廃水を供
給する被処理水流入管1を接続した軟化処理装置2を設
け、その排出側に生物処理装置3、さらに凝集精密ろ過
装置4(図中では「凝集MFろ過装置4」と表示してあ
る)を設けてある。前記凝集精密ろ過装置4は、生物処
理装置3内又はそれから排出される生物処理水に無機凝
集剤等を添加して凝集物を生成させた水を精密ろ過膜
(MF膜)によりろ過する装置である。凝集精密ろ過装
置4のろ過処理水配管5の出口は逆浸透処理供給タンク
6内に開口している。
【0010】逆浸透処理供給タンク6から逆浸透処理供
給配管7が逆浸透処理装置8に連結し、この逆浸透処理
装置8からは逆浸透濃縮水管9と逆浸透処理水管10と
が別々に出ている。逆浸透処理装置8からの逆浸透濃縮
水配管9は電気透析処理供給タンク11内にその出口を
開口しており、その電気透析処理供給タンク11からは
電気透析処理供給配管12が電気透析処理装置13に延
びている。この電気透析処理供給配管12を通って電気
透析処理装置13への逆浸透濃縮水の供給は回分式に行
うことが好ましい。この電気透析処理装置13からは更
に電気透析処理水配管14と電気透析処理水配管15と
が別々に延び、電気透析処理水配管14はその出口を前
記逆浸透処理供給タンク6内に開口しており、その電気
透析濃縮水配管15は蒸発乾燥処理装置16に至ってい
る。
【0011】本発明では、その処理の対象とする有機性
廃水としては、有機性成分としてはそれほど高くないも
のでも処理できるものであって、有機性成分が電気透析
処理にまで入ると悪影響を及ぼすので、それを逆浸透処
理において除去することができる。また、その有機性廃
水中の塩類濃度については、かならずしも著しく高い濃
度のものを対象とするものではなく、前記したように放
流するには支障となる程度に高い濃度のもの、乃至はそ
れよりも高い濃度のものを対象とするに適しているもの
である。本発明の有機性廃水の処理方法は、このような
装置を使用して例えば次のようにして実施するとよい。
高い濃度で塩類を含有する有機性廃水を被処理水流入管
1から軟化処理装置2に導入して軟化処理を行う。軟化
処理は、例えば、石灰ソーダ軟化法やイオン交換硬水軟
化法によって水中のカルシウムやマグネシウムの硬水成
分(難溶塩形成成分)をナトリウムのような易溶性形成
成分に置換するような方法で行うことができる。この軟
化処理により、前記廃水中のT−Ca濃度を100mg
/リットル以下にするようにすることが好ましい。その
濃度は低いほど良いが、この程度であれば、以下の処理
を行う上で支障がなくなる。ここで、T−Ca濃度と
は、水中の全カルシウム濃度であって、イオンだけでな
く、溶解して未解離のカルシウム塩も含むものである。
このT−Ca濃度が100mg/リットル以下になると
逆浸透処理装置8あるいは電気透析処理装置13でカル
シウムスケールが発生することを効果的に防止すること
ができ、好ましい。
【0012】このようにしてカルシウムイオンを除去し
た廃水は、次いで生物処理装置3、凝集精密ろ過装置4
に導入し、有機汚濁物の多くを除去する。生物処理装置
3で行う生物処理方法としては、具体的には標準的な活
性汚泥法の他に、生物学的硝化脱窒素法なども挙げるこ
とができる。これらの方法を利用することによりBOD
を低下させることができる。凝集精密ろ過装置4で行う
凝集精密ろ過(凝集MF膜ろ過)処理方法としては、具
体的には、前記したように生物処理水に無機凝集剤を添
加して凝集させたものを精密ろ過膜でろ過する、という
方法を挙げることができる。このような方法を利用する
と特にSSなどの濁質を廃水中から除去することができ
る。
【0013】有機物の除去処理を施した前記廃水は、次
いで逆浸透処理装置8、続いて電気透析処理装置13に
導き、塩類の除去処理を施す。この電気透析処理装置1
3では、前記したように回分式で処理することが好まし
い。すなわち、上記の凝集精密ろ過装置4から逆浸透処
理供給タンク6にいったん貯蔵し、そこから逆浸透処理
装置8に導き、ここで逆浸透処理(「RO処理」ともい
う)を行う。逆浸透処理では、半透膜(「RO膜」とも
いう)中の塩類水に5Mpa以上の機械的な圧力を加
え、逆浸透濃縮水(「RO濃縮水」ともいう)と逆浸透
処理水とに分離し、脱塩した逆浸透処理水は逆浸透処理
水配管10を通じて回収する。
【0014】この逆浸透処理を行うと、逆浸透濃縮水と
してその蒸発残留物成分濃度が55000mg/リット
ル以上という高濃度塩類水とすることができ、廃水中の
塩類を濃縮させることができて、効率が良い。前記の
「蒸発残留物成分」とは、その水の水分を蒸発させれば
固形成分として蒸発缶中に残留する成分をいう。また、
先の生物処理や凝集精密ろ過膜処理で十分除去できなか
った廃水中の有機物はさらにこの半透膜でろ過して除去
されることとなり、汚濁有機物が逆浸透処理水中に入る
込むことはほとんどない。逆浸透濃縮水は、逆浸透処理
装置8から電気透析処理供給タンク11にいったん貯蔵
し、そこから電気透析処理装置13に導入する。
【0015】電気透析処理(「ED処理」ともいう)
は、多数の電気透析膜を配列し、交互に形成した濃縮室
と希釈室に逆浸透濃縮水を供給して、通電して濃縮室に
高濃度の電気透析濃縮水を得、希釈室に低濃度の電気透
析処理水を得るものである。電気透析処理は回分式に行
うとよい。回分式に行うと、脱塩した低濃度の電気透析
処理水と電気透析濃縮水との塩類濃度比は150以上と
することができ、蒸発残留物成分濃度13wt%以上
(130000mg/リットル以上)の電気透析濃縮水
を得ることができる。回分式処理が連続式処理の場合よ
りも脱塩率及び処理効率とも高い。この場合、電気透析
濃縮水から分離させた電気透析処理水では通常、98w
t%以上の塩類が除かれ、塩類濃度は1000mg/リ
ットル以下に低下する。
【0016】電気透析処理水は電気透析処理水配管14
を通じて逆浸透処理供給タンク6に還流する。有機物の
残存があれば逆浸透処理装置8でろ過される。電気透析
濃縮水は電気透析濃縮水配管15から蒸発乾燥処理装置
16に導き、蒸発乾燥処理することによって水分と塩類
とに分離し、塩類を単離する。逆浸透処理の効率は、塩
類濃度が低い場合にはよくなる。上記の実施の形態では
逆浸透処理供給タンク6に低濃度の電気透析処理水の還
流がある。したがって、逆浸透処理は通常の廃水より塩
類濃度の低い状態で行うことができ、その分、塩類濃度
が非常に低い大量の逆浸透処理水を効率よく回収でき
る。その一方で高い濃度の逆浸透濃縮水を縮小した容積
で回収できることになる。次いで、電気透析処理はこの
ような縮小した容積の逆浸透濃縮水を対象として行う。
【0017】したがって、電気透析処理の量的負担は大
きくなく、続いて行う蒸発乾燥処理でも処理対象となる
水量は更に絞られる。相変化をともない大量のエネルギ
ーを要する蒸発乾燥処理であっても効率よく行うことが
でき、塩類成分を固形成分として容易に単離することが
できる。電気透析処理で生じた低濃度の電気透析処理水
は逆浸透処理供給タンク6に還流させ、逆浸透処理水は
逆浸透処理を通じて回収していることから、凝集精密ろ
過を免れた微量の有機物が残存していたとしても回収す
る逆浸透処理水にそれが流れ込むことはほとんどない。
上記の実施の態様では有機物の除去にあたり、生物処理
方法と凝集精密ろ過膜処理方法とを採用しているが、実
際には有機物の除去を十分に行うことができるならばそ
の他の方法を採用してもよい。例えば、凝集沈殿処理方
法あるいは砂ろ過方法などを採用してもよい。凝集沈殿
処理方法によると色度やSSなどを除去し、CODも下
げることができる。砂ろ過方法によればSSなど濁質を
除去することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されることはない。 (実施例)図1に示す有機性廃水の処理装置を用い、高
濃度塩類を含有する有機性廃水を処理した。処理対象と
して用いた前記廃水(「被処理水」)、凝集精密ろ過後
の処理水(「MF処理水」)、逆浸透処理して得られた
逆浸透処理水(「RO処理水」)、電気透析処理して得
た電気透析濃縮水(「ED濃縮水」)のそれぞれの水質
を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】なお、カルシウムスケールの析出の有無
は、化学分析と各装置の処理性能を基に判断した。以上
の結果から次のことが分かった。被処理水すなわち浄化
対象として用いた廃水の最初の色度が500度、濁度が
200度、CODが250mg/リットル、T−Caが
1200mg/リットルであるのに対し、軟化処理、生
物処理及び凝集精密ろ過膜(凝集MF膜)処理を通過し
たMF処理水は、色度が50〜80度、濁度が0.5
度、CODが40〜60mg/リットル、T−Ca濃度
値が50mg/リットルになった。軟化処理でT−Ca
濃度値はその96%が減少、逆浸透処理する対象水のT
−Ca濃度値は50mg/リットルになった。このこと
から、逆浸透処理や電気透析処理の中でカルシウムに原
因するスケールの生成はほとんどなくなった。
【0021】逆浸透処理して得た逆浸透処理水、すなわ
ちRO処理水の色度は2度、CODは2.0mg/リッ
トルである。結局、逆浸透処理前の廃水のCOD及び色
度は、逆浸透処理により95%減少した。しかも逆浸透
処理前の廃水の電気伝導率は20000〜25000μ
S/cm、蒸発残留物成分濃度12000〜15000
mg/リットルであるのに対し、逆浸透処理水の電気伝
導率は400〜800μS/cm、蒸発残留物成分濃度
300〜400mg/リットル、この結果からも塩類は
97%以上が除去されたことが分かった。逆浸透処理後
の逆浸透処理水の水質は極めて良好で、多くの用途に再
利用することも可能である。電気透析処理したED濃縮
水の電気伝導率は約140000〜145000μS/
cm、蒸発残留物成分濃度は約160000〜1650
00mg/リットルである。電気透析処理した電気透析
処理水は逆浸透処理に返送し、これによって逆浸透処理
する対象水の塩類濃度が下がり、逆浸透処理水の回収率
は90〜91%となった。蒸発乾燥処理する電気透析濃
縮水の量は最初の被処理水の量の10分の1以下になっ
た。
【0022】(比較例1)実施例と同じ有機性廃水を軟
化処理することなく、凝集精密ろ過膜処理した後は直ち
に逆浸透処理して逆浸透処理水を回収し、淡水と分離し
た高濃度塩類水を塩類濃縮水(RO濃縮水)として蒸発
乾燥処理の対象水とし、電気透析処理は省略した。その
他は実施例と同様にした。水質検査の結果を表2に示
す。
【0023】
【表2】
【0024】第2表の結果から次のことが分かった。M
F処理水のT−Ca濃度値が1000〜1200mg/
リットル、カルシウムスケールの析出は凝集精密ろ過膜
処理する中で若干認められ、逆浸透処理する中で顕著と
なり、逆浸透処理では頻繁に膜洗浄が必要になった。逆
浸透処理水の回収率は74〜80%に止どまり、90〜
91%だった実施例より約10ポイント低くなってい
る。RO濃縮水中の蒸発残留物成分濃度は58000〜
60000mg/リットルしかなく、実施例のED濃縮
水の蒸発残留物成分濃度と比べて約3分の1程度であ
る。すなわち、濃縮水の水量は3倍になり、蒸発乾燥し
ようとすれば処理コストが大きく増加していることが分
かった。
【0025】(比較例2)軟化処理と逆浸透処理をする
ことなく、凝集精密(凝集MF)ろ過膜処理した後はそ
のMF処理水を直ちに電気透析処理(ED処理)し、得
られた低濃度塩類水(ED処理水)は淡水として回収、
塩類濃縮水(ED濃縮水)は蒸発乾燥処理の対象水と
し、その他は実施例と同様にした。水質検査の結果を表
3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】第3表の結果から次のことが分かった。M
F処理水のT−Ca濃度値は依然1000〜1200m
g/リットルある。カルシウムスケールの析出は凝集精
密ろ過膜処理の中で若干認められ、逆浸透処理する中で
顕著となり、浄化処理効率が低下した。ED濃縮水の蒸
発残留物成分濃度は120000〜125000mg/
リットル以上に濃縮することができず、処理水の回収率
も約85〜87%に止どまった。90〜91%だった実
施例より約4〜5ポイント低い。さらに、電気透析処理
前後の色度とCODとには変化がなく、処理水、被処理
水とも色度50〜80度、CODは40〜60mg/リ
ットルであり、凝集精密ろ過膜処理で除去しきれなかっ
た有機物はその後も全く除去されなかった。結局、実施
例と同程度の処理水を得るには更に他の処理方法による
有機物の除去が必要であることが分かった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、高濃度塩類を含有する有機性
廃水を予めカルシウム溶解濃度を下げ、有機物の除去処
理を行ってから逆浸透処理を施し、高濃度の逆浸透濃縮
水と低濃度の逆浸透処理水とに分離し、ここで逆浸透処
理水を回収するとともにその一方、逆浸透濃縮水には引
き続いて電気透析処理を施して電気透析濃縮水と低濃度
の電気透析処理水とに分離し、電気透析処理水は逆浸透
処理に還流させているから、逆浸透処理は比較的低濃度
の状態で行うこととなり、淡水レベルの逆浸透処理水の
回収率がよい。逆浸透処理水の回収は逆浸透処理によっ
て行っていることから、有機物成分が含まれていてもろ
過されて除かれ、回収する処理水の中に漏洩することも
ほとんどない。しかも、軟化処理を行っているので、カ
ルシウムスケールの析出というトラブルもなく、この方
法によれば塩類を高い濃度で含む有機性廃水を効率的に
淡水化して再利用したり河川などに直接放流することが
できる。また、有機性廃水の高度処理、脱塩処理、塩類
物質の濃縮回収、処理水の回収再利用などに応用するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を行う廃水の処理装置の概略
【符号の説明】
1 被処理水流入管 2 軟化処理装置 3 生物処理装置 4 凝集精密ろ過装置 5 凝集精密ろ過処理水配管 6 逆浸透処理供給タンク 7 逆浸透処理供給配管 8 逆浸透処理装置 9 逆浸透濃縮水配管 10 逆浸透処理水配管 11 電気透析処理供給タンク 12 電気透析処理供給配管 13 電気透析処理装置 14 電気透析処理水配管 15 電気透析濃縮水配管 16 蒸発乾燥処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 9/00 502 C02F 9/00 502P 504 504A 504E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高濃度の塩類を含有する有機性廃水に軟
    化処理を行ってその中のカルシウム濃度を低下させた
    後、生物処理、凝集沈殿処理、砂ろ過処理、精密ろ過膜
    処理からなる群から選ばれる1以上の処理または2以上
    の組み合わせからなる処理を行い、次いで逆浸透膜を用
    いる逆浸透処理により脱塩処理して、逆浸透濃縮水と処
    理水とに分離し、処理水を回収するとともにその一方、
    前記逆浸透濃縮水を引き続いて電気透析処理を施して電
    気透析濃縮水と電気透析処理水とに分離し、その電気透
    析処理水は、前記逆浸透処理の供給側に戻すことを特徴
    とする高濃度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記軟化処理においてその処理後の廃水
    のT−Ca濃度を100mg/リットル以下とすること
    を特徴とする請求項1記載の高濃度の塩類を含有する有
    機性廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記逆浸透処理においてその処理で生成
    する逆浸透濃縮水がその蒸発残留物が55000mg/
    リットル以上となるように処理することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の高濃度の塩類を含有する有機性廃
    水の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記電気透析処理においてその処理での
    脱塩率が98%以上で、電気透析脱塩水がその蒸発残留
    物が1000mg/リットル以下となるように処理する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高
    濃度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記電気透析処理において電気透析濃縮
    水がその蒸発残留物が13wt%以上となるように処理
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載
    の高濃度の塩類を含有する有機性廃水の処理方法。
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